JP2008173738A - 超音波ドリル加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波ドリル加工装置において、回転軸の剛性を確保しながら外部電源からの電力供給線と超音波振動子への配線とを相互に接続する接続部が大径化するのを防ぐとともに、その接続部の構造の自由度を向上させる。
【解決手段】超音波ドリル加工装置は、軸回りに回転する回転軸2と、回転軸2に対してその軸方向に離間して配置され、切削刃26とこの切削刃26に軸方向に沿った超音波振動を付与する超音波振動子22とを有するとともに切削刃26の軸回りに回転可能に構成されたドリル部4と、回転軸2の回転をドリル部4に伝達する伝達機構12と、回転軸2とドリル部4の間の領域で回転軸2の軸心上に設けられ、外部電源からの電力供給線11と超音波振動子22に繋がる配線30とを相互に電気的に接続する接続部10とを備えている。そして、伝達機構12は、回転軸2から接続部10の外側を通ってドリル部4に回転を伝達する構造を有している。
【選択図】図1
【解決手段】超音波ドリル加工装置は、軸回りに回転する回転軸2と、回転軸2に対してその軸方向に離間して配置され、切削刃26とこの切削刃26に軸方向に沿った超音波振動を付与する超音波振動子22とを有するとともに切削刃26の軸回りに回転可能に構成されたドリル部4と、回転軸2の回転をドリル部4に伝達する伝達機構12と、回転軸2とドリル部4の間の領域で回転軸2の軸心上に設けられ、外部電源からの電力供給線11と超音波振動子22に繋がる配線30とを相互に電気的に接続する接続部10とを備えている。そして、伝達機構12は、回転軸2から接続部10の外側を通ってドリル部4に回転を伝達する構造を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波ドリル加工装置に関するものである。
従来、精密加工の分野においてワークの表面研磨や孔形成加工に超音波ドリル加工装置が広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
図3には、そのような従来の一例による超音波ドリル加工装置の構成が概略的に示されている。この超音波ドリル加工装置は、図略の駆動源の駆動に伴って回転する回転軸101と、その回転軸101の端部に超音波振動子102を介して取り付けられた切削刃103とを備えており、超音波振動子102と切削刃103が回転軸101とともにその軸回りに回転するようになっている。そして、超音波振動子102は、外部電源105から電力が供給されることにより軸方向に沿った超音波振動を発生し、その振動を切削刃103に付与するように構成されている。これにより、切削刃103が軸方向に超音波振動しながら軸回りに回転してワークの加工を行うようになっている。
そして、この超音波ドリル加工装置では、外部電源105から超音波振動子102への給電のためにスリップリングからなる接続部104が用いられている。この接続部104は、環状に構成されており、前記回転軸101が内挿されている。そして、接続部104は、回転軸101の周面に絶縁体を介して固定された図略の集電環と、その集電環の径方向外側に配置された固定部104aとを有している。この固定部104aは、回転しないように固定されている一方、その固定部104aの内側で前記集電環が回転軸101とともに回転するように構成されている。そして、前記集電環は超音波振動子102に繋がる図略の配線に接続されており、固定部104aには回転する前記集電環の外周面に摺動接触するとともに前記外部電源105からの電力供給線106が接続される図略のブラシが設けられている。このような構成により、外部電源105からの電力が前記集電環と前記ブラシの接触部を通って超音波振動子102側へ供給されるようになっている。
特開2000−254801号公報
上記した従来の超音波ドリル加工装置では、回転軸101から超音波振動子102への回転の伝達と、回転軸101と接続部104の干渉の回避とを同時に達成するために、回転軸101を接続部104に内挿して超音波振動子102へ繋げる構造を採用している。このため、接続部104として環状構造のものを用いざるを得ず、接続部104が構造的な制約を受けるという不都合がある。また、超音波ドリル加工装置は、切削刃103を高速回転させるものであるため、回転軸101はその高速回転に耐久可能な剛性を持っている必要がある。このため、回転軸101の径をある程度大きくする必要がある。しかしながら、この場合には回転軸101の大径化に伴って接続部104も大径化するという不都合が生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、超音波ドリル加工装置において、回転軸の剛性を確保しながら外部電源からの電力供給線と超音波振動子への配線とを相互に接続する接続部が大径化するのを防ぐとともに、その接続部の構造の自由度を向上させることである。
