JP2005035005A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光沢性を有しプリント画像の斑やバンディングが生じにくく、記録用紙自体の耐光性と耐水性に優れた高画質で高品位なインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】支持体上に無機微粒子および親水性バインダーを有するインクジェット記録用紙において、該インクジェット記録用紙のブリストウ測定における接触時間0.02秒での水の転移量をVa、該インクジェット記録用紙を15秒間水に浸漬、乾燥した後、同様にして測定される水の転移量をVbとした時、Vb≧10mlであり、かつ、Vb/Va≧0.7であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント画像に斑やバンディングが生じにくく、高い光沢を有する高画質で高品位な画像が得られ、記録用紙自体の屋外耐久性に優れたインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
【0003】
上記記録方法で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、様々な分野に急速に普及している。
【0004】
特に、最近ではプリンターの高画質化が進み写真画質に到達していることから、記録用紙も写真画質を実現し、かつ銀塩写真の風合い(光沢性、平滑性、コシなど)を再現することが求められている。
【0005】
銀塩写真の風合いを再現する方法の1つとして、記録用紙として支持体上にゼラチンやポリビニルアルコールなどの親水性バインダーを塗設した、いわゆる膨潤型のものが知られているが、この方法では、インク吸収速度が遅い、プリント後に表面がべたつきやすい、インク吸収層の耐水性が低く保存中に湿度の影響を受けて画像がにじみやすい等の欠点を有している。特に、インク吸収速度が遅いため、吸収される前にインクの液滴同士が混ざり合い、異色間のにじみ(ブリーディング)や同色内の色むら(ビーディング)を発生させやすく、銀塩写真画質の達成は非常に困難である。
【0006】
上記膨潤型に代わり主流となりつつあるのがいわゆる空隙型であり、微細な空隙にインクを吸収させるため、吸収速度が速いのが特徴である。このように銀塩写真画質と銀塩写真の風合いを達成する記録用紙として多数記載されて(例えば、特許文献1参照。)いる。
【0007】
また、画質や風合いに加え、耐久性や画像保存性に対する要求もより高度になり、耐光性、耐湿性、耐水性なども銀塩写真レベルに到達させる試みが数多くなされている。耐光性向上の例としては多数の技術が開示されて(例えば、特許文献2参照。)いる。
【0008】
一方、画像保存性についてはインクに用いられる色材の影響も大きく、一般的には水溶性染料に比べ顔料タイプの色材の方が耐水性や耐光性等の保存性能に優れている。従って、屋外の雨や太陽光による過酷な環境下にプリント画像を掲示する場合は顔料インクのほうが好ましい。このように過酷な条件下で顔料インクのように高い画像保存性を有する色材を用いた場合、色材自体の耐久性よりも記録用紙の耐久性が問題となる。例えば、前記膨潤型記録用紙や支持体が紙である場合などは雨によりインク吸収層が溶解したり支持体がうねりを生じる問題がある。また、前記空隙型記録用紙の場合には雨と太陽光によりひび割れが生じたり、支持体からインク吸収層が剥がれ落ちるなどの問題がおきやすい。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−119423号公報 (特許請求の範囲、実施例1)
【0010】
【特許文献2】
特開昭57−87989号公報 (第2頁左下欄第17行〜右上欄
第7行)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い光沢性を有しプリント画像の斑やバンディングが生じにくく、記録用紙自体の耐光性と耐水性に優れた高画質で高品位なインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0013】
1.支持体上に無機微粒子および親水性バインダーを有するインクジェット記録用紙において、該インクジェット記録用紙のブリストウ測定における接触時間0.02秒での水の転移量をVa、該インクジェット記録用紙を15秒間水に浸漬、乾燥した後、同様にして測定される水の転移量をVbとした時、Vb≧10mlであり、かつ、Vb/Va≧0.7であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0014】
2.親水性バインダーが電離放射線により架橋した高分子化合物であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0015】
3.親水性バインダーが主鎖に複数の側鎖を有し重合度が300〜5,000の親水性高分子化合物であり、該高分子化合物は電離放射線を照射することにより側鎖間で架橋結合を形成したものであることを特徴とする前記2に記載のインクジェット記録用紙。
【0016】
4.無機微粒子の粒径が0.005μm以上、0.25μm以下であることを特徴とする前記1〜3いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0017】
5.支持体が非吸水性であることを特徴とする前記1〜4いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0018】
本発明を更に詳しく説明する。ブリストウ法はインク吸収速度を測定する手段として知られており、インクジェット記録用紙の評価においても広く用いられている。記録用紙のインク吸収速度が遅い場合メディア表面でのインク滴合一による斑やバンディングなどの問題が生じやすいと考えられており、ブリストウ法により測定されるインク吸収速度が高いほどこのような問題がおきづらいと考えられている。しかしながら、ブリストウ法によるインク吸収速度と斑やバンディングの関係は必ずしも一致しないことが本発明者らの検討により判明した。本発明者らはこの点に関し種々検討した結果、後述のブリストウ法に規定される水吸収特性が、Vb≧10ml、且つ、Vb/Va≧0.7を満たすように調整されることにより斑やバンディングが生じにくい良好な画像が得られ、更に記録用紙自体の耐光性と耐水性が大幅に改善されることを見出し本発明に至った。
