JP2008130703A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機分子を結合させた微粒子の間隔を高精度に制御でき、これにより空隙や突出部のない膜質の良好な微粒子層からなる半導体層を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】有機分子を結合させた微粒子sを配列してなる微粒子層3を備えた半導体装置の製造方法であり、第1工程では有機分子としてデンドリマー分子mを結合させることでデンドリマー分子mからなる保護膜で覆われた微粒子sを溶媒中に分散させ、この分散溶液を基板1上に塗布する。次の第2工程では、分散溶液中の溶媒を除去することによりデンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密状態で配列してなる微粒子層3を形成する。この微粒子層3は、これ自体を半導体層として用いても良いし、デンドリマー分子mを他の有機分子で置換して半導体層として用いても良い。
【選択図】図8

Description

本発明は、有機分子を結合させた微粒子を配列してなる半導体層を備えた半導体装置の製造方法に関する。
有機半導体を利用した薄膜トランジスタ型の半導体装置は、チャネル層となる半導体薄膜を低温で塗布成膜することが可能である。このため、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition;CVD)などの真空処理室を必要とする方法で成膜されるシリコン薄膜を半導体層として用いるSi系無機半導体トランジスタと比較して、低コスト化に有利であると共に、プラスチック等の耐熱性はないがフレキシブルな基板上への形成も可能である。
このような中、同様に塗布成膜を用いた製造が可能な半導体装置として、導体または半導体からなる微粒子と、この微粒子と結合した有機半導体分子とによってネットワーク型の導電路を形成し、この導電路の導電性を電界によって制御される半導体層として用いた半導体装置およびその製造方法が提案されている。このような半導体装置においては、有機半導体分子の両端の官能基が微粒子と結合し、これによって微粒子と有機半導体分子とが互いに連結されたネットワーク型の導電路が形成される。
このような導電路(半導体層)を形成するには、先ず微粒子を溶媒に分散させた分散液を調製する。この際、微粒子同士が凝集して沈殿するのを防止するために保護膜分子を微粒子に結合させることにより、微粒子を保護膜で被覆した状態にしておくことが重要である。この保護膜分子としては、鎖状の絶縁性有機分子が用いられる。そして、この分散液に基板を浸漬し取り出した後、溶媒を蒸発させることにより、基板上に微粒子1層分の微粒子層を形成する。
続いて、微粒子と結合する官能基を両端に備えた有機半導体分子(リンカー分子)を溶媒に溶解させ、この溶液に基板を浸漬し取り出した後、溶媒を蒸発させる。これにより、有機半導体分子が保護膜分子を置換して微粒子の表面に結合する。この際、有機半導体分子の両端の官能基が、それぞれ異なる微粒子に結合し、有機半導体分子によって微粒子がネットワーク状に連結された1層目の半導体層が形成される。
以上の後は、微粒子層の形成と、有機半導体分子による保護膜分子の置換とを繰り返し行うことにより、2層目以降の半導体層を形成する(以上、下記特許文献1参照)。
WO2004/006337号公報(第23頁〜24頁、第25頁19行〜25行) 特開2005−210207号公報
ところで、上述した構成の半導体層の形成においては、微粒子の保護膜分子と有機半導体分子(リンカー分子)との置換が必要となるが、その際に粒子間距離とリンカー分子の長さが大きく異なると半導体層の形状に悪影響を与えることがある。例えば、粒子間距離に対してリンカー分子が短いと、形成された半導体層中に空隙が生じ、所望の導電性が得られなくなる。逆に粒子間距離に対してリンカー分子が長いと、微粒子が半導体層から押し出されてしまい、また有機半導体分子によって微粒子をネットワーク状に連結することが困難になる。
このため、半導体分子で置換する前の微粒子同士の間隔を、少なくとも有機半導体分子の最大長以下とし、望ましくは有機半導体分子によって連結され易い長さ、例えば有機半導体分子の自然長程度の長さに調整しておく必要がある。
