JP2004206923A - パッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】大画面、高精細、輝度均一、低消費電力を可能としたパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネルを提供する。
【解決手段】水平画素数がD(Dは2以上の整数)、垂直ライン数がL(Lは2以上の整数)であるPM型有機ELパネルであって、垂直ライン数Lあるいは水平画素数DをN(Nは2以上の整数)分割して構成され、N分割してできたそれぞれの分割有機エレクトロルミネセンスパネルを、別個に走査することが可能なPM型有機ELパネル。さらに、N分割してできたそれぞれの分割有機ELパネルごとの有機発光層を封止膜で包囲するとよい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像情報、画像情報を表示する有機エレクトロルミネセンスパネル(以下、有機ELパネルという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(以下、有機ELディスプレイという)は自発光、高速応答、広視野角など液晶ディスプレイには持ち合わせていない優れた特徴を有しているため、文字図形画像や動画像表示が鮮明にできるフラットパネルディスプレイとして期待が大きい。
【0003】
有機ELディスプレイは駆動方法により、パッシブマトリクス型(以下、PM型という)とアクティブマトリクス型(以下、AM型という)に分類できる。PM型は有機ELパネルの外部に駆動回路を設けるため、有機ELパネル自体の構造が簡単となり低コストで実現できると言われている。既にPM型のものが車載用や携帯電話用で製品化されている。有機ELは電流駆動素子であるので、有機ELパネルの輝度ばらつきをなくすためには、各発光画素に流れる電流を同じ大きさにする必要がある。しかし、つぎの(1)から(3)に示す問題により同一電流にすることと低消費電力にすることが困難である。
【0004】
(1)全画素の輝度を均一にするには、各画素に流れる電流を同一にしなければならない。そのためには各画素の陽極か陰極かのどちらか一方を定電流源にする。しかし、定電流源として動作させるためには、バスラインの抵抗成分による電圧降下分の影響がないように、他方側のマトリクス電極の駆動電圧を高くする必要がある。これは消費電力を大きくする要因となる。駆動電圧が充分に高くできない場合、各画素までのバスライン長の長さに対応した電圧降下分が発光のための電流量に影響を与える。すなわち定電流源にならず輝度ばらつきの原因をつくる。
【0005】
(2)PM型は所定の面輝度を得るために、表示パネルの走査線の数をn本とすると瞬間輝度はn倍で発光させる必要がある。通常、画素に流れる電流と発光輝度は比例するので流すべき電流はn倍となる。ところが有機ELは流す電流が大きくなれば発光効率が低下する特性となっているため、所定の面輝度を得るにはn倍以上の画素電流が必要である。このように走査線の数nが多くなればなるほど消費電力も大きくなる。この問題は上記(1)の問題をますます助長する。
【0006】
(3)有機ELパネルは面構造になっているので、各画素には容量性負荷が並列に接続される。画素電流が大きくなったり、画素数が多くなって繰り返し周波数が高くなると、この容量性負荷への充放電電流が大きくなり、これに対応して消費電力も大きくなる。上記(2)の問題もあってPM型では、容量性負荷による消費電力が格段に増加する。
【0007】
以上の問題により、現状で製品化されているPM型のものは、画面サイズが数インチ以下、画素数が1万画素レベルぐらいとされている。
【0008】
上記(1)(2)(3)の問題を解消するために、低抵抗のバスライン、大電流を流しても発光効率が低下しない有機材料や発光効率の高い有機材料、容量値が小さくなるようなデバイス構造の開発が必須となるが、現在のところ難しい課題であり実現に至っていない。
【0009】
したがって、このような問題を解決しないと画面全体の輝度が均一であり、かつ、低消費電力な大画面、多画素の有機ELパネルが実現できない。
【0010】
これに対し特許文献1には、ガラス基板上に陽極、有機EL層および陰極を形成するとともに、このガラス基板の上方にもう1枚の基板を離間して設け、この基板上に形成した導電パターンを、ガラス基板上の陰極に並列に接続してなる有機ELパネルが開示されている。しかし、この特許文献1の有機ELパネルでは、陰極の抵抗を小さくして電圧降下を抑制することができるものの、走査線数が大きくなるにつれ大電流が必要になるという前記(2)の問題、および繰り返し周波数が高くなって充放電電流が大きくなるという前記(3)の問題については、改善することができない。
【0011】
また、非特許文献1には、矩形断面の細いガラス棒を、その幅方向に多数並べてなる有機ELパネルが開示されている。各ガラス棒の上面には、陽極となる透明電極および有機EL発光層が成膜されており、さらに多数の陰極電極が並んで形成されている。また、各ガラス棒の側面には、導電性薄膜が形成されている。この非特許文献1の有機ELパネルによれば、ガラス棒の側面に形成された導電性薄膜によって陽極の電気抵抗を低減することができ、電圧降下を抑制することが可能である。しかし、走査線数が大きくなるにつれ大電流が必要になるという前記(2)の問題、および繰り返し周波数が高くなって充放電電流が大きくなるという前記(3)の問題については、やはり改善することができない。
【0012】
また、多数のガラス棒を並べて有機ELパネルを構成するので、すべてのガラス棒について同一の表示性能を得るのが困難であり、そのためガラス棒ごとに輝度が異なり画面全体に輝度ばらつきが生じる可能性があること、ガラス棒を並べるため取り付け精度にばらつきが生じ均一な表示が困難なこと、ガラス棒の微細化に限界があり、ガラス棒間にも隙間が生じるため高精細化が困難なこと、など多くの問題があり、その結果、画質のよいPM型有機ELパネルが得られないという問題点があった。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−219288号公報
【非特許文献1】
John Currie,「なんと66型の有機EL HD大画面テレビに挑む」,NIKKEI MICRODEVICES,2001年7月号,p.101−104
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、大画面、高精細、輝度均一、低消費電力を可能とすることを目的としたPM型有機ELパネルを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水平画素数がD(Dは2以上の整数)、垂直ライン数がL(Lは2以上の整数)であるパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネルであって、垂直ライン数Lあるいは水平画素数DをN(Nは2以上の整数)分割して構成され、N分割してできたそれぞれの分割有機エレクトロルミネセンスパネルを、別個に走査することが可能なパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネルに関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明がこれら実施の形態に限られるわけではない。
【0017】
実施の形態1
本発明のPM型有機ELパネルの一実施の形態を、図1〜3を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態のPM型有機ELパネルについて、その概略を示した平面図であり、図2および図3は、それぞれ図1の矢視A−AおよびB−Bに対応する断面図である。
【0018】
まず図1を参照して、PM型有機ELパネルの動作を説明する。
【0019】
