JP2008161303A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対のウイング部7を有する吸収性物品1であり、ウイング部の少なくとも肌当接面側が、不織布からなる上層2とシート状物からなる下層3とが部分的に接合されて多数の接合部4が形成された立体シート10からなる。立体シート10は、上層2の接合部4以外の部分が多数の凸部5を形成し、凸部5及び接合部4は、交互に且つ一方向に列をなすように配置され、該列が多列に配置されている。その一の列における任意の一つの凸部に着目したとき該列に隣り合う左右の列においては、一つの凸部と隣り合う位置に凸部が位置しない。立体シート10は、各列が延びる方向を吸収性物品の長手方向と略一致させて配されている。
【選択図】図2
Description
ウイング部は、使用中における吸収性物品の位置ズレやヨレを防止したり、吸収性物品を固定するショーツ等の下着が汚れることを防止するものである。
一般に、ウイング部は、非肌当接面側の面に粘着部が設けられており、吸収性物品をショーツ等に固定する際に、クロッチ部の側縁に沿って折り曲げられ、該粘着部を介してクロッチ部の非肌対向面に固定される。
また、特許文献2には、捲縮した捲縮性繊維及び熱融着性繊維を含み伸縮性を有する不織布を用いてウイング部を構成し、該不織布に形成する熱融着部の形成パターンを異ならせることにより、該ウイング部に伸縮性が異なる複数の領域を設けた吸収性物品が記載されている。
しかし、ウイング部を構成する複合シートに設けられたプラスチックフィルムの細片が肌に触れるため肌触り等の風合いが劣り、また、プラスチックフィルムが固定されている部分が肌に密着して空気の流通を妨げるため、通気性も不十分である。
また、特許文献2の吸収性物品においては、ウイング部を構成する不織布における前記熱融着部を設けた部分が凹部となっているが、ウイング部の基部付近に良好な伸縮性を与えるためには、その部分の熱融着部の数をなるべく少なくする必要がある。そのため、ウイング部の基部付近に、良好な折れ曲がり易さと良好な通気性とを同時に付与することは難しい。
本発明の吸収性物品の第1実施形態である生理用ナプキン1は、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収層20及び液不透過性の防漏層30を具備する縦長の吸収性本体6と、吸収性本体6の長手方向の両側に設けられた一対のウイング部7,7とを有してなる。
立体シート10は、サイド防漏部8を構成する部分と、吸収性本体6から側方に延出して、ウイング部7の一部を構成している部分とを有している。
ウイング部7は、図2に示すように、立体シート10における、吸収性本体6から側方に延出した部分と、上述した裏面シート31における、吸収性本体6から側方に延出した部分31aとの2層構造を有し、ウイング部7における立体シート10と裏面シートの延出部分31aとの間は接着剤等により接合一体化されている。ウイング部7の非肌当接面側の面には、該ウイング部7を、ショーツのクロッチ部の非肌対向面に固定するための、粘着部71が形成されている。クロッチ部の非肌対向面には、上下層からなる2層構造のクロッチ部における上層の下面も含まれる。
立体シート10は、上層2と下層3からなる2層構造を有し、上層2と下層3とは多数の接合部4において部分的に接合されている。上層2は、接合部4以外の部分において着用者の肌側に向けて突出しており凸部5を形成している。凸部5の内部は空洞になっている。
即ち、図4に示すように、周面が凹凸形状となっている第1のロール11と、該第1のロール11の凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロール12と噛み合わせ部に、実質的に伸縮しない不織布からなる上層2を噛み込ませて該上層2を凹凸賦形し、凹凸賦形した上層2を、吸引によって第1のロール11における該周面に凹凸賦形された状態のまま保持しつつ、該上層2に、実質的に伸縮しないシート状物からなる下層3を重ね合わせ、該下層3を、第1のロール11における凸部上に位置する該上層2と接合して、凸部5を有する上記立体シート10を得る。
また、図4においては、上層2及び下層3が、それぞれ、ロール状の原反2’,3’から繰り出されているが、それに代えて、上層2を構成する不織布や下層3を構成するシート状物の製造ラインを、立体シート10の製造ラインに連続して設けても良い。
尚、立体シート10の製造方向の特に説明しない点は、特開2004−174234号公報に記載の表面シートの製造方法と同様とすることができる。
そのため、ナプキン1のウイング部7は、立体シート10の折り曲げ易さの異方性に起因して、ナプキン1の長手方向に沿って優先的に折れ曲がるようになっている。即ち、ナプキンの長手方向LDに沿って折れ曲がる折れ曲がり易さと、ナプキンの幅方向に沿って折れ曲がる折れ曲がり易さとを比較したときに、前者の方が折れ曲がり易くなっている。ナプキン1の長手方向に沿って折れ曲がるとは、ナプキン1の長手方向と略平行な折り線が生じるように折れ曲がることを意味する。
また、立体シート10の肌当接面側に、多数の凸部5が形成され、凸部5と凸部5との間を空気が流れるため、ウイング部7の肌当接面付近に良好な通気性を確保することができ、ムレ等が生じることを防止できる。特に、本実施形態における凸部5は、内部が空洞であり、内部が中実な構造に比べ、凸部5内部の通気性も優れているため、凸部の内部を介在しても空気が流れることが期待できるため、通気性やムレ防止性に一層優れている。
不織布としては、カード法により得た繊維ウエブにエアースルー法で繊維同士の熱融着点を形成したエアースルー不織布、カード法により得た繊維ウエブにヒートロール法で繊維同士の熱融着点を形成したヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布等の種々の不織布を用いることができる。