上記目的を達成するために、本発明による超音波ドリル加工装置は、切削刃をその軸方向に沿って超音波振動させながら軸回りに回転させる超音波ドリル加工装置であって、駆動源からの駆動力により軸回りに回転する回転軸と、前記回転軸に対してその軸方向に離間して配置され、前記切削刃とこの切削刃に軸方向に沿った超音波振動を付与する超音波振動子とを有するとともに前記切削刃の軸回りに回転可能に構成されたドリル部と、前記回転軸の回転を前記ドリル部に伝達する伝達機構と、前記回転軸と前記ドリル部の間の領域で前記回転軸の軸心上に設けられ、外部電源からの電力供給線と前記超音波振動子に繋がる配線とを相互に電気的に接続する接続部とを備えている。そして、前記接続部は、前記電力供給線が接続された非回転部と、前記配線が接続され、前記ドリル部と一体となって軸回りに回転するとともに前記非回転部に対して回転可能に結合された回転部とを有し、前記伝達機構は、前記回転軸から前記接続部の外側を通って前記ドリル部に回転を伝達する構造を有している。
この超音波ドリル加工装置では、ドリル部において超音波振動子が回転しながら振動を発することによって切削刃が軸方向に振動しながら回転する。そして、この超音波ドリル加工装置において、伝達機構が、外部電源からの電力供給線と超音波振動子への配線とを相互に接続する接続部の外側を通って回転軸からドリル部に回転を伝達する構造を有している。このため、従来のように環状の接続部に回転軸を内挿する構成を取らなくても、回転軸からドリル部への回転の伝達と、回転軸と接続部の干渉の回避とを同時に達成することができる。これにより、接続部の構造の自由度を向上させることができる。さらに、この超音波ドリル加工装置では、回転軸が接続部の内部を通らないので、剛性を確保するために回転軸を大径化する場合でも接続部が大径化するのを防ぐことができる。従って、この超音波ドリル加工装置では、回転軸の剛性を確保しながら接続部が大径化するのを防ぐとともに、その接続部の構造の自由度を向上させることができる。
上記超音波ドリル加工装置において、前記伝達機構は、前記接続部の外側に設けられるとともに、前記回転軸の軸心と平行な軸回りに自転可能に構成された伝達軸を含み、当該伝達軸は、前記回転軸の回転を受けて軸回りに自転することで前記ドリル部を軸回りに回転させるように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、伝達軸が接続部の外側の位置においてその場で自転してドリル部を回転させるので、例えば接続部の外側を覆った状態で回転軸の回転を伝達するような回転伝達部を用いる場合と異なり、外部電源から接続部への電力供給線を伝達機構との干渉を回避しながら容易に配線することができる。
この場合において、前記伝達軸は、前記回転軸の外周の領域において周方向に等間隔で複数配置されているのが好ましい。このように構成すれば、複数の伝達軸が回転軸の外周にバランスよく配置されるので、回転軸の回転をドリル部に安定して伝達することができる。
上記伝達機構が伝達軸を含む構成において、前記回転軸には当該回転軸とともにその軸回りに回転する駆動側歯車が設けられている一方、前記ドリル部には当該ドリル部とともにその軸回りに回転する従動歯車が取り付けられており、前記伝達軸には、前記駆動側歯車に噛み合う第1伝達歯車と、前記従動歯車に噛み合う第2伝達歯車とが設けられているのが好ましい。このように構成すれば、上記各歯車により回転軸の回転を伝達軸を通じてドリル部に伝達する構造を構成することができる。
上記超音波ドリル加工装置において、前記接続部の非回転部は、前記電力供給線と接続する第1導電体を有する一方、前記接続部の回転部は、前記配線と接続する第2導電体を有し、前記第1導電体と前記第2導電体は相対的に回転可能な状態で電気的に接続されているのが好ましい。このように構成すれば、接続部において、回転しない前記電力供給線と、ドリル部とともに回転する前記超音波振動子に繋がる配線との間でそれらの相対的な回転を許容しながら相互に電気的に接続する構造を構成することができる。
