JP2008166639A - 整流素子およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オン電圧が低くかつ逆方向リーク電流が小さな整流素子と、その整流素子を用いることによって低損失かつ高効率で動作することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】整流素子は、第1の窒化物半導体層3を備えている。第1の窒化物半導体層3上には第1の窒化物半導体層3よりも禁制帯幅が広い第2の窒化物半導体層4が形成されている。第2の窒化物半導体層4上には第1のアノード電極6が形成されている。さらに、第1のアノード電極6の下方の位置の第1窒化物半導体層3および第2窒化物半導体層4にフッ素導入領域9が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、整流素子およびそれを用いた電力変換装置に関し、特に、オン電圧が低くかつ耐圧の高い大電力用途に好適な窒化物半導体を用いた整流素子およびそれを用いた電力変換装置に関するものである。
窒化物半導体材料を用いた半導体素子は、その本質的な特性のため、高耐圧でかつ大電流で動作することが可能な電力用素子として注目されている。そのなかでもショットキー接合を利用した整流素子は低いオン電圧および高い耐圧の双方を実現できるため、電力変換装置用の素子として有望視されている。
図5は、窒化物半導体を用いた従来の整流素子の主要部分を説明するための断面図である。図5に示されるように、従来の整流素子は、基板101、バッファ層102、第1の窒化物半導体層103、第1の窒化物半導体層103よりも大きな禁制帯幅を有する第2の窒化物半導体層104、コンタクト層105、第1のアノード電極106、第2のアノード電極107、およびカソード電極108を備えている。
第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104とのヘテロ接合界面の第1の窒化物半導体層103側には、2次元電子ガスが存在し、チャネル層(図示せず)が形成されている。第1のアノード電極106と第2のアノード電極107とは、互いに電気的に接続されており、共同して複合アノード電極を形成している。第1のアノード電極106および第2のアノード電極107のそれぞれと第2の窒化物半導体層104とはショットキー接合を形成しており、第1のアノード電極106のショットキー障壁は、第2のアノード電極107のショットキー障壁よりも高い。一方、カソード電極108はコンタクト層105を媒介として第1の窒化物半導体層103内のチャネル層にオーム性接触している。
この構成において、複合アノード電極に順方向の電圧が印加されると、まず、電流はショットキー障壁が低い第2のアノード電極107を経由して流れる。その後、さらに順方向の電圧が増加されると、電流はショットキー障壁が高い第1のアノード電極106および第2のアノード電極107の双方を経由して流れる。このように、従来の整流素子によれば、第2のアノード電極107の存在のために、ショットキー障壁が高い第1のアノード電極106のみで構成される整流素子と比較して、順方向動作時の立ち上がり電圧が低くなるため、オン電圧を低くすることができる。
一方、電圧が逆方向に印加されると、ショットキー障壁が低い第2のアノード電極107の直下の第2の窒化物半導体層104において空乏層が広がる前に、ショットキー障壁が高い第1のアノード電極106の直下の第2窒化物半導体層104において空乏層が広がる。そのため、電流経路がピンチオフされて、電流が遮断される。
このように、従来の整流素子によれば、第1のアノード電極106の存在のために、ショットキー障壁が低い第2のアノード電極107のみで構成される整流素子と比較して、逆方向リーク電流を小さくすることができ、耐圧を高めることができる。
したがって、上記従来の整流素子によれば、オン電圧が低くかつ耐圧の高い整流素子が実現される。このような窒化物半導体を備えた整流素子に関する技術が、たとえば、以下に示される特許文献1および非特許文献1に開示されている。
特開2005−317843号公報 Seikoh Yoshida et al., 「A New GaN Based Field Effect Schottky Barrier Diode with a Very Low On-Voltage Operation」, Proceedings of 2004 International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs, Kitakyushu, pp. 323-326. 池田成明 他,「薄層AlGaN構造を用いた電源用GaNパワーデバイスの開発」,古河電工時報,第117号,平成18年1月,pp.1-5.
