JP2008135134A - 受理層形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥時に生ずる塗膜の流動現象による、塗布境界領域の膜厚減少、乾燥ムラを防止して歩留まりを向上させる。
【解決手段】受理層用水性塗料組成物をディスク基板の表面に塗布して液状塗膜を形成し、前記液状塗膜に対して活性エネルギー線を照射することにより、該塗膜を増粘させ、前記塗膜の塗布境界領域で生ずる乾燥収縮による塗膜の流動現象を押さえ、こののち乾燥により硬化させて塗膜形成を行う。固形分比が小さく、塗布後の塗膜乾燥時に流動減少の起きやすい多孔質塗膜形成用の塗料に対してより効果的である。
【選択図】なし

Description

本発明は、CDやDVDなどの非吸収性のディスク基板上に水系塗布液による液状塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることによって均一な乾燥塗膜を形成する塗膜形成方法に関する。特に、光ディスクのレーベル面にインクジェット記録用の水系塗布液を塗布して、受理層を形成する受理層形成方法に関する。
従来、OHPシートなどプラスチック製の溶剤非吸収性基材に対し、表面にインクジェット記録用の機能性塗膜(所謂「受理層」)を形成することが行われている。また、CDやDVDなどインク非吸収性の光ディスク基板上に、レーベル印刷を行う手段として、各種印刷方法に対応した受理層の構成やその形成方法が報告されている。
この光ディスクには、予め情報が記録された再生専用のCDやDVD等が知られており、例えばCDではポリカーボネート製のディスク基板の一方の面に情報記録層を形成し、その上にコート層を形成した構成を有している。そしてコート層を挟んで情報記録層と対向する他方の面にレーベルが設けられ、記録情報に関する写真や絵、タイトル等が印刷されている。また、光ディスクには上述の再生専用光ディスクの他に、ユーザーが自由に情報を記録することができる記録型の光ディスクもあり、一回だけ記録可能な追記型、および繰り返し記録が可能な書き換え型等が知られている。これらの記録型光ディスクでは、再生専用の光ディスクにおいて従来レーベルが印刷されていた表面に、インクを吸収する受理層が設けられたものが市場に多く出回るようになってきた。これらの光ディスクは「プリンタブルディスク」とも呼ばれ、使用者が一般に市販されているインクジェットプリンターを用いて自由な絵柄を印刷できるようになっている。
最近では市販のインクジェットプリンターにも様々な機種が増え、専用光沢紙を用いれば、写真品質の印刷物が得られるものも複数ある。これらの機種は、印字ヘッドから吐出されるインク液滴を微細にして解像力を向上させ、またインク濃度を下げて階調表現力を向上させており、従来のインクジェットプリンターと比較して、より細かく、より多くのインクを吐出できる機能を有している。従って、例えばインク濃度が従来の半分である場合、従来と同じ色合いを表現しようとすれば2倍量のインクが吐出されることになる。このため、前記「プリンタブルディスク」を用いて写真品質の印刷を行う場合、その受理層には、より多くのインクを受容できる機能と、インク液滴の微細形状を再現できる機能とが求められる。
例えば、親水性モノマーに親水性高分子を含有する活性エネルギー線硬化型組成物を主成分とし、これに無機または有機顔料を含有させた受理層用塗布液を用いて、プラスチックなど溶剤非吸収性基材の表面に受理層を形成することが行われている(特許文献1参照)。また、光ディスクの表面に紫外線硬化性モノマーや紫外線硬化性オリゴマーと水溶性・親水性樹脂であるポリビニルアルコールとを1〜10:1の割合で含有した受理層用塗布液を塗布し紫外線硬化させて受理層を形成することが行われている(特許文献2参照)。一般に、紫外線硬化性化合物を主成分とする受理層用塗布液の硬化によって形成された受理層では、インク吸収速度が遅く、また受容能力が十分ではないためインクジェットプリンター等による印刷時に滲みが生じ易い。このため受理層上での印刷画像の解像力が低くなり、特に写真画像等を印刷する場合には鮮明画像が得られない。従って、紫外線硬化性樹脂を用いた受理層は、紫外線照射によって瞬時に硬化できるため高い生産性を有する反面、印刷画質が低いという欠点がある。
これに対し、顔料や微粒子、特に無機顔料や無機微粒子を含む水系塗布液の塗布によって得られる受理層は、乾燥に時間がかかるため生産性は劣るもののインク吸収速度が速く受理性能が優れている。