しかしながら、保護膜分子として鎖状の絶縁性有機分子を用いた場合、図11(1)に示すように、微粒子aに結合させた保護膜分子b同士が相互に入り込んで重なり合い、また図11(2)に示すように、微粒子aに結合させた保護膜分子bが様々な方向に倒れる。特に、鎖状の絶縁性分子が2nm以上になると、これら現象によって微粒子a−a間の間隔Lを正確に制御することが非常に困難となる。
そこで本発明は、有機分子を結合させた微粒子の間隔を高精度に制御でき、これにより空隙や突出部のない膜質の良好な微粒子層からなる半導体層を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、有機分子を結合させた微粒子を配列してなる微粒子層を備えた半導体装置の製造方法であり、第1工程では有機分子としてデンドリマー分子を結合させることで当該デンドリマー分子からなる保護膜で覆われた微粒子を溶媒中に分散させ、この分散溶液を基板上に塗布する。次の第2工程では、分散溶液中の溶媒を除去することによりデンドリマー分子を結合させた微粒子を最密状態で配列してなる微粒子層を形成する。この微粒子層は、これ自体を半導体層として用いても良いし、デンドリマー分子を他の有機分子で置換して半導体層として用いても良い。
このような製造方法では、微粒子に結合させる有機分子として規則的な多重分岐構造を有するデンドリマー分子を用いている。このため、このようなデンドリマー分子を結合させた微粒子を最密状態で配列させた場合、隣接する微粒子に結合しているデンドリマー分子同士が相互に入り込んで重なり合うことはない。また多重分岐構造を有するデンドリマー分子は、微粒子に対する結合部からの距離が離れるほどかさ高くなる。このため、微粒子に複数のデンドリマー分子が結合された状態では、これらのデンドリマー分子が微粒子に対して一方向または多数方向に倒れることはない。また、デンドリマー分子は、分子量分布のない単一分子量であり、分子量が高精度に制御された精密高分子である。このため、デンドリマー分子を結合させてなる保護膜の膜厚、すなわち微粒子間の間隔は、デンドリマー分子の世代によって高精度かつ容易に制御される。
以上説明したように本発明の半導体装置の製造方法によれば、有機分子を結合させた微粒子の間隔を高精度に制御することができ、これにより空隙や突出部のない膜質の良好な微粒子層からなる半導体層を得ることが可能になる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。本発明は、有機薄膜トランジスタのような有機材料を用いた半導体層を有する半導体装置の製造に適用される。以下の各実施形態においては、このような半導体装置の製造において、チャネル部を構成する半導体層の作製手順を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を説明する図である。
先ず図1に示すように、先ず、微粒子sに有機分子としてデンドリマー分子mを結合させることにより、複数のデンドリマー分子mからなる保護膜で外周が覆われた微粒子sを用意する。
これらの微粒子sとデンドリマー分子mとは、デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密に配列した微粒子膜が半導体層としての性状を示す組み合わせが選択されれば、それぞれが導電性材料、半導体材料、絶縁性材料の何れであっても良い。ここで言う半導体層とは、電界によって導電性のオン/オフが制御される層であることとし、ここで製造する半導体装置において半導体層に印加される電界によって適切な導電性を有していれば良い。
特に本第1実施形態では、デンドリマー分子mがそのまま半導体層の構成要素として残る。このため、上述した材料の中から、微粒子sを構成する材料に対して結合力がある程度強いデンドリマー分子mを選択して用いることが好ましい。以下、微粒子sとデンドリマー分子mとの具体例を示す。
微粒子sを構成する導電性材料としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、あるいはこれらの金属から構成された合金等が用いられる。