しかしながら、従来の整流素子のオン電圧および耐圧は、次世代の整流素子に求められている整流素子の条件を満足させることができないおそれがある。つまり、今後においては、さらにオン電圧が低くかつさらに耐圧が高い整流素子が求められることが予想される。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、さらにオン電圧が低くかつさらに耐圧が高い整流素子およびそれを用いた電力変換装置を提供することである。
本発明の整流素子は、チャネル層を有する第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上に設けられ、その禁制帯の幅が第1の窒化物半導体層の禁制帯の幅よりも大きいために第1の窒化物半導体層の障壁層として機能する層を有し、1または2以上の層からなる第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層上に設けられたアノード電極とを備えている。第1の窒化物半導体および第2の窒化物半導体層の少なくともいずれか一方は、アノード層の下方の位置にフッ素導入領域を含んでいる。
上記の構成によれば、フッ素導入領域の存在のために、オン電圧が低くなりかつ耐圧が高くなる。
また、アノード電極の少なくとも一部が、第2の窒化物半導体層にショットキー接合され、カソード電極がチャネル層とオーム性接触していてもよい。
また、アノード電極は、第1のアノード電極と、第1のアノード電極とは異なる材料からなりかつ第1のアノード電極に電気的に接続された第2のアノード電極とを含んでいてもよい。また、第1のアノード電極および第2のアノード電極は第2の窒化物半導体層にショットキー接合されていてもよい。この場合、第1のアノード電極と第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さは、第2のアノード電極と第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さよりも高いことが望ましい。
この構成によれば、ショットキー接合を形成する2種類のアノード電極を用いた場合に、オン電圧を低くしながら逆方向リーク電流をより小さくすることができる整流素子を得ることができる。
また、アノード電極は、第1のアノード電極と、第1のアノード電極とは異なる材料からなり第1のアノード電極に電気的に接続された第2のアノード電極とを含んでいてもよい。この場合、第1のアノード電極は第2の窒化物半導体層にショットキー接合され、第2のアノード電極はチャネル層にオーム性接触していてもよい。
この構成によれば、ショットキー接合およびオーム性接触を形成する2種類のアノード電極を用いることによって、逆方向リーク電流を小さくしながらオン電圧をさらに小さくすることができる整流素子を得ることができる。
また、アノード電極のうち第2の窒化物半導体層とショットキー接合を形成している部分の下方に位置する第2の窒化物半導体層の膜厚が5nm以上であることが望ましい。これによれば、整流素子に逆方向に電圧を印加した場合に生じるリーク電流を低減することができる。
本発明の電力変換装置は、前述のような整流素子を用いている。そのため、整流素子を順方向動作させた時の整流素子での電位降下を小さくすることができるので、低損失でかつ高効率で動作することが可能な電力変換装置が得られる。
本発明によれば、さらにオン電圧が低くかつさらに耐圧が高い整流素子およびそれを用いた電力変換装置が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の整流素子および電力変換装置が詳細に説明される。なお、各図において同一または対応する機能を有する部分には同一の参照符号が付され、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態の整流素子が説明される。図1に示されるように、本実施の形態の整流素子は、基板1と基板1上に形成されたバッファ層2とを備えている。バッファ層2上には第1の窒化物半導体層3が形成されている。第1の窒化物半導体層3上には第1の窒化物半導体層3よりも禁制帯幅が広い第2の窒化物半導体層4が形成されている。第2の窒化物半導体層4上には第1のアノード電極6および保護膜10が形成されている。
また、第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4の双方に接触するようにカソード電極8が形成されている。また、第1のアノード電極6の下方において、第1のアノード電極6の下面から第2の窒化物半導体層4を貫通し第1の窒化物半導体層3の所定の深さの位置まで延びるようにフッ素導入領域9が形成されている。なお、フッ素導入領域9が第1のアノード電極6に接触していることは本発明にとって必須の構成ではない。
