JP2008184560A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびシート - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびシート Download PDF

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Abstract

【課題】熱成形が容易で、透明性に優れたポリプロピレン樹脂組成物およびシートを提供すること。
【解決手段】本発明は、135℃のテトラヒドロナフタレンによる極限粘度[η]が6〜9dl/gであり、かつプロピレン以外のα―オレフィン量が50質量%未満である高分子量ポリプロピレンを0.5〜5質量%含むメルトフローレート(MFR,荷重2.16kgf)1〜50g/10minのポリプロピレンからなるポリプロピレン樹脂組成物である。また、本発明のポリプロピレンシートは、前記ポリプロピレン樹脂組成物からなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱成形性に優れ、かつ透明性に優れた製品を得る熱成形用ポリプロピレン系樹脂組成物およびシートに関するものである。
シート状の熱可塑性プラスチックシートを加熱し溶融させ、真空および/または圧空で金型に密着させ容器を得る熱成型において、ポリプロピレンは食品容器などの成型に用いられている。しかし、粘度に対して溶融張力が低いため、シート成形では熱成型での加熱時に垂れ下がりやすい(ドローダウンを起こす)。ドローダウンを防ぐために、分子量を高め、粘度を高める必要があったが、分子量を高めると粘度が高くなり、押出成形時に発熱し劣化するため、変色、発煙、機械物性の低下を引き起こす。また、押出機の負荷が高くなり、生産性が低下する。 用途が熱成型でない文具や折箱などに用いられる透明シートであっても、シートはフィルムと異なり自重があるために押出機に接続されたTダイから地面に平行に押し出され、引き取られる。 従って、メルトフローレート(MFR)が低い樹脂でなければ垂れ下がってしまうために均質なシートを成型することができず、同様の押出成形時の問題が発生する。
しかしながら、ポリプロピレンであっても分子量分布が広い場合や分子構造に長鎖分岐がある成分が入ると溶融張力が上昇し、成形性が向上するため、分子量を低くすることができ(MFRを上げることができ)、押出成形時の問題を軽減することができる。
そこで、従来、分子量分布を広げるために、機械的混合によるブレンドや、二成分以上のポリプロピレンの重合によるブレンドが行われてきた。
しかし、従来の技術では効果がないか、ドローダウンに効果があってもゲルの発生、溶融時の破断などの問題が生じた。
また、分子構造に長鎖分岐のある成分を導入するためには、長鎖分岐のある分子を含む低密度ポリエチレンをブレンドしたり、放射線の照射、架橋剤により長鎖分岐を持つポリプロピレン分子を発生させたりすることが行われた。 しかし、低密度ポリエチレンのブレンドは材料の剛性を下げ、放射線の照射では特殊な装置が必要になった(特許文献1)。
またポリプロピレンはポリエチレンと異なり、劣化により架橋が進行するのではなく、分解が進む材料であるために、長鎖分岐を生成することは困難であった。
非常に高い分子量成分のポリエチレンまたはEPRを重合し、その後、分子量の低いポリプロピレンを重合して高溶融張力のポリプロピレンを製造することが開示されている(特許文献2)が、相容性が十分でないため、フィッシュアイが生じやすく、透明性、剛性が低下する。
特開昭62−121704号公報 特開平10−279632号公報
本発明は、熱成形が容易で、透明性に優れたポリプロピレン樹脂組成物およびシートを提供することを目的とする。
本発明は、メルトフローレート(MFR、荷重2.16kgf)が1〜50g/10min、高分子量ポリプロピレンの割合が0.5〜5質量%であるポリプロピレンからなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該高分子量ポリプロピレンの135℃のテトラヒドロナフタレンによる極限粘度〔η〕が6〜9dl/gであり、かつプロピレン以外のα―オレフィン量が50質量%未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物である。
本発明のポリプロピレンシートは、前記ポリプロピレン樹脂組成物からなることが好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂組成物において、ポリプロピレンがプロピレン単独重合体であることが好ましい。
