JP2008182304A - 調和発振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械共振に関する共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行える調和発振装置を提供する。
【解決手段】光スキャナを、その共振周波数で駆動するための駆動回路(調和共振回路)では、発振電圧Vaに係る1周期の間にスイッチをオン・オフさせ、共振回路部に所定のコンデンサが接続された接続状態(発振周波数fomL)と非接続状態(発振周波数fomH)との切替えを行う。これにより、期間Tbの電圧波形が発振周波数fomHの波形から発振周波数fomLの波形に置換されるため、電圧波形Ka(破線)が電圧波形Kb(実線)に変化して発振電圧Vaの周期が周期Thから周期Thrに伸長される。ここで、期間Tbを変化させれば、駆動回路において発振周波数の調整を適切に行えることとなる。
【選択図】図7

Description

本発明は、発振信号を生成する調和発振装置に関する。
VCO(電圧制御発振回路)やVCXO(電圧制御水晶発振回路)等の発振回路においては、正帰還ループ内にリアクタンスXを変化させる可変素子を設けて発振周波数の調整を行うものがある。この具体例を図16を参照して説明する。
図16は、従来技術に係る発振回路9の要部構成を示す図である。
発振回路9は、共振回路に水晶振動子が設けられたコルピッツ型のVCXOとして構成されており、反転アンプ98は負帰還抵抗97により入力がバイアスされて能動状態となっている。また、発振周波数で等価的にインダクタとして機能する水晶発振子96と、2つのコンデンサ92、93と、可変容量ダイオード91とによって共振回路90が構成されている。このような発振回路9においては、DC電源94により抵抗95を通じて可変容量ダイオード91に逆バイアス電圧が印加できるため、DC電源94の出力電圧を変化させれば可変容量ダイオード91の静電容量値の制御が可能である。なお、抵抗95は、DC電源94と、共振回路90によって生成される発振電圧との間の緩衝用抵抗である。
以上の発振回路9においては、出力信号Voutに含まれる共振回路90の共振周波数に等しい信号成分の位相を反転させて反転アンプ98の入力に正帰還させることにより、振幅が増大した共振周波数の発振電圧を出力信号Voutとして取り出すことが可能となる。
この発振回路9において、発振周波数foscは次の式(1)で表すことができる。
Figure 2008182304
ここで、上式(1)のLは、水晶振動子96の発振周波数foscにおける等価インダクタンス値である。また、上式(1)のC11は、可変容量ダイオード91の容量値を示し、C12〜C13は、それぞれコンデンサ92、93の容量値を示している。
上記の式(1)によれば、可変容量ダイオード91の容量値C11をDC電源94により変化させることで、発振周波数foscの変更(調整)を行えることが分かる。
さらに、図17に示すように発振回路9の出力信号Voutと外部信号Vtとの位相を比較すれば、PLL(Phase Locked Loop)方式による外部同期が可能となる。このPLLによる外部同期について以下で簡単に説明する。
位相比較器81は、外部信号Vtと発振回路9の出力信号Voutとの位相を比較し、その比較量に応じた電圧を出力する。ループフィルタ82は、PLLの負帰還ループを安定化させるLPF(Low Pass Filter)として構成されており、このループフィルタ82からの電圧信号Vpに応じた周波数で発振回路9は発振して出力信号Voutが得られる。以上のようなPLLの負帰還ループにより、一定の位相差を維持しつつ出力信号Voutの周波数を外部信号Vtの周波数に一致させることができ、出力信号Voutの外部同期が図れることとなる。
一方、レーザ光等の光線を偏向・走査する光スキャナは、例えばバーコードリーダーやレーザープリンタ、ディスプレイ等の光学機器に利用されている。この光スキャナについては、多角柱ミラーをモータで回転させて反射光を走査するポリゴンミラーや、平面ミラーを電磁アクチュエータによって回転振動させるガルバノミラー等を有するものがある。しかし、このような光スキャナにおいては、ミラーをモータや電磁アクチュエータで駆動する機械的な駆動機構が必要であるが、その駆動機構はサイズが比較的大きく、また高価であることから、光スキャナの小型化を阻害するとともに高価格化を招くといった問題がある。
そこで、光スキャナの小型化、低価格化および生産性の向上を図るために、半導体製造技術を応用したシリコンやガラスを微細加工するマイクロマシニング技術を用いてミラーや弾性梁等の構成部品が一体成形されたマイクロ光スキャナの開発が進んでいる。
例えば特許文献1に開示されるマイクロ光スキャナでは、光走査を行うためのミラー部(光走査部)とトーションバー部とを含んでなる振動系を、その共振周波数で加振(駆動)することにより、ミラー部において大きな変位角が得られるようになっている。
特許第2981600号公報
以上のような従来技術において、上記特許文献1の光スキャナを共振周波数で駆動する駆動回路として、上記の発振回路9を利用する場合には、次のような問題がある。
発振回路9では、可変容量ダイオード91の容量値や容量変化幅が小さいため、比較的低い共振周波数(数kHz〜数十kHz)の発振動作に用いる可変素子として好ましくない。よって、光スキャナの駆動回路として発振回路9を適用しても、光スキャナの共振(機械共振)に関する共振周波数域において発振周波数の調整(可変制御)が難しい。
