JP2008164969A - 演奏パターン再生装置及びそのコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】より表現力豊かで多彩なアルペジオの演奏を行う。
【解決手段】複数のパートを備えたパフォーマンスデータを複数記憶した記憶手段と、演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段と、演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段とを有し、演奏パターンが対応付けられているパートに対して設定されている共通オフセットデータ、及び専用オフセットデータ設定手段によって、演奏パターンに対して設定されている専用オフセットデータに基づいて、演奏パターンのパラメータの値をオフセットし、該オフセットされた値で前記支持された演奏パターンを再生する。
【選択図】図2

Description

本発明は、同時に複数の演奏パターンを再生することが可能な演奏パターン再生装置及びその演奏パターン再生装置に適用されるコンピュータプログラムに関する。
従来の電子楽器の演奏パターン(例えばアルペジオパターン)は、演奏の構成音の発音タイミング、音長、音量あるいは音程のオクターブシフト等のパラメータを定めた1セットのデータであり、予め用意されたものやユーザが設定したもの等、複数の演奏パターンから一つを選択して用いるようにされていた。
しかしながら、複数の演奏パターンを同時に再生したり、演奏中に演奏パターンを切り替えたりすることによって多彩な演奏を楽しみたい要望がある。
そこで、多彩な演奏を実現するために、例えば、次の特許文献1に記載の発明が提案されている。
特開2000−356987号公報
前記特許文献1に記載されている予め用意された演奏パターンは、アルペジオパターンであるが、このアルペジオパターンは、夫々独立して作成されたものであるため、アルペジオパターンごとに音量感やリズム感等が異なっている。
すなわち、前記のような音量感やリズム感等が異なるアルペジオパターンを用いて、複数のアルペジオパターンを同時に再生したり、演奏中にアルペジオパターンを切り替えたりした場合、同時あるいは連続して再生されるアルペジオパターン間で音量感やリズム感等にずれが生じ、このずれにより、再生アルペジオパターン相互に調和がとれず、バランスが悪い演奏となってしまうことがあった。
本発明は、音量感やリズム感等が異なる演奏パターンを同時に再生したり切替えたりしても、バランスよく調和のとれた多彩なパターンの演奏を行えるようにすることを課題とし、この課題を解決した演奏パターン再生装置及び該演奏パターン再生装置に適用されるコンピュータプログラムの提供を目的とする。
前記目的を達成するため本発明が採用した技術的手段は、複数の演奏パターンを同時に再生することが可能な演奏パターン再生装置であって、複数のパートを備えたパフォーマンスデータを複数記憶した記憶手段であって、該パートの各々には、複数の演奏パターンが関連付けられている記憶手段と、演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段であって、前記パートごとに一つずつの共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段と、演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段であって、前記演奏パターンごとに一つずつの専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段と、前記記憶手段に記憶された複数のパフォーマンスデータの内から一つを選択するパフォーマンスデータ選択手段と、前記パフォーマンスデータ選択手段で選択されたパフォーマンスデータを構成している複数のパートの少なくとも一つのパートについて、当該パートに対応付けられている複数の演奏パターンから一つを選択して、選択された演奏パターンの再生開始を指示する再生開始指示手段と、前記前記再生開始指示手段によって指示された演奏パターンを再生する演奏パターン再生手段であって、前記共通オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンが対応付けられているパートに対して設定されている共通オフセットデータ、及び前記専用オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンに対して設定されている専用オフセットデータに基づいて、前記選択された演奏パターンのパラメータの値をオフセットし、該オフセットされた値で前記支持された演奏パターンを再生する演奏パターン再生手段と、
を備えていることを特徴とする演奏パターン再生装置にしたことである。
又、前記演奏パターン再生手段を、演奏パターンの再生中に、該演奏パターンのイベント処理毎にオフセットすることを特徴とする演奏パターン再生装置にしたことである。
又、複数の演奏パターンを同時に再生することが可能な演奏パターン再生装置に適用されるコンピュータプログラムであって、複数のパートを備えたパフォーマンスデータを複数記憶した記憶手段であって、該パートの各々には、複数の演奏パターンが関連付けられている記憶手段に記憶された演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段であって、前記パートごとに一つずつの共通オフセットデータを設定するステップと、演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段であって、前記演奏パターンごとに一つずつの専用オフセットデータを設定するステップと、前記記憶手段に記憶された複数のパフォーマンスデータの内から一つを選択するステップと、前記パフォーマンスデータ選択手段で選択されたパフォーマンスデータを構成している複数のパートの少なくとも一つのパートについて、当該パートに対応付けられている複数の演奏パターンから一つを選択して、選択された演奏パターンの再生開始を指示するステップと、前記前記再生開始指示手段によって指示された演奏パターンを再生するステップであって、前記共通オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンが対応付けられているパートに対して設定されている共通オフセットデータ、及び前記専用オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンに対して設定されている専用オフセットデータに基づいて、前記選択された演奏パターンのパラメータの値をオフセットし、該オフセットされた値で前記支持された演奏パターンを再生するステップと、を備えていることを特徴とするコンピュータプログラムにしたことである。