図1には、フルカラー表示を行なうPM型有機ELパネルについて、主要な構成要素が示されており、透明基板(図示せず)上に赤(R)、緑(G)、青(B)の色変換蛍光体12、13、14がストライプ上に形成され、これら色変換蛍光体12、13、14と交差するように、画素用陽極電極16が形成されている。画素用陽極電極16上には有機発光層(図示せず)が形成されており、有機発光層上には、画素用陽極電極16と交差するように走査用陰極電極18が形成されている。
【0020】
このように構成されたPM型有機ELパネルにおいて、1本の走査用陰極電極18を選択して走査信号を印加し、これに同期して各画素用陽極電極16に画像信号を印加すると、走査用陰極電極18と画素用陽極電極16との交点にあたる有機発光層に電流が流れ、発光が生じる。すなわち、選択された走査用陰極電極18上の各交点において、有機発光層が画像信号の強さに応じた輝度で発光する。この発光は、透明な画素用陽極電極16を通過して色変換蛍光体12(または13、14)に入射し、観察者は透明基板の向こう側で、色変換蛍光体12(または13、14)の発する光を観測することになる。
【0021】
続いて、隣りの(必ずしも隣りでなくてもよいが)走査用陰極電極18を選択して走査信号を印加し、各画素用陽極電極16に新たに画像信号を印加して、この走査用陰極電極18上の各点を、画像信号の強さに応じた輝度で発光させる。このようにして、有機ELパネルの表示領域内の各点を、走査用陰極電極18を単位として順次選択し、発光させることにより、一画面の表示が行なわれる。
【0022】
なお、フルカラー表示のPM型有機ELパネルでは、1本の画素用陽極電極16、1本の走査用陰極電極18およびこれに対応する位置にある色変換蛍光体12(または13、14)によってサブピクセルが形成され、隣りあう3つのサブピクセルによって、画素1が構成される。このように、画素1を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のサブピクセルから構成することにより、各サブピクセルの発光輝度を適宜制御し、加法混色によってフルカラーの表示を行なうことができる。
【0023】
図1に示したPM型有機ELパネルでは、水平方向に赤色、緑色、青色の色変換蛍光体12、13、14が配置されて各色の発光画素ラインが構成され、3色の発光画素ラインの束が、垂直方向に順番に配列されている。赤色、緑色、青色の発光画素ラインの束1セットを、ここではピクセルライン2と呼ぶ。
【0024】
続いて、図2および図3の断面図を用いて、本実施の形態のPM型有機ELパネルの構成をさらに詳しく説明する。
【0025】
透明基板10は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートのような透明体を使用する。透明基板10の上面にはブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14を印刷などにより塗布する。色変換蛍光体12、13、14は、青色や白色の光を受光することによって赤色、緑色、青色のそれぞれの色が発光する。したがって、観視者はPM型有機ELパネルのフルカラー画像を透明基板10越しに見ることができる。
【0026】
ブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14の上面には、保護膜15を印刷や蒸着により成膜する。保護膜15は、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の表面を平坦化するとともに、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の上面に直接に成膜される薄膜層との界面に生じる化学的反応や干渉、および、界面との機械的ストレスによる変形を防止するために形成する。色変換蛍光体12、13、14の赤色、緑色、青色の1セットは、図1における垂直方向のピクセルライン2に対応する。図2では、12本の色変換蛍光体すなわち4ピクセルラインの例を示す。
【0027】
保護膜15の上面には、画素1に対応する画素用陽極電極16が蒸着により成膜される。画素用陽極電極16は、ITO(Indium Tin Oxide)などからなり、透明である。画素用陽極電極16は、図3では、9画素分の電極を示している。図2に示すとおり、本実施の形態ではピクセルラインを単位として有機ELパネルを2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16が、ユニット24の分割境界で分割されている。ここでは、4ピクセルラインの有機ELパネルを、2ピクセルラインのユニット2つに分割しており、分割された画素用陽極電極16は、それぞれ2ピクセルラインに対応した長さをもつ。
【0028】
このように画素用陽極電極16を分離して形成するのは、走査用信号の繰り返し周期を短くして瞬間輝度の大きさを小さくし、発光効率の低下や寿命低下を防止するためである。また、画素用陽極電極16の長さも短くすることができる。すなわちバスラインの長さが短くなるのでバスラインの抵抗成分による電圧低下が少なくなり、低消費電力化が可能となる。
【0029】
画素用陽極電極16の上面には青色や白色で発光する有機発光層17が薄膜形成され、高効率発光のために多層化構造となっている。有機発光層17は、低分子材料や高分子材料を用いて形成される。有機発光層17の上面には、画素用陽極電極16と直交の関係にあり、色変換蛍光体12、13、14と概略同じ幅であり、その直上となる位置にCuやAlなどを材料とした走査用陰極電極18が成膜される。したがって、走査用陰極電極18は発光画素ラインに対応した位置に成膜されたものになる。
【0030】
走査用陰極電極18の上面には封止膜19を図のように薄膜で成膜したり、印刷で塗布して形成する。封止膜19の材料としては、有機材料ではエポキシ樹脂やアルカリ樹脂などが、無機材料では窒化シリコンなどがあげられる。エポキシ樹脂は耐熱性や接着性の観点から好ましく、アルカリ樹脂は速硬化性の観点から好ましい。また、封止膜19の厚さは、有機材料の場合には1〜50μm程度が好ましく、無機材料の場合には1μm以下でもよい。有機材料からなる封止膜において、厚さが1μmよりも小さい場合、水分やガス(酸素など)の遮断が不充分になる傾向がある。一方、封止膜の厚さが50μmよりも大きい場合、画素ピッチに制約を受け、高精細なパネルが実現できなくなる傾向がある。
【0031】
封止膜19は、印刷や蒸着などによって形成することができ、有機発光層17を包囲するように形成する。封止膜19は保護膜15の面上に、水分やガスが浸透しないように固着させる。画素用陽極電極16を引き出す部位では、画素用陽極電極16の面上に、同様に水分やガスが浸透しないように固着するように形成する。この構成により有機発光層17は、封止膜19および保護膜15により完全に密閉された構造となる。有機発光層17は、水分や酸素などのガスに触れると、信頼性が大きく低下し、とくに、寿命特性に悪影響を及ぼす。このため外部からの水分、ガスの浸透防止はとくに重要である。
【0032】
図2に示すように、画素用陽極電極16の端部は、封止膜19の外へと引き出され、引き出し領域21とされる。引き出し領域21からは印刷や蒸着により封止膜19の上面に引き出し線22が形成される。引き出し線22は、予め封止膜19の上面に熱硬化性樹脂などにより取り付けられた画素用ドライバー(駆動回路)23の駆動端子に接続される。
【0033】
図3に示すように、走査用陰極電極18の端部は、封止膜19の外へと引き出され、引き出し領域31とされる。引き出し領域31からは印刷や蒸着により外部に引き出し線32が形成される。引き出し線32は、外部にある走査用ドライバー(図示せず)の駆動端子に接続される。
【0034】
ユニット24は、2ピクセルラインの長さを単位とした発光部である。したがって、図2に示すとおり、本実施の形態のPM型有機ELパネルは、2つのユニット24により構成される。外容器25は、長時間、水分やガス類が容器内部に浸透しないようするためと、ユニット24などが外的要因により破損しないようにするために取り付ける。