本実施の形態において、基板1はSiからなり、バッファ層2はAlNからなり、第1の窒化物半導体層3はアンドープGaNからなり、第2の窒化物半導体層4は膜厚が25nmのアンドープAlGaNからなり、第1のアノード電極6およびカソード電極8のそれぞれはTi/Alからなり、保護膜10はSiNからなる。
第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4とのヘテロ接合界面の第1の窒化物半導体層3側には、2次元電子ガスが存在し、チャネル層(図示せず)が形成されている。第1のアノード電極6と第2の窒化物半導体層4とはショットキー接合を形成している。一方、カソード電極8は第2の窒化物半導体層4および第1の窒化物半導体層3の一部が除去された領域に設けられ、第1の窒化物半導体層3の側方において第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層にオーム性接触している。
第1のアノード電極6の下方の領域のうち、カソード電極8に近い側の一部の第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4にはフッ素が導入され、それにより、フッ素導入領域9が形成されている。フッ素は、電気陰性度が大きいため、負の電荷として作用する。そのため、フッ素導入領域9では、チャネル層内の2次元電子ガスの濃度がフッ素の導入されていない領域に比べて低い。
そのため、アノード電極6の下方の位置にフッ素導入領域9を有する部分におけるショットキー障壁は、アノード電極6の下方の位置にフッ素導入領域9を有しない部分におけるショットキー障壁よりも高くなる。その結果、一種類のアノード電極6内において、互いに異なる電流−電圧特性を示す2種類のショットキー接合が形成される。
前述の構成において、アノード電極6と第2の窒化物半導体層4とのショットキーバリアに順方向の電圧が印加される。それにより、電流は、アノード電極6の下方の位置にフッ素導入領域9が存在するためにショットキー障壁の高い部分よりも前に、アノード電極6の下方の位置にフッ素導入領域9が存在しなためにショットキー障壁の低い部分に流れる。したがって、整流素子のオン電圧が低くなる。
一方、アノード電極6と第2の窒化物半導体層4とのショットキーバリアに逆方向に電圧が印加される場合には、アノード電極6の下方の位置にフッ素導入領域が存在するためにショットキー障壁が高い部分の下方の位置における窒化物半導体層において空乏層がより大きく広がる。そのため、電流が遮断される。その結果、逆方向に生じるリーク電流が低減される。つまり、整流素子の耐圧が高められる。
このように、本実施の形態による整流素子によれば、1種類の材料からなるアノード電極は、順方向動作時にはショットキー障壁が低い整流素子として機能し、逆方向動作時にはショットキー障壁が高い整流素子として機能する。その結果、アノード電極が1種類の材料からなる場合において、整流素子のオン電圧を低くしながら逆方向リーク電流を小さくすることができる。
なお、本実施の形態においては、アノード電極6の下面から第1の窒化物半導体層3の上面から所定の深さの位置までフッ素導入領域9が設けられている例が示されているが、第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4の少なくともいずれか一方が、アノード層の下方の位置にフッ素導入領域9を含んでいればよい。
より具体的には、フッ素導入領域9は、第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4の少なくともいずれかに存在すれば、オン電圧を低くしながら逆方向リーク電流を小さくすることができるという効果を得ることができる。なお、フッ素導入領域9は、第1の窒化物半導体層3内および/または第2の窒化物半導体層4内のいずれかの位置に偏って存在しても、オン電圧を低くしながら逆方向リーク電流を小さくすることができるという効果を得ることができる。要するに、フッ素導入領域9は、アノード電極6の下方の位置であってかつ第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4内のいずれかの位置に存在するのであれば、いかなる態様で、かつ、いかなる位置に存在していてもよい。たとえば、フッ素導入領域9は、複数の領域に分かれて存在してもよく、また、層同士の界面を跨ぐように存在してもよく、さらに、層同士の界面に全く接触せずに存在してもよい。