特に、光ディスクのレーベルに用いる受理層として、水性アルミナゾルを主成分とする水系塗布液を用いて形成した無機の多孔質受理層が採用されており(特許文献3参照)、とりわけインク受理性能に優れている。一般に、形成後の塗膜が多孔質層となる受理層では、インクの速乾性に優れ、インクジェット印刷した場合に写真品質の鮮明画像が得られることが知られている。このような水性アルミナゾル等を含む水系塗布液による多孔質受理層は、ダイコーター、スライドコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗布装置を用い、液状塗膜を形成して、これを乾燥することによって作製され、該受理層にインクジェット法による印刷を施すことで光ディスクのレーベルを作製することになる。しかしながら、この水系塗布液は塗布時の固形分比が低く、例えば多孔質層を形成するための受理層用塗布液においては、多孔質を形成するアルミナゾル等の扁平状粒子が、液状塗膜内で順次扁平面を上にして配向して多孔質を形成できるよう、10〜20%程度に設定される。このため、紫外線硬化性組成物による塗膜形成に従来より使用されるスピンコーターでは、ディスク表面に対して平滑な液状塗膜を適正膜厚に形成するのが難しい。
このため、滴下による塗布を行い、レベリングによって塗布面を平滑化することが行われるが、前記水系塗布液を光ディスクのレーベル面にリング状塗布すると、液状塗膜は表面張力の作用を受けるため、塗膜厚さが全面で均一にならず内周と外周の端部が薄くなる傾向を示す。さらにこの様な状態で乾燥処理させると、内部領域と比して外気との接触が多い内周と外周の端部から乾燥が進み、これら部分の乾燥固化が促進される。この時、乾燥が進展していない内部の塗布液は流動可能であるため、内周と外周領域からの乾燥収縮の影響を受け、前記塗布液が中周領域方向に流動する現象が起こる。このように、粘度の低い水系塗布液を用いる受理層形成においては、乾燥後の塗膜厚さが不均一になりやすい。
このような実情に鑑み受理層をより均一の膜厚に形成する事を目的として、ディスク基板の表面における受理層形成領域の境界部に凹溝を形成し、該凹溝及び凹溝で囲まれた領域に塗布液を塗布することが試みられている(特許文献4参照)。これによれば、ディスク基板表面に凹溝を形成し、該凹溝及び凹溝で囲まれた領域に塗布液を塗布することで、ディスク内周と外周の端部における塗布量を増加させることにより、これら部分からの乾燥の進行を抑制し、塗布液が境界部から凹溝で囲まれた内部領域へ流動するのを抑制でき、より均一な膜厚の受理層が形成される。しかも凹溝によって塗布液の塗布領域を規定でき、塗布液の塗布領域外へのはみ出しを表面張力によって防ぐことができる。また、該凹溝の外側に隣接して凸部を設けることで、塗布液が仮に厚くなった場合にも同様の効果を期待することができる。
しかし、本文献による方法を用いたとしても、上述の凹溝や凸部によって境界を形成した場合に、溝の一部に塗布液が完全に配布されなかったり、凸部に対して所定高さとなるように一様に配布されなかったりすることがしばしば発生する。一様に塗布液が配布されなければ、乾燥塗膜の境界部に乾燥収縮による流動現象が生じるため局部的に薄くなり、一見して境界部のまとまりの悪い塗膜となり美観を損ねる。そこで少なくとも、凹部或いは凸部に対して塗布液の塗布不足が生じないように、塗布しようとすると、逆に境界部からはみ出しが起こりがちとなり再び美観を損ねる問題が発生する。このように凸部や凹溝を形成すると、これらを形成した場所から塗布位置がずれたときに、かえって外観が損なわれる場合があり、それを避けるためには塗布精度をさらに向上させねばならない。
特開平7−040649号公報 特開平9−245380号公報 特開平8−180642号公報 特開2004−355781号公報
本発明の目的は、ディスク基板上に水系塗布液により作製した液状塗膜の乾燥によって形成される塗膜の膜厚を、その端部において減少させず、中心領域から、塗膜の境界領域付近まで平坦で均一な膜厚の乾燥塗膜を形成することができる塗膜形成方法を提供することである。特に光ディスク上に端面近くまで均一な膜厚で受理能力が良好な受理層を形成するための塗膜形成方法を提供することである。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、活性エネルギー線硬化性組成物を含む水系塗布液をディスク基板の表面に塗布して液状塗膜を形成し、該液状塗膜を乾燥させる塗膜形成方法であって、前記水系塗布液を前記ディスク基板表面に塗布して液状塗膜を形成する塗布工程、前記液状塗膜に活性エネルギー線を照射して該塗膜を増粘させる活性エネルギー線照射工程、および該塗膜を乾燥することにより硬化させる硬化工程を有することを特徴とする塗膜形成方法を提供する。さらに本発明はこれら塗膜形成方法を用いてディスク基板上に受理層の形成された光ディスクを提供する。
本発明の塗膜形成方法によれば、前記水系塗布液から形成された液状塗膜に対して活性エネルギー線を照射することにより該塗膜を増粘させ、前記塗膜の塗布境界領域で生ずる乾燥収縮に伴う、液状塗膜の中心領域への流動現象を抑制でき、該流動現象による塗膜端部の膜厚減少を押さえることができる。そしてこののち増粘した液状塗膜を乾燥により硬化させることにより、均一な膜厚を有する塗膜形成を行うことができる。さらにこのような塗膜形成方法を用いてディスク基板上に受理層を形成した光ディスクを作製することによって、均一で平滑な表面を有し前面にわたってインクジェット記録用インクの受理が良好で写真画質が再現された鮮明な絵柄が形成される。
