JP2008139048A - 振動型ジャイロセンサ及びその製造方法 - Google Patents

振動型ジャイロセンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部からの歪みによる影響を受けることなく振動特性の安定化を図ることができる振動型ジャイロセンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る振動型ジャイロセンサ10は、角速度を検出する振動素子1と、振動素子を支持する支持基板2と、支持基板2と電気的に接続され外部接続端子3を有する中継基板4と、支持基板2と中継基板4との間を電気的に接続する配線部材5とを備え、配線部材5は、支持基板2の周囲に複数配置された弾性材料からなり、中継基板4に対して、配線部材5の先端部を挿着して電気的機械的に接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばビデオカメラの手振れ検知やバーチャルリアリティ装置における動作検知、カーナビゲーションシステムにおける方向検知などに用いられる振動型ジャイロセンサ及びその製造方法に関する。
従来より、民生用の角速度センサとしては、片持ち梁の振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響によって生じるコリオリ力を圧電素子などで検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動型のジャイロセンサ(以下「振動型ジャイロセンサ」という。)が広く用いられている。
振動型ジャイロセンサは、単純な機構、短い起動時間、安価で製造可能といった利点を有しており、例えば、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムなどの電子機器に搭載され、それぞれ手振れ検知、動作検知、方向検知などをする際のセンサとして活用されている。
振動型ジャイロセンサは、搭載される電子機器の小型化、高性能化に伴い、小型化、高性能化が要求されている。例えば、電子機器の多機能化のため、他の用途で用いる各種センサと組み合わせて、振動型ジャイロセンサを一基板上に搭載し小型化を図るといった要請がある。この小型化を図る上で、シリコン(Si)基板を用い、半導体で用いられる薄膜プロセスとフォトリソグラフィ技術を用いて構造体を形成するMEMSと呼ばれる技術を用いることが一般的となってきている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2005−227110号公報
しかしながら、上記のような小型でかつ振動動作を伴う部品は、外部からの歪みの影響を受けて、特性が大きく変動してしまう可能性がある。特に、この種の振動型ジャイロセンサを他のセンサ部品とともに同一基板上に実装してモジュール化を図る場合、基板への実装前後で角速度の検出特性が変化するようなことがあると、実装後さまざまな調整を行っても仕様規格から外れてしまう懸念がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、外部からの歪みによる影響を受けることなく振動特性の安定化を図ることができる振動型ジャイロセンサ及びその製造方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の振動型ジャイロセンサは、角速度を検出する振動素子と、上記振動素子と電気的に接続され当該振動素子を支持する支持基板と、上記支持基板と電気的に接続され外部接続端子を有する中継基板と、上記支持基板と上記中継基板との間を電気的に接続する配線部材とを備えた振動型ジャイロセンサであって、
上記配線部材は、上記支持基板の周囲に複数配置された導電性弾性材料からなるとともに、
上記中継基板には、上記配線部材の先端部が挿着されることで当該配線部材と電気的機械的に接合される接合部が設けられていることを特徴とする。
中継基板に対して支持基板を配線部材によって弾性的に支持する構造とすることで、中継基板に生じた歪みが支持基板に伝達されるのを阻止することができ、振動素子の振動特性の安定化を図ることができる。また、配線部材の先端部を中継基板に挿着して(突き刺して)電気的機械的接合を図る構成であるので、接合部の接続信頼性を高めることができる。