この場合において、前記第1導電体と前記第2導電体のうち一方の導電体は、前記回転部の軸を中心とした外周面を有し、その外周面に対して他方の導電体が摺動接触することにより前記第1導電体と前記第2導電体が電気的に接続されていてもよい。
上記第1導電体と第2導電体を含む構成において、前記第1導電体と前記第2導電体のうち一方の導電体は液状の金属からなるとともに、他方の導電体は金属端子からなり、この金属端子が前記液状の金属中に挿入されることにより前記第1導電体と前記第2導電体が電気的に接続されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、超音波ドリル加工装置において、回転軸の剛性を確保しながら外部電源からの電力供給線と超音波振動子への配線とを相互に接続する接続部が大径化するのを防ぐとともに、その接続部の構造の自由度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による超音波ドリル加工装置の構成を示した縦断面図であり、図2は、図1に示した超音波ドリル加工装置のII−II線に沿った断面図である。まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による超音波ドリル加工装置の構成について説明する。
本実施形態による超音波ドリル加工装置(以下、単に加工装置という)は、精密加工の分野においてワークの表面研磨や孔形成加工などに用いられるものであり、後述する切削刃26をその軸方向に沿って超音波振動させながら軸回りに高速回転させてワークの切削を行うものである。この加工装置は、図1に示すように、回転軸2と、ドリル部4と、ハウジング6と、伝達機構外装体8と、接続部10と、伝達機構12とを備えている。
前記回転軸2は、加工装置の上部に設けられており、その軸回りに回転するようになっている。そして、回転軸2は、把持部2aと、その把持部2aの下方に繋がる軸部2bとからなる。なお、本実施形態の説明における「上下」の用語は、図1中における上下を表すものとする。把持部2aと軸部2bはそれらの軸心が同軸となるように配置されている。そして、把持部2aは、軸部2bよりも大径に形成されており、図略のチャック部によって把持される部分である。本実施形態による加工装置は、図略の駆動源を備えており、その駆動源の駆動によって前記図略のチャック部が回転するとともに、そのチャック部に把持された回転軸2が回転するようになっている。
前記ドリル部4は、略円筒状の外形を有しており、前記回転軸2に対してその軸方向に離間して設けられている。このドリル部4は、その軸心が回転軸2の軸心と同軸上に位置するように配置されている。そして、ドリル部4は、略円筒状に形成された前記ハウジング6内に格納されている。ハウジング6の内周面には、一対の軸受7a,7bが軸方向に離間して設けられており、この軸受7a,7bによってドリル部4が軸回りに回転可能に支持されている。そして、ドリル部4は、筒体20と、超音波振動子22と、切削刃支持ホーン24と、切削刃26とによって構成されている。
筒体20は、上部壁20a及び下部壁20bを有する略円筒形状に形成されている。この筒体20は、ドリル部4の外装体となるものであり、その内部に超音波振動子22と切削刃支持ホーン24とが格納されている。筒体20の上部壁20aには、ドリル部4の軸心に対応する位置に上下に貫通する孔部20cが形成されている一方、下部壁20bには、ドリル部4の軸心に対応する位置に上下に貫通する孔部20dが形成されている。
超音波振動子22は、筒体20の内部において当該筒体20に対して固定されている。そして、超音波振動子22は圧電素子22aを有しており、この圧電素子22aには給電のための配線30が接続されている。圧電素子22aは、配線30を通じて給電されることにより軸方向に沿った超音波振動を発生するようになっている。
切削刃支持ホーン24は、筒体20の内部において当該筒体20に対して固定されている。この切削刃支持ホーン24は、前記超音波振動子22の下部に繋がっており、超音波振動子22で発生した超音波振動を増幅する機能を有している。
切削刃26は、ワークの切削を行う部分であり、切削刃支持ホーン24の下端部に着脱可能に支持されている。そして、切削刃26は、その軸心がドリル部4の軸心上に位置するように配置されているとともに、ドリル部4の軸方向に沿って前記筒体20内から下部壁20bの孔部20dを通じて下方へ突出している。切削刃26は、前記切削刃支持ホーン24で増幅された超音波振動が伝達されることにより、筒体20の前記孔部20dを通じて軸方向に振動するようになっている。また、上記したようにドリル部4が軸回りに回転可能に構成されているため、切削刃26もその軸回りに回転可能となっている。
