JP2008156614A - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜およびそれを用いた半導体装置、表示体装置。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アミノ基の隣接する部位にフェノール性水酸基を有するビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂であって、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.930Å以下であることを特徴とするポリアミド樹脂をポジ型感光性樹脂組成物に適用する。
【選択図】なし
Description
更に最近では、安全性の面からアルカリ水溶液で現像ができるポジ型感光性樹脂組成物が開発されている。例えば、特許文献1にはベース樹脂であるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂と感光剤であるジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。これは高い耐熱性、優れた電気特性、微細加工性を有し、半導体素子の保護膜用のみならず絶縁用樹脂組成物としての可能性も有している。このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは以下のようになっている。未露光部のジアゾキノン化合物はアルカリ水溶液に不溶であり、ベース樹脂と相互作用することでこれに対し耐性を持つようになる。一方、露光することによりジアゾキノン化合物は化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となり、ベース樹脂の溶解を促進させる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみのレリーフパターンの作成が可能となるものである。
しかしながら一般的なポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂の場合、ポリイミド前駆体樹脂よりも閉環し難く、特に低温で硬化した時の環化率が高くならなかった。
そこで、低温で硬化しても高環化率であるという感光性樹脂組成物の開発が最近強く望まれている。
[1]アミノ基の隣接する部位にフェノール性水酸基を有するビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂であって、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.930Å以下であることを特徴とするポリアミド樹脂。
[2]前記ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有する[1]に記載のポリアミド樹脂。
[3]前記ビス(アミノフェノール)が、両方の水酸基の隣接する部位に置換基を有する[1]もしくは[2]に記載のポリアミド樹脂。
[4]ポリアミド樹脂が、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を含む[1]乃至[3]に記載のポリアミド樹脂。
[5]前記ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が、式(4−1)または式(4−2)で示される構造を含むものである、[4]に記載のポリアミド樹脂。
[6][1]乃至[5]記載のポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
[7]更にフェノール化合物(C)を含むものである[6]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8][6]または[7]に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
[9][8]に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
[10][8]に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
[11][8]に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置。
[12][8]に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置。
のである。
前記ビス(アミノフェノール)は、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するものである。更に前記ビス(アミノフェノール)は、両方の水酸基の隣接する部位に置換基を有するものである。
ポジ型感光性樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂(A)、感光性ジアゾキノン化合物(B)を含むことを特徴とする。保護膜、絶縁膜は、上記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化物である硬化膜で構成されていることを特徴とする。更に半導体装置、表示体装置は、上記保護膜、絶縁膜で構成されていることを特徴とする。
以下に本発明のポリアミド樹脂、ポジ型感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。
ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂の場合、その閉環機構は、まずビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子がアミド結合中のカルボニル基の炭素原子へ求核攻撃することにより一旦中間体を形成し、その中間体が脱水環化反応でオキサゾール環を形成するという反応過程が考えられているが、その反応に多くの熱エネルギーを必要とする為、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂はポリイミド前駆体樹脂よりも閉環し難く、低温での硬化はできなかった。
このようにポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂の閉環では、まずビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子がアミド結合中のカルボニル基の炭素原子へ求核攻撃することが必要であることから、両原子間の距離が重要であることが予想される。
上記結果にかんがみ、鋭意検討した結果、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が2.930Å以下であるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が、低温で硬化した際でも高環化率を示すことを見出した。これは、上記距離が従来のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂より短くなっている為、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子がアミド結合中のカルボニル基の炭素原子へ求核攻撃し易くなり、より低い熱エネルギーでも十分に閉環反応が進んだことによるものと考えられる。好ましくは、上記距離が2.920Å以下であると、低温で硬化した際、より容易に高環化率となる。
アルキル基の具体的な例としては、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)2、−CH(CH3)(CH2CH3)、−C(CH3)3、−CH2CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)(CH2CH3)、−CH(CH2CH3)(CH2CH3)、−CH(CH3)(CH2CH2CH3)、−CH(CH3)(CH(CH3)2)、−CH2CH2CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)(CH2CH2CH2CH3)、−CH(CH3)(CH2CH(CH3)2)、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3等が挙げられる。アルコキシ基の具体的な例としては、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH3)2、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH2CH(CH3)2、−OCH(CH3)(CH2CH3)、−OC(CH3)3等が挙げられる。
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、ビス(アミノフェノール)の2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している構造を描画し、その構造を同社製Chem3D(登録商標) Ultra(version8.0)に付属している分子力学法(MM2法)で構造最適化を行った後、更にその構造最適化後の構造を、富士通(株)製WinMOPAC(version3.9.0)に付属している分子軌道法(PM5法)で、アミド結合の分子力学補正であるMMOKキーワードを入力し構造最適化を行った。この構造最適化後の構造にある2箇所の