【0035】
以上述べたように、本実施の形態では、有機ELパネルを、走査用陰極電極18を単位として2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16がそれぞれのユニット24に対応するように切断、分割されている。このため、2つのユニット24にそれぞれ独立して信号を印加し、走査を行なうことができ、分割を行なわない場合に比べ、各走査用陰極電極18の選択期間すなわち各画素の発光時間を2倍にすることができる。したがって、画素の瞬間輝度は1/2でよく大電流を流す必要がなくなるため、有機発光層17の寿命を長くすることができ、消費電力も少なくて済む。また、流すべき電流が小さくなることに加え、信号(電流)の繰り返し周波数も1/2になるため、充放電電流が小さくなり、この点からも消費電力を小さくすることができる。さらに、画素用陽極電極16の長さが短くなることから、抵抗成分による電圧降下が少なくなり、低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。
【0036】
また、本実施の形態では、封止膜19によって有機発光層17を完全に密閉しており、100時間程度のあいだは、充分に水分やガスの侵入を防止することができる。したがって、外容器25を取り付ける前に、有機ELパネルの動作テストを行なうことが可能であり、テストで不良が見つかった場合、外容器25の取り付け前であるから容易に修復を行なうことができ、歩留まりを向上させコストの低減をはかることができる。さらに、外容器25取り付け後においても、封止膜19による封止は有効であり、外容器25のみによって封止を行なう場合に比べ、水分やガスなどの浸透をさらに防止することができ、有機発光層17の劣化がなく、信頼性が高く寿命の長い有機ELパネルを得ることができる。
【0037】
さらに、封止膜19上にドライバー23を設けることにより、引き出し線を短くして電圧降下を抑制し、低消費電力とすることができる。また、透明基板10の面積に対して表示領域の面積を大きくとることができ、サイズの割に表示面積の広い、いわゆる狭額縁のディスプレイを実現することができる。
【0038】
以上、有機ELパネルを2つのユニットに分割した例をあげて、本実施の形態を説明したが、3つあるいはそれ以上のユニットに分割することももちろん可能である。また、色変換蛍光体を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルを例にあげ、本実施の形態を説明したが、色変換蛍光体のかわりにカラーフィルターを用いる有機ELパネルであっても、3色の有機発光層を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルであっても、カラー表示を行なわないモノクロやグレースケールの有機ELパネルであっても、ユニット分割によって低消費電力かつ輝度ムラのない有機ELパネルとすることができ、封止膜による封止によって長期にわたって信頼性の高い有機ELパネルを実現することができる。
【0039】
実施の形態2
本発明のPM型有機ELパネルのほかの実施の形態を、図4〜6を参照しつつ説明する。図4は、本実施の形態のPM型有機ELパネルについて、その概略を示した平面図であり、図5および図6は、それぞれ図4の矢視C−CおよびD−Dに対応する断面図である。
【0040】
図1〜3および図4〜6に示すように、本実施の形態は、前記実施の形態1のPM型有機ELディスプレイを90°回転させた構成、すなわち縦横を入れ替えた構成を有する。
【0041】
図4に示したPM型有機ELパネルでは、垂直方向に赤色、緑色、青色の色変換蛍光体12、13、14および走査用陰極電極18が配置されて各色の水平走査ラインが構成され、3色の水平走査ラインの束が、水平方向に順番に配列されている。赤色、緑色、青色の水平走査ラインの束1セットを、ここではピクセルライン3と呼ぶ。図4に示したPM型有機ELパネルでは、水平走査ライン(走査用陰極電極18)に走査信号を順次印加し、これに同期して画素用陽極電極16に画像信号を印加することによって表示を行なう。
【0042】
続いて、図5および図6の断面図を用いて、本実施の形態のPM型有機ELパネルの構成をさらに詳しく説明する。
【0043】
透明基板10は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートのような透明体を使用する。透明基板10の上面にはブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14を印刷などにより塗布する。色変換蛍光体12、13、14は、青色や白色の光を受光することによって赤色、緑色、青色のそれぞれの色が発光する。したがって、観視者はPM型有機ELパネルのフルカラー画像を透明基板10越しに見ることができる。
【0044】
ブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14の上面には、保護膜15を印刷や蒸着により成膜する。保護膜15は、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の表面を平坦化するとともに、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の上面に直接に成膜される薄膜層との界面に生じる化学的反応や干渉、および、界面との機械的ストレスによる変形を防止するために形成する。色変換蛍光体12、13、14の赤色、緑色、青色の1セットは、図4における水平方向のピクセルライン3に対応する。図5では、4ピクセルラインの例を示す。
【0045】
保護膜15の上面には、画素1に対応する画素用陽極電極16が蒸着により成膜される。画素用陽極電極16は、ITO(Indium Tin Oxide)などからなり、透明である。画素用陽極電極16は、図6では、9画素分の電極を示している。図5に示すとおり、本実施の形態ではピクセルラインを単位として有機ELパネルを2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16が、ユニット24の分割境界で分割されている。ここでは、4ピクセルラインの有機ELパネルを、2ピクセルラインのユニット2つに分割しており、分割された画素用陽極電極16は、それぞれ2ピクセルラインに対応した長さをもつ。
【0046】
このように画素用陽極電極16を分離して形成するのは、走査用信号の繰り返し周期を短くして瞬間輝度の大きさを小さくし、発光効率の低下や寿命低下を防止するためである。また、画素用陽極電極16の長さも短くすることができる。すなわちバスラインの長さが短くなるのでバスラインの抵抗成分による電圧低下が少なくなり、低消費電力化が可能となる。
【0047】
画素用陽極電極16の上面には青色や白色で発光する有機発光層17が薄膜形成され、高効率発光のために多層化構造となっている。有機発光層17は、低分子材料や高分子材料を用いて形成される。有機発光層17の上面には、画素用陽極電極16と直交の関係にあり、色変換蛍光体12、13、14と概略同じ幅であり、その直上となる位置にCuやAlなどを材料とした走査用陰極電極18が成膜される。したがって、走査用陰極電極18は水平走査ラインに対応した位置に成膜されたものになる。
【0048】
走査用陰極電極18の上面には封止膜19を図のように薄膜で成膜したり、印刷で塗布して形成する。封止膜19の材料としては、有機材料ではエポキシ樹脂やアルカリ樹脂などが、無機材料では窒化シリコンなどがあげられる。エポキシ樹脂は耐熱性や接着性の観点から好ましく、アルカリ樹脂は速硬化性の観点から好ましい。また、封止膜19の厚さは、有機材料の場合には1〜50μm程度が好ましく、無機材料の場合には1μm以下でもよい。有機材料からなる封止膜において、厚さが1μmよりも小さい場合、水分やガス(酸素など)の遮断が不充分になる傾向がある。一方、封止膜の厚さが50μmよりも大きい場合、画素ピッチに制約を受け、高精細なパネルが実現できなくなる傾向がある。
