JP2008175099A - 電子計算機のファンユニット構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】活線挿抜可能なファンを直列に配置し、冷却を行う装置の風量の向上と、活線挿抜時の作業者の安全性を同時に実現するファンユニット構造を実現する。
【解決手段】直列に配置した2つの軸流ファン3の、それぞれの吸気側と排気側の片側もしくは両側に、ファン3による旋回速度成分を整流するための六角ハニカム格子11,12を設置する。さらに、ハウジング10と天板13にそれぞれ一体となるよう、整流格子11,12を取り付けることにより、ファンユニットの活線挿抜時に作業者の手指が該ファンユニットの内部に入らないよう、安全性を確保した。
【選択図】図4
【解決手段】直列に配置した2つの軸流ファン3の、それぞれの吸気側と排気側の片側もしくは両側に、ファン3による旋回速度成分を整流するための六角ハニカム格子11,12を設置する。さらに、ハウジング10と天板13にそれぞれ一体となるよう、整流格子11,12を取り付けることにより、ファンユニットの活線挿抜時に作業者の手指が該ファンユニットの内部に入らないよう、安全性を確保した。
【選択図】図4
Description
本発明は、直列に配置した軸流ファンの性能向上と活線挿抜時の安全性を同時に実現するファンユニット構造に関するものである。
現在、サーバ等に代表される電子計算機に搭載される電子デバイスは、動作速度の向上に伴い、発熱量が増大している。このため、装置の冷却が困難となっている。また、ブレードサーバに代表される高密度電子計算機の台頭により、装置全体の圧力損失も増加傾向である。
上記課題の解決のためには、十分な冷却風量を確保する必要があるが、その方法の1つとして、軸流ファンを直列に配置することが挙げられる。本方法は、ファンによる静圧を向上させることにより、高圧力損失の装置に流れる冷却風量を増加させることができる。また、同時に、ファンの障害発生時にも装置に最低限必要な冷却風を流し続けることができるため、常時稼動が想定される高信頼性電子計算機に多く用いられている。
また、ファンの性能向上のために、整流格子を用いる手法も提案されている。公知例としては、特開2005-003256号公報が挙げられる。この方法は、空気清浄機において、シロッコファンの吸気側と排気側に整流格子を設置することにより、気流の乱れを無くし、ファンの性能向上と騒音の低減を行うものである。
軸流ファンを直列に2台配置した場合、理想的にはその最大静圧は2倍となるが、実際には、約1.2〜1.5倍程度の値となる。これは、従来の方法では、上流側のファンの排気風には、ファンの回転により生ずる旋回速度成分が存在するため、下流側のファンが十分な性能を発揮できないためである。この現象は、ファン同士の間隔を広げることで解決することができるが、特に高密度電子計算機では、装置スペース上の問題から、不可能であることが多い。この場合、上流側のファンの排気側に整流格子を設置することにより、解決することができる。
一方、高信頼性システムに設置されるファンは、その障害時においてもシステムを停止することなく保守を実施する必要がある。従来のファンボックス及びファンユニット構造の例を図1、2に示す。なお、図中の矢印は風向きを示す。従来の方法では、ファンユニット1をファンボックス2から抜去する際に、手指がファン3の内部に接触しないように、各ファンユニット1の吸気口4と排気口5に、パンチング板等による保護を行う必要があった。このため、ファン3の吸排気面で圧力損失が発生し、十分な風量と静圧が得られない課題があった。
また、上記理由により、整流格子を設置し、ファンを直列に設置したときの静圧を回復させても、ファンユニットのハウジングの圧力損失が大きいため、全体として、ファンの性能が低下してしまうこととなる。その結果、装置の冷却性能を確保するため、ファンの回転数の増大やファン口径の大型化が必要となるため、装置の大型化や騒音の増大を招いていた。
上記の従来の課題を解決するため、本発明のファンユニットは、直列に配置した軸流ファンの、それぞれの吸気側と排気側の片側もしくは両側に、ファンによる旋回速度成分を整流するための格子を設置する。さらに、活線挿抜時の安全性を確保するため、該ファンと、該ファンのハウジングと該整流格子を一体としたファンユニット構造としたものである。
