JP2008150691A - マスクおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップが固定されていた支持基板を好適に回収して再利用することのできるマスクおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】複数のチップ20を保持する支持基板30を有するマスク10において、アライメントマーク33、34は、板状ガラスからなる支持基板30の厚さ方向の途中位置にレーザ光を照射してガラスを改質させることにより形成されている。このため、複数のチップ20のいずれかに不具合が発見されたときに、チップ20を除去して支持基板30を回収する際、アライメントマーク33、34が消失しないので、回収した支持基板30を用いて再度、マスク10を製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理基板上に真空蒸着法やスパッタ法などの物理気相成膜法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)などの化学気相成膜法により所定パターンの薄膜の形成に用いられるマスク、およびその製造方法に関するものである。
各種半導体装置や電気光学装置を製造するにあたって、開口部を備えたマスクを被処理基板に重ね、この状態で真空蒸着法やスパッタ法などの物理気相成膜法、あるいはCVDなどの化学気相成膜法により成膜を行うことがある。例えば、電気光学装置として有機エレクトロルミネッセンス(以下、EL(Electro Luminescence)という)装置を製造するにあたって、発光素子用の有機EL材料(有機機能層)を所定形状に形成する際にフォトリソグラフィ技術を利用すると、パターニング用のレジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機材料が水分や酸素に触れて劣化する。このため、有機機能層を形成するには、レジストマスクを必要としないマスク蒸着法が適している。
しかしながら、被処理基板が大きい場合には、マスクも大きく形成しなければならないが、このようなマスクを高精度に製作することは非常に困難である。
そこで、開口部が形成されたシリコン製の複数のチップを支持基板に接合してマスクを構成することが提案されている。ここで、支持基板には、チップを接合する際のアライメントマークや、成膜の際にマスクを被処理基板に位置合わせするためのアライメントマークが形成されており、このようなアライメントマークは、従来、レーザマーキング技術、エッチング技術、成膜技術などにより形成されるため、支持基板の表面に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−276480号公報
しかしながら、従来では、成膜精度の面から支持基板には平面度の高いものが求められることから、支持基板は高価であるにもかかわらず、複数のチップのいずれかに不具合が発生した場合には、支持基板も含めてマスク全体が廃棄されており、成膜コストを増大させる原因となっている。
ここに、本願発明者は、複数のチップのいずれかに不具合が発見されたときには、チップを除去して支持基板を回収し、回収した支持基板を用いて再度マスクを製造することにより、成膜コストを低減することを提案するものである。
しかしながら、チップをウエットエッチングにより支持基板上から除去する際、シリコンのみを選択的に溶解可能なエッチング液は、その種類が限定されてしまい、それ以外の溶液を用いた場合、支持基板表面に形成されていたアライメントマークが溶解し、あるいは、支持基板表面が溶解してアライメントマークが消失してしまうという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、チップが固定されていた支持基板を好適に回収して再利用することのできるマスクおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解消するために、本発明では、被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップを保持する支持基板とを有するマスクにおいて、前記支持基板には、厚さ方向の途中位置にアライメントマークが形成されていることを特徴とする。
本発明では、アライメントマークが支持基板の内部(厚さ方向の途中位置)に形成されているため、支持基板の表面に傷が入り、これによりアライメントマークが認識しづらくなった場合でも、傷が形成された表面付近を研磨すればアライメントマークを認識できるようになる。それ故、支持基板は、全体が破断してしまう等の致命的な損傷が発生しない限り、使用し続けることが可能である。また、複数のチップのいずれかに不具合が発見されたときには、チップをエッチングにより除去して支持基板を回収し、回収した支持基板を用いて再度マスクを製造することができるので、支持基板にかかる費用を削減でき、成膜コストを低減することができる。その際、アライメントマークは、支持基板の内部に形成されているため、チップをエッチングにより支持基板上から除去する際、アライメントマークはエッチング液に晒されないので、溶解せずそのまま残る。また、チップをエッチングにより支持基板上から除去する際、支持基板の表面が溶解しても、アライメントマークが消失しない。それ故、支持基板を好適な状態で回収することができるので、マスクの製造に再利用することができる。
