JP2008182798A - マグネットロータ及びこれを備えたモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】スキュー着磁したマグネットの磁気回路にほとんど影響を与えることなく、簡単な構成でイナーシャを低減したマグネットロータ及びこれを備えたモータを提供する。
【解決手段】周方向に沿ってN極12aとS極12bとが交互に現れるとともに軸方向に対してスキュー角度θsを持つように傾斜して着磁されたマグネット12と、マグネット12の内周側に配置されるロータコア10と、ロータコア10の中心に配置される回転軸11と、を備えたマグネットロータ1であって、ロータコア10の一端側と他端側には、回転軸11に沿って伸びる第1の孔10a,第2の孔10bがそれぞれ形成され、第1の孔10aの中心軸線C1−C1と第2の孔10bの中心軸線C2−C2が互いに重ならない位置とされている。ロータコア10の両端面側にそれぞれ孔を有する簡単な構成で軽量化を図り、イナーシャを低減している。
【選択図】図1

Description

本発明はマグネットロータ及びこれを備えたモータに係り、特にスキュー着磁したマグネットを備えたマグネットロータ及びこれを備えたモータに関する。
従来、ロータの軽量化を図ることによりロータのイナーシャを低減させて、モータの応答性、制御性を向上させる技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載されたブラシレスモータのロータヨークは、複数の磁性リングと、これよりも軽量な非磁性体の補助リングとを、互いに軸方向に積層させた構造をしている。このように、軽量な補助リングを有することで、ロータ全体の重量を減少することが可能となり、結果としてロータのイナーシャを大幅に低減させることができる。
しかしながら、特許文献1のブラシレスモータでは、補助リングによりステータ−ロータ間の磁気回路が影響を受けるため、イナーシャの低減効果がそれほど大きなものとはならないという不都合があった。
すなわち、非磁性体である補助リングの存在により、ステータ−ロータ間の磁束密度が低下し、トルクの減少を引き起こしてしまう。逆に、十分なトルクを確保するためには磁性リングの積厚を増加させる必要があるが、磁性リングを厚くすることでロータ質量が増加し、結果としてイナーシャが増加する。このため、特許文献1のブラシレスモータでは、モータの回転特性とイナーシャの低減効果を同時に両立させることは困難で、十分な回転トルクを有するモータでは、期待されるほどのイナーシャ低減効果が得られない。
そこで、上述のような非磁性体を用いることなくロータを軽量化させる他の方法として、ロータに空間部を設けてロータ質量の低減を図る技術が開発されている。
例えば、特許文献2に記載されたDCブラシレス用モータのロータは、各マグネット極中心の延長上に沿ったロータの部位に空間部であるスロットが形成されている。マグネット極中心の延長上は磁束密度が低く回転特性に影響の少ないため、この部分の無駄な質量を除去することで、回転特性の変化をほとんど生じさせること無くロータ全体の質量を減少することが可能となる。これにより、ロータのイナーシャを大幅に低減させることができる。
特開平5−276697号公報 特開平9−275652号公報
一般に、DCブラシレス用モータにおいて特許文献2のように空間部を形成する方法として、空間部に対応する形状の孔が予め形成されたシートを複数積層させてロータを製造する方法と、ロータを一体に形成した後で空間部を穿孔する方法が考えられる。
前者のようにシートを積層する場合、各シートの孔の位置を適宜に調整することで、空間部の形状を複雑なものとすることができる。
しかしながら、この方法では、積層したシートを狭圧するためのかしめスペースが必要となり、ロータの構造が複雑化するため、後述する一体型のロータと比較して製造コストが高くなるという不都合があった。
一方、後者のようにロータを一体に形成する場合、ドリルなどを用いてロータを穿孔して空間部を形成するため、前述したかしめスペース等を必要とせず、低コストで製造が可能となる。