前記伝達機構外装体8は、前記ハウジング6の上端部に固定されている。この伝達機構外装体8は、伝達機構12の外側を覆うものであり、上部壁8aと下部壁8bを有する円筒形状に形成されている。そして、伝達機構外装体8は、その軸心が回転軸2の軸心及びドリル部4の軸心と同軸上に位置するように配置されている。上部壁8aには、伝達機構外装体8の軸心に対応する位置に上下に貫通する回転軸挿通孔8cが形成されている。この回転軸挿通孔8cを通じて前記回転軸2の軸部2bが上方から伝達機構外装体8の内部に挿入されているとともに、前記回転軸2は伝達機構外装体8に対して回転可能となっている。下部壁8bには、伝達機構外装体8の軸心に対応する位置に上下に貫通する従動軸挿通孔8dが形成されているとともに、この従動軸挿通孔8dの周囲に軸受9が取り付けられている。そして、従動軸挿通孔8dを通じて伝達機構12の後述する従動軸35が伝達機構外装体8内から前記ハウジング6内のドリル部4側へ延びているとともに、軸受9によってその従動軸35が回転可能に支持されている。
前記接続部10は、図略の外部電源からの電力供給線11と前記超音波振動子22の圧電素子22aに繋がる配線30とを相互に電気的に接続するものである。この接続部10は、前記回転軸2と前記ドリル部4の間の領域で回転軸2及びドリル部4の軸心上に設けられている。具体的には、接続部10は伝達機構外装体8内で伝達機構12の後述する従動歯車34上に設置されている。接続部10は、非回転部10aと、回転部10bとによって構成されている。非回転部10aには電力供給線11が繋がっており、この電力供給線11によって非回転部10aは拘束されてほぼ回転できないようになっている。回転部10bは、非回転部10aの下側に配置されているとともに、非回転部10aに対して相対的に回転可能に結合している。そして、回転部10bは、その下端部が後述する従動歯車34と従動軸35を介して前記ドリル部4に連結されている。これにより、回転部10bは前記ドリル部4と一体となって軸回りに回転するとともに非回転部10aに対して相対的に回転するようになっている。
非回転部10aの内部には、図略の金属端子(第1導電体)が設けられており、この金属端子に前記配線30が接続されている。回転部10bは、その内部に水銀からなる図略の導電体(第2導電体)を収容する収容室を備えており、その収容室内の導電体に電力供給線11が接続されている。そして、回転部10bの収容室内の水銀からなる導電体に前記非回転部10aの金属端子が挿入されることにより、回転部10bの収容室内の導電体と非回転部10aの金属端子が相対的に回転可能な状態で電気的に接続している。このような構成により、接続部10において、回転しない電力供給線11と前記ドリル部4とともに回転する前記配線30とが相対的に回転可能で、かつ、互いに電気的に接続可能となっている。
前記伝達機構12は、伝達機構外装体8内に設けられており、前記回転軸2の回転をドリル部4に伝達するものである。本実施形態では、この伝達機構12は回転軸2から前記接続部10の外側を通ってドリル部4に回転を伝達する構造を有している。伝達機構12は、駆動側歯車32と、従動歯車34と、従動軸35と、伝達軸36と、上側伝達歯車38(第1伝達歯車)と、下側伝達歯車40(第2伝達歯車)と、上側軸受42と、下側軸受44とを備えている。
駆動側歯車32は、前記回転軸2の軸部2bに外嵌しており、回転軸2とともにその軸回りに回転するように構成されている。
従動歯車34は、駆動側歯車32の下方に離間して配置されているとともに、その軸心が回転軸2及びドリル部4の軸心と同軸上に位置するように配置されている。この従動歯車34の軸心に対応する位置には、上下に貫通する貫通孔34aが設けられている。この貫通孔34aに上方から前記接続部10の回転部10bが嵌め込まれて固定されている。これにより、回転部10bは、従動歯車34と軸心が同軸上に位置した状態で一体的に回転可能となっている。
また、従動歯車34の貫通孔34aには、下方から従動軸35が嵌め込まれて固定されている。この従動軸35は、伝達機構外装体8の従動軸挿通孔8dを通って下方へ延びるとともに、その下端がドリル部4の筒体20の上部壁20aに結合している。そして、従動軸35は、その軸心がドリル部4の軸心と同軸上に位置するように配置されている。これにより、従動歯車34とドリル部4とが一体的に回転可能となっている。そして、従動軸35には、上下に貫通する貫通孔35aが形成されており、この貫通孔35aと前記筒体20の上部壁20aの孔部20cを通って前記配線30が接続部10の回転部10bと超音波振動子22の圧電素子22aとを繋いでいる。
