JP2008135544A - 金属表面の接合性・接続性評価方法および評価装置 - Google Patents

金属表面の接合性・接続性評価方法および評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの金属を接合する場合の接合性と2つの金属を接触させて電気接続をする場合の電気接続性を、2つの金属の接触面積などの測定条件や測定環境に依存することなく評価する。
【解決手段】a)2つの金属14,26を接触し、この接触面に対し垂直な圧縮荷重Fの変化に対する両金属14,26の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;b)求めた実測抵抗Rと荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する。
【選択図】図3

Description

この発明は、同種あるいは異種の2つの金属の固相接合の接合性や電気的な接続性の良さを評価するための金属表面の接合性・接続性評価方法と、この方法の実施に直接使用する評価装置に関するものである。
プリント配線板の電極に突起電極(バンプ)や金属ワイヤを超音波接合するボンディング法が知られている。この方法は、電極表面とバンプや金属ワイヤなどの異なる2つの金属を重ね、これらの接合面に垂直な加圧力(荷重)を加えた状態で、接合面に平行な超音波振動を加えることにより接合するものである。
一般に接合する金属の表面には吸着物や酸化皮膜があり、保管中や部品実装工程中に汚れが付着する。また金属表面はミクロに見れば平滑ではない。例えばプリント配線板の電極では、銅箔表面にニッケルなどの下地メッキをした上、金めっきを施したものがあるが、この場合下地のニッケルが表面の金めっきに拡散し、表面に酸化物や水酸化物を形成する。
超音波接合では、超音波振動によって2つの金属同志が摩擦して表面の吸着物、酸化皮膜等が破壊され、接触面が機械的にクリーニングされると共に平滑化されて接合(固相接合)が促進される。しかし実際の接合では、装置側の接合条件(超音波出力、加圧力、印加時間など)を一定とした場合であっても、金属表面の粗さや汚染度などが接合面の変形や接合強度などの接合状態に大きな影響を与える。
特開平9−293744
従来よりこの接合状態の良否を評価する方法として、特許文献1(特に段落0042〜0043)の方法が公知である。この方法は、実際に2つの金属を接合して、一方の金属の引っ張り強度試験を用いるものである。また接合部の剪断強度試験を用いる方法も公知である。
またコネクタのように2つの金属同志を互いに接触させた状態でこの接触部(接続部)の電気接続を行うものでは、従来の接合部の評価方法(引っ張り強度試験や剪断強度試験を用いる方法)は用いることができない。このため実際に2つの金属を接触させて、実際の接触電気抵抗を、微小抵抗が測定可能な特殊な計測器を用いて測定する必要があった。
しかし2つの金属の接合部や接続部の接触抵抗(接合抵抗、接続抵抗)自体は接触面積などの接合・接続条件によって変化するため、一定面積の接触面に一定荷重を垂直に加えた一定の条件で測定した抵抗値を用いて比較する必要がある。このため2つの金属の組合せが同じでも接触面積や条件が異なる金属間では電気接続性の良否を評価することができない、という問題があった。すなわちこの抵抗値を実測する方法では、測定条件や測定環境が異なる測定結果では比較することができないため、接触面積などに依存せず、それぞれの金属表面に固有な接触抵抗(抵抗率)を表す指標として用いることができる評価値(評価係数)とすることができない。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、2つの金属を接合する場合の接合性と2つの金属を接触させて電気接続をする場合の電気接続性を、2つの金属の接触面積などの測定条件や測定環境に依存することなく評価することを可能にする金属表面の接合性・接続性評価方法を提供することを第1の目的とする。
またこの発明はこの方法の実施に直接使用する金属表面の接合性・接続性評価装置を提供することを第2の目的とする。
この発明によれば第1の目的は、2つの金属の接合性および接続性を評価する金属表面の接合性・接続性評価方法であって、a)前記2つの金属を接触し、これら金属の接触面に対し垂直な圧縮荷重Fの変化に対する前記両金属の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;b)求めた実測抵抗Rと荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する;以上のa)、b)、c)の工程を備える金属表面の接合性・接続性評価方法、により達成される。