配線部材の先端部が挿着される中継基板の接合部の構成としては、配線部材の先端部を収容する接合孔と、この接合孔の内部に収容された導電性接着剤とで構成される。このような構成とすることにより、中継基板に対する配線部材先端部の抜け方向に作用する外力に対して強い耐久性を発揮でき、接合部における配線部材の接続信頼性を確保することができる。
また、本発明の振動型ジャイロセンサの製造方法は、角速度を検出する振動素子が実装された支持基板の周囲に複数本のバネ性の配線部材が接合されており、外部接続端子を有する中継基板上に上記支持基板が上記複数本の配線部材を介して接続されてなる振動型ジャイロセンサの製造方法であって、
上記振動素子が実装された支持基板を準備する工程と、
上記支持基板の周囲に上記複数本の配線部材を接合する工程と、
上記中継基板に対して上記配線部材の先端部を挿着することで、上記支持基板と上記中継基板の間を電気的機械的に接合する工程とを有する。
以上のようにして製造される本発明の振動型ジャイロセンサにおいては、外部歪みによる影響を抑えた安定した振動特性および出力特性を得ることができる振動型ジャイロセンサの製造を容易に行うことができるとともに、接合部における配線部材の接続信頼性を高めることができる。
以上述べたように、本発明によれば、外部歪みによる影響を抑えて安定した振動特性と出力特性を得ることができる。また、外部歪みによる影響を受けず、接合部の接続信頼性を高めた振動型ジャイロセンサを容易に作製することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
図1は、本発明の実施形態による振動型ジャイロセンサ10の構成を概略的に示す側断面図である。
本実施形態の振動型ジャイロセンサ10は、図1に示すように、一対の振動素子1X,1Yと、これらの振動素子1X,1Yを支持する支持基板2と、支持基板2と電気的に接続され外部接続端子3を有する中継基板4と、センサ高さ方向に対向する支持基板2と中継基板4との間に配置された複数の配線部材5と、中継基板4の上面を被覆するキャップ部材6とを備えている。
本実施形態の振動型ジャイロセンサ10は、例えばビデオカメラに搭載されて手振れ補正機構を構成する。また、振動型ジャイロセンサ10は、例えばバーチャルリアリティ装置に用いられて動作検知器を構成したり、カーナビゲーションシステムに用いられて方向検知器を構成する。
支持基板2は、例えば、セラミックス基板やガラス基板等で構成されている。支持基板2の一方の主面(図1において下面)は、後述する振動素子1X,1Yが実装される複数個のランドを含む配線パターンが形成された部品実装面2Aとされている。部品実装面2Aには、一対の振動素子1X,1Y(以下、個別に説明する場合を除いて振動素子1と総称する)、IC回路素子7、更には多数個のセラミックコンデンサ等の適宜の電子部品8が混載されている。なお、簡略のため、図1には電子部品8を一部のみ示している。
図2は、支持基板2の部品実装面2Aを上から見たときの平面図である。支持基板2は四角形状とされているが、勿論、形状はこれに限られない。支持基板2の部品実装面2Aには、所定の配線パターン(図示略)が形成されているとともに、振動素子1がそれぞれバンプ13(図1参照)を介して支持基板2上にフリップチップ実装されている。本実施形態では、バンプ13は金のスタッドバンプからなり、支持基板2上に超音波接合されている。振動素子1は、支持基板2上の配線パターンを介して、IC回路素子7に電気的に接続されている。
支持基板2は両面配線基板として構成され、部品実装面2A上に形成された配線パターンが支持基板2の他方の面(図1において上面)に導出されている。図3は図1に示した振動型ジャイロセンサ10をキャップ部材6を取り外して見たときの平面図である。この支持基板2の他方側の面は端子形成面2Bとされており、図3に示すように、この端子形成面2Bの周囲に沿って複数の端子部2tが形成されている。各端子部2tには、後述する複数の配線部材5がそれぞれ接合されている。