伝達軸36は、図1及び図2に示すように、回転軸2の外周の領域でかつ前記接続部10の外側の位置に周方向に等間隔で4本設けられている。各伝達軸36は、その軸心が回転軸2の軸心と平行になるようにそれぞれ配置されている。前記電力供給線11は、隣り合う伝達軸36,36間の間隙を通って外部に引き出されている。そして、各伝達軸36はその上端が伝達機構外装体8の上部壁8aの下面に設置された前記上側軸受42によって回転可能に支持されている一方、下端が伝達機構外装体8の下部壁8bの上面に設置された前記下側軸受44によって回転可能に支持されている。これにより、各伝達軸36はその場で軸回りに自転可能となっている。そして、各伝達軸36の上端部には駆動側歯車32と噛み合う前記上側伝達歯車38が外嵌しているとともに、下端部には従動歯車34と噛み合う前記下側伝達歯車40が外嵌している。このような構成により、各伝達軸36は回転軸2の回転を受けてその軸回りに自転することでドリル部4に回転を伝達するようになっている。
次に、図1を参照して、本実施形態による加工装置の動作について説明する。
まず、図略の駆動源の駆動により図略のチャック部が回転し、そのチャック部に把持された回転軸2がその軸回りに回転する。回転軸2の回転は、伝達機構12の駆動側歯車32、各上側伝達歯車38、各伝達軸36、各下側伝達歯車40を通じて従動歯車34に伝達される。そして、従動歯車34の回転は、従動軸35を通じてドリル部4に伝達され、そのドリル部4の下端に設けられた切削刃26が回転する。
一方、図略の外部電源から電力供給線11、接続部10及び配線30を通じて、ドリル部4内の超音波振動子22の圧電素子22aに給電されることにより軸方向に沿った超音波振動が生成される。この超音波振動は、切削刃支持ホーン24において増幅されるとともに切削刃26に伝達される。これにより、切削刃26が軸方向に沿って超音波振動する。このようにして、本実施形態による加工装置では、切削刃26が軸方向に沿って超音波振動しながら軸回りに高速回転し、その切削刃26によってワークの切削が行われる。
以上説明したように、本実施形態による加工装置では、ドリル部4において超音波振動子22が回転しながら振動を発することによって切削刃26が軸方向に振動しながら回転する。そして、この加工装置の構成において、伝達機構12が、外部電源からの電力供給線11と超音波振動子22への配線30とを相互に接続する接続部10の外側を通って回転軸2からドリル部4に回転を伝達する構造を有している。このため、従来のように環状の接続部に回転軸を内挿する構成を取らなくても、回転軸2からドリル部4への回転の伝達と、回転軸2と接続部10の干渉の回避とを同時に達成することができる。これにより、接続部10の構造の自由度を向上させることができる。さらに、本実施形態による加工装置では、回転軸2が接続部10の内部を通らないので、剛性を確保するために回転軸2を大径化する場合でも接続部10が大径化するのを防ぐことができる。従って、本実施形態による加工装置では、回転軸2の剛性を確保しながら接続部10が大径化するのを防ぐとともに、その接続部10の構造の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態による加工装置では、伝達機構12が、接続部10の外側に設けられるとともに回転軸2の軸心と平行な軸回りに自転可能に構成された伝達軸36を含み、当該伝達軸36が回転軸2の回転を受けて軸回りに自転することでドリル部4を軸回りに回転させるように構成されている。すなわち、伝達軸36が接続部10の外側の位置においてその場で自転してドリル部4を回転させるので、例えば接続部10の外側を覆った状態で回転軸2の回転を伝達するような回転伝達部を用いる場合と異なり、外部電源から接続部10への電力供給線11を伝達機構12との干渉を回避しながら容易に配線することができる。
また、本実施形態では、伝達軸36が回転軸2の外周の領域において周方向に等間隔で4本配置されている。すなわち、本実施形態では、4本の伝達軸36が回転軸2の外周にバランスよく配置されているので、回転軸2の回転をドリル部4に安定して伝達することができる。