本発明において、前記支持基板は板状ガラスにより形成され、前記アライメントマークは、前記板状ガラスの改質部分により形成されていることが好ましい。このような改質部分は、レーザ光を支持基板の厚さ方向の途中位置に集光させることにより容易に形成することができる。本発明において、「ガラス」とは、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラスなどのガラスに加えて、石英ガラスなども含む意味である。
本発明において、前記アライメントマークは、前記支持基板の表面から深さが10μm以上、かつ、100μm以下の位置に形成されていることが好ましい。従来は、アライメントマークを支持基板の表面上に形成し、これをカメラ等で認識していたが、本発明ではアライメントマークを支持基板の内部に形成するため、形成位置が深すぎるとアライメントマークを認識しづらいことがある。しかるに本発明では、支持基板の厚さ方向の途中位置のうち、支持基板の表面から深さが100μm以下の位置にアライメントマークを形成するため、支持基板の厚さ方向の途中位置にアライメントマークを形成した場合でも、カメラ等で確実に認識することができる。また、アライメントマークを支持基板の表面に近過ぎる位置に形成すると、支持基板に傷が入った場合などにおいてアライメントマークがダメージを受けてしまうおそれがあるが、アライメントマークを支持基板の表面から深さ10μm以上の位置に形成すれば、アライメントマークのダメージを回避することができる。
本発明において、被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップを保持する支持基板とを有するマスクの製造方法において、前記支持基板として板状ガラスを用いるとともに、当該板状ガラスの厚さ方向の途中位置にレーザ光を集光し、当該レーザ光によるガラスの改質部分により、前記支持基板の厚さ方向の途中位置にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成工程と、前記支持基板に前記複数のチップを固定するチップ固定工程と、を行うことを特徴とする。このような方法によれば、レーザ光を支持基板の厚さ方向の途中位置に集光させるだけで板状ガラスの厚さ方向の途中位置を改質し、アライメントマークを形成することができる。また、レーザ光の照射によれば、フォトリソグラフィ技術により支持基板の表面にCr膜からなるアライメントマークを形成する方法と比較して作業効率が高い。
本発明において、前記レーザ光は、例えばフェムト秒レーザである。フェムト秒レーザを用いれば、板状ガラスに大きなストレスを加えずに改質を行うことができるので、板状ガラスにクラックが発生するなどの問題を回避することができる。
本発明において、前記レーザ光としてはYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザを用いてもよい。YAGレーザを用いれば、加工を短時間で行うことができるので、アライメントマークを効率よく形成することができる。
本発明では、前記チップ固定工程の後、前記複数のチップのいずれかに不具合を発見したときに前記複数のチップをエッチングにより前記支持基板から除去するチップ除去工程を行い、該チップ除去工程で前記複数のチップが除去された支持基板に対して別のチップを固定する。このように構成すると、回収した支持基板を用いて再度マスクを製造することができるので、成膜コストを低減することができる。
[実施の形態1]
本発明の実施形態に係るマスクを説明する前に、マスクを用いて成膜が行われる有機EL装置の構成例を説明する。
(有機EL装置の構成例)
図1は、本発明を適用した有機EL装置の要部断面図である。図1に示す有機EL装置1は、表示装置や、電子写真方式を利用したプリンタに使用されるラインヘッドとして用いられるものであり、複数の有機EL素子3を配列してなる発光素子群3Aを備えている。有機EL装置1が、発光層7で発光した光を画素電極4側から出射するボトムエミッション方式の場合には、素子基板2側から発光光を取り出す。このため、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。また、素子基板2上には、画素電極4に電気的に接続された駆動用トランジスタ5a(薄膜トランジスタ)などを含む回路部5が、発光素子群3Aの下層側に形成されており、その上層側に有機EL素子3が形成されている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極4と、この画素電極4からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層6と、有機EL物質からなる発光層7(有機機能層)と、電子を注入/輸送する電子注入層8と、陰極9と、保護層とがこの順に積層された構造になっている。