同様に第2の目的は、2つの金属の接合性および接続性を評価するための金属表面の接合性・接続性評価装置であって、前記2つの金属の接触面に対し垂直な圧縮荷重Fを加える加圧器と、前記加圧器による荷重Fを測定する圧力検出部と、前記加圧器による荷重Fを制御する荷重制御部と、前記両金属の接触部に電流Iを供給する電源と、前記両金属の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rを求める抵抗測定部と、荷重Fと実測抵抗Rとを用いて、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)から評価係数ρfを求める評価係数演算部と、求めた評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を評価する評価部と、を備えることを特徴とする金属表面の接合性・接続性評価装置、により達成される。
本発明の発明者は後記するように、2つの金属の接触部に加える荷重、すなわち接触面に垂直な方向の荷重(加圧力)Fと、これらの接触部を含む直列接続回路の電気抵抗(実測抵抗)Rとの間には、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)の関係が成立することを発見し、この発見に基づいて本発明をなしたものである。すなわちρfはほぼ一定の常数と見なせるものであって、これが金属表面の固有の塑性変形性および表面清浄度、すなわち凝着容易性を示す指標(評価係数)となることを知ったことに基づく。
従ってこの評価係数ρfの大きさに基づいて、2つの金属の接触部における接合性および電気接続性の良否を判断することができる。すなわち後記する式(7)によればこの評価係数ρfは表面の降伏応力σyに比例するから、評価係数ρfが小さい程降伏応力σyは小さくなると考えられ、塑性変形性は大きくなり、接合性および電気接続性が向上すると判断できる。また表面に酸化物や汚れが多いと接触抵抗率は大きく評価係数ρfも大きい。
請求項1の発明に係る方法によれば、このような理由からこの評価係数ρfを求めてその大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判定することができる。このため実際に接合・接続する2つの金属を実際に接合・接続して測定する必要がなくなり、測定条件や測定環境の影響を受けることなく金属表面の評価を行うことができる。
また請求項9の発明に係る装置によれば、請求項1の発明の実施に直接使用する金属表面の評価装置が得られる。
原理
次に本発明の原理を説明する。図1において符号1はプリント配線板、2はプリント配線板1の表面に形成した銅箔回路パターンからなる電極、3はフレキシブルプリント配線板であり、その下面電極には表面に微細な凹凸が存在する。そのためここでは多数のバンプ(突起電極)4が形成されているものとして説明する。バンプ4は電極2に上から押圧されて接続される。電極2とバンプ4は本発明における2つの同種または異種の金属となる。フレキシブルプリント配線板3はバンプ4の上方から、加圧装置5に固定した加圧部材6によって電極2に荷重(圧力)Fで押圧される。この荷重Fは可変である。なお電極2やバンプ4の表面には金めっきなどのめっき膜が形成されていることが多いが、この場合は金属表面はこのめっき膜と考える。バンプ4は例えば銅のコアにニッケル下地めっきを施しその上に金めっきを施したものである。
電極2とバンプ4との間の実測抵抗Rは、電極2とバンプ4との接触面の抵抗すなわち接触抵抗RCと、配線抵抗RPとの和である。従って次の式(1)が成立する。
R=RC+RP …(1)
接触抵抗RCは、接触面の物理的(巨視的)接触面積Sに依存する抵抗RSと、接触面積Sに依存しない抵抗Rf(面積非依存の抵抗)との和RS+Rfとなる。すなわち
C=RS+Rf …(2)
ここに面積依存の抵抗RSは、2次元的接触抵抗率ρC(Ω・cm2)を定義すると、
S=ρC/S
と表せるから、接触抵抗RC
C=ρC/S+Rf …(3)
となる。一方接触界面が塑性変形状態であれば、接触界面の平均圧力(F/S)は一定となり、降伏圧力σyieldで表せる。
σyield=F/S …(4)
ここに降伏圧力σyieldは、塑性変形の分野で公知な「平面ひずみのすべり変形理論」により、降伏応力σyと、アスペクト比と摩擦係数で決まる常数φとを用いて次のように表されることが知られている。
σyield=φ・σy …(5)
式(1)〜(5)から実測抵抗Rは、
R=ρC・φ・σy・(1/F)+Rf+RP …(6)
ここで次の凝着パラメータρf(Ω・N)を定義する。
ρf=ρC・φ・σy …(7)
従って実測抵抗Rは、
R=ρf・(1/F)+C …(8)
ただしCは常数でC=(Rf+RP)である。
ここに凝着パラメータρfは、金属表面の清浄度を示す2次元的接触抵抗率ρCと、膜厚や表面形状(アスペクト比)を示す常数φと、硬度に対応する降伏応力σyとで決まるものである。従って金属表面の固有の塑性変形性、すなわち凝着容易性を示す指標と考えることができる。このためこの発明では、この凝着パラメータρfを評価係数として用いるものである。なお常数φは、荷重印加による圧縮変形過程で変化するが、2つの金属の接触においては荷重印加中もほぼ一定とみなすことができる。
