JP2008159363A - 携帯型燃料電池及び該携帯型燃料電池の制御方法 - Google Patents

携帯型燃料電池及び該携帯型燃料電池の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料残量検出と燃料濃度検出を1つのセンサによって行い、いかなる方向に燃料電池を置いても安定的に発電を開始、維持可能な携帯型燃料電池及び該携帯型燃料電池の制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の携帯型燃料電池は、電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟持した構造の膜・電極接合体であるMEAを多段接続し、MEAの電極部分に燃料を供給するための燃料流路を備えたMEAスタック100と、MEAスタック100に供給する燃料を一時的に滞留させる燃料槽102と、燃料槽102に着脱可能に接続された燃料カートリッジ104と、燃料を燃料カートリッジ104から燃料槽102へ供給するためのポンプ107と、燃料流路中に設置され、燃料の濃度を検出する濃度センサ101と、濃度センサ101の出力値に基づいてポンプ107を制御するコントロールユニット103とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯型燃料電池及び該携帯型燃料電池の制御方法に関するもので、特に燃料供給制御に必要となる燃料濃度センサを用いた燃料残量検出に関する。
燃料電池は、水素ガスやメタノール等の燃料流体と、酸化用流体(空気に含まれる酸素)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う発電装置である。例えば、固体高分子型の燃料電池の場合、各発電体部分は、固体高分子からなる電解質膜を酸素側電極と燃料側電極とで挟み込んだ構造をなしており、酸素側電極には酸素を供給するために空気が供給され、燃料側電極には燃料流体が供給され、電気化学的な反応により発電が行われる。
水素ガスを燃料として用いる燃料電池は、発電により生成される生成物が水であり、環境を汚染することがないクリーンな電源として近年注目されている。例えば、電気自動車や住宅用電源システム等、大型のシステムにおいて実用化が期待されている一方、固体高分子型の燃料電池が小型、軽量であるという特徴を生かして、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器の電源としての応用も検討されている。燃料電池の発電体部分は、電解質膜・電極複合体又はMEA(Membrane and Electrode Assembly)と呼ばれており、複数の発電セルを直列に電気的接続することでスタック構造の燃料電池が構成されている。
このような携帯型電子機器等に用いられる燃料電池において、水素ガスに比べて取り扱いが容易なメタノールを燃料として用いるダイレクトメタノール方式の燃料電池(DMFC)システムが有利と考えられている。このダイレクトメタノール方式の燃料電池システムでは、電子機器にメタノールで満たした燃料カートリッジを電子機器に装着し、燃料カートリッジ内のメタノールを燃料電池に供給することで発電が行われる。
ダイレクトメタノール型の燃料電池の発電では、
アノード電極:CH3OH + H2O → 6H+ + 6e- + CO2
カソード電極:6H+ + 6e- + 1.5O2 → 3 H2
の反応が起こる。
即ち、アノード電極ではプロトンと電子と二酸化炭素が発生し、電子は外部回路を通ることによって発電に用いられ、二酸化炭素は大気中に排出される。また、プロトンはプロトン導電性電解質を通ってカソード電極に到達する。一方、カソード電極ではアノード電極から到達したプロトンと外部回路を通ってきた電子と空気中の酸素が反応して水が生成される。よって、DMFCの生成物は理論的に水と二酸化炭素のみとなり環境にやさしいクリーンなものとして大気中に排出される。
ダイレクトメタノール型燃料電池システム、特に補機を用いて燃料供給を行うアクティブ型では、液体燃料の絶対量およびそれに含まれるメタノールの濃度制御が安定で信頼性の高い発電を行うための重要な要素である。メタノール濃度が低すぎる場合には、十分な量の燃料がMEAに供給されず、発電性能が低下するだけでなくMEAの深刻な劣化をもたらしてしまう。