本発明の塗膜形成方法によれば、ディスク基板表面の液状塗膜において、乾燥時の塗布境界領域における流動現象を安定的にかつ容易に抑制できるため、塗膜は、全体に平坦、且つほぼ均一な膜厚になり、工程歩留まりを向上できると共に、凹溝のような境界形成手段を講じることなく、溝のない境界の綺麗な受理層を形成できる。また更には、乾燥時の塗布境界領域における塗膜の流動現象を抑制できるため、本来流動減少を発生させやすい温風や熱風などの乾燥手段の積極的使用が可能になり、乾燥時間を短縮できるため生産性の向上が期待できる。
本発明による塗膜形成方法は、前記水系塗布液を前記ディスク基板表面に塗布して液状塗膜を形成する塗布工程、前記液状塗膜に活性エネルギー線を照射して該塗膜を増粘させる活性エネルギー線照射工程、および該塗膜を乾燥することにより硬化させる硬化工程を有する。
本発明の塗膜形成方法で塗布工程に使用する水系塗布液は水もしくは水を主成分とする溶媒中に樹脂成分を含有する。樹脂成分としては親水性高分子ないし、水溶性高分子からなるものが好ましく、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル酸、アクリルアミド共重合体、メラミン樹脂、ポリエーテルポリオールまたはその架橋物等の合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、キチン、キトサン等の天然樹脂の他、必要に応じて適度に耐水化された水溶性高分子も挙げられる。さらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を既知の方法で硬化させた化合物、あるいは水溶性でシンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチルキノリウム基、ジアゾ基等を持った樹脂等からなる群のうち、1種もしくは2種以上が使用可能である。
樹脂成分は水系塗布液中0.5〜10質量%の範囲の含有量であることが好ましい。
0.5質量%より少ないと、たとえ無機顔料を含有させたとしても良好な塗膜を形成するのが困難となる。一方樹脂成分が10質量%より多い場合は、もともと水系塗布液の粘度が高くなる傾向にあり、塗膜の境界領域付近における流動減少は発生し難い。またこのような粘度の高い塗布液は塗膜端部の膜厚減少の起きやすい滴下塗布とレベリング法による塗布方法には適しておらず、通常スピンコーティング法やスクリーン印刷法で印刷されることが多いため、そもそも端部の膜厚減少は発生し難いと考えられる。特に水系塗布液中の形状異方性を有する無機微粒子が、液状塗膜中で配向しつつ積層し、塗膜の厚さ方向の空孔を発生して多孔質膜を形成する場合には、液状塗膜形成後に該塗膜中の無機微粒子が十分に配向し、かつ効果的に積層されるため低粘度が必要とされる。したがって、樹脂成分の種類と配合量は水系塗布液の粘度が高くなりすぎないように調整することが好ましい。本発明が有効に機能させるためには水系塗布液の粘度としては、10〜600mPa・sの範囲であることが好ましく、20〜100mPa・sであることがさらに好ましい。特に塗布液中に無機微粒子を含有し該無機微粒子を配向させる必要のあるときは25〜75mPa・sであることが最も好ましい。
本発明の塗膜形成方法で使用する活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線硬化性樹脂を用いるのが好ましく、水系塗布液を構成するため、水溶性アクリル系モノマーあるいはオリゴマーであることが望ましい。このアクリル系モノマーは、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個だけ有する単官能モノマー、2個以上有する多官能モノマーのいずれも使用でき、塗膜形成後の表面光沢や強度、および塗膜を受理層として用いるときのインク受容機能とのバランスを考慮して組み合わせることもできる。以下具体的なモノマーの例を挙げる。
単官能モノマーとしては、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレートなどがある。
また、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレートなども挙げられる。さらに、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチ)レングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレートなども用いられる。