しかしながら、ロータが長尺の場合、ロータの一端側から他端側まで貫通した空間部を形成することは、加工精度上の問題があるため困難であった。このため、ロータの一端側から他端側まで貫通する空間部をロータに形成してロータの全体質量を減少させてイナーシャを最大限に低減することは、現実には非常に難しい。
特に、コギングトルクを低減するためにロータの出力軸に対してマグネットを傾斜(スキュー)させる技術が知られているが、このようにマグネットがスキューされた場合において特許文献2のようにマグネットの極中心上に空間部を設けようとすると、ロータの出力軸に対して斜め方向に空間部を形成する必要がある。このため、空間部の形状がより複雑となり、ロータの一端から他端まで貫通する空間部を形成することが更に困難となる。
また、ロータ出力軸に対してドリルを斜め方向に傾けて空間部を切削する必要があるため、正確な加工を行うことが難しく、誤って磁束密度の高い領域を切削した場合にはロータ回転特性に悪影響を及ぼす虞もある。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、スキュー着磁したマグネットの磁気回路にほとんど影響を与えることなく、簡単な構成でイナーシャを低減させたマグネットロータを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、マグネットロータのイナーシャを低減させることにより応答性・制御性を向上させたモータを提供することにある。
前記課題は、本発明のマグネットロータによれば、周方向に沿って磁極が変化するとともに軸方向に対して所定のスキュー角度を持つように傾斜して着磁されたマグネットと、該マグネットの内周側に配置されるロータコアと、該ロータコアの中心に配置される回転軸と、を備えたマグネットロータであって、前記ロータコアの一端側及び他端側には、前記回転軸に沿って伸びる孔がそれぞれ形成され、前記一端側の孔及び前記他端側の孔は、それぞれの中心軸線が互いに重ならない位置とされていることにより解決される。
このように、ロータコアの一端側と他端側にそれぞれ孔が形成されているため、ロータコアの軸方向に沿って一端側から他端側まで貫通する孔を形成する必要がなく、両端面側にそれぞれ孔を有するという簡単な構成でロータコアの軽量化を図り、イナーシャを低減することができる。
また、それぞれの孔の中心軸線が互いに重ならない位置とされているため、磁極の傾斜にあわせてそれぞれの孔の中心軸線の位置をずらして孔を設けることができる。すなわち、マグネットの磁束の損失が少ない位置にそれぞれの孔を形成することができる。これにより、孔が形成されることによる磁束密度の低下を少なくし、マグネットロータの回転特性への影響を少なくすることができる。
この場合、前記一端側の孔及び前記他端側の孔のそれぞれの前記中心軸線は、前記回転軸の軸中心線と略平行であることが好ましい。
このように、回転軸の軸中心線と平行方向にそれぞれの孔を穿設することができるため、マグネットのスキュー角度に沿って傾斜させて孔を形成する場合と比較して加工が容易となり、マグネットロータの製造コストを低減させることができる。
また、前記一端側の孔及び前記他端側の孔のそれぞれの中心は、前記スキュー角度を二等分する二等分線を挟んで互いに異なる位置に形成されることが好ましい。
スキュー着磁されたマグネットに形成された磁極間に形成される磁界は、磁極の中心と回転軸の中心を通る直線(すなわち、スキュー角度を二等分する二等分線)を挟んで全体として左右対称となっている。このため、この二等分線を挟んで一端側の孔と他端側の孔が形成されることで、これらの孔が形成されることによる磁界のバランスのずれを小さくすることができる。したがって、マグネットロータの回転特性への影響を小さくすることができる。
この場合、前記一端側の孔及び前記他端側の孔は、前記ロータコアの全長をL、前記一端側の孔の長さをL1、前記他端側の孔の長さをL2、前記スキュー角度をθs、前記ロータコアの前記一端側における前記二等分線からの前記一端側の孔の中心のずれ角度をθ1、前記ロータコアの前記他端側における前記二等分線からの前記他端側の孔の中心のずれ角度をθ2、としたときに、
