JP2008174624A - 表面処理無機粉体 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定性が高い無機粉体の提供。
【解決手段】本発明の表面処理無機粉体は、極性部分と非極性部分とを有する有機化合物であり、常温で液状の表面処理剤にて表面処理された無機粉体を有することを特徴とする。つまり、上述したような表面処理剤を採用することで、無機粉体の表面に存在する官能基を保護することが可能になり、無機粉体の凝集などを効果的に抑制できる。特に、前記極性部分がアミノ基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、カルボキシル基、チオール基及びビニル基からなる群から選択される1以上の官能基を含む物質としたり、及び/又は、前記非極性部分の分子量が50〜1000の炭化水素基とした物質にすることで、より高い保存性をもつ表面処理無機粉体にすることができる。具体的に好ましい表面処理剤としてはエポキシ系反応性希釈剤又はアクリル系反応希釈剤が挙げられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、凝集が生起し難い無機粉体である表面処理無機粉体に関する。
半導体パッケージなどの電子部品に採用される封止材、接着剤、基板などには熱膨張率の低減、高温下での機械的特性の維持などの熱的性質向上などを目指し、球状シリカ粒子などの無機粉体が分散された樹脂組成物を採用することが一般的である(特許文献1、2など)。
また、無機粉体の表面に対してシリコーンオイルや光重合可能な有機化合物を付着させる技術が開示されている。(特許文献3、4など)。
特表2001−502470号公報 特開2004−511616号公報 特開2005−173208号公報 特開2004−83846号公報
ところで、球状シリカ粒子などの無機粉体の表面には種々の官能基が存在し、保存状態によっては互いに反応が進行して凝集など予期せぬ状態に至る場合がある。特に、表面改質や後段階での反応性向上などの目的で無機粉体の表面を処理するシランカップリング剤は、その種類によっては相互の反応性が高いことがあり、充分な保存性が得られない場合があった。
本発明は上記実情に鑑みて完成したものであり、安定性が高い無機粉体を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、以下の発明を完成した。すなわち、本発明の表面処理無機粉体は、極性部分と非極性部分とを有する有機化合物であり、常温で液状の表面処理剤にて表面処理された無機粉体を有することを特徴とする。
つまり、上述したような表面処理剤を採用することで、無機粉体の表面に存在する官能基を保護することが可能になり、無機粉体の凝集などを効果的に抑制できる。
特に、前記極性部分がアミノ基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、カルボキシル基、チオール基及びビニル基からなる群から選択される1以上の官能基を含む物質としたり、及び/又は、前記非極性部分の分子量が50〜1000の炭化水素基とした物質にすることで、より高い保存性をもつ表面処理無機粉体にすることができる。
具体的に好ましい表面処理剤としてはエポキシ系反応性希釈剤又はアクリル系反応希釈剤が挙げられる。反応性希釈剤とは反応性の官能基をもつ有機化合物からなる液体である。エポキシ系反応性希釈剤は反応性の官能基としてのエポキシ基を有する化合物からなる液体であり、アクリル系反応希釈剤は反応性の官能基としてのアクリル基を有する化合物からなる液体である。
更に、シランカップリング剤にて表面処理されていることが望ましい。シランカップリング剤による無機粉体の表面処理の順序は特に限定されず、シランカップリング剤による表面処理を、表面処理剤による表面処理よりも前に行うことも出来るし、表面処理剤による表面処理よりも後に行うことも出来る。
特に、シランカップリング剤による表面処理を表面処理剤よりも前に行うことで、前記シランカップリング剤は前記無機粉体の周囲に第1層を形成し、前記表面処理剤は該第1層の周囲に第2層を形成する形態になることが望ましい。
ここで、前記表面処理剤は、前記無機粉体及び前記シランカップリング剤との間で共有結合が形成されていないことが望ましい。化学結合が形成されていないので、必要なときに速やかに無機粉体の表面から表面処理剤を脱離することが容易になる。