また、発振回路9における可変容量ダイオード91の両端には、DC電源94による容量値制御用の逆バイアス電圧に重畳して大きな共振電圧が印加されるため、可変容量ダイオード91の容量値が共振電圧の影響を受けて変化することとなる。これでは、発振回路9において発振周波数が安定せず発振周波数の調整を適切に行えない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、機械共振に関する共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行える調和発振装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、発振信号を生成する調和発振装置であって、(a)第1の発振周波数で発振する発振回路と、(b)前記発振回路に接続可能な所定の受動素子と、(c)前記発振回路に前記所定の受動素子を接続させた接続状態と、非接続状態との切替えを行う切替手段と、(d)前記発振信号に係る1周期の間に、前記切替手段により前記接続状態と前記非接続状態との切替えを行わせる切替制御手段とを備え、前記所定の受動素子が接続された接続状態の発振回路は、前記第1の発振周波数と異なる第2の発振周波数で発振する。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る調和発振装置において、前記切替制御手段は、前記発振信号に係る信号レベルが所定のレベルとなる切替タイミングで、前記切替手段により前記接続状態と前記非接続状態との切替えを行わせる手段を有する。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る調和発振装置において、前記切替タイミングに関する特定の切替タイミングから次の切替タイミングまでの期間は、前記発振信号の信号波形について上に凸な期間および/または下に凸な期間に含まれる期間である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る調和発振装置において、前記発振回路には、圧電素子を含んで構成される正帰還ループが設けられている。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る調和発振装置において、前記発振回路には、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータを含んで構成される正帰還ループが設けられている。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る調和発振装置において、前記アクチュエータは、圧電アクチュエータである。
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係る調和発振装置において、前記アクチュエータは、電磁アクチュエータである。
また、請求項8の発明は、請求項5の発明に係る調和発振装置において、前記アクチュエータは、静電アクチュエータである。
また、請求項9の発明は、請求項5の発明に係る調和発振装置において、前記アクチュエータは、高分子樹脂を用いたアクチュエータである。
請求項1から請求項9の発明によれば、発振信号に係る1周期の間に、第1の発振周波数で発振する発振回路に所定の受動素子を接続させた接続状態(接続状態の発振回路は、第1の発振周波数と異なる第2の発振周波数で発振する)と、非接続状態との切替えを行わせるため、機械共振に関する共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行える。
特に、請求項2の発明においては、発振信号に係る信号レベルが所定のレベルとなる切替タイミングで、接続状態と非接続状態との切替えを行わせるため、安定した発振動作を行える。
また、請求項3の発明においては、特定の切替タイミングから次の切替タイミングまでの期間は、発振信号の信号波形について上に凸な期間および/または下に凸な期間に含まれる期間であるため、より安定した発振動作を行える。
また、請求項4の発明においては、発振回路には圧電素子を含んで構成される正帰還ループが設けられているため、圧電素子を所望の発振周波数で駆動できる。
また、請求項5の発明においては、発振回路には、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータを含んで構成される正帰還ループが設けられているため、光スキャナの光走査部を所望の周波数で駆動できる。
また、請求項6の発明においては、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータが圧電アクチュエータであるため、光スキャナの小型化が図れる。
また、請求項7の発明においては、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータが電磁アクチュエータであるため、光スキャナの小型化が図れる。
また、請求項8の発明においては、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータが静電アクチュエータであるため、光スキャナの小型化が図れる。
また、請求項9の発明においては、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータが高分子樹脂を用いたアクチュエータであるため、光スキャナの小型化が図れる。
<第1実施形態>
<光スキャナシステムの構成>
本発明の第1実施形態に係る光スキャナシステム100Aは、光スキャナ1と、光スキャナ1を駆動するための駆動回路5Aとを備えている。
以下では、光スキャナ1と駆動回路5Aとの構成を順に説明する。
<光スキャナ1の要部構成>
図1は、光スキャナ1の要部構成を示す平面図である。また、図2は、図1のII−II位置から見た断面図である。
光スキャナ1は、「ロ」字状の板状部材として構成され不図示の筐体等に固定されているフレーム部10と、フレーム部10に内包されるミラー部11とを備えている。また、光スキャナ1では、弾性変形を行うトーションバー部(弾性変形部)12がミラー部11に連結するとともに、ミラー部11を加振するための加振部2がトーションバー部12に連結している。そして、加振部2の端部は、フレーム部10に接続している。