下記一般式(1)及び(2)
θ1=(θs/2)×(1−L1/L) ・・式(1)
θ2=(θs/2)×(1−L2/L) ・・式(2)
(ここで、L≧L1+L2である。)
を満足する位置に形成されていることが好ましい。
このように、ロータコアの全長、一端側の孔の長さ、及び他端側の孔の長さに基づいて、上記式に当てはまるように角度θ1,θ2を自動的に決定することができる。
また、それぞれの孔の長さに応じて二等分線からのずれ角度を決定するため、磁束密度の高い領域に空間が形成されにくく、かつ、磁界のバランスを最適に保つことができる。したがって、マグネットロータの回転特性をほとんど低下させることなくイナーシャを低減することができる。
また、前記孔は、前記ロータコアの径方向に沿って複数設けられ、かつ、隣接した前記孔どうしが連結されていることが好ましい。
このように、隣接した孔が連結されることで、ロータコアの内部の空間領域を更に増やすことが可能となり、マグネットロータの全体重量をより軽くすることができる。これにより、マグネットロータのイナーシャをより低くすることができる。
上記課題は、本発明のモータによれば、マグネットロータと、該マグネットロータを回転させるステータとを備えたモータであって、前記マグネットロータは、上記いずれかに記載のマグネットロータであることにより解決される。
このように、本発明のモータは、上述したイナーシャを低減させたマグネットロータを回転子として備えることで、ロータの回転特性にほとんど影響を及ぼすことなく簡単な構成でマグネットロータの応答性・制御性を向上させることが可能となる。
本発明のマグネットロータによれば、ロータコアの一端側と他端側にそれぞれ孔を有するという簡単な構成で、イナーシャの低減を図ることが可能となる。また、スキュー角度に応じてそれぞれの孔の中心軸線を重ならせないようにすることで、マグネットの磁束の損失を小さくしてマグネットロータの回転特性への孔の影響を小さくすることができる。したがって、高い応答性・制御性を備えたマグネットロータを簡単な構成で実現することが可能となる。
また、本発明のモータによれば、簡単な構成によりイナーシャを低減させたマグネットロータをモータの回転子として備えることで、高い応答性・制御性を有するモータを簡単な構成で実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係るマグネットロータの説明図であり、図1は第1の実施形態に係るマグネットロータの正面図、図2は図1のマグネットロータを矢印A方向及び矢印B方向から見た状態を示す側面図、図3は図1のマグネットロータを矢印A方向から見た状態を示す側面図である。
また、図4は第1の実施形態に係るマグネットロータを備えたモータの分解斜視図である。
本発明のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置(EPS)のブラシレスモータに適用した一実施形態について説明する。
図1はマグネットロータ1の側面図であり、発明の理解を容易にするために、ロータコア10の内部に形成されて本来は視認できない位置にある第1の孔10aと第2の孔10bの一部を点線で示している。
本実施形態のマグネットロータ1は、円筒状のロータコア10と、棒状の回転軸11と、リング状のマグネット12と、を備えている。マグネット12の内周側にロータコア10が配置され、ロータコア10の中心に回転軸11が配置されている。このマグネットロータ1は、後述するステータ2とともにインナーロータ型ブラシレスモータを構成する。
ロータコア10は、保磁力が小さく透磁率が大きい軟磁性材料で構成された部材である。このような軟磁性材料としては、鉄、ケイ素鋼、パーマロイなどが挙げられる。本実施形態では、ロータコア10として円板状の鉄板を複数積層させた積層鉄心コアを用いている。
なお、ロータコア10の形状としては、円筒状に限定されず、略多角形状であってもよい。
