JP2008184987A - 空気流量測定値補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を対象にして、吸気の脈動に起因した測定誤差をより容易且つ好適に補正することのできる空気流量測定値補正装置を提供する。
【解決手段】吸気通路にて吸気の流量を測定するエアフロメータの出力信号を補正する空気流量測定値補正装置(エンジン制御用ECU)として、吸気に係る音速の値に基づいて(詳しくは音速に応じた補正係数K1に基づいて)エンジン回転速度の実測値(クランク角センサによる測定値)を補正するプログラム(回転速度補正部B2)と、その回転速度補正部B2により補正された補正後のエンジン回転速度(補正後エンジン回転速度Ne2)とスロットル弁の開度(スロットル弁開度Ta)とに基づいて、対象エアフロメータの出力信号を補正するプログラム(センサ出力補正部B4)と、を備える構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用エンジン制御システムにおいて吸気の流量を測定するために用いられているエアフロメータ(空気流量測定センサ)等に適用されてその出力信号を補正する空気流量測定値補正装置に関する。
自動車用エンジン制御システムでは、吸気通路を通じてシリンダ(より詳しくは燃焼室)内へ導入される吸気の流量を測定するために、各種のエアフロメータ、例えば可動フラップ式、あるいはホットワイヤ(熱線)式、またあるいはカルマン渦式等のエアフロメータが使用されることがある。なかでも現在、ホットワイヤ式エアフロメータは一般に広く採用されている。このホットワイヤ式は、空気の流通による冷却作用を利用するものである。詳しくは、このホットワイヤ式エアフロメータは、電流量(通電量)に応じて加熱される被加熱素子としてのワイヤを備える。そうして、測定時には、電流供給量(ひいては通電量)を制御することにより、そのワイヤが一定温度に加熱され、空気流量に対応したワイヤ冷却量、ひいてはその冷却量に応じた電流変化量に基づいて、その時々の空気流量を示す電気信号(出力信号)が出力されるようになっている。
しかしこれらのエアフロメータによっても、必ずしも常に高い精度で対象エンジンの吸気流量を測定することができるわけではない。エンジンの運転状態によっては、その測定誤差(エアフロメータの出力信号が示す空気流量と実際の空気流量とのずれ)が大きくなり、補正が必要になる場合もある。例えば吸気流の共振等に起因して強い脈動が発生した場合には、吸気の逆流が懸念されるようになり、吸気流に逆流が生じた場合には、エアフロメータの測定誤差が大きくなる。詳しくは、上述したホットワイヤ式エアフロメータを含め、一般的なエアフロメータでは、空気流の方向を区別せずに空気流量が検出されるため、空気流に逆流が生じた場合にも、順方向の空気流と同様にその流量が測定されることになる。そのため、吸気流に逆流が生じた場合には、その逆流の度合に応じてエアフロメータの測定誤差が大きくなる。
そこで従来、例えば特許文献1に記載される装置のように、スロットル弁(吸気絞り弁)の開度、エンジン回転速度、及び吸気温度をパラメータとする補正係数マップを用いて、上記エアフロメータの出力信号を補正するようにした空気流量測定値補正装置が提案されている。こうした構成の装置によれば、吸気の脈動に影響するパラメータ(上記吸気絞り弁の開度、エンジン回転速度、及び吸気温度)の値に基づきセンサ出力を補正して、上述の脈動に起因した測定誤差を補償することができるようになる。
特開平9−133547号公報
しかしながら、上記吸気温度は、エアフロメータの測定値に対し、原理上での直接的な結びつきを持つものではないため、同エアフロメータ測定値の補正係数を求めるためのパラメータとしては扱いづらい。具体的には、例えば上記特許文献1に記載の装置のように、この吸気温度を補正係数マップのパラメータとして用いた場合には、吸気温度とエアフロメータの測定値との関係を予め実験等で求める必要があり、その補正係数マップの作成に膨大な手間と費用と時間とがかかってしまう。すなわち上記装置であっても、この点については、まだ改善の余地が残されている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を対象にして、吸気の脈動に起因した測定誤差をより容易且つ好適に補正することのできる空気流量測定値補正装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及び、その作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、弁開度に応じて流量を可変とする吸気絞り弁が中途に設けられた吸気通路を通じてシリンダ内へ導入される吸気と燃料との反応に基づく燃料燃焼で生成したトルクにより出力軸を回転させるエンジンに適用され、前記吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を補正する空気流量測定値補正装置において、前記吸気絞り弁の開度と、前記エンジン出力軸の回転速度であるエンジン回転速度と、前記吸気に係る音速とで定義される、その時の状態に応じた測定誤差を補償すべく、それらエンジン回転速度及び吸気絞り弁開度及び音速の値に基づいて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するセンサ出力補正手段を備えることを特徴とする。