多官能モノマーには、2官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、3官能以上の多官能モノマーとして、エチレングリコール変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ペンタエリルリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ペンタエリルリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリルリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリルリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリルリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリルリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリルリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリルリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリル系モノマーとしては、上記のほか、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミドやジエチル(メタ)アクリルアミド、アクロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどを用いてもよい。
本発明で用いることのできるオリゴマーとしては、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等があげられ、これらオリゴマーのうち水溶性のものが好適に使用できる。特にエポキシアクリレートが好ましく、脂肪族エポキシアクリレートがさらに好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物は水系塗布液中に0.1〜10質量%含有されることが好ましく、1〜5質量%含まれることが最適である。含有量が0.1質量%に満たないときは活性エネルギー線硬化性化合物の添加による効果が小さく、粘度上昇が起きにくい、10質量%を越えて含有されると、活性エネルギー線照射後の粘度上昇が大きくなり、即時硬化もしくは硬化状態になるまでの時間が極めて短いため、実質的に水系塗布液の粘度調整は困難であり、レベリングが良好に行われないため塗布ムラが発生しやすい。特に水系塗布液中の形状異方性を有する無機微粒子が、液状塗膜中で配向しつつ積層し、塗膜の厚さ方向の空孔を発生して多孔質膜を形成する場合には、液状塗膜形成後に粘度が上がりすぎると、無機微粒子の効果的な配向と積層が行われなくなり、例えば受理性能の極めて優れた受理層等を作製することが不可能となる。
本発明の塗膜形成方法において塗布工程で用いる水系塗布液には光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、たとえば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ)ルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、o−ヘンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェン、ベンジル、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノン、ベンソイン、ベンソインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトンなどが挙げられる。中でも1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製の商品名「IRGACURE2959」)など、水系で使用できるものが望ましい。光重合開始剤の添加量としては、活性エネルギー線硬化性化合物に対して1〜65質量%含有されることが好ましく、2〜35質量%含まれることがより好ましく、5〜15質量%含まれることが最適である。含有量が1質量%に満たないときは、所望の増粘効果を得るための活性エネルギー線照射時間が長くなり生産効率が低下するので好ましくなく、65質量%を超えて含有されると活性エネルギー線に対して過敏になり保存安定性が低下するので好ましくない。従って光重合開始剤の添加量は、工程時間とのバランスを考慮して適宜調整することが好ましい。
本発明の塗膜形成方法において形成される塗膜に対する水性インク、水性塗料の受理性能をさらに向上させ、インクジェット記録用受理層として充分な性能を有したものとするためには、インク受理層は多孔質型インク受理層であることが好ましい。
インク受理能力に優れた多孔質型インク受理層とするためには、前記水性塗布液は水もしくは水を主成分とする溶媒中に顔料と、バインダーとしての水溶性樹脂、および紫外線硬化性組成物とを含有していることが好ましく、また前記多孔質型インク受理層は、多孔質層の平均細孔半径が3〜25nmであり、特には5〜15nmが適切であり、かつ細孔容積が0.3〜2.0cm3/gが好ましく、特には0.5〜1.5cm3/gであるのが好適である。