またメタノール濃度が高すぎる場合には、メタノールがアノード電極で酸化されずにカソード電極に透過するクロスオーバー現象が発生し、発電効率が低下したり触媒電極や電解質材料が燃料中に溶出したりしてしまうという問題も発生する。一方燃料の量が少ない場合は、燃料の濃度が低い場合と同様に還元剤となるメタノールが十分供給されない状態で電流が引かれると、燃料以外の物質を酸化しようとするため、アノード電極の劣化が進行し、ついにはMEAの劣化/損傷に至ってしまう。
そこで液体燃料中のメタノール濃度およびその絶対量を制御することが要求されており、そのためには燃料電池システム中に濃度センサおよび燃料残量センサを設けて、液体燃料に含まれるメタノール濃度および量を把握し制御することが行なわれている。メタノール濃度を測定するための方法としては、MEAの電圧値から燃料の濃度を算出する方法(特許文献1、図3参照)、超音波の伝播速度の違いを利用して燃料の濃度を算出する方法(特許文献2参照)、燃料の密度(比重)の変化から濃度を算出する方法、MEAのクロスオーバーによる温度上昇から燃料の濃度を算出する方法、静電容量の違いから燃料の濃度を算出する方法、光学的な屈折率を利用して燃料の濃度を算出する方法などが提案されており、また、低濃度時の限界電流を利用して濃度を測定する例も報告されている。一方燃料残量センサについては、静電容量の変化を検出する方法、光学的な手法で液面の反射位置によって残量を検出する方法、フロートによる位置検出等、液面の位置を検出する場合が多く、燃料の重量を検出する方法もある。
特公平6−26132号公報 特開平11−23541号公報
通常、燃料電池の始動時は、適切な濃度の液体燃料がMEAへ十分供給された後に発電を開始する必要がある。もっとも、濃度センサで燃料の濃度を検出するにしても、燃料が連続的に濃度センサに供給されなければ、燃料の濃度を測定し、追加する燃料の量及び濃度を決定することは不可能である。従って、燃料電池の始動シーケンスは、まず燃料の残量検出を行い、燃料が不足するようであれば適切な濃度の燃料を供給することから始まり、ついで濃度センサによって濃度を測定し、適正な濃度及び量となるように燃料カートリッジから燃料を供給して、燃料残量及び燃料濃度が規定値に達すると発電準備が完了する。
ここで、液体燃料残量を検出する方法として、その重量を測定すれば最も信頼できる値を得ることができ、燃料電池の設置方向を固定可能な定置型であれば十分実用化可能である。しかしながら携帯機器に適用される小型の燃料電池の場合、いかなる方向に燃料電池が置かれても発電可能とする必要があり、発電システム全体あるいは一部分の重量を測定することは困難となる。また、燃料カートリッジから燃料補給を受け、混合された燃料を燃料電池スタックへ供給し、また、燃料電池スタックより排出される燃料を受ける燃料槽の全容積に対する燃料の量を測定するために、燃料槽に対する燃料液面を検出する方法も、静電容量式、光学式、磁気式等多種存在するが、いかなる方向においてもその燃料の量を測定するためには、傾斜センサと複数の液面センサを組み合わせて計算する必要があり、コントロールユニット内のCPUパワーに対する負荷が増加するとともに大きなコストアップ要因となる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、燃料残量検出と燃料濃度検出を1つのセンサによって行い、いかなる方向に燃料電池を置いても安定的に発電を開始、維持可能な携帯型燃料電池及び該携帯型燃料電池の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の携帯型燃料電池は、電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟持した構造の膜・電極接合体であるMEAを多段接続し、MEAの電極部分に燃料を供給するための燃料流路を備えた燃料電池スタックと、燃料電池スタックに供給する燃料を一時的に滞留させる燃料槽と、燃料槽に着脱可能に接続された燃料カートリッジと、燃料を燃料カートリッジから燃料槽へ供給するための供給手段と、燃料流路中に設置され、燃料の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサの出力値に基づいて供給手段を制御するコントロールユニットと、を有する。