発明者は、原理上でより直接的に空気流量測定センサ(エアフロメータ)の測定値に作用するパラメータとして音速に注目し、上記装置を発明した。吸気に係る音速(吸気部分の音速)は、吸気脈動の伝播速度に相当するものであり、吸気に係る音速と温度とを比較した場合、温度よりも音速の方が、原理上、空気流量測定センサの測定値に対してより直接的な結びつきを持つ。したがって、吸気温度よりも音速の方が、空気流量測定センサの測定誤差を補償するために用いて有効である。このため、上記構成によれば、吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を対象にして、吸気の脈動に起因した測定誤差をより容易且つ好適に補正することができるようになる。
請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の装置において、前記吸気に係る音速の値に基づいて前記エンジン回転速度の実測値(例えばエンジン出力軸に設けられた回転検出用のセンサによる測定値)を補正する回転速度補正手段を備え、前記センサ出力補正手段が、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とに基づいて、前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものであることを特徴とする。
発明者は、音速が空気流量測定センサの測定値に対して与える影響を、エンジン回転速度が同センサの測定値に対して与える影響と同様の次元で考えることができることに着眼し、上記装置を発明した。この装置では、上記回転速度補正手段により、音速に起因した測定誤差を、エンジン回転速度に起因した測定誤差に変換して、上記センサ出力補正手段により、これらの測定誤差を1つにまとめて上記エンジン回転速度に起因した測定誤差として一括に補償することができる。こうした装置であれば、音速に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差とを1つにまとめることにより、例えばマップや数式等からなる補正係数導出手段を用いて両値に共通の補正係数を導く場合に、その補正係数導出手段のパラメータの数を減らして同手段のサイズ縮小を図ることができる。そしてこれにより、同手段の作成の手間が削減され、その補正係数導出手段の格納場所としての記憶領域(記憶容量)の確保が容易になる。
具体的には、請求項3に記載の発明のように、上記請求項2に記載の装置において、前記エンジン回転速度の実測値をNe1、同エンジン回転速度の補正後の値をNe2、前記吸気に係る音速の所定基準値をSp0、同音速のその時の値をSp1とした場合、前記回転速度補正手段が、「Ne2=Ne1×(Sp0/Sp1)」なる関係式に基づいて、前記エンジン回転速度の実測値を補正するものである構成とすることが有効である。こうした構成によれば、上記関係式に基づいて上記音速に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差とを1つにまとめることで、高い精度で、しかも容易に、両値に共通の補正係数を導くことが可能になる。
さらに、これら請求項2又は3に記載の装置に関しては、請求項4に記載の発明のように、前記吸気絞り弁の開度及び前記補正後のエンジン回転速度の両値で定義される複数の状態に対してそれぞれ1つの補正係数を関連付ける補正係数導出手段(例えば前記吸気絞り弁の開度及び前記補正後のエンジン回転速度をパラメータとする補正係数マップや数式)と、この補正係数導出手段を参照して、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とによって一意的に定まる1つの補正係数(前記吸気絞り弁の開度及び前記エンジン回転速度及び吸気に係る音速に起因した測定誤差を補償するための補正係数)を取得する補正係数取得手段と、を備え、前記センサ出力補正手段が、前記補正係数取得手段により取得された補正係数を用いて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものである構成とすることで、上記構成をより容易且つ的確に実現することが可能になる。
ところで、上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置において、吸気に係る音速(吸気部分の音速)を測定する方法は任意である。例えば前記空気流量測定センサの出力信号から脈動周期を検出することにより音速を算出することができる。ただし実用性を考えた場合には、請求項5に記載の発明のように、前記吸気の温度に基づいて前記吸気に係る音速を求める音速取得手段を備える構成とすることが有効である。一般的なエンジン制御では、吸気温度を検出するためのセンサが用いられている。このため、上記構成とすることで、こうした周知のセンサを用いてより容易に上記構成を実現することが可能になる。
請求項6に記載の発明では、弁開度に応じて流量を可変とする吸気絞り弁が中途に設けられた吸気通路を通じてシリンダ内へ導入される吸気と燃料との反応に基づく燃料燃焼で生成したトルクにより出力軸を回転させるエンジンに適用され、前記吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を補正する空気流量測定値補正装置において、前記吸気絞り弁の開度と、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数とで定義される、その時の状態に応じた測定誤差を補償すべく、それら吸気絞り弁開度と脈動周期又は脈動周波数との値に基づいて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するセンサ出力補正手段を備えることを特徴とする。
発明者は、上記音速と共に、脈動周期や脈動周波数というパラメータにも注目した。脈動周期及び脈動周波数はどちらも、音速と同様、空気流量測定センサの測定値に対して温度よりも直接的な結びつきを持つパラメータである。したがって、吸気温度よりも脈動周期や脈動周波数の方が、空気流量測定センサの測定誤差を補償するために用いて有効である。このため、上記構成によれば、吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を対象にして、吸気の脈動に起因した測定誤差をより容易且つ好適に補正することができるようになる。