ロータコア10の中心には、その軸方向(すなわちロータコア10の長手方向)に沿って回転軸11が貫通した状態で固定されている。回転軸11は、マグネットロータ1の出力軸であり、ロータコア10の回転により回転するよう構成されている。
ロータコア10の外周面には、リング状のマグネット12が配設されている。マグネット12は、周方向に沿って磁極が変化するように構成されている。すなわち、マグネット12には、異なる磁極(N極12aとS極12b)が交互に現れるによう複数の磁極が連続して形成されている。
マグネット12の各磁極は、回転軸11の軸方向に対して所定の角度を持つように傾斜して配置されている。この角度をスキュー角度θsという。
マグネット12の材料としては、フェライト磁石やネオジウム磁石などの磁性体が用いられる。本実施形態のマグネット12は、着磁されていない磁性体を予めロータコア10の外周面に配設した後で着磁装置により磁性体を着磁することにより磁極を形成している。なお、フェライトなどの強磁性材料で構成された永久磁石をロータコア10の外周面に固着させることでマグネット12を形成してもよい。
ロータコア10は、一端側(図1の矢印A方向の端部側)から回転軸11に沿って平行に延びる第1の孔10aと、他端側(図1の矢印B方向の端部側)から回転軸11に沿って平行に延びる第2の孔10bと、を有する点を特徴としている。
第1の孔10aの中心軸線C1−C1と、第2の孔10bの中心軸線C2−C2は、いずれも回転軸11の軸中心線O−Oと平行となっている。さらに、第1の孔10aの中心軸線C1−C1と第2の孔10bの中心軸線C2−C2は、互いに重ならない位置となっている。
次に、図2を参照して、各孔の位置について説明する。
図2は、図1のロータコア10の両側面を示す側面図で、(a)は図1の矢印A方向から見た側面図、(b)は図1の矢印B方向から見た側面図である。
この図に示すように、ロータコア10の一端側におけるマグネット12の磁極の磁極中心位置と、他端側におけるその磁極の磁極中心位置は異なっており、周方向に沿って互いにシフトした位置となっている。後述する図3に示すように、このシフトする角度がスキュー角度θsである。
図2(a)と(b)に示すように、第1の孔10aと第2の孔10bは、いずれも回転軸11の軸中心線O−Oと垂直方向の形状が円形となる形状をしている。
図2(a)に示すように、ロータコア10の一端側の第1の孔10aは、マグネット12の各磁極のそれぞれの磁極幅Waの中心と軸中心Oとを結ぶ直線(磁極中心線Ya)上に形成されている。第1の孔10aの中心C1は、磁極中心線Yaからスキュー方向(図2では反時計回り方向)に沿ってわずかにずれた位置となっている。
また、図2(b)に示すように、ロータコア10の他端側の第2の孔10bは、マグネット12の各磁極のそれぞれの磁極幅Wbの中心と軸中心Oとを結ぶ直線(磁極中心線Yb)上に形成されている。第2の孔10bの中心C2は、磁極中心線Ybからスキュー方向(図2では時計回り方向)に沿ってわずかにずれた位置となっている。
このように、ロータコア10のうち磁極中心線Yaや磁極中心線Yb上の領域に、第1の孔10aと第2の孔10bが形成されている。
通常、マグネット12の磁束密度は、各磁極(N極12aとS極12b)の間の境界領域の延長線上が最も高く、各磁極の磁極中心の延長線上が最も低い。
本実施形態の第1の孔10aと第2の孔10bは、いずれも磁極中心線Yaや磁極中心線Yb上の領域に形成されているが、この領域は上述したように磁束密度が低いため、この領域に孔を有していても磁気回路にほとんど影響を及ぼすことがない。このため、回転特性にほとんど影響を与えることなくマグネットロータ1の軽量化を図ることが可能となり、これによりマグネットロータ1のイナーシャを低減することができる。
特に、本実施形態のマグネットロータ1のようにマグネット12がスキュー着磁されている場合、各磁極の磁極中心位置はロータコア10の一端側と他端側とで異なるため、磁気回路への影響の少ない位置も一端側と他端側とで異なっている。