中継基板4は、例えばガラスエポキシ材料を基材とする有機系両面多層配線基板で構成されている。中継基板4の一方の面(図1において下面)4Aには複数の外部接続端子3が配列されている。振動型ジャイロセンサ10は、これら外部接続端子3を介して外部の制御基板9に対して電気的・機械的に接続される。制御基板9は、振動型ジャイロセンサ10に対する入出力配線が形成された配線基板であり、デジタルカメラ等の電子機器に搭載される。この制御基板9には、振動型ジャイロセンサ10だけでなく、図示せずとも他の電気・電子部品が実装されている。制御基板9上の各種部品は、例えばリフロー炉に装填されることで一括的にはんだ付けされる。
中継基板4の他方の面(図1において上面)4Bは、支持基板2を支持するとともに支持基板2と電気的に接続される端子形成面とされている。支持基板2は、複数の配線部材5を介して中継基板4の端子形成面4B上に支持されている。後述するように、配線部材5は導電性材料で構成されており、これら複数の配線部材5と接する端子形成面4B上の領域には、外部接続端子3と電気的に連絡する端子部4t(図1)がそれぞれ形成されている。なお、端子部4tは、中継基板4の内層部に形成された配線パターンの一部で形成されている。
配線部材5は線状の導電性バネ部材からなり、支持基板2と中継基板4との間を電気的に接続する配線としての機能のほか、中継基板4に対して支持基板2を弾性的に支持する機能を有している。配線部材5の構成材料としては、バネ性と導電性を有するものであれば特に限定されず、金属材料が好適であり、特に本実施形態では、リン青銅からなるバネ部材が用いられている。
配線部材5は、支持基板2の端子形成面2Bに形成された端子部2tに接合される第1アーム5aと、中継基板4の端子形成面4Bに形成された端子部4tに接合される第2アーム5bとを備えている。第1アーム5aと第2アーム5bは、線状の配線部材5を所定位置で90度方向に屈曲加工して形成され、後述するような形態で、第1,第2アーム5a,5bの各々の先端部が端子部2t,4tにそれぞれ接合される。各アーム5a,5bと端子部2t,4tとの間の接合は、導電性接着剤やはんだ等の導電性接合材を用いることができ、本実施形態では、Ag(銀)ペーストが用いられている。
配線部材5は、支持基板2と中継基板4との間における歪み及び振動の伝達を減衰させる機能を有する。具体的には、中継基板4側から支持基板2側へ伝達される歪みを緩和する機能と、支持基板2上の振動素子1の振動が中継基板4に伝達されるのを防ぐ機能を有している。従って、配線部材5は、振動素子1の駆動周波数に対して吸収を示す振動系をもつように構成されている。
例えば、一方の振動素子1Xの駆動共振周波数が36kHz、他方の振動素子1Yの駆動共振周波数が39kHzである場合、各配線部材5は、厚みが50μm、幅が100μmのリン青銅材からなる板バネで、その共振周波数は、振動素子1X,1Yの駆動周波数の1/5以下(本例では約7kHz以下)となるように設定されている。
キャップ部材6は、中継基板4に支持されている支持基板2と、この支持基板2に実装されている振動素子1、IC回路素子7、電子部品8などを外部から遮蔽するためのものである。キャップ部材6の側壁部は、中継基板の端子形成面4Bの周囲に接着、嵌め込み等により密着固定されている。特に本実施形態においては、支持基板2の部品実装面2Aと中継基板4の端子形成面4Bとを対向配置させることで、振動型ジャイロセンサ10の薄型化を図るようにしている。
キャップ部材6の構成材料は特に制限されないが、電磁シールド機能を持たせるために少なくとも一部が導電性材料で構成されるのが好ましく、本実施形態では、ステンレス板やアルミニウム板等の導電性板材のプレス成形体で構成されている。キャップ部材6は、制御基板9上のグランド端子に接続されることで、所定の電磁シールド機能を行う。
次に、振動素子1の構成について説明する。
振動素子1は、支持基板2に支持される基部11と、この基部11の一側周部から一体的に突出形成された片持ち梁構造の振動子部12とからなる。各振動素子1X,1Yは、その振動子部12をそれぞれ異なる方向に向けて実装され、本実施形態では、各々の振動子部12が互いに直交するように配置されている。即ち、一方の振動素子1Xは振動子部12の軸方向をX軸方向に向けて配置されており、他方の振動素子1Yは振動子部12の軸方向をY軸方向に向けて配置されている。