【0019】
前記ブリストウ法に規定される水吸収特性と斑、バンディングに相関が見られることに関し、明確な解釈には至っていないが次のように考えている。通常インクジェットプリンターにおいては、単位面積あたり複数回走査することにより画像を形成している。従って、初期走査でインクが着弾したドット上に後期走査時のインクはオーバーラップして着弾する。初期走査によるインクにより後期走査のインク吸収速度を抑制しないことが斑やバンディングの抑制において理想と考えられる。Vbは水に記録用紙を浸漬した後の水の吸収速度を表しており、水系インクにおける後期走査時のインク吸収速度に相関しているものと考えている。本発明においては、Vb≧10mlに調整する必要があり、より好ましくはVb≧15mlである。この範囲であれば、斑やバンディングが生じにくく高品位な画像が得られる。尚、Vbの上限については特に制限はなく、インク吸収層の吸収容量に相当する量のインクを瞬時に吸収することが理想である。一方、本発明において、吸収容量は50ml以下、より好ましくは40ml以下にすることで、ひび割れが少なく高い光沢性のあるインク吸収層を得やすい。以上の観点から、Vbの上限は50ml以下が好ましく、より好ましくは40ml以下である。
【0020】
また、記録用紙自体の耐光性と耐水性には、上記ブリストウ法に規定される水吸収特性においてVb/Vaの比率が影響することがわかった。水浸漬後に記録用紙の水の吸収速度が低下する原因として、水による皮膜の架橋構造の低下によるバインダーの膨潤により空隙を狭めていることが考えられる。このような架橋構造の低下と親水性バインダーの光劣化の相乗効果で、インク吸収層がひび割れたり膜はがれを起こしやすいものと推定している。例えば、硼酸のように水により溶出される架橋剤においてこのような現象が起きやすい。本発明の効果を得るためには、Vb/Va≧0.7に調整する必要があり、Vb/Va≧0.8が耐光性と耐水性の点で好ましい範囲である。尚、Vb/Vaの上限に特に制限はないが、本発明の条件を満たすVaの下限が7mlである点sと前記のようにVbの上限は50ml以下が好ましいことから、7≧Vb/Vaにすることで本発明の効果を有し、かつひび割れの少ない高光沢なインク吸収層が得られやすい。
【0021】
次に、本発明に係るブリストウ測定について説明する。ブリストウ測定には、自動走査吸液計KM500win(熊谷理機工業株式会社製)を用いて行った。測定原理は試験液を供給するヘッドを記録用紙上で螺旋状に走査し、単位時間当たりの液体転移量を測定するものである。液体転移量はヘッドに繋がる連通管のメニスカスの移動速度をモニターすることにより測定される。測定原理はJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51に記載の液体吸収性試験と同一である。本発明において、当該測定に使用する試験液は水である。
【0022】
本発明に係わる無機微粒子について説明する。無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、「微粒子工学体系 第2巻,p463」に記載の界面活性剤をテンプレートとして合成されるメソ細孔を有するシリカ、アルミノシリケート等を挙げることが出来る。以上の様な無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用してもよい。
【0023】
本発明に用いられる無機微粒子の平均粒径は、高い光沢性を得る為に0.25μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。また、平均粒径の下限に特に制約はないが微粒化した場合の製造安定性上の観点から0.005μm以上が好ましい。
【0024】
無機微粒子の平均粒径は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0025】
前記無機微粒子の使用量は記録用紙1m当たり概ね3〜30g、好ましくは5〜25gである。この範囲であれば良好なインク吸収性と塗布乾燥時のひび割れが両立しやすい。
【0026】
本発明に用いられる無機微粒子は、微細な空隙が形成出来る観点からシリカが好ましく、特に気相法シリカ、沈降法またはゲル法により合成された湿式シリカが好ましい。気相法シリカとは、四塩化ケイ素と水素を原料にし燃焼法により合成されるものであり例えば日本アエロジル株式会社製のアエロジルシリーズが市販されている。また、湿式シリカとは珪酸ソーダを原料として沈降法またはゲル法により合成されたものであり、例えば沈降法による(株)トクヤマのファインシールが市販されており、ゲル法によるシリカとしては日本シリカ工業(株)のNIPGELが市販されている。
【0027】
前記無機微粒子は、高圧ホモジナイザー、高速攪拌分散機、サンドミル、超音波分散機などを用い、溶媒中、好ましくは水中にて分散または粉砕することが出来る。特に湿式シリカなど一般に平均粒径が1μm以上の高次凝集体である場合、高い光沢とインク受容層の透明性向上による高いプリント濃度を得る為には粉砕後の粒度分布において10μm以上の粗大な粒子の含有率を下げることが特に効果的である。10μm以上の粗大な粒子の含有率を下げる点において、好ましくは1.0mm以下、更には0.5mm以下のジルコニアビーズを用いたサンドミルによる粉砕手段が好ましい。
【0028】
