JP2008175517A - 焼成体用冷却機、焼成炉、セラミック焼成体の冷却方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

焼成体用冷却機、焼成炉、セラミック焼成体の冷却方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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宏次 栗林
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Abstract

【課題】セラミック焼成体を効率的に冷却することができるセラミック焼成体の冷却方法を提供する。
【解決手段】セラミック焼成体36を収容した焼成用治具33を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材を備えた冷却装置30を用いて冷却するセラミック焼成体の冷却方法であって、上記冷却装置は、複数の送風機32を備え、上記搬送部材上に載置された焼成用治具内の上記セラミック焼成体を上記送風機により冷却することを特徴とするセラミック焼成体の冷却方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼成体用冷却機、焼成炉、セラミック焼成体の冷却方法、及び、ハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
従来、このようなハニカム構造体を製造する際には、例えば、まず、セラミック粉末とバインダと分散媒液等とを混合して湿潤混合物を調製する。そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押し出された成形体を所定の長さに切断することにより、角柱形状のハニカム成形体を作製する。
次に、得られたハニカム成形体を乾燥させ、その後、所定のセルに目封じを施し、セルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態とする。
目封じをされたハニカム成形体を脱脂炉に投入して、脱脂処理を行う。
次いで、脱脂処理を施したハニカム成形体を焼成炉に投入して焼成処理を施し、その後、冷却してハニカム焼成体を作製する。
この後、ハニカム焼成体の側面にシール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士を接着させることにより、シール材層(接着剤層)を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してハニカムブロックを形成し、最後に、ハニカムブロックの外周にシール材ペーストを塗布してシール材層(コート層)を形成することにより、ハニカム構造体の製造を終了する。
なお、本明細書において、ハニカム成形体、ハニカム焼成体及びハニカム構造体のいずれの形態においても、それぞれの外形状をなす面のうち、セルが露出している面を端面といい、端面以外の面を側面という。
ここで、焼成処理を施したハニカム焼成体の冷却は、従来、自然放熱によって行っていることから、必要とする温度に冷却されるまでに長時間を要したり、外気温の影響を受けたりすることが多かった。このため、ハニカム構造体の製造工程の効率を向上させるには、自ずと限界があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、複数の送風機を備えた冷却機を用いることにより、ハニカム焼成体を効率的に冷却することができることを見出し、本発明の焼成体用冷却機、焼成炉、セラミック焼成体の冷却方法、及び、このような冷却機や焼成炉を用いて焼成工程や冷却工程を行う本発明のハニカム構造体の製造方法を完成させた。
すなわち、第1の本発明の焼成体用冷却機は、セラミック焼成体を収容した焼成用治具を搬送する搬送部材と、
上記セラミック焼成体を冷却するための複数の送風機と、
上記焼成用治具内の雰囲気を不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換するための吸引機構を備えることを特徴とする。
第1の本発明の焼成体用冷却機において、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、また、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。さらに、上記焼成体用冷却機は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
第1の本発明の焼成体用冷却機は、焼成炉の内部に、又は、焼成炉の搬出口に隣接して配設されることが望ましい。
第2の本発明の焼成炉は、セラミック成形体を収容した焼成用治具を搬入口から搬出口に向かって搬送する搬送部材と、
上記セラミック成形体を加熱するための加熱部と、
第1の本発明の焼成体用冷却機とからなり、
上記焼成体用冷却機は、上記焼成体用冷却機と上記搬出口との間の距離が上記加熱部と上記搬出口との間の距離より短くなるように配設されていることを特徴とする。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法は、セラミック焼成体を収容した焼成用治具を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材を備えた冷却装置を用いて冷却するセラミック焼成体の冷却方法であって、
上記冷却装置は、複数の送風機を備え、
上記搬送部材上に載置された焼成用治具内の上記セラミック焼成体を上記送風機により冷却することを特徴とする。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法では、上記セラミック焼成体を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法では、上記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましく、また、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、さらに、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法において、上記冷却装置は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成した後、ハニカム焼成体を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置を用いて冷却する焼成体冷却工程を含むことを特徴とする。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記冷却工程では、上記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましく、また、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、さらに、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記冷却装置は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成炉により焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記焼成炉の内部には、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置が配設されており、
