JP2008163182A - 硬化性組成物、並びに硬化性組成物を含む接着剤及びシーリング材 - Google Patents

硬化性組成物、並びに硬化性組成物を含む接着剤及びシーリング材 Download PDF

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Abstract

【課題】雰囲気中の湿気により架橋し、光安定性に優れ、かつ、十分なゴム弾性を備えた硬化物を得ることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた接着剤及びシーリング材を提供することを目的としている。
【解決手段】下記一般式(1)で表され、Xが水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、又は、炭素数1〜18のアルコキシ基である光安定性能を有する官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)と架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)とを含むことを特徴としている。
Figure 2008163182

【選択図】なし

Description

本発明は、反応により硬化する硬化性組成物に関し、特に硬化後の硬化物の耐候性に優れた硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を含む接着剤及びシーリング材に関するものである。
従来より、架橋可能な加水分解性シリル基を有する重合体を主成分とする硬化性組成物が種々提案されており、これらの硬化性組成物は、雰囲気の湿気により架橋し、耐久性、耐候性、透明性及び接着性に優れた硬化物を与える。そのため、前記硬化性組成物は、塗料、コーティング剤、接着剤、感圧接着剤、シーラント及びシーリング材などの様々な用途に用いられている。
また、前記硬化性組成物として、架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体と、架橋可能な加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とを主成分とする硬化性組成物(特許文献1参照)がすでに提案されている。
すなわち、前記架橋可能な加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体にブレンドすることによって耐候性を向上させることができる。
また、前記のような硬化性組成物において、光安定性を向上させるために光安定剤を添加されるようになっているが、好適に使用されるヒンダードアミン系光安定剤の場合、ブリードアウトしやすく、硬化後、系中から消失し十分な耐候性を発揮できない虞がある。
そこで、添加剤としてモンモリロナイト等の層状珪酸塩を硬化性組成物中に添加して光安定剤のブリードアウトを防止する方法がすでに提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この層状珪酸塩を添加する方法では、光安定剤のブリードアウトの問題は改善できるものの、まだまだ不十分である。また、層状珪酸塩がアルカリ性物質であるためシリル基を不安定にさせ、硬化性組成物の貯蔵安定性を悪化させる虞があるとともに、層状珪酸塩がゴム弾性等に影響を与える虞があるため、硬化物に高いゴム弾性を要求されるような硬化性組成物の場合には適用し難いという問題がある。
特開2003−313418号公報 特開2004−155799号公報
本発明は、上述した従来技術の現状に鑑み、雰囲気中の湿気により架橋し、光安定性に優れ、かつ、十分なゴム弾性を備えた硬化物を得ることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を含む接着剤及びシーリング材を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載の硬化性組成物は、一般式(1)で表される官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)と架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)とを含むことを特徴としている。
Figure 2008163182