前記無機粉体はシリカ又はアルミナが例示できる。特に、金属と酸素とを反応させて得られる球状粉末であることが望ましい。
本発明の表面処理無機粉体は、樹脂組成物中に分散された形態で、EMC、液状封止材、基板材料、電子部品用接着剤、樹脂コンパウンド又は塗料に用いられることができる。
本発明の表面処理無機粉体は上記構成を有することから以下の作用効果を発揮する。すなわち、表面処理剤にて表面処理を行うことで、無機粉体の本来の性質は維持したままで保存性が向上できる。特に、表面処理剤が無機粉体などとの間で化学結合していない状態にすることで表面処理剤を着脱自在とすることができ、保存性の向上(凝集などを効果的に防止できる)と取扱性の向上(実際に使用するときに表面処理剤による影響が少なくなる)との両立を図ることができる。
本実施形態の表面処理無機粉体は樹脂(組成物)中に分散させた状態で使用することができる。例えば、硬化前のエポキシ樹脂や適正な溶媒に溶解させた高分子化合物などの樹脂組成物中に分散された形態で、EMC、液状封止材、基板材料、電子部品用接着剤、樹脂コンパウンド、塗料に用いることが出来る。特に、本実施形態の表面処理無機粉体を用いて調製した樹脂組成物は安定性が高いので、硬化前のエポキシ樹脂中に分散させた後、必要に応じて硬化させる用途に用いることが出来る。
本実施形態の表面処理無機粉体は表面処理剤にて表面処理された無機粉体である。無機粉体としては特に限定されず、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物や、それらの複合酸化物が挙げられる。
無機粉体の形態としては特に限定されず、使用する態様によって適正な形態を採用すれば充分である。例えば、球状とすることで、樹脂組成物中への充填性を向上することができる。無機粉体の粒径も必要に応じて適正に決定すればよい。例えば、液状封止材の用途に用いる場合には体積平均粒径が0.1μm以上、10μm以下にすることが望ましい。
無機粉体はシランカップリング剤にて表面処理されていることが望ましい。シランカップリング剤の量は無機粉体の表面積に応じて設定することが望ましい。採用できるシランカップリング剤としては特に限定されず、目的に応じて適正に選択されたシランカップリング剤が採用できる。例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランが挙げられる。
無機粉体として金属酸化物を採用する場合に、金属酸化物はどのように製造されたものでも構わないが、含酸素雰囲気下にて対応する金属粉末を酸化させて得られる方法(VMC法)や、火炎溶融法などが好ましい方法として挙げられる。
VMC法は、酸素を含む雰囲気中でバーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中に目的とする酸化物粒子の一部を構成する金属粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせて酸化物粒子を得る方法である。
VMC法の作用について説明すれば以下のようになる。まず、容器中に反応ガスである酸素を含有するガスを充満させ、この反応ガス中で化学炎を形成する。次いで、この化学炎に金属粉末を投入し高濃度(500g/m以上)の粉塵雲を形成する。すると、化学炎により金属粉末表面に熱エネルギが与えられ、金属粉末の表面温度が上昇し、金属粉末表面から金属の蒸気が周囲に広がる。この金属蒸気が酸素ガスと反応して発火し火炎を生じる。この火炎により生じた熱は、さらに金属粉末の気化を促進し、生じた金属蒸気と反応ガスが混合され、連鎖的に発火伝播する。このとき金属粉末自体も破壊して飛散し、火炎伝播を促す。燃焼後に生成ガスが自然冷却されることにより、酸化物粒子の雲ができる。得られた酸化物粒子は、バグフィルターや電気集塵器等により捕集される。
VMC法は粉塵爆発の原理を利用するものである。VMC法によれば、瞬時に大量の酸化物粒子が得られる。得られる酸化物粒子は、略真球状の形状をなす。目的とする球状金属酸化物粒子の組成に応じて、例えば、シリカ粒子を得る場合にはシリコン粉末を投入し、アルミナ粒子を得る場合にはアルミニウム粉末を投入する。投入するシリコン粉末などの粒子径、投入量、火炎温度等を調整することにより、得られる酸化物粒子の粒子径を調整することが可能である。また、原料物質としては金属微粉末に加えて、金属酸化物粉末も添加することができる。