上記焼成炉において、上記ハニカム成形体を上記焼成用治具内で焼成して上記ハニカム焼成体を作製する焼成工程と、上記ハニカム焼成体を冷却する冷却工程とを行うことを特徴とする。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記冷却工程では、上記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましく、また、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、さらに、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記冷却装置は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
第1の本発明の焼成体用冷却機では、焼成工程を経て温度が上昇したセラミック焼成体を、外気温の影響を受けずに、短時間で冷却することができる。
また、焼成用治具内に収容したままセラミック焼成体を冷却することによって、セラミック焼成体に対して送風機からの冷却風を直接当てることなく間接的に冷却することができる。従って、従来の方法と比べて短い時間でセラミック焼成体を冷却することができるにも関わらず、セラミック焼成体の冷却の際に、熱衝撃等によりクラック等が発生するのを防止することができる。
第2の本発明の焼成炉は、上述した本発明の冷却機を備えているため、セラミック成形体を焼成することができることは勿論のこと、得られたセラミック焼成体を効率的に短時間で冷却することができる。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法では、焼成工程を経て温度が上昇したセラミック焼成体を所定の冷却機で冷却するので、外気温の影響を受けずに、冷却に要する時間を短縮することができ、セラミック焼成体を効率的に冷却することができる。
また、焼成用治具内に収容したままセラミック焼成体を冷却することによって、セラミック焼成体に対して送風機からの冷却風を直接当てることなく間接的に冷却することができる。従って、従来の方法と比べて短時間でセラミック焼成体を冷却することができるにも関わらず、セラミック焼成体の冷却の際に、熱衝撃等によりクラック等が発生するのを防止することができる。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法では、所定の冷却装置を用いて、ハニカム焼成体を冷却するため、焼成され温度が上昇したハニカム焼成体を短時間で冷却することができ、ハニカム構造体の生産効率を向上させることができる。
また、冷却時には、ハニカム焼成体に対して送風機からの冷却風を直接当てることなく間接的に冷却することができる。従って、従来の方法と比べて短い時間でハニカム焼成体を冷却することができるにも関わらず、ハニカム焼成体の冷却の際に、熱衝撃等によりクラック等が発生するのを防止することができ、ハニカム構造体の品質を確保することができる。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法では、所定の冷却機を備えた焼成炉を用いて焼成工程及び冷却工程を行うため、焼成され温度が上昇したハニカム焼成体を短時間で冷却することができ、ハニカム構造体の生産効率を向上させることができる。
また、上記冷却工程では、ハニカム焼成体に対して送風機からの冷却風を直接当てることなく間接的に冷却することができる。従って、従来の方法と比べて短い時間でハニカム焼成体を冷却することができるにも関わらず、ハニカム焼成体の冷却の際に、熱衝撃等によりクラック等が発生するのを防止することができ、ハニカム構造体の品質を確保することができる。
まず、第1の本発明の焼成体用冷却機、第2の本発明の焼成炉、及び、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法について図面を参照しつつ説明する。
なお、第1〜第3の本発明において冷却の対象とするセラミック焼成体は、セラミック成形体を焼成して得られる焼成体であればよい。セラミック焼成体の例としては、例えば、ハニカム焼成体等が挙げられる。
第1の本発明の焼成体用冷却機は、セラミック焼成体を収容した焼成用治具を搬送する搬送部材と、
上記セラミック焼成体を冷却するための複数の送風機と、
焼成用治具内の雰囲気を不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換するための吸引機構を備えることを特徴とする。
第2の本発明の焼成炉は、セラミック成形体を収容した焼成用治具を搬入口から搬出口に向かって搬送する搬送部材と、
上記セラミック成形体を加熱するための加熱部と、
上記焼成体用冷却機と上記搬出口との間の距離が上記加熱部と上記搬出口との間の距離より短くなるように配設されている第1の本発明の焼成体用冷却機とを備えていることを特徴とする。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法は、セラミック焼成体を収容した焼成用治具を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材を備えた冷却装置を用いて冷却するセラミック焼成体の冷却方法であって、
上記冷却装置は、複数の送風機を備え、
上記搬送部材上に載置された焼成用治具内の上記セラミック焼成体を上記送風機により冷却することを特徴とする。
ここで、第2の本発明の焼成炉は、第1の本発明の焼成体用冷却機を備えている。また、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法は、例えば、第1の本発明の焼成体用冷却機を用いて好適に行うことができる。
従って、以下では、まず、第1の本発明の焼成体用冷却機について説明し、次に、上記焼成体用冷却機を備えた第2の本発明の焼成炉について説明し、その後に、第3の本発明の冷却方法を説明する。
また、ここでは、冷却対象となるセラミック焼成体が図4(a)、(b)に示したようなハニカム焼成体である場合を例に第1〜第3の本発明を説明する。勿論、第1〜第3の本発明で冷却の対象となるセラミック焼成体は、ハニカム焼成体に限定される訳ではなく、種々のセラミック焼成体を冷却対象とすることができる。
図1は、第1の本発明の焼成体用冷却機を模式的に示した透視斜視図である。
図1に示すように、焼成体用冷却機30は、ハニカム焼成体36を収容した焼成用治具33を搬送する搬送部材31と、この搬送部材31に対して両側に配設されたハニカム焼成体36を冷却するための複数の送風機32と、搬送部材31に対して上方に配設された焼成用治具33内の雰囲気を不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換するための吸引機構34とを備えている。また、焼成工程において焼成用治具33に付着した付着物を除去するための除去部材35が、搬送されてきた焼成用治具33を取り囲むような状態で取り付けられている。
搬送部材31としては、焼成用治具33をスムーズに搬送することができれば特に限定されず、例えば、ベルトコンベアやチェーンコンベア等のコンベア、ウォーキングビーム式の搬送機等が挙げられる。
焼成体用冷却機30では、焼成炉から搬出された焼成用治具33内のハニカム焼成体36が、焼成用治具33に収容されたまま搬入口から搬送部材31により搬送され、搬送部材31に対して両側に備え付けられた複数の送風機32よって冷却され、その後、搬出口から搬出されることとなる。このとき、ハニカム焼成体36は焼成用治具33内に載置されたままであり、ハニカム焼成体36には送風機32からの冷却風が直接当たらない。このように、ハニカム焼成体36の局所的な冷却は行われないので、ハニカム焼成体36に対する熱衝撃等を抑制することができ、ハニカム焼成体36にクラック等が発生するのを防止することができる。
なお、説明の都合上、図1に示す焼成用治具33においては、ハニカム焼成体36が露出するように図示されているが、通常、焼成用治具33の最上部には天板が載せられており、ハニカム焼成体36は、露出していない状態で焼成用治具33に収容されている。