ミラー部11は、円板状の形状を有しており、その表面Saおよび裏面Sbは、光を反射させる反射面として機能する。すなわち、ミラー部11の表面Saおよび裏面Sbには、例えば金やAl(アルミニウム)等の金属薄膜による反射膜が形成されており、入射光線の反射率を向上させる構成となっている。
トーションバー部12は、X軸と平行なミラー部11の中心線Axに沿ってミラー部11の両端部から加振部2まで伸びている2つのトーションバー12a、12bからなっている。このようなトーションバー部12により、ミラー部11は、加振部2に対して弾性的に支持されることとなる。
加振部2は、トーションバー12aに接続する板状部材としての曲がり梁21、22と、トーションバー12bに接続する板状部材としての曲がり梁23、24とを有している。これらの曲がり梁21〜24、フレーム部10、ミラー部11、および2つのトーションバー12a、12bについては、例えばシリコン基板の異方性エッチングにより一体的に形成されている。
また、加振部2は、曲がり梁21〜24の各上面に例えば接着剤によって貼付されている電気−機械変換素子としての圧電素子31〜34備えている。この圧電素子31〜34は、ミラー部11を加振するための圧電振動子として構成されており、各圧電素子31〜34と各曲がり梁21〜24とによって4つのユニモルフ部Ua〜Udが形成される。
また、圧電素子31〜34それぞれは、表面および裏面に上部電極Euおよび下部電極Edが設けられている(図2)。そして、圧電素子31〜34の上部電極Euには、それぞれフレーム部10に設けられた電極パッド31u〜34uが例えばワイヤを介して電気的に接続されているとともに、圧電素子31〜34の下部電極Edには、それぞれフレーム部10に設けられた電極パッド31d〜34dが例えばワイヤを介して電気的に接続されている。このような電極パッドを介して光スキャナ1の外部から圧電素子31〜34それぞれに駆動電圧を印加できることとなる。
以上のような光スキャナ1の構成により、電極パッド31u〜34u、31d〜34dを介して圧電素子31〜34に駆動電圧を印加することで曲がり梁21〜24において曲げ変形が生じることとなる。このように曲がり梁21〜24で曲がりが生じることにより、トーションバー12a、12bを介しミラー部11に対して中心軸Ax周りに回転トルクが与えられ、可動部として働くミラー部11を中心軸Axを中心に揺動振動を行わせることが可能となる。このミラー部11の揺動振動動作について、詳しく説明する。
図3は、ミラー部11の揺動振動動作を説明するための図である。ここで、図3(a)および図3(b)は、図1のII−II位置から見た断面を示す図2に対応している。
光スキャナ1においては、圧電素子31〜34に対して上部電極Euと下部電極Edとの間に分極反転が生じない範囲の交流電圧を印加することにより、圧電素子31〜34は伸縮し、ユニモルフ的に厚み方向に変位することとなる。
そこで、圧電素子31に対して長手方向(Y軸方向)に伸長させる駆動電圧を印加するとともに、この駆動電圧と逆位相の駆動電圧を圧電素子32に印加して圧電素子32を収縮させることにより、一端がフレーム部10に連結するユニモルフ部Ua、Ubにおいて、図3(a)に示すように曲がり梁21を下方に湾曲させる一方、曲がり梁22を上方に湾曲させる。同様に、圧電素子33および圧電素子34に対しても、圧電素子31および圧電素子32それぞれと同位相の駆動電圧を印加することにより、曲がり梁23を下方に湾曲させる一方、曲がり梁24を上方に湾曲させる。これにより、トーションバー12a、12bを介しミラー部11において中心軸Ax回りの回転トルクが生じるため、図3(a)に示すようにミラー部11は中心軸Axを中心として方向Daに傾くこととなる。
また、圧電素子32に対して長手方向(Y軸方向)に伸長させる駆動電圧を印加するとともに、この駆動電圧と逆位相の駆動電圧を圧電素子31に印加して圧電素子31を収縮させることにより、一端がフレーム部10に連結するユニモルフ部Ua、Ubにおいて、図3(b)に示すように曲がり梁21を上方に湾曲させる一方、曲がり梁22を下方に湾曲させる。同様に、圧電素子33および圧電素子34に対しても、圧電素子31および圧電素子32それぞれと同位相の駆動電圧を印加することにより、曲がり梁23を上方に湾曲させる一方、曲がり梁24を下方に湾曲させる。これにより、トーションバー12a、12bを介しミラー部11において中心軸Ax回りの回転トルクが生じるため、図3(b)に示すようにミラー部11は中心軸Axを中心として回動方向Dbに傾斜することとなる。
このようにミラー部11を方向Da(図3(a))および方向Db(図3(b))に回動させる交流の駆動電圧を圧電素子31〜34に印加するようにすれば、この印加電圧に追従した上下方向の振動がユニモルフ部Ua〜Udで繰り返されるため、トーションバー12a、12bにシーソー的な回転トルクが生じ、トーションバー12a、12bおよびミラー部11は所定の角度範囲で揺動振動することとなる。
ここで、ミラー部11の揺動角度が小さい場合には、圧電素子31〜34に印可する交流電圧の周波数を、光スキャナ1に関する機械振動系の共振周波数に設定することにより、レーザ光等を反射して光スキャンを行うミラー部(光走査部)11が共振振動されるため、光スキャナ1として大きな偏向角度(光走査角度)が得られるようになる。
以下では、光スキャナ1を、その機械共振に関する共振周波数で駆動するための駆動回路5Aの要部構成を以下で説明する。
<駆動回路5Aの要部構成>
図4は、本発明の第1実施形態に係る駆動回路5Aの要部構成を示す図である。
駆動回路5Aは、例えばコルピッツ型発振回路として構成される調和発振回路(正弦波発振回路)となっており、発振信号を生成する。ここで、反転アンプ40は、負帰還抵抗41により入力がバイアスされて能動状態となっている。