本発明のロータコア10は、一端側から延びる第1の孔10aと他端側から延びる第2の孔10bの2つの孔を有しており、それぞれの端部側で孔の位置を最適な位置にずらして形成することで、磁気回路への影響を最小限に留めつつイナーシャを低減することができる。
さらに、ロータコア10は、一端側と他端側からそれぞれ別々に孔が穿設されているため、一端側から他端側まで貫通する孔を形成する場合と比較して簡単に孔を形成することが可能となる。
次に、図3を参照して、第1の孔10aと第2の孔10bの位置を更に詳細に説明する。
図3は、図2(a)の側面図に(b)の側面図を重ねて示した側面図である。この図において、図1の矢印B方向に見た側面図(図2(b)の側面図)を破線で示している。
この図において、ロータコア10の一端側から見たときに、ロータコア10の一端側での磁極中心線Yaと他端側での磁極中心線Ybを同一平面上で重ね合わせたときに、両直線のなす角度がスキュー角度θsである。
第1の孔10aの中心C1と第2の孔10bの中心C2は、スキュー角度θsを二等分する二等分線Xを挟んでマグネットロータ1の周方向にそれぞれθ1、θ2だけずれた位置に設けられている。この角度をそれぞれずれ角度θ1,θ2とする。
すなわち、第1の孔10aの中心C1及びロータコア10の軸中心Oを結ぶ直線と、スキュー角度θsの二等分線Xとのなす角度がずれ角度θ1である。同様に、第2の孔10bの中心C2及びロータコア10の軸中心Oを結ぶ直線と、二等分線Xとのなす角度がずれ角度θ2である。
ここで図1に戻って、ロータコア10の軸方向に沿った全長をL、ロータコア10の軸方向に沿った第1の孔10aの長さをL1、ロータコア10の軸方向に沿った第2の孔10bの長さをL2としたとき、ずれ角度θ1,θ2はそれぞれ以下の式で表すことができる。
θ1=(θs/2)×(1−L1/L) ・・式(1)
θ2=(θs/2)×(1−L2/L) ・・式(2)
(ここで、L≧L1+L2である。)
例えば、ロータコア10の全長Lが50mm、第1の孔10aの長さL1が20mm、第2の孔10bの長さL2が25mm、スキュー角度θsが10度の場合、スキュー角度θsの二等分線Xに対する第1の孔10aの中心C1のずれ角度θ1は3.0度、第2の孔10bの中心C2のずれ角度θ2は2.5度となる。
式(1)と(2)を満たすように第1の孔10aの中心C1と第2の孔10bの中心C2のそれぞれのずれ角度を決定することで、二等分線Xからの第1の孔10aと第2の孔10bのずれが回転軸11の軸方向に沿ってトータルで相殺される。以下、この理由について説明する。
通常、マグネットを構成する磁極の磁界は、磁極の中心と回転軸の軸中心を通る直線を挟んで左右対称となっている。
本例のマグネット12のように磁極がスキューされている場合、ロータコア10の一端側と他端側で磁極中心位置が異なっているが、磁極間に形成される磁界はスキュー角度θsを二等分する二等分線Xを挟んで回転軸11の軸方向に沿って全体としてバランスが取れている。
このため、この二等分線Xを挟んで第1の孔10aと第2の孔10bの中心位置をそれぞれ決定することで、これらの孔が形成されることによる磁界バランスのずれを極力小さくすることができ、スキュー着磁されたマグネット12の磁束に対する影響を最小限にとどめることができる。
特に、上記式(1)、(2)を満足するようにずれ角度θ1,θ2をそれぞれ決定することで、第1の孔10aと第2の孔10bのそれぞれの長さに応じて磁極への影響が最も少ない最適位置に各孔を形成することができる。
すなわち、孔の長さが長い場合は、その中心位置が二等分線Xから離れすぎると隣接する磁極間の境界領域近傍に空間が形成される。この境界領域近傍は磁束密度が高いため、この領域に空間が形成されることで磁気回路への影響が大きくなり、マグネットロータ1の回転特性に悪影響を与えてしまう。
そこで、孔の長さが長い場合には二等分線Xからの孔の中心のずれ角度を小さく設定し、逆に孔の長さが短い場合には二等分線Xからの孔の中心のずれ角度を大きく設定する。これにより、孔の長さに応じて磁界バランスを最適とすることができ、マグネットロータ1の回転特性をほとんど低下させることなくイナーシャを低減することができる。