本発明の携帯型燃料電池は、コントロールユニットが、燃料カートリッジから燃料槽への燃料の供給量を濃度センサの出力値に基づいて供給手段を制御するため、燃料供給に際して濃度センサ以外のセンサを必要としない。すわなち、本発明の携帯型燃料電池は、燃料残量検出と燃料濃度検出を1つのセンサによって行うことができる。
本発明の携帯型燃料電池の濃度センサは、燃料電池スタックから燃料が排出される燃料排出流路内に設置されているものであってもよい。燃料電池の運転においては、特に低濃度での運転がMEA性能を損傷する可能性が高い。このため、燃料の濃度が最も低くなる燃料排出流路内の燃料の濃度を測定し、この情報に基づいて燃料電池の運転状態を制御することでシステム全体としての信頼性を向上させることができる。
本発明の携帯型燃料電池の燃料槽内には、燃料カートリッジからの燃料を燃料槽に供給するための流路の燃料槽側の端部である燃料注入口と、燃料電池スタックから燃料槽へと排出される燃料の流路である燃料排出流路の燃料槽側の端部である燃料排出口と、燃料槽の燃料を燃料電池スタックに供給するための流路の燃料槽側の端部である燃料吸入口とが配置されている。そして、燃料注入口と燃料排出口との間の距離は、燃料吸入口と燃料注入口との間の距離、及び燃料吸入口と燃料排出口との間の距離よりも短くなるように設定されている。濃度の低い燃料が排出される燃料排出口及び濃度の高い燃料が供給される燃料注入口を燃料吸入口から離れた位置に設置することで、燃料電池を安定的に動作させることができる。
また、本発明の携帯型燃料電池の燃料吸入口は、燃料槽の概ね重心に位置するものであってもよい。
燃料吸入口は、燃料槽の重心に位置させることで、燃料電池がいかなる姿勢にあっても、燃料槽における容量の半分以上の燃料があれば、燃料供給が滞ることを防止することができる。また、燃料電池の姿勢が変化した場合でも、燃料供給が滞る時間を最小とすることができる。
また、本発明の携帯型燃料電池の燃料排出口は、矩形断面を有する燃料槽の対角線のうちの最大長さの少なくとも1/4以上の距離だけ燃料吸入口から離れた位置に配置されているものであってもよい。
また、本発明の携帯型燃料電池の燃料カートリッジには濃度の異なる少なくとも2種類の燃料が貯留されており、供給手段は、各濃度の燃料を個別に燃料カートリッジから燃料槽へ供給するものであってもよい。この場合、必要に応じて適正な濃度の燃料を適正量注入することができ、かつ燃料の濃度を連続的に変化させることができるので外部環境変化に対して追従性が高く、信頼性に優れた携帯型燃料電池を提供することが可能となる。
また、本発明の携帯型燃料電池の濃度センサは、燃料の密度変化あるいは燃料の比重の変化を検出するものであってもよいし、さらには燃料内を伝搬する音速の変化を検出するものであってもよい。これらの検出方法による濃度センサを用いることで燃料の濃度が100%以上となった場合であっても濃度センサからの出力値を得ることができる。
本発明の携帯型燃料電池の制御方法は、本発明の携帯型燃料電池の制御方法であって、濃度センサの出力値が濃度100%以上の値を連続的に示した場合、コントロールユニットは、燃料電池スタックには燃料が無いと判断し、燃料を燃料カートリッジから燃料槽に規定の量だけ供給するように供給手段を制御する。
また、本発明の携帯型燃料電池の制御方法は、濃度センサの出力値が濃度100%以上の値と濃度100%未満の値との間で振動した場合、コントロールユニットは、出力値の振動周期に応じて燃料電池スタック内の燃料の量を推定し、推定した燃料の量と濃度センサの濃度100%未満の出力値に基づいて、燃料カートリッジから燃料槽に規定の量だけ燃料を供給するように供給手段を制御するものであってもよい。
以上のとおり、本発明の携帯型燃料電池の制御方法は、濃度センサによって、燃料の濃度のみならず、燃料の残量の検出も行うため、燃料供給に際して濃度センサ以外のセンサを必要としない。