駆動回路5Aには、上述した光スキャナ1における圧電素子31〜34を合成結合した圧電素子(光スキャナ1のミラー部11を駆動する圧電アクチュエータ)30を含んで構成される正帰還ループが設けられている。そして、圧電素子30およびコンデンサ52〜53により共振回路SCが構成されている。この共振回路SCには、一端がコンデンサ51に他端がグランドに接続するスイッチ54によって、コンデンサ51を組み入れたり離脱させたりすることが可能となっている。すなわち、スイッチ54を用いて共振回路(発振回路)SCにコンデンサ(受動素子)51を接続させた接続状態と非接続状態との切替えが可能となる。なお、コンデンサ51、52、53は、それぞれ容量値C1、C2、C3を有しているものとする。
また、駆動回路5Aは、反転アンプ40の出力を高インピーダンス化して共振回路SCによる十分な位相の回転(反転)を行わせるための抵抗42と、圧電素子30の一端Paで生じる発振電圧Vaと発振周波数を制御(調整)するための制御電圧Vcとを比較してスイッチ54のオン・オフを切替えるコンパレータ44とを備えている。このコンパレータ44は、制御電圧Vcに対する発振電圧Vaの大小に応じてスイッチ54をオン・オフさせる"H"信号、"L"信号を電圧信号Vswとして出力する。
以上のような構成の駆動回路5Aにおいては、コンパレータ44によってオン・オフされるスイッチ54により、共振回路SCの発振動作に関わる静電容量値が、2つのコンデンサ52、53の合成容量値と3つのコンデンサ51、52、53の合成容量値との間で切り替えられることとなる。これにより、発振回路5Aの発振周波数について高低2つの周波数からの選択が可能となる(後で詳述)。
次に、以上のような駆動回路5Aの動作について説明する。
<駆動回路5Aの動作>
図5は、ミラー部11の揺動振動に関連した各機械要素を電気素子に等価変換した等価回路30cを示す図である。この等価回路30cは、駆動回路5A(図4)における圧電素子30の両端Pa、Pbから見た回路である。
コンデンサ43は、圧電素子30の静電容量を表しており、圧電素子31〜34を形成する誘電体の誘電率および形状から決定される容量値Caを有している。
コンデンサ471は、圧電素子31〜34の弾性と、圧電素子31〜34が貼付される曲がり梁21〜24の弾性とを合成して決定されるバネの等価素子である。このコンデンサ471の容量値Cpは、バネ定数の逆数となっている。
インダクタ472は、圧電素子31〜34の質量と曲がり梁21〜24の質量とを合成して決定される等価素子であり、インダクタンス値Lpを有している。
抵抗473は、圧電素子31〜34および曲がり梁21〜24の加振振動に関する内部損失を表す等価素子であり、抵抗値Rpを有している。
以上のコンデンサ471、インダクタ472および抵抗473によって直列共振回路Wpが形成されることとなる。
コンデンサ481は、トーションバー12a、12bに関するバネの等価素子であり、容量値Cmを有している。
インダクタ482は、ミラー部11の慣性モーメントに対応した等価素子であり、インダクタンス値Lmを有している。ここで、インダクタ482を流れる電流Imは、ミラー部11の揺動振動に関する角速度に対応している。
抵抗483は、コンデンサ481とインダクタ482とを含んで構成される共振回路での損失を表す等価素子であり、主にミラー部11の揺動振動による空気との摩擦損失を表している。
以上のような等価回路30cにおいては、等価回路30cの両端Pa、Pbに印加された電圧(回転トルクに対応)が、上述の直列共振回路Wpと、コンデンサ481、インダクタ482および抵抗483で構成される並列共振回路Wmとで分圧されてインダクタ482にミラー部11の角速度ωに対応した電流Imが流れることとなる。
次に、等価回路30cの動作について説明する。
図6は、等価回路30cに関する周波数特性を説明するための図である。ここで、図6(a)は、等価回路30cに係るリアクタンスXと周波数fとの関係を示している。また、図6(b)および図6(c)は、インダクタ482を流れる電流Imおよびその位相遅れθmと周波数fとの関係を示している。なお、図6(a)〜(c)では、直列共振回路Wpおよび並列共振回路Wmの損失を無視した場合(十分に高いQ値)の周波数特性を表している。
図6(a)に示すリアクタンスXの周波数特性について、以下で考察する。なお、ユニモルフ部Ua〜Udに対応する直列共振回路Wpの共振周波数fopは、通常、ミラー部11に関連した並列共振回路Wmの共振周波数frmよりも十分に高く設定されているため、並列共振回路Wmに関する共振周波数frm付近の周波数特性を考察する場合には、直列共振回路Wpのインダクタ472を省略して考える。同様に、直列共振回路Wpに関する共振周波数fop付近の周波数特性を考察する場合には、並列共振回路Wmのインダクタ482を省略して考える。
図6(a)に示される各周波数fo1、fr1、frm、fop、fo2、fr2は、次の式(2)〜(7)で算出される。
Figure 2008182304
Figure 2008182304
Figure 2008182304
Figure 2008182304
Figure 2008182304
Figure 2008182304
駆動回路5Aの発振周波数については、コンデンサ51〜53が容量性(C性)のため、図6(a)に示す周波数特性においてリアクタンスXが正(プラス)の値、つまりインダクタンス性(L性)を示す周波数範囲Ra、Rbで発振することとなる。
そして、図6(a)に示す周波数fo1では、ミラー部11に関連した並列共振回路Wmがインダクタンス性(L性)となってコンデンサ471との間で直列共振が生じるため、並列共振回路Wmの両端には大きい共振電圧が発生し、インダクタ482に大きな共振電流Imが流れることとなる。すなわち、周波数(共振周波数)fo1においては、ミラー部11の揺動振動について比較的大きな角速度が生じる。
具体的には、共振周波数fo1において、図6(b)に示すように電流Imの極大値をとるとともに、図6(c)に示すように位相遅れθmが(+90)度から(−90)度に急激に変化する。
以上のことから、駆動回路5Aの発振周波数は、周波数範囲Raの中でも周波数fo1に非常に近い周波数となる。