なお、本球状シリカ粒子は、好ましいと考えられるVMC法以外にも、乾式法としての火炎溶融法、PVS(Physical Vapor Synthesis)法等の燃焼法や、湿式法としての沈降法やゲル法などによって製造できる。火炎溶融法は目的とする球状金属酸化物粒子を構成する金属酸化物を粉砕などにより粉末化した後に、火炎中に投入・溶解させた後、冷却・固化させることで、球状金属酸化物粒子を製造する方法である。
表面処理剤は常温で液状の有機化合物である。ここで、常温とは保存が想定される温度であり、25℃である。表面処理剤の化学構造は極性部分と非極性部分とをもつ。例えば、反応性希釈剤や界面活性剤が好ましい表面処理剤として挙げられる。反応性希釈剤としてはエポキシ系反応希釈剤、アクリル系反応希釈剤が例示される。
ここで、表面処理剤が無機粉体に対して行う表面処理としては、共有結合を実質的に伴わずに表面処理剤が無機粉体の表面に結合することが望ましく、全く共有結合を伴わずに結合することがより望ましい。例えば、ファンデルワールス力やイオン結合などによる結合、特にファンデルワールスなどによる物理的な吸着に類する結合によって、無機粉体の表面に表面処理剤が結合する形態を採用することで、後に表面処理剤を容易に脱離することが可能になる。シランカップリング剤による表面処理が行われる場合は、表面処理剤による表面処理とシランカップリング剤による表面処理との前後は特に限定しない。つまり、シランカップリング剤による表面処理を先に行っても後に行っても同時に行っても良い。
特に、シランカップリング剤による表面処理の後に表面処理剤による表面処理を行うことでシランカップリング剤の官能基の保護を効果的に達成できる。この場合には、シランカップリング剤は無機粉体の周囲に第1層を形成し、表面処理剤はその第1層の周囲に第2層を形成することになり、表面処理剤によって効果的に第1層(シランカップリング剤による表面処理層)を保護することが出来る。
表面処理剤における極性部分の構造としては、N、OやSなどを含む構造や二重結合が偏在する構造が例示される。特に、アミノ基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、カルボキシル基、チオール基及びビニル基からなる群から選択される1以上の官能基を含むことが望ましい。特に、エポキシ基及び/又はアクリル基が望ましい。極性部分は表面処理剤の化学構造における端部に結合されることが望ましい。特に、細長い化学構造をもつ表面処理剤の端部に極性部分を有することが望ましい。
非極性部分としては、その部分の分子量が50〜1000とすることが望ましい。そして、非極性部分の構造としては炭化水素(炭化水素から任意の水素を脱離して残る炭化水素基など)が例示される。特に、非極性部分の分子量が50〜1000の炭化水素基とすることが望ましい。
具体的に好ましい表面処理剤としてはメチルグリシジルエーテル(例えば、エピオールM:日本油脂)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(例えば、エピオールEH:日本油脂)、デシルグリシジルエーテル(例えば、エピオールL−41:日本油脂)、ステアリルグリシジルエーテル(例えば、エピオールSK:日本油脂)、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、エピオールSB:日本油脂)、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、エピオールTB:日本油脂)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール(重合度が約9)の両端にグリシジル基が結合されている:例えば、エピオールE−400:日本油脂)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール(重合度が約23)の両端にグリシジル基が結合されている:例えば、エピオールE−1000:日本油脂)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ポリプロピレングリコール(重合度が約3)の両端にグリシジル基が結合されている:例えば、エピオールP−200:日本油脂)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、エピオールNPG−100:日本油脂)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、エピオールTMP−100:日本油脂