次に、本発明に関わる親水性バインダーについて説明する。親水性バインダーとしては、従来公知の各種親水性バインダーを用いることが出来る。例えばゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリエチレングリコール(平均分子量が10万以上が好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げることができる、これらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。親水性バインダーの使用量は本発明の効果が得やすい点において、無機微粒子と親水性バインダーの質量比が2:1〜50:1、より好ましくは2.5:1〜20:1、更に好ましくは6:1〜15:1の範囲である。
【0029】
本発明のブリストウ法に規定される水吸収特性の条件を満たすためには、親水性バインダーの膨潤性を抑制し、且つ水により膨潤度が変化しにくくすることが効果的である。このような膨潤抑制を実現する手段としては(1)親水性バインダーと無機微粒子間の橋架け架橋効果を高めるために、親水性バインダーに対する無機微粒子の比率を高める方法、(2)親水性バインダーを共有結合により架橋する方法、が挙げられる。(2)の方法の方がインク吸収層のひび割れが生じにくく好ましい。共有結合による架橋手段の具体例として、例えば特開2000−272224号、同2001−71633号等には親水性バインダーにポリビニルアルコールを用い架橋剤に没食子酸、フロログルシノール、メラミン、グリオキザールなどを用いた例が示されている。しかしながら、本発明のブリストウ法に規定される水吸収特性を満たす為には熱処理工程を要すること、着色の問題があること、カールが生じやすいといった性能上および生産適性上容易ではないことが本発明者らの検討でわかった。本発明においては、親水性バインダーを電離放射線により架橋することが好ましい。
【0030】
次に、本発明に関わる電離放射線により架橋する高分子化合物について説明する。本発明のインクジェット記録用紙に用いられる、電離放射線により架橋する高分子化合物とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋反応をする水溶性の樹脂であり、架橋反応前には水溶性であるが、架橋反応後には架橋して分子量が増加することで実質的に非水溶性となり耐水性の皮膜を形成する。ここで耐水性とは、例えば80℃の温水に5分浸漬した場合の質量残存率が85%以上であるものである。かかる樹脂は架橋反応後も親水性を有し、十分なインクとの親和性を維持するものである。
【0031】
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
【0032】
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチリルピリジニウム基、スチリルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、たとえば一級アミノ基ないし四級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、たとえば特開昭56−67309号、同60−129742号、同60−252341号、同62−283339号、特開平1−198615号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になり、カチオン性になるアジド基のような基を有する樹脂、たとえば特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)があげられる。
【0033】
電離放射線による高分子化合物の具体的架橋手段として、特開2002−160439号公報には高分子化合物としてポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロースを用い、電離放射線として電子線を用いた架橋手段が示されている。電子線により親水性樹脂を架橋させる場合、一般に無機微粒子の方が親水性バインダーや溶媒の水よりも比重が高いため、電子線照射量が親水性バインダーや溶媒に対して供給過剰であり塗膜中の水分が瞬間的に蒸発して気泡となり塗膜表面を荒らしたり、また塗膜深部に対しては照射量が不足し、架橋密度に勾配が生じ、表面のみ堅い膜になり、その結果、カール耐性を著しく損なうという課題があることが本発明者らの検討によりわかった。
【0034】
さらに、電子線照射に際しては雰囲気の酸素濃度が高いと効果が妨げられるという課題があり、窒素、ヘリウム等の不活性ガスにより照射ゾーンにおいて置換を行い酸素濃度を400ppm以下程度まで保つ必要があり、工程適性上好ましくない。また、特開平9−263038号公報では、乾燥前に塗膜をゲル化させる方法として、主に無機ゾルと電離放射線硬化性のモノマー/オリゴマーからなる塗工液を塗工後に電離放射線を照射して該化合物を硬化させる工程を経た後、塗膜を乾燥してインク受容層を形成する方法を提案している。
【0035】
しかし、この方法では比較的高密度で緻密な三次元架橋をした膜を形成してしまうため、塗膜の折れ割れ耐性が悪いという新たな課題が生じた。また、一般的に電離放射線硬化型のモノマー/オリゴマー等は比較的低分子量であり皮膚刺激性が強いものが多く、未反応成分による印画品質への悪影響や安全性の面で懸念される点が多い。さらに、上市されているほとんどの該化合物は、親水性が低いためインクジェット受容層の塗工に一般的な水系塗工には適さず、おのずと材料選択の幅が極端に狭くなる。
【0036】
本発明に係わる電離放射線により架橋する高分子化合物おいて、主鎖に複数の側鎖を有し重合度が300以上の高分子化合物が本発明の効果である斑やバンディングが生じにくい点で好ましく、特に好ましくは光二量化型、光重合型の変性基により変性した高分子化合物であることが、感度または樹脂自身の安定性、更にひび割れが生じにくいバインダー特性が得られる点で好ましい。また、前記電離放射線により架橋する高分子化合物の主鎖について、重合度の上限は特に限定されないが重合度が高いと塗布液の粘度が高まるため、製造時のハンドリングに劣る。重合度と粘度の関係は使用する高分子の種類により異なるが、概ね重合度の上限は5000以下、より好ましくは4000以下である。
【0037】