そして、駆動回路5Aにおける持続的な発振状態では、電流Imの共振周波数が、圧電素子30の周辺回路(コンデンサ51〜53、抵抗42)によりほぼ発振周波数と等しい特性が得られるため、ミラー部11の機械振動も共振状態となって最大の光走査角が得られることとなる。
また、等価回路30cに関するリアクタンスXの周波数特性はインダクタンス性(L性)を示しているため、等価回路30cに対応する圧電素子30(図4)の両端Pa、Pbに生じる発振電圧と、インダクタ482を流れる電流Imとの位相差は約90度を維持しつつ発振する。
なお、本実施形態の駆動回路5Aでは、図6(a)に示すリアクタンスXの周波数特性においてインダクタンス性(L性)を示す周波数範囲Rbで発振する可能性がある。これを防ぐには、周波数範囲Raと周波数範囲Rbとの周波数差を活用し、周波数範囲Rbで発振条件が成立しないように周波数範囲Rbにおいて駆動回路5Aの正帰還ループのゲインを十分低下させるようにすると良い。例えば反転アンプ40の周波数特性を低域通過型に設定したり、トラップ回路やLPF回路を挿入することが有効である。
駆動回路5Aにおいては、既述のようにスイッチ54を用いてコンデンサ51を共振回路SCに接続したり離脱させたりすることが可能である。このスイッチ54のオン時およびオフ時の発振周波数fomL、fomHについては、次の式(8)および式(9)で算出される。
(I)スイッチ54がオン時の発振周波数fomL:
Figure 2008182304
(II)スイッチ54がオフ時の発振周波数fomH:
Figure 2008182304
ただし、上式(8)および上式(9)におけるLpmL、LpmHについては、各発振周波数fomL、fomHにおける圧電素子30の等価インダクタンス値である。
以上のように駆動回路5Aでは、スイッチ54のオン・オフによって2つの発振周波数fomL、fomH(fomL<fomH)を選択できる。すなわち、スイッチ54のオフ時には共振回路(発振回路)SCにコンデンサ51が接続されない状態(非接続状態)となって共振回路SCが発振周波数(第1の発振周波数)LpmHで発振する一方、スイッチ54のオン時には共振回路(発振回路)SCにコンデンサ51が接続された状態(接続状態)となって上記の発振周波数LpmHと異なる発振周波数(第2の発振周波数)LpmLで発振することとなる。このように2つの発振周波数fomL、fomHの間の切替えを行える駆動回路5Aにおいては、発振周波数の連続的な可変動作が可能となっている。この発振周波数の可変動作について以下で説明する。なお、以下の説明では、駆動回路5Aが持続発振状態にあるものとする。
図7は、駆動回路5Aにおける発振周波数の可変動作を説明するための図である。
図7(a)に示す期間Ta、期間Tbおよび期間Tcにおける駆動回路5Aの各動作を、順に説明する。
(i)期間Ta
期間Taにおいては、発振電圧Vaが制御電圧Vcより低いため、コンパレータ44は、"L"信号を出力してスイッチ54をオフ状態にする。その結果、コンデンサ51は共振回路SCに接続されないため、共振回路SCの共振動作に関わる静電容量値が、2つのコンデンサ52、53の合成容量値となり、上記の式(9)に示す発振周波数fomHでの発振動作が行われることとなる。
(ii)期間Tb
期間Tbにおいては、発振電圧Vaが制御電圧Vcより高いため、コンパレータ44は、"H"信号を出力してスイッチ54をオン状態にする。その結果、コンデンサ51は共振回路SCに接続されるため、共振回路SCの共振動作に関わる静電容量値が、3つのコンデンサ51〜53の合成容量値となり、上記の式(8)に示す発振周波数fomLでの発振動作が行われることとなる。
(iii)期間Tc
期間Tcにおいては、発振電圧Vaが制御電圧Vcより低くなるため、上記の期間Taと同様の発振動作が行われる。
以上で説明した期間Ta〜Tcにおける各動作が発振電圧Vaの1周期中に行われることで、上記2つの発振周波数fomH、fomLに関して中間的な周波数での発振動作が可能となる。
具体的には、発振電圧(発振信号)Vaに係る1周期の間にスイッチ54をオン・オフさせて、共振回路SCにコンデンサ51を接続させた接続状態と非接続状態との切替えを行わせることにより、期間Tbの電圧波形が発振周波数fomHの波形から発振周波数fomLの波形に置換されるため、電圧波形Ka(破線)が電圧波形Kb(実線)に変化して発振電圧Vaの周期が周期Thから周期Thrに伸長される。
ここで、発振周波数fomLの波形に置換される期間(以下では「置換期間」ともいう)Tbの開始時点および終了時点は、発振電圧Vaが制御電圧Vcに一致するタイミングになっている。すなわち、発振電圧(発振信号に係る信号レベル)Vaが制御電圧(所定のレベル)Vcとなる切替タイミングで、スイッチ54により共振回路SCにコンデンサ51を接続させた接続状態と非接続状態との切替えが行われる。そして、置換期間Tbの開始時点に対応する切替タイミング(特定の切替タイミング)から置換期間Tbの終了時点に対応する次の切替タイミングまでの期間は、発振電圧(発振信号)Vaの信号波形に係る上に凸な期間に含まれる期間となっている。
このように発振電圧Vaが制御電圧Vcとなる切替タイミングでスイッチ54のオン・オフ動作を行うのは、スイッチ54のオン動作時におけるコンデンサ51の両端の電位と、スイッチ54のオフ動作時におけるコンデンサ51の両端の電位とを等しくして、スイッチ54のオン・オフ切替時にコンデンサ51に急激な充電電流が流れないようにするためである。これにより、駆動回路5Aにおける発振動作が、より安定することとなる。
以上のことから、制御電圧Vcを調整して別の発振周波数fomLの波形に置換される置換期間Tbを変化させれば、発振周波数の可変動作が可能となる。具体的には、制御電圧Vcに対する発振周波数fomの特性を示す図8のように、制御電圧Vcの電圧値を変更することで、駆動回路5Aの発振周波数を低い方の発振周波数fomLから高い方の発振周波数fomHまで連続的に制御できる。