本発明でいうパラメータとは、演奏パターンの一例であるアルペジオパターンのフォーマットである「ゲートタイム」、「ベロシティ」、「ノートナンバ」、「オクターブ」、「タイミング」等を含み、これらのパラメータに対して任意な値でオフセットした共通及び専用オフセットデータが反映され、この共通及び専用オフセットデータを反映したアルペジオパターンで再生が行われる。
本発明によれば、音量感やリズム感等が異なる演奏パターンを同時に再生したり切替えたりしても、バランスよく調和のとれた多彩なパターンの演奏を行うことができる演奏パターン再生装置及び該演奏パターン再生装置に適用されるコンピュータプログラムを提供できる。
以下、本発明に係る演奏パターン再生装置を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
尚、本形態で例示する演奏パターン再生装置は、電子鍵盤楽器やシンセサイザー等の電子音楽装置に適用した形態で例示する。
又、本形態で例示する演奏パターンは、アルペジオパターンである
図1は、本形態の電子音楽装置の概略構成を示すブロック図である。
本形態の電子音楽装置Aは、演奏情報を入力するための鍵盤を含む演奏操作子1と、各種情報を入力するための複数の選択スイッチや調節スイッチ等を含む設定操作子2と、演奏操作子1の操作状態を検出する検出回路3と、設定操作子2の操作状態を検出する検出回路4と、装置全体の制御を司るCPU5と、該CPU5が実行する制御プログラムや、複数のアルペジオパターンデータ等を記憶するROM6と、アルペジオパターンデータ、演奏データ、各種入力情報及び演算結果等を一時的に記憶するRAM7と、タイマ割込み処理における割込み時間や各種時間を計時するタイマ8と、各種編集画面や各種情報等を表示するディスプレイ9と、各種表示状態等を検出する表示回路91と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等を記憶する記憶装置10と、外部のMIDI(Musical Instrument Digital Interface)機器110からのMIDI信号を入力したり、MIDI信号を外部に出力したりするMIDIインターフェース(I/F)11と、通信ネットワーク101を介して、サーバコンピュータ(以下「サーバ」という)102とデータの送受信を行う通信インターフェース(I/F)12と、演奏操作子1から入力された演奏データや予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する音源回路13と、該音源回路13からの楽音信号に各種効果を付与するための効果回路14と、該効果回路14からの楽音信号を音響に変換する、例えば、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム15とにより構成されている。
上記構成要素3〜7、10〜14、91は、バス16を介して相互に接続され、CPU5には、タイマ8が接続され、MIDII/F11には他のMIDI機器110が接続され、通信I/F12には通信ネットワーク101が接続され、音源回路13には効果回路14が接続され、効果回路14にはサウンドシステム15が接続され、表示回路91にはディスプレイ9が接続されている。
記憶装置10としては、例えば、フレキシブルディスクドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HDD)、CD−R/RWドライブ及び光磁気ディスク(MO)ドライブ等が挙げられる。
これらの記憶装置(ドライブ)10には、データを書込み可能、且つ恒久的に保存することができる記憶装置(例えば、フレキシブルディスクやハードディスク等のディスク型記憶装置)が装着又は内蔵されている。
尚、前記ディスク型記憶装置に限らず、データを恒久的(不揮発的)に保存できる記憶装置であれば良く、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリでも良い。
そして、記憶装置10には、前述のように、CPU5が実行する制御プログラムも記憶でき、ROM6に制御プログラムが記憶されていない場合には、この記憶装置10に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM7に読み込むことにより、ROM6に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU5にさせることができる。
このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。
MIDII/F11は、専用のものに限らず、RS−232CやUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェースより構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信してもよい。
通信I/F12は、上述のように、たとえばLAN(Local Area Network)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク101に接続されており、該通信ネットワーク101を介して、サーバ102に接続される。
記憶装置10に上記各プログラムや各種楽曲データが記憶されていない場合には、通信I/F12は、サーバ102からプログラムや各種楽曲データをダウンロードするために用いられる。
クライアントとなるコンピュータ(本実施の形態では、電子音楽装置)は、通信I/F12及び通信ネットワーク101を介してサーバ102へとプログラムや各種楽曲データのダウンロードを要求するコマンドを送信する。
サーバ102は、このコマンドを受け、要求されたプログラムや各種楽曲データを、通信ネットワーク101を介してコンピュータへと配信し、コンピュータが通信I/F12を介して、これらプログラムや楽曲データを受信して記憶装置10に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
図2は、本形態のパフォーマンスデータに含まれる複数のパートの領域設定の構成例を概略的に示す構成図である。
本形態で例示するパフォーマンスデータには、四つのパートが含まれており、各パートは、電子音楽装置Aの鍵盤(演奏入力手段)A1の鍵域(領域)を4分割して確保された鍵域毎に一つずつ割り当てて、前記鍵盤A1の押鍵により各パートが受信する領域を設定している。