図4は、振動素子1の構成を概略的に示す裏面図である。振動素子1は、シリコン単結晶からなり、一枚のシリコンウエハから多数個同時に製造された後、図示する素子形状に切り出される。具体的な素子寸法としては、基部11の厚みが300μm、基部11の形成幅が1mm、振動子部12の厚みが100μm、振動子部12の幅が100μm、振動子部12の長さが2.5mm、素子全体の長さが3mmとされる。
図4に示すように、支持基板2の部品実装面2Aに対向する振動素子1の基板対向面1Aには、基準電極層14、圧電体薄膜層15、駆動電極16、左右の検出電極17L,17R、リード配線部18a,18b,18c,18dなどがそれぞれ形成されている。
基準電極層14は、振動子部12のほぼ全領域と基部11の一部領域とに形成されており、例えば、Ti(チタン)とPt(白金)のスパッタ積層膜で構成されている。圧電体薄膜層15は、基準電極層14の形成領域のほぼ全域に形成されており、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)のスパッタ膜で構成されている。駆動電極16及び左右の検出電極17L,17Rは、圧電体薄膜層15の上に形成された例えばPtスパッタ膜のパターン加工体からなる。駆動電極16は、振動子部12の中央部に軸方向に沿って形成されており、左右の検出電極17L,17Rは駆動電極16を挟むように所定の間隔をあけて形成されている。リード配線部18a〜18dは、それぞれ基部11の上にパターン形成された例えばTiとCu(銅)の積層膜からなるもので、基準電極層14、駆動電極16及び左右の検出電極17L,17Rと各バンプ13との間を電気的に接続している。
基準電極層14には所定の基準電位(例えばグランド電位)に接続され、駆動電極16にはIC回路素子7から所定電圧の駆動交流電圧が印加される。これにより、基準電極層14と駆動電極16との間に挟まれた圧電体薄膜層15の逆圧電効果によって振動子部12が振動する。このとき、検出電極17L,17Rは、振動子部12の振動に伴って、圧電体薄膜層15の圧電効果によって発生する電圧値を検出しIC回路素子7へ供給する。振動子部12のまわりに角速度が生じていない場合、両検出電極17L,17Rからの出力は同等又はほぼ同等である。
一方、振動子部12の長手方向のまわりに角速度が生じると、コリオリ力により振動子部12の振動方向が変化する。この場合、検出電極17L,17Rの一方の出力は増加し、他方の出力は減少する。何れか一方の出力あるいは両方の出力の変化量をIC回路素子7により検出測定して、振動子部12の長手方向のまわりの入力角速度を検出する。本実施形態では、振動素子1X,1Yの各々の振動子部12がそれぞれX軸方向及びY軸方向に向けて配置されているので、この振動型ジャイロセンサ10によって、X軸まわりの角速度とY軸まわりの角速度とが同時に検出されることになる。
以上のように構成される本実施形態の振動型ジャイロセンサ10においては、振動素子1が実装される支持基板2が、複数の配線部材5を介して中継基板4上に弾性的に支持される構造であるので、中継基板4に生じた歪みが支持基板2に伝達されるのを阻止することができる。これにより、例えば、振動型ジャイロセンサ10を制御基板9の上にリフローはんだ付けする際に生じる中継基板4の歪みを配線部材5の弾性変形によって減衰させ、支持基板2上の振動素子1の振動特性および出力特性の安定化を図ることができる。
続いて、配線部材5と支持基板2及び中継基板4との接合構造について説明する。
図5A,Bは、配線部材5と支持基板2及び中継基板4の接合部の構成を示す断面模式図である。図6は、配線部材5と支持基板2の接合部の構成を示す要部平面図である。配線部材5の第1アーム5aは、支持基板2の端子部2tに銀ペースト等の導電性接着材料からなる接合材53を介して電気的機械的に接合されている。
第1アーム5aの先端部には鉤部51が設けられている。鉤部51は、図6に示すように、支持基板2に対して当該第1アーム5aの基部(先端部とは逆側の端部)の方向への抜け止めとなる楔形状に形成されている。鉤部51は図示するように直列的に複数段にわたって設けられているが、単段であっても構わない。第1アーム5aの先端部を上記のように構成することにより、中継基板4の歪みなどの外部ストレスを原因とする支持基板2からの第1アーム5aの抜けを防止して、配線部材5と支持基板2の間の接合部の接続信頼性を高めることが可能となる。
