JP2008156548A - 混合・熱処理ゴム、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで高補強構造を有する混合処理ゴムを提供すると共に、かかる混合処理ゴムを用いて低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明の混合・熱処理ゴムは、ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以下、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理により得られる、加硫剤を含まないものであり、該混合・熱処理ゴムをゴム組成物及び空気入りタイヤとして用いるものである。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の混合・熱処理ゴムは、ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以下、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理により得られる、加硫剤を含まないものであり、該混合・熱処理ゴムをゴム組成物及び空気入りタイヤとして用いるものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は混合・熱処理ゴム、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。より詳細には、本発明は、ゴム成分に充填剤をバッチ内で混合した混合処理ゴム(以下、ゴムマスターバッチという。)に関し、充填剤とゴムポリマーとの補強構造が改良されるゴムマスターバッチ、それを用いた低発熱性(又は低ロス性)及び耐摩耗性に優れているゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
マスターバッチでは充填剤の分散性が良好で、優れたゴム物性が得られることは一般に知られている(特許文献1〜3を参照)。従来、このようなゴムマスターバッチの改良が種々検討されている。例えば、耐摩耗性と低発熱性を両立させるためカーボンブラックの製造方法や種類を改良することが提案されている(特許文献4を参照)。また、ゴムポリマーの末端に変性基を導入して充填剤との補強構造を高めることが提案されている(特許文献5を参照)。更に、低発熱性及び耐磨耗性を更に向上することができるゴム組成物として、ゴムラテックスと、カーボンブラックを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分と、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)を有するシリカ(B)を含有するものが提案されている(特許文献6を参照)。
しかしながら、特殊な工程で得られるゴムマスターバッチは高補強を達成し、低ロス(低発熱性)及び耐摩耗性のゴム組成物を提供するものの、現在、原材料価格の高騰に加え、作業効率面でのコストアップとなる。このため、ゴムマスターバッチの製造に改良が求められている。また、安価なゴムマスターバッチのゴム組成物及びタイヤへの利用が求められている。
特公昭54−10576号公報
特公昭51−43851号公報
特公昭36−22729号公報
特開2005−60900号公報
特開2006−219593号公報
特開2006−225598号公報
しかしながら、特殊な工程で得られるゴムマスターバッチは高補強を達成し、低ロス(低発熱性)及び耐摩耗性のゴム組成物を提供するものの、現在、原材料価格の高騰に加え、作業効率面でのコストアップとなる。このため、ゴムマスターバッチの製造に改良が求められている。また、安価なゴムマスターバッチのゴム組成物及びタイヤへの利用が求められている。
本発明は、前記課題に鑑み、低コストで高補強構造を有する混合処理ゴムを提供すると共に、かかる混合処理ゴムを用いて低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供しようとするものである。
本発明者等は、カーボンブラック又はシリカ等の充填剤とゴム成分を混合バッチ処理したゴムマスターバッチ(混合処理ゴム)を製造する際に、かかるゴムマスターバッチを一定温度及び一定時間の条件で熱処理することにより、充填剤にジエン系ゴムがより強固に付きジエン系ゴムでのポリマー自由度が低下してtanδが減少し、それを用いたゴム組成物が低発熱性と耐摩耗性が十分に得られことを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は以下の構成を特徴とするものである。
即ち、本発明は以下の構成を特徴とするものである。
(1)ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以上、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理により得られる、加硫剤を含まない混合・熱処理ゴム。
(2)前記処理温度T(℃)が200℃以下である前記(1)記載の混合・熱処理ゴム。
(3)前記充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカである前記(1)又は(2)記載の混合・熱処理ゴム。
(4)ジエン系ゴムが天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムである前記(1)〜(3)記載の混合・熱処理ゴム。
(5)ジエン系ゴム成分100質量部に対して、充填剤を10〜150質量部の範囲で含む前記(1)〜(4)に記載の混合・熱処理ゴム。
(6)前記(1)〜(5)記載の混合・熱処理ゴムに加硫剤及び/又は加硫促進剤を添加して得られるゴム組成物。
(7)前記(6)に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
(3)前記充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカである前記(1)又は(2)記載の混合・熱処理ゴム。
(4)ジエン系ゴムが天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムである前記(1)〜(3)記載の混合・熱処理ゴム。
(5)ジエン系ゴム成分100質量部に対して、充填剤を10〜150質量部の範囲で含む前記(1)〜(4)に記載の混合・熱処理ゴム。
(6)前記(1)〜(5)記載の混合・熱処理ゴムに加硫剤及び/又は加硫促進剤を添加して得られるゴム組成物。