このような有機EL装置1を製造するには、素子基板2に対して成膜工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成されるが、正孔輸送層6、発光層7、電子注入層8などの有機機能層は、水分や酸素により劣化しやすい。このため、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには、陰極9を形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能層が水分や酸素により劣化してしまう。そこで、本形態では、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには陰極9を形成する際には、マスク蒸着法を利用して、素子基板2に所定形状の薄膜を形成し、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。このマスク蒸着法では、大型基板(素子基板2/被処理基板)の所定位置にマスクを重ねた状態で蒸着を行う。発光層7を形成する場合には、低分子有機EL材料を加熱、蒸発させ、マスクの開口部を介して大型基板の下面に発光層7をストライプ状に形成する。正孔輸送層6、電子注入層8、陰極9などの形成も略同様に行う。
(マスクの構造)
図2は、本発明を適用したマスクの概略斜視図である。図3は、本発明を適用したマスクに用いた支持基板の説明図である。
図2に示すマスク10は、マスク蒸着に用いるマスクであり、ベース基板をなす支持基板30に、複数のチップ20を取り付けた構成を有している。このようなマスク1は、マスク蒸着を行う際、チップ20の方を被処理基板に向けて使用される。チップ20は、金属材料(例えばステンレス、インバー、42アロイ、ニッケル合金等)、ガラス、セラミックス、シリコンなどから形成することができ、本形態において、チップ20はシリコン基板により形成されている。複数のチップ20は各々、アライメントされて支持基板30に陽極接合や接着剤などにより接合されており、本形態において、各チップ20はエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤などの接着剤により接合されている。
支持基板30には、長方形の貫通穴からなる複数の開口領域32が平行、かつ一定間隔で設けられており、長孔形状の開口部22が複数一定間隔で平行に設けられている。複数のチップ20は、支持基板30の開口領域32を塞ぐように支持基板30上に固定されている。
チップ20の開口部22は、被処理基板の被成膜面に対する成膜パターンに対応する形状となっている。なお、マスク10は、被処理基板に対する被成膜領域と同一サイズを有している構成、および被成膜領域よりも小さなサイズを有している構成のいずれであってもよい。後者の場合には、マスク10を用いて被成膜領域の所定領域に成膜を行った後、マスク10をずらしながら複数回、成膜することにより、被成膜領域全体への成膜を行う。また、後者の場合、複数枚のマスク10を用いて、被成膜領域全体への成膜を行ってもよい。
本形態において、チップ20は、面方位(100)を有する単結晶シリコンウエーハや、面方位(110)を有する単結晶シリコンウエーハに対して、フォトリソグラフィ技術、ウエットエッチングやドライエッチングなどを用いて貫通溝からなる開口部22を形成することにより、製造される。複数のチップ20の各々にはアライメントマーク24が少なくとも2ヶ所形成されており、これらのアライメントマーク24は、支持基板30にチップ20を固定する際の位置合わせに使用される。アライメントマーク24は、フォトリソグラフィ技術または結晶異方性エッチングなどにより形成される。このようなチップ20を製造するには、例えば、面方位(110)のシリコンウエハーを用意し、熱酸化法により耐エッチングマスク材となる酸化シリコン膜のシリコンウエハーの表面に形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、酸化シリコン膜をパターニングし、耐エッチングマスク材を形成する。次に、テトラメチル酸化アルミニウムなどの有機系の水酸化物、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの無機系の水酸化物などを用いたアルカリ水溶液を用いてシリコンウエハーに結晶異方性エッチングを行い、貫通溝からなる開口部22を形成する。しかる後に、緩衝ふっ酸溶液を用いて酸化シリコン膜を除去し、チップ20を作成する。また、同様な方法により、アライメントマーク24を形成する。