なお、図1では、第1の孔10aの長さL1と第2の孔10bの長さL2の合計長さ(L1+L2)が、ロータコア10の全長Lよりも短い例(すなわち、L>L1+L2)について示している。すなわち、第1の孔10aと第2の孔10bがつながっておらず、両者の間に所定の長さ(L−L1−L2)の非空間領域が設けられている。このように、第1の孔10aと第2の孔10bとの間に非空間領域を設けることで、両者が連結した貫通孔を設ける場合と比較して、ロータコア10の剛性をより高くすることができる。
このとき、第1の孔10aの長さL1と第2の孔10bの長さL2が等しい(すなわち、L1=L2)ことが好ましい。このようにすることで、マグネットロータ1の軸方向の両端面側で重量バランスや磁界バランスが釣り合うため、マグネットロータ1の回転特性が安定する。
なお、上述した非空間領域を設けずに、第1の孔10aと第2の孔10bとが連結していてもよい。すなわち、第1の孔10aの長さL1と第2の孔10bの長さL2の合計長さ(L1+L2)が、ロータコア10の全長Lと同一(すなわち、L=L1+L2)であってもよい。
このようにすることで、第1の孔10aと第2の孔10bの長さがそれぞれ最大となり、ロータコア10内の空間部分の体積を最大とすることができる。これにより、ロータコア10の重量を最大限まで小さくしてイナーシャを最小とすることができる。
次に、マグネットロータ1の製造方法について説明する。
まず、円板状の鉄板を複数積層させ一体に成形してロータコア10を製造する。次に、ロータコア10の外周面全体に着磁前の磁性体を配設する。続いて、着磁装置を用いて所定のスキュー角度θsをなすように磁性体に対して着磁を行い、N極12aとS極12bを形成する。
続いて、ロータコア10の一端側において、スキュー角度θsの二等分線Xから所定の角度θ1だけずらして第1の孔10aの中心位置を決定し、ドリルなどを用いて回転軸11の軸方向と平行に穿孔する。同様に、ロータコア10の他端側において、スキュー角度θsの二等分線Xから所定の角度θ2だけずらして第2の孔10bの中心位置を決定し、ドリルなどを用いて回転軸11の軸方向と平行に穿孔する。
以上の工程により、マグネットロータ1の製造が完了する。
本発明のマグネットロータ1は、上述したようにDCブラシレスモータの回転子として用いることができる。以下、図4を参照して、本発明のモータ3について説明する。
図4は、マグネットロータ1をモータ3の回転子に適用した例について説明する図であって、モータ3を構成する部材を分解して示した斜視分解図である。
この図に示すように、モータ3は、マグネットロータ1とステータ2とを主要な構成要素として備えている。このうちマグネットロータ1は、上述したとおりの構成を備えるものであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ステータ2は、ステータコア21と、このステータコア21に巻装された巻線22を備えている。ステータコア21は、外周部を構成する略円筒状のアウターコア23と、このアウターコア23の内周面から径方向内側に所定間隔を空けて突出するティース24とを有している。巻線22は、ティース24の隣接する突出部の間の空間内に収容されている。
モータ3の製造方法としては、まずロータコア10の外周に配設されたマグネット12をスキュー着磁させ、磁極を形成する。続いて、ロータコア10の一端側から第1の孔10aを、他端側から第2の孔10bを穿設する。この穿設工程は、上述したマグネットロータ1の製造方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、ティース24間の空間内に巻線22を収容してステータ2を製造する。
そして、ステータ2の内部空間にマグネットロータ1を配設し、円環状のステータ2とマグネットロータ1のマグネット12とは、僅かなエアギャップを介して径方向に対向した状態とする。次に、図示しない有底円筒形状のハウジング内にステータ2とマグネットロータ1を収容し、ハウジングの開口をエンドプレートで塞ぐことで、モータ3の組付けが完了する。