例えば、図9に示すように制御電圧Vcを電圧値Vc1から電圧値Vc2に変更すれば置換期間が期間Tb1から期間Tb2に減少するため、発振電圧Vaの発振周期が周期Thr1から周期Thr2に短縮される。さらに、制御電圧Vcを電圧値Vc2から電圧値Vc3に変更すればスイッチ54がオフ状態を維持して置換期間が消滅するため、発振電圧Vaの発振周期は最も短い周期Thとなる。したがって、駆動回路5Aにおいては、図8に示すように制御電圧Vcを調整することにより発振周波数fomの制御が可能となる。
なお、スイッチ54による発振周波数fomL、fomHの切替え動作により周波数の異なる電圧波形が合成されるため、発振電圧Vaにおいて波形歪が生じるものの、以下で述べる理由により、実際上は無視できる程度に波形歪の影響が低減されている。
図7(b)は、インダクタ482を流れる電流Imの波形を示す図である。ここで、電流Imは、上述のようにミラー部11の揺動振動に関する角速度に対応するものである。
図7(a)のように圧電素子30の両端Pa、Pbに生じる発振電圧Vaが多少の波形歪を有する場合でも、インダクタ482のリアクタンスは周波数に比例するため、インダクタ482には、波形歪に係る高周波電圧の次数(周波数)に反比例した高周波電流しか流れない。よって、図7(b)に示すようにインダクタ482を流れる電流Im、つまりミラー部11の角速度についての波形歪は、図7(a)に示す発振電圧Vaの波形歪に比べて低減されることとなる。
また、ミラー部11の揺動振動による光走査の歪については、一般にミラー部11の変位角の歪として表れる。ここで、ミラー部11の揺動振動に関する変位角は、電流Imを積分した電荷量Qmに対応するものである。よって、図7(c)に示すように電流Imを積分した電荷量Qm、つまりミラー部11の変位角についての波形歪は、図7(b)に示す電流Imの波形歪に比べて更に低減されることとなる。
以上のことから、光走査に直接的に影響するミラー部11の変位角の歪は発振電圧Vaの波形歪に比べて大幅に低減されることとなり、実用上は影響のない歪のレベルとなる。
以上のような駆動回路5Aの動作により、発振電圧Vaに係る1周期の間にスイッチ54のオン・オフ動作を行わせて、共振回路SCにコンデンサ51を接続させた接続状態と非接続状態とを切替えるため、光スキャナ1に関する機械共振の共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行えることとなる。
なお、駆動回路5Aにおいては、置換期間Tbの開始時点から終了時点までの期間が図7(a)に示すように発振電圧Vaの信号波形に係る上に凸な期間(山部の期間)に含まれる期間となるのは必須でなく、発振電圧Vaの信号波形に係る下に凸な期間(谷部の期間)に含まれる期間となっても良い。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る光スキャナシステム100Bについては、第1実施形態の光スキャナシステム100Aと類似の構成を有しているが、駆動回路の構成が異なっている。
以下では、第2実施形態の駆動回路5Bについて詳しく説明する。
<駆動回路5Bの要部構成>
図10は、本発明の第2実施形態に係る駆動回路5Bの要部構成を示す図である。
駆動回路5Bは、第1実施形態の駆動回路5Aと類似の構成を有しているが、第1実施形態のコンデンサ51、スイッチ54およびコンパレータ44を2組備えている点が主に異なっている。
すなわち、駆動回路5Bは、それぞれの容量値C1a、C1bが等しい2つのコンデンサ51a、51bと、これらのコンデンサ51a、51bを共振回路SCに組み入れたり離脱させたりするための2つのスイッチ54a、54bと、発振電圧Vaと制御電圧±Vcとを比較してスイッチ54a、54bのオン・オフを切替えるための2つのコンパレータ44a、44bとを備えている。さらに、駆動回路5Bは、コンパレータ44bの出力を反転させるインバータ45を有している。
以上のような構成の駆動回路5Bにおける発振周波数の可変動作を説明する。
図11は、図7(a)に対応しており、駆動回路5Bにおける発振周波数の可変動作を説明するための図である。
駆動回路5Bでは、その絶対値(電圧の大きさ)が等しい正負の電圧値(+Vc、−Vc)と発振電圧Vaとを各コンパレータ44a、44bで比較し、発振電圧Vaの1周期中に2回、別の発振周波数への切替動作を行うようになっている。
具体的には、図11に示すように発振電圧Vaが制御電圧(+Vc)より大きくなる期間Tbpでは、コンパレータ44aによりスイッチ54aがオン状態にされてコンデンサ51aが共振回路SCに接続される。一方、発振電圧Vaが制御電圧(−Vc)より小さくなる期間Tbmでは、コンパレータ44bおよびインバータ45によりスイッチ54bがオン状態にされてコンデンサ51bが共振回路SCに接続される。
これにより、期間(置換期間)Tbpの電圧波形が発振周波数fomHの波形から発振周波数fomLの波形に置換されるとともに、期間(置換期間)Tbmの電圧波形が発振周波数fomLの波形に置換されるため、電圧波形Ja(破線)が電圧波形Jb(実線)に変化して発振電圧Vaの周期が伸長される。
ここで、各置換期間Tbp、Tbmの開始時点および終了時点は、発振電圧Vaが各制御電圧+Vc、−Vcと一致するタイミングになっている。すなわち、発振電圧(発振信号に係る信号レベル)Vaが各制御電圧(所定のレベル)+Vc、−Vcとなる切替タイミングで、スイッチ54a、54bにより共振回路SCにコンデンサ51aまたはコンデンサ51bを接続させた接続状態と非接続状態との切替えが行われる。そして、各置換期間Tbp、Tbmの開始時点に対応する切替タイミング(特定の切替タイミング)から各置換期間Tbp、Tbmの終了時点に対応する次の切替タイミングまでの期間は、発振電圧(発振信号)Vaの信号波形に係る上に凸な期間および下に凸な期間に含まれる期間となっている。