また、本実施形態においては、第1アーム5aの先端部であって、支持基板2と接合される接合領域の近傍位置に、くびれ部52が設けられている。くびれ部52は、第1アーム5aの形成幅を局所的に狭くして形成される。くびれ部52を接合領域近傍に設けることにより、支持基板2から中継基板4へ伝播する振動、又は中継基板4から支持基板2へ伝播する歪みを当該くびれ部52の形成位置で減衰させることが可能となる。これにより、振動素子1の振動特性および出力特性の更なる安定化を図れるようになる。
一方、配線部材5の第2アーム5bは、図5Bに示すように、先端部を中継基板4の端子形成面4Bに挿着する(突き刺す)ことで電気的機械的接続を図るようにしている。中継基板4の端子形成面4Bには、第2アーム5bの先端部を収容する接合孔55が形成されている。接合孔55は、中継基板4の内層部に形成された端子部4tを外部に露出させる程度の深さに形成されており、接合孔55の内部には銀ペースト等の導電性接着材料からなる接合材54が収容されている。接合孔55と接合材54は本発明の「接合部」を構成し、この接合部に第2アーム5bの先端部が挿着されることによって、配線部材5と中継基板4との間が電気的機械的に接合される。なお、第2アーム5bの先端部形状を第1アーム5aと同様な楔形状とすることによって、更に強固な接合部構造を実現することができる。
図7は配線部材5の断面構造を示している。リン青銅からなる基材56の表面にニッケルめっき層57及び金めっき層58が順次形成されている。ニッケルめっき層57は金めっき層58の密着性を高めるための下地膜であり、金めっき層58は接合材53,54との接着性を高めて低接触抵抗化を図るためのものである。なお、金めっき層58は金ペーストの塗膜や金蒸着膜などであってもよい。
本実施形態によれば、上述のように、配線部材5と中継基板4との間の接合構造を中継基板4に対する配線部材5の第2アーム5b先端部の突き刺し構造としているので、中継基板4に対する第2アーム5b先端部の抜け方向に作用する外力に対して強い耐久性を発揮でき、接合部における配線部材の接続信頼性を確保することができる。
図8A,Bは、中継基板24に対する配線部材25の接合構造の相違による接合部の引っ張り強度の測定結果の一例を比較して示している。図8Aは、配線部材25として「コ」の字形状に屈曲加工した線状のバネ部材を用い、下方側の水平アームの下面を接合材26によって中継基板24上に貼り付けた構成例を示している。他方、図8Bは、配線部材25として「く」の字形状に屈曲加工した線状のバネ部材を用い、垂直アームを中継基板24上の接合部26の収容孔に挿着した構成例を示している。中継基板4を固定し、支持基板22側を上方側へ引き上げることによって、配線部材25と中継基板24の間の接合部の引っ張り強度を測定した結果、図8Aに示した構成例では5.5Nであったのに対し、図8Bに示した構成例では12Nであった。なお、図8Bにおいて、垂直アームの突き刺し深さは、約0.2mmとした。
一般に、図9A,Bに示すように、固定物24に対し接合材36を用いて被着物35を接合する場合、外力の作用する方向が被着物35の接合面に対して垂直な場合よりも、被着物35の接合面に対して平行な場合の方が、引っ張り強度が高い。従って、図8Bに示した構成の方が、図8Aに示した構成に比べて、中継基板24に対する配線部材25の引っ張り接合強度を大幅に高めることが可能となる。
続いて、以上のように構成される本実施形態の振動型ジャイロセンサ10の製造方法を説明する。
本実施形態の振動型ジャイロセンサ10の製造方法は、
(1)振動素子1やIC回路素子、コンデンサ等の各種電子部品8が実装された支持基板2を準備する工程と、
(2)支持基板2の周囲に複数本の配線部材5を接合する工程と、
(3)中継基板に対して配線部材5の(第2アーム5bの)先端部を挿着することで、支持基板2と中継基板4の間を電気的機械的に接合する工程、とを有する。