また、焼成体用冷却機30内は、吸引機構34によって陰圧(減圧)になっているのに加えて、後述するように空気雰囲気であるので、ハニカム焼成体36が冷却されるとともに、焼成用治具33内の雰囲気が不活性ガス雰囲気である場合には、この不活性ガス雰囲気を空気雰囲気に置換することができる。
そして、焼成用治具33がブラシ等を有する除去部材35の位置まで搬送されると、除去部材35のブラシ等は往復運動や回転運動等することにより焼成用治具33の表面に付着した付着物を除去する。このように除去部材35によって除去された付着物は、除去部材35より搬出口に近い側に取り付けられた吸引機構34によって吸引され、不活性ガスとともに焼成体用冷却機30の外部で収集される。なお、除去部材35の取り付け位置は、後述するように特に限定されるものではない。
その後、付着物が除去された焼成用治具33は、搬出口から搬出されて次工程へ移送される。このときのハニカム焼成体36は、処理を施したり検査したりすることができる温度にまで冷却されているので、待機工程を経ることなく次工程に直接送ることができ、これにより作業効率を向上させることができる。
なお、焼成用治具33は、ハニカム成形体(セラミック成形体)を焼成する際に使用する焼成用治具であり、多段に積み重ねて使用することができるセラミック製の焼成用治具である。焼成用治具33には、積み重ねた際に焼成用治具33で囲まれた空間と外部との通気のために、一部において通気部を備えている。従って、焼成工程から冷却工程では、ハニカム成形体(セラミック成形体)を収容した焼成用治具33を多段に積み重ねて焼成処理を施し、得られたハニカム焼成体36を焼成体用冷却機30にて冷却することができる。
送風機32は、焼成用治具33内において雰囲気ガスの対流を起こすことができれば、その構成は特に限定されず、羽根を高速で回転させて送風する構成でもよく、雰囲気ガスに圧力をかけて送風する構成でもよい。また、送風機32は、焼成体用冷却機30の内部の温度と同じ温度の冷却風を送風してもよく、異なる温度の冷却風を送風してもよい。送風機32から送風される冷却風の温度は、ハニカム焼成体36の性質や作業効率等を考慮して適宜変更することができる。
また、吸引機構34は、少なくとも焼成体用冷却機30を作動させてハニカム焼成体36を冷却している間は作動しており、ハニカム焼成体により暖められた空気を連続的又は定期的に吸引している。そのため、ハニカム焼成体を迅速に冷却することができる。
また、吸引機構34を作動させることにより、焼成用治具33内の雰囲気を空気雰囲気に置換することができる。
通常、焼成炉内の雰囲気は、ハニカム成形体(セラミック成形体)の焼成の際に所望でない反応を抑制するために不活性ガス雰囲気に置換されており、この焼成炉内の雰囲気の置換とともに焼成用治具33内も当然不活性ガス雰囲気で置換されている。そして、焼成用治具33内が冷却時において、不活性ガス雰囲気にある場合には、吸引機構34を作動させることにより、焼成用治具33内の不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換することができるのである。
また、焼成体用冷却機30は、清浄な空気を外部から取り入れるための空気取り入れ口(図示せず)を備えており、連続的に清浄な空気(例えば、フィルタを通した空気)を取り込むことができる。従って、焼成体用冷却機30内は空気雰囲気となっている。
第1の本発明の焼成体用冷却機において、複数の送風機は、搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましい。
図1に示すように、搬送部材31に対して両側に複数の送風機32が配設されていると、焼成用治具33に対して一様に冷却風を当てることができるので、焼成用治具33を偏りなく冷却することができ、焼成用治具33内に収容されたハニカム焼成体36も一様に冷却することができる。
この場合、搬送部材31の一方の側と他方の側における送風機32の数は、ハニカム焼成体36を均一に冷却することができる限り、同じでもよく、異なっていてもよい。
また、送風機32の配設間隔は、等しくてもよく、異なっていてもよいが、焼成用治具33(ハニカム焼成体36)を一様に冷却するとの観点から等しい方が望ましい。
一方の側の送風機と他方の側の送風機との相対的な位置は、ハニカム焼成体36を一様に冷却することができる限り、正面同士で対向して配置されていてもよく、交互に配置されていてもよい。冷却効率を考慮すると、交互に配置されていることが望ましい。
第1の本発明の焼成体用冷却機では、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
除去部材35により除去された付着物や塵等が送風機32から送られてきた空気で巻き上げられた際に、搬送部材31や焼成用治具33に再び付着することなく付着物や塵等を吸引して、外部に排出することができる。
また、複数の送風機が搬送部材に対して両側に配設されている場合、送風機から送られてきた空気は焼成用治具を冷却する際に熱を奪うことによって温められ上方に向かう。上記吸引機構が搬送部材に対して上方に配設されていると、温められて上方に向かう空気を効率的に吸引することができ、従って、不活性ガス、付着物、塵等をより効率的に吸引することができるのである。このように、吸引機構34は、集塵機構としても機能することができる。
吸引機構34の吸引圧や形状等のスペックは、雰囲気ガスを置換するために要求される換気能力や配設スペース等を考慮して、適宜変更することができる。吸引機構34の形状としては、図1に示すように、焼成体用冷却機30の上面の一部のみに吸引口が設けられた形状でもよく、上面全体が吸引口の役割を果たし、その後徐々に吸引口の径が細くなるフランジ形状でもよい。
第1の本発明の焼成体用冷却機は、図1に示した焼成体用冷却機30のように、焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
焼成工程で付着する付着物を焼成用治具に付着させたまま、その焼成用治具を新たに焼成工程で使用すると、付着物の蒸発等によってハニカム焼成体(セラミック焼成体)に悪影響を及ぼすことがあるが、除去部材35を備えていると、焼成用治具33に付着した付着物を除去することが可能となり、次回の焼成処理に焼成用治具33を使用したときでもハニカム成形体(セラミック成形体)の焼成に悪影響を及ぼすことがなく、付着物の除去処理を別途行うことなく繰り返し焼成用治具33を使用することができる。従って、度重なるメンテナンスを必要とすることなく、繰り返し焼成体用治具を使用することができる。
なお、除去部材35の数は、焼成体用冷却機30のスペースが許す限り特に限定されず、必要に応じて配設すればよい。
上記除去部材としては、焼成用治具に付着した付着物を除去することができるものであれば特に限定されず、図1に示したようなブラシであってもよいし、カーテン状のものであってもよい。また、上記除去部材は、図1に示したように焼成用治具の上面及び側面に接触するものであることが望ましいが、焼成用治具の上面のみや側面のみに接触するものであってもよい。
上記除去部材の材質としては、例えば、樹脂、布、革等が挙げられる。
また、上記除去部材は、図1に示したように固定されたものであってもよいが、例えば、振動、往復運動、回転運動等の態様で駆動して付着物を除去するものであってもよい。
除去部材35の配設位置は、特に限定されず、吸引機構34より搬入口に近い側であってもよく、反対に、吸引機構34より搬出口に近い側であってもよい。さらに、吸引機構34の直下に設けてもよい。いずれの場合でも除去部材35により付着物を効率的に除去することができる。
上記除去部材は、吸引機構の近傍に備え付けられていることが望ましい。除去部材によって除去された付着物を飛散させることなく吸引することができるので、上記焼成体用冷却機内をクリーンな状態に保つのに特に適しているからである。
第1の本発明の焼成体用冷却機は、焼成炉の搬出口に隣接して配設されていることが望ましい。焼成体用冷却機が、焼成炉の搬出口に隣接して配設されているとハニカム焼成体(セラミック焼成体)を効率よく冷却することができる。