このように発振電圧Vaが各制御電圧+Vc、−Vcとなる切替タイミングでスイッチ54a、54bをオン・オフして別個のコンデンサ51a、51bの接続・非接続を切替えるのは、第1実施形態と同様に、スイッチ54a、54bのオン時における各コンデンサ51a、51bの両端の電位と、スイッチ54a、54bのオフ時における各コンデンサ51a、51bの両端の電位とを等しくして、スイッチ54a、54bのオン・オフ切替時に各コンデンサ51a、51bに急激な充電電流が流れないようにするためである。これにより、駆動回路5Bにおける発振動作が、より安定することとなる。
以上のような駆動回路5Bの動作により、第1実施形態と同様に、光スキャナ1に関する機械共振の共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行えることとなる。
また、駆動回路5Bにおいては、発振電圧Vaの1周期中に図11に示すような2回の置換期間Tbp、Tbmが設けられることにより、発振電圧Vaが対称波の歪波形となるため、偶数次の高周波成分がキャンセルされて、第1実施形態の駆動回路5Aより発振電圧Vaの波形歪の低減が図れる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る光スキャナシステム100Cについては、第1実施形態の光スキャナシステム100Aと類似の構成を有しているが、駆動回路の構成が異なっている。
以下では、第3実施形態の駆動回路5Cについて詳しく説明する。
<駆動回路5Cの要部構成>
図12は、本発明の第3実施形態に係る駆動回路5Cの要部構成を示す図である。
駆動回路5Cは、第1実施形態の駆動回路5Aと類似の構成を有しているが、駆動回路5Aに対して、ミラー部11の揺動角度を検出するための圧電素子SNと、この圧電素子SNを含む検出回路46とが付加されている点が異なっている。
圧電素子SNは、図1に示すようにトーションバー12aに貼付されてミラー部11の変位角を検出する変位角検出センサとして機能する。
検出回路46は、圧電素子SNからの出力信号を増幅するとともにノイズ除去を行う。
以上のような構成の駆動回路5Cでは、検出回路46から出力される出力信号Vnの位相に関して、圧電素子30の端子Paで生じる発振電圧Vaに対して(−180)度の反転された位相差を確保できる。これは、発振電圧Vaに対して、インダクタ482を流れる電流(ミラー部11の角速度に対応)Imで(−90)度の位相差が生じるとともに、その電流Imを積分した電荷量(ミラー部11の変位角に対応)で(−90)度の位相差が更に生じて、合計(−180)度の位相差となるためである。
このような検出回路46の出力信号Vnを用いることにより、図6(c)に示すようなミラー部11の共振周波数付近の振動に関する位相の変化が確実に得られるため、検出回路46の出力信号Vnを反転アンプ40に入力して必要な量を反転増幅すれば、反転アンプ40での出力が正帰還となって発振動作に寄与することとなる。
以上のような駆動回路5Cの動作により、第1実施形態と同様に、光スキャナ1に関する機械共振の共振周波数域において発振周波数の調整を適切に行えることとなる。
また、上述した第1実施形態や第2実施形態の駆動回路5A、5Bでは、圧電素子31〜34およびミラー部11の設計によっては、インダクタンス性(L性)を示す周波数範囲Ra(図6(a))において圧電素子30のインピーダンスの位相の回転が不足し、反転アンプ40等の発振動作に関する周辺回路の特性と適合しなくなって持続発振が困難な状況になる可能性がある。これに対して、本実施形態の駆動回路5Cでは、上述のようにミラー部11の揺動振動に関する変位角を検出する検出回路46の出力信号Vnを反転アンプ40に入力するため、持続発振を確実に行えることとなる。
なお、駆動回路5Cの検出回路46においては、圧電素子(圧電センサ)SNの出力信号を利用してミラー部11の変位角を検出するのは必須でなく、共振周波数付近におけるミラー部11の振幅および位相に与える影響が十分に小さければ、他の方式のセンサ(例えばPSD(Position Sensitive Detector)やCCDラインセンサ等)を利用してミラー部11の変位角を検出するようにしても良い。
<変形例>
・上記の各実施形態においては、以下で説明する回路構成によって波形歪を低減させるようにしても良い。
図13に示すように、コンデンサ52に対して並列接続する可変容量素子のトリマー55を用いて発振周波数の調整(粗調整)を行えば、コンデンサ51が接続される上記の置換期間を短縮できる。これにより、発振電圧Vaにおける波形歪の低減が図れることとなる。
また、図14に示すように、コンデンサ52に対して並列接続する複数のコンデンサ56a、56bをスイッチ57a、57bで選択的に接続して発振周波数の調整(粗調整)を行えば、コンデンサ51が接続される上記の置換期間を短縮できる。これにより、発振電圧Vaにおける波形歪の低減が図れることとなる。
・上記の各実施形態における発振周波数切替用のコンデンサおよびスイッチについては、発振周波数の切替えが可能で持続発振できるものであれば、図4等に示す構成でなくても良い。例えば図15に示すように発振周波数切替用のコンデンサ51をコンデンサ52と直列に接続する回路構成を採用しても良い。このような構成においても、スイッチ54をオンにすることで発振周波数が切替わることとなる。なお、図15の抵抗58は、コンデンサ51の放電電流制限用の抵抗である。
・上記の各実施形態においては、コンパレータで参照する発振電圧として圧電素子30の一端Paの電圧Vaを採用するのは必須でなく、波形歪および時間遅れの小さい発振電圧が得られるノードであれば、駆動回路のどのノードを採用しても良い。例えば、圧電素子30の一端Paの発振電圧Vaをバッファ回路を介してコンパレ−タで参照すれば、コンパレータの入力インピーダンスの影響を受けない発振電圧が得られることとなる。また、第3実施形態の駆動回路3Cにおいては、検出回路46(図12)からの出力電圧Vnをコンパレータ44で参照するようにしても良い。
・上記の各実施形態におけるコンパレータでは、発振電圧を参照するのは必須でなく、発振電流を参照するようにしても良い。