)、グリシード(例えば、エピオールOH**:日本油脂)、下記式(1)で表される有機化合物(nは0又は1:例えば、エピオールG−100:日本油脂)、下記式(2)で表される有機化合物(例えば、エピオールE−100:日本油脂)、下記式(3)で表される有機化合物(例えば、ED−501:ADEKA(旧旭電化工業))、下記式(4)で表される有機化合物(例えば、ED−502、ED−502S:ADEKA)、下記式(5)で表される有機化合物(例えば、ED−509E:ADEKA)、下記式(6)で表される有機化合物(例えば、ED−518:ADEKA)、下記式(7)で表される有機化合物(例えば、ED−529E:ADEKA)、下記式(8)で表される有機化合物(例えば、ED−503:ADEKA)、下記式(9)で表される有機化合物(例えば、ED−506:ADEKA)、下記式(10)で表される有機化合物(例えば、ED−523T:ADEKA)、下記式(11)で表される有機化合物(例えば、ED−612:ADEKA)などのエポキシ系反応性希釈剤、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのアクリル系反応希釈剤が例示できる。
Figure 2008174624
(試験例1)
体積平均粒径0.5μmのシリカ(SO−C2:アドマテックス製)を100質量部と、シランカップリング剤(KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業製)を0.5質量部と、表面処理剤(ED−529E、分子量164、非極性部分の分子量121:エポキシ系反応性希釈液:上記式(7)の化合物:旭電化製)を0.5質量部とをミキサーにて充分に混合した。
得られた本試験例の表面処理無機粉体を20gとエポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)を12gとイミダゾール系硬化剤(2PHZ:四国化成製)を1gとを混合して本試験例の試験樹脂組成物とした。
(試験例2)
体積平均粒径0.5μmのシリカ(SO−C2)を100質量部と、シランカップリング剤(KBM−503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業製)を0.5質量部と、表面処理剤(ED−529E:エポキシ系反応性希釈液)を0.5質量部とをミキサーにて充分に混合して本試験例の表面処理無機粉体とした。
得られた本試験例の表面処理無機粉体を20gとエポキシ樹脂(ZX−1059)を12gとイミダゾール系硬化剤(2PHZ)を1gとを混合して本試験例の試験樹脂組成物とした。
(試験例3)
体積平均粒径0.5μmのシリカ(SO−C2)を100質量部と、シランカップリング剤(KBM−403)を1.0質量部とをミキサーにて充分に混合して本試験例の表面処理無機粉体とした。
得られた本試験例の表面処理無機粉体を20gとエポキシ樹脂(ZX−1059)を12gとイミダゾール系硬化剤(2PHZ)を1gとを混合して本試験例の試験樹脂組成物とした。
(試験例4)
体積平均粒径0.5μmのシリカ(SO−C2)を100質量部と、シランカップリング剤(KBM−403)を0.5質量部とバイコポール24(分子量1472、非極性部分分子量1401:北村化学産業製:エポキシ系反応性希釈剤:
Figure 2008174624
)を0.5質量部とをミキサーにて充分に混合して本試験例の表面処理無機粉体とした。
得られた本試験例の表面処理無機粉体を20gとエポキシ樹脂(ZX−1059)を12gとイミダゾール系硬化剤(2PHZ)を1gとを混合して本試験例の試験樹脂組成物とした。
(試験)
本試験例の表面処理無機粉体のそれぞれについてエポキシ樹脂などを混合して試験樹脂組成物を調製する前に、加湿処理及び加熱処理を行い、進入度を測定した。
加湿処理は、試験例1〜4における表面処理無機粉体のそれぞれについて、雰囲気温度40℃、相対湿度80%の雰囲気中にて24時間放置して行った。
加熱処理は、加湿処理を行った表面処理無機粉体と、加湿処理を行っていない製造後そのままの表面処理無機粉体とのそれぞれについて、密閉系にて60℃で1週間加熱した。
加湿処理及び加熱処理を行った表面処理無機粉体についても、その後、上述したそれぞれのエポキシ樹脂及び硬化剤を所定量混合し、各試験例の加熱後の試験樹脂組成物とした。