また、本発明の携帯型燃料電池の制御方法は、燃料カートリッジには濃度の異なる少なくとも2種類の燃料が貯留されており、濃度センサの出力値が濃度100%以上の値を連続的に示した場合、コントロールユニットは、燃料電池スタックには燃料が無いと判断し、燃料カートリッジから燃料槽に各濃度の燃料を規定の濃度及び規定の量だけ供給するように供給手段を制御するものであってもよい。この場合、
複数の種類の濃度の燃料を使用し、必要に応じて適正な濃度の燃料を適正量注入することができ、かつ燃料の濃度を連続的に変化させることができるので外部環境変化に対して追従性が高く、信頼性に優れた携帯型燃料電池を提供することが可能となる。
燃料の濃度センサを利用して燃料の残量検出が可能となるため、別の燃料残量センサが不要であり、かつ燃料電池がいかなる方向に置かれても燃料電池スタック内の燃料の量を推定可能であるため、燃料電池による発電を安定的に維持することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の携帯型燃料電池の構成図である。また、図2は、本実施形態の携帯型燃料電池における燃料吸入口、燃料排出口、燃料注入口の位置関係を示す図である。また、図3は、濃度センサの出力変動の一例を示すグラフである。
電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟持した構造の膜・電極接合体であるMEAが多段直列あるいは並列接続されたMEAスタック100は、カソード側に送風ファン105によって空気中の酸素が供給され、アノード側には、燃料槽102に貯蔵された液体燃料、DMFCではメタノールが、ポンプ106によって供給される。燃料を貯蔵し、着脱可能な燃料カートリッジ104は、ポンプ107を介して接続される。燃料カートリッジ104内の燃料は、燃料槽102中の液体燃料が規定値以下になった場合にポンプ107が動作することで燃料槽102へと燃料が供給される。燃料カートリッジ104側からの燃料供給に際して、燃料槽102の内圧が上昇し、燃料供給圧力が上昇することによるMEAへの損傷を回避するために、内圧調整機構108が設けられている。
さらに液体燃料の比重、密度あるいは音速を検出する濃度センサ101がMEAスタック100からの燃料を燃料槽102へ戻す燃料排出流路中に設けられている。コントロールユニット103は濃度センサ101の出力値に応じて、送風ファン105、ポンプ106、107等の補機類を動作させる。濃度センサ101が燃料排出流路中に設けられているのは、以下の理由による。燃料電池の運転においては、特に低濃度での運転がMEA性能を損傷する可能性が高い。つまり、燃料の濃度が最も低くなる燃料排出流路内の燃料の濃度を測定し、この情報に基づいて燃料電池の運転状態を制御することでシステム全体としての信頼性を向上させるためである。
次に、燃料吸入口、燃料排出口、燃料注入口の位置関係について図2を用いて説明する。なお、図1に示した携帯型燃料電池とはレイアウトは異なるが、同じ携帯型燃料電池である。
燃料槽102の燃料をMEAスタック100に供給するための流路の燃料槽102側の端部である燃料吸入口120は燃料槽102の概ね重心位置に配置されている。燃料吸入口120が燃料槽102の重心位置に配置されることで、燃料電池がいかなる姿勢にあっても、燃料槽102における容量の半分以上の燃料があれば、燃料供給が滞ることはない。また、燃料電池の姿勢が変化した場合でも、燃料供給が滞る時間を最小とすることができる。
MEAスタック100から燃料槽102へと排出される燃料の流路である燃料排出流路の燃料槽102側の端部である燃料排出口116は、燃料吸入口120から離れた位置に配置されている。また、燃料カートリッジ104からの燃料を燃料槽102に供給するための流路の燃料槽102側の端部である燃料注入口117も燃料吸入口120から離れた位置に配置されている。これら燃料排出口116及び燃料注入口117を燃料吸入口120より離れた位置に設置するのは、燃料槽102中の燃料の濃度を可能な限り均一化し、燃料電池を安定的に動作させるためである。燃料排出口116からは濃度の低い燃料が排出される。一方、燃料注入口117は濃度の高い燃料が供給される。仮に、このように濃度差の高い燃料が燃料吸入口120に供給されると、燃料槽102中の平均的な燃料の濃度に対して大きく異なる燃料が濃度センサ101によって検出される。そして、濃度センサ101の検出結果に基づき、コントロールユニット103からの制御信号に基づき、ポンプ106、107等の補機類が動作することとなるが、実際の燃料の濃度が大きく変動するため、燃料電池を安定的に動作させることが困難となる。そこで、このような不具合を防止するため、上述したように燃料吸入口120及び燃料注入口117を燃料吸入口120より離れた位置に設置している。