なお、前述した従来の窒化物半導体による整流素子において、第2の窒化物半導体層104の膜厚を5nm程度まで薄くすることによって、逆方向リーク電流をさらに低減させる技術が、たとえば、Seikoh Yoshida et al., 「A New GaN Based Field Effect Schottky Barrier Diode with a Very Low On-Voltage Operation」, Proceedings of 2004 International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs, Kitakyushu, pp. 323-326.(非特許文献1)池田成明 他,「薄層AlGaN構造を用いた電源用GaNパワーデバイスの開発」,古河電工時報,第117号,平成18年1月,pp.1-5.(非特許文献2)に開示されている。
上記の従来の整流素子によれば、ショットキー接合を形成する2種類のアノード電極を用いる必要があるため、その製造コストが増大する等の問題がある。
また、上記従来の整流素子によれば、整流素子に逆方向に電圧を印加した場合に生じるリーク電流を低減するために、第2の窒化物半導体層104の膜厚を5nm程度に薄くする必要がある。そのため、膜厚が5nmという薄い窒化物半導体層では、膜厚のわずかなばらつきによって整流素子の特性が大きく変動する。したがって、基板上の面内方向において均一な動作特性を有する整流素子を得ることが困難である。
さらに、上記従来の整流素子によれば、第2の窒化物半導体層104の膜厚が薄い場合には、整流素子の保護ために絶縁膜などの保護膜を形成する必要がある。そのため、保護膜の形成プロセスに起因したダメージ等の悪影響が第1の窒化物半導体層103まで及ぼされることがある。それにより、2次元電子ガスの濃度が低下して、チャネル層の抵抗が増加し、整流素子を順方向動作させた時の整流素子での電位降下が大きくなるという問題が生じる。
前述のような本実施の形態の整流素子は、膜厚を5nmまで薄くしなくても、フッ素導入領域9が存在するために、上記のような従来の整流素子における問題点を生じさせることなく、オン電圧を低くかつ逆方向リーク電流を小さくすることができる。また、本実施の形態の整流素子によれば、1種類のアノード電極6を用いて、オン電圧を低くかつ逆方向リーク電流を小さくすることができるため、整流素子の製造工程が簡略化される。
(実施の形態2)
次に、図2を用いて、本発明の実施の形態2の整流素子が説明される。本実施の形態の整流素子は、実施の形態1の整流素子との比較において、コンタクト層5および第2のアノード電極7がさらに設けられている点において異なっている。本実施形態の整流素子のうちの前述の構成以外の構成は、実施の形態1の整流素子の構成とほぼ同様である。以下、本実施の形態の整流素子と実施の形態1の整流素子との相違点が説明される。
本実施の形態の整流素子においては、基板1はSiからなり、バッファ層2はAlNからなり、第1の窒化物半導体層3はアンドープGaNからなり、第2の窒化物半導体層4は膜厚が30nmのアンドープAlGaN/n−AlGaN/アンドープAlGaNの多層膜からなり、コンタクト層5はイオン注入等によって高濃度にドーピングされたn+AlGaN/n+GaN層からなり、第1のアノード電極6はNi/Auからなり、第2のアノード電極7およびカソード電極8のそれぞれはTi/Alからなり、保護膜10はSiNからなる。
第1のアノード電極6は第2のアノード電極7の上面を覆うように形成されている。それにより、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とは、互いに電気的に接続されており、共同して複合アノード電極を形成している。なお、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7との間に他の物質が存在しても、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とが互いに電気的に接続されていれば、本実施の形態の整流素子によって得られる効果を得ることができる。第1のアノード電極6および第2のアノード電極7のそれぞれと第2の窒化物半導体層4とはショットキー接合を形成しており、そのショットキー障壁の高さにおいて、第1のアノード電極6のほうが第2のアノード電極7よりも高い。一方、カソード電極8は、コンタクト層5を媒介として、第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層にオーム性接触している。
第1のアノード電極6の下方における第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4には、フッ素導入領域9が形成されている。フッ素導入領域9は、第1のアノード電極6の下方において、第1のアノード電極6の下面から第2の窒化物半導体層4を貫通し、第2の窒化物半導体層4の所定の深さの位置までの延びるように形成されている。