図2(a)は、第1の本発明の焼成体用冷却機が焼成炉の搬出口に隣接して配設された態様を示す断面図である。
図2(a)に示す態様では、焼成体用冷却機30が焼成炉10の搬出口10bに隣接して配設されている。ここで、焼成炉10は、省略して記載しているものの連続炉であり、搬入口10aから搬入されたハニカム成形体は、炉内で焼成された後、ハニカム焼成体として搬出口10bから搬出される。そして、搬出口10bから搬出されたハニカム焼成体は、続いて、焼成体用冷却機30に搬入され、既に説明したように送風機32により冷却される。
また、図2(a)に示した態様では、焼成体用冷却機30内をハニカム焼成体を搬送させるための搬送部材及び焼成炉10内をハニカム成形体を搬送されるための搬送部材として、連続した1つの搬送部材31を使用しているが、ここで、搬送部材は必ずしも連続した1の搬送部材である必要はなく、焼成炉内と焼成体用冷却機内とは、それぞれ別の搬送部材で搬送され、焼成炉内から搬出された後、焼成体用冷却機内に搬入する前に焼成用治具33を積み替えるように構成されていてもよい。
また、上記の焼成体用冷却機を隣接するように配設する焼成炉は、図2(a)に示したような連続炉に限定されず、バッチ炉であってもよい。
また、第1の本発明の焼成体用冷却機は、焼成炉の内部に配設されていることも望ましい。
図2(b)は、第1の本発明の焼成体用冷却機が焼成炉の内部に配設された焼成炉を示す断面図である。
焼成体用冷却機が、焼成炉の内部に配設されていると、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)を効率よく冷却することができる。
加えて、焼成体用冷却機が吸引機構を備える場合には、不活性ガス雰囲気を空気雰囲気に置換することが可能であることから、従来型の焼成炉における冷却部及び脱気部の両方の機能を焼成体用冷却機が有することになり、焼成炉の省スペース化も含めた効率化を図ることができる。
図2(b)に示すように、この焼成炉20の内部には、搬入口20aから搬出口20bにかけて、順次、脱気部21、予熱部22、加熱部23、徐冷部24、及び、焼成体用冷却機40が設けられている。
ここで、焼成体用冷却機40の構成は、上述したとおりであるのでその説明は簡略にする。
加熱部23は、筒状のマッフル11が、成形体を内部に収容した焼成用治具33が通過することができる空間を確保するように形成されている。そして、マッフル11の上方及び下方に、ヒータ12が所定間隔で配設されており、マッフル11とヒータ12とを取り囲むように断熱層13が設けられている。また、断熱層13の外側には、断熱層13を取り付けるための断熱層取付部材16が配設されており、断熱層取付部材16の外側、すなわち、焼成炉20の最外周に冷却用炉材(水冷ジャケット)14が設けられている。
焼成炉20の内部(予熱部22、加熱部23及び徐冷部24の内部)の雰囲気は、外部から導入される不活性ガス17によって不活性ガス雰囲気に置換されており、冷却用炉材14によって周囲の雰囲気と隔離されている。また、冷却用炉材14の内部には水等の冷却用流体が流されており、これにより冷却用炉材14は所定の温度に保たれている。
なお、焼成炉20の内部の雰囲気は、セラミック成形体の種類に応じて、所定の雰囲気とすればよい。
また、焼成炉20において、ヒータ12は、マッフル11の上方及び下方に配設されているが、ヒータの配設位置はこれに限らず、ヒータ12はマッフル11の外周部分であれば、どこに配設されていてもよい。マッフル11は、図示しない支持部材により床部分の全体が支持されており、ハニカム成形体(セラミック成形体)を内部に収容した焼成用治具33が通行することができる。マッフル11は、脱気部21及び焼成体用冷却機40を除いた焼成炉20の全域に設けられている。
ここで、ヒータ12はグラファイト等からなる発熱体であり、このヒータ12は、端子18を介して外部の電源(図示せず)と接続されている。ヒータ12は加熱部23に配設されており、さらに、必要に応じて予熱部22にも配設されている。
予熱部22、加熱部23、徐冷部24には、加熱部23において発生する熱や加熱部23から伝播する熱を遮断する断熱層13が設置されている。加熱部23では、断熱層13はヒータ12を取り囲むように設けられており、この断熱層13は、すぐ外側に設置した断熱層取付部材16に取り付けられ、固定されている。そして、一番外側には、脱気部21を除いた全域にわたって冷却用炉材14が設けられている。
脱気部21は、搬入される焼成用治具43の内部や周囲の雰囲気を焼成するための不活性ガス雰囲気に変えるために設けられている。脱気部21における雰囲気置換の手順としては、焼成用治具33を支持台に載置して搬入した後、一旦、脱気部21を真空にし、続いて不活性ガスを導入することにより、焼成用治具43の内部や周囲の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする。
脱気部21において焼成用治具43内の雰囲気を置換した後、予熱部22では、必要に応じて設置したヒータを使用したり、加熱部の熱を利用したりしてハニカム成形体(セラミック成形体)を収容した焼成用治具33の温度を徐々に上昇させる。
次いで、搬送手段19により加熱部23に焼成用治具33を搬送し、加熱部23においてハニカム成形体の焼成を行う。ハニカム成形体の焼成が終了すると、徐冷部24では、焼成後の焼成用治具43を徐々に冷却する。
そして、焼成炉20の内部に設けられた焼成体用冷却機40に焼成用治具43を搬送し、焼成体用冷却機40に設けられた複数の送風機32により焼成用治具43の温度を所定の温度まで低下させる。
焼成体用冷却機40では、焼成用治具43を所定の温度まで冷却しつつ、必要に応じて設けられた除去部材35で焼成用治具43に付着した付着物を除去し、さらに、搬送手段又は搬送部材に対して上方に設けられた吸引機構(図示せず)を用いて焼成用治具43内の雰囲気を不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換し、焼成用治具43を搬出口20bから搬出することで焼成工程が完了する。
ここで、焼成体用冷却機40は、焼成炉20において、焼成体用冷却機40と搬出口20bとの間の距離が、加熱部23と搬出口20bとの間の距離より短くなるように配設されている。焼成炉20において、焼成体用冷却機40は、搬送手段19の搬送方向でみると、少なくとも加熱部23より後方に配設されていればよい。
このように、焼成炉20の内部に、焼成体用冷却機40を配設しても、焼成体用冷却機40には雰囲気置換用の吸引機構が備え付けられているので、焼成炉20に別途脱気部等を設けることなく焼成用治具43において空気雰囲気に置換することができる。
また、焼成体用冷却機40が、焼成炉20の内部に配設されている場合は、焼成体用冷却機40を構成する搬送部材31(図1参照)の代わりに、焼成炉20を構成する搬送手段19を焼成体用冷却機40内まで延長して焼成用治具33を搬送してもよく、搬送部材31と搬送手段19とを組み合わせて搬送してもよい。
以上、第1の本発明の焼成体用冷却機が、焼成炉の内部に配設されている態様を詳細に説明したが、このような、焼成体用冷却機が内部に配設された焼成炉自体もまた、本発明の1つ(第二の本発明の焼成炉)である。
このような第二の本発明の焼成炉では、焼成工程と冷却工程との間に別途ハニカム焼成体(セラミック焼成体)の移動工程を設けることないので、上記両工程を連続して行うことができ、焼成工程及び冷却工程を含む工程全体の効率化を図ることができる。
次に、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法について説明する。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法では、複数の送風機を備えた冷却装置によって、焼成用治具内に収容したセラミック焼成体を冷却する。