又、各パートは、夫々、押鍵によりアルペジオパターンを再生するためのアルペジェータと、発音に使用する後述の図3に示す各データを備えた音源により、パート毎にアルペジオパターン及び音色の設定を可能とし、該パート一つにつき、一つのアルペジオパターンを再生でき、更に、複数のパートが同時に動作して、夫々のアルペジオパターンを同時に再生できるようにしている。
尚、本形態では、パートとアルペジェータを同数とした構成として例示しているが、アルペジェータ数は、パート数と同数には限られない。
又、ここでいう音源とは、後述の図3に示す各パートデータに含まれる各データ(ボイスデータ(エレメントデータ)、パート鍵域データ、アルペジオ鍵域データ、共通オフセットデータ、アルペジオパターンデータ、専用オフセットデータ)により構成されるものであり、図1で示す音源回路とは違うものである。
又、例示する形態では、鍵盤の全鍵域を4分割して該鍵域毎にパートを設定し、その設定された範囲の鍵域で各パートが受信するように設定された形態を示しているが、本発明では、この形態に限らず、前記各パート間で受信するノート範囲を重複させてもよく、この場合、一つのノートオンで複数のパートから発音させることができる(図示せず)。
更に、鍵盤の鍵域中にパートが設定されてない鍵域があってもよい。
図3は、本形態におけるパフォーマンスデータのデータ構成の一例を概略的に示すブロック図である。
本形態では、あらかじめ複数のパフォーマンスデータを有しており、各パフォーマンスデータには、四つのパートデータ1〜4が含まれている。
四つのパートデータ1〜4は、夫々、一つのボイスデータと、一つのパート鍵域データと、一つのアルペジオ鍵域データと、一つの共通オフセットデータと、五つのアルペジオパターンデータと、五つの専用オフセットデータとから構成されている。
ボイスデータは、発音に使う音色を設定するためのデータであり、鍵盤で演奏をする場合、鍵盤による演奏の発音に使う音色として使用される。
本形態のボイスデータには、一つのエレメントデータと、一つのアルペジオ鍵域データと、一つの共通オフセットデータと、五つのアルペジオパターンデータと、五つの専用オフセットデータとから構成されている。
エレメントデータは、発音に使用する音色を表すデータであり、発音に使う一つの波形データ等を表すデータである。
尚、本形態では、ボイスデータに一つのエレメントデータを有する形態として例示しているが、本発明では、ボイスデータに複数のエレメントデータを有する形態としてもよく、この場合、鍵盤の演奏において、発音する楽音の音高やベロシティに応じて、異なる波形データをつかって楽音を発音させるため、例えば、ベロシティの範囲を複数に分割して、範囲ごとに異なるエレメントを割り当てたり、鍵盤の鍵域範囲を複数に分割して、範囲ごとに異なるエレメントを割り当てたりするようなことができる。
又、ボイスデータは、エレメントデータをそのまま記憶せず、一つのエレメントデータを特定するための指示データであってもよい。
又、このボイスデータにおけるアルペジオ鍵域データと、共通オフセットデータと、アルペジオパターンデータと、専用オフセットデータは、前記パフォーマンスデータにおけるアルペジオ鍵域データと、共通オフセットデータと、アルペジオパターンデータと、専用オフセットデータと同様な機能を有するとともに、同様な方法でアルペジオパターンデータにおけるパラメータの値を、独立して補正することができるものであるが、本形態では、このボイスデータにおける各データはエレメントデータのみを使用した形態で例示する。
パート鍵域データは、パート毎の鍵盤演奏に利用する鍵域(音高範囲)を表すデータであり、一つのパートデータに一つのパート鍵域データが記憶されている。
尚パート鍵域の設定は任意であり、パート毎に同鍵域とする設定や、パート毎に異なる鍵域とする設定、あるいは、パート間で重なりあう部分が設けられるような鍵域とする設定等が挙げられる。
パート間で重なり合う部分を設けた鍵域とする設定では、重なり合う部分を押鍵した場合、重なり合っているパートでの楽音が発音される。
アルペジオ鍵域データは、パートデータに記憶されているアルペジオパターンを再生するときに利用する鍵域(音高範囲)を表すデータであり、一つのパートデータに一つのアルペジオ鍵域データが記憶されている。
アルペジオパターンデータは、パートデータで利用できるアルペジオパターンを表すデータであり、アルペジオパターンのデータそのもの、もしくは、アルペジオパターンの記憶場所を表す指示データが記憶されている。
前記アルペジオパターンデータは、図5に示すように、一つのアルペジオパターンデータが、一つのアルペジオパターンを表している。
この図5は、アルペジオパターンのフォーマットを示しており、アルペジオパターンは、「タイミング」、「ゲートタイム」、「キーナンバ」、「オクターブ」および「ベロシティ」の5つ1セットのデータを1つの楽音に対応する1発音分データ(一つのイベントデータ)とし、1小節に相当する発音数だけの1発音分データを最後の「エンドデータ」まで記憶したものである。
「タイミング」は楽音の発音開始タイミングに対応するクロック値(当該イベントデータを処理するタイミング)を表すデータであり、「ゲートタイム」は発音する楽音のキーオンからキーオフまでの時間長(クロック数値)を表すデータである。
「キーナンバ」は発音する楽音の音高を決めるためのデータである。すなわち、RAM3にはこの「キーナンバ」に対応するレジスタが予め設定され、アルペジオ鍵域において検出されたノートナンバをそのレジスタに格納することにより、所定のルールで「キーナンバ」のデータに対してノートナンバを割り当てる。
そして、アルペジオ発音処理において、アルペジオパターン中の「キーナンバ」に対して割り当てられたノートナンバをレジスタから読み出し、このノートナンバを発音する楽音の音高を定めるノートナンバとする。
尚、このノートナンバは、オクターブシフト等の処理もあるので楽音の音高そのものとなるとは限らない。
例えば、アルペジオ鍵域において検出可能な押鍵数を4つに設定した場合「キーナンバ」は“1”〜“4”の数値であり、この「キーナンバ」の値はアルペジオの音高変化パターンに対応して1発音分データ毎に予め決められている。
また、本形態では、アルペジオ鍵域で押鍵された鍵のノートナンバを、低音側のノートナンバから順に若い「キーナンバ」から順に割り当てるルールにしている。
「オクターブ」は、アルペジオ鍵域で押鍵指示された音高をオクターブ単位で変更させて発音する際に、何オクターブ分変更するかを指定するデータである。