また、微粒子sを構成する半導体材料としては、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、窒化ガリウム(GaN)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In23)、インジウムリン(InP)、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、あるいはシリコン(Si)などの材料や、ITO(スズドープ酸化インジウム)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)などのドープ材料、あるいはこれらの半導体から構成されたコアシェル構造を有する粒子が用いられる。
さらに、微粒子sを構成する絶縁性材料としては、シリカ(SiO2)、酸化鉄(Fe23,Fe34等)、酸化コバルト(Co34)、酸化ニッケル(NiO)、酸化アルミニウム(Al23)、チタン酸バリウム(BaTiO3)等が用いられる。
デンドリマー分子mは、様々なものを用いることが可能であるが、上記の中から選択された材料で構成された微粒子sに対して結合可能な官能基を1つ以上有していることとする。
デンドリマー分子mは、図2(1)に示すσ系分子であってもよいし、図2(2)に示すようにπ共役系が含まれている分子であってもよい。また、分子内部にSiやP,GeBiなどのヘテロ元素を有していても良い。
そして、図1に示したように、デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを作製する第1の方法は、図3(1)に示すように、微粒子sをコアとし、その表面にデンドロンを結合させ、結合させたデンドロンに対して順次デンドロンを結合させてデンドリマー分子mを所定の長さになるまで成長させる方法が例示される。このような方法は、下記の参考文献1に記載されている方法が適用される。この場合、微粒子sの周囲に成長させる各デンドリマー分子mの形状が円錐形となることが好ましい。だだし、微粒子sに複数のデンドリマー分子mを結合させた複合体一つあたりに、一個だけの微粒子sを含むものとする。
参考文献1:R. Abu-Reziq et al., 「J. Am. Chem. Soc.」,2006年, 128, p 5279. (Fe3O4/SiO2)
またデンドリマーmを結合させた微粒子sを作製する第2の方法としては、図3(2)に示すように、デンドリマー分子mを所望の長さまで成長させてから微粒子sに結合させる方法が例示される。この場合であっても、微粒子sに結合させる各デンドリマー分子mの形状は円錐形であることが好ましい。だだし、微粒子sに複数のデンドリマー分子mを結合させた複合体一つあたりに、一個だけの微粒子sを含むものとする。このような方法は、下記の参考文献2〜5に記載されている方法が適用される。
参考文献2:M. Daniel et al.,「J. Am. Chem. Soc.」2003年, 125, p.2617. (Au)、
参考文献3:K. R. Gopidas et al.,「J. Am. Chem. Soc.」,2003年, 125, p.14180. (Au)、
参考文献4:K. R. Gopidas et al.,「Nano Lett.」,2003年, 3, p.1757. (Pd)、
参考文献5:J. Locklin et al., 「Chem. Mat.」,2004年, 16, p.5187. (CdSe))、
尚、各参考文献1〜5には、微粒子sが末尾のカッコ内の材料からなる場合の方法が示されている。
以上のような第1の方法および第2の方法では、微粒子sに結合される複数のデンドリマー分子mの長さが、デンドロンの結合数(世代数)により高精度に制御される。このため、デンドリマー分子mからなる保護膜の中心に微粒子sを配置することができ、本発明への適用に好ましい製造方法である。
またデンドリマーmを結合させた微粒子sを作製する第3の方法としては、図3(3)に示すように、デンドリマー分子mを予め形成しておき、その内部に微粒子sを取り込む方法が例示される。このような方法は、下記参考文献6に記載されている方法が適用される。この場合、予め形成されるデンドリマー分子mは、球型であることが好ましい。だだし、デンドリマー分子mに微粒子sを取り込んだ複合体一つあたりに、一個だけの微粒子sを含むものとする。
参考文献6:M. Zhao and R. M. Crooks, 「Adv. Mat.」, 1999年, 11, p.217.