・上記の各実施形態における駆動回路については、コルピッツ型の発振回路を採用するのは必須でなく、LC回路やRC回路として構成される調和発振回路を採用するようにしても良い。
・上記の各実施形態における駆動回路については、共振回路SCに対するコンデンサの接続によって発振周波数の切替えを行うのは必須でなく、インダクタや抵抗の接続によって発振周波数の切替えを行うようにしても良い。すなわち、上記の各実施形態においては、インダクタやコンデンサ、抵抗などの受動素子(インピーダンス要素)の接続・非接続によって、発振周波数の調整(可変制御)が可能となる。
・上記の各実施形態における光スキャナでは、ミラー部11を揺動変位させるアクチュエータとして圧電素子を使用するのは必須でなく、VCM等の電磁アクチュエータや、静電型振動子等の静電アクチュエータ、高分子樹脂(ポリマー)を用いたアクチュエータを使用しても良い。なお、アクチュエータとして高分子樹脂を使用する場合には、曲がり梁21〜24、フレーム部10、ミラー部11および2つのトーションバー12a、12bを高分子樹脂で一体的に形成することが可能である。
・本発明については、光スキャナを駆動するための駆動回路だけでなく、一般のVCO(電圧制御発振回路)やVCXO(電圧制御水晶発振回路)への適用も可能である。
光スキャナ1の要部構成を示す平面図である。 図1のII−II位置から見た断面図である。 ミラー部11の揺動振動動作を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る駆動回路5Aの要部構成を示す図である。 ミラー部11の揺動振動に関連した各機械要素を電気素子に等価変換した等価回路30cを示す図である。 等価回路30cに関する周波数特性を説明するための図である。 駆動回路5Aにおける発振周波数の可変動作を説明するための図である。 制御電圧Vcに対する発振周波数fomの特性を示す図である。 駆動回路5Aにおける発振周波数の可変動作を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る駆動回路5Bの要部構成を示す図である。 駆動回路5Bにおける発振周波数の可変動作を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る駆動装置5Cの要部構成を示す図である。 本発明の変形例に係る回路構成を説明するための図である。 本発明の変形例に係る回路構成を説明するための図である。 本発明の変形例に係る回路構成を説明するための図である。 従来技術に係る発振回路9の要部構成を示す図である。 発振回路9における外部同期について説明するための図である。
符号の説明
1 光スキャナ
5A〜5C 駆動回路
11 ミラー部
12 トーションバー部
12a、12b トーションバー
21〜24 曲がり梁
30 圧電素子31〜34を合成結合した圧電素子
30c 等価回路
31〜34 圧電素子
40、98 反転アンプ
41、97 負帰還抵抗
44、44a、44b コンパレータ
45 インバータ
46 検出回路
51〜53、51a、51b、56a、56b、92、93 コンデンサ
54、54a、54b、57a、57b スイッチ
55 トリマー
91 可変容量ダイオード
100A〜100C 光スキャナシステム
482 インダクタ
Im インダクタ482に流れる電流
SC 共振回路
Va 発振電圧
Vc 制御電圧

Claims (9)

  1. 発振信号を生成する調和発振装置であって、
    (a)第1の発振周波数で発振する発振回路と、
    (b)前記発振回路に接続可能な所定の受動素子と、
    (c)前記発振回路に前記所定の受動素子を接続させた接続状態と、非接続状態との切替えを行う切替手段と、
    (d)前記発振信号に係る1周期の間に、前記切替手段により前記接続状態と前記非接続状態との切替えを行わせる切替制御手段と、
    を備え、
    前記所定の受動素子が接続された接続状態の発振回路は、前記第1の発振周波数と異なる第2の発振周波数で発振することを特徴とする調和発振装置。
  2. 請求項1に記載の調和発振装置において、
    前記切替制御手段は、
    前記発振信号に係る信号レベルが所定のレベルとなる切替タイミングで、前記切替手段により前記接続状態と前記非接続状態との切替えを行わせる手段、
    を有することを特徴とする調和発振装置。
  3. 請求項2に記載の調和発振装置において、
    前記切替タイミングに関する特定の切替タイミングから次の切替タイミングまでの期間は、前記発振信号の信号波形について上に凸な期間および/または下に凸な期間に含まれる期間であることを特徴とする調和発振装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の調和発振装置において、
    前記発振回路には、圧電素子を含んで構成される正帰還ループが設けられていることを特徴とする調和発振装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の調和発振装置において、
    前記発振回路には、光スキャナの光走査部を駆動するアクチュエータを含んで構成される正帰還ループが設けられていることを特徴とする調和発振装置。
  6. 請求項5に記載の調和発振装置において、
    前記アクチュエータは、圧電アクチュエータであることを特徴とする調和発振装置。
  7. 請求項5に記載の調和発振装置において、
    前記アクチュエータは、電磁アクチュエータであることを特徴とする調和発振装置。
  8. 請求項5に記載の調和発振装置において、
    前記アクチュエータは、静電アクチュエータであることを特徴とする調和発振装置。
  9. 請求項5に記載の調和発振装置において、
    前記アクチュエータは、高分子樹脂を用いたアクチュエータであることを特徴とする調和発振装置。
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