また、この請求項6に記載の装置については、所定の方式で前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段を備える構成とすることがより有効である。具体的には、例えば請求項7に記載の発明のように、
・前記吸気に係る音速と前記エンジン出力軸の回転速度であるエンジン回転速度とに基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段。
あるいは請求項8に記載の発明のように、
・前記補正の対象とされる空気流量測定センサとして、又は、該空気流量測定センサとは別に、前記吸気通路に設けられた吸気の流量を測定するセンサの出力信号に基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段。
あるいは請求項9に記載の発明のように、
・前記吸気通路にて吸気の圧力を測定する圧力センサの出力信号に基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段。
といった脈動パラメータ導出手段を備える構成とすることが特に有効である。これら請求項7〜9に記載の構成によれば、脈動パラメータ(脈動周期又は脈動周波数)の導出(例えば各種センサ出力等に基づく算出や推定)から、前記空気流量測定センサの出力補正までの一連の処理を当該空気流量測定値補正装置内で行うことができるようになるとともに、その脈動パラメータの導出精度(正確さ)についても、上記各構成であれば、比較的高い精度が期待できるようになる。
なお、上記請求項7〜9に記載の3種類の脈動パラメータ導出手段のいずれか1つさえあれば、上記脈動パラメータ(脈動周期又は脈動周波数)を求めることは可能である。しかし、その導出精度を上げる等の目的で、これら手段の2以上を組み合わせて用いることも有効である。例えば用途等によっては、2以上の手段を状況に応じて切り替えたり、2以上の手段で求めた脈動パラメータの値の平均をとったりする構成なども有効である。
上記請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置に関しては、請求項10に記載の発明のように、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数の値に基づいて前記エンジン回転速度の実測値(例えばエンジン出力軸に設けられた回転検出用のセンサによる測定値)を補正する回転速度補正手段を備える構成とし、前記センサ出力補正手段についてはこれを、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とに基づいて、前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものとすることが有効である。こうすることで、例えばマップや数式等からなる補正係数導出手段を用いて脈動周期又は脈動周波数に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差との両値に共通の補正係数を導く場合に、その補正係数導出手段のパラメータの数を減らして同手段のサイズ縮小を図ることができるようになる。そしてこれにより、同手段の作成の手間が削減され、その補正係数導出手段の格納場所としての記憶領域(記憶容量)の確保が容易になる。
なお、上記請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置において、前記補正の対象とされる空気流量測定センサとしては原理上、任意のセンサを採用することができる。ただし、少なくともホットワイヤ式エアフロメータについては、吸気脈動に起因した測定誤差が生じ易い傾向にあることが既に発明者によって確認されている。したがって、上記請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明は、請求項11に記載の発明のように、前記補正の対象とされる空気流量測定センサが、前記吸気通路に設けられたホットワイヤ式エアフロメータである構成に適用して特に有効である。
以下、本発明に係る空気流量測定値補正装置を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の装置は、例えば4輪自動車用エンジンとしてのレシプロ式エンジンを対象にしたエンジン制御システムに搭載されている。
まず図1を参照して、本実施形態に係る空気流量測定値補正装置が搭載されたエンジン制御システムの概略構成について説明する。なお、本実施形態の制御対象としては、多気筒(例えば直列4気筒)のエンジンを想定している。しかしこの図1においては説明の便宜上、1つのシリンダ(気筒)のみを図示している。
同図1に示されるように、このエンジン制御システムは、シリンダ20内での燃焼を通じて生成したトルクにより、出力軸であるクランク軸10d(図示部分はクランク軸に装着されたパルサ歯車)を回転させるエンジン10(内燃機関)を制御対象として、該エンジン10を制御するための各種センサ及びECU(電子制御ユニット)50等を有して構築されている。