本発明に係わる電離放射線により架橋する高分子化合物として好ましい具体例は、例えば、特開昭56−67309号公報記載の以下の部分構造をポリビニルアルコール構造体中にもつ感光性樹脂を挙げることができる。
【0038】
【化1】
Figure 2005035005
【0039】
感光性樹脂の具体例は該公報中の実施例1〜2に、樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
【0040】
他の具体例としては、特開昭60−129742号公報記載の以下の部分構造をポリビニルアルコール構造体中にもつ感光性樹脂を挙げることができる。
【0041】
【化2】
Figure 2005035005
【0042】
式中、Rは2価の連結基を表す。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号に示される以下の一般式で示される樹脂が反応性の観点から好ましい。
【0043】
【化3】
Figure 2005035005
【0044】
式中、Rはメチル基又は水素原子を表し、nは1又は2で、Xは−O−、−O−CO−(CH−を表し、Yは芳香族環又は単結合を表し、mは1〜6の整数を表す。
【0045】
本発明においては、光開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
【0046】
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
【0047】
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はないが、一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等があげられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
【0048】
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。
【0049】
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
【0050】
次に本発明に係わる電離放射線について説明する。電離放射線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線、紫外線が好ましい。
【0051】
電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。
【0052】
電子線の加速電圧は、塗膜の比重と膜圧により適時変化させることができるが、20kV〜300kVが適当である。電子線の照射量は0.1〜20Mradの範囲が好ましい。
【0053】
本発明の効果を得る点において得に好ましい光源は紫外線である。紫外線の光源として例えば100〜1×10Paまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。また、300nm以下の波長光を低減するフィルターをもうけることが好ましい。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm〜1W/cm、照射エネルギーとしては0.1mJ/cm〜800mJ/cmが好ましく、0.1mJ/cm〜100mJ/cmがより好ましい。
【0054】
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれない場合や、300nm以下の波長をフィルターにより低減した場合および照射エネルギーが500mJ/cm以下の場合には、電離放射線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤を電離放射線により分解することが避けられ、また、分解物に由来するような臭気などの問題を起こす可能性も非常に少なく好ましい。更に照射エネルギーが0.1mJ/cm以上であれば架橋効率が良好であり、本発明の効果が顕著に得られる。
【0055】
紫外線照射の際の照度は0.1mW/cm以上1W/cm以下が好ましい。照度が1W/cm以下であれば塗膜の表面硬化性が良好であると共に、深部硬化性も良好で、表面のみ堅い膜が得られる状態を避けることができ、膜の深度方向の堅さのバランスがとれ、カールの問題も起こりにくく好ましい。
【0056】
また、照度が0.1mW/cm以上である場合は、膜中の散乱等を避けることがきで、架橋が十分進み、本発明の効果が得られ好ましい。
【0057】
同一積算光量(mJ/cm)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。
【0058】
照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。
【0059】
照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間がかかってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
【0060】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上述した以外の各種添加剤を使用することができる。例えば、インク定着剤としてポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤、Mg2+やCa2+、Zn2+のような2価の金属イオン、Al3+などの3価の金属イオン、あるいはTi4+など、4価以上の水溶性の多価金属イオン金属イオンがあげられ、これらの水溶性の多価金属イオンは亜硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用しても良い。
【0061】
カチオン性の樹脂、あるいは水溶性の多価金属イオンの添加方法としては、塗布液に直接添加して塗布する方法のほか、記録媒体の塗布乾燥後にカチオン性の樹脂や水溶性の多価金属イオンの水溶液をオーバーコートして乾燥するといった方法でもかまわない。