前記の式(8)は、図2(A)、(B)となる。すなわち実測抵抗Rは図2(B)に示すように、荷重Fの逆数(1/F)について直線となり、その傾きが凝着パラメータρf、抵抗Rの座標軸との切片が(Rf+RP)となる。
この発明は式(8)から、金属表面の塑性変形範囲内では実測抵抗Rは荷重Fの逆数(1/F)について一次関数(直線)となり、この直線の傾きρfが金属表面の塑性変形容易性すなわち凝着容易性を示すと考えられることに基づくものである。
次にこの発明の原理をさらに定性的に説明する。金属同志の電気的導通において、トンネル効果などの極微小な電流を無視すれば、絶縁性または高抵抗な酸化物や汚れが存在する表面の金属接触界面に力(荷重F)が加わることでその表面の微小な凹凸の先端部が塑性変形し、この変形によって内部の金属新生面が露出する。この金属新生面同志の接触によって微視的な領域で金属接合が行われ、これが電気導通路となって電気的導通が発現する。従って荷重Fの増大に伴って、導通路の断面積が増大し電流が増加する。またこの導通路は金属接合(固相接合)された部分であるから、機械的接合強度(接続強度)も増加する。
すなわち金属表面(めっき膜)の接合性あるいは接続性の品質・特性を評価するためには、この接合面積(微視的接合面積)の増加のし易さを評価すればよい。この評価手法としては前記のように機械的な強度測定(引っ張り強度試験や剪断強度試験)も考えられるが、これらの方法は対象が微視的なものであるが故に実際の測定が非常に困難であり、また前記のような問題を持つ。そこでこの発明では機械的な強度測定に代えて、接合面積の増加のし易さを電気抵抗値から評価するものである。
この原理は前記した通りであるが、次のように説明することもできる。塑性変形面においては、加えた荷重Fと真実接触面積(電気導通路の断面積)sとの比(F/s)である界面の平均的な圧力(降伏圧力σyield)は一定である。この降伏圧力σyieldは、表面(めっき膜)の硬さを示す物性値である降伏応力σyとの関係式(σyield=φ・σy)で与えられる。ここに常数φは表面(めっき膜の膜厚)や凹凸形状(アスペクト比)に依存する。
また二次元的接触抵抗率ρCを定義して、接触面の抵抗値(接触抵抗)RCをこのρCと巨視的な接触面積Sとの比(ρC/S)と表すと、真実接触面積sと巨視的接触面積Sの関係(s/S)は接触抵抗率ρC(∝(S/s)・F)の大小と関連づけることができる。すなわち荷重Fの増加による真実接触面積sの増加し易さが接触抵抗率ρCに対応すると考え、この接触面積sの増加し易さを示すパラメータとして式(7)に示す凝着パラメータρfを導入するものである。
本発明では前記のように、評価係数ρfが小さい程接合性・接続性が良いと評価する(請求項2)。2つの金属のうち一方はプリント配線板の電極とし、他方をこれに固相接合されるフレキシブルプリント配線板とすることができる(請求項3)。また一方をプリント配線板の電極とし他方を圧接端子として両者の接続性を評価してもよい(請求項4)。
接合・接続する金属の一方の表面に金めっきを施し、この金めっき層(膜)の接合性・接続性を評価することができる(請求項5)。荷重Fを連続的に増加させながら実測抵抗Rを連続的に測定してもよいし(請求項6)、荷重Fと実測抵抗Rを間欠的に測定してもよい。
評価係数ρfは、1/FとRの座標系に実測値を書き込んだ時の直線の傾きから決めることができる(請求項7)。また異なるFとRの値に対して式(8)から複数の評価係数ρfを求め、求めた評価係数の平均値を最終的な評価係数ρfとすることができる(請求項8)。この場合平均値の計算は種々の数学的手法を用いて決めればよく、例えば最小二乗法を用いてもよい。請求項9の装置に用いる電源としては、接触部に直流電流Iを供給する直流電源とすることができる(請求項10)。
図3は、本発明の方法の実施に直接使用する金属表面の評価装置の概念図である。この図において10はプリント配線板、12はその表面に形成した銅箔からなる回路パターンであり、その一部が電極14となる。この電極14の表面には金めっきなどのめっき膜が形成されている。回路パターン12の表面は絶縁材16でカバーされている。
18はフレキシブルプリント配線板であり、ベースフィルム20と銅箔からなる回路パターン22とカバーレイ24とを積層したものである。ベースフィルム20の切欠き部分には回路パターン22の一部が露出し、この露出部分がプリント配線板10の電極14に接続される電極となる。このフレキシブルプリント配線板18の電極には多数のバンプ(突起電極)26が形成されている。バンプ26はプリント配線基板10側の電極14に上から押圧され、バンプ26の微細凹凸がつぶれる(塑性変形する)ことにより電極14に固相接合される。電極14とバンプ26が本発明の2種の金属となる。