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離を測定し、平均した値を使用した。
ミド樹脂が得られる。
式(4−2)で示されるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂は、例えば、式(1)で示されるアミノ基の隣接する部位にフェノール性水酸基を有するビス(アミノフェノール)と、必要によりXを含むビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物と、Yを含むジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
、ナフタレン環等の芳香族化合物、ビスフェノール類、ピロール類、ピリジン類、フラン類、シロキサン化合物等の複素環式化合物等が挙げられ、より具体的には下記式(6)で示されるものを好ましく挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
合物基を含む酸無水物を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。これにより、保存性を向上することができる。このような、アミノ基と反応した後のアルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物に起因する基としては、例えば式(7)、式(8)で示される基等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
を形成し、耐熱性に富む硬化物を得る。
加熱処理は高温でも低温でも可能であり、高温での加熱処理温度は、280℃〜380℃が好ましく、より好ましくは290℃〜350℃である。低温での加熱処理温度は150℃〜280℃が好ましく、より好ましくは180℃〜260℃である。
<実施例1>
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
計算には、中央演算処理装置(CPU)にインテル社製ペンティアム(登録商標)4プロセッサと512Mバイトのメモリーを搭載した日本電気(株)製ノート型パーソナルコンピューターVersaPro NX VY22Sを使用した。ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。
.0)に付属している分子力学法(MM2法)で構造最適化を行った後、更にその構造最適化後の構造を、富士通(株)製WinMOPAC(version3.9.0)に付属している分子軌道法(PM5法)で、アミド結合の分子力学補正であるMMOKキーワードを入力した状態で、構造最適化を行った。この構造最適化後の構造にある2箇所のビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離を測定し、平均したところ、2.908Åという値が得られた。
イソフタル酸0.360モルとジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.540モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)409.94g(0.900モル)と、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)286.37g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン2950gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて16時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(4−2)で示され、a=100、b=0、数平均分子量が12000で、表1で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
フェノール式(B−1)15.82g(0.025モル)と、トリエチルアミン8.40g(0.083モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、テトラヒドロフラン135gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド22.30g(0.083モル)をテトラヒドロフラン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(Q−1)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−1)100g、式(Q−1)の構造を有するナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステル化合物15gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約8.1μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に150秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量260mJ/cm2
で照射した部分よりパターンが成形されていることが確認できた。(感度は260mJ/cm2)。現像後の膜厚は8.0μmと非常に高い値を示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ化水素酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は95%であった。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を6インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。次にオーブンを用いて、塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った。硬化後の塗膜に5cm四方の升目になるようカッターで切れ込みを入れた後、2%フッ化水素酸に浸け、5cm四方のフィルムを得た。このフィルムの吸水率を試験規格JIS−K7209に従って測定し、0.65%という値を得た。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.949Åという値を得た。
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.340モル、0.510モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を200.46g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、
4−エチニルフタル酸無水物の添加量も51.64g(0.300モル)に変更して
同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=70、b=30、数平均分子量が9100で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−4)を合成した。
尚、ポリアミド樹脂(A−4)の、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離は、各ビス(アミノフェノール)のモル比に合わせ再計算したところ、2.908×0.7+2.949×0.3=2.920Åという値を得た。 その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.956Åという値を得た。
実施例2におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=70、b=30、数平均分子量が9400で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−5)を合成した。
尚、ポリアミド樹脂(A−5)の、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離は、各ビス(アミノフェノール)のモル比に合わせ再計算したところ、2.908×0.7+2.956×0.3=2.922Åという値を得た。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.906Åという値を得た。