特に、本実施形態では、複数本の配線部材5は、あらかじめ、支持基板2に対する配列形態で打ち抜き形成された帯体をなしている。図10は、複数本の配線部材5がユニット単位で形成された帯体(フープ)40の構成例を示す平面図である。帯体40は、リン青銅からなる基材表面にNiめっき層および金めっき層が形成されたものである。配線部材5は、帯体の面内において長手方向に沿ってユニット単位で複数組配列されている。
図11は、支持基板2の周囲に配線部材5を接合する工程を説明する図である。まず、図11Aに示すように、帯体40にプレス加工を施すことにより、各配線部材5の外方側(第2アーム側)の先端部を分離形成するとともに、各配線部材5を所定位置において帯体40の面内に対して90度方向に屈曲加工する。曲げ角度は、製品完成後の90度としてもよいが、本実施形態では、90度未満の角度(例えば80度程度)とする。なお、配線部材5の屈曲加工位置には、局所的に幅狭に形成したくびれ部59(図6参照)を設けておくことで、屈曲作業性を高めることができる。
次に、図11Bに示すように、配線部材の内方側(第1アーム側)の端部位置に接合材53を塗布形成する。接合材53の塗布は、例えば、ディスペンサノズルを用いて行うことができる。次いで、図11Cに示すように、帯体40上に支持基板2を実装し、接合材53の硬化処理を施すことにより、各配線部材5と支持基板2の端子形成面2B上の各端子部2tとが電気的機械的に複数本同時に接合される。その後、レーザ加工装置を用いて各配線部材5を個片化するとともに、帯体40から分離する。
図12は、支持基板2と一体化された配線部材5を中継基板4に接合する工程を説明する図である。図12Aに示すように、配線部材5の第1アーム5aは、支持基板2に接合され、配線部材5の第2アーム5Bは第1アーム5aに対して90度未満の角度で折り曲げ加工されている。中継基板4への接合の際は、図12B,Cに示すように第2アーム5bをチャック用治具などで第1アーム5aに対して垂直方向に曲げ付勢した状態で、第2アーム5bの先端部を中継基板4上の接合孔55に突き刺すようにして挿着する。これにより、配線部材5の屈曲工程の加工精度によることなく、中継基板4の接合孔55に対する配線部材5の接合を安定かつ高精度に行うことが可能となる。その後、接合孔55に収容されている接合材54の硬化処理を行うことにより、本実施形態の振動型ジャイロセンサ10が作製される。
本実施形態の振動型ジャイロセンサの製造方法によれば、複数本の配線部材5を支持基板2に対して所定の配列形態で複数本同時に接合することができるので、作業が容易となり、生産性の向上を図ることが可能となる。また、配線部材5と支持基板2および中継基板4との間の電気的機械的接合工程を高精度に行うことが可能となる。
本発明の実施形態による振動型ジャイロセンサの概略構成を示す側断面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサにおける支持基板の概略平面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサのキャップ部材を取り外して見たときの平面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサを構成する振動素子の構成を説明する裏面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサにおける配線部材と支持基板及び中継基板との間の接合部の構成を拡大して示す側断面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサにおける配線部材と支持基板との間の接合部の構成を示す要部平面図である。 図1に示した振動型ジャイロセンサにおける配線部材の概略断面図である。 中継基板に対する配線部材の接合構造を異ならせて引っ張り強度を測定したときの実験結果を示す図である。 接合構造の違いによる強度の相違を説明する模式図である。 本発明の実施形態による振動型ジャイロセンサの製造方法を説明する一工程図であり、配線部材を形成する帯体の構成例を示す平面図である。 本発明の実施形態による振動型ジャイロセンサの製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施形態による振動型ジャイロセンサの製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