28はプリント配線板10の回路パターン12に接続されるクリップ、30はフレキシブルプリント配線板18の回路パターン22に接続されるクリップである。これらクリップ28、30は絶縁材16、カバーレイ24の一部を切欠いて回路パターン14、22の一部を露出させた部分を一定荷重で挟む。このためクリップ28、30と回路パターン14、22との接触抵抗は一定であり、この抵抗値は前記式(1)に示した配線抵抗RPに含まれる。
32は加圧部材であり、その先端は平坦でフレキシブルプリント配線板18のバンプ26とプリント配線板10の電極14のと接触部(接合部)を上から押圧する。この加圧部材32の先端面の巨視的接触面積Sは一定である。加圧部材32は、圧力検出部としての圧力検出素子34を介して加圧器36により圧力(荷重)Fで接合部に押圧される。圧力検出素子34は例えばロードセル(圧電素子)で形成される。加圧器36はこの加圧力(荷重)Fを連続的または不連続的に変化できる。バンプ26と電極14との間の接触抵抗RCは圧力(荷重)Fの変化(増加)に伴って変化(減少)する。
38は直流電源であり、2つのクリップ28、30の間に一定電圧Vを印加する。40は両クリップ28、30間の電圧Vを測定する電圧計、42は同じく両クリップ28、30間の電流Iを測定する電流計である。44はマイクロコンピュータからなる制御装置であり、抵抗測定部46、荷重制御部48、評価係数演算部50、制御部52を備える。抵抗測定部46は、電圧計40と電流計42で測定した電圧Vおよび電流Iに基づいて実測抵抗Rを求める。すなわちR=V/Iにより求める。
ここに実測抵抗Rは前記したバンプ26と電極14間の接触抵抗RCと、配線抵抗RPとの和である。すなわちR=(RC+RP)である。接触抵抗RCは接触部(接合部)の巨視的接触面積Sに依存する抵抗である。配線抵抗RPは一定値(固定値)である。
荷重制御部48は、圧力検出素子34で検出した加圧力Fが、制御部52が指令する加圧力Fとなるように加圧器36を制御する。評価係数演算部50は、前記抵抗測定部46の出力である実測抵抗R=(RC+RP)と、前記圧力検出素子34が検出する加圧力Fとに基づいて、前記凝着パラメータρfを演算する。
演算部50は前記式(8)の演算を行い、ρfを求める。例えば加圧力Fを0から次第に増大させながら実測抵抗Rを求め、図2(B)のグラフの傾きから求めることができる。また複数の加圧力Fに対する実測抵抗Rを求め、得られた複数の係数ρfに基づいて、平均値、最小二乗法など適宜の数学的手段を用いて評価係数ρfを決めることができる。
求めた評価係数ρfは評価部54に入力され、最終的に金属表面の評価(バンプ26と電極14の接合性の評価)を行う。すなわちこの評価係数ρfが大きいほど接合性・接続性が悪く、評価係数ρfが小さいほど接合性・接続性が良いと判定する。
その理由を定性的に説明すれば、前記式(7)を用いて次のようになる。すなわち評価係数ρfは、常数と考えられるρC、φと変数と考えられるσyの積であるから、変数σyに比例する。この変数σyは接合表面の降伏応力であり、表面の柔らかさを示すものである。従って接合表面の接合のし易さは、この降伏応力σyが小さい程大きくなる。このことから評価係数ρfが小さいほど(すなわち降伏応力σyが小さいほど)、接合性および接続性が良いと判断することができる。
図4は実測例を示す図である。この実測例では、図1に示すようにプリント配線板1にフレキシブルプリント配線板3を接合するものであり、ここに電極2は銅箔である。またバンプ4は、銅のコア(ボール)をフレキシブルプリント配線板3の銅箔からなる回路パターン上にインプリント法(金型によるプレス)により接合し、表面にニッケル下地めっきおよび金めっきを施したものである。電極2とバンプ4の間に熱硬化性の絶縁樹脂を挟んで両者を加圧し、接合するものである。
図4の(A)は、この金めっきの厚さをパラメータとして荷重F(単位はN)と実測抵抗R(単位はΩ)との関係を示す。また図4の(B)は荷重Fの逆数1/F(N-1)と接触抵抗RSとの関係を示すものである。ここに実測抵抗Rは製造ロットが異なると配線抵抗RPが大きく変わるため、単純にはロット間で比較することができない。このためめっき膜の塑性変形とみなせる荷重範囲を選択し、この近似直線の切片を全抵抗値Rより差し引いて荷重依存性の接触抵抗RSのみを抽出し、荷重との関係を再度整理することにより、傾きが凝着パラメータとなる直線が図4(B)のように得られる。
この図4(B)においてロットAとロットBは端子パターンが異なる。2種類のロットA、Bで測定すると、凝着パラメータρfはロットA、B間でほとんど変化せず、めっき厚によって異なる値となることが解る。すなわち接合性の良い厚金(めっき厚が大)では凝着パラメータρfは小さく、逆に薄金(めっき厚が小)ではρfが大きな値となっている。このことから、凝着パラメータρfはめっき厚の凝着性(接合性)に関する品質指標として有効なパラメータとなることが解る。すなわち本発明の方法の信頼性が高いことが解る。