【0062】
上記以外に例えば、アニオン、カチオン、非イオン、両性の各界面活性剤、ホウ酸またはその塩、エポキシ系架橋剤(例えば、ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、活性ハロゲン系架橋剤(例えば、2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(例えば、1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミ明礬、イソシアネート系化合物等の架橋剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0063】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
【0064】
本発明のインクジェット記録用紙の支持体としては、吸水性又は非吸水性の支持体を用いることができるが、非吸水性支持体の方が、プリント後にシワの発生が無く、画像に平滑性の差が生ぜずに高品位のプリントが得られるために好ましい。
【0065】
吸水性支持体としては、紙支持体が一般的であるが、布あるいは多孔質のフィルム支持体も含まれる。
【0066】
また、非吸水性支持体としてはポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフィルム等、金属やガラス、さらにはポリエチレン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加したホワイトペットなどが挙げられる。
【0067】
その中でも原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られる為に特に好ましい。
【0068】
以下、本発明で特に好ましい支持体である紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。
【0069】
本発明に係る支持体で用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0070】
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
【0071】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
【0072】
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
【0073】
紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/cm(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0074】
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
【0075】
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
【0076】
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0077】
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0078】
特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
【0079】
ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
【0080】
着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0081】
蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
【0082】
紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0083】
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下(1)〜(8)の特性を有していることが好ましい。
【0084】
(1)引っ張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196Nであることが好ましい。
【0085】
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい。
【0086】
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cmが好ましい。
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい。
【0087】
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL、a、bが、L=80〜96、a=−3〜+5、b=−7〜+2であることが好ましい。
【0088】
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい。
【0089】
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい。
(8)インク受容層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
【0090】
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0091】
塗工液温度は通常は25〜60℃であり、35〜50℃が好ましく、36〜48℃の液を使用するのが特に好ましい。塗布後の乾燥は20℃以上の風を吹き付けて行うのが均一な膜面を得る点から好ましい。特に20℃以上の風を吹き付けてから徐々に風の温度を上げるのが好ましい。乾燥時間は湿潤膜厚にもよるが概ね10分以内、特に5分以内にするのが好ましい。