前記顔料としては、アルミナ、シリカ、ベーマイト、合成微粒子シリカ、合成微粒子アルミナシリケート、気相法合成シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ゼオライト、モンモリロナイト群鉱物、バイデライト群鉱物、サポナイト群鉱物、ヘクトライト群鉱物、スチーブンサイト群鉱物、ハイドロタルサイト群鉱物、スメクタイト群鉱物、ベントナイト群鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、カオリン、タルク、アルミナ水和物、プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料、セルロース粒子、澱粉粒子などが挙げられ、より硬度の高い無機顔料が好ましい、なかでも、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ複合粒子、ベーマイト、気相合成シリカが好まく、ベーマイトが特に好ましい。このうち、特にベーマイト(Al2O3・nH2O、n=1〜1.5)がインクの吸収性、定着性の観点から好適である。
前記ベーマイトの含有量としては、樹脂に対して100質量%以上とするのが好ましく、この顔料を主成分として前記水性塗布液を構成し乾燥させることにより吸水性の良い多孔質型インク受理層を形成することができる。
ベーマイトを用いた水系塗布液は、乾燥後には、光沢を有する略透明な多孔質受理層を形成する。これは、多孔質層を形成する無機顔料のベーマイトが、扁平な形状を有しつつ、扁平面を上にして、乾燥過程で規則的な配向、積層を示すためであり、配向に必要な水系塗布液の流動性と時間が得られた場合に発現する効果である。従って、前記水系塗布液を紫外線照射によって即時硬化、または即時硬化に近い状態まで増粘させてしまうと、その間に十分な配向ができないため多孔質層が形成できなくなり、受理層としての機能を損なうことになる。このため、紫外線照射の結果達成される不動層の粘度は、前記多孔質層を形成させるための配向時間と、目標とする乾燥時間とを基に、最適な範囲より適宜調整される必要がある。
多孔質型インク受理層に使用されるバインダーとしては、すでに記載した水溶性樹脂を用いることができるが、特にでんぷんやその変性物、ポリビニルアルコール又はその変性物,スチレン・ブタジエンゴムラテックス、ニトリル・ブタジエンゴムラテックス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の水溶性重合体、アルコール可溶性の重合体若しくはこれらの重合体の混合物などの水溶性樹脂を用いることが好ましい。なかでも本実施例では、インク吸収性や耐水性を要するからポリビニルアルコールまたはその変性物の使用が好ましい。バインダーは上記顔料100質量部に対して、好ましくは、1〜100質量部、特には、3〜50質量部含まれるのが適切である。
なお前記水系塗布液には、その他の添加剤として、硬化剤、保存安定剤、分散剤、表面調整剤(レベリング剤)、消泡剤、増粘剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料等を、必要に応じて使用することが出来る。特に硬化剤は、多孔質層を形成する場合、形成過程において影響が大きく、水系塗布液の乾燥過程における体積収縮による歪みから生じるクラックなどの塗膜欠陥を抑制する効果がある。バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合は、ホウ酸やホウ酸塩などが上記機能を持つ硬化剤として有効である。
本願発明で使用する水系塗布液は水を主成分とする溶媒に、前記樹脂成分及び紫外線硬化性化合物、その他必要に応じて顔料等を添加し、混合、撹拌して作製することができる。
また塗膜形成用の前記水系塗布液は、塗布時のレベリング効果発現のため固形分比が小さく粘度が低い傾向にあるが、特に多孔質型受理層を形成するための水系塗布液は、塗布後に含有される顔料が配向して適切な空孔を形成する必要がある。このため固形分比率が25質量%以下、好ましくは20質量%以下の低固形分比率の塗布液として使用されることが多く、粘度も20〜100mPa・s程度と低粘度である。本発明の塗膜形成方法は、このような低粘度水系塗布液に対して特に好適に用いることができる。
該水系塗布液を用いてディスク基板上に液状塗膜を形成する方法としては、ディスク基板上への液状塗膜形成に使用される種々の方法を用いることができるが、特に受理層用の水系塗布液の場合には、塗布液粘度が低い場合が多く、水分比率が80%程度のこともあり、一方で受理層はインク受容のために乾燥後の膜厚で、例えば30μm程度必要であるから、例えば水系塗布液は150μm程度の膜厚で塗布する必要の有る場合がある。従ってこのような場合は、前記特許文献4に示される塗布ノズルを用いた塗布液の滴下による塗布方法が最適である。この方法によれば、ディスクの内周から外周までの受理層形成領域に於いて、塗布厚さの均一な塗膜を形成することができる。