例えば、「キーナンバ」に割り当てられたノートナンバがC3であった時において、「オクターブ」の値が“0”と記憶されている場合には、C3の音高を発音するタイミングで該C3の音高でそのまま発音させるが、「オクターブ」の値が“+1”と記憶されている場合には、C3の音高を発音するタイミングで該C3を1オクターブ上にシフトしたC4の音高で発音させる。
「ベロシティ」は発音する楽音のベロシティ値(音量の制御などに利用されるデータ)を表すデータである。
尚、ベロシティ値を検出可能な鍵盤において本形態のアルペジオ機能を用いる場合には、上記「ベロシティ」に関するデータを無視して、押鍵時に検出された各鍵に対応するベロシティ値を用いるようにしてもよい。
共通オフセットデータは、パートデータに記憶されている五つのアルペジオパターンで共通に利用されるデータであり、再生するアルペジオパターンのパラメータの値を補正するための値を表すデータが記憶されている。
補正するパラメータはベロシティとゲートタイムであり、このベロシティとゲートタイムを補正するための値を表すデータとして、共通ベロシティオフセット値と共通ゲートタイムオフセット値を一つずつ記憶し、このデータで、四つのパート夫々で再生されているアルペジオパターン間の、音量感のバランス(ベロシティのバランス)とリズム感のバランス(ゲートタイムのバランス)を調整する。
専用オフセットデータは、パートデータに記憶されているアルペジオパターンごとに、一つのアルペジオパターンデータに対して一つの専用オフセットデータが記憶されている(五つのアルペジオパターンデータそれぞれに一つずつの専用オフセットデータを記憶)。
又、対応しているアルペジオパターンの再生時に、そのアルペジオパターンのパラメータの値を補正するための値を表すデータが記憶されている。
補正するパラメータは、ベロシティとゲートタイムであり、このベロシティとゲートタイムを補正するための値を表すデータとして、専用ベロシティオフセット値と専用ゲートタイムオフセット値を一つずつ記憶し、このデータで、一つのパート内で切替えられるアルペジオパターン間の、音量感のバランス(ベロシティのバランス)とリズム感のバランス(ゲートタイムのバランス)を調整する。
各パートには、夫々、一つのアルペジオパターンとそれに対応する一つの専用オフセットデータとで一セットとするデータセットが5セット用意され、該データセットには順次セット番号1〜5が付与されている。
前記セット番号は、各パートのデータセットに対して同じ規則で付与されており、すなわち、いずれのパートにおいても、セット番号1〜5が付与された五つのデータセットが存在している。
又、各パートにおける同じセット番号のデータセット同士を一つの組としており、すなわち、各パートのセット番号1のデータセット同士〜セット番号5のデータセット同士が夫々一つのアルペジオ組(組1〜組5)を構成する。
そして、このアルペジオ組1〜アルペジオ組5は、前記設定操作子2における1〜5のスイッチ番号が連番となるように付けられた五つの選択スイッチ(再生開始指示手段)に対し、スイッチ番号1に対し組1となるように、同じ番号が付けられた前記選択スイッチ(再生開始指示手段)に夫々割り当てられる。
図4は、RAM7に設けられる各パートデータ用のパート用作業バッファの一例を示すブロック図である。
本形態の作業バッファは、選択されたパフォーマンスデータにおける各パートのパートデータを読み出して保持するためのものであり、四つのパート毎に一つずつ夫々独立して用意されている。
又、各パート用作業バッファには、前記ボイスデータ(エレメントデータ)を記憶する一つのボイスバッファと、パート鍵域データを記憶するパート鍵域バッファと、アルペジオ鍵域データを記憶するアルペジオ鍵域バッファと、共通オフセットデータを記憶する一つの共通オフセットバッファと、アルペジオパターンを記憶するアルペジオパターンバッファと、専用オフセットデータを記憶する専用オフセットバッファから構成される。
ボイスバッファは、選択されたパフォーマンスデータ中の対応パートデータにおけるボイスデータ(エレメントデータ)を記憶する領域のバッファである。
パート鍵域バッファは、選択されたパフォーマンスデータ中の対応パートデータにおけるパート毎の鍵盤演奏に利用する鍵域(音高範囲)を規定するデータを記憶する領域のバッファである。
アルペジオ鍵域バッファは、選択されたパフォーマンスデータ中の対応パートデータに記憶されているアルペジオパターンを再生するときに利用する鍵域(音高範囲)を規定するデータを記憶する領域のバッファである。
共通オフセットバッファは、選択されたパフォーマンスデータ中の対応パートデータにおける共通オフセットデータを記憶する領域のバッファである。
本形態において共通オフセットデータにより補正するパラメータは、ベロシティとゲートタイムであり、補正するための値を表すデータとして、共通ベロシティオフセット値と共通ゲートタイムオフセット値が一つずつ記憶される(詳細は後述の図7で記載)。
アルペジオパターンバッファは、選択されたパフォーマンスデータ中の対応パートデータにおいて選択(再生)されているアルペジオパターンを記憶する領域のバッファであり、現在選択されている一つのアルペジオパターンがない場合には、このアルペジオパターンバッファは、何もない空の状態になっている。
専用オフセットバッファは、前記アルペジオパターンバッファに記憶されているアルペジオパターンに対応して、パートデータ内に記憶されている専用オフセットデータを記憶する領域のバッファであり、現在選択されているアルペジオパターンがない(アルペジオパターンバッファに何もない空の状態)場合には、この専用オフセットバッファは、何もない空の状態になっている。
本形態において専用オフセットデータにより補正するパラメータは、共通オフセットデータのときと同様に、ベロシティとゲートタイムであり、補正するための値を表すデータとして、専用ベロシティオフセット値と専用ゲートタイムオフセット値が一つずつ記憶される(詳細は後述の図7で記載)。
そして、前記共通オフセットデータにより、四つのパート夫々で再生されているアルペジオパターン間の、音量感のバランス(ベロシティのバランス)とリズム感のバランス(ゲートタイムのバランス)を調整し、専用オフセットデータにより、一つのパート内で切替えられるアルペジオパターン間の、音量感のバランス(ベロシティのバランス)とリズム感のバランス(ゲートタイムのバランス)を一括で調整する。
以下、本形態のパターン再生装置のプログラムを実行する手順を図6〜図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
(パフォーマンスの選択:図6)
図6で示すフローチャートは、新たなパフォーマンスデータを選択する操作(指示)がされたときに起動するプログラムである。