(式中Xは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、又は、炭素数1〜18のアルコキシ基を表す。)
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)は、特に限定されないが、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記一般式(1)で表された官能基(I)を含む(メタ)アクリル酸エステルモノマー(以下、「モノマー(c)と記す)とを共重合させる方法、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、モノマー(c)と、(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びモノマー(c)に対して共重合可能な他のモノマー(以下、「モノマー(d)と記す」)とを共重合させる方法によって得られる。また、予め製造された官能基(I)を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体の(メタ)アクリル酸エステルユニットのいずれかに官能基(I)を付加するようにしても構わない。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)を形成する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−[アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソミリスチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリロール、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−[メタアクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[メタアクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸等を挙げることができる。なかでも、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート等が好ましい。これらの(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
本発明において、前記モノマー(c)としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチル−4−ピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチル−4−ピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニルアクリレート等が挙げられる。
また、前記モノマー(d)としては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)の重合方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等の各種重合法を用いることができ、モノマーの重合性に応じて適宜前記重合法を選択すればよい。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)の数平均分子量は、4000〜30000であることが好ましい。数平均分子量が4000未満であると、硬化物の伸びが充分でなくなることがあり、30000を超えると、硬化前の粘度が高くなりすぎて塗布性など取り扱い性が悪くなることがある。
本発明における架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)としては、重合体の主鎖がポリオキシアルキレン構造を有し、分子中に架橋可能な加水分解性シリル基を有している限り特に限定されない。
前記ポリオキシアルキレンとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらの共重合体、置換基を有するこれらの誘導体等が挙げられる。
前記架橋可能な加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合したものであり、該加水分解基としては、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基等が挙げられ、反応後に有害な副生成物を生成しないアルコキシ基が好適である。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基等が好適である。
アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。
架橋可能な加水分解性シリル基を導入するための、連鎖移動剤や共重合性モノマーとしては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシランなどの連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシラン;N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランなどの重合性不飽和基を有するアルコキシシランなどを挙げることができる。
前記架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)の分子量が小さすぎると、硬化物の伸びが充分でなくなり、シーリング材として用いた際に、例えば、目地面に対する追従性が低下することがある。逆に、分子量が大きすぎると、硬化前の粘度が高くなりすぎて、各種添加剤を配合してシーリング材を調製する配合工程の作業性が低下することがある。
そのため、数平均分子量が好ましくは4000〜30000であって、分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)が3.0以下の架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)が、作業性と硬化物の伸びとのバランスに優れているため好ましい。
前記架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)としては、例えば、カネカ社製の商品名MSポリマーS−203、S−303、サイリルポリマーSAT−200、SAT−350、SAT−400等の市販のものを使用することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明中、一般式(1)で表される官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)が、分子中にさらに架橋可能な加水分解性シリル基を有することを特徴とする硬化性組成物である。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)が有する架橋可能な加水分解性シリル基としては、前記オキシアルキレン系重合体(b)が有する架橋可能な加水分解性シリル基と同様のシリル基が挙げられる。
また、前記架橋可能な加水分解性シリル基の導入方法としては、特に限定されないが、例えば、シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法等の重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基を持った(メタ)アクリル酸エステル重合体を合成し、その後ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)等の公知の方法が挙げられる。
重合開始剤としては、フリーラジカル重合法を行う場合は、過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤を用いることが好ましく、アゾ化合物系開始剤を用いる場合は重合体が黄変しやすいので、過酸化物系重合開始剤を用いることがより好ましい。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)とオキシアルキレン系重合体(b)との配合割合は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)とオキシアルキレン系重合体(b)との総量の10重量%以上80重量%以下であることが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)とオキシアルキレン系重合体(b)との総量の10重量%未満であると、耐候性が悪くなることがあるとともに、充分なモジュラスを得られないことがあり、80重量%を超えると、粘度と伸びのバランスがとれなくなることがある。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性をより向上させるために光安定剤を配合してもよい。
前記光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。本発明の硬化性組成物は、前記一般式(1)で表される官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)を含むため、ヒンダードアミン系光安定剤との親和性がよく、添加剤としてヒンダードアミン系光安定剤を添加しても、ブリードアウトし難いものとなる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤の中でも、前記一般式(1)で表される官能基(I)を分子中に有するものが、前記親和性の点で好ましい。このようなヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