また、デンドリマー分子mの合成には一般的に、下記参考文献7に示されているような、図4(1)の分岐型アプローチと図4(2)の収束型アプローチとの二つの手法がある。
参考文献7:S. M. Grayson and J. M. J. Frechet, 「Chem. Rev.」, 2001年, 101, p. 3819-3867
図4(1)に示す分岐型アプローチはデンドリマーのコアもしくは最も中心に来るデンドロンに対してデンドロンを順次反応させて外側に拡げていく手法である。このため、分岐型アプローチは、世代が大きくなるにつれて反応サイトが指数関数的に増えていく。したがって、デンドロンを大過剰に用いる必要があり、また反応が不完全なサイトの数や副反応の確率が高くなってしまう。尚、図3(1)で説明した第1の方法は、微粒子sに順次デンドロンを結合させていく方法であるため、この分岐型アプローチが用いられる。また、図3(2)で説明した第2の方法、または図3(3)で説明した第3の方法にも、この分岐型アプローチが用いられる。
一方、図4(2)に示す収束型アプローチは、最も外側のデンドロンを繋げていき、最後にコアと結合させる手法である。このため、反応サイトは常に一カ所であるため収率は高くなり、近年の研究では収束型アプローチを用いていることが多い。このような収束型アプローチは、図3(2)で説明した第2の方法、または図3(3)で説明した第3の方法に適用される。
ここで特に図3(1)で示す第1の方法を用いる場合において、デンドリマーの成長を制御性良く進行させるためには図5(1)に示すように、微粒子sに結合させたデンドロンm’の末端を保護基Rで保護しておき、次のデンドロンを反応させるときに保護基Rを脱離させる脱保護を行う方法が有効である。この他にも図5(2)に示すように、デンドロンmaにはデンドロンmb、デンドロンmbにはデンドロンmaしか結合できないように2種類のデンドロンma,mbを用い、微粒子sに対してこれらのデンドロンma,mbを交互に成長させていく方法も有効である。
図5(1)の保護基を用いる具体例としては、下記参考文献8に記載されているように、図6に示すような反応を例示することができる。ここでは、デンドリマー分子mとして4:[G2]-(Ac)9を合成する場合について述べる。
参考文献8:G. R. Newkome et al., 「J. Org. Chem」, 1991年, 56, p. 7167.
(A)1:[G0] (1 g, 5 mmol)と2:デンドロンm’(1.98 g, 5 mmol) 、トリエチルアミン (Et3N; 600 mg, 6 mmol) を脱水ベンゼン (25 mL) に溶解させ、25℃で 20 時間撹拌する。反応混合物を炭酸水素ナトリウム (NaHCO3) 水溶液 (10%)、水、冷塩酸 (10%)、食塩水の順に洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム (Na2SO4) で乾燥し、溶媒留去することで3:[G1]-(Ac)3を得る。
(B)無水エタノール (25 mL) にデンドリマー分子3:[G1]-(Ac)3(1.5 g, 3 mmol) と無水炭酸カリウム(K2CO3; 125 mg, 0.9 mmol) を溶解させ、25℃で 15 時間撹拌する。反応後、ろ過し、溶媒を留去する。ろ過した物質をアセトン:水(1:1)の混合溶媒(40 mL) に溶解させ、過ヨウ素酸ナトリウム (NaIO4; 4.5 g, 21 mmol)と酸化ルテニウム(IV) (RuO2; 65 mg, 486mmol) を加え、25℃で 5 時間、激しく撹拌する。ろ過した後、アセトン (50 mL) で洗浄し、溶媒留去する。その固体を水酸化ナトリウム (NaOH) 水溶液 (10%) に溶解させて濃塩酸で酸性にすることで白色固体を得る。上記白色固体 (400 mg, 1 mmol) および2:デンドロンm’ (1.16g, 3.5 mmol) 、dicyclohexylcarbodiimide (DCC; 620 mg, 3 mmol)、1-hydroxybenzotrizole (HOBt; 400 mg, 3 mmol) を脱水 DMF に溶解し、25℃で 24 時間撹拌する。反応後ろ過し、溶媒留去する。ジクロロメタン (50 mL) に溶解させ、塩酸 (10%)、水、炭酸水素ナトリウム (NaHCO3) 水溶液、食塩水の順に洗浄し、溶媒を留去することでデンドリマー分子4を得る。
その後は、(B)の操作を繰り返し行うことにより、デンドリマー分子mを成長させる。だたし、成長が進むほど、デンドロンの結合部分が増えるため、室温での攪拌時間を適宜延長させることとする。