パフォーマンスデータを選択する操作とは、ディスプレイ9にパフォーマンスデータのリストを表示して、ユーザがそのリストの中から一つのパフォーマンスデータを選択する操作であり、電子音楽装置のパネル上に配置された設定操作子2におけるパフォーマンスデータ用の選択スイッチを使用する。
選択されたパフォーマンスデータからパートデータごとのパート鍵域データ(ステップS1)を、アルペジオ鍵域データ(ステップS2)を、共通オフセットデータ(ステップS3)を、夫々読み出して対応するパート用作業バッファ中の各種バッファに登録(上書き)する。
このステップS1〜S3により、選択されたパフォーマンスデータが鍵盤に登録される(割り当てられる)ことになり、ユーザの鍵盤演奏を選択したパフォーマンスデータにおける四つのパート(音色)で発音する状態に設定され、演奏する押鍵した鍵の音高や音量に応じて四つのパートを切替えて使用可能な状態となる。
次に、全てのパート用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファと専用オフセットバッファをクリア(ステップS4)して、前記各パートのアルペジオ組1〜アルペジオ組5を、前記設定操作子2における1〜5のスイッチ番号が連番となるように付けられた五つの選択スイッチ(再生開始指示手段)に対し、同じ番号が付けられた選択スイッチに夫々アサインする(ステップS5)。
ここで、アサインするとは、前記選択スイッチを使って、五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5に規定されているアルペジオパターンを選択できる状態に設定することを意味する。
具体的には、前記五つの選択スイッチの夫々に対して割り当てられたアルペジオ組1〜アルペジオ組5の内、一つの選択スイッチを操作したときに、一つのアルペジオ組を選択できる状態を設定することであり、ユーザは、この選択スイッチを操作して、再生又は停止するアルペジオ組(四つ一組のアルペジオパターン群)を選択することができる。
又、前記選択スイッチは、当該アルペジオ組のアルペジオパターンの再生中に操作することにより、他のアルペジオ組のアルペジオパターンに切替えることもできる。
尚、演奏中にユーザが使用できるアルペジオパターンは、現在選択されているパフォーマンスデータ内の各アルペジオ組で規定されている20個(4パート×5個)のアルペジオパターンのみに限定される。
そして、全てのパートから夫々ボイスデータを読み出して、以後の鍵盤演奏による楽音が、読み出されたボイスデータのエレメントデータの音色で発音されるように音源設定を行う(ステップS6)。
すなわち、ボイスデータが選択されて以降、次のボイスデータが選択されるまでの間は、ここで設定されたエレメントを使った音色で、鍵盤の演奏及びアルペジオパターンの再生によって発生される楽音が発音されることになる。
(パラメータの編集:図7)
この図7で示すフローチャートは、共通オフセットデータ及び専用オフセットデータを編集する操作(指示)がされたときに起動するプログラムである。
このパラメータの編集では、まず、設定操作子2の操作により、現在選択されているパフォーマンスデータの中から任意のパートを選択し、該パートで規定されている共通オフセットデータ及び各セットデータの専用オフセットデータを編集する画面をディスプレイ9に表示する。
前記画面上では、現在選択されているパートで規定されている共通オフセットデータ及び各セットデータの専用オフセットデータを編集することができるように、現在選択されているパートデータで規定されている共通オフセットデータ及び各セットデータの専用オフセットデータを表示している。
このとき、各オフセットデータでは、ベロシティオフセットデータの値とゲートタイムオフセットデータの値が別々に表示されており、ユーザが各種の設定操作子2を操作することにより、各データの値を変更できる状態にされている。
共通オフセットデータと各セットデータの専用オフセットデータは、一つの画面で編集できるようにしてもよいし、編集する画面を別々に設けてもよく、ユーザが画面を見ながらバランスを調整して編集できる状態であればよい。
ユーザは、編集する画面上で、編集したいデータについて、編集後の値を入力し、入力後に変更の確定を設定操作子の操作により指示し、この変更確定の指示があったときにそのときの図7に示すプログラムが起動する。
そして、ユーザの操作により、新たに入力された値を現在選択されているパートデータの対応するデータに上書きする(ステップS7)。
ここで、対応するデータとは、例えば、ユーザが共通ベロシティオフセットデータの値を編集することを操作すると、現在選択されているパートデータ中の共通オフセットデータ中の共通ベロシティオフセットデータの値をユーザが指定した新たな値に変更する。
更に、ユーザが、専用ゲートタイムオフセットデータの値を編集することを操作すると、現在選択されているパートデータ中の、ユーザの操作による編集が指示されたアルペジオ組のアルペジオパターンに対応する専用オフセットデータ中の専用ゲートタイムオフセットデータの値を、ユーザが指定した新たな値へ変更する。
この場合、パートデータで規定されている五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5のアルペジオパターンの内のいずれに対応するものであるかについてもユーザにより指定されている。
又、各オフセットデータの値は、個別に、独立してその値を編集でき、この編集によって、現在選択されているパートを使って行われる鍵盤の演奏及び複数のアルペジオパターンの再生によって発生する複数の楽音間の音量感やリズム感のバランスが違和感なく調和するように調整される。
又、ユーザが入力した新たな値は、パート用作業バッファにも反映し、共通オフセットバッファの場合は、編集ごとにバッファに記憶されている値が新たな値へ変更され、専用オフセットバッファの場合は、編集されたパラメータが編集された時点において、専用オフセットバッファに読み出されている場合にのみ、その読み出されているバッファの値が新たな値へ変更される。
尚、前記オフセットの値を設定するときに、後述する図8の再生するアルペジオパターンを有するアルペジオ組を選択(設定)する処理のように、選択できるアルペジオ組は、現在選択されているパフォーマンスデータで規定されている五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5のアルペジオパターンのみに限定される。
つまり、夫々のパートデータについて、そのパートデータで規定されている五つのアルペジオ組のアルペジオパターン間相互の音量感とリズム感のバランスを考慮して、該パートデータで記憶するオフセットの値を設定すればよく、音量感とリズム感のバランスを考慮すべきパターンは、20個(4パート×5個)のみとなる。