1,1X,1Y…振動素子、2…支持基板、2A…部品実装面、2B…端子形成面、3…外部接続端子、4…中継基板、5…配線部材、5a…第1アーム、5b…第2アーム、6…キャップ部材、7…IC回路素子、8…電子部品、9…制御基板、10…振動型ジャイロセンサ、11…基部、12…振動子部、13…バンプ、14…基準電極層、15…圧電体薄膜層、16…駆動電極、17L,17R…検出電極、18a〜18d…リード配線部、40…帯体、51…鉤部、52…くびれ部、53,54…接合材(導電性接着材料)、55…接合孔

Claims (8)

  1. 角速度を検出する振動素子と、
    前記振動素子と電気的に接続され当該振動素子を支持する支持基板と、
    前記支持基板と電気的に接続され外部接続端子を有する中継基板と、
    前記支持基板と前記中継基板との間を電気的に接続する配線部材とを備えた振動型ジャイロセンサであって、
    前記配線部材は、前記支持基板の周囲に複数配置された導電性弾性材料からなるとともに、
    前記中継基板には、前記配線部材の先端部が挿着されることで当該配線部材と電気的機械的に接合される接合部が設けられている
    ことを特徴とする振動型ジャイロセンサ。
  2. 前記接合部は、前記配線部材の先端部を収容する接合孔と、この接合孔の内部に収容された導電性接着材料とからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動型ジャイロセンサ。
  3. 前記配線部材は、線状のバネ部材を屈曲して形成される第1,第2アームを備えており、
    前記第1アームの先端部は前記支持基板に接合され、
    前記第2アームの先端部は前記中継基板に接合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動型ジャイロセンサ。
  4. 前記第1アームの先端部には、前記支持基板と接合される接合領域の近傍位置に、くびれ部が設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の振動型ジャイロセンサ。
  5. 前記第1アームの先端部は、前記支持基板に対して導電性接着材料を介して接合されているとともに、
    前記第1アームの先端部形状は、前記支持基板に対して当該第1アームの基部の方向への抜け止めとなる楔形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の振動型ジャイロセンサ。
  6. 角速度を検出する振動素子が実装された支持基板の周囲に複数本のバネ性の配線部材が接合されており、外部接続端子を有する中継基板上に前記支持基板が前記複数本の配線部材を介して接続されてなる振動型ジャイロセンサの製造方法であって、
    前記振動素子が実装された支持基板を準備する工程と、
    前記支持基板の周囲に前記複数本の配線部材を接合する工程と、
    前記中継基板に対して前記配線部材の先端部を挿着することで、前記支持基板と前記中継基板の間を電気的機械的に接合する工程とを有する
    ことを特徴とする振動型ジャイロセンサの製造方法。
  7. 前記複数本の配線部材は、あらかじめ、前記支持基板に対する配列形態で打ち抜き形成された帯体をなしており、
    前記支持基板の周囲に前記複数本の配線部材を接合する工程では、
    前記複数本の配線部材の一方側を屈曲加工する工程と、
    前記複数本の配線部材の他方側を前記支持基板の周囲に一括して接合する工程と、
    前記複数本の配線部材を個々に分離する工程とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の振動型ジャイロセンサの製造方法。
  8. 前記配線部材の一方側を屈曲加工する工程では、前記配線部材の一方側を90度未満の角度で折り曲げ加工し、
    前記中継基板に対する前記配線部材の接合工程では、前記配線部材の一方側を前記中継基板に対して垂直方向に曲げ付勢した状態で前記中継基板に挿着する
    ことを特徴とする請求項7に記載の振動型ジャイロセンサの製造方法。
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