第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法で用いる冷却装置は、搬送部材と、複数の送風機とを備えていればよく、その構成は特に限定されない。上記搬送部材及び送風機としては、第1の本発明の焼成体用冷却機で使用される搬送部材及び送風機を好適に使用することができる。
このような構成を有する冷却装置としては、具体的には、図1を参照して説明した第1の本発明の焼成体用冷却機において、吸引機構を取り付けていない構成を挙げることができる。勿論、第3の本発明の冷却方法で使用する冷却装置は、吸引機構を備えていてもよい。
上記冷却装置の構成としては、焼成体用冷却機の説明で詳細に記載しているので、ここでは省略し、本発明の冷却方法に係る冷却条件等を中心に説明する。
第3の本発明の冷却方法では、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
焼成処理されて徐冷部を経たハニカム焼成体(セラミック焼成体)の温度は、約280〜300℃であり、この温度から所定の冷却条件で冷却する。ハニカム焼成体(セラミック焼成体)を20℃まで冷却するのに30分間より短い時間で冷却すると、冷却の際に生じる熱衝撃にハニカム焼成体(セラミック焼成体)が耐えきれず、クラック等の破損が生じるおそれがあり、一方、80℃まで冷却するのに120分間を超えた時間で冷却しても、冷却効率の向上という観点からは効率的でないと考えられる。上記冷却条件を採用することにより、クラック等の発生を防止しつつ、かつ、効率的にハニカム焼成体(セラミック焼成体)を冷却することができる。
第3の本発明において、冷却装置に設けられた送風機からの風量は、冷却対象であるハニカム焼成体(セラミック焼成体)の数や焼成用治具の形状等に応じて適宜変更すればよく、例えば、10000〜40000m/h程度の風量範囲を採用することができる。これにより、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)のクラック等の発生を防止しながら効率的な冷却を行うことができる。
第3の本発明では、冷却装置内の温度は、15〜30℃になるようにすることが望ましい。これにより、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)のクラック等の発生を防止しながら効率的な冷却を行うことができる。
また、第3の本発明で使用する冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましい。この吸引機構を備えた冷却装置として、すでに説明した第1の本発明の焼成体用冷却機を好適に採用することができる。
複数の送風機は、搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、さらに、焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。これらの理由は第1の本発明の焼成体用冷却機で説明した理由と同様である。
上記吸引機構によるの吸引時の吸引速度は、特に限定されないが、例えば、吸引機構が、60×60cmの柱状の配管からなる場合、この配管内において5〜10m/sであることが望ましい。吸引速度が上記範囲であると、焼成用治具内の雰囲気を効率よく置換することができ、また、置換された不活性ガスや付着物を有効に吸引することができる。
上記焼成用治具としては第1の本発明の焼成体用冷却機で使用される焼成用治具を好適に使用することができる。焼成用治具の積み重ねの段数としては、特に限定されず、1段でもよく、多段に積み重ねてもよい。特に、5〜15段に積み重ねると、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)の冷却が不充分となるのを防止しつつ、多段に積み重ねることで処理効率を向上させることができる。
なお、一の上記焼成用治具に収容するハニカム焼成体(セラミック焼成体)の数は、特に限定されず、冷却効率を考慮すると7〜20個であることが望ましい。
このように、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法では、ハニカム焼成体(セラミック焼成体)におけるクラック等の発生を防止しつつ、効率的に冷却することができる。
次に、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成した後、ハニカム焼成体を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置を用いて冷却する焼成体冷却工程を含むことを特徴とする。
なお、本明細書において、「柱状」には、円柱状や楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状を含むものとする。
以下、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法について、工程順に説明する。
ここでは、構成材料の主成分が炭化ケイ素のハニカム構造体を製造する場合を例に、セラミック原料である炭化ケイ素粉末を使用した場合のハニカム構造体の製造方法について説明する。
図3は、本発明に係るハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(a)は、本発明に係るハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。
ハニカム構造体130では、図4に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されてハニカムブロック133を構成し、さらに、このハニカムブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図4に示すように、長手方向に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図4(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封口材層142により目封じされ、一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
勿論、ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末等の無機粉末と有機バインダとを乾式混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する必要があるが、無機粉末の粒径を調節することにより、気孔径を調節することができる。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記バインダの配合量は、通常、無機粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、混合原料粉末に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、上記分散媒液としては、例えば、水、メタノール等のアルコール、ベンゼン等の有機溶媒等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、ここで調製した、炭化ケイ素粉末を用いた湿潤混合物は、その温度が28℃以下であることが望ましい。温度が高すぎると、有機バインダがゲル化してしまうことがあるからである。
また、上記湿潤混合物中の有機分の割合は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8.0〜20.0重量%であることが望ましい。
上記湿潤混合物は、調製後搬送され、成形機に投入されることとなる。
上記搬送装置で搬送された湿潤混合物を押出成形機に投入した後は、押出成形により所定の形状のハニカム成形体とする。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、乾燥させたハニカム成形体とする。
ここで、切断装置を用いて作製したハニカム成形体の両端を切断する切断工程を行い、ハニカム成形体を所定の長さに切断する。