【0049】
封止膜19は、印刷や蒸着などによって形成することができ、有機発光層17を包囲するように形成する。封止膜19は保護膜15の面上に、水分やガスが浸透しないように固着させる。画素用陽極電極16を引き出す部位では、画素用陽極電極16の面上に、同様に水分やガスが浸透しないように固着するように形成する。この構成により有機発光層17は、封止膜19および保護膜15により完全に密閉された構造となる。有機発光層17は、水分や酸素などのガスに触れると、信頼性が大きく低下し、とくに、寿命特性に悪影響を及ぼす。このため外部からの水分、ガスの浸透防止はとくに重要である。
【0050】
図5に示すように、画素用陽極電極16の端部は、封止膜19の外へと引き出され、引き出し領域21とされる。引き出し領域21からは印刷や蒸着により封止膜19の上面に引き出し線22が形成される。引き出し線22は、予め封止膜19の上面に熱硬化性樹脂などにより取り付けられた画素用ドライバー23の駆動端子に接続される。
【0051】
図6に示すように、走査用陰極電極18の端部は、封止膜19の外へと引き出され、引き出し領域31とされる。引き出し領域31からは印刷や蒸着により外部に引き出し線32が形成される。引き出し線32は、外部にある走査用ドライバー(図示せず)の駆動端子に接続される。
【0052】
ユニット24は、2ピクセルラインの長さを単位とした発光部である。したがって、図5に示すとおり、本実施の形態のPM型有機ELパネルは、2つのユニット24により構成される。外容器25は、長時間、水分やガス類が容器内部に浸透しないようするためと、ユニット24などが外的要因により破損しないようにするために取り付ける。
【0053】
以上述べたように、本実施の形態では、有機ELパネルを、走査用陰極電極18を単位として2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16がそれぞれのユニット24に対応するように切断、分割されている。このため、2つのユニット24にそれぞれ独立して信号を印加し、走査を行なうことができ、分割を行なわない場合に比べ、各走査用陰極電極18の選択期間すなわち各画素の発光時間を2倍にすることができる。したがって、画素の瞬間輝度は1/2でよく大電流を流す必要がなくなるため、有機発光層17の寿命を長くすることができ、消費電力も少なくて済む。また、流すべき電流が小さくなることに加え、信号(電流)の繰り返し周波数も1/2になるため、充放電電流が小さくなり、この点からも消費電力を小さくすることができる。さらに、画素用陽極電極16の長さが短くなることから、抵抗成分による電圧降下が少なくなり、低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。
【0054】
また、本実施の形態では、封止膜19によって有機発光層17を完全に密閉しており、100時間程度のあいだは、充分に水分やガスの侵入を防止することができる。したがって、外容器25を取り付ける前に、有機ELパネルの動作テストを行なうことが可能であり、テストで不良が見つかった場合、外容器25の取り付け前であるから容易に修復を行なうことができ、歩留まりを向上させコストの低減をはかることができる。さらに、外容器25取り付け後においても、封止膜19による封止は有効であり、外容器25のみによって封止を行なう場合に比べ、さらに水分やガスなどの浸透を防止することができ、有機発光層17の劣化がなく、信頼性が高く寿命の長い有機ELパネルを得ることができる。
【0055】
さらに、封止膜19上にドライバー23を設けることにより、引き出し線を短くして電圧降下を抑制し、低消費電力とすることができる。また、透明基板10の面積に対して表示領域の面積を大きくとることができ、サイズの割に表示面積の広い、いわゆる狭額縁のディスプレイを実現することができる。
【0056】
以上、有機ELパネルを2つのユニットに分割した例をあげて、本実施の形態を説明したが、3つあるいはそれ以上のユニットに分割することももちろん可能である。また、色変換蛍光体を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルを例にあげ、本実施の形態を説明したが、色変換蛍光体のかわりにカラーフィルターを用いる有機ELパネルであっても、3色の有機発光層を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルであっても、カラー表示を行なわないモノクロやグレイスケールの有機ELパネルであっても、ユニット分割によって低消費電力かつ輝度ムラのない有機ELパネルとすることができ、封止膜による封止によって長期にわたって信頼性の高い有機ELパネルを実現することができる。
【0057】
実施の形態3
本発明のPM型有機ELパネルの別の実施の形態を、図7〜9を参照しつつ説明する。図7は、本実施の形態のPM型有機ELパネルについて、その概略を示した平面図であり、図8および図9は、それぞれ図7の矢視E−EおよびF−Fに対応する断面図である。
【0058】
図7に示したPM型有機ELパネルでは、水平方向に赤色、緑色、青色の色変換蛍光体12、13、14が配置されて各色の発光画素ラインが構成され、3色の発光画素ラインの束が、垂直方向に順番に配列されている。赤色、緑色、青色の発光画素ラインの束1セットを、ここではピクセルライン2と呼ぶ。図7に示したPM型有機ELパネルでは、発光画素ライン(走査用陰極電極18)に走査信号を印加し、画素用陽極電極16に画像信号を印加することによって表示を行なう。
【0059】
続いて、図8および図9の断面図を用いて、本実施の形態のPM型有機ELパネルの構成をさらに詳しく説明する。
【0060】
透明基板10は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートのような透明体を使用する。透明基板10の上面にはブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14を印刷などにより塗布する。色変換蛍光体12、13、14は、青色や白色の光を受光することによって赤色、緑色、青色のそれぞれの色が発光する。したがって、観視者はPM型有機ELパネルのフルカラー画像を透明基板10越しに見ることができる。
【0061】
ブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14の上面には、保護膜15を印刷や蒸着により成膜する。保護膜15は、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の表面を平坦化するとともに、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の上面に直接に成膜される薄膜層との界面に生じる化学的反応や干渉、および、界面との機械的ストレスによる変形を防止するために形成する。色変換蛍光体12、13、14の赤色、緑色、青色の1セットは、図7における垂直方向のピクセルライン2に対応する。図8では、12本の色変換蛍光体すなわち4ピクセルラインの例を示す。
【0062】
保護膜15の上面には、画素1に対応する画素用陽極電極16が蒸着により成膜される。画素用陽極電極16は、ITO(Indium Tin Oxide)などからなり、透明である。画素用陽極電極16は、図9では、9画素分の電極を示している。図8に示すとおり、本実施の形態ではピクセルラインを単位として有機ELパネルを2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16が、ユニット24の分割境界で分割されている。ここでは、4ピクセルラインの有機ELパネルを、2ピクセルラインのユニット2つに分割しており、分割された画素用陽極電極16は、それぞれ2ピクセルラインに対応した長さをもっている。