燃料吸入口120と、燃料排出口116及び燃料注入口117の、燃料槽102内での間隔は、燃料吸入口120が概燃料槽102の重心に設置されるため、最も効果が期待できるのは矩形断面形状の燃料槽102の場合、槽内で最も離れた位置となる、概ね対角線距離の1/2の位置であるが、少なくとも対角線距離の1/4以上離れていれば、十分な効果が得られる。また、別の効果として、燃料排出口116と燃料注入口117を接近させることによって、濃度の異なる燃料をより早く均一に混合することが可能になる。
次に、図1、図2に示したような構成を有するダイレクトメタノール型燃料電池において、密度あるいは濃度あるいは音速検出型濃度センサを使用した場合の濃度出力値の典型的な変化を示すグラフを図3に示す。
燃料電池の運転を開始した時、濃度表示が100%を超えている部分は、100%メタノールより軽い物質、具体的には空気が混入していることを示している。したがって、この値が一定期間連続的に続く場合には、コントロールユニット103は、MEAスタック100には燃料が無いものと判断し、燃料カートリッジ104より燃料注入を開始する。
一方、燃料の濃度が振動し始めた領域は、ある姿勢において、燃料槽102内での燃料液面が燃料吸入口115に達したことを示している。図3では、濃度センサ101の出力値が100%以上の値と、0%〜100%以内の値の間で振動している。この時点では、燃料槽102内の燃料は燃料電池を安定的に発電できる量にまでは達していないが、単位時間あたりの燃料供給量を減じることで燃料供給のオーバーシュートを抑制できることから、燃料槽102の容積を小型化することが可能となる。なお、燃料の濃度の振動周期に応じてMEAスタック100内の燃料の量を推定し、その推定量と濃度センサの0%〜100%内の出力値に応じて、燃料カートリッジ104より、燃料を規定の濃度及び燃料の量だけ供給するようにコントロールユニット103はポンプ106、107を制御するようにしてもよい。この場合、コントロールユニット103には、予め、燃料の濃度の振動周期に対応するMEAスタック100内の推定燃料の量のマップを記憶保持させておく。
濃度センサ101の出力値が0%〜100%以内の濃度を示すようになると、MEAスタック110への燃料供給は十分となり、発電開始可能な状態になる。しかしながら、実際にこの状態から発電を開始すると、発電による燃料減少によって、すぐに濃度センサ101の出力が振動し始めるため、所定の燃料の量を更に加えた段階で燃料供給を停止し発電を開始するほうが好ましい。この場合も、予めコントロールユニット103に記憶保持された燃料の量のマップに基づき、燃料が補給される。
なお、以上のような始動シーケンスを行った後、燃料電池の姿勢を変化させると、燃料吸入口115が燃料槽102の概ね重心位置にない場合、やはり濃度センサ101の出力が振動し始めるが、その場合は上述したシーケンスと同様の燃料補給を行うことによって、安定な発電状態に速やかに移行することができる。
なお、本実施形態の濃度センサによる濃度の検出方法は、MEAの電圧値から燃料の濃度を算出する方法、超音波の伝播速度の違いを利用して燃料の濃度を算出する方法、燃料の密度(比重)の変化から濃度を算出する方法、MEAのクロスオーバーによる温度上昇から燃料の濃度を算出する方法、静電容量の違いから燃料の濃度を算出する方法、光学的な屈折率を利用して燃料の濃度を算出する方法などであってもよい。
特に本実施形態の場合、濃度センサ101は、出力値が100%を超える場合についても検出する必要があることから、燃料の密度(比重)の変化から濃度を算出するタイプのセンサ、あるいは燃料内を伝搬する音速の変化から濃度を算出するタイプのセンサを用いることが好ましい。これ以外のセンサの場合、出力値が100%を超える場合、濃度を検出できない場合があるからである。