次いで、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。このセルの目封じの際には、ハニカム成形体の端面(すなわち切断工程後の切断面)に目封じ用のマスクを当てて、目封じの必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
上記封止材ペーストの充填は、必要に応じて行えばよく、上記封止材ペーストを充填した場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体をハニカムフィルタとして好適に使用することができ、上記封止材ペーストを充填しなかった場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体を触媒担持体として好適に使用することができる。
次に、上記封止材ペーストが充填されたハニカム成形体を脱脂するために、ハニカム成形体を脱脂炉投入装置により脱脂炉に搬送する。
上記脱脂炉投入装置によりハニカム成形体を脱脂炉に投入し、所定の条件で脱脂(例えば、200〜500℃)する。
次いで、脱脂処理を施したハニカム成形体を焼成用治具内で焼成し、得られたハニカム焼成体を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置を用いて冷却することにより、全体が一の焼成体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、かつ、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体(図4(a)参照)を製造することができる。
上記ハニカム成形体の焼成工程では、ハニカム成形体を焼成用治具に収容し、そのまま焼成処理を施す。上記焼成用治具としては、第1の本発明の焼成体用冷却機で説明した焼成用治具を好適に使用することができる。
なお、上記ハニカム成形体の焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件(例えば、1400〜2300℃で1〜10時間)を適用することができる。
その後、得られたハニカム焼成体を、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置を用いて冷却する焼成体冷却工程を行う。本焼成体冷却工程における冷却方法としては、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法の説明に記載の冷却方法を好適に採用することができる。
また、上記冷却工程では、上記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
さらに、上記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましく、また、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
また、上記冷却装置は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
第4の本発明のハニカム構造体の製造方法に係る上記焼成体冷却工程において、これらが望ましい理由は、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法の説明に記載しているので、ここでは省略する。
次に、冷却されたハニカム焼成体の側面に、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体の集合体を作製する。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着されたハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のハニカムブロックを作製する。
そして、ハニカムブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層(コート層)を形成することで、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着された円柱形状のハニカムブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体とすることができる。
その後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させる。上記触媒の担持は集合体を作製する前のハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法は、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有する集合型ハニカム構造体であるが、本発明の製造方法により製造するハニカム構造体は、柱形状のハニカムブロックが1つのハニカム焼成体から構成されている一体型ハニカム構造体であってもよい。ここで一体型ハニカム構造体の主な構成材料は、コージェライトやチタン酸アルミニウムであることが望ましい。
このような一体型ハニカム構造体を製造する場合は、まず、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いて、ハニカム成形体を作製する。
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。
次いで、乾燥させたハニカム成形体の両端部を切断する切断工程を行う。
次に、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成を行うことによりハニカムブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。また、上記一体型ハニカム構造体にも、上述した方法で触媒を担持させてもよい。
またここでは、ハニカム構造体として、排ガス中のパティキュレートを捕集する目的でも用いるハニカムフィルタを中心に説明したが、上記ハニカム構造体は、排ガスを浄化する触媒担体(ハニカム触媒)としても好適に使用することができる。
以上、説明した第4の本発明のハニカム構造体の製造方法では、作業効率よくハニカム構造体を製造することができる。
また、上述した方法によりハニカム構造体を製造する場合、自然放熱により行っていたハニカム焼成体の冷却工程を、所定の冷却装置を用いて行うため、一連の作業工程を連続的に行うことができ、さらなる効率化を図ることができる。従って、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法では、その製造工程全体の効率をも向上させることができる。
次に、第5の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成炉により焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記焼成炉の内部には、上記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置が配設されており、
上記焼成炉において、上記ハニカム成形体を上記焼成用治具内で焼成して上記ハニカム焼成体を作製する焼成工程と、上記ハニカム焼成体を冷却する冷却工程とを行うことを特徴とする。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法は、焼成工程及び冷却工程以外の工程は、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様にして行うことができるため、ここでは、焼成工程及び冷却工程を中心に第5の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明することとする。