支持基板30の構成材料は、チップ20の構成材料の熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数を有するものが好ましい。本形態では、チップ20がシリコン製であるので、シリコンの熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数をもつガラス材料で支持基板30を構成する。このようにすることにより、支持基板30とチップ20との熱膨張量の違いによる「歪み」または「橈み」の発生を抑えることができる。本形態では、支持基板30としては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、石英ガラスなどからなる板状ガラスが用いられている。
(支持基板のアライメントマークの構成)
図2および図3(a)に示すように、支持基板30には、例えば、対角線上に第1のアライメントマーク33が形成されている。第1のアライメントマーク33は、マスク10を使用して蒸着などを行うときに、マスク10の位置合わせを行うためのものである。なお、チップ20に第1のアライメントマーク33を形成してもよい。また、支持基板30には、第1のアライメントマーク33に加えて、支持基板30にチップ20を貼り合わせる際、チップ20側のアライメントマーク24と位置合わせされる第2のアライメントマーク34が開口領域32の周りに形成されている。
本形態において、アライメントマーク33、34は、図3(b)に示すように、支持基板30の厚さ方向に途中位置において、ガラスの屈折率が部分的に変化してなる改質部分、マイクロボイドが生成してなる改質部分、あるいは結晶析出してなる改質部分によって構成されている。本形態において、アライメントマーク33、34は、支持基板30においてチップ20が接合されている側の面から深さが10μm以上、かつ、100μm以下の位置に形成されている。
(支持基板のアライメントマーク形成方法およびマスクの製造方法)
図4は、本発明を適用したマスクの製造方法、および再生した支持基板を用いてマスクを製造する方法を示す工程図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るマスクの製造工程のうち、支持基板にアライメントマークを形成する工程を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は各々、アライメントマーク形成装置の概略構成図、支持基板の厚さ方向の途中位置にレーザ光を集光させた様子を示す説明図、および支持基板上におけるレーザ光の集光位置を移動させる様子を示す説明図である。
図2および図3を参照して説明したマスク10を製造するには、まず、図2に示すチップ20を形成しておく一方、図4に示すように、開口領域32を形成した支持基板30にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成工程ST10、支持基板30に複数のチップ20を接合するチップ接合工程ST20(チップ固定工程)とを行う。支持基板30に対して開口領域32を形成するには、板状ガラスを所定形状に切り出した後、板状ガラスに対して、ブラスト工程、あるいはフォトリソグラフィ技術とふっ酸を用いたウエットエッチング技術とを組み合わせた工程を行う。
次に、図4に示すアライメントマーク形成工程ST10においては、図5(a)に示すアライメントマーク形成装置50Aを用いて、支持基板30にアライメントマーク33、34を形成する。アライメントマーク形成装置50Aは、レーザ装置51Aと、支持基板30を保持するXYステージ54Aと、レーザ装置51Aから出射されたレーザ光を支持基板30に集光させながら導く光学系55Aとを有しており、光学系55Aは、レーザ装置51Aから出射されたレーザ光を支持基板30に導くミラー52A、およびレーザ光を支持基板30に集光させる対物レンズ53(倍率100倍、開口数0.8)を備えているとともに、レーザ装置51Aから出射されたレーザ光のビーム形状を整えるビーム整形光学素子(図示せず)なども備えている。
本形態において、レーザ装置51Aは、フェムト秒レーザ装置からなり、波長800nm、パルス幅100fsのフェムト秒レーザ光を出射する。
このようなアライメントマーク形成装置50Aを用いて、支持基板30に例えば、一辺が150μmの正方形のアライメントマーク33、34を形成するには、まず、XYステージ54A上に支持基板30を載置した後、支持基板30の所定の場所にレーザ装置51Aよりレーザ光を1回照射する(以降、この動作を「1ショットする」と呼ぶ)。その際、図5(b)に示すように、レーザ光の焦点位置を支持基板30の厚さ方向の途中位置に設定することにより、支持基板30の厚さ方向の途中位置にレーザ光を集光させ、ガラスの屈折率が部分的に変化した改質部分39、マイクロボイドを生成してなる改質部分39、あるいは結晶が析出してなる改質部分39を形成する。ここで、改質部分39は、支持基板30の表面からの深さdが10μm以上、かつ、100μm以下となる位置に形成される。また、改質部分39は、図5(c)に示すように、直径が1μmのスポット状である。なお、図5(c)には、便宜上、改質部分39を円形で表わし、かつ、改質部分39を拡大して表わしてあるが、改質部分39の形状は、正確に言えば、正方形に近い円形である。