これにより、第1のアノード電極6における2次元電子ガスの濃度が低下する。そのため、窒化物半導体層にフッ素が導入されていない従来の整流素子と比較して、ショットキー接合の障壁が高く、かつ、空乏層が広がった構造が形成される。その結果、本実施の形態による整流素子によれば、第2の窒化物半導体層4に30nmという厚い層が用いられても、オン電圧を低く維持しながら、逆方向におけるリーク電流を小さくすることができる。
このように、本実施の形態による整流素子によれば、互いに異なるショットキー接合を形成する2種類のアノード電極が用いられる場合においても、オン電圧を低くしながら、逆方向におけるリーク電流をより小さくすることができる。
(実施の形態3)
次に、図3を用いて、本発明の実施の形態3の整流素子が説明される。本実施の形態の整流素子は、第2のアノード電極7およびカソード電極8の形状において実施の形態1の整流素子と異なっている。本実施形態の整流素子のうちの前述の構成以外の構成は、実施の形態1の整流素子の構成とほぼ同様である。以下、本実施の形態の整流素子と実施の形態1の整流素子との相違点が説明される。
本実施の形態において、基板1はSiからなり、バッファ層2はAlNからなり、第1の窒化物半導体層3はアンドープGaNからなり、第2の窒化物半導体層4は膜厚が15nmのアンドープAlGaNからなり、第1のアノード電極6はNi/Auからなり、第2のアノード電極7およびカソード電極8のそれぞれはTi/Alからなり、保護膜10はSiNからなる。
第1のアノード電極6は第2のアノード電極7の上を覆うように形成されている。第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とは、互いに電気的に接続されており、共同して複合アノード電極を形成している。第1のアノード電極6と第2の窒化物半導体層4とはショットキー接合を形成している。一方、第2のアノード電極7およびカソード電極8のそれぞれは、第2の窒化物半導体層4を媒介として、トンネル電流を生じさせるように、第1の窒化物半導体層3内のチャネル層にオーム性接触している。
また、本実施の形態の整流素子と本実施の形態2の整流素子との相違点は、第2のアノード電極7が窒化物半導体層4にショットキー接合されているか、または、チャネル層にオーム性接触しているかということである。
本実施の形態の整流素子においては、第2のアノード電極7がチャネル層にオーム性接触しているが、アノード電極の電圧が0Vである場合には、第1のアノード電極6の下方のフッ素導入領域9によって第1のアノード電極6の下方のチャネル層が空乏化する。それにより、電流経路がピンチオフされて、電流が遮断される。アノード電極に順方向の電圧が印加されると、第1のアノード電極6の下方におけるチャネル層に2次元電子ガスが発生し、電流が流れる。このため、本実施の形態の整流素子によれば、前述の実施の形態2の整流素子との比較において、順方向動作時の立ち上がり電圧を0Vに近づけることができるとともに、整流素子のオン電圧を低くすることができる。
このように、本実施の形態の整流素子によれば、ショットキー接合およびオーム性接触を形成する2種類のアノード電極を用いることによって、逆方向リーク電流を低減しながらオン電圧をさらに小さくすることができる。
(実施の形態4)
図4を用いて、本発明の実施の形態4の電力変換装置が説明される。本実施の形態においては、力率改善用の回路の主要部の構成が説明される。図4に示されるように、交流電源21、整流素子であるダイオード22〜26、インダクタ27、電界効果トランジスタ28、キャパシタ29、および負荷抵抗器30であり、整流素子22、23、24、25、および26として、実施の形態1〜3のいずれかにおいて説明された整流素子が用いられている。
電力変換装置である力率改善用の回路に用いられるダイオードに上記実施の形態1〜3のいずれかの整流素子が適用されると、ダイオードが順方向に動作する際にダイオードの両端で発生する電位降下を低減することができる。そのため、回路内部における損失が低減される。したがって、電力変換装置の効率が改善される。
このように、本実施の形態の電力変換装置によれば、その構成部品であるダイオードに本発明の整流素子が適用されるため、ダイオードが順方向動作する際にダイオードの両端で発生する電位降下を低減することができる。したがって、低損失でかつ高効率で動作することができる電力変換装置が得られる。
以上、本発明の整流素子および電力変換装置が、前述の実施の形態の整流素子および電力変換装置に基づいて具体的に説明されたが、本発明の整流素子および電力変換装置は、前述の実施の形態の整流素子および電力変換装置に限定されるものではなく、本発明の範囲内において以下のような変更が許容される。