また本発明において、ディスク基板上に形成されるインク受理層の膜厚は、インクの吸収性、塗工層の強度、用途などに応じても選択されるが、好ましくは2〜80μmが採用される。この膜厚が2μmに満たない場合はインク受理層としての効果が発現し難く、一方、80μmを超える場合は、透明性や強度の低下または表面に微細なクラックが発生するおそれがあるので好ましくない。なかでも、インク受理層の膜厚は10〜50μmであるのが適切であり、30〜40μmが更に好ましい。塗膜は乾燥後の重量にすると2〜80g/m2が好ましく、20〜70g/m2がより好ましく、30〜50g/m2が最も好ましい。塗布液の塗布膜厚は塗布液の固形分濃度に対応して、例えば乾燥膜厚の4〜8倍程度、塗布液の重さにして10〜400g/m2にすることができる。
本願発明の塗膜形成方法における活性エネルギー線照射工程においては、活性エネルギー線は紫外線や電子線など何れも使用することができるが、中でも扱いやすさから紫外線が好ましく、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなど公知慣用の紫外線照射光源が使用できる。中でもキセノンフラッシュランプを用いる場合は、連続光と比較して、閃光的に強い紫外線を照射できるため照射時間を短縮でき、また必要な時のみ照射を行うためシャッターなどの遮光制御機構を簡略化でき、更には連続点灯ではないため連続生産時に於ける装置内部の熱対策を簡略化できるので、生産効率化の観点より効果的である。これらエネルギー照射源は照射後の水系塗布液の増粘状況を調整しつつ、最適の種類のものを適正照射強度、照射方法にて照射することができる。例えば液状塗膜の場所によって照射強度を変化させるような調整を行っても良い。
また何れの紫外線照射光源を用いる場合であっても、本発明による受理層用水性塗料組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長に合った波長域を有する光源を選択することが望ましい。
本発明による水系塗布液は、所望の照射エネルギーによる紫外線照射により瞬時に増粘するが、完全固化には至らず流動性を保っている。増粘した液状塗膜の粘度は、5,000mPa・s〜35,000mPa・s、より好ましくは10,000mPa・s〜30,000mPa・s、更に好ましくは20,000mPa・s〜25,000mPa・sとなることが好ましい。5,000mPa・s〜35,000mPa・sの粘度範囲に液状塗膜を増粘させることにより、後段の加熱乾燥工程に於ける塗膜の乾燥収縮による流動現象を良好に押さえつつ、例えば受理性能の良好な受理層を形成することができる。増粘の程度が5,000mPaより小さいときは流動現象を良好に抑えることができない傾向にあり、一方35,000mPa・sより大きいときは粘度が高すぎて流動現象は起きないが、急激な粘度の上昇は紫外線硬化性組成物によって塗膜形成を行う時と同様であり、粘度を制御することが極めて困難となる。このため水系塗布液の乾燥に伴って進行する例えば無機微粒子の配向や積層といった過程が実現できず、多孔質型の受理層等を作製することが出来なくなる。
本願発明の塗膜形成方法における硬化工程において使用する加熱乾燥手段は、例えばホットプレートなど熱伝導を利用して基材を加熱部材に接触させて乾燥を行う手段や、例えば赤外線照射ランプなど輻射熱を利用して基材を加熱し非接触で乾燥を行う手段の何れもが利用できる。中でも、非接触で乾燥を行う赤外線照射ランプは、加熱対象物に接触しないため接触傷の発生が無く特に好ましい。
赤外線を照射する場合、近赤外線、中赤外線、遠赤外線の何れの波長域も使用することができるが、中でも熱吸収効率の面から波長が2μm〜4μmの中赤外線であることが好ましい。波長3μm前後の中赤外線は水分の吸収割合が高く水系塗布液を短時間で一様に乾燥できて乾燥効率と歩留まりを向上できる。一方、ポリカーボネート等のディスク基板の材質は比較的吸収率が低いため、例えば情報記録層を有するディスク基板の、前記情報記録層とは反対側の面から赤外線を照射するときでも、ディスク基板の表面のみで吸収されることがなく、ディスク基板全体が加熱されることになる。
また、赤外線照射は、片面/両面照射の何れの場合であっても、乾燥の進展度合いによっては過乾燥を引き起こしてディスクが反り、書き込みや読み取り品質の劣化をきたす可能性があるため過乾燥とならぬよう適宜出力調整を行うことが好ましい。更にまた、必要に応じて温風や熱風、または冷風などを併用し、温度や湿度調節を行いながら積極的に乾燥を促進させるようにしても良い。これにより、乾燥時間を短縮でき生産効率の向上が期待できる。
本発明の実施例を光ディスクへの塗膜形成を例にとって説明する。本実施例による光情報媒体としての光ディスクは、例えば通常のデジタルバーサタイル(ビデオ)ディスクである。以下、実施例1乃至2および比較例1乃至2では下記に示す光ディスクを用いる。
(光ディスク基板)