また、図5(2)の2種類のデンドロンを用いる具体例としては、下記参考文献9に記載されているように、図7に示すような反応を例示することができる。
参考文献9:R. Abu-Reziq et al., 「J. Am. Chem. Soc.」, 2006年, 128, p.5279.参照
先ず、8 g のシランカップリング処理をした粒子 [G0] を 120 mL の脱水メタノールに分散させ、35分間超音波をかけて完全に分散させる。その溶液にアクリル酸メチル 10mL (111 mmol) を加え、その混合物を 50℃で 5 日間加熱する。室温に戻した後、粒子を取り出し、脱水メタノールで 3 回洗浄し、24 時間減圧乾燥することで [G0.5] を得る。乾燥した [G0.5] を再び 120ml のメタノールに分散させ、35 分間超音波をかける。次に 17.2 ml (257 mmol) のエチレンジアミンを室温で滴下し、その溶液を 50℃で 5 日間加熱する。粒子を取り出し、脱水メタノールで 3 回洗浄した後に減圧乾燥することで、[G1] のデンドリマー分子が得られる。その後は、以上の反応を繰り返し行うことにより、デンドリマー分子mを成長させる。ただし、成長が進むほど、デンドロンの結合部分が増えるため、室温での攪拌時間を適宜延長させることとする。
次に、以上のようなデンドリマー分子mからなる保護膜で覆った微粒子sを溶媒中に分散させて分散溶液を調整する。そして、この分散溶液を基板上に塗布する。分散溶液の基板上への塗布は、例えば浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スクリーン印刷法、ラングミュア・ブロジェット法、スタンプ法によって行われることする。
以上の後、基板上に塗布された分散溶液中の溶媒を除去する。これにより、図8に示すように、基板1上にデンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密状態で配列してなる微粒子層3を形成する。この際、微粒子sとデンドリマー分子mの結合状態を維持することが重要であり、分散溶液中の溶媒を単に除去すれば良いのである。
この時、溶媒の蒸発速度が速すぎると微粒子sの自己組織化の速度を溶媒の蒸発速度が上回ってしまうため、微粒子sがその場に取り残されてしまい、結果として微粒子sの分布にムラが出来てしまう。そこで、分散溶液に蒸気圧の低い有機物を混合する、溶媒の蒸気を満たした閉空間内で蒸発を行うなどの手法を取ることで溶媒の蒸発速度を制御する(遅くする)ことが可能となる。
また、分散溶液の塗布を、いわゆるラングミュア・ブロジェット法に類似した方法で行う場合、親水性溶媒(例えば水)上に疎水性表面を有する微粒子を単層で密に配列するように浮かべ、あるいは、これと逆に、疎水性溶媒上に親水性表面を有する微粒子を密に配列するように浮かべ、それを基板上に転写する。
また、微粒子層3の膜厚を所定膜厚にまで厚膜化するためには、上述した分散溶液の塗布工程と、分散溶液中の溶媒の除去工程とを繰り返し行うこととする。これにより、図9に示すように、微粒子層3を多層化する。
以上により、デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密状態で配列してなる微粒子層3が、半導体層として形成される。
尚、上記半導体層(微粒子層3)が形成される基板が、予めゲート電極、ゲート絶縁膜、およびソース・ドレイン電極が形成された構成であれば、上記半導体層の形成によりボトムゲートボトムコンタクト型の半導体装置が完成する。
以上説明した第1実施形態の製造方法では、半導体層となる微粒子層3の形成において、微粒子sに結合させる有機分子として規則的な多重分岐構造を有するデンドリマー分子mを用いている。このため、このようなデンドリマー分子mからなる保護膜で覆われた微粒子sを最密状態で配列させた場合、隣接する微粒子sに結合したデンドリマー分子m同士が相互に入り込んで重なり合うことはない。また多重分岐構造を有するデンドリマー分子mは、微粒子sに対する結合部からの距離が離れるほどかさ高くなる。このため、微粒子sに複数のデンドリマー分子mが結合された状態では、これらのデンドリマー分子mが微粒子sに対して一方向または多数方向に倒れることはない。そして、デンドリマー分子mは、分子量や分子量分布のない単一分子量の精密高分子である。このため、デンドリマー分子を結合させてなる保護膜の膜厚、すなわち微粒子s間の間隔Lはほぼデンドリマー分子mの分子長の2倍となるため、デンドリマー分子mの世代を調整することによって微粒子間距離Lを高精度に制御することが可能になる。