【0063】
このように画素用陽極電極16を分離して形成するのは、走査用信号の繰り返し周期を短くして瞬間輝度の大きさを小さくし、発光効率の低下や寿命低下を防止するためである。また、画素用陽極電極16の長さも短くすることができる。すなわちバスラインの長さが短くなるのでバスラインの抵抗成分による電圧低下が少なくなり、低消費電力化が可能となる。
【0064】
画素用陽極電極16の上面には青色や白色で発光する有機発光層17が薄膜形成され、高効率発光のために多層化構造となっている。有機発光層17は、低分子材料や高分子材料を用いて形成される。有機発光層17の上面には、画素用陽極電極16と直交の関係にあり、色変換蛍光体12、13、14と概略同じ幅であり、その直上となる位置にCuやAlなどを材料とした走査用陰極電極18が成膜される。したがって、走査用陰極電極18は発光画素ラインに対応した位置に成膜されたものになる。
【0065】
走査用陰極電極18の上面には封止膜19を図のように薄膜で成膜したり、印刷で塗布して形成する。封止膜19が成膜されるところは、有機発光層17が表面に見えている走査用陰極電極18のあいだと、走査用陰極電極18の端部で、これらを包囲するように形成する。したがって、走査用陰極電極18の中央部には封止膜19は形成されず、走査用陰極電極18の表面が露出して見えた状態となる。また、ユニット24の端部に形成される封止膜19は、保護膜15の面上に、水分やガスが浸透しないように固着させる。画素用陽極電極16を引き出す部位では、画素用陽極電極16の面上に、同様に水分やガスが浸透しないように固着するように形成する。封止膜19は水分やガスを透過せず、また走査用陰極電極18も金属であるので水分やガスは透過しない。したがって、この構成により有機発光層17は、封止膜19、走査用陰極電極18および保護膜15により完全に密閉された構造となる。有機発光層17は、水分や酸素などのガスに触れると、信頼性が大きく低下し、とくに、寿命特性に悪影響を及ぼす。このため外部からの水分、ガスの浸透防止はとくに重要である。
【0066】
なお、封止膜19の材料としては、有機材料ではエポキシ樹脂やアルカリ樹脂などが、無機材料では窒化シリコンなどがあげられる。エポキシ樹脂は、耐熱性や接着性の観点から好ましく、アルカリ樹脂は速硬化性の観点から好ましい。また、封止膜19の厚さは、有機材料の場合には1〜50μm程度が好ましく、無機材料の場合には1μm以下でもよい。有機材料からなる封止膜において、厚さが1μmよりも小さい場合、水分やガス(酸素など)の遮断が不充分になる傾向がある。一方、封止膜の厚さが50μmよりも大きい場合、画素ピッチに制約を受け、高精細なパネルが実現できなくなる傾向がある。封止膜19は、印刷や蒸着などによって形成することができる。
【0067】
封止膜19に覆われていない走査用陰極電極18の表面の上面には、走査用陰極電極18の抵抗成分が小さくなるように走査用補助陰極電極52が厚膜印刷や蒸着により形成される。走査用補助陰極電極52の位置は、走査用陰極電極18の下面に有機発光層17が存在する領域に対応する。このように、走査用陰極電極18と走査用補助陰極電極52は電気的に短絡されたものになるので、走査用陰極電極18の抵抗成分は格段に小さくなる。これにより、バスラインの抵抗成分による電圧降下が少なくなり低消費電力が可能となる。
【0068】
なお、走査用補助陰極電極52は、Ag、Pt、Cu、Alなどの金属やこれらの合金によって形成することができるが、走査用陰極電極18と同じ材料で形成するとよい。また、走査用補助陰極電極52は表示に直接関与せず、高い寸法精度が要求されないため、形成方法に制約を受けない。したがって、印刷などによって厚さの大きい走査用補助陰極電極52を形成することができ、さらに抵抗を抑制することができる。
【0069】
封止膜19と走査用補助陰極電極52の上面には、走査用補助陰極電極52を包囲するように絶縁膜53を印刷、あるいは蒸着により形成する。これにより、走査用補助陰極電極52の全域は、その表面が露出しないので、絶縁膜53の上面に電気配線を行なっても絶縁膜53の下の面にある走査用補助陰極電極52とは接触することはない。絶縁膜53が水分やガスの浸透性を防止できる材料を用いることにより有機発光層17への水分やガスによる悪影響をさらにくい止めることができる。
【0070】
図8に示すように、画素用陽極電極16の端部は、絶縁膜53の外へと引き出され、引き出し領域21とされる。引き出し領域21からは印刷や蒸着により絶縁膜53の上面に引き出し線22が形成される。引き出し線22は、予め絶縁膜53の上面に熱硬化性樹脂などにより取り付けられた画素用ドライバー(駆動回路)23の駆動端子に接続される。
【0071】
図9に示すように、走査用陰極電極18の端部は、絶縁膜53の外へと引き出され、引き出し領域31とされる。引き出し領域31からは印刷や蒸着により外部に引き出し線32が形成される。引き出し線32は、外部にある走査用ドライバー(図示せず)の駆動端子に接続される。
【0072】
ユニット24は、2ピクセルラインの長さを単位とした発光部である。したがって、図8に示すとおり、本実施の形態のPM型有機ELパネルは、2つのユニット24により構成される。外容器25は、長時間、水分やガス類が容器内部に浸透しないようするためと、ユニット24などに外的要因により破損しないようにするために取り付ける。
【0073】
以上述べたように、本実施の形態では、有機ELパネルを、走査用陰極電極18を単位として2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16がそれぞれのユニット24に対応するように切断、分割されている。このため、2つのユニット24にそれぞれ独立して信号を印加し、走査を行なうことができ、分割を行なわない場合に比べ、各走査用陰極電極18の選択期間すなわち各画素の発光時間を2倍にすることができる。したがって、画素の瞬間輝度は1/2でよく大電流を流す必要がなくなるため、有機発光層17の寿命を長くすることができ、消費電力も少なくて済む。また、流すべき電流が小さくなることに加え、信号(電流)の繰り返し周波数も1/2になるため、充放電電流が小さくなり、この点からも消費電力を小さくすることができる。さらに、画素用陽極電極16の長さが短くなることから、抵抗成分による電圧降下が少なくなり、低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。加えて、走査用陰極電極18上に走査用補助陰極電極52を形成することにより走査用陰極電極18の抵抗を低減することができ、さらなる低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。
【0074】
また、本実施の形態では、封止膜19および走査用陰極電極18によって有機発光層17を完全に密閉しており、100時間程度のあいだは、充分に水分やガスの侵入を防止することができる。したがって、外容器25を取り付ける前に、有機ELパネルの動作テストを行なうことが可能であり、テストで不良が見つかった場合、外容器25の取り付け前であるから容易に修復を行なうことができ、歩留まりを向上させコストの低減をはかることができる。さらに、外容器25取り付け後においても、封止膜19と走査用陰極電極18とによる封止は有効であり、外容器25のみによって封止を行なう場合に比べ、さらに水分やガスなどの浸透を防止することができ、有機発光層17の劣化がなく、信頼性が高く寿命の長い有機ELパネルを得ることができる。また、絶縁膜53に、水分やガスの透過を許さない材料を用いることにより、有機発光層17の劣化をさらに防止し、信頼性のさらに高い有機ELパネルとすることができる。
【0075】