以上、本実施形態によれば、燃料残量検出と燃料濃度検出を1つの濃度センサによって行うので、コントロールユニット内のCPUパワーに対する負荷の低減及びコストダウンを図ることができる。また、燃料吸入口が燃料槽の重心位置に配置されることで、燃料電池がいかなる姿勢にあっても、燃料槽における容量の半分以上の燃料があれば、燃料供給が滞るのを防止することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態の携帯型燃料電池の構成図である。
本実施形態の基本的な燃料電池システム構成は図1に示した構成と同様であるが、燃料カートリッジ204が、定常運転時の濃度より高い濃度の燃料、及び定常運転時の濃度より低い濃度の燃料の2種類を貯留可能なように分割されている点で異なる。基本的な始動シーケンスも上述した第1の実施形態とほぼ同一であるが、燃料カートリッジ204から注入する燃料の濃度のみ異なる。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成部品には第1実施形態の説明で用いた符号と同じ符号を用いて説明する。
燃料カートリッジ204の定常運転時の濃度より高い濃度の燃料はポンプ107aが稼働することで燃料槽102に供給される。一方、定常運転時の濃度より低い濃度の燃料はポンプ107bが稼働することで燃料槽102に供給される。
燃料電池を始動させたときに、濃度センサ101の出力値が図3に示すような濃度変化を示し、燃料電池の始動時から濃度表示が100%を超える値を示し、燃料流路にほぼ気体が充満していると判断される場合には、以下の制御が行われる。すわなち、この場合、コントロールユニット103は、定常的な発電を行う場合の濃度となる燃料を供給するよう、ポンプ107a、107bを制御することで2種類の燃料供給比率を変えて燃料を燃料槽102へ供給する。
続いて濃度センサ101からの出力値が振動し始めると、コントロールユニット103は、ポンプ107a、107bを制御して燃料供給量を徐々に減じ、さらに燃料の濃度を定常発電時の濃度に近づける。
最後に濃度センサ101の出力値の振動が停止してから、さらに同じ濃度の燃料を規定値だけ加えて燃料供給を停止した後、発電を開始する。
また、定常発電時において、燃料電池の姿勢が変化した場合においても同様のシーケンスによって、燃料供給を行うことによって安定な発電状態を維持することが可能となる。
以上、本実施形態によれば第1の実施形態と同様に、燃料残量検出と燃料濃度検出を1つの濃度センサによって行うので、コントロールユニット内のCPUパワーに対する負荷の低減及びコストダウンを図ることができる。また、燃料吸入口が燃料槽の重心位置に配置されることで、燃料電池がいかなる姿勢にあっても、燃料槽における容量の半分以上の燃料があれば、燃料供給が滞るのを防止することができる。
また、本実施形態の場合、2種類の濃度の燃料を使用し、必要に応じて適正な濃度の燃料を適正量注入することができ、かつ燃料の濃度を連続的に変化させることができるので外部環境変化に対して追従性が高く、信頼性に優れた携帯型燃料電池を提供することが可能となる。
なお、本実施形態では燃料カートリッジに貯留された燃料の濃度は2種類としたが、3種類以上であってもよい。
本発明の第1の実施形態を示す携帯型燃料電池の構成図である。 本発明の第1の実施形態における、燃料吸入口、燃料排出口、燃料注入口の位置関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、濃度センサの出力変動を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態を示す携帯型燃料電池の構成図である。
符号の説明
100 MEAスタック
101 濃度センサ
102 燃料槽
103 コントロールユニット
104 燃料カートリッジ
105 送風ファン
106、107、107a、107b ポンプ
108 内圧調整機構
116 燃料排出口
117 燃料注入口
120 燃料吸入口

Claims (11)