また、本実施形態では、接続部10が、電力供給線11と接続する金属端子を有する非回転部10aと、超音波振動子22への配線30と接続する水銀からなる導電体を有し、かつ、ドリル部4とともに軸回りに回転する回転部10bとを含んでいる。そして、回転部10bはその軸回りに非回転部10aに対して回転可能に結合しており、前記金属端子と前記水銀からなる導電体は相対的に回転可能な状態で電気的に接続されている。本実施形態ではこのような構成により、接続部10において、回転しない前記電力供給線11と、ドリル部4とともに回転する前記超音波振動子22に繋がる配線30との間でそれらの相対的な回転を許容しながら相互に電気的に接続する構造を構成することができる。
また、本実施形態では、非回転部10aの金属端子からなる導電体が回転部10bの水銀からなる導電体中に挿入されることにより両導電体が電気的に接続されている。一般に、接続部10の構造が、非回転部10aの導電体と回転部10bの導電体とを摺動接触させることにより両導電体間の電気接続を取る構造である場合には、非回転部10aの導電体と回転部10bの導電体との間で導通可能な限界の摺動速度がある。そのため、回転部10bの非回転部10aに対する相対的な回転速度、すなわちドリル部4の回転速度に限界が生じる。しかしながら、本実施形態のように、回転部10bの水銀からなる導電体中に非回転部10aの金属端子が挿入されて両導電体の導通が取られている場合には、上記のような限界の摺動速度が存在しないので、ドリル部4(切削刃26)の高速回転化を図ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、図1中の上下方向に延びるように超音波ドリル加工装置を配置した例について説明したが、本発明の超音波ドリル加工装置はその軸方向が任意の方向に配置された状態で用いることが可能である。
また、上記実施形態では、接続部10の構造として非回転部10aの金属端子と回転部10bの水銀からなる導電体との間で電気接続を取る例を示したが、接続部10の構造はこれに限らず、上記以外の様々な構造を採用することができる。例えば、回転部10bがその軸心を中心とした外周面を有する導電体(集電体)を備えている一方、非回転部10aが回転部10bの導電体の外周面に対して摺動接触するブラシ等の導電体を備えており、回転部10bの導電体と非回転部10aの導電体の摺動接触により両者の電気接続を取る構造を接続部10の構造として採用してもよい。
このような両導電体の摺動接触により電気接続を取る構造を接続部10に採用した場合には、上記したように回転部10bの導電体と非回転部10aの導電体との間で導通可能な限界の摺動速度がある。そのため、回転部10bの非回転部10aに対する相対的な回転速度、すなわちドリル部4の回転速度に限界が生じる。しかしながら、この場合には接続部10を小径化すれば、ドリル部4の回転速度を上げたとしても前記両導電体間の摺動速度の増大をある程度抑えることができる。例えば、上記実施形態では、伝達機構12が接続部10の外側を通って回転軸2の回転をドリル部4へ伝達する構造を有しており、回転軸の回転を伝達するために接続部を環状にしてその接続部に回転軸を内挿した従来の構造に比べて、接続部10を小径化することが可能である。従って、上記実施形態の構造において接続部10に上記の両導電体の摺動接触により電気接続を取る構造を採用した場合には、接続部10を小径化して、ドリル部4(切削刃26)の高速回転化を図ることができるとともに、接続部10での導通も確保することができる。
2 回転軸
4 ドリル部
10 接続部
10a 非回転部
10b 回転部
11 電力供給線
12 伝達機構
22 超音波振動子
26 切削刃
30 配線
32 駆動側歯車
34 従動歯車
36 伝達軸
38 上側伝達歯車(第1伝達歯車)
40 下側伝達歯車(第2伝達歯車)
4 ドリル部
10 接続部
10a 非回転部
10b 回転部
11 電力供給線
12 伝達機構
22 超音波振動子
26 切削刃
30 配線
32 駆動側歯車
34 従動歯車
36 伝達軸
38 上側伝達歯車(第1伝達歯車)
40 下側伝達歯車(第2伝達歯車)
Claims (7)
- 切削刃をその軸方向に沿って超音波振動させながら軸回りに回転させる超音波ドリル加工装置であって、
駆動源からの駆動力により軸回りに回転する回転軸と、
前記回転軸に対してその軸方向に離間して配置され、前記切削刃とこの切削刃に軸方向に沿った超音波振動を付与する超音波振動子とを有するとともに前記切削刃の軸回りに回転可能に構成されたドリル部と、
前記回転軸の回転を前記ドリル部に伝達する伝達機構と、