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.344モル、0.516モルに変更し、更に4,4’−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)300.40g(1.000モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も48.20g(0.280モル)に変更して同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=100、b=0、数平均分子量が10200で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−6)を合成した。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
ポリアミド樹脂の合成
実施例4におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.252モル、0.588モルに変更し、更に4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を210.28g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、
4−エチニルフタル酸無水物の添加量も55.08g(0.320モル)に変更して
同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=70、b=30、数平均分子量が9500で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−7)を合成した。
尚、ポリアミド樹脂(A−7)の、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離は、各ビス(アミノフェノール)のモル比に合わせ再計算したところ、2.906×0.7+2.949×0.3=2.919Åという値を得た。 その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
ポリアミド樹脂の合成
実施例5におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=70、b=30、数平均分子量が9600で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−8)を合成した。
尚、ポリアミド樹脂(A−8)の、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離は、各ビス(アミノフェノール)のモル比に合わせ再計算したところ、2.906×0.7+2.956×0.3=2.921Åという値を得た。 その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)の2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.884Åという値を得た。
実施例4におけるポリアミド樹脂の合成において、4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、
4,4’−エチリデンビス(2−アミノ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)436.64g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=100、b=0、数平均分子量が9200で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−9)を合成した。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.956Åという値を得た。
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.880モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.760モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)433.36g(0.880モル)と2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン258.32g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン2760gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(4−2)で示され、a=0、b=100、数平均分子量が10000で、表1で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂(A−2)を得た。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様にして評価した。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルの2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、中央の3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.954Åという値を得た。
.000モル)を用いて同様にして反応し、式(4−2)で示され、a=0、b=100、数平均分子量が11000で、表1で示される化合物からなるポリアミド樹脂(A−3)を合成した。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様にして評価した。
このようにして得られた半導体装置は正常に動作すると予想されるが、実施例1のポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合は、比較例よりも低吸水率であるため、より信頼性に優れた動作をするものと予想される。
ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離の計算
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパンの2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.915Åという値を得た。
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3−メチルフェノール)の2つのアミ
ノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.921Åという値を得た。
ケンブリッジソフト社製Chem Draw(登録商標) Pro(version8.0)で、4,4′−チオビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の2つのアミノ基に安息香酸がアミド結合で2つ結合している下記の構造を、左の安息香酸側から描いた。その他は実施例1と同様の方法で計算を行い、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.906Åという値を得た。
のであり、半導体装置、表示体装置の保護膜、絶縁膜等に好適に用いられる。
Claims (12)
- アミノ基の隣接する部位にフェノール性水酸基を有するビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂であって、ビス(アミノフェノール)由来の水酸基の酸素原子と、その水酸基に隣接するアミド結合中のカルボニル基の炭素原子との間の距離が、2.930Å以下であることを特徴とするポリアミド樹脂。
- 前記ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有する請求項1に記載のポリアミド樹脂。
- 前記ビス(アミノフェノール)が、両方の水酸基の隣接する部位に置換基を有する請求項1もしくは請求項2に記載のポリアミド樹脂。
- ポリアミド樹脂が、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を含む請求項1乃至3に記載のポリアミド樹脂。
- 前記ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が、式(4−1)または式(4−2)で示される構造を含むものである、請求項4に記載のポリアミド樹脂。
- 請求項1乃至5記載のポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 更にフェノール化合物(C)を含むものである請求項6に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項6または7に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項8に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置。
- 請求項8に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置。
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