また、本形態では、以下に説明するように、改質部分39のオーバーラップ率を75%に設定してアライメントマーク33、34の形状精度を高めてある。すなわち、レーザ装置51Aより支持基板30に対して1ショットした後、XYステージ54Aを+x方向に0.25μm移動させ、1ショットする。そして、この動作をXYステージ54Aのx方向における移動距離が150μmとなるまで繰り返し行う。その結果、支持基板30には、一番始めに形成された改質部分39の位置を原点とした時、この原点から−x方向に0.25μm間隔に改質部分39が複数、形成される。次に、XYステージ54Aを−y方向に0.25μm移動させ1ショットする。さらに、XYステージ54Aを−x方向に0.25μm移動させ、1ショットする。そして、この動作をXYステージ54Aの−x方向における移動距離が150μmとなるまで繰り返し行うことにより、原点からy方向に0.25μmずれた位置、かつ+x方向に0.25μm間隔に改質部分39が複数、形成される。次に、XYステージ54Aを−y方向に0.25μm移動させ1ショットする。
以降、上記した動作を繰り返し行うことにより、支持基板30の厚さ方向の途中位置には、複数の改質部分39によって、一辺が150μmの正方形のアライメントマーク33、34が1つ形成される。以降、上記の工程を繰り返して、支持基板30の所定の位置にアライメントマーク33、34を各々形成する。
次に、図4に示すチップ接合工程ST20において、支持基板30の第2のアライメントマーク34と、チップ20のアライメントマーク24を利用して、複数枚のチップ20を各々、位置合わせしながら、支持基板30上の所定位置に固定する。本形態では、チップ20を各々、支持基板30上の所定位置にエポキシ系の接着剤により固定する。このようにしてマスク10が完成する。
(マスクの再生方法)
このようにしてマスク10を製造した後、検査工程において、あるいは成膜工程での使用により、複数のチップ20のいずれかに損傷などの不具合が発生した場合には、図4に示すチップ除去工程ST30でエッチングを行い、複数のチップ20を全て溶解させて除去する。ここで行うエッチングは、例えば、3%の水酸化カリウム水溶液を用い、その液温は80℃である。水酸化カリウム水溶液は、テトラメチル酸化アルミニウムなどの有機系の水酸化物の水溶液に比較して、シリコンに対する溶解速度が高いので、短時間でチップ20を溶解させることができる。
次に、図4に示す接着剤除去工程ST40において、支持基板30に付着している接着剤を除去する。これにより、支持基板30に再度、チップ20を接合する際、チップ20を平滑かつ正確に接合することができる。本形態では、エポキシ系の接着剤を用いたので、硫酸と過酸化水素水の混合液に支持基板30を浸漬して接着剤を除去する。
次に、図4に示すチップ接合工程ST20において、チップ20を除去した支持基板30に対して、アライメントマーク24、34に用いて新たなチップ20を位置合わせしながら、支持基板30上の所定位置に固定する。その際も、チップ20を各々、支持基板30上の所定位置にエポキシ系の接着剤により固定する。このようにして、再生した支持基板30を用いたマスク10が完成する。なお、チップ除去工程ST30を行った際、アライメントマーク33、34は支持基板30の厚さ方向の途中位置に形成されているので、損傷していないので、支持基板30にアライメントマーク33、34を形成し直す必要がない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、複数のチップ20と、複数のチップ20を保持する支持基板30とを有するマスク10において、支持基板30には、アライメントマーク33、34が形成されているとともに、アライメントマーク33、34は支持基板30の厚さ方向の途中位置に形成されている。このため、複数のチップ20のいずれかに不具合を発見したとき、複数のチップ20をエッチングにより支持基板30から除去して支持基板30を回収する際、アライメントマーク33、34を消失させずに支持基板30を回収することができる。すなわち、アライメントマーク33、34は支持基板30の内部に形成されているため、水酸化カリウム水溶液などのエッチング液でチップ20を溶解させる際、アライメントマーク33、34がエッチング液に晒されないので、アライメントマーク33、34が消失することがない。それ故、高価な支持基板30を回収、再利用してマスク10を安価に提供することができるので、成膜コストを低減することができる。