次に、本発明の他の実施形態に係るマグネットロータについて説明する。
図5,図6は本発明の他の実施形態に係るマグネットロータの説明図であり、図5は第2の実施形態に係るマグネットロータの正面図、図6は図5のマグネットロータを矢印A方向及び矢印B方向から見た状態を示す側面図である。
図5に示すように、本実施形態のマグネットロータ31は、ロータコア40と、回転軸41と、マグネット42とを主要な構成要素としている。マグネット42は、N極42aとS極42bの磁石が交互に現れるによう連続して配置されている。これらの部材は第1の実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ロータコア40には、一端側から伸びる第1の連結孔40aと他端側から伸びる第2の連結孔40bが回転軸41の軸方向と平行に形成されている。これらの連結孔について図6を参照して説明する。
図6は、図5のロータコア40の両端部を示す側面図であり、(a)は図5の矢印A方向から見た側面図、(b)は図5の矢印B方向から見た側面図である。この図に示すように、第1の連結孔40aと第2の連結孔40bは、いずれも第1の実施形態と同様の円筒状の円孔が形成された領域と、隣接する円孔どうしがつながった円環状の領域とを有する形状をしている。円孔どうしをつなぐ円環状の空間は、ロータコア40の軸中心O側に形成されている。この領域は、マグネット42の隣接する磁極間の境界領域の延長線上にあるが、マグネット42と離れた位置にあるため磁束密度がそれほど高くなく、この領域に空間部を設けてもマグネットロータ31の回転特性にほとんど影響を及ぼすことがない。
そして、このように円孔どうしを円環状につなげることで、第1の実施形態と比較してより空間領域を増やしてマグネットロータ31の更なる軽量化を図ることが可能となり、これによりマグネットロータ31のイナーシャを更に小さくすることができる。
ロータコア40は、予め円環状の孔である第2の連結孔40bが設けられた形で鍛造にて形成される。その後、円環である第2の連結孔40bに沿って複数の円孔をドリルを用いた切削にて第1の連結孔40aを形成する。
なお、上記各実施形態では、各マグネットに1箇所ずつ孔(第2の実施形態では円孔)が形成されているが、このようにマグネットのすべてに形成される必要はなく、一部のみに形成されてもよい。例えば、マグネットのうち、N極のみやS極のみに対応して孔が形成されるようにしてもよい。この場合、ロータコアの軸中心を挟んで対称となる位置に形成すると、マグネットロータ全体の重量バランスが釣り合うため好ましい。
また、上記各実施形態では、いずれの孔も内部に何も充填されていない空間孔として形成されているが、孔の内部にロータコアの材質よりも比重の小さな樹脂等を充填してもよい。このようにすることで、マグネットロータの軽量化を図るとともにロータの剛性を向上させることが可能となる。
さらに、第2の実施形態では、予め円環状の第2の連結孔40bを鍛造にて形成し、その後、第1の連結孔40aを形成していたが、以下の工程に示す方法で形成してもよい。
第1の連結孔40aを形成するには、まずドリルなどを用いてロータコア40の軸方向と平行方向に複数の円孔を形成する。次に、ドリルの径をより小さいものに変更し、円孔のうち軸中心O側に寄せてドリルをいずれかの円孔内に挿通し、軸中心Oを中心として円環状にドリルを移動させてロータコア40を切削し、隣接する円孔どうしをつなぐ。これにより、円環状の領域が形成される。
以上の工程で、第1の連結孔40aが形成される。なお、第2の連結孔40bについても同様の工程で形成することができる。
第1の実施形態に係るマグネットロータの正面図である。 図1のマグネットロータを矢印A方向及び矢印B方向から見た状態を示す側面図である。 図1のマグネットロータを矢印A方向から見た状態を示す側面図である。 第1の実施形態に係るマグネットロータを備えたモータの分解斜視図である。 第2の実施形態に係るマグネットロータの正面図である。 図5のマグネットロータを矢印A方向及び矢印B方向から見た状態を示す側面図である。