以下の実施例においては読み取り専用のDVD−5規格で製造される光ディスクを用いる。該光ディスクにおいては、ポリカーボネート基板からなるリング状のディスク基板の一方の面に情報記録層が形成されており、この情報記録層はスタンパ等で形成された0.1μm程度の凹凸の表面に金属薄膜からなる反射膜を被覆して構成されている。そしてこの情報記録層の表面にはもう1枚のポリカーボネート基板が貼り合わせられ、ディスク基板の他方の面側から再生光を照射し、情報記録層からの反射光により読み取りを行う。
(下地印刷の実施)
前記光ディスクの情報読み取り側の面とは反対側、すなわちレーベル面側に下記条件による白色下地層をスクリーン印刷法にて形成した。
白色インキ:SSDインキF27DV(大日本インキ化学工業社製)
マスク径 :φ23mm(内径)−φ116mm(外径)
メッシュ :#350(350μm)
塗膜厚さ :8〜10μm
(アルミナゾルの製造方法)
アルミナゾルは、95℃に加熱したポリ塩化アルミニウムと水からなる液にアルミン酸ナトリウム溶液を添加し、熟成したスラリーをイオン交換水で洗浄し、再び95℃に昇温し、酢酸を添加して解膠と濃縮を行い、次いで超音波処理を行って得られる。
(実施例1)
下記処方の受理層用水性塗料組成物からなる水系塗布液を、前記光ディスクの白色下地層形成面に、前記特許文献4に示される塗布ノズルによる塗布法を用いて、塗膜厚さが150μmの液状塗膜を形成した。液状塗膜作成時の水系塗布液の粘度は約40mPa・sであった。
アルミナゾル(固形分濃度20%): 100質量部
ポリビニルアルコール
(クラレ社製、商品名PVA−124、固形分濃度7%): 28.6質量部
ホウ酸(固形分濃度4%): 5質量部
2官能モノマー ラロマーLR−8765
(脂肪族エポキシアクリレート BASF社製): 3質量部
光重合開始剤IRGACURE2959
(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製): 0.3質量部
次に、この塗膜に120W/cm、3kWの高圧水銀灯を用いて約500mJ/cm2の紫外線を照射した。この時、照射後の塗膜粘度を測定したところ約30,000mPa・sであった。引き続き、該光ディスクを表面温度が約120℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえて乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約150秒であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で液状塗膜を形成し、次に、この塗膜に120W/cm、3kWの高圧水銀灯を用いて約500mJ/cm2の紫外線を照射した。この時、照射後の塗膜粘度を測定したところ約30,000mPa・sであった。引き続き、該光ディスクを表面温度が約120℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえ、温度が約60℃の熱風を併用して乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約120秒であった。
(実施例3)
ラロマーLR−8765の配合量を1質量部にした他は、実施例1と同様にして液状塗膜を形成し、実施例1と同様にして乾燥塗膜を形成した。この時の乾燥時間は約155秒であった。
(実施例4)
ラロマーLR−8765の配合量を0.5質量部にして、実施例1と同様に液状塗膜を形成した後、引き続き、該光ディスクを表面温度が約80℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえて乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約300秒であった。
(実施例5)
ラロマーLR−8765の配合量を12質量部にした他は、実施例1と同様の方法で液状塗膜を作成した。この時の乾燥時間は約150秒であった。
(比較例1)
下記処方2の受理層用水性塗料組成物からなる水系塗布液を、前記光ディスクの白色下地層形成面に、前記特許文献4に示される塗布ノズルによる塗布法を用いて、塗膜厚さが150μmの液状塗膜を形成した。
アルミナゾル(固形分濃度20%): 100質量部
ポリビニルアルコール
(クラレ社製、商品名PVA−124、固形分濃度7%): 28.6質量部
ホウ酸(固形分濃度4%): 5質量部
この後、表面温度が約80℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえながら乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約300秒であった。
(比較例2)
比較例1と同様の方法で液状塗膜を形成した。