【0092】
本発明のインクジェット記録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好ましく用いられる。
【0093】
上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料あるいは水分散性顔料が使用できる。本発明のインクジェット記録用紙においては、記録用紙自体の耐水性や耐光性が高い特徴を持つことから、色材においても画像保存性の良好な水分散性顔料が好ましい。
【0094】
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0095】
その他の水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が挙げられる。
【0096】
水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通常、0.025〜0.06N/m、好ましくは0.03〜0.05N/mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。上記インクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好ましくは6〜9である。
【0097】
本発明に好ましく用いられるインクジェット記録方法は、従来公知の各種の方式を用いることができ、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編,平成7年3月31日,日本科学情報株式会社発行)に記載されている。
【0098】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0099】
なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾質量%を示す。
「分散液−1の作製」
平均一次粒子径が12nmでBET法により測定した比表面積が200m/gの気相法シリカ10kgを三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーを用いて、35lの純水に435mlのエタノールを加えた液中に室温で吸引分散した後、純水をくわえて全量を43.5lに仕上げ分散液A1とした(pH2.8、エタノール1質量%含有)。
【0100】
次に分散液A1の400gに、カチオン性ポリマー(C−1)の28%水溶液を40g添加し、ディゾルバーでプレ分散し、この分散液のpHが4.5に調整する量のりん酸緩衝溶液を加えた。更にサンドミル分散機にて周速9m/秒の条件で30分間分散した。この分散液の全量を630mlに仕上げて、ほぼ透明な分散液−1を得た。得られた分散液−1を、アドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。
【0101】
【化4】
Figure 2005035005
【0102】
「分散液−2の作製」
分散液−1の作製において、リン酸緩衝液に代えてホウ酸1.5g及びホウ砂1.5gを含む水溶液50mlを添加した以外は同様にして分散液−2を作製した。
【0103】
「分散液−3の作製」
分散液−1の作製において、使用した気相法シリカを湿式シリカ(ファインシールX−37株式会社トクヤマ社製)に変更し、サンドミルによる分散粒径が230nmになるまで、分散時間を延長し分散液−3を作製した。尚、分散粒径は動的光散乱方式粒子径測定装置ゼータサイザー1000HS(マルバーン社製)を用いて測定した。
【0104】
「分散液−4の作製」
分散液−3の作製において、サンドミルによる分散粒径が270nmになるまで、分散時間を短縮以外は同様にして分散液−4を作製した。
【0105】
「電離放射線により架橋される高分子化合物の作製」
特開2000−181062号を参考にして、重合度3000、ケン化度88%のポリビニルアルコールにp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを反応させた後、光重合開始剤(日本化薬製 カヤキュアQTX)をポリビニルアルコールに対する質量%で1.8%添加して架橋基変性率1mol%、固形分濃度8%の紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−1)を作製した。
【0106】
次にB−1の作製に用いたポリビニルアルコールを、重合度300、ケン化度98〜99%のポリビニルアルコールに変更した以外はB−1と同様にして紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−2)を作製した。
【0107】
更に、B−1の作製に用いたポリビニルアルコールを、重合度200、ケン化度98〜99%のポリビニルアルコールに変更した以外はB−1と同様にして紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−3)を作製した。
【0108】
「記録用紙−1の作製」
600mlの分散液−1を40℃で攪拌しながらB−1の156mlを徐々に添加し、更に全体の液が1000mlになるように純水を加えて、半透明状の塗工液を得た。
【0109】
次いで、厚さ170g/mの原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク受容層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、インク受容層面側には0.05g/mのゼラチン下引き層、インク受容層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマー含むバック層を0.2g/mとして有する)に、上記塗布液をバーコーターにより湿潤膜厚200μmで塗布した。塗布直後、0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却し、365nmに主波長を持つメタルハライドランプに300nm以下の波長をカットするフィルター(岩崎電気(株)製:365フィルター)を設け、照度100mW/cmでエネルギー量として40mJ/cmとなるように紫外線を照射し、その後、80℃の熱風型オーブンで乾燥させて記録用紙−1を作製した。