(7)前記(6)に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
本発明の混合・熱処理ゴムによれば、充填剤とゴム成分との混合後、温度及びその処理時間を一定の条件の範囲で熱処理することにより、簡単に、即ち低コストで充填剤とジエン系ゴムとの結合補強性を向上させることができる。そして、このようなゴムマスターバッチ(混合・熱処理ゴム)をゴム組成物に用いることにより、低発熱性及び耐摩耗性のゴム組成物及び空気入りタイヤを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のゴムマスターバッチ(混合・熱処理ゴム)は、ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以上で、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理時間により得られる。
本発明において、ゴムマスターバッチを得る方法としては、充填剤を水中に分散させたスラリー溶液に、ジエン系ゴムを溶媒に溶解させて、混合し(ウエット法)、脱水・凝固・乾燥(より好ましくは機械的せん断力をかけながら乾燥)するウエットマスターバッチから得ることができ、また、直接、ジエン系ゴムと充填剤とをバンバリーミキサー内等で混練した乾式マスターバッチから得ることができる。
本発明のゴムマスターバッチ(混合・熱処理ゴム)は、ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以上で、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理時間により得られる。
本発明において、ゴムマスターバッチを得る方法としては、充填剤を水中に分散させたスラリー溶液に、ジエン系ゴムを溶媒に溶解させて、混合し(ウエット法)、脱水・凝固・乾燥(より好ましくは機械的せん断力をかけながら乾燥)するウエットマスターバッチから得ることができ、また、直接、ジエン系ゴムと充填剤とをバンバリーミキサー内等で混練した乾式マスターバッチから得ることができる。
前記処理温度T(℃)は、50℃以上である。また処理温度上限は200℃以下が好ましい。前記処理温度T(℃)は90〜180℃の範囲が好ましく、更に好ましくは、100〜170℃の範囲である。前記処理温度Tが前記範囲未満では、充填剤とジエン系ゴムとの反応が時間を掛けても十分に促進しない。一方、前記範囲の温度を超えると、ジエン系ゴムの主鎖に分解などの悪影響を与える。
前記処理時間t(min)は、2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の範囲にある。これは、横軸に温度T(℃)、縦軸に時間t(min)の関係を取った場合、式t=1E+13*T5.4228−3.3を臨界線として、グラフの上方領域において低発熱性及び高補強な状態のゴムマスターバッチが得られるからである。また、処理時間tが2E+20*T-8.42を超えると、ジエン系ゴムの主鎖分解が生じて悪影響が出てくる。
前記処理時間t(min)は、2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の範囲にある。これは、横軸に温度T(℃)、縦軸に時間t(min)の関係を取った場合、式t=1E+13*T5.4228−3.3を臨界線として、グラフの上方領域において低発熱性及び高補強な状態のゴムマスターバッチが得られるからである。また、処理時間tが2E+20*T-8.42を超えると、ジエン系ゴムの主鎖分解が生じて悪影響が出てくる。
熱を加えることにより、ジエン系ゴムとカーボンブラック等の充填剤が反応し、補強構造を促進することが見られる。このため、混合時、即ちバンバリーミキサー等で高温になるまで混練することが試される。しかしながら、混練時間を延長しすぎると、ジエン系ゴムは機械的なシエアを長時間受けて主鎖の断裂が起こり、補強性や低ロスに悪影響を与える。また、ワンバッチ当たりのバンバリーミキサーでの占有時間の延長となり、生産性の低下を招く。
そこで、硫黄などの加硫剤を含まないバンバリーミキサー処理後のゴムマスターバッチを高温状態に維持又は加熱し、実験経験上で示される前記臨界線に従ってジエン系ゴムと充填剤との熱処理反応を促進させ、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性を高めるものである。尚、混合処理ゴムが一旦、冷却しても前記条件の範囲内で熱処理しても良い。
そこで、硫黄などの加硫剤を含まないバンバリーミキサー処理後のゴムマスターバッチを高温状態に維持又は加熱し、実験経験上で示される前記臨界線に従ってジエン系ゴムと充填剤との熱処理反応を促進させ、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性を高めるものである。尚、混合処理ゴムが一旦、冷却しても前記条件の範囲内で熱処理しても良い。
本発明のジエン系ゴム成分としては、天然ゴム、またはジエン系合成ゴムなどが挙げられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。ジエン系ゴム成分は天然ゴムやジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる充填剤としては、カーボンブラック及び/又は無機充填剤、特にシリカが好ましい。無機充填剤としては、シリカ以外のその他の無機化合物を使用しても良い。これら充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
前記カーボンブラックとしては、GPF,FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのもの等が挙げられる。
また、前記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。
無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
また、前記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。
無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
充填材は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、充填剤を10〜150質量部添加されるのが好ましく、特には10〜70質量部の範囲であることが好ましい。充填材の量が10質量部より少ないと充分な補強性が得られない場合があり、また150質量部を超えると加工性が悪化する場合がある。