前記回転軸と前記ドリル部の間の領域で前記回転軸の軸心上に設けられ、外部電源からの電力供給線と前記超音波振動子に繋がる配線とを相互に電気的に接続する接続部とを備え、
前記接続部は、前記電力供給線が接続された非回転部と、前記配線が接続され、前記ドリル部と一体となって軸回りに回転するとともに前記非回転部に対して回転可能に結合された回転部とを有し、
前記伝達機構は、前記回転軸から前記接続部の外側を通って前記ドリル部に回転を伝達する構造を有している、超音波ドリル加工装置。 - 前記伝達機構は、前記接続部の外側に設けられるとともに、前記回転軸の軸心と平行な軸回りに自転可能に構成された伝達軸を含み、
当該伝達軸は、前記回転軸の回転を受けて軸回りに自転することで前記ドリル部を軸回りに回転させるように構成されている、請求項1に記載の超音波ドリル加工装置。 - 前記伝達軸は、前記回転軸の外周の領域において周方向に等間隔で複数配置されている、請求項2に記載の超音波ドリル加工装置。
- 前記回転軸には当該回転軸とともにその軸回りに回転する駆動側歯車が設けられている一方、前記ドリル部には当該ドリル部とともにその軸回りに回転する従動歯車が取り付けられており、
前記伝達軸には、前記駆動側歯車に噛み合う第1伝達歯車と、前記従動歯車に噛み合う第2伝達歯車とが設けられている、請求項2または3に記載の超音波ドリル加工装置。 - 前記接続部の非回転部は、前記電力供給線と接続する第1導電体を有する一方、前記接続部の回転部は、前記配線と接続する第2導電体を有し、
前記第1導電体と前記第2導電体は相対的に回転可能な状態で電気的に接続されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波ドリル加工装置。 - 前記第1導電体と前記第2導電体のうち一方の導電体は、前記回転部の軸心を中心とした外周面を有し、その外周面に対して他方の導電体が摺動接触することにより前記第1導電体と前記第2導電体が電気的に接続されている、請求項5に記載の超音波ドリル加工装置。
- 前記第1導電体と前記第2導電体のうち一方の導電体は液状の金属からなるとともに、他方の導電体は金属端子からなり、この金属端子が前記液状の金属中に挿入されることにより前記第1導電体と前記第2導電体が電気的に接続されている、請求項5に記載の超音波ドリル加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007010971A JP2008173738A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 超音波ドリル加工装置 |
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JP2007010971A JP2008173738A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 超音波ドリル加工装置 |
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JP2008173738A true JP2008173738A (ja) | 2008-07-31 |
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ID=39701143
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Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012114720A1 (ja) * | 2011-02-22 | 2012-08-30 | 国立大学法人信州大学 | 光反応器及びその製造方法 |
CN112828908A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-05-25 | 南京晓庄学院 | 一种双向断续铣削式机器人制孔装置及其制孔方法 |
CN114347285A (zh) * | 2022-01-19 | 2022-04-15 | 重庆臻宝实业有限公司 | 一种单晶硅材料的深、微孔加工方法 |
-
2007
- 2007-01-22 JP JP2007010971A patent/JP2008173738A/ja active Pending
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