ここで制御対象とされるエンジン10は、火花点火式レシプロエンジンであり、基本的には、シリンダブロック10aによりシリンダ(気筒)20が形成されて構成されている。シリンダブロック10aには、冷却水がエンジン10内を循環するための冷却水路10bと、同水路10b内の冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ10cとが設けられており、その冷却水によりエンジン10が冷却されている。また、シリンダ20内には、ピストン20aが収容され、そのピストン20aの往復動により、出力軸としてのクランク軸10dが回転するようになっている。このクランク軸10dの外周側には、所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)クランク角信号を出力するクランク角センサ10eが配設され、そのクランク軸10dの回転角度(エンジン回転速度)が検出可能とされている。また、シリンダブロック10aの上端面にはシリンダヘッドが固定されており、そのシリンダヘッドとピストン20a冠面との間には燃焼室20bが形成されている。
シリンダヘッドには、燃焼室20bに開口する吸気ポート(吸気口)と排気ポート(排気口)とが形成されており、これら吸気ポート及び排気ポートは、それぞれクランク軸10dに連動するカム軸に取り付けられたカム(図示略)によって駆動される吸気弁21と排気弁22とにより開閉されるようになっている。また、吸気ポートには、エンジン10の各シリンダに外気(新気)を吸入するための吸気管30(吸気マニホールド)が接続され、排気ポートには、エンジン10の各シリンダからの燃焼ガス(排気)を排出するための排気管40(排気マニホールド)が接続されている。そして、吸気管30の中途には、吸気脈動や吸気干渉を防ぐ等の目的で通路面積の拡大(拡径)されたサージタンク30aが設けられている。またカム軸には、上記吸気弁21及び排気弁22に係る動弁機構として、吸気側及び排気側にそれぞれ可変バルブタイミング装置11,12(可変動弁機構の1つ)及びカムポジションセンサ11a,12aが設けられている。
エンジン10の吸気系を構成する吸気管30(吸気通路)には、吸気管30最上流部のエアクリーナ31を通じて吸入される新気量を検出するために、前述したホットワイヤ(熱線)式のエアフロメータ32a(空気流量測定センサ)と、その下流側にて吸気温度を検出するための吸気温センサ32bとが設けられている。さらに、この吸気温センサ32bの下流側には、DCモータ等のアクチュエータによって電子的に開度調節される電子制御式のスロットル弁33(吸気絞り弁)と、このスロットル弁33の開度(スロットル弁開度)や動き(開度変動)を検出するためのスロットル開度センサ33aとが設けられており、弁開度に応じてその下流側に設けられた上記サージタンク30aへ送る空気量を調節することができる(流量を可変とする)ようになっている。
また吸気管30は、サージタンク30aの下流側で、エンジン10の各シリンダに空気を導入するように分岐している。そして、この吸気管30の分岐路には、各シリンダの吸気ポート近傍にて燃料を噴射供給する電磁駆動式(又はピエゾ駆動式等)のインジェクタ35(燃料噴射弁)がそれぞれ取り付けられている。こうして、このインジェクタ35により、吸気通路、特に各シリンダの吸気ポートに対して、燃料(ガソリン)が噴射供給(ポート噴射)されるようになっている。
エンジン10では、上記インジェクタ35により噴射された燃料(厳密には吸入空気との混合気)に対して点火を行うことでその燃料を燃焼させるようにしている。このため、エンジン10のシリンダヘッドには、点火コイル等からなる点火装置15a等を備えた点火プラグ15が、シリンダごとに取り付けられている。すなわち、このエンジン10において点火を行う際には、ECU50により、上記点火プラグ15に対して、所望の点火時期で高電圧が印加される。そして、この高電圧の印加により、各点火プラグ15の対向電極間に火花放電が発生し、この発生した火花放電によって、燃焼室20b内に導入された混合気が着火し、吸気と燃料との反応に基づき燃料が燃焼する。なお、このエンジン10は、4ストロークエンジンである。すなわち、このエンジン10では、吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程による1燃焼サイクルが「720°CA」周期で逐次実行される。
一方、エンジン10の排気系を構成する排気管40(排気通路)には、排気浄化を行うための排気後処理システムとして、例えば排気中のCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒等からなる触媒41が設けられ、この触媒41の上流側には排気を対象として混合気の空燃比又はリッチ/リーンを検出するための酸素濃度センサ41a(例えばリニア検出式のA/Fセンサや2値検出式のO2センサ等)が設けられている。
そしてこうしたシステムの中で、本実施形態の空気流量測定値補正装置として機能するとともに、電子制御ユニットとして主体的にエンジン制御を行う部分がECU50である。このECU50には、上記各種センサの他、運転者(ドライバ)によるアクセル操作量(アクセル開度)を検出するためのアクセルセンサ50a等の各種センサからの検出信号が逐次入力される。このECU50は、それら各種センサの検出信号に基づいてエンジン10の運転状態やユーザの要求を把握し、それに応じて上記インジェクタ35等の各種アクチュエータを操作することにより、その時々の状況に応じた最適な態様で上記エンジン10に係る各種の制御を行うものである。