前記光安定剤を配合する場合には、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部配合することが好ましく、0.5〜10重量部配合することがより好ましい。すなわち、光安定剤の配合割合が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して0.1重量部よりも少ないと、配合した効果が得られないことがあり、20重量部を超えると、ブリードアウトしてしまう虞がある。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性を更に向上させるために各種紫外線吸収剤を配合してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。
前記紫外線吸収剤を配合する場合には、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部配合することが好ましく、0.5〜10重量部配合することがより好ましい。すなわち、紫外線吸収剤の配合割合が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して0.1重量部よりも少ないと、配合した効果が得られないことがあり、20重量部を超えると、硬化性組成物をシーリング材等として使用したときに、呈色により外観を損なう等の問題を生じることがある。
(その他の添加物)
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、硬化性組成物の硬化促進剤、組成物の粘性特性を調整する粘度調整剤、チキソトロープ剤、引張特性などを改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、たれ防止剤、老化防止剤、溶剤、香料、顔料、染料、脱水剤、その他添加剤などを添加してもよい。
前記硬化促進剤としては、例えば、有機金属化合物を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物としては、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることができる。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用することができる。
粘度調整剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれたものを、使用することができる。これらの高分子化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、水添ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(水添SEBS)等を挙げることができる。また、これらの官能基変成体を挙げることができる。これらは単独または2種以上を併用することができる。
チキソトロープ剤としては、組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)に対して親和性の高い表面を有するものが望ましい。
引張特性を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N'−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N'−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N'−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等が挙げられ、これらは単独または2種以上併用しても構わない。
増量剤としては、本発明に係る組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられ、これらは単独または2種以上併用しても構わない。
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイン酸エステル等の脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられ、これらは単独または2種以上併用しても構わない。
前記可塑剤を配合する場合には、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して、5〜150重量部配合することが好ましい。すなわち、可塑剤の配合割合が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)及びオキシアルキレン系重合体(b)の総量100重量部に対して5重量部よりも少ないと、可塑剤としての効果が得られないことがあり、150重量部を超えると、硬化物の機械強度が低下することがある。
また、前記可塑剤の数平均分子量は、500〜15000であることが好ましい。すなわち、可塑剤の数平均分子量が500未満であると、熱や雨により可塑剤がブリードアウトすることがあり、15000を超えると、粘度が高くなり作業性が悪くなることがある。
本発明の請求項1に記載の硬化性組成物は、前記一般式(1)で表される光安定効果のある官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)と架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)とを含むため、モジュラス変化が小さく、ゴム弾性、接着性に優れた硬化物である。しかも、光安定効果のある官能基(I)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)に含まれているため、光安定剤を別途配合しなくてもよい上、ブリードアウトがなく優れた耐候性を長期間安定して保つことができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明中一般式(1)で表される光安定効果のある官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)中に、さらに架橋可能な加水分解性シリル基を有するため、より高い耐候性を有することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の請求項3の接着剤及び請求項4のシーリング材は、上述した本発明の硬化性組成物を含む。このため、本発明に係る接着剤及びシーリング材は、硬化後の硬化物が、添加物のブリードアウトがなく、優れた耐候性を長期間安定して保つことができるという優れた効果を奏し得る。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
((メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−1)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBM−502)1.8g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.8g、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート0.9g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
還流した後、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を重合系に投入した。投入してから1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。さらに重合開始から2時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化した溶液を、重合開始から3時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合開始から4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合系にそれぞれ投入した。1回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約2万(Gel Permeation Chromatography システム(GPC)による分子量ポリスチレン換算)の官能基(I)として下記構造式(2)で表される官能基を1分子中に1.0個有するとともに、架橋可能な加水分解性シリル基としてのアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。次にエバポレーターで酢酸エチルを除去してアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−1)を得た。なお、得られた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−1)の平均シリル官能基数は1.9個であった。
Figure 2008163182
((メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−2)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)2.1g、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート2.5g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
還流した後、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。投入してから1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。さらに重合開始から2時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化した溶液を、重合開始から3時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合開始から4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合系にそれぞれ投入した。1回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約3000(Gel Permeation Chromatography システム(GPC)による分子量ポリスチレン換算)の構造式(2)で表される官能基を1分子中に1.0個有し、シリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。次にエバポレーターで酢酸エチルを除去してアルコキシシリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−2)を得た。
((メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−3)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)2.1g、2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチル−4−ピペリジニルメタクリレート2.5g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
還流した後、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。投入してから1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。さらに重合開始から2時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化した溶液を、重合開始から3時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合開始から4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合系にそれぞれ投入した。1回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約3000(Gel Permeation Chromatography システム(GPC)による分子量ポリスチレン換算)の構造式(3)で表される官能基を1分子中に1.0個有し、シリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。次にエバポレーターで酢酸エチルを除去してアルコキシシリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a−3)を得た。
Figure 2008163182
((メタ)アクリル酸エステル系重合体(b−1)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBM−502)1.8g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.8g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
還流した後、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。投入してから1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。さらに重合開始から2時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化した溶液を、重合開始から3時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合開始から4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合系にそれぞれ投入した。1回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約2万(Gel Permeation Chromatography システム(GPC)による分子量ポリスチレン換算)の前記官能基(I)を持たない、架橋可能な加水分解性シリル基としてのアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。次にエバポレーターで酢酸エチルを除去してアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(b−1)を得た。なお、得られた(メタ)アクリル酸エステル系重合体の平均シリル官能基数は1.9個であった。
((メタ)アクリル酸エステル系重合体(b−2)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)2.1g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
還流した後、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1g酢酸エチルで希釈して溶液化し、重合系に投入した。投入してから1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化し、重合系に投入した。さらに重合開始から2時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048gを酢酸エチル1gで希釈して溶液化した溶液を、重合開始から3時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合開始から4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36gを酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合系にそれぞれ投入した。1回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約3000(Gel Permeation Chromatography システム(GPC)による分子量ポリスチレン換算)の前記官能基(I)及びシリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。次にエバポレーターで酢酸エチルを除去してアルコキシシリル基を持たない(メタ)アクリル酸エステル系重合体(b−2)を得た。
(架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(c))
架橋可能な加水分解性シリル基を分子中に有するオキシアルキレン系重合体として、数平均分子量20000、鐘淵工業化学社製、商品名「MSポリマーS−203」を使用した。
(硬化性組成物の調整)
(実施例1〜8及び比較例1〜3)
表1及び2に示す配合組成に各材料を配合し密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡して各硬化性組成物を得た。なお、表中、サノールLS770は、三共ライフテック社製のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートの商品名で光安定剤であり、ジオール3000は、旭硝子社製のポリプロピレングリコールの商品名で可塑剤であり、MPE−100は、コープケミカル社製の層状珪酸塩をポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母の商品名で光安定剤のブリードアウトを抑制する添加剤である。
(耐候性評価)
前記実施例及び比較例で得られた硬化性組成物の耐候性を以下の方法で評価し、その結果を表1及び2に示した。
各配合組成物を50mm×150mm(厚さ1mm)のステンレス板に0.5mm厚さで塗布し、20℃×60%の相対湿度の雰囲気下で7日間(168時間)放置して養成硬化させた後、下記条件で、500時間、1000時間及び2000時間光照射を行い、各時間経過後に表面状態を確認し、15倍ルーペで拡大して表面を観察してもクラックやチョーキングが全く見られないものを○、目視(肉眼)では確認できないが15倍ルーペで拡大して表面を観察するとクラックやチョーキングが確認できるものを△、目視(肉眼)で容易にクラックやチョーキングが確認できるものを×、と評価した。
・光照射条件
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気社製
照射強度:100mW/cm2
限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃
照射距離:235nm(光源と試料間)
Figure 2008163182
Figure 2008163182
以上の結果より、本発明の硬化性組成物によれば、耐候性に優れた接着剤及びシーリング材を提供することができることがよくわかる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表される官能基(I)を有する(メタ)アクリル酸エステルユニットを、1分子中に少なくとも1個備えた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)と架橋可能な加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(b)とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 2008163182
    (式中Xは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、又は、炭素数1〜18のアルコキシ基を表す。)
  2. (メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)が分子中に架橋可能な加水分解性シリル基を有する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性組成物を含む接着剤。
  4. 請求項1又は2に記載の硬化性組成物を含むシーリング材。
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