たとえば、本実施の形態の整流素子においては、基板の組成としてSiが用いられているが、SiC、サファイア、GaN、またはGaAs等の組成からなる基板が用いられてもよい。
また、上記実施の形態の整流素子においては、バッファ層の組成としてGaNが用いられているが、AlN、AlGaN、またはAlN/GaN等の他の材料からなるバッファ層が用いられてもよい。
また、上記の実施の形態の整流素子においては、第1の窒化物半導体層3として1層のアンドープGaNが用いられているが、n−GaNまたはp−GaNなどがドーピングされた窒化物半導体層が用いられてもよい。また、AlGaN、InGaN、GaN/AlGaN、またはInGaN/GaN等のGaN以外の1層または複層のアンドープまたはドーピングされた層からなる他の窒化物半導体層が用いられてもよい。
また、上記実施の形態の整流素子においては、アノード電極の下方の第2の窒化物半導体層4の膜厚は、15nm〜30nmであるが、5nm以上であればいかなる値であってもよい。
また、第2の窒化物半導体層の構成として、アンドープAlGaNからなる単層膜またはアンドープAlGaN/n−AlGaN/アンドープAlGaNからなる多層膜が用いられているが、ドーピングされたAlGaN、Alの組成またはドーピング濃度が異なる複数のAlGaN層を含んでいる複層AlGaN層、GaN/AlGaNもしくはInGaN/AlGaN等のAlGaN層以外の窒化物半導体層を含んでいる多層窒化物半導体層、または、1層または複層のアンドープもしくはドーピングされた窒化物半導体層が用いられてもよい。
また、上記実施の形態1においては、アノード電極およびカソード電極の組成としてTi/Alが用いられているが、アノード電極とカソード電極とが同一組成の材料によって構成される必要はない。したがって、アノード電極およびカソード電極の組成として、Pt/Au、Ni/Au、W、WN、またはWSi等の他の材料が用いられてもよい。
また、上記の実施の形態2および3においては、アノード電極の組成としてNi/Auが用いられているが、Pt/Au、Ni/Au、W、WN、またはWSi等の他の材料が用いられてもよい。
また、上記の実施の形態2および3においては、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とは、第1のアノード電極6が第2のアノード電極7の上面を覆うことによって互いに電気的に接続されている。しかしながら、第2のアノード電極7が第1のアノード電極6の上面を覆うことによって、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とが互いに電気的に接続されてもよい。第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とは、第2の窒化物半導体層4上において直接に接触されず、それらの上に形成される配線電極等の他の導電層を媒介として互いに電気的に接続されてもよい。つまり、第1のアノード電極6と第2のアノード電極7とが電気的に接続される形態はいかなるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態においては、カソード電極とチャネル層との間のオーム性接触を形成するために、第1の窒化物半導体層3の側面にオーム性接触を形成する構成、第2の窒化物半導体層4および第1の窒化物半導体層3にイオン注入等によって高濃度にドーピングされたコンタクト層を形成しかつコンタクト層上にカソード電極を形成することによってオーム性接触を形成する構成、および、第2の窒化物半導体層4を媒介としてトンネル電流を利用してオーム性接触を形成する構成が用いられている。
しかしながら、第2の窒化物半導体層4および第1の窒化物半導体層3の一部を除去し、その除去によって形成された露出面上に高濃度にドーピングされたGaNまたはInGaN等が、再成長等によってコンタクト層として形成され、コンタクト層上にカソード電極が形成されてもよい。これによっても、オーム性接触が実現される。
また、第2の窒化物半導体層4の一部が除去され、その除去によって形成された露出面上にカソード電極が形成され、第2の窒化物半導体層4を媒介としてトンネル電流を利用してオーム性接触が形成されてもよい。また、第2の窒化物半導体層4および第1の窒化物半導体層3が除去されることなく、第2の窒化物半導体層上にカソード電極が形成され、熱処理によって、カソード電極と第2の窒化物半導体層とが合金化されてもよい。これによっても、オーム性接触が実現される。つまり、オーム性接触が実現されるのであれば、カソード電極と第2の窒化物半導体層との接続方法はいかなるものであってもよい。