より詳しくは、このECU50は、周知のマイクロコンピュータ(図示略)を備えて構成されている。そして、このマイクロコンピュータは、基本的には、各種の演算を行うCPU(基本処理装置)、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM(Random Access Memory)、プログラムメモリとしてのROM(読み出し専用記憶装置)、データ保存用メモリとしてのEEPROM(電気的に書換可能な不揮発性メモリ)やバックアップRAM(車載バッテリ等のバックアップ電源により給電されているRAM)、さらにはA/D変換器やクロック発生回路等の信号処理装置、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等といった各種の演算装置、記憶装置、信号処理装置、及び通信装置等によって構成されている。そして、ROMには、当該エアフロメータ32aの測定値補正処理に係るプログラムをはじめとするエンジン制御に係る各種のプログラムや制御マップ等が、またデータ保存用メモリ(EEPROM)には、エンジン10の設計データをはじめとする各種の制御データ等が、それぞれ予め格納されている。
ところで、本実施形態の空気流量測定値補正装置(ECU50)も、前述した特許文献1に記載の装置と同様、吸気通路にて吸気の流量を測定するエアフロメータ32a(空気流量測定センサ)の出力信号を対象にして、吸気の脈動に起因した測定誤差(特に増大側への誤差)を補正するものである。ただし本実施形態の装置では、その吸気に係る音速をパラメータにして補正係数を求めるような構成としたことで、その補正をより容易且つ好適に行うことができるようになっている。
以下、図2〜図4を参照して、このエアフロメータ32aの測定値補正処理を用いた燃料噴射制御の一例、すなわち同補正処理の組み込まれた燃料噴射制御について詳述する。なお、これら各図において、図2は、上記ECU50の、特にそのエアフロメータ32aの測定値補正処理に係る部分を機能別にブロック化して示したブロック図である。また図3は、同補正処理を含む上記燃料噴射制御の一例についてその処理手順を示すフローチャート、図4は、同補正処理に用いられる補正係数マップを示すグラフである。ここでは、上記図3に示す燃料噴射制御の処理手順に従って説明を行う。
この図3の処理は、基本的には、ECU50でROMに記憶されたプログラムが実行されることにより、所定クランク角ごとに又は所定時間周期で逐次実行される。そして、その一連の処理において用いられる各種パラメータの値は、例えばECU50に搭載されたRAMやEEPROM、あるいはバックアップRAM等の記憶装置に随時記憶され、必要に応じて随時更新される。
同図3に示すように、この一連の処理においては、まずステップS11にて、上記クランク角センサ10eの出力信号に基づき、その時のクランク軸10dの回転角度(エンジン回転速度Ne1)を算出し、続くステップS12で、上記吸気温センサ32bにより、その時の吸気温度Tha1を検出する。
さらに続くステップS13では、回転速度補正係数取得部B1(図2)により、上記ステップS12で取得した吸気温度Tha1に基づいて吸気に係る音速を算出するとともに、その音速に応じた補正係数K1を算出する。
詳しくは、吸気温度の所定基準値(基準吸気温度)をTha0、吸気に係る音速の所定基準値をSp0、同音速のその時の値(上記吸気温度Tha1に応じた実測値)をSp1とした場合、
Sp0=331.5+0.6×Tha0 …(式1)
Sp1=331.5+0.6×Tha1 …(式2)
K1=Sp0/Sp1 …(式3)
なる関係式(式1)〜(式3)に基づいて補正係数K1を算出する。
そして、このステップS13に続くステップS14においては、こうした補正係数K1に基づいて上記エンジン回転速度Ne1(クランク角センサ10eによる実測値)を補正し、同エンジン回転速度Ne1の補正後の値である補正後エンジン回転速度Ne2を取得する。詳しくは、回転速度補正部B2(図2)により、「Ne2=Ne1×K1」なる補正演算(ここでは乗算)を行い、補正後エンジン回転速度Ne2を算出する。
さらに、続くステップS15で、上記スロットル開度センサ33aにより、その時のスロットル弁33の開度Taを検出する。そして、これに続くステップS16で、そのステップS15で検出したスロットル弁開度Taと、上記ステップS14で算出した補正後エンジン回転速度Ne2とに基づいて、エアフロメータ32aの出力信号を補正するための補正係数K2を求める。
詳しくは、この補正係数K2の取得処理は、補正係数取得部B3(補正係数取得手段)が、予め実験等により作成された補正係数マップ(補正係数導出手段)を参照することにより行う。図4に、この補正係数マップの一例をグラフとして示す。なお、この補正係数マップは、発明者が実際に実験等により最適値(適合値)を求めて作成した一例である。
同図4中にグラフとして示されるように、このマップでは、補正係数K2(グラフ縦軸)とエンジン回転速度Ne(グラフ横軸)との関係(補正特性)が、スロットル弁開度Taの大きさに応じて7種類ほど規定されている。そして、同図4に示されるように、これら7種類の補正特性はいずれも、エンジン回転速度Neの一点(この例では「2000rpm」)を極小点(補正無しの「K2=1」から最も遠い補正量最大の点に相当)として、エンジン回転速度Neがこの極小点よりも大きくなるほど、あるいは小さくなるほど、その回転速度Neに関連付けられている補正係数K2が大きくなる(「K2=1」に近づく)ようになっている。
一方、これら7種類の補正特性(グラフ)では、互いに上記極小点(「2000rpm」)に対して、異なる大きさの補正係数K2が関連付けられており、エンジン回転速度Neの全域にわたる補正係数K2の値も、その極小点における補正係数K2の値に応じたものとなっている(極小点で補正係数K2が他の補正特性よりも小さいものは、エンジン回転速度全域にわたり補正係数K2が他の補正特性よりも小さくなっている)。そして、これら7種類の補正特性には、それぞれ7種類のスロットル弁開度Ta(この例では「20」「40」「50」「60」「70」「80」「85」、いずれも単位は「deg」)が関連付けられている。詳しくは、これら7種類の開度Taのうち、より小さい開度に対して、上記7種類の補正特性(グラフ)のうち、より補正係数K2の小さい特性が関連付けられている。すなわち、スロットル弁開度Taについては、この開度Taが小さくなるほど、その開度Taに関連付けられている補正係数K2が大きくなる(「K2=1」に近づく)ようになっている。