特に、微粒子s間の間隔Lが2nmを越える場合、その制御が困難であったが、L>2nmであっても制御性良好にこれを制御することが可能になる。
以上より、空隙や突出部のない膜質の良好な微粒子層3からなる半導体層を得ることが可能になり、半導体層のキャリア移動度が確保される。この結果、この半導体層を用いた半導体装置における特性の向上を図ることが可能になる。
<第2実施形態>
先ず、第1実施形態と同様にして図1に示すように、微粒子sに有機分子としてデンドリマー分子mを結合させることにより、微粒子sを複数のデンドリマー分子mからなる保護膜で覆う。
ただし、本第2実施形態では、後の工程においてデンドリマー分子mを他の有機分子(リンカー分子)と置換させる。このため、デンドリマー分子mの有する官能基は、リンカー分子の有する官能基よりも微粒子sに対する結合力が弱いものを用いることとする。また、デンドリマー分子mは弱い結合力で微粒子sと結合させなければならない点に加え、かさ高いデンドリマー分子mを微粒子sに固定しなければならない点から、一分子あたり二カ所以上で微粒子sと結合させることが好ましい。
尚、微粒子sとデンドリマー分子mとの組み合わせは、デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密に配列した微粒子膜が半導体層としての性状を示す必要はなく、上述した結合力の観点から選択すれば良い。
その後は、さらに第1実施形態と同様に、デンドリマー分子mからなる保護膜で覆った微粒子sを溶媒中に分散させてなる分散溶液を調整し、次いでこの分散溶液を基板上に塗布した後、分散溶液中の溶媒を除去する。これにより、図10(1)に示すように、基板1上にデンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密状態で配列してなる微粒子層3を形成するまでを行う。
次に、微粒子sとの結合力が強い官能基を1つ以上有する有機分子(リンカー分子)Mを溶解させた溶液に微粒子層3を晒す。これにより、図10(2)に示すように、デンドリマー分子(m)を有機分子(リンカー分子)Mで置換し、高精度に間隔が制御された状態で配列された微粒子sに有機分子(リンカー分子)Mを結合させた微粒子層5を形成する。
ここで用いる有機分子(リンカー分子)Mは、微粒子sとの結合力が強い官能基を1つ以上有する有機分子(リンカー分子)Mの中から、有機分子(リンカー分子)Mが有する官能基と微粒子sとの結合の容易さ、および微粒子aと有機分子(リンカー分子)Mとで構成される微粒子層5に必要とされる導電性とによって適切な組み合わせが選択される。
そして特に、官能基を2つ以上有する有機分子(リンカー分子)Mであって、これらの官能基を隣接する異なる微粒子sにそれぞれ結合させて有機分子(リンカー分子)Mと微粒子sとを交互に結合させたネットワークを形成する場合には、官能基の間の長さが微粒子sの間隔Lと同程度となる、すなわち分子長が官能基の間の長さの半分となるようなデンドリマーを有した微粒子を用いることが好ましい。また、ネットワークを形成する必要がない場合は微粒子sとの結合力が強い官能基を1つのみ有する有機分子(リンカー分子)Mを用いるが、この有機分子(リンカー分子)Mの長さが微粒子s間の間隔Lの1/2、すなわちデンドリマーの分子長と同程度になるようデンドリマーを選択することが好ましい。
また、この置換には、浸漬法、キャスト法などを用いることが出来る。この際、微粒子sから遊離したデンドリマー分子mを取り除くため、有機分子(リンカー分子)Mを溶解させた溶液としては、デンドリマー分子mも溶解可能な溶媒を選択することがプロセス上好ましい。尚、遊離したデンドリマー分子mは、後にリンス工程を行うことによって除去しても良い。
具体的には、デンドリマー分子mが結合された微粒子s(例えば金ナノ粒子)で形成された微粒子膜3を、有機分子(リンカー分子)Mであるビフェニルジチオールの1mMエタノール溶液に24時間浸漬し、エタノールで数回すすいだのち、乾燥させれば良い。
また、微粒子sに有機分子(リンカー分子)Mを結合させた微粒子層5を所定膜厚にまで厚膜化するためには、上述した分散溶液の塗布工程と、分散溶液中の溶媒の除去工程と、デンドリマー分子mと有機分子(リンカー分子)Mとの置換工程とを繰り返し行うこととする。これにより、微粒子層5を多層化する。
以上により、有機分子(リンカー分子)Mを結合させた微粒子sを配列してなる微粒子層5が、半導体層として形成される。