共通オフセットデータ及び専用オフセットデータは、例えば、オフセット値を設定する方法として、ベロシティ値やゲートタイム値に対してn%補正(オフセット)する形態を例示する。
例えば、イベントデータ内のベロシティ値が「60」という値であり、このベロシティ値に対して、専用オフセットデータ内の専用ベロシティオフセット値を「10%」、共通オフセットデータ内の共通ベロシティオフセット値「20%」とした場合、下記のベロシティ値によってアルペジオが再生される。
ゲートタイム値に対する補正(オフセット)も同様の方法で行うことができる。
(数1)
ベロシティ値=60×(0.1×0.2)
例示したオフセット値の計算は、オフセット値の値を割合として、それをイベントデータ内のデータの値へ乗算しているが、オフセット値の形式はこれに限定するものではなく、イベントデータ内のデータの値を補正できる形式であればよい。
例えば、オフセットの値を増減値とし、パターン中のデータの値にオフセットの値を、加えたり引いたりするようにしてもよい。
又、共通オフセットの値を割合とする一方、専用オフセットの値を増減値とするように、専用オフセットの値と共通オフセットの値の形式が違っていてもよい。
(アルペジオ組の選択:図8)
図8で示すフローチャートは、再生するアルペジオパターンを有するアルペジオ組を選択するための選択スイッチが操作されたときに起動するプログラムである。
本形態で例示する電子音楽装置Aで同時に再生できるアルペジオパターンは、パート毎のアルペジオパターンバッファの数、すなわち、四つであり、選択されたパフォーマンスデータにおける4つのパートのアルペジオパターンを同時に再生することができる。
更に、選択されたパフォーマンスデータにおける四つのパートの一つにつき、一つのアルペジオ組のアルペジオパターンを再生でき、一つのパートにおいて複数のアルペジオ組のアルペジオパターンを同時に再生することはできない。
すなわち、各パートのパート用作業バッファには、夫々一つ分のアルペジオパターンを記録するアルペジオパターンバッファが用意されている。
又、再生するアルペジオパターンとして選択できるアルペジオパターンは、パートごとにアルペジオ組1〜アルペジオ組5が割り当てられる選択スイッチの数、すなわち五つ用意され、選択されているパフォーマンスデータ中の各パートデータで規定されている五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5のアルペジオパターンが、再生するアルペジオパターンとして選択できるものとなる。
五つの選択スイッチのいずれかが操作されたときに、図8に示す処理を行うプログラムが起動すると、再生中のアルペジオパターンがあれば、該アルペジオパターンを停止する(ステップS8)。
次に、パート毎にパートデータで規定されている五つのアルペジオ組のアルペジオパターンの内、今回ユーザの選択操作で選択された、一つのアルペジオ組のアルペジオパターンを読み出して、該アルペジオパターンを、パート用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファへ登録(上書き)する(ステップS9)。
具体的には、ユーザによって選択された組がアルペジオ組2であれば、そのときに選択されているパフォーマンスデータ内の、パート1データの中から、アルペジオ組2に対応するアルペジオパターンを読み出して、該アルペジオパターンをパート1用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファへ登録し、パート2データの中から、アルペジオ組2に対応するアルペジオパターンを読み出して、該アルペジオパターンをパート2用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファへ登録し、パート3データ〜パート5データについても同様の処理を行って、アルペジオ組2に対応するアルペジオパターンを自分のパートに対応するパート用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファへ夫々登録する。
すなわち、このステップS9において、操作された選択スイッチに割り当てられた組番号のアルペジオ組のアルペジオパターンが、各パートで再生するアルペジオパターンとして設定され、同時に再生する四つのパートにおけるアルペジオパターンの組合せは、五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5のいずれか一つのアルペジオ組になる。
次に、パート毎に、パート毎にパートデータで規定されている五つのアルペジオ組1〜アルペジオ組5のアルペジオパターンの内、今回ユーザの選択操作で選択された、一つのアルペジオ組のアルペジオパターンに対応して記憶されている専用オフセットデータをパートデータから読み出して、該専用オフセットデータを、パート用作業バッファ内の専用オフセットバッファへ登録(上書き)する(ステップS10)。
具体的には、ユーザによって選択された組がアルペジオ組2であれば、そのときに選択されているパフォーマンスデータ内の、パート1データの中から、アルペジオ組2のアルペジオパターンに対応する専用オフセットデータを読み出して、該専用オフセットデータをパート1用作業バッファ内の専用オフセットバッファへ登録し、パート2データの中から、アルペジオ組2のアルペジオパターンに対応する専用オフセットデータを読み出して、該専用オフセットデータをパート2用作業バッファ内の専用オフセットバッファへ登録し、パート3データ〜パート5データについても同様の処理を行って、アルペジオ組2のアルペジオパターンに対応する専用オフセットデータを自分のパートに対応するパート用作業バッファ内の専用オフセットバッファへ夫々登録する。
このアルペジオ組の選択処理では、今回のユーザの選択操作で選択されたアルペジオ組のアルペジオパターンを再生するために、該選択されたアルペジオ組のアルペジオパターンを再生するためのプログラム(詳細は後述の図11で記載)を起動できる状態(再生の開始を待機していて、いまだ、再生が開始されていない状態)にする。
この図11におけるプログラムを起動するタイミングとしては、例えば、すぐに起動する、アルペジオ鍵域で押鍵が発生していればすぐに起動する、以後において最初にアルペジオ鍵域で押鍵が発生したときに起動する等が挙げられる。