また、アライメントマーク33、34がエッチング液に晒されないので、シリコンに対する溶解速度の高い水酸化カリウム水溶液でチップ20を溶解、除去することができる。それ故、テトラメチル酸化アルミニウム水溶液でチップ20を溶解、除去する場合と比較して、支持基板30を効率よく回収することができる。
さらに、本形態では、アライメントマーク33、34は、支持基板30の表面から深さ10μm以上、かつ、100μm以下の位置に形成されている。このように、アライメントマーク33、34は支持基板30の内部に形成されているが、支持基板30の表面に近い位置に形成されているため、アライメントマーク33、34をカメラ等で認識することが容易である。また、アライメントマーク33、34は、支持基板30の表面からある程度の深さをもって形成されているため、支持基板30に傷が入った場合でも、アライメントマーク33、34がダメージを受けてしまうということを回避することができる。
さらに、アライメントマーク33、34が支持基板30の内部に形成されているので、支持基板30支持基板30の表面に傷が入り、これによりアライメントマーク33、34が認識しづらくなった場合でも、傷が形成された表面付近を研磨すれば、傷を消去できる一方で、アライメントマーク33、34はそのまま残っている。それ故、支持基板30は、全体が破断してしまう等の致命的な損傷が発生しない限り、使用し続けることが可能である。
さらにまた、本形態では、レーザ装置51Aから照射されるフェムト秒レーザ光の繰り返し率を10kHzとした場合、支持基板30に対して1秒間に10000ショット行うことができる。本形態のアライメントマーク33、34のサイズは、一辺が150μmの正方形であり、0.25μmごとに1ショットするため、アライメントマーク33、34の一辺を形成するには600ショット(=150÷0.25)、1つのアライメントマーク33、34を完成させるには、360000ショット行えばよい。従って、1つのアライメントマーク33、34を完成させるのに必要な時間は1分以下である。このように、本形態のマスク10の製造方法では、ウエットエッチングを用いてアライメントマーク33、34を形成する場合と比較して、非常に短い時間でアライメントマーク33、34を形成でき、マスク10の製造時間を短縮することができる。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係るマスクの製造工程のうち、支持基板にアライメントマークを形成する工程を模式的に示す説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は各々、アライメントマーク形成装置の概略構成図、支持基板の厚さ方向の途中位置にレーザ光を集光させた様子を示す説明図、および支持基板上におけるレーザ光の集光位置を移動させる様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して説明する。
実施の形態1においては、支持基板30にアライメントマーク33、34を形成するにあたって、フェムト秒レーザ装置(レーザ装置51A)およびXYステージ54Aを用いたが、図6(a)に示すように、本形態のアライメントマーク形成装置50Bにおいては、まず、レーザ装置51BとしてYAGレーザ装置が用いられており、YAGレーザ装置は、波長1064nm、パルス幅10μsのレーザ光を出射する。また、本形態のアライメントマーク形成装置50Bにおいて、レーザ装置51Bから出射されたレーザ光を支持基板30に集光させながら導く光学系55Bは、対物レンズ53やビーム整形光学素子(図示せず)などを備えているとともに、支持基板30上におけるレーザ光の集光位置を移動させることを目的に、ガルバノミラー52Bを備えた光走査装置56Bを備えている。このため、支持基板30は固定のステージ54B上に載置されており、支持基板30上におけるレーザ光の集光位置は、光走査装置56Bにおいてガルバノミラー52Bが回転することにより連続的に移動する。
本形態でも、図6(b)に示すように、レーザ光の焦点位置は、支持基板30の厚さ方向の途中位置に設定される。このため、支持基板30の厚さ方向の途中位置には、レーザ光の集光によって、ガラスの屈折率が部分的に変化した改質部分39、マイクロボイドを生成してなる改質部分39、あるいは結晶が析出してなる改質部分39が形成される。また、図6(c)に示すように、ガラスの改質部分39を複数、連続的に形成することによって、支持基板30の厚さ方向の途中位置に所定形状のアライメントマーク33、34を形成することができる。本形態でも、アライメントマーク33、34は、支持基板30の表面からの深さdが10μm以上、かつ、100μm以下となる位置に形成される。