さらに、絶縁膜53上にドライバー23を設けることにより、引き出し線を短くして電圧降下を抑制し、低消費電力とすることができる。また、透明基板10の面積に対して表示領域の面積を大きくとることができ、サイズの割に表示面積の広い、いわゆる狭額縁のディスプレイを実現することができる。
【0076】
以上、有機ELパネルを2つのユニットに分割した例をあげて、本実施の形態を説明したが、3つあるいはそれ以上のユニットに分割することももちろん可能である。また、色変換蛍光体を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルを例にあげ、本実施の形態を説明したが、色変換蛍光体のかわりにカラーフィルターを用いる有機ELパネルであっても、3色の有機発光層を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルであっても、カラー表示を行なわないモノクロやグレイスケールの有機ELパネルであっても、ユニット分割によって低消費電力かつ輝度ムラのない有機ELパネルとすることができ、封止膜による封止によって長期にわたって信頼性の高い有機ELパネルを実現することができる。
【0077】
実施の形態4
本発明のPM型有機ELパネルのまた別の実施の形態を、図10〜12を参照しつつ説明する。図10は、本実施の形態のPM型有機ELパネルについて、その概略を示した平面図であり、図11および図12は、それぞれ図10の矢視G−GおよびH−Hに対応する断面図である。
【0078】
図7〜9および図10〜12に示すように、本実施の形態は、前記実施の形態3のPM型有機ELディスプレイを90°回転させた構成、すなわち縦横を入れ替えた構成を有する。
【0079】
図10に示したPM型有機ELパネルでは、垂直方向に赤色、緑色、青色の色変換蛍光体12、13、14および走査用陰極電極18が配置されて各色の水平走査ラインが構成され、3色の水平走査ラインの束が、水平方向に順番に配列されている。赤色、緑色、青色の水平走査ラインの束1セットを、ここではピクセルライン3と呼ぶ。図10に示したPM型有機ELパネルでは、水平走査ライン(走査用陰極電極18)に走査信号を順次印加し、これに同期して画素用陽極電極16に画像信号を印加することによって表示を行なう。
【0080】
続いて、図11および図12の断面図を用いて、本実施の形態のPM型有機ELパネルの構成をさらに詳しく説明する。
【0081】
透明基板10は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートのような透明体を使用する。透明基板10の上面にはブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14を印刷などにより塗布する。色変換蛍光体12、13、14は、青色や白色の光を受光することによって赤色、緑色、青色のそれぞれの色が発光する。したがって、観視者はPM型有機ELパネルのフルカラー画像を透明基板10越しに見ることができる。
【0082】
ブラックマトリクス11および色変換蛍光体12、13、14の上面には、保護膜15を印刷や蒸着により成膜する。保護膜15は、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の表面を平坦化するとともに、ブラックマトリクス11や色変換蛍光体12、13、14の上面に直接に成膜される薄膜層との界面に生じる化学的反応や干渉、および、界面との機械的ストレスによる変形を防止するために形成する。色変換蛍光体12、13、14の赤色、緑色、青色の1セットは、図10における水平方向のピクセルライン3に対応する。図11では、4ピクセルラインの例を示す。
【0083】
保護膜15の上面には、画素1に対応する画素用陽極電極16が蒸着により成膜される。画素用陽極電極16は、ITO(Indium Tin Oxide)などからなり、透明である。画素用陽極電極16は、図12では、9画素分の電極を示している。図11に示すとおり、本実施の形態ではピクセルラインを単位として有機ELパネルを2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16が、ユニット24の分割境界で分割されている。ここでは、4ピクセルラインの有機ELパネルを、2ピクセルラインのユニット2つに分割しており、分割された画素用陽極電極16は、それぞれ2ピクセルラインに対応した長さをもつ。
【0084】
このように画素用陽極電極16を分離して形成するのは、走査用信号の繰り返し周期を短くして瞬間輝度の大きさを小さくし、発光効率の低下や寿命低下を防止するためである。また、画素用陽極電極16の長さも短くすることができる。すなわちバスラインの長さが短くなるのでバスラインの抵抗成分による電圧低下が少なくなり、低消費電力化が可能となる。
【0085】
画素用陽極電極16の上面には青色や白色で発光する有機発光層17が薄膜形成され、高効率発光のために多層化構造となっている。有機発光層17は、低分子材料や高分子材料を用いて形成される。有機発光層17の上面には、画素用陽極電極16と直交の関係にあり、色変換蛍光体12、13、14と概略同じ幅であり、その直上となる位置にCuやAlなどを材料とした走査用陰極電極18が成膜される。したがって、走査用陰極電極18は水平走査ラインに対応した位置に成膜されたものになる。
【0086】
走査用陰極電極18の上面には封止膜19を図のように薄膜で成膜したり、印刷で塗布して形成する。封止膜19が成膜されるところは、有機発光層17が表面に見えている走査用陰極電極18のあいだと、走査用陰極電極18の端部で、これらを包囲するように形成する。したがって、走査用陰極電極18の中央部には封止膜19は形成されず、走査用陰極電極18の表面が露出して見えた状態となる。また、ユニット24の端部に形成される封止膜19は、保護膜15の面上に、水分やガスが浸透しないように固着させる。画素用陽極電極16を引き出す部位では、画素用陽極電極16の面上に、同様に水分やガスが浸透しないように固着するように形成する。封止膜19は水分やガスを透過せず、また走査用陰極電極18も金属であるので水分やガスは透過しない。したがって、この構成により有機発光層17は、封止膜19、走査用陰極電極18および保護膜15により完全に密閉された構造となる。有機発光層17は、水分や酸素などのガスに触れると、信頼性が大きく低下し、とくに、寿命特性に悪影響を及ぼす。このため外部からの水分、ガスの浸透防止はとくに重要である。
【0087】
なお、封止膜19の材料としては、有機材料ではエポキシ樹脂やアルカリ樹脂などが、無機材料では窒化シリコンなどがあげられる。エポキシ樹脂は、耐熱性や接着性の観点から好ましく、アルカリ樹脂は速硬化性の観点から好ましい。また、封止膜19の厚さは、有機材料の場合には1〜50μm程度が好ましく、無機材料の場合には1μm以下でもよい。有機材料からなる封止膜において、厚さが1μmよりも小さい場合、水分やガス(酸素など)の遮断が不充分になる傾向がある。一方、封止膜の厚さが50μmよりも大きい場合、画素ピッチに制約を受け、高精細なパネルが実現できなくなる傾向がある。封止膜19は、印刷や蒸着などによって形成することができる。
【0088】
封止膜19に覆われていない走査用陰極電極18の表面の上面には、走査用陰極電極18の抵抗成分が小さくなるように走査用補助陰極電極52が厚膜印刷や蒸着により形成される。走査用補助陰極電極52の位置は、走査用陰極電極18の下面に有機発光層17が存在する領域に対応する。このように、走査用陰極電極18と走査用補助陰極電極52は電気的に短絡されたものになるので、走査用陰極電極18の抵抗成分は格段に小さくなる。これにより、バスラインの抵抗成分による電圧降下が少なくなり低消費電力が可能となる。
【0089】
なお、走査用補助陰極電極52は、Ag、Pt、Cu、Alなどの金属やこれらの合金によって形成することができるが、走査用陰極電極18と同じ材料で形成するとよい。また、走査用補助陰極電極52は表示に直接関与せず、高い寸法精度が要求されないため、形成方法に制約を受けない。したがって、印刷などによって厚さの大きい走査用補助陰極電極52を形成することができ、さらに抵抗を抑制することができる。