又、ユーザによって選択スイッチが操作されたときに、その時点で再生されているアルペジオパターン(パート作業用バッファのアルペジオパターンバッファに登録されているアルペジオパターン)のアルペジオ組が、今回ユーザが操作した選択スイッチに割り当てられているアルペジオ組である場合には、該選択スイッチの操作を、そのアルペジオパターンの再生を停止する指示として認識し、そのアルペジオパターンの再生を停止して(図11におけるプログラムを停止して)、全てのパート用作業バッファのアルペジオパターンバッファと専用オフセットバッファをクリアする。
(押鍵により起動する押鍵処理:図9及び図10)
図9で示すフローチャートは、鍵盤上のいずれかの鍵が押鍵されたときに起動する押鍵処理を行うプログラムであって、図10に示すプログラムを、パート1〜パート4を順に処理の対象として起動するようにしている。
ここで、図10のプログラムの動作を、パート1を処理の対象とした場合を例として説明する。
パート1を処理の対象として、図10のプログラムが起動すると、パート1用作業バッファ内のパート鍵域バッファに記録されているパート1の鍵域を表すデータを参照し、該鍵域(音高の範囲)内に、今回、新たに押鍵された鍵の音高が属しているか否かを判断する(ステップS11)。
このステップS11で属していないと判断されると、パート1を処理対象とした図10のプログラムを終了し、引き続き、パート2を処理対象とした図10のプログラムを起動する。
又、このステップS11で属していると判断されると、パート1用作業バッファ内の共通オフセットバッファのアルペジオ鍵域バッファに記録されているパート1の鍵域を表すデータを参照し、該鍵域(音高の範囲)内に、今回、新たに押鍵された鍵の音高が属しているか否かを判断する(ステップS12)。
このステップ12で属していないと判断されると、今回、新たに押鍵された鍵に対応する楽音を、選択されているボイスデータ(ボイスデータ中のエレメントデータ)で設定された音色で発音し(ステップS13)、パート1を処理対象とした図10のプログラムを終了し、引き続き、パート2を処理対象とした図10のプログラムを起動する。
又、前記ステップS13で発音された楽音は、離鍵されたときに起動する離鍵処理(図略)において消音される。
又、このステップ12で属していると判断されると、押鍵された鍵をアルペジオパターンの再生に利用する音高として、該音高(ノートナンバ)に「キーナンバ」を割り当て、再生中のアルペジオパターンで使用する新たな音高(ノートナンバ)とする(ステップS14)。
次に、現時点において、パート1のアルペジオパターンの再生が、図8の処理によって、開始を待機させられている状態(パート1のアルペジオパターンの再生の開始を待っていて、いまだ、再生が開始されていない状態)であるか否かを判断する(ステップS15)。
このステップS15で、パート1のアルペジオパターンが再生の開始を待っている状態であると判断されると、パート1のアルペジオパターンを再生するプログラム(後述する図11のプログラム)を起動することによって(当該パート1のアルペジオパターンを再生するための図11のプログラムがMIDIクロックのタイミング毎に起動するように設定することによって)、パート1のアルペジオパターンの再生を開始する(ステップS16)。
前記ステップS15で、パート1のアルペジオパターンが再生の開始を待っている状態ではないと判断されると、パート1を処理対象とした図10のプログラムを終了し、引き続き、パート2を処理対象とした図10のプログラムを終了する。
(MIDIクロックのタイミング毎に起動するアルペジオパターンの再生:図11)
図11で示すフローチャートは、MIDIクロックのタイミング毎に、且つ再生するアルペジオパターン毎に独立して起動するアルペジオパターンの再生処理をするプログラムである。
すなわち、パート毎に図11の処理を行うプログラムが起動され、パート1〜パート4夫々のアルペジオパターンを再生する夫々のプログラムが四つ同時に起動される。
又、パート毎に、再生対象としているアルペジオパターンは、前記したように図8のプログラムのステップS9,S10において特定されている。
尚、本形態の説明では、一つのパート(例えばパート1)に対応して起動している一つの図11におけるプログラムのフローチャートについて説明する。
図11のプログラムが起動されると、該プログラムが読出対象としているアルペジオパターンを参照して、今回のタイミングで、読み出すべきイベントデータがあるか否かを判断し(ステップS17)、イベントデータがないと判断されると、本プログラムは終了する。
イベントデータがあると判断されると、パート1用作業バッファ内のアルペジオパターンバッファからイベントデータを読み出す(ステップS18)。
次に、パート1用作業バッファ内の専用オフセットバッファからベロシティオフセット(専用ベロシティオフセット)値を読み出す(ステップS19)。
この読出では、対象とするアルペジオパターンが何であっても、読出の対象となるバッファは、パート1用作業バッファの専用オフセットバッファである。
次に、パート1用作業バッファ内の共通オフセットバッファからベロシティオフセット(共通ベロシティオフセット)値を読み出す(ステップS20)。
この読出では、対象とするアルペジオパターンが何であっても、読出の対象となるバッファは、パート1用作業バッファの共通オフセットバッファである。
次に、ステップS19とステップS20で読み出した専用ベロシティオフセット値と共通ベロシティオフセット値を使って、前記ステップS18で読み出したイベントデータ中のベロシティの値を変更する(ステップS21)。
次に、パート1用作業バッファ内の専用オフセットバッファからゲートタイムオフセット(専用ゲートタイムオフセット)値を読み出す(ステップS22)。
この読出では、対象とするアルペジオパターンが何であっても、読出の対象となるバッファはパート1用作業バッファの専用オフセットバッファである。
次に、パート1用作業バッファ内の共通オフセットバッファからゲートタイムオフセット(共通ゲートタイムオフセット)値を読み出す(ステップS23)。
この読出では、対象とするアルペジオパターンが何であっても、読出の対象となるバッファは、パート1用作業バッファの共通オフセットバッファである。
次に、ステップS22とステップS23で読み出した専用ゲートタイムオフセット値と共通ゲートタイムオフセット値を使って、前記ステップS18で読み出したイベントデータ中のゲートタイムの値を変更する(ステップS24)。
前記ステップS17〜ステップS24の処理により、パート1内のアルペジオパターンのベロシティ値及びゲートタイム値が、他のアルペジオパターンとの間で音量感やリズム感のバランスがとれた値に補正される。
次に、ステップS18で読み出したイベントデータに相当する楽音について、前記で決定されたベロシティ値及びゲートタイム値で発音を開始する(ステップS25)が、ここで発音される楽音の音色は、前記図10のステップS13の処理で使用した音色と同じである。