この後、表面温度が約80℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえ、温度が約60℃の熱風を併用して乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約240秒であった。
(比較例3)
比較例1と同様の方法で液状塗膜を形成した。
この後、表面温度が約120℃のホットプレートに載せると共に、反り返り防止の保持部材で端部を押さえ、温度が約60℃の熱風を併用して乾燥させ受理層塗膜を得た。この時の乾燥時間は約155秒であった。 以上実施例1〜5、比較例1〜3で作製した乾燥塗膜よりなる受理層を形成された光ディスクについて、以下の項目の評価を行った。
(端面乾燥ムラ)
乾燥塗膜の境界領域付近の塗膜形状を目視観察し、以下の基準によって評価を行った。
◎ 境界領域付近まで塗膜の膜厚が均一で塗布ムラが全くない。
○ 境界領域付近で膜厚の僅かな減少が認められるが塗布ムラはない。
△ 境界領域付近で膜厚が減少し僅かな塗布ムラが認められる。
× リング状の塗布ムラが発生している。
×× 塗布ムラが端面以外の領域にも波及している。
(塗膜表面)
塗膜の内部領域を中心に表面状態を目視にて観察し、以下の基準によって評価を行った。
◎ 塗膜表面は平滑でヒビは全くない。
○ 塗膜の光沢感がやや低下するが、表面は平滑でヒビは全くない。
△ 極めてわずかであるがヒビが認められる。
× 表面にヒビの発生を容易に認めることができる。
×× 表面のヒビ発生が著しい。
(印刷画質)
実施例1〜3及び比較例1〜4いおいて作製した受理層つき光ディスクに、ジェットインクプリンターPM−970C(エプソン社製)のジェットプリンターを用いて写真絵柄の印刷を行った。印刷画質を目視にて観察し、以下の基準で評価を行った。
◎ 全面にわたってインクの受理が良好で写真画質が再現された鮮明な絵柄が形成される。
○ 全面にわたってインクの受理は良好であるが、光沢感がやや低下する。
△ 光沢感が失われるかあるいは、端面でわずかではあるが画像の不鮮明な箇所が認められる。
× 端面においてインクの受理が不良で画像の滲んでいる箇所が発生する。
×× 画像の滲みが端面以外の領域にまで広がっている。
(表1)
Figure 2008135134
実施例1、2および実施例3は共に、乾燥収縮に伴う流動現象による乾燥ムラはなく、均一な受理層塗膜が得られていた。更にインクジェットプリンターPM−970C(EPSON社製)で写真画質印刷を行ったところ、鮮明な写真品質の印刷画像が得られた。
しかしながら、比較例1および比較例2で得られた受理層塗膜を観察したところ、乾燥条件を実施例より緩やかにしたにもかかわらず、比較例1では乾燥収縮に伴う流動現象によるリング状の乾燥ムラが見られ、また比較例2においては比較例1と同様にリング状の乾燥ムラがあり、更には表面にヒビ割れも生じており、何れも外観を損ねるものであった。また、前記実施例1乃至2と同様に写真画質印刷を行ったところ、内周、および外周の乾燥ムラ部分においてインクが未受容状態で残っており、何れも鮮明な印刷画像は得られなかった。さらに比較例1または2で形成した乾燥塗膜に対して熱乾燥条件を実施例2と同様最も強くした比較例3においては、端面の乾燥ムラも塗膜表面のヒビの状況もよりひどくなった。紫外線硬化性化合物の配合量を減らした実施例4は端面の膜厚に減少傾向が認められ、乾燥条件も実施例より緩やかにしなくてはならなかった。配合量をアルミナゾルに対して10部以上として実施例5においては、塗膜表面の光沢がやや失われる傾向にあった。

Claims (6)

  1. 樹脂及び活性エネルギー線硬化性化合物を含む水系塗布液をディスク基板の表面に塗布して液状塗膜を形成し、該液状塗膜を乾燥させる塗膜形成方法であって、前記水系塗布液を前記ディスク基板表面に塗布して液状塗膜を形成する塗布工程、前記液状塗膜に活性エネルギー線を照射して該塗膜を増粘させる活性エネルギー線照射工程、および該塗膜を乾燥することにより硬化させる硬化工程を有することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記活性エネルギー線硬化性化合物は前記水系塗布液中に0.1乃至10質量%含有される請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記水系塗布液は、水溶性樹脂を含有する請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記水系塗布液は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ベーマイト及び気相合成シリカからなる群のうち少なくとも何れかひとつを含有する請求項3に記載の塗膜形成方法。
  5. 前記水系塗布液を乾燥して得られる塗膜がインクジェット記録用受理層である請求項1乃至請求項4に記載の塗膜形成方法。
  6. 請求項1〜6に記載の塗膜形成方法を用いてディスク基板上に受理層の形成された光ディスク。
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