本発明のポリプロピレンシートはポリプロピレンがプロピレン単独重合体であるポリプロピレン樹脂組成物からなることが好ましい。
上記のように構成された本発明のポリプロピレンシートを用いることによって、粘度は低いが溶融張力が高いために、ドローダウンを起こしにくい。従って、熱成形の条件幅を広げることができ、サイクルを速くすることができる。また、シート幅を広げることができ、一回のサイクルで得られる製品の個数を多くすることができる。また、ドローダウンによって大きく弛んだ部分によって生じる皺が発生しにくいので、製品に皺が生じにくく歩留まりが向上する。
また、一般にドローダウンによりシートの端が伸ばされ、中央の伸びは少ないために厚みムラ、冷却ムラが起こり、一つの金型で多数個の製品を成型する場合には、個々の製品に物性のばらつきやソリ、歪みが生じる。本発明のポリプロピレンシートを用いることによって、この問題を解消できる。
また、上記のように構成された本発明のポリプロピレンシートを用いることによって、溶融張力を上げるためのポリプロピレンと相容しない材料を混練する必要がなく、架橋剤などの添加剤も含んでおらず、また、低いMFRの材料を押し出した場合のように発熱による劣化が抑えられるので均質で透明なシートを得ることができる。
加えて、高分子量成分の分子が配向するためか、剛性が高く、耐衝撃性に優れる。
ルトフローレート(MFR、荷重2.16kgf)が1〜50g/10min、高分子量ポリプロピレンの割合が0.5〜5質量%であるポリプロピレンからなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該高分子量ポリプロピレンの135℃のテトラヒドロナフタレンによる極限粘度〔η〕が6〜9dl/gであり、かつプロピレン以外のα―オレフィン量が50質量%未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物を用いてシートを成形する。
ここで、高分子量ポリプロピレンとは、本発明によるポリプロピレン樹脂組成物を構成する2種類以上のポリプロピレンの中で、最も分子量の高い成分であり、この高分子量成分の分子量、α―オレフィン量、および割合を最適としたポリプロピレン樹脂を用いてシート成形することで、従来のポリプロピレンシートの問題点を解決することができる。なお、極限粘度[η]はポリプロピレンの平均分子量の指標として一般的に使用されるパラメーターであり、[η]が大きい程、分子量が大きい事を示している。商業的に使用されるシート用ポリプロピレン樹脂の[η]はおおむね1.5〜3dl/gの範囲である。
高分子量ポリプロピレンの[η]が6より低い場合には、熱成形時のドローダウンが大きくなり、また、透明性が低下する。9より高い場合には、フィッシュアイが生じてシートの外観を損なう。高分子量成分が0.5質量%より低い場合にはドローダウンが大きくなり、5質量%より高い場合にはMFRが低くなり前記の押出成形時の問題が生じる。MFRが1g/10minより低い場合には、生産性が低下し、発熱により劣化する。50g/10minより高い場合にはフィッシュアイが生じてシートの外観を損なう。またドローダウンが大きくなる。
本発明の原料となるポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと他のα−オレフィン(炭素数は多くとも12)との共重合体が挙げられる。α一オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1―ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられ、好適にはエチレン、1−ブテンが使用される。高分子量ポリプロピレンに含まれるプロピレン以外のα−オレフィン量は50質量%未満であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくはプロピレン単独重合体が使用される。高分子量ポリプロピレン中のプロピレン以外のα−オレフィン量が50質量%を超えると、高分子量成分の分散不良によるシート上のゲルの発生、透明性の悪化が起こり好ましくない。
本発明の原料の中に含まれる高分子量成分以外の成分は、プロピレン以外のα―オレフィンが5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であることが好ましい。α―オレフィン量が5質量%を超えると、剛性、耐熱性が低下し好ましくない。なお、α―オレフィン含有量は、H. N. Cheng ; Marcomolecules, Vol.17, p1950-1955(1984), E. T. Hsieh et al ; ibid., Vol. 15, p353-360 (1982)等に報告されている13C−NMRによる方法で測定される。