  1. 電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟持した構造の膜・電極接合体であるMEAを多段接続し、前記MEAの電極部分に燃料を供給するための燃料流路を備えた燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに供給する燃料を一時的に滞留させる燃料槽と、
    前記燃料槽に着脱可能に接続された燃料カートリッジと、
    燃料を前記燃料カートリッジから前記燃料槽へ供給するための供給手段と、
    前記燃料流路中に設置され、燃料の濃度を検出する濃度センサと、
    前記濃度センサの出力値に基づいて前記供給手段を制御するコントロールユニットと、を有する携帯型燃料電池。
  2. 前記濃度センサは、前記燃料電池スタックから燃料が排出される燃料排出流路内に設置されている、請求項1に記載の携帯型燃料電池。
  3. 前記燃料槽内には、前記燃料カートリッジからの燃料を前記燃料槽に供給するための流路の前記燃料槽側の端部である燃料注入口と、前記燃料電池スタックから前記燃料槽へと排出される燃料の流路である燃料排出流路の燃料槽側の端部である燃料排出口と、前記燃料槽の燃料を前記燃料電池スタックに供給するための流路の前記燃料槽側の端部である燃料吸入口とが配置されており、前記燃料注入口と前記燃料排出口との間の距離は、前記燃料吸入口と燃料注入口との間の距離、及び前記燃料吸入口と前記燃料排出口との間の距離よりも短い、請求項1または2に記載の携帯型燃料電池。
  4. 前記燃料吸入口は、前記燃料槽の概ね重心に位置する、請求項3に記載の携帯型燃料電池。
  5. 前記燃料排出口は、矩形断面を有する前記燃料槽の対角線のうちの最大長さの少なくとも1/4以上の距離だけ前記燃料吸入口から離れた位置に配置されている、請求項4に記載の携帯型燃料電池。
  6. 前記燃料カートリッジには少なくとも濃度の異なる2種類の燃料が貯留されており、前記供給手段は、各濃度の燃料を個別に前記燃料カートリッジから前記燃料槽へ供給する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯型燃料電池。
  7. 前記濃度センサは、燃料の密度変化あるいは燃料の比重の変化を検出する、請求項1ないし6いずれか1項に記載の携帯型燃料電池。
  8. 前記濃度センサは、燃料内を伝搬する音速の変化を検出する、請求項1ないし6いずれか1項に記載の携帯型燃料電池。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の携帯型燃料電池の制御方法であって、
    前記濃度センサの出力値が濃度100%以上の値を連続的に示した場合、前記コントロールユニットは、前記燃料電池スタックには燃料が無いと判断し、燃料を前記燃料カートリッジから前記燃料槽に規定の量だけ供給するように前記供給手段を制御する、携帯型燃料電池の制御方法。
  10. 前記濃度センサの出力値が濃度100%以上の値と濃度100%未満の値との間で振動した場合、前記コントロールユニットは、前記出力値の振動周期に応じて前記燃料電池スタック内の燃料の量を推定し、前記推定した燃料の量と前記濃度センサの濃度100%未満の出力値に基づいて、前記燃料カートリッジから前記燃料槽に規定の量だけ燃料を供給するように前記供給手段を制御する、請求項9に記載の携帯型燃料電池の制御方法。
  11. 前記燃料カートリッジには濃度の異なる少なくとも2種類の燃料が貯留されており、前記濃度センサの出力値が濃度100%以上の値を連続的に示した場合、前記コントロールユニットは、前記燃料電池スタックには燃料が無いと判断し、前記燃料カートリッジから前記燃料槽に前記各濃度の燃料を規定の濃度及び規定の量だけ供給するように前記供給手段を制御する、請求項9または10に記載の携帯型燃料電池の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012128024A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 パナソニックEsパワーツール株式会社 発電装置

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