【0090】
封止膜19と走査用補助陰極電極52の上面には、走査用補助陰極電極52を包囲するように絶縁膜53を印刷、あるいは蒸着により形成する。これにより、走査用補助陰極電極52の全域は、その表面が露出しないので、絶縁膜53の上面に電気配線を行なっても絶縁膜53の下の面にある走査用補助陰極電極52とは接触することはない。絶縁膜53が水分やガスの浸透性を防止できる材料を用いることにより有機発光層17への水分やガスによる悪影響をさらにくい止めることができる。
【0091】
図11に示すように、画素用陽極電極16の端部は、絶縁膜53の外へと引き出され、引き出し領域21とされる。引き出し領域21からは印刷や蒸着により絶縁膜53の上面に引き出し線22が形成される。引き出し線22は、予め絶縁膜53の上面に熱硬化性樹脂などにより取り付けられた画素用ドライバー(駆動回路)23の駆動端子に接続される。
【0092】
図12に示すように、走査用陰極電極18の端部は、絶縁膜53の外へと引き出され、引き出し領域31とされる。引き出し領域31からは印刷や蒸着により外部に引き出し線32が形成される。引き出し線32は、外部にある走査用ドライバー(図示せず)の駆動端子に接続される。
【0093】
ユニット24は、2ピクセルラインの長さを単位とした発光部である。したがって、図11に示すとおり、本実施の形態のPM型有機ELパネルは、2つのユニット24により構成される。外容器25は、長時間、水分やガス類が容器内部に浸透しないようするためと、ユニット24などに外的要因により破損しないようにするために取り付ける。
【0094】
以上述べたように、本実施の形態では、有機ELパネルを、走査用陰極電極18を単位として2つのユニット24に分割しており、画素用陽極電極16がそれぞれのユニット24に対応するように切断、分割されている。このため、2つのユニット24にそれぞれ独立して信号を印加し、走査を行なうことができ、分割を行なわない場合に比べ、各走査用陰極電極18の選択期間すなわち各画素の発光時間を2倍にすることができる。したがって、画素の瞬間輝度は1/2でよく大電流を流す必要がなくなるため、有機発光層17の寿命を長くすることができ、消費電力も少なくて済む。また、流すべき電流が小さくなることに加え、信号(電流)の繰り返し周波数も1/2になるため、充放電電流が小さくなり、この点からも消費電力を小さくすることができる。さらに、画素用陽極電極16の長さが短くなることから、抵抗成分による電圧降下が少なくなり、低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。加えて、走査用陰極電極18上に走査用補助陰極電極52を形成することにより走査用陰極電極18の抵抗を低減することができ、さらなる低消費電力化および輝度ばらつきの低減が可能となる。
【0095】
また、本実施の形態では、封止膜19および走査用陰極電極18によって有機発光層17を完全に密閉しており、100時間程度のあいだは、充分に水分やガスの侵入を防止することができる。したがって、外容器25を取り付ける前に、有機ELパネルの動作テストを行なうことが可能であり、テストで不良が見つかった場合、外容器25の取り付け前であるから容易に修復を行なうことができ、歩留まりを向上させコストの低減をはかることができる。さらに、外容器25取り付け後においても、封止膜19と走査用陰極電極18とによる封止は有効であり、外容器25のみによって封止を行なう場合に比べ、さらに水分やガスなどの浸透を防止することができ、有機発光層17の劣化がなく、信頼性が高く寿命の長い有機ELパネルを得ることができる。また、絶縁膜53に、水分やガスの透過を許さない材料を用いることにより、有機発光層17の劣化をさらに防止し、信頼性のさらに高い有機ELパネルとすることができる。
【0096】
さらに、絶縁膜53上にドライバー23を設けることにより、引き出し線を短くして電圧降下を抑制し、低消費電力とすることができる。また、透明基板10の面積に対して表示領域の面積を大きくとることができ、サイズの割に表示面積の広い、いわゆる狭額縁のディスプレイを実現することができる。
【0097】
以上、有機ELパネルを2つのユニットに分割した例をあげて、本実施の形態を説明したが、3つあるいはそれ以上のユニットに分割することももちろん可能である。また、色変換蛍光体を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルを例にあげ、本実施の形態を説明したが、色変換蛍光体のかわりにカラーフィルターを用いる有機ELパネルであっても、3色の有機発光層を用いてフルカラー表示を行なう有機ELパネルであっても、カラー表示を行なわないモノクロやグレイスケールの有機ELパネルであっても、ユニット分割によって低消費電力かつ輝度ムラのない有機ELパネルとすることができ、封止膜による封止によって長期にわたって信頼性の高い有機ELパネルを実現することができる。
【0098】
実施の形態5
前記実施の形態1〜4においては、たとえば図2、図5、図8および図11に示したとおり、有機ELパネルを複数のユニット24に分割し、この分割の境界において画素用陽極電極16を引き出して引き出し線22およびドライバー23に接続している。
【0099】
このため、分割境界を挟んで隣り合う2本の走査用陰極電極間および2本の色変換蛍光体間の間隔を狭くすることが難しく、有機ELパネルの高精細化の妨げになりかねない。2本の走査用陰極電極間および2本の色変換蛍光体間の間隔を狭くしようとして、分割境界付近において封止膜19による被覆を薄くした場合、封止が不充分になり、水分やガスの侵入によって有機発光層17の劣化を招く恐れがある。また、2本の走査用陰極電極間および2本の色変換蛍光体間の間隔を狭くしようとして、引き出し領域21を狭くした場合には、引き出し線22との接触が不充分になり、接触不良や断線などにつながる可能性がある。
【0100】
そこで本実施の形態においては、図13および図14に示すとおり、ユニット分割の境界において、有機発光層17および走査用陰極電極18の端面の位置と、色変換蛍光体14の端面の位置とを、寸法dだけ相違させる。すなわち、ユニット分割の境界において、走査用陰極電極18および有機発光層17の端部の位置が、青色の色変換蛍光体14の端部よりもdだけ内側に位置するようにする。
【0101】
これにより、分割境界を挟んで隣り合う2本の走査用陰極電極間および2本の色変換蛍光体間の間隔が狭い高精細の有機ELパネルにおいても、封止膜19の厚さおよび引き出し領域21の面積を充分に確保することができ、封止の不良や接触不良を引き起こすことがない。
【0102】
なお、これにより、境界に位置する色変換蛍光体について、その発光領域が狭くなってしまうが、これは問題とならない。すなわち、有機ELパネルでは、赤、緑および青の色変換蛍光体が発する3色の光の混色によってカラー表示を得ており、白色の光を得るには、一般的に赤:緑:青の光の強さの比率は2:7:1や3:6:1であればよく、青色の光が弱くても純度の高い白色を作り出すことができる。したがって、境界に位置する色変換蛍光体を青色の色変換蛍光体14とし、有機発光層17および走査用陰極電極18の端面をこの色変換蛍光体14の端面よりも内側とすることにより、封止膜19の厚さおよび引き出し領域21の面積を充分に確保しつつ、純度が劣化しないフルカラー表示を得ることができる。
【0103】
ところで、色変換蛍光体の幅は、通常80〜500μm程度である。そこで、前記寸法dは10〜60μmとするとよく、さらには20〜50μmとするとよい。寸法dが10μmよりも小さい場合、封止膜19を充分な厚さにできない場合があり、この場合、封止機能が充分に果たされない可能性もある。また、寸法dが60μmよりも大きい場合、青色発光部分の面積が小さくなり、色バランスがくずれる可能性がある。
【0104】
