JP2008144824A - 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置 - Google Patents

動力伝達チェーンの製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008144824A
JP2008144824A JP2006331287A JP2006331287A JP2008144824A JP 2008144824 A JP2008144824 A JP 2008144824A JP 2006331287 A JP2006331287 A JP 2006331287A JP 2006331287 A JP2006331287 A JP 2006331287A JP 2008144824 A JP2008144824 A JP 2008144824A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
link
pin
pretension
applying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006331287A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Miura
義久 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2006331287A priority Critical patent/JP2008144824A/ja
Publication of JP2008144824A publication Critical patent/JP2008144824A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

【課題】 小径のプーリに巻き掛けられるチェーンでも適切な予張力付与条件を確保することができる動力伝達チェーンの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】 予張力付与装置は、予張力付与用第1回転軸と予張力付与用第2回転軸との間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与するもので、予張力付与時には、各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士が引っ張られる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、動力伝達チェーンの製造方法および製造装置、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法および製造装置に関する。
自動車用無段変速機として、図6に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無段変速機)が知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
そして、この種の動力伝達チェーンでは、耐久性を向上させるために、その製造工程において、実際に使用される無段変速機(実機)に類似した構成の予張力付与装置を使用し、ピンを円錐状のシーブ面で挟んだ状態で、張力をチェーンに予め付与(予張)することにより、リンクに適当な残留圧縮応力を付与することが行われている。
特開2006−102784号公報
この種の動力伝達チェーンでは、リンクの耐久性が特に重要なものとなっており、その耐久性のより一層の向上が課題となっている。従来、予張時におけるプーリの径については考慮されていなかったが、実使用条件よりも厳しい条件で予張を付与するという観点からすると、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようにすることが好ましい。しかしながら、実機に類似した構成の予張力付与装置を使用すると、プーリが小さい場合に、所定の荷重を付与する前にリンク底部(リンクのチェーン内径側の面)がプーリ軸に干渉するという問題がある。干渉を回避するには、プーリ軸を細くすればよいが、実機の条件よりも大きい応力が掛かるように予張力を付与すると、予張力付与装置のプーリ軸が破断する可能性がある。
この発明の目的は、小径のプーリに巻き掛けられるチェーンでも適切な予張力付与条件を確保することができる動力伝達チェーンの製造方法および製造装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンの製造方法であって、予張力付与用第1回転軸と予張力付与用第2回転軸との間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する工程を備えており、各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士を引っ張って予張力を付与することを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーンの製造装置は、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンの製造装置であって、予張力付与用第1回転軸と予張力付与用第2回転軸との間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する予張力付与装置を備えており、予張力付与時には、各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士が引っ張られることを特徴とするものである。
この発明による製造方法および製造装置で得られる動力伝達チェーンは、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる各プーリのシーブ間距離の変化に伴って巻き掛け径が無段階に変更されて無段階の変速が行われる無段変速機で使用されるのに適している。
無段変速機の実機に対応するように、ピンを円錐状のシーブ面で挟んだ状態で予張力を付与する場合、巻き掛け径が大きい場合には、リンクとプーリ軸とは接触することがないが、巻き掛け径を小さくしていくと、所定の荷重を付与する前にリンクとプーリ軸とが接触する可能性がある。この接触時には、リンクとプーリ軸の接触部に大きな応力が集中して、リンクまたはプーリの破損の原因となることがあり、あるいは、所定荷重が付与できず耐久性を向上できないことがある。これに対し、予張力付与用の各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士を引っ張る場合には、リンクとプーリ軸とが常時接触していることによって、リンクと予張力付与用回転軸との接触部に応力が集中することはなく、したがって、回転軸の径を小さくしても、リンクまたは軸が破損することはなく、また、適正な予張力を確実に付与できる。
予張力付与用回転軸の少なくとも一方は、無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさとされることが好ましい。無段変速機では、低速走行時に対応する変速比が最大のアンダー・ドライブ(以下、「U/D」と称す。)と、高速走行時に対応する変速比が最小のオーバー・ドライブ(以下、「O/D」と称す。)との間で変速比が変化する。ピンの動きしたがってリンクの負荷は、巻き掛け径が大きいプーリに沿って回るときよりも巻き掛け径が小さいプーリに沿って回るときに大きなものとなる。そこで、予張力付与時の巻き掛け径(予張力付与用回転軸の外径)を無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下とすることにより、リンクに広い範囲にわたって均等な応力を付与することが可能となり、リンクを偏りなく伸ばすことができる。
予張力付与装置を無段変速機(実機)を模擬したものとした場合、巻き掛け径を無段階で変化させることができ、実機の使用条件に近い条件で予張力を付与することができるが、その分、予張力付与装置の構成が複雑でコストが高く付くという問題が生じる。上記予張力付与装置では、構成が簡単でコストの低減が可能であり、しかも、チェーンにとって厳しい(重要な)条件である巻き掛け径が小さい状態で予張力を付与する場合に、プーリ軸とリンクとが接触して生じる問題を解消することができる。
予張力は、リンクに発生する最大主応力がリンクの弾性限界応力以上となる大きさとされる。このようにすることで、予張力によって、リンクが塑性変形し、リンク内部に適正な残留圧縮応力が付与され、疲労耐久性能が向上する。
上記の製造方法は、種々の無段変速機用動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、上記のようにして予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。
この発明の動力伝達チェーンの製造方法および製造装置によると、単純な軸で引っ張って予張力を付与することにより、装置を単純で安価なものとすることができるとともに、軸径を小さくしても応力集中による軸の破損が防止されるので、小径のプーリに巻き掛けられるチェーンでも適切な予張力付与条件を確保することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および製造装置で製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図3に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、例えば、インターピース(第2ピン)(15)がピン(第1ピン)(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図3において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には予張力が付与される。
図4および図5に、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および製造装置において使用される予張力付与装置を示す。
予張力付与装置(31)は、回転駆動装置(図示略)によって駆動される予張力付与用第1回転軸(32)と、予張力付与用第1回転軸(32)に対して接近・離隔可能な予張力付与用第2回転軸(33)とを備えている。
そして、実際の無段変速機では、図3に示したように固定シーブ(2a)と可動シーブ(2b)とによってピン(14)を挟持することによってチェーン(1)が保持され、プーリ軸(2e)の外周面とリンク(11)のチェーン内径側の面とは接触しない状態で使用されるのに対し、この予張力付与装置(31)では、各回転軸(32)(33)の外周面とリンク(11)のチェーン内径側の面とを接触させることによってチェーン(1)が保持され、この状態で回転軸(32)(33)同士を引っ張って予張力を付与するものとされている。
各回転軸(32)(33)の外径は、無段変速機で得られる最小巻き掛け径の大きさとされている。この径は、U/D状態あるいはO/D状態の小さい方の径と同じであり、ピン(14)およびインターピース(15)の動きが大きく、チェーン(1)にとって厳しい条件となっている。また、張力の大きさは、リンク(11)内部(特にピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)における圧入部)に発生する最大主応力値がリンク(11)の弾性限界以上でかつ塑性限界以下となるように設定され、これにより、リンク(11)内部に適正な残留圧縮応力が付与される。
この予張力付与装置(31)によると、各回転軸(32)(33)の外周面とリンク(11)のチェーン内径側の面とが常時接触していることによって、通常は離れた状態にあるリンク(11)とプーリ軸(2e)とが干渉した場合に生じる応力集中が避けられ、小さいサイズのチェーン(1)に対し小径の回転軸(32)(33)を使用して予張力を付与する場合であっても、回転軸(32)(33)やリンク(11)の損傷を防止することができる。
なお、上記予張力の付与は、第1ピンおよび第2ピンの長さが略等しく、両方ともがシーブ面に接触するチェーンにも適用することができ、さらに、第1ピンおよび第2ピンの両方が前後挿通部に対し移動可能に嵌め入れられるチェーンにも適用可能である。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および製造装置で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、予張力付与装置を模式的に示す側面図である。 図5は、同正面図である。 図6は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(31) 予張力付与装置
(32) 予張力付与用第1回転軸
(33) 予張力付与用第2回転軸