尚、上記半導体層(微粒子層5)が形成される基板が、予めゲート電極、ゲート絶縁膜、およびソース・ドレイン電極が形成された構成であれば、上記半導体層の形成によりボトムゲートボトムコンタクト型の半導体装置が完成する。
以上説明した第2実施形態の製造方法では、半導体層となる微粒子層5の形成において、先ず第1実施形態と同様に、デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを最密状態で配列させる工程を行うため、デンドリマー分子mの世代を調整することによって微粒子s間の間隔が高精度に制御される。この状態でデンドリマー分子mを他の有機分子(リンカー分子)Mと置換するため、高精度に制御された間隔Lで配列された微粒子に有機分子(リンカー分子)Mを結合させた微粒子層5を得ることが可能になる。
以上より、膜質の良好な微粒子層5からなる半導体層を得ることが可能になり、半導体層のキャリア移動度が確保される。この結果、この半導体層を用いた半導体装置における特性の向上を図ることが可能になる。
尚、上述した各実施形態においては、ボトムゲートボトムコンタクト型の半導体装置におけるチャネル部の半導体層の形成に本発明を適用した構成を説明した。しかしながら、本発明は、薄膜状の半導体層を備えた半導体装置であれば同様に適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
第1実施形態において作製するデンドリマー分子を結合させた微粒子の図である。 第1実施形態で用いられるデンドリマー分子の一例を示す構造図である。 デンドリマー分子mを結合させた微粒子sを作製する方法の3例を示す図である。 デンドリマー分子mの合成手法を示す図である。 精密にデンドリマー分子mの形状を制御するための合成方法を示す図である。 デンドリマー分子合成の第1の具体例を示す図である。 デンドリマー分子合成の第2の具体例を示す図である。 第1実施形態を説明するための工程図(その1)である。 第1実施形態を説明するための工程図(その2)である。 第2実施形態を説明するための工程図である。 従来の製造方法の課題を説明する図である。
符号の説明
1…基板、3,5…微粒子層、m…デンドリマー分子、M…有機分子(リンカー分子)、s…微粒子

Claims (8)

  1. 有機分子を結合させた微粒子を配列してなる微粒子層を備えた半導体装置の製造方法であって、
    有機分子としてデンドリマー分子を結合させることで当該デンドリマー分子からなる保護膜で覆われた微粒子を溶媒中に分散させ、この分散溶液を基板上に塗布する第1工程と、
    前記基板上に塗布された前記分散溶液中の溶媒を除去することにより前記保護膜で覆われた微粒子を最密状態で配列してなる微粒子層を形成する第2工程とを行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記微粒子層は半導体層として用いられる
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1工程と前記第2工程とを繰り返し行うことにより、前記微粒子層を多層化する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2工程の後、
    前記微粒子と結合可能な官能基を有する有機分子を溶解させた溶液に前記微粒子層を晒すことにより前記デンドリマー分子を当該有機分子で置換する第3工程を行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
    前記微粒子層は半導体層として用いられる
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1工程〜前記第3工程までを繰り返し行うことにより、前記微粒子層を多層化する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第3工程では、前記有機分子を2つの微粒子に対して結合させることにより、当該有機分子と微粒子とを交互に結合させたネットワークを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1工程の前に、
    前記微粒子に対してデンドリマコアを結合させ、当該デンドリマコアに必要とする世代数のデンドロンを順次結合させてデンドリマー分子を成長させることにより、当該デンドリマー分子を結合させた微粒子を合成する工程を行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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