以上述べたように、本実施の形態によれば、前記実施の形態1〜4の効果を損なうことなく、高精細の有機ELパネルを実現することが可能である。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、つぎの効果が生まれる。
【0106】
表示は、走査用陰極電極18に走査信号を印加、画素用陽極電極16に画像信号を印加して有機発光層17を発光させることにより行なわれる。本発明では、画素用陽極電極16の途中から引き出し線22を導きだし画素用ドライバー23に接続する構造としているので、走査用陰極電極18に走査信号を印加する数を小さくすることが可能となる。たとえば、前記実施の形態では6ライン分であり、したがって、それぞれの走査用陰極電極に印加する走査信号の周期は6となり、各画素の発光のピーク輝度は、有機ELパネルの平均輝度の高々6倍でよい。この値はVGA〜SXGAの480〜1024ラインの数よりはるかに小さい値であり、したがって、従来のようなPM型有機ELパネルのようにピーク輝度を高くするための大電流を流す必要がなく、その結果、弊害となっていたバスラインの抵抗成分による電圧降下分の悪影響や、瞬時に大電流を流して高輝度を得ようとすることによる発光効率の低下の防止ができるとともに、寿命低下も起こらない。これにより発光効率の低下のない発光が実現できるので低消費電力化も可能となる。さらに、大電流を流さなくて良いので、有機ELパネルの面構造からくる各画素の容量性負荷に対しても大きな突入電流が防げるとともに、画素数が少ないので繰り返し周波数が低くて良く、容量性負荷への充放電電流を小さくできる。この結果、低消費電力化が可能となる。また、本発明による構造は、色変換蛍光体12、13、14や有機発光層17が、透明基板10上にそれぞれ印刷や蒸着によりミクロに位置あわせができるプロセスを用いているので機械的精度を高くすることができ、高精細化が実現できると共に、大画面の有機ELパネルであっても表示位置によらず均一な輝度を得ることができる。
【0107】
以上のように、本発明によれば、消費電力が小さく、信頼性が高く、かつ表示品質の優れたPM型有機ELパネルを得ることができ、従来では実現が困難であった水平画素数が320以上、垂直ライン数が240以上といった高精細、大画面の有機ELパネルを、PM型で実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPM型有機ELパネルの一実施の形態について、その概略を示した平面図である。
【図2】図1の矢視A−A断面を示した断面図である。
【図3】図1の矢視B−B断面を示した断面図である。
【図4】本発明のPM型有機ELパネルのほかの実施の形態について、その概略を示した平面図である。
【図5】図4の矢視C−C断面を示した断面図である。
【図6】図4の矢視D−D断面を示した断面図である。
【図7】本発明のPM型有機ELパネルの別の実施の形態について、その概略を示した平面図である。
【図8】図7の矢視E−E断面を示した断面図である。
【図9】図7の矢視F−F断面を示した断面図である。
【図10】本発明のPM型有機ELパネルのまた別の実施の形態について、その概略を示した平面図である。
【図11】図10の矢視G−G断面を示した断面図である。
【図12】図10の矢視H−H断面を示した断面図である。
【図13】本発明のPM型有機ELパネルのさらに別の実施の形態を示した図であり、図2または図5の部分拡大断面図である。
【図14】本発明のPM型有機ELパネルのさらにまた別の実施の形態を示した図であり、図8または図11の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 画素、2 ピクセルライン、3 ピクセルライン、10 透明基板、
11 ブラックマトリクス、12 色変換蛍光体(赤)、
13 色変換蛍光体(緑)、14 色変換蛍光体(青)、15 保護膜、
16 画素用陽極電極、17 有機発光層、18 走査用陰極電極、
19 封止膜、21 引き出し領域、22 引き出し線、
23 画素用ドライバー、24 ユニット、25 外容器、
31 引き出し領域、32 引き出し線、52 走査用補助陰極電極、
53 絶縁膜。

Claims (14)

  1. 水平画素数がD(Dは2以上の整数)、垂直ライン数がL(Lは2以上の整数)であるパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネルであって、垂直ライン数Lあるいは水平画素数DをN(Nは2以上の整数)分割して構成され、N分割してできたそれぞれの分割有機エレクトロルミネセンスパネルを、別個に走査することが可能なパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  2. 分割有機エレクトロルミネセンスパネルごとの有機発光層を封止膜で包囲した請求項1記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  3. 封止膜の一方の端面部が保護膜上に固着されており、他方の端面部が画素用陽極電極に固着されている請求項2記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  4. 画素用陽極電極の上面に引き出し領域を設けた請求項3記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  5. 引き出し用領域から封止膜の上面に引き出し線を形成した請求項4記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  6. 封止膜の上面に駆動回路を設けた請求項5記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  7. 分割有機エレクトロルミネセンスパネルごとの封止膜の成膜位置が、走査用陰極電極のあいだにある有機発光層の面と、走査用陰極電極の端部であるとともに、
    封止膜に覆われていない走査用陰極電極の表面に走査用補助陰極電極を形成した請求項1記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  8. 封止膜と走査用補助陰極電極の上面を絶縁膜で包囲した請求項7記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  9. 封止膜の端面部から絶縁膜を介した近辺の、画素用陽極電極の上面に引き出し用領域を設けた請求項8記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  10. 引き出し用領域から絶縁膜の上面に引き出し線を形成した請求項9記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  11. 絶縁膜の上面に駆動回路を設けた請求項10記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  12. 水平方向あるいは垂直方向に赤色、緑色、青色の画素ラインを、垂直方向あるいは水平方向に該画素ラインを束にして順に配列した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  13. 分割有機エレクトロルミネセンスパネルごとに形成されている、有機発光層および走査用陰極電極の端面の位置を、色変換蛍光体の端面よりも距離dだけ内側に移動させた請求項12記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
  14. 全発光領域を外容器で包囲した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載のパッシブマトリクス型有機エレクトロルミネセンスパネル。
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