従って、各試験例毎に加湿処理及び加熱処理の有無により4種類の試験樹脂組成物が得られた。すなわち、(A)表面処理無機粉体から、そのまま試験樹脂組成物を調製した試料、(B)表面処理無機粉体に対して、加熱処理のみを行い試験樹脂組成物を調製した試料、(C)表面処理無機粉体に対して、加湿処理のみを行い試験樹脂組成物を調製した試料、(D)表面処理無機粉体に対して、加湿処理及び加熱処理の双方の処理を行い試験樹脂組成物を調製した試料である。
試験例1〜4のそれぞれにおける(A)〜(D)の試験樹脂組成物について以下に示す方法で進入度の測定を行った。まず、30mm×20mm角のガラス板の短辺下側に厚さ50μm、幅5mmの両面テープを貼付し、30mm×30mm角のガラス板の上に載せた。つまり、2枚のガラス板を50μmの間隔にて対向させた。そして、両面テープを貼付していない一辺(短辺)に満遍なく試験樹脂組成物をディスペンスし、ガラス板の間を20mm進入するのに要する時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008174624
表1より明らかなように、試験例1及び2の試験樹脂組成物は、加湿により却って進入度が向上したばかりか、加湿の有無に係わらず加熱の前後で進入度に大きな変化は認められなかった。
それに対し、試験例3の試験樹脂組成物は加湿前では加熱の前後で進入度の大きな変化はないが、加湿を行うと進入度が極めて低下することが明らかになった。試験例4の試験樹脂組成物は加湿前には加熱の前後で進入度の大きな変化はないものの、加湿後では加熱によって進入度が極めて低下することが明らかになった。しかしながら、試験例3と比べて、加湿後で加熱の前における進入度の低下が抑制されているので、ある程度の保存性向上効果は発揮されることが判った。
以上の結果から、試験例1及び2の試験樹脂組成物のように本発明の表面処理無機粉体を採用すると、極めて高い安定性を発揮させることが可能になることが明らかになった。
試験例3の試験樹脂組成物は表面処理剤を含有していないので加湿による水分の混入によってシランカップリング剤の加水分解が進行して凝集したものと推測できる。試験例4の試験樹脂組成物は表面処理剤を含有しているので試験例3の試験樹脂組成物よりは加湿による安定性に優れるものの、非極性部分の分子量が大きいので表面処理剤自身が水分を取り込んでしまうものと推測できる。

Claims (10)

  1. 極性部分と非極性部分とを有する有機化合物であり、常温で液状の表面処理剤にて表面処理された無機粉体を有することを特徴とする表面処理無機粉体。
  2. 前記極性部分がアミノ基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、カルボキシル基、チオール基及びビニル基からなる群から選択される1以上の官能基を含む請求項1に記載の表面処理無機粉体。
  3. 前記非極性部分の分子量が50〜1000の炭化水素基である請求項1又は2に記載の表面処理無機粉体。
  4. 前記表面処理剤はエポキシ系反応性希釈剤又はアクリル系反応希釈剤である請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
  5. 更に、シランカップリング剤にて表面処理されている請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
  6. 前記表面処理剤は、前記無機粉体及び前記シランカップリング剤との間で共有結合が形成されていない請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
  7. 前記シランカップリング剤は前記無機粉体の周囲に第1層を形成し、
    前記表面処理剤は該第1層の周囲に第2層を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
  8. 前記無機粉体はシリカ又はアルミナである請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
  9. 前記無機粉体は金属と酸素とを反応させて得られる球状粉末である請求項8に記載の表面処理無機粉体。
  10. 樹脂組成物中に分散された形態で、EMC、液状封止材、基板材料、電子部品用接着剤、樹脂コンパウンド又は塗料に用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理無機粉体。
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