上記のように、このマップでは、スロットル弁開度Ta及びエンジン回転速度Ne(本実施形態では補正後エンジン回転速度Ne2に対応)の両値で定義される複数の状態に対してそれぞれ1つの補正係数K2が関連付けられている。すなわち上記ステップS16では、こうした補正係数マップを参照して、上記ステップS15で検出したスロットル弁開度Taと、上記ステップS14で算出した補正後エンジン回転速度Ne2とによって一意的に定まる1つの補正係数K2を取得する。詳しくは、まずスロットル弁開度Taの値に応じて上記7種類の補正特性(グラフ)から1つの補正特性を選択する。次いで、その選択した補正特性により、補正後エンジン回転速度Ne2(グラフ横軸)に応じた補正係数K2(グラフ縦軸)を取得する。なお、マップのデータ間隔が大きくて(粗くて)マップ上に対応する値(Ne2やK2)がない場合などには、適宜そのデータ間を補間して足りない値を補うように構成することが有効である。
上述したエアフロメータ32aの測定値に対する補正は、このステップS16で取得した補正係数K2によって行われる。すなわち、続くステップS17で、エアフロメータ32aのその時の測定値(センサ出力値Ga1)を取得し、さらに続くステップS18で、その取得したセンサ出力値Ga1を補正係数K2に基づいて補正して補正後センサ出力値Ga2を得る。詳しくは、センサ出力補正部B4(センサ出力補正手段、図2)により、「Ga2=Ga1×K2」なる補正演算(ここでは乗算)を行い、補正後センサ出力値Ga2を算出する。
そして続くステップS19で、この補正後センサ出力値Ga2(ひいてはこの値Ga2が示す新気量)に基づいて、目標空燃比(例えば理論空燃比)を満足するような燃料噴射量(インジェクタ35の開弁時間に相当)を算出し、別途エンジン運転状態等に基づき設定される燃料噴射時期に同期して、その燃料噴射量で上記インジェクタ35による燃料噴射を実行する。
このように、本実施形態では、図3の処理を通じてエアフロメータ32a(空気流量測定センサ)の出力信号を補正し、その補正後の出力信号に基づき吸入空気量、ひいては燃料噴射量を求めるようにしている。これにより、高い精度で燃料噴射量が制御されることになる。
以上説明した本実施形態に係る空気流量測定値補正装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)吸気管30(吸気通路)にて吸気の流量を測定するエアフロメータ32a(空気流量測定センサ)の出力信号を補正する空気流量測定値補正装置(エンジン制御用ECU50)として、スロットル弁33(吸気絞り弁)の開度と、エンジン出力軸(クランク軸10d)の回転速度であるエンジン回転速度と、吸気に係る音速とで定義される、その時の状態(エンジン運転状態)に応じた測定誤差を補償すべく、それらエンジン回転速度及びスロットル弁開度及び音速の値に基づいてエアフロメータ32aの出力信号を補正するプログラム(センサ出力補正手段、図2のセンサ出力補正部B4)を備える構成とした。詳しくは、吸気に係る音速の値に基づいて(詳しくは音速に応じた補正係数K1に基づいて)エンジン回転速度の実測値(クランク角センサ10eによる測定値)を補正するプログラム(回転速度補正手段、図2の回転速度補正部B2)を備える構成とした。そして、上記センサ出力補正部B4についてはこれを、回転速度補正部B2により補正された補正後のエンジン回転速度(補正後エンジン回転速度Ne2)とスロットル弁33の開度(スロットル弁開度Ta)とに基づいて、上記エアフロメータ32aの出力信号を補正するものとした。こうした装置であれば、音速に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差とを1つにまとめることにより、両値に共通の補正係数を導くための補正係数マップ(補正係数導出手段、図4)のパラメータの数を減らして同マップのサイズ縮小(簡素化)を図ることができる。そしてこれにより、同マップの作成の手間が削減され、そのマップの格納場所としての記憶領域(記憶容量)の確保が容易になる。
(2)エンジン回転速度の実測値をNe1、同エンジン回転速度の補正後の値をNe2、前記吸気に係る音速の所定基準値をSp0、同音速のその時の値をSp1とした場合、上記回転速度補正部B2が、「Ne2=Ne1×(Sp0/Sp1)」なる関係式に基づいて、エンジン回転速度の実測値を補正するものである構成とした。こうした構成によれば、上記関係式に基づいて上記音速に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差とを1つにまとめることで、高い精度で、しかも容易に、両値に共通の補正係数を導くことが可能になる。
(3)スロットル弁開度Ta及び補正後エンジン回転速度Ne2の両値で定義される複数の状態に対してそれぞれ1つの補正係数を関連付ける補正係数マップ(補正係数導出手段、図4)と、この補正係数マップを参照して、補正後エンジン回転速度Ne2とスロットル弁開度Taとによって一意的に定まる1つの補正係数K2を取得するプログラム(補正係数取得手段、補正係数取得部B3)と、を備える構成とした。そして、上記センサ出力補正部B4についてはこれを、補正係数K2を用いて上記エアフロメータ32aの出力信号を補正するものとした。こうすることで、上記構成をより容易且つ的確に実現することが可能になる。
(4)吸気の温度に基づいて音速を求めるプログラム(音速取得手段、上記(式1)〜(式3))を備える構成とした。こうすることで、周知の吸気温センサ32bを用いてより容易に上記構成を実現することができる。