なおこの評価部54は、測定で求めた評価係数ρfを予め決めた一定値と比較するものであっても良いし、予め決めた基準に基づいて数段階に表示するものであってもよい。また評価部54は求めた評価係数ρfを単に表示するものであってもよく、この場合はオペレータがこの表示から評価すればよい。
本発明の原理説明図 同じく原理説明用の抵抗Rと荷重Fの変化を示す図 本発明の実施例1を示す図 本発明の実測例を示す図
符号の説明
10 プリント配線板
14 電極(接合対象となる一方の金属)
26 バンプ(接合対象となる他方の金属)
34 圧力検出部(ロードセル)
36 加圧器
44 制御装置
46 抵抗測定部
48 荷重制御部
50 評価係数演算部
54 評価部

Claims (10)

  1. 2つの金属の接合性および接続性を評価する金属表面の接合性・接続性評価方法であって、
    a)前記2つの金属を接触し、これら金属の接触面に対し垂直な圧縮荷重Fの変化に対する前記両金属の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;
    b)求めた実測抵抗Rと荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;
    式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)
    c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する;
    以上のa)、b)、c)の工程を備える金属表面の接合性・接続性評価方法。
  2. 請求項1の工程c)において、評価係数ρfが小さい程接合性および接続性が良いと評価する請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  3. 2つの金属の一方はプリント配線板の電極であり、他方はこの電極に固相接合されるフレキシブルプリント配線板であり、両者の接合性を評価する請求項1または2の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  4. 2つの金属の一方はプリント配線板の電極であり、他方はこの電極に圧接接続される圧接端子であり、両者の接続性を評価する請求項1または2の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  5. 接合・接続する金属の一方の表面には金めっきが施され、この金めっき層の接合性および接続性を評価する請求項3または4の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  6. 請求項1の工程a)において、荷重Fを連続的に増加しつつ実測抵抗Rを連続的に測定する請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  7. 請求項1の工程b)において、荷重Fの逆数1/Fと抵抗Rとを直交座標系の2つの座標軸にとり、求めた直線の傾きを評価係数ρfとする請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  8. 請求項1の工程a)において、異なる複数の荷重Fnに対する実測抵抗Rnを測定し、工程b)においてこれらの測定値に対する複数の評価係数ρfnの平均値を最終的な評価係数ρfとする請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  9. 2つの金属の接合性および接続性を評価するための金属表面の接合性・接続性評価装置であって、
    前記2つの金属の接触面に対し垂直な圧縮荷重Fを加える加圧器と、
    前記加圧器による荷重Fを測定する圧力検出部と、
    前記加圧器による荷重Fを制御する荷重制御部と、
    前記両金属の接触部に電流Iを供給する電源と、
    前記両金属の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rを求める抵抗測定部と、
    荷重Fと実測抵抗Rとを用いて、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)から評価係数ρfを求める評価係数演算部と、
    求めた評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を評価する評価部と、
    を備えることを特徴とする金属表面の接合性・接続性評価装置。
  10. 電源は接触部に直流電流Iを供給する直流電源である請求項9の金属表面の接合性・接続性評価装置。
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