本発明で原料となるポリプロピレンの重合法は特に限定されず、ヘキサン、ヘプタン、灯油などの不活性炭化水素またはプロピレンなどの液化α―オレフィン溶媒の存在化で行うスラリー法、無溶媒下の気相重合法などの公知の方法を用いて行われる、温度条件としては0〜130℃、圧力2〜50kg/cm2の条件で行われる。重合工程における反応器は、当該技術分野で通常用いるものが適宜使用でき、例えば攪拌層型反応器、流動床型反応器、循環式反応器などがある。これらの反応器を用いて連続式、半回分式、回分式のいずれの方法でも製造できる。
本発明のポリプロピレン樹脂は、多段重合法によって製造することができる。多段重合法とは、ある成分の重合後に、その成分の存在下、さらに重合触媒を添加することなく、違う成分を重合する方法である。多段重合の段数、順序に特に制限はなく、一般的には2段から5段が使用され、生産性等を考慮して適当な順序が選択される。多段重合法により製造することで、各々の成分を製造した後これらを混合するブレンド法に比較して高分子量ポリプロピレン成分の分散が良好になり、ゲルの発生を抑え、透明性、剛性等の機械物性が向上する。高分子量ポリプロピレン成分を重合する段階は任意であるが、最初の段階で所定量の高分子量のポリプロピレンを重合した後、これより分子量の低いポリプロピレンを後段で重合を行う方法が例として挙げられる。
本発明のポリプロピレンを得るための触媒は特に限定されないが、副生成物が少なく、生産性に優れた触媒が好ましい。アタクチック成分、オリゴマー成分等の副生成物が多いと、シートの剛性、耐熱性が損なわれるばかりか、副生成物がシート表面にブリードアウトし、表面の平滑性、透明性が損なわれる。このような副生成物が少なく、生産性に優れた触媒として代表的なのは、MgCl等の担体へ担時されたZiegler−Natta触媒であり、より好ましい触媒の例としては、例えば、特許第3034452号に記載の触媒が挙げられる。
具体的には、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与性化合物を必須成分とする固体触媒を、更に一般式:Ti X・Y(式中、XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Yは電子供与性化合物を、aは3もしくは4を、bは3以下の整数をそれぞれ表す)で示されるチタン化合物で処理後、ハロゲン含有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗浄して得られる重合触媒である。ここで、XはCl,Br,Iのハロゲン原子であり、この中で好ましいのはClである。aは3もしくは4であるが、好ましくは4である。Yとしては、一般に含酸素化合物、含窒素化合物、含リン化合物、含硫黄化合物などが挙げられる。含酸素化合物としては、例えばアルコール類、エーテル類、エステル類、酸ハライド類、酸無水物類などが挙げられる。これらの電子供与性化合物は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも好ましいものはエステル類である。Yのbは、前記aが3のときbは1〜3、aが4のときは1または2が好ましく、特に好ましいのはaが4、bが1の場合である。
上記方法で調製された固体触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物と第2の電子供与性化合物の共存下で重合するとよい。第2の電子供与性化合物は、前記電子供与性化合物と同一でもよいが、芳香族カルボン酸エステル、Si−O−CまたはSi−N−C結合を有するケイ素化合物、アセタール化合物、GeO−C結合を有するゲルマニウム化合物、アルキル置換基を有する窒素または酸素の複素環化合物など使用してもよい。これらの中でもSi−O−C結合を有するケイ素化合物が好ましい。好ましい例としては、ジシクロペンチルジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、シクロペンチル−t−ブチルージメトキシシラン、n−プロピル−t−ブチルージメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