【0110】
「記録用紙−2の作製」
記録用紙−1の作製において、分散液−1の添加量を510mlに変更し、更に分散液−2を90ml添加した以外は同様にして記録用紙−2を作製した。
【0111】
「記録用紙−3〜7の作製」
分散液−1と分散液−2の添加量を表1に示すように種々変化させ、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体B−1の固形分質量に対する微粒子の質量比(P/B)を表1に示すように添加量を調整した以外は記録用紙−2と同様にして記録用紙−3〜7を作製した。
【0112】
【表1】
Figure 2005035005
【0113】
「記録用紙−8の作製」
記録用紙−1の作製において、分散液−1に変えて分散液−3を使用した以外は同様にして記録用紙−8を作製した。
【0114】
「記録用紙−9の作製」
記録用紙−1の作製において、分散液−1に変えて分散液−4を使用した以外は同様にして記録用紙−9を作製した。
【0115】
「記録用紙−10の作製」
記録用紙−1の作製において、使用した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−1)に変えて、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−2)を使用した以外は同様にして記録用紙−10を作製した。
【0116】
「記録用紙−11の作製」
記録用紙−1の作製において、使用した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−1)に変えて、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液(B−3)を使用した以外は同様にして記録用紙−11を作製した。
【0117】
得られた記録用紙1〜11について以下の評価を行った。
〈プリント画像の斑、バンディングの評価〉
各記録用紙をENCAD社製インクジェットプリンター・ノバジェットPRO(ENCAD社製顔料インク)を用い緑と青のベタ画像をプリントし目視により下記に示す基準で評価を行った。
◎:ベタ画像面に斑やバンディングが全く認められない
○:ベタ画像面を注視すると僅かに識別できる斑またはバンディングの発生が認められるが、実技上は全く問題にならない品質である
△:ベタ画像面に斑またはバンディングの発生は認められるが、実際のプリントでは殆ど問題にならない品質である
×:ベタ画像面に明らかな斑またはバンディングが認められ、実技上許容されない品質である。
【0118】
〈耐水性および耐光性の評価〉
各記録用紙を、一日中直射日光が当たり直接風雨に曝される場所に放置し、3週間後に記録面の膜面を目視で観察した。
【0119】
◎:膜面に異常な点はまったくみられない
○:光沢がわずかに低下しているが、問題はない
△:光沢がやや低下しており、膜面を注視すると小さなひび割れが僅かに見られる
×:光沢が大きく低下しており、膜面の所々にひび割れが見られる
××:全面にひび割れが発生しており、所々でインク受容層が剥落している。
【0120】
〈光沢度〉
日本電色工業株式会社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて75度光沢を測定した。なお、75度光沢の値が45%以上であれば、実際に鑑賞した場合概ね銀塩写真に近い良好な光沢感が得られる。
【0121】
以上により得られた各評価結果と前記ブリストウ試験により測定したVbおよびVb/Vaの結果を表2に示す。なお、各記録用紙の表面を電子顕微鏡写真で観察することにより前記方法で求めたシリカ粒子の平均粒子径を併せて表2に示す。
【0122】
【表2】
Figure 2005035005
【0123】
表2の結果に示すように、本発明の記録用紙はプリント画像に斑やバンディングが生じにくく、光沢の高い高画質な画像が得られ、屋外における光や水によりひび割れや膜はがれなどの故障が起きる問題に対する耐久性が高いことがわかる。
【0124】
【発明の効果】
本発明により、プリント画像に斑やバンディングが生じにくく、高い光沢を有する高画質で高品位な画像が得られ、記録用紙自体の屋外耐久性に優れたインクジェット記録用紙を提供することができた。

Claims (5)

  1. 支持体上に無機微粒子および親水性バインダーを有するインクジェット記録用紙において、該インクジェット記録用紙のブリストウ測定における接触時間0.02秒での水の転移量をVa、該インクジェット記録用紙を15秒間水に浸漬、乾燥した後、同様にして測定される水の転移量をVbとした時、Vb≧10mlであり、かつ、Vb/Va≧0.7であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 親水性バインダーが電離放射線により架橋した高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 親水性バインダーが主鎖に複数の側鎖を有し重合度が300〜5,000の親水性高分子化合物であり、該高分子化合物は電離放射線を照射することにより側鎖間で架橋結合を形成したものであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 無機微粒子の粒径が0.005μm以上、0.25μm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 支持体が非吸水性であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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