符号の説明
1‥マグネットロータ、2‥ステータ、3‥モータ、10‥ロータコア、10a‥第1の孔、10b‥第2の孔、11‥回転軸、12‥マグネット、12a‥マグネット(N極)、12b‥マグネット(S極)、21‥ステータコア、22‥巻線、23‥アウターコア、24‥ティース、31‥マグネットロータ、40‥ロータコア、40a‥第1の連結孔、40b‥第2の連結孔、41‥回転軸、42‥マグネット、42a‥N極(磁極)、42b‥S極(磁極)、L‥ロータコアの全長、L1‥第1の孔の長さ、L2‥第2の孔の長さ、C1‥第1の孔の中心、C2‥第2の孔の中心、O‥回転軸の軸中心、C1−C1‥第1の孔の中心軸線、C2−C2‥第2の孔の中心軸線、O−O‥回転軸の軸中心線、X‥スキュー角度の二等分線、Ya‥磁極中心線、Yb‥磁極中心線、Wa‥磁極幅、Wb‥磁極幅、θs‥スキュー角度、θ1,θ2‥ずれ角度

Claims (6)

  1. 周方向に沿って磁極が変化するとともに軸方向に対して所定のスキュー角度を持つように傾斜して着磁されたマグネットと、
    該マグネットの内周側に配置されるロータコアと、
    該ロータコアの中心に配置される回転軸と、を備えたマグネットロータであって、
    前記ロータコアの一端側及び他端側には、前記回転軸に沿って伸びる孔がそれぞれ形成され、
    前記一端側の孔及び前記他端側の孔は、それぞれの中心軸線が互いに重ならない位置とされていることを特徴とするマグネットロータ。
  2. 前記一端側の孔及び前記他端側の孔のそれぞれの前記中心軸線は、前記回転軸の軸中心線と略平行であることを特徴とする請求項1に記載のマグネットロータ。
  3. 前記一端側の孔及び前記他端側の孔のそれぞれの中心は、前記スキュー角度を二等分する二等分線を挟んで互いに異なる位置に形成されることを特徴とする請求項2に記載のマグネットロータ。
  4. 前記一端側の孔及び前記他端側の孔は、
    前記ロータコアの全長をL、
    前記一端側の孔の長さをL1、
    前記他端側の孔の長さをL2、
    前記スキュー角度をθs、
    前記ロータコアの前記一端側における前記二等分線からの前記一端側の孔の中心のずれ角度をθ1、
    前記ロータコアの前記他端側における前記二等分線からの前記他端側の孔の中心のずれ角度をθ2、としたときに、
    下記一般式(1)及び(2)
    θ1=(θs/2)×(1−L1/L) ・・式(1)
    θ2=(θs/2)×(1−L2/L) ・・式(2)
    (ここで、L≧L1+L2である。)
    を満足する位置に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のマグネットロータ。
  5. 前記孔は、前記ロータコアの周方向に沿って複数設けられ、かつ、隣接した前記孔どうしが連結されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットロータ。
  6. マグネットロータと、該マグネットロータを回転させるステータとを備えたモータであって、前記マグネットロータは、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマグネットロータであることを特徴とするモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102412646A (zh) * 2011-12-29 2012-04-11 江苏上骐集团有限公司 一种永磁伺服电动机转子冲片
KR101303493B1 (ko) 2011-12-29 2013-09-03 주식회사 효성 경사형 공극을 가진 모터의 로터
WO2019123949A1 (ja) * 2017-12-18 2019-06-27 日本電産株式会社 電磁鋼板、ロータコア、ロータおよびモータ

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