また、重合に先立って、触媒と少量のオレフィンを接触させる予備重合を行うことが可能である。予備重合は触媒活性の向上や、得られるポリプロピレンが取扱い容易な性状の粉体となるといった点で好ましいものである。予備重合は炭化水素溶剤中やオレフィンの液相中または気相中で触媒と少量のオレフィンをより好ましくはプロピレンを、触媒の重量の0.5〜500倍程度の量の重合体が得られるのに十分な時間接触させることで行う。
使用したポリプロピレンの製造例を以下に示す。
<重合用固体触媒の調製>
特許第3034452号の実施例に記載されている触媒調製法(イ)、(ロ)、(ハ)の方法に従い、重合用固体触媒の調製を行った。
ポリプロピレン(PP−1〜PP−9)の重合:
<PP−1>
(前段重合)
窒素雰囲気下、内容積30リットルの撹拌機付きオートクレーブに上記方法で調整された固体触媒0.07g、トリエチルアルミニウム2.9g、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.7gを入れ、次いでプロピレン1kgを送入し、70℃まで昇温したのち20分間重合を行い、その後未反応のプロピレンを除去し、反応生成物の一部をサンプリングした。
(後段重合)
続いて、オートクレーブにプロピレン9kg、水素をプロピレンに対し0.3モル%になるように導入し、70℃で2時間重合を行った。その後、未反応のプロピレンを除去し重合を終結させた。その結果、MFRが2.3であるポリプロピレン(以下、PP−1)5.2kgを得た。
前段重合終了後にサンプルリングした生成物を分析したところ、[η]が6.3dl/gである高分子量ポリプロピレンであり、前段生成物と後段生成物の触媒残渣から成分比率を求めたところ、PP−1に含まれる高分子量ポリプロピレンの割合は4.2質量%であった。
<PP−2>
PP−1の重合法において、前段と後段の重合時間を変えた以外はPP−1と同様に重合を行い、MFRが4.0、高分子量成分の[η]が6.7dl/g、高分子量成分の割合が0.8質量%であるPP−2を得た。
<PP−3>
PP−1の重合法において、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにテキシルトリメトキシシランを使用し、また後段重合の水素濃度、重合時間を調整し、MFRが16、高分子量ポリプロピレンの成分の[η]が7.2dl/g、高分子量ポリプロピレンの割合が1.0質量%であるPP−3を得た。
<PP−4>
PP−1の重合法において、前段重合、後段重合の重合温度を80℃にし、後段の水素濃度と重合時間を調整することで、MFRが27、高分子量ポリプロピレン成分の[η]が8.3dl/g、高分子量ポリプロピレン成分の割合が3.6質量%であるPP−4を得た。
<PP−5>
PP−1の重合法において、前段重合の重合温度を85℃にし、後段の水素濃度と重合時間を調整することで、MFRが40、高分子量ポリプロピレン成分の[η]が8.9dl/g、高分子量ポリプロピレン成分の割合が3.9質量%であるPP−5を得た。
<PP−6>
PP−1の重合法において、前段重合と後段重合の重合時間を調整し、MFRが2.0、高分子量ポリプロピレン成分の[η]が6.3dl/g、高分子量ポリプロピレン成分の割合が0.2質量%であるPP−6を得た。
<PP−7>
PP−1の重合法において、前段重合で生成するポリプロピレンの[η]が3になるように前段で水素を導入し、さらに前段重合と後段重合の重合時間を調整することで、MFRが1.0、高分子量ポリプロピレン成分の割合が4.0質量%であるPP−7を得た。
<PP−8>
窒素雰囲気下、内容積30リットルの撹拌機付きオートクレーブにプロピレン6kg、水素0.3mol%およびエチレンをその分圧が0.8MPaとなるように導入後、50℃に昇温した。続いて、前記触媒調製法で調製した固体触媒0.07g、トリエチルアルミニウム2.9g、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.7gを入れ、11分間重合を行った。その後、未反応のモノマーよび水素を除去し、反応生成物の一部をサンプリングした(以上、前段重合)。続いて、オートクレーブ内を窒素で十分にパージした後、PP−1の後段重合と同様に重合を行い、MFRが3.2、前段で重合した高分子量成分中のエチレン含有量が25質量%で[η]が7.1、高分子量成分の割合が3.8質量%であるPP−8を得た。
<PP−9>
PP−8と同様の重合法において、前段重合の水素量およびエチレン分圧、また後段重合の水素量、重合時間を調整することで、MFRが4.0、高分子量成分中のエチレン量が52質量%で[η] が6.8、高分子量成分の割合が4.1質量%であるPP−9を得た。
<シート成形>