(5)補正対象の空気流量測定センサを、ホットワイヤ式のエアフロメータ32aとした。これにより、ホットワイヤ式エアフロメータにおいて特に懸念される、前述の吸気脈動に起因した測定誤差が、上記図3の処理を通じて的確に補償されるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・図4に例示した補正係数マップはあくまで一例であり、本発明に係る装置に用いられる補正係数マップの構成が、これに限定されることはない。例えば上記実施形態では、補正係数マップのサイズ縮小(簡素化)を図るため、エアフロメータ32aの出力信号を補正するための補正係数K2の導出に先立ち、音速に起因した測定誤差とエンジン回転速度に起因した測定誤差とを一括で補償する補正係数K1を求めることによって、同マップのパラメータを、その補正係数K1に基づく補正後エンジン回転速度Ne2とスロットル弁開度Taとの2つに減らした(いわゆる二次元マップ)。しかしこれに代えて、吸気に係る音速とエンジン回転速度Ne1とスロットル弁開度Taとの3つをパラメータとする三次元の補正係数マップを用いるようにしてもよい。なおこの場合は、上記補正係数K1を求める必要がなくなる。そして、エンジン回転速度Neと補正係数K2との関係は、図5に例示するように、音速が大きくなるほど、前述したエンジン回転速度Neの一点に形成される補正係数K2の極小点が、エンジン回転速度Neの高速側へずれるような音速特性を示す。したがって、こうした特性を先の図4に例示したグラフに反映させることにより、上記三次元マップを作成することができる。
・一般にホットワイヤ式のエアフロメータには吸気温センサが内蔵されているため、そのエアフロメータ内蔵のセンサで代用して、上記吸気温センサ32bを割愛するようにしてもよい。
・吸気に係る音速(吸気部分の音速)を測定する方法は任意である。例えば前記空気流量測定センサの出力信号から脈動周期や脈動周波数を算出することにより音速を算出するようにしてもよい。
・上記吸気に係る音速(吸気部分の音速)に代えて、吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を用いるようにしてもよい。この場合は、例えば上記実施形態を部分的に変更し、上記図3のステップS12にて、その吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求め、続くステップS13にて、その脈動周期又は脈動周波数に基づいて(例えば基準値からのずれ度合に基づいて)、補正係数K1を算出する。このような構成によっても、前記(1)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果を得ることはできる。
なおこの場合、上記ステップS12で吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求めるプログラム(脈動パラメータ導出手段)としては、例えば吸気に係る音速(例えば(式2)により算出)とエンジン出力軸の回転速度(エンジン回転速度、例えばクランク角センサ10eのセンサ出力から算出)とに基づいて、同吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求めるプログラムを用いることが有効である。詳しくは、例えば予め実験等により作成され、上記音速ごと及びエンジン回転速度ごとに脈動周期又は脈動周波数の適合値(推定値)の書き込まれた所定のマップ(例えばROM等に記憶、数式でも可)を用いて、上記脈動パラメータ(吸気に係る脈動周期又は脈動周波数)を取得する。
あるいは、上記エアフロメータ32a(又はこれとは別に新たに上記吸気管30に追加したエアフロメータ)の出力信号を逐次取得して、その出力信号(ひいてはその波形)から吸気の脈動周期又は脈動周波数を算出するプログラムなども有効である。ちなみに、エアフロメータ32aの出力における絶対量(感度)に関する出力ずれは、吸気の脈動周期又は脈動周波数を算出する上での大きな支障とはならない。このため、補正の対象とされるエアフロメータ32aの出力、換言すれば補正前のセンサ出力を用いた場合にも、上記吸気の脈動周期又は脈動周波数を十分に高い精度で算出することができる。
またあるいは、上記吸気管30(吸気通路)に(例えば上記吸気温センサ32bの近傍に)吸気の圧力を測定する圧力センサを追加し、この圧力センサの出力信号を逐次取得するとともに、その出力信号(ひいてはその波形)から吸気の脈動周期又は脈動周波数を算出するプログラムなども有効である。
これらのプログラム(脈動パラメータ導出手段)であれば、比較的高い精度で上記脈動パラメータ(吸気に係る脈動周期又は脈動周波数)を求めることができる。また、脈動パラメータの導出精度(推定精度や算出精度)を上げる等の目的で、上記3種類のプログラムの任意の2つ又は3つ全てを組み合わせて用いることも有効である。例えば用途等によっては、状況に応じて使用プログラムを切り替えたり、2以上のプログラムで求めた脈動パラメータの値の平均をとったりする構成なども有効である。
・補正対象の空気流量測定センサは、ホットワイヤ式のエアフロメータには限定されず、その他の空気流量測定センサ(例えば可動フラップ式のエアフロメータやカルマン渦式のエアフロメータ等)においても、前述した吸気脈動に起因した測定誤差が生じるものであれば、本発明を適用することが有効である。
・制御対象とするエンジンの種類(筒内噴射式のガソリンエンジンや圧縮着火式のディーゼルエンジン等も含む)やシステム構成も、用途等に応じて適宜に変更可能である。
・上記実施形態及び変形例では、各種のソフトウェア(プログラム)を用いることを想定したが、専用回路等のハードウェアで同様の機能を実現するようにしてもよい。