本発明のゴムマスターバッチにあっては、硫黄、不溶性硫黄などの加硫剤を含まない。また、グアニジン系、チウラム系、ジチオカルバミン系、チアゾール系等の有機加硫促進剤を含まないことが好ましい。このような加硫剤を含むと、充填剤とゴム成分との拡散が悪く、基本的にマスターバッチの意議を失う。
また、本発明のゴムマスターバッチにあっては、前記充填剤以外に、目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えばプロセス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物で使用できるプロセス油としては、例えばパラフィン系,ナフテン系,アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部を超えると加硫ゴムの引張強度、低発熱性が悪化する傾向がある。
また、本発明のゴムマスターバッチにあっては、前記充填剤以外に、目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えばプロセス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物で使用できるプロセス油としては、例えばパラフィン系,ナフテン系,アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部を超えると加硫ゴムの引張強度、低発熱性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、前記ゴムマスターバッチを含むゴム成分に加硫剤及び加硫促進剤を加えたものである。前記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール),MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド),CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアジニン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
本発明のゴム組成物には、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド,アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、前記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に優れており、しかも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れている。
尚、本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤは、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
尚、本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤは、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、実施例中の各種の測定は下記の方法に拠った。
(1)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%で摩耗量を測定し、比較例1の逆数を100とする指数で表示した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(2)tanδ(低発熱性又は低ロス性)
レオメトリクス社製、メカニカルスペクトロメーターを用いて動的歪1.0%、周波数(振動)52Hzの条件下で25℃におけるtanδを測定した。tanδの数値が小さい程、発熱性が小さいことを示し、比較例1を100として指数表示した。
なお、実施例中の各種の測定は下記の方法に拠った。
(1)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%で摩耗量を測定し、比較例1の逆数を100とする指数で表示した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(2)tanδ(低発熱性又は低ロス性)
レオメトリクス社製、メカニカルスペクトロメーターを用いて動的歪1.0%、周波数(振動)52Hzの条件下で25℃におけるtanδを測定した。tanδの数値が小さい程、発熱性が小さいことを示し、比較例1を100として指数表示した。
(実施例1)
ジエン系ゴムに、JSR(株)製の#1500〔(乳化重合SBR質量平均分子量450,000)(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=23.5質量%/18%)〕を100質量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製:シースト9HM(商標))を加え、また、表1の配合内容Aに示すようにその他の添加剤を加えてバンバリーミキサー内で混練し、ゴムマスターバッチを調製した。
ジエン系ゴムに、JSR(株)製の#1500〔(乳化重合SBR質量平均分子量450,000)(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=23.5質量%/18%)〕を100質量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製:シースト9HM(商標))を加え、また、表1の配合内容Aに示すようにその他の添加剤を加えてバンバリーミキサー内で混練し、ゴムマスターバッチを調製した。
表1中のオイルは、新日本石油社製のスーパーオイルY22であり、老化防止剤は、大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクラック6Cであり、ワックスは、大内新興化学工業株式会社製、商標:サンノックであり、亜鉛華は、白水化学株式会社製、商標:1号亜鉛華である。
次に、ゴムマスターバッチを温度160℃で8分間熱処理を行った。尚、温度160℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、7.85minである。
その後、ゴムマスターバッチ(配合内容A)に加硫剤(硫黄)、加硫促進剤等の表2の配合内容Bを再びバンバリーミキサーで混練して、加硫した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