PP−1からPP−9までのサンプルにIrganox1010を0.10質量%、Irgafos168を0.10質量%、カルシウムステアレートを0.05質量%を添加して50mmφ単軸押出機で溶融混練しペレタイズを行った。吐出時の樹脂温度は240℃であった。
その後、370mm幅Tダイを有する40mmφ単軸シート押出機でシート成形を行い、厚み0.5mm、幅320mmのシートを得た。 シリンダー温度とダイ温度を240℃に設定した。 回転数60rpmで行い、吐出量は12kg/hであった。
Figure 2008184560
なお、各表中において、諸物性は次の方法で求めた。
<[η]>
極限粘度[η]は135℃のテトラヒドロナフタレンを用いて測定した。
<高分子量ポリプロピレン中のエチレン含量>
1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解したサンプルについて、JEOL社製 JNM LA−400(13C共鳴周波数 100MHz)を用い、13C−NMR法で測定を行った。
<高分子量ポリロピレンの重量比>
高分子量ポリプロピレン重合後に、一部をサンプリングし、原子吸光法により高分子量ポリプピレン中のMg量(触媒残)を分析した。また、最終的に得られた重合体のMg量を同じく原子吸光により分析し、各成分のMg量の比から重合体中の高分子量ポリプロピレンの重量比を求めた。
<MFR>
温度230℃、荷重2.16kgfの条件下、JIS K6760に準じて測定した。
<溶融張力>
東洋精機製作所(株)製のRCT−50KRAFを用い、シリンダー温度230℃、オリフィスL/D=8.0/2,095mm、ピストン降下速度20mm/分、引取速度6.28m/分の条件で行ったときにかかる荷重(g)で表した。
<ドローダウン指数>
通常の250℃でのTダイ成形にてエアナイフ冷却方式により0.5mm厚のシートを作成し、シート中央部から330mm四方を切り出し、内寸300mm四方のステンレス製固定治具にクランプした試験体を210℃に充分に加熱されたオーブン内に水平に挿入し、加熱溶融にともない皺が発生した後に、張返し現象によりシートが水平に戻った時刻(T1)から、シート中央部が水平レベルより15mmドローダウンするまでの時刻(T2)から求める指数である。すなわち、ドローダウン指数DD=T2−T1(秒)により求められる。 ドローダウン指数は大きいほどドローダウンを生じにくく、真空成形時の皺の発生を抑え、生産性を向上しうることが予見される。
<ヘイズ>
JIS K 7136に従い、村上色彩研究所製HM−150を用いて測定した。
<実施例1>
PP−129いてペレタイズを行い、MFR、溶融張力を測定し、シート成形を行い、ドローダウン指数、ヘイズを測定した。
<実施例2>
PP−2を用いて、実施例1と同様に実験を行った。
<実施例3>
PP−3を用いて、実施例1と同様に実験を行った。
<実施例4>
PP−4を用いて、実施例1と同様に実験を行った。
<実施例5>
PP−5を用いて、実施例1と同様に実験を行った。
<実施例6>
PP−8を用いて、実施例1と同様に実験を行った。
<比較例1>
PP−6を用いて、実施例1と同様に実験を行った。高分子量成分の重量比が少ないため、十分に溶融張力があがらず、ドローダウン指数が短くなった。
<比較例2>
PP−7を用いて、実施例1と同様に実験を行った。高分子量ポリプロピレン成分の[η]が低いために、MFRが低い割にローダウン指数は小さく、透明性も低下した。
<比較例3>
PP−9を用いて、実施例1と同様に実験を行った。PP−9は高分子量ポリプロピレン中のエチレン量が多いため、分散が悪く、透明性が低下した。

Claims (4)

  1. メルトフローレート(MFR、荷重2.16kgf)が1〜50g/10min、高分子量ポリプロピレンの割合が0.5〜5質量%であるポリプロピレンからなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該高分子量ポリプロピレンの135℃のテトラヒドロナフタレンによる極限粘度〔η〕が6〜9dl/gであり、かつプロピレン以外のα―オレフィン量が50質量%未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物からなるポリプロピレンシート。
  3. ポリプロピレンがプロピレン単独重合体である請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項3記載のポリプロピレン樹脂組成物からなるポリプロピレンシート。

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