本発明に係る空気流量測定値補正装置の一実施形態について、該装置の適用されたエンジン制御システムの概略を示す構成図。 同装置の、特にエアフロメータの測定値補正処理に係る部分を機能別にブロック化して示したブロック図。 同補正処理を含む燃料噴射制御の一例についてその処理手順を示すフローチャート。 同補正処理に用いられる補正係数マップを示すグラフ。 補正係数マップの変形例を示すグラフ。
符号の説明
10…エンジン、10d…クランク軸、10e…クランク角センサ、20…シリンダ(気筒)、30…吸気管、32a…エアフロメータ、32b…吸気温センサ、33…スロットル弁、40…排気管、50…ECU(電子制御ユニット)。

Claims (11)

  1. 弁開度に応じて流量を可変とする吸気絞り弁が中途に設けられた吸気通路を通じてシリンダ内へ導入される吸気と燃料との反応に基づく燃料燃焼で生成したトルクにより出力軸を回転させるエンジンに適用され、前記吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を補正する空気流量測定値補正装置において、
    前記吸気絞り弁の開度と、前記エンジン出力軸の回転速度であるエンジン回転速度と、前記吸気に係る音速とで定義される、その時の状態に応じた測定誤差を補償すべく、それらエンジン回転速度及び吸気絞り弁開度及び音速の値に基づいて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するセンサ出力補正手段を備えることを特徴とする空気流量測定値補正装置。
  2. 前記吸気に係る音速の値に基づいて前記エンジン回転速度の実測値を補正する回転速度補正手段を備え、
    前記センサ出力補正手段は、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とに基づいて、前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものである請求項1に記載の空気流量測定値補正装置。
  3. 前記エンジン回転速度の実測値をNe1、同エンジン回転速度の補正後の値をNe2、前記吸気に係る音速の所定基準値をSp0、同音速のその時の値をSp1とした場合、前記回転速度補正手段は、「Ne2=Ne1×(Sp0/Sp1)」なる関係式に基づいて、前記エンジン回転速度の実測値を補正するものである請求項2に記載の空気流量測定値補正装置。
  4. 前記吸気絞り弁の開度及び前記補正後のエンジン回転速度の両値で定義される複数の状態に対してそれぞれ1つの補正係数を関連付ける補正係数導出手段と、
    この補正係数導出手段を参照して、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とによって一意的に定まる1つの補正係数を取得する補正係数取得手段と、
    を備え、前記センサ出力補正手段は、前記補正係数取得手段により取得された補正係数を用いて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものである請求項2又は3に記載の空気流量測定値補正装置。
  5. 前記吸気の温度に基づいて、前記吸気に係る音速を求める音速取得手段を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気流量測定値補正装置。
  6. 弁開度に応じて流量を可変とする吸気絞り弁が中途に設けられた吸気通路を通じてシリンダ内へ導入される吸気と燃料との反応に基づく燃料燃焼で生成したトルクにより出力軸を回転させるエンジンに適用され、前記吸気通路にて吸気の流量を測定する空気流量測定センサの出力信号を補正する空気流量測定値補正装置において、
    前記吸気絞り弁の開度と、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数とで定義される、その時の状態に応じた測定誤差を補償すべく、それら吸気絞り弁開度と脈動周期又は脈動周波数との値に基づいて前記空気流量測定センサの出力信号を補正するセンサ出力補正手段を備えることを特徴とする空気流量測定値補正装置。
  7. 前記吸気に係る音速と前記エンジン出力軸の回転速度であるエンジン回転速度とに基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段を備える請求項6に記載の空気流量測定値補正装置。
  8. 前記補正の対象とされる空気流量測定センサとして、又は、該空気流量測定センサとは別に、前記吸気通路に設けられた吸気の流量を測定するセンサの出力信号に基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段を備える請求項6に記載の空気流量測定値補正装置。
  9. 前記吸気通路にて吸気の圧力を測定する圧力センサの出力信号に基づいて、前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数を求める脈動パラメータ導出手段を備える請求項6に記載の空気流量測定値補正装置。
  10. 前記吸気に係る脈動周期又は脈動周波数の値に基づいて前記エンジン回転速度の実測値を補正する回転速度補正手段を備え、
    前記センサ出力補正手段は、前記回転速度補正手段により補正された補正後のエンジン回転速度と前記吸気絞り弁の開度とに基づいて、前記空気流量測定センサの出力信号を補正するものである請求項6〜9のいずれか一項に記載の空気流量測定値補正装置。
  11. 前記補正の対象とされる空気流量測定センサは、前記吸気通路に設けられたホットワイヤ式エアフロメータである請求項1〜10のいずれか一項に記載の空気流量測定値補正装置。
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