次に、ゴムマスターバッチを温度160℃で8分間熱処理を行った。尚、温度160℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、7.85minである。
その後、ゴムマスターバッチ(配合内容A)に加硫剤(硫黄)、加硫促進剤等の表2の配合内容Bを再びバンバリーミキサーで混練して、加硫した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
表2中の加硫促進剤BBSは、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドであり、加硫促進剤DPGは、ジフェニルグアニジンであり、加硫促進剤DMは、ジベンゾチアジルジスルフィドである。
(実施例2)
実施例1において、温度160℃に変えて130℃、及び処理時間を8分間に変えて35分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。尚、温度130℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、31.1minである。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
(実施例2)
実施例1において、温度160℃に変えて130℃、及び処理時間を8分間に変えて35分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。尚、温度130℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、31.1minである。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
(実施例3)
実施例1において、温度160℃に変えて100℃、及び処理時間を8分間に変えて330分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。尚、温度100℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、139minである。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
実施例1において、温度160℃に変えて100℃、及び処理時間を8分間に変えて330分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。尚、温度100℃における1E+13*T5.4228−3.3の値は、139minである。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
(比較例1)
実施例1において、熱処理を全くしなかった以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
実施例1において、熱処理を全くしなかった以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
(比較例2)
実施例1において、処理時間を8分間に変えて5分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
実施例1において、処理時間を8分間に変えて5分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
(比較例3)
実施例1において、温度160℃に変えて130℃、及び処理時間を8分間に変えて20分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
実施例1において、温度160℃に変えて130℃、及び処理時間を8分間に変えて20分間とする以外は、同様な方法でゴム組成物を製造した。
得られたゴム物性を前記測定方法により測定した。結果を表3に示した。
表3の結果から、熱処理をしない比較例1、温度に対して処理時間の足りない比較例2及び3は、実施例1−3に比べて、耐摩耗性及び低発熱性が劣ることが分かる。
本発明の混合・熱処理ゴム及びゴム組成物は製造が簡単で低発熱性及び耐摩耗性に優れ、空気入りタイヤに好適に使用できる産業上の利用可能性があるものである。
Claims (7)
- ジエン系ゴムと充填剤とを混合した後に、処理温度T(℃)が50℃以上、処理時間t(min)が2E+20*T-8.42>t>1E+13*T-5.4228−3.3の条件での熱処理により得られる、加硫剤を含まない混合・熱処理ゴム。
- 前記処理温度T(℃)が200℃以下である請求項1記載の混合・熱処理ゴム。
- 前記充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカである請求項1又は2記載の混合・熱処理ゴム。
- ジエン系ゴムが天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムである請求項1〜3のいずれかの項に記載の混合・熱処理ゴム。
- ジエン系ゴム成分100質量部に対して、充填剤を10〜150質量部の範囲で含む請求項1〜3のいずれかの項に記載の混合・熱処理ゴム。
- 請求項1〜5のいずれかの項に記載の混合・熱処理ゴムに加硫剤及び/又は加硫促進剤を添加して得られるゴム組成物。
- 請求項6に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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-
2006
- 2006-12-26 JP JP2006349221A patent/JP2008156548A/ja active Pending
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US20120048437A1 (en) * | 2010-08-24 | 2012-03-01 | Ryoji Kojima | Rubber composition for tire, production method thereof, and studless tire |
CN102372860A (zh) * | 2010-08-24 | 2012-03-14 | 住友橡胶工业株式会社 | 轮胎用橡胶组合物、其生产方法以及无钉防滑轮胎 |
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