本発明のファンユニットは、直列に2個配置した軸流ファンの静圧を理想値である2倍に近づけることができる。また、同時にハウジングと一体化した整流格子によって、活線保守時の手指の保護も可能となるため、別途保護のための機構が不要となり、ファンの吸気口及び排気口での圧力損失を低くすることができる。その結果、ファン回転数を低く、ファン口径を小さくすることが可能となり、高圧力損失の装置の冷却を、低騒音で実現できるという利点がある。
直列に2個配置した軸流ファンの静圧を向上させ、かつ手指が活線挿抜時に該ファンの内部に触れないファンユニットを、六角ハニカム構造の整流格子を一体化させたファンボックス内部に該ファンを組み込むことで実現した。
以下に、本発明の一実施例について、図3、4を用いて説明する。図3は、本発明のファンユニットを4個搭載したファンボックスの外観図、図4は、本発明のファンユニットの分解図である。
本ファンボックス9は、ファン障害時に稼動時保守を実施する高性能、高信頼性サーバ装置に適用されるものである。ファンボックス9に実装されるファンユニット4台によって装置全体の冷却を行う。稼動時保守の際は、ファンユニット内部のファン3が稼動中であっても、これを抜去できる設計となっている。
ファンボックス9には、冷却風の流れ方向に対して直列に2台、並列に2台の合計4台のファンユニットが実装される。以下に、ファンユニットの構造について、説明する。
ファンユニットのハウジング10には、ファンボックス9側と勘合するコネクタ15と、ファン障害を認識するLED制御やファン6の回転数を制御する基板14が具備される。また、ファンユニットの挿抜の為のつまみ16を具備する。図2の従来のハウジングの排気部にあったパンチング板は存在せず、円形にくりぬいた形状となっている。ハウジング10の排気部には、排気側整流格子11がはめ込みもしくは溶接によって一体化され、取り付けられる。ファン3の吸気口に配設されるマイラーシート6は、ファンの排気口から吐き出された空気の、吸気口へのサーキュレーションを防止するためのものである。吸気側整流格子12は、前記吸気側整流格子11と同様に、天板13に取り付けられる。なお、ファン3とマイラーシート6は、図2のものと同一のものである。
整流格子11、12は、ファン3の吸気及び排気冷却風の気流の乱れを整流すると同時に、ファンユニットの挿抜時に手指がファン6に触れないようにするためのフィンガーガードを兼ねる。格子形状は、六角ハニカム構造とし、ハニカムのサイズや厚みは、手指が内部に入らない条件の中で、ファンの特性によって自由に設定する。また、整流格子は、必ずしも吸排気の両側に必要ではなく、片側のみに設置しても構わない。ただし、片側のみ整流格子を配置した場合は、その反対側の面には、パンチング板等の手指の保護のための機構が必要となる。
上流側のファンユニット7の吸気側整流格子12で整流された冷却風は、ファン3を通過する際、動翼部によって旋回速度成分が与えられる。下流側のファンユニット8は、ファン3の動翼の回転と同じ向きの旋回速度成分を持つ冷却風が入気した場合、その静圧が、ファン単体での仕様値に対して低下し、直列配置時に十分な性能を得られないこととなるが、冷却風は、排気側整流格子11で冷却風の流れ方向に整流された後に、下流側のファンユニット8の吸気側へと誘導されるため、ファンユニット8も、十分な性能を発揮することができる。このため、直列配置時のファンの静圧を理想値である、2倍近くまで回復させることができる。
直列に配置された軸流ファンの活線挿抜を実施する、電子計算機において、限られたスペースで、ファンの風量、静圧を十分に得ることができるため、今後、高密度、高信頼性電子計算機の冷却方式に適用できる。
1…従来のファンユニット、2…従来のファンボックス、3…軸流ファン、4…ファンユニット排気口、5…ファンユニット吸気口、6…マイラーシート、7…本発明のファンユニット(上流側)、8…本発明のファンユニット(下流側)、9…ファンボックス、10…ハウジング、11…排気側整流格子、12…吸気側整流格子、13…ファンユニット天板、14…基板、15…コネクタ、16…ファンユニット挿抜用つまみ。
Claims (3)
- 活線挿抜の可能な軸流ファンを直列に配置して冷却を行う電子計算機において、該ファンのハウジングの吸気側と排気側の片側または両側に、該ファンを通過する冷却風の整流格子を具備することを特徴とするファンユニット構造。
- 請求項1において、活線保守時にファン内部に手指が入らないよう、該ハウジングと該整流格子を一体構造としたことを特徴とするファンユニット構造。
- 請求項2において、該整流格子を六角ハニカム構造としたことを特徴とするファンユニット構造。
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