第1実施形態においては、下層3を構成するシート状物も不織布であるが、本発明において下層3を構成するシート状物は、不織布に限られず、例えば、樹脂フィルム、紙表面に樹脂フィルムをラミネートしたラミネート紙、紙に熱可塑性ポリマーから成る熱融着繊維を複合した複合紙等であっても良い。
捲縮した繊維としては、機械的にジグザク形状に屈曲させた2次元的な捲縮繊維、又は螺旋状の捲縮を発現した3次元的な捲縮繊維を用いることができる。螺旋状の捲縮を発現した捲縮繊維としては、熱処理により螺旋状の捲縮を発現した潜在捲縮性繊維が好ましく用いられる。潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許第2759331号公報に記載のものが挙げられる。収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料の例としては、例えばポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)との組み合わせや、エチレン−プロピレンランダム共重合体(EP)とポリプロピレン(PP)との組み合わせ等が好適に挙げられる。捲縮繊維は、上層2を構成する不織布中に50重量%以上、特に70〜90重量%含まれていることが好ましい。
撥水性の不織布としては、本質的に疎水性のポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、セルロースアセテート繊維や、本質的に親水性のレーヨン、リヨセル、テンセル等のセルロース繊維やポリビニルアルコールに、撥水化油剤を塗布し、実質的に疎水性とした繊維から成る、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布等を用いることができる。
また、X方向(列方向)に沿う凸部5の底部寸法Aは2〜30mm、特に2〜5mmであることが好ましく、Y方向(列方向と直交する方向)に沿う底部寸法Bは2〜30mm、特に2〜5mmであることが好ましい。
また、凸部5の底面積は4〜900mm2 、特に4〜25mm2 であることが好ましい。X方向(列方向)での接合部4の接合長さC(図3参照)は、0.1〜20mm、特に0.5〜5mmであることが、通気性を向上させる点から好ましい。
第2実施形態については、上述した第1実施形態と相違する点を特に説明し、同様の点について同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態に関して上述した説明が適宜適用される。
第2実施形態における立体シート10’も、第1実施形態で用いた立体シート10’と同様の構成を有し、ウイング部7に、該立体シート10’が、凸部5と接合部4からなる列が、ナプキンの長手方向と略一致するように配されている。そのため、ウイング部7が、ナプキン1’の長手方向に沿って優先的に折れ曲がり、第1実施形態のナプキン1と同様の効果が奏される。
また、立体シートはウイング部の一部のみに配されていても良く、例えば、ウイング部7を、クロッチ部の側縁に沿って折り曲げる際の折り曲げ部となるウイング部7の基部付近P(図1参照)のみに立体シート10が配されていて良い。第1実施形態の生理用ナプキンにおけるウイング部は、肌当接面の略全域が立体シート10から形成されている。
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー、失禁パッド等であっても良い。
10,10' 立体シート
2 上層
3 下層
4 接合部
5 凸部
6 吸収性本体
7 ウイング部
Claims (7)
- 吸収層及び防漏層を具備する縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の両側に設けられた一対のウイング部とを有する吸収性物品において、
前記ウイング部の少なくとも肌当接面側が、不織布からなる上層とシート状物からなる下層とが部分的に接合されて多数の接合部が形成されている立体シートからなり、
前記立体シートは、前記上層が、前記接合部以外の部分において着用者の肌側に向けて突出して多数の凸部を形成しており、該凸部及び該接合部は、交互に且つ一方向に列をなすように配置され、更に該列が多列に配置されており、一の列における任意の一つの凸部に着目したときに、該列に隣り合う左右の列においては、該一つの凸部と隣り合う位置に凸部が位置しておらず、
前記立体シートは、前記各列が延びる方向を吸収性物品の長手方向と略一致させて配されている、吸収性物品。 - 前記上層を構成する不織布は、構成繊維の平均繊度が0.1〜5.0dtexである、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記上層を構成する不織布は、捲縮した繊維を含んでいる、請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記上層を構成する不織布が、撥水性である、請求項1〜3の何れか記載の吸収性物品。
- 前記凸部は、内部が空洞である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記下層を構成するシート状物が不織布である、請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記下層を構成するシート状物が、防漏性且つ通気性の樹脂フィルムである、請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
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