Claims (2)

  1. 複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンの製造方法であって、
    予張力付与用第1回転軸と予張力付与用第2回転軸との間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する工程を備えており、各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士を引っ張って予張力を付与することを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
  2. 複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり、無段変速機の1対のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンの製造装置であって、
    予張力付与用第1回転軸と予張力付与用第2回転軸との間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する予張力付与装置を備えており、予張力付与時には、各回転軸の外周面とリンクのチェーン内径側の面とを接触させた状態で回転軸同士が引っ張られることを特徴とする動力伝達チェーンの製造装置。
JP2006331287A 2006-12-08 2006-12-08 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置 Withdrawn JP2008144824A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006331287A JP2008144824A (ja) 2006-12-08 2006-12-08 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006331287A JP2008144824A (ja) 2006-12-08 2006-12-08 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008144824A true JP2008144824A (ja) 2008-06-26

Family

ID=39605230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006331287A Withdrawn JP2008144824A (ja) 2006-12-08 2006-12-08 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008144824A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150569A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 株式会社ジェイテクト 動力伝達チェーンの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150569A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 株式会社ジェイテクト 動力伝達チェーンの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4923799B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4997538B2 (ja) 動力伝達装置
JP5347290B2 (ja) 動力伝達チェーンの予張方法
JP4910982B2 (ja) 動力伝達チェーンの製造方法
JP4770454B2 (ja) 無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法
JP2008144824A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP4853017B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置
JP4910978B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP5035514B2 (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP5125648B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2009028737A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置
JP5151140B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008111494A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP2008168301A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法および製造装置
JP2008185119A (ja) 動力伝達装置
JP2008151317A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008144825A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2011200874A (ja) 動力伝達チェーンの製造方法
JP2008267578A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2009255121A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張装置
JP5211346B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008208920A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4770610B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008238226A (ja) 動力伝達チェーンの予張方法および予張治具
JP2007170618A (ja) 無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100302