このようにしてアライメントマーク33、34を形成した支持基板30を用いてマスク10を構成した場合でも、アライメントマーク33、34は支持基板30の内部に形成されているため、複数のチップ20のいずれかに不具合を発見したときに複数のチップ20をエッチングにより支持基板30から除去する際にアライメントマーク33、34が消失しないなど、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、本形態では、レーザ装置51BとしてYAGレーザ装置を用いたので、実施の形態1よりも効率よくアライメントマーク33、34を形成でき、マスク10の製造時間を短縮することができる。
[その他の実施の形態]
実施の形態1では、レーザ装置51Aとしてフェムト秒レーザ装置を用い、支持基板30へのレーザ光の集光位置を変化させるにあたって支持基板30の方を移動させたが、実施の形態2のように、レーザ光の方を移動させて、支持基板30へのレーザ光の集光位置を変化させてもよい。また、実施の形態2では、レーザ装置51BとしてYAGレーザ装置を用い、支持基板30へのレーザ光の集光位置を変化させるにあたってレーザ光の方を移動させたが、実施の形態1のように、支持基板30の方を移動させて支持基板30へのレーザ光の集光位置を変化させてもよい。
また、上記形態では、真空蒸着に用いるマスクを例に説明したが、スパッタ法、イオプレーティング法、その他の物理気相成膜法に用いられるマスク、あるいはCVDなどの化学気相成膜法に用いるマスクに本発明を適用してもよい。
本発明を適用した有機EL装置の一例を示す要部断面図である。 本発明を適用したマスクの斜視図である。 本発明を適用したマスクに用いた支持基板の説明図である。 本発明を適用したマスクの製造方法、および再生した支持基板を用いてマスクを製造する方法を示す工程図である。 本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係るマスクの製造方法を模式的に示す説明図である。
符号の説明
10・・マスク、20・・チップ、30・・支持基板、33、34・・アライメントマーク、39・・ガラスの改質部分、50A、50B・・アライメントマーク形成装置、51A、51B・・レーザ装置

Claims (7)

  1. 被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップを保持する支持基板とを有するマスクにおいて、
    前記支持基板には、厚さ方向の途中位置にアライメントマークが形成されていることを特徴とするマスク。
  2. 前記支持基板は板状ガラスにより形成され、
    前記アライメントマークは、前記板状ガラスの改質部分により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
  3. 前記アライメントマークは、前記支持基板の表面から深さが10μm以上、かつ、100μm以下の位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のマスク。
  4. 被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップを保持する支持基板とを有するマスクの製造方法において、
    前記支持基板として板状ガラスを用い、
    当該板状ガラスの厚さ方向の途中位置にレーザ光を集光し、当該レーザ光によるガラスの改質部分により、前記支持基板の厚さ方向の途中位置にアライメントマークを形成するアライメントマーク形成工程と、
    前記支持基板に前記複数のチップを固定するチップ固定工程と、
    を有することを特徴とするマスクの製造方法。
  5. 前記レーザ光はフェムト秒レーザであることを特徴とする請求項4に記載のマスクの製造方法。
  6. 前記レーザ光はYAGレーザであることを特徴とする請求項4に記載のマスクの製造方法。
  7. 前記チップ固定工程の後、
    前記複数のチップのいずれかに不具合を発見したときに前記複数のチップをエッチングにより前記支持基板から除去するチップ除去工程を行い、
    該チップ除去工程で前記複数のチップが除去された支持基板に対して別のチップを固定することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載のマスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101267220B1 (ko) * 2011-10-06 2013-05-24 주식회사 엘티에스 레이저를 이용한 마스크 제조방법
JP2015151579A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 大日本印刷株式会社 蒸着マスク装置の製造方法、基板付蒸着マスクおよび積層体
JP2019151936A (ja) * 2019-06-11 2019-09-12 大日本印刷株式会社 蒸着マスク装置の製造方法、基板付蒸着マスクおよび積層体

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