また、上記実施の形態では、カソード電極とチャネル層とはオーム性接触を形成するが、カソード電極とチャネル層とは障壁の高さが低いショットキー接合を形成してもよい。しかしながら、整流素子を順方向動作させた時の整流素子での電位降下が小さいことが望ましいため、カソード電極とチャネル層とはオーム性接触を実現することが望ましい。
また、上記実施の形態におていは、保護膜としてSiNを用いたが、その代わりに、SiO2およびAl23、HfO2、TiO2、TaO、MgO、Ga23、または、SiN/SiO2重ね膜等の他の保護膜が用いられてもよい。
また、本実施の形態においては、本発明の整流素子は、力率改善用の回路に適用されているが、インバータまたはコンバータ等の他の電力変換装置に適用されてもよい。
また、実施の形態1のみならず、他の実施の形態においても、また、フッ素導入領域9は、第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4の少なくともいずれかに存在すれば、オン電圧を低くしながら逆方向リーク電流を小さくすることができるという効果を得ることができる。つまり、フッ素導入領域9は、アノード電極6の下方の位置であってかつ第1の窒化物半導体層3および第2の窒化物半導体層4内のいずれかの位置に存在するのであれば、いかなる態様で、かつ、いかなる位置に存在していてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1の整流素子を示す図である。 実施の形態2の整流素子を示す図である。 実施の形態3の整流素子を示す図である。 実施の形態4の電力変換装置の主要部の構成を示す回路図である。 従来の整流素子を示す図である。
符号の説明
1,101 基板、2,102 バッファ層、3,103 第1の窒化物半導体層、4,104 第2の窒化物半導体層、5,105 コンタクト層、6,106 第1のアノード電極、7,107 第2のアノード電極、8,108 カソード電極、9 フッ素導入領域、10 保護膜、21 交流電源、22,23,24,25,26 整流素子、27 インダクタ、28 電界効果トランジスタ、29 キャパシタ、30 負荷抵抗器。

Claims (6)

  1. チャネル層を有する第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層上に設けられ、その禁制帯の幅が前記第1の窒化物半導体層の禁制帯の幅よりも大きいために前記第1の窒化物半導体層の障壁層として機能する層を有し、1または2以上の層からなる第2の窒化物半導体層と、
    前記第2の窒化物半導体層上に設けられたアノード電極とを備え、
    前記第1の窒化物半導体および前記第2の窒化物半導体層の少なくともいずれか一方は、前記アノード層の下方の位置にフッ素導入領域を含んでいる、整流素子。
  2. 前記アノード電極の少なくとも一部が、前記第2の窒化物半導体層にショットキー接合され、
    当該整流素子は、前記チャネル層とオーム性接触しているカソード電極をさらに備えた、請求項1に記載の整流素子。
  3. 前記アノード電極は、第1のアノード電極と、該第1のアノード電極とは異なる材料からなりかつ前記第1のアノード電極に電気的に接続された第2のアノード電極とを含み、
    前記第1のアノード電極および前記第2のアノード電極は前記第2の窒化物半導体層にショットキー接合され、
    前記第1のアノード電極と前記第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さは、前記第2のアノード電極と前記第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さよりも高い、請求項1または2に記載の整流素子。
  4. 前記アノード電極は、第1のアノード電極と、該第1のアノード電極とは異なる材料からなり前記第1のアノード電極に電気的に接続された第2のアノード電極とを含み、
    前記第1のアノード電極は前記第2の窒化物半導体層にショットキー接合され、
    前記第2のアノード電極は前記チャネル層にオーム性接触している、請求項1または2に記載の整流素子。
  5. 前記アノード電極のうち前記第2の窒化物半導体層とショットキー接合を形成している部分の直下に位置する前記第2の窒化物半導体層の膜厚が5nm以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の整流素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の整流素子を用いて形成された、電力変換装置。
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