本形態によれば、アルペジオパターンの再生においては、該アルペジオパターンデータのベロシティ値とゲートタイム値に、前記共通オフセットデータ及び/又は専用オフセットデータの編集されたベロシティ値とゲートタイム値を付加して補正されたベロシティ値とゲートタイム値で再生されるため、音量感やリズム感等が異なるアルペジオパターンを同時に再生したり切替えたりしても、バランスよく調和のとれた多彩なアルペジオの演奏を行うことができる。
尚、本発明では、アルペジオパターン以外の演奏パターン(押鍵されている音高を考慮することなく記録されているイベントデータを読み出してそのまま再生するパターン)を再生するものにも適用可能である。
又、オフセットするパラメータは、例示したベロシティとゲートタイムに限定するものではなく、例えば、アルペジオ鍵域で押鍵指示された音高をオクターブ単位で変更させて発音する際に、何オクターブ分変更するかを指定するデータある「オクターブ」や、楽音の発音開始タイミングに対応するクロック値を表すデータである「タイミング」等の各種パラメータも含む。
本発明に係るパターン再生装置を適用した電子音楽装置の概略構成を示すブロック図。 パートの割り当て鍵域構成の一例を示す構成図。 パフォーマンスデータの構成の一例を概略的に示すブロック図。 パフォーマンスデータ用の作業バッファの一例を示すブロック図。 アルペジオパターンデータの一例を示すブロック図。 パフォーマンスの選択手順の一例を示すフローチャート。 パラメータの編集手順の一例を示すフローチャート。 アルペジオ組の選択手順の一例を示すフローチャート。 アルペジオパターンの再生手順の一例を示すフローチャート。 アルペジオパターンの再生手順の一例を示すフローチャート。 アルペジオパターンの再生手順の一例を示すフローチャート。
符号の説明
A:電子音楽装置
1:演奏操作子
2:設定操作子
3:検出回路
4:検出回路
5:CPU
6:ROM
7:RAM
8:タイマ
9:ディスプレイ
10:記憶装置
11:MIDIインターフェース
12:通信インターフェース
13:音源回路
14:効果回路
15:サウンドシステム
91:表示回路
110:MIDI機器

Claims (3)

  1. 複数の演奏パターンを同時に再生することが可能な演奏パターン再生装置であって、
    複数のパートを備えたパフォーマンスデータを複数記憶した記憶手段であって、該パートの各々には、複数の演奏パターンが関連付けられている記憶手段と、
    演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段であって、前記パートごとに一つずつの共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段と、
    演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段であって、前記演奏パターンごとに一つずつの専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段と、
    前記記憶手段に記憶された複数のパフォーマンスデータの内から一つを選択するパフォーマンスデータ選択手段と、
    前記パフォーマンスデータ選択手段で選択されたパフォーマンスデータを構成している複数のパートの少なくとも一つのパートについて、当該パートに対応付けられている複数の演奏パターンから一つを選択して、選択された演奏パターンの再生開始を指示する再生開始指示手段と、
    前記前記再生開始指示手段によって指示された演奏パターンを再生する演奏パターン再生手段であって、前記共通オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンが対応付けられているパートに対して設定されている共通オフセットデータ、及び前記専用オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンに対して設定されている専用オフセットデータに基づいて、前記選択された演奏パターンのパラメータの値をオフセットし、該オフセットされた値で前記支持された演奏パターンを再生する演奏パターン再生手段と、
    を備えていることを特徴とする演奏パターン再生装置。
  2. 前記演奏パターン再生手段は、演奏パターンの再生中に、該演奏パターンのイベント処理毎にオフセットすることを特徴とする請求項1に記載の演奏パターン再生装置。
  3. 複数の演奏パターンを同時に再生することが可能な演奏パターン再生装置に適用されるコンピュータプログラムであって、
    複数のパートを備えたパフォーマンスデータを複数記憶した記憶手段であって、該パートの各々には、複数の演奏パターンが関連付けられている記憶手段に記憶された演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための共通オフセットデータを設定する共通オフセットデータ設定手段であって、前記パートごとに一つずつの共通オフセットデータを設定するステップと、
    演奏パターンに含まれるパラメータの値を補正するための専用オフセットデータを設定する専用オフセットデータ設定手段であって、前記演奏パターンごとに一つずつの専用オフセットデータを設定するステップと、
    前記記憶手段に記憶された複数のパフォーマンスデータの内から一つを選択するステップと、
    前記パフォーマンスデータ選択手段で選択されたパフォーマンスデータを構成している複数のパートの少なくとも一つのパートについて、当該パートに対応付けられている複数の演奏パターンから一つを選択して、選択された演奏パターンの再生開始を指示するステップと、
    前記前記再生開始指示手段によって指示された演奏パターンを再生するステップであって、前記共通オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンが対応付けられているパートに対して設定されている共通オフセットデータ、及び前記専用オフセットデータ設定手段によって、前記選択された演奏パターンに対して設定されている専用オフセットデータに基づいて、前記選択された演奏パターンのパラメータの値をオフセットし、該オフセットされた値で前記支持された演奏パターンを再生するステップと、
    を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
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