第5の本発明のハニカム構造体の製造方法では、まず、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様の方法により、必要に応じて、いずれか一方の端部が封止材ペーストで充填されたハニカム成形体を作製し、さらに、上記ハニカム成形体に脱脂処理を施す。
次に、その内部に焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置が配設された焼成炉を用いて、上記ハニカム成形体を上記焼成用治具内で焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、上記ハニカム焼成体を冷却する冷却工程とを行う。具体的には、第2の本発明の焼成炉を用いて、上記焼成工程と上記冷却工程とを好適に行うことができる。
上記焼成工程の条件は、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様に、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件(例えば、1400〜2300℃で1〜10時間)を適用することができる。
また、上記冷却工程では、上記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却することが望ましい。
これらが望ましい理由は、第3の本発明のセラミック焼成体の冷却方法の説明に記載しているので、ここでは省略する。
さらに、第5の本発明では、上記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えていることが望ましく、また、上記複数の送風機は、上記搬送部材に対して両側に配設されていることが望ましく、上記吸引機構は、上記搬送部材に対して上方に配設されていることが望ましい。
また、上記冷却装置は、上記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えていることが望ましい。
このように、ハニカム成形体を焼成し、所定の温度まで冷却したハニカム焼成体を作製した後は、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様にして、ハニカム焼成体の集合体、ハニカムブロックの作製を行い、さらに、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、ハニカム構造体とすることができる。
また、第5の本発明のハニカム構造体の製造方法においても、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。
また、第5の本発明のハニカム構造体の製造方法でも、第4の本発明のハニカム構造体の製造方法と同様、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさを、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きくする以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いて一体型ハニカム構造体を製造することができる。
またここでは、ハニカム構造体として、排ガス中のパティキュレートを捕集する目的でも用いるハニカムフィルタを中心に説明したが、上記ハニカム構造体は、排ガスを浄化する触媒担体(ハニカム触媒)としても好適に使用することができる。
以上、説明した第5の本発明のハニカム構造体の製造方法では、作業効率よくハニカム構造体を製造することができる。
また、上述した方法によりハニカム構造体を製造する場合、焼成工程と冷却工程とを一の焼成炉で行うため、一連の作業工程を連続的に行うことができ、さらなる効率化を図ることができる。従って、第5の本発明のハニカム構造体の製造方法では、その製造工程全体の効率をも向上させることができる。
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
ここでは、ハニカム焼成体を製造する際に、種々の冷却条件でハニカム焼成体を冷却することにより、冷却に要する時間や冷却後のハニカム焼成体の状態の変化を評価した。
(実施例1)
平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末250kgと、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末100kgと、有機バインダ(メチルセルロース)と20kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kgと、可塑剤(グリセリン)5kgと、水65kgとを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
なお、ここで調製した湿潤混合物の水分含有量は、14重量%であった。
次に、搬送装置を用いて、この湿潤混合物を押出成形機に搬送し、押出成形機の原料投入口に投入した。
なお、押出成形機投入直前の湿潤混合物の水分含有量は、13.5重量%であった。
そして、押出成形により、図4(a)、(b)に示した形状の生成形体を作製した。
この生成形体は、そのセルの端部が封止されていない状態である。
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させた後、上記湿潤混合物と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。この封止材ペーストを充填したハニカム成形体を、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、乾燥後のハニカム成形体を脱脂炉に投入した。脱脂炉に投入されたハニカム成形体を400℃で脱脂した。
その後、図2(b)に示す第2の本発明の焼成炉20(連続焼成炉)を使用し、脱脂したハニカム成形体を焼成する焼成工程、及び、得られるハニカム焼成体を冷却する冷却工程を行った。
具体的には、焼成用治具にハニカム成形体を載置した状態で、連続焼成炉に投入して、不活性ガスとして常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、焼成工程を行った。
続いて、図1に示した構成を有する焼成体用冷却機30を連続焼成炉の搬出口に隣接するように設置し、表1に示す条件でハニカム焼成体を冷却する冷却工程を行った。
冷却工程を経たハニカム焼成体は、気孔率が40%、平均気孔径が12.5μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm、セル壁の厚さが0.20mmの炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体であった。
(実施例2〜5)
冷却工程における冷却条件を表1の値に設定した以外は、実施例1と同様にハニカム焼成体を作製した。
(参考例1、2)
冷却工程における冷却条件を表1の値に設定して急冷した以外は、実施例1と同様にハニカム焼成体を作製した。
(比較例1)
焼成体用冷却機による冷却工程を設けずに、自然放熱で冷却した以外は、実施例1と同様にハニカム焼成体を作製した。
(ハニカム焼成体の状態の観察)
破壊試験
JIS R 1601に参考にして、インストロン5582を用い、上面スパン間距離:20mm、下面スパン間距離:133mm、スピード10mm/min、荷重2940N(300kgf)で4点曲げ試験を行い、ハニカム焼成体が破壊されるか否かを観察した。なお、試験片の数は10個とした。
その結果を表1に示した。
なお、この荷重は正常なハニカム焼成体は破壊されずにクラック等の欠陥があるハニカム焼成体は破壊される値(経験値)である。
Figure 2008175517
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜5における冷却条件では、40〜100分間で、30〜40℃までハニカム焼成体を冷却することができ、さらに、冷却したハニカム焼成体は、破壊試験において破壊されることがなく、効率的に冷却することができた。
一方、比較例1におけるハニカム焼成体では、冷却後のハニカム焼成体の状態は、破壊試験において破壊されることもなく、良好であるものの、実施例1と同様の温度まで冷却するのに150min要し、実施例と比較して大幅に長い冷却時間が必要であった。
また、参考例1、2では、25〜30分間という短い時間で、30〜40℃までハニカム焼成体を冷却することができたものの、一部のハニカム焼成体は、破壊試験時に破損してしまった。これは、急冷による熱衝撃の影響によるものと考えられる。
図1は、第1の本発明の焼成体用冷却機を模式的に示した透視斜視図である。 図2(a)は、第1の本発明の焼成体用冷却機が焼成炉の搬出口に隣接して配設された態様を示す断面図である。図2(b)は、第1の本発明の焼成体用冷却機が焼成炉の内部に配設された焼成炉を示す断面図である。 図3は、本発明に係るハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図4(a)は、本発明に係る上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。
符号の説明
10、20 焼成炉
11 マッフル
12 ヒータ
13 断熱層
14 冷却用炉材
16 断熱層取付部材
17 不活性ガス
19 搬送手段
21 脱気部
22 予熱部
23 加熱部
24 徐冷部
30、40 焼成体用冷却機
31 搬送部材
32 送風機
33、43 焼成用治具
34 吸引機構
35 除去部材
36 ハニカム焼成体

Claims (24)

  1. セラミック焼成体を収容した焼成用治具を搬送する搬送部材と、
    前記セラミック焼成体を冷却するための複数の送風機と、
    前記焼成用治具内の雰囲気を不活性ガス雰囲気から空気雰囲気に置換するための吸引機構とを備えることを特徴とする焼成体用冷却機。
  2. 前記複数の送風機は、前記搬送部材に対して両側に配設されている請求項1に記載の焼成体用冷却機。
  3. 前記吸引機構は、前記搬送部材に対して上方に配設されている請求項1又は2に記載の焼成体用冷却機。
  4. 前記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えている請求項1〜3のいずれかに記載の焼成体用冷却機。
  5. 焼成炉の内部に、又は、焼成炉の搬出口に隣接して配設される請求項1〜4のいずれかに記載の焼成体用冷却機。
  6. セラミック成形体を収容した焼成用治具を搬入口から搬出口に向かって搬送する搬送部材と、
    前記セラミック成形体を加熱するための加熱部と、
    請求項1〜4のいずれかに記載の焼成体用冷却機とからなり、
    前記焼成体用冷却機は、前記焼成体用冷却機と前記搬出口との間の距離が前記加熱部と前記搬出口との間の距離より短くなるように配設されていることを特徴とする焼成炉。
  7. セラミック焼成体を収容した焼成用治具を、前記焼成用治具を搬送する搬送部材を備えた冷却装置を用いて冷却するセラミック焼成体の冷却方法であって、
    前記冷却装置は、複数の送風機を備え、
    前記搬送部材上に載置された焼成用治具内の前記セラミック焼成体を前記送風機により冷却することを特徴とするセラミック焼成体の冷却方法。
  8. 前記セラミック焼成体を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却する請求項7に記載のセラミック焼成体の冷却方法。
  9. 前記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えている請求項7又は8に記載のセラミック焼成体の冷却方法。
  10. 前記複数の送風機は、前記搬送部材に対して両側に配設されている請求項7〜9のいずれかに記載のセラミック焼成体の冷却方法。
  11. 前記吸引機構は、前記搬送部材に対して上方に配設されている請求項9又は10に記載のセラミック焼成体の冷却方法。
  12. 前記冷却装置は、前記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えている請求項9〜11のいずれかに記載のセラミック焼成体の冷却方法。
  13. セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、前記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成した後、ハニカム焼成体を、前記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置を用いて冷却する焼成体冷却工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記冷却工程では、前記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却する請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 前記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えている請求項13又は14に記載のハニカム構造体の製造方法。
  16. 前記複数の送風機は、前記搬送部材に対して両側に配設されている請求項13〜15のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 前記吸引機構は、前記搬送部材に対して上方に配設されている請求項13〜16のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  18. 前記冷却装置は、前記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えている請求項13〜17のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  19. セラミック原料を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、前記ハニカム成形体を焼成用治具内で焼成炉により焼成して、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記焼成炉の内部には、前記焼成用治具を搬送する搬送部材と複数の送風機とを備えた冷却装置が配設されており、
    前記焼成炉において、前記ハニカム成形体を前記焼成用治具内で焼成して前記ハニカム焼成体を作製する焼成工程と、前記ハニカム焼成体を冷却する冷却工程とを行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  20. 前記冷却工程では、前記ハニカム焼成体の温度を、30〜120分間で、20〜80℃に冷却する請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法。
  21. 前記冷却装置は、冷却装置内を吸引するための吸引機構を備えている請求項19又は20に記載のハニカム構造体の製造方法。
  22. 前記複数の送風機は、前記搬送部材に対して両側に配設されている請求項19〜21のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  23. 前記吸引機構は、前記搬送部材に対して上方に配設されている請求項19〜22のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  24. 前記冷却装置は、前記焼成用治具に付着した付着物を除去する除去部材を備えている請求項19〜23のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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