JP2008130691A - 結晶化装置及び結晶化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶化装置及び結晶化方法において、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射する。連続照射に対するON/OFFマスキング処理により、アライメントマーク等のパターンを避けてレーザー光を照射し、不等ピッチ照射により基板の熱膨張に応じて照射距離間隔を変更する。
【解決手段】レーザー光の照明光学系と、レーザー光を変調する光変調素子と、光変調素子の変調光を基板上に結像させる結像光学系と、基板を支持し基板上の二次元位置を定める位置決めステージとを備え、基板の薄膜を変調光により溶融して結晶化させる結晶化装置において、モーションコントローラ内部のマイコンのレジスタに、次ショットの相対位置を予め保存しておき、ステージ位置読取り機構からの位置信号のカウンタ値と比較し、同一の値のときにレーザーに対しトリガ出力する制御を行い、高速送りされる基板上で任意に設定した位置にレーザーを照射する駆動制御部を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、非晶質もしくは多結晶半導体薄膜に光線を用いて溶融し結晶化させる結晶化装置及び結晶化方法に関し、特に、レーザー光の照射位置の制御に関する。
ガラス基板等の絶縁体上に形成された非結晶半導体層を結晶化させて結晶質半導体層を得、この結晶質半導体層を活性層とした薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)を形成する技術が知られている。
例えば、アクティブマトリックス型液晶表示装置では、シリコン膜等の半導体膜を設けガラス基板上に薄膜トランジスタを形成し、この薄膜トランジスタを切換え表示を行うためのスイッチング素子として用いている。
薄膜トランジスタの形成は、非晶質又は多結晶などの非単結晶半導体薄膜の結晶化工程を含んでいる。この結晶化技術として、例えば、大エネルギーの短パルス・レーザー光を用いて非単結晶半導体薄膜の照射領域を溶融して、結晶化するレーザー結晶化技術が知られている。
現在、生産に供されているレーザー結晶化装置では、長尺ビーム(例えば、500μm×300mm)形状で均一な強度分布のレーザー光を非晶質シリコンに照射する手法を採用している。しかしながら、この手法では、得られた半導体膜の結晶粒径が0.5μm以下と小さく、そのため、TFTのチャネル領域に結晶粒界が存在することになり、TFTの特性が抑制されるなど性能に限界がある。
このTFTの性能を向上させるために、大きな結晶粒を有する高品質な半導体膜を製造する技術が要求されている。この要求を満足させる結晶化法として、各種のレーザー結晶化技術の中で、特に、位相変調して形成した逆ピークパターン状の光強度分布を有するエキシマ・レーザー光を非単結晶半導体薄膜に照射して結晶化する技術(Phase Modulated Excimer Laser Annealing:PMELA)が注目されている。
PMELA技術は、所定の光強度分布を持つエキシマ・レーザー光を、非単結晶半導体薄膜に照射し、この半導体膜の照射部を溶融して、結晶化する方法である。所定の光強度分布を持つエキシマ・レーザー光は、位相変調素子等の光変調素子、例えば位相シフタ等の位相変調素子により入射レーザー光を位相変調させることにより得られる。非単結晶半導体薄膜は、例えば、ガラス基板上に形成した非晶質シリコン若しくは多結晶シリコンの薄膜である。
現在開発されているPMELA技術では、1回のエキシマ・レーザー光の照射で数mm角程度の大きさの領域を溶融・結晶化させる。この結晶化非単結晶半導体薄膜処理により、数μmから10μm程度の大きさで比較的一様な結晶粒を有する品質の優れた結晶化シリコン薄膜が形成されている(例えば、非特許文献1参照)。この手法で形成した結晶化シリコン薄膜に作成されたTFTは、優れた電気特性を有することが示されている。
井上弘毅、中田充、松村正清;電子情報通信学会論文誌 Vol.J85-C,No.8, pp.624-629, 2002、「シリコン薄膜の振幅・位相制御エキシマ・レーザー溶融再結晶化方法−新しい2−D位置制御大結晶粒形成法−」
このPMELA結晶化技術は、レーザー光の使用効率が高く、大粒径の結晶が得られるという優れた特徴を有する。しかしながら、安定した電気特性を得るためには結晶粒を高い精度で位置決めする必要がある。また、大面積の半導体膜を結晶化させるには、いわゆるステップ・アンド・リピート照射方式と呼ばれる、非単結晶半導体膜にレーザー光を照射後、次の照射位置までガラス基板を移動させ停止させた後再びレーザー光を照射する工程を繰り返す照射方式や、基板を高速で連続送りしながらレーザー光を照射する照射方式が知られている。
上記したように安定した電気特性を得るためには結晶粒を高い精度で位置決めすることが求められるが、基板を高速送りしながらレーザー光を連続照射するには、駆動制御装置は所定の等時間間隔でトリガー信号を出力し、このトリガー信号に基づいてレーザー光を照射している。ここで、駆動制御装置は、基板を高速で駆動するとともに、トリガー信号を発してレーザー光源を高速で駆動させてレーザー光を照射させるものである。
従来知られる駆動制御装置は、トリガー信号を等時間間隔で出力しているため、基板上で照射されるレーザー光の照射位置は等距離間隔となり、任意の座標位置にレーザー照射することができない。これは、高速送りされる基板上で任意に設定された位置にレーザー光を照射するには、レーザー光を照射するトリガー信号の出力間隔を任意に設定する必要があるが、このような要求を満たす、不等ピッチ出力を可能とする高速駆動制御装置は知られていないためである。
従来の結晶化装置では、上記したように、レーザー光を任意の座標位置に照射することができないために、以下のような解決すべき課題を含んでいる。
例えば、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することができないため、基板上にレーザー光の照射を避ける必要がある位置がある場合に、この位置を避けてレーザー光を照射するマスキング処理を行うことができない。このようなマスキング処理を、連続照射に対するON/OFFマスキング処理と呼ぶ。
連続照射に対するON/OFFマスキング処理が必要な例として、基板上には位置合わせを行うためにアライメントマーク等のパターンがパターニングによって形成される場合がある。このようなアライメントマーク等のパターンが形成された部分は、基板の上層を覆うSiOの膜が一定の深さで除去され下層膜が露出あるいは上層部に段差が生じている。この部分にレーザー光が照射されると、下層膜の一部がレーザー光による溶発(アブレーション)によって放出され、基板の汚染要因となるおそれがある。
また、連続送り時に、任意の時間パターンで基板上にレーザー光を照射することができないため、レーザー光の照射位置の間隔を変更することができない。このようなレーザー光照射を不等ピッチ照射と呼ぶ。
不等ピッチ照射が必要な例として、基板がレーザー光照射等によって熱膨張した場合に、この熱膨張に伴って変位した照射位置に合わせてレーザー光を照射するには、基板の熱膨張に応じて照射位置間隔を変更する必要がある。
上記した連続照射に対するON/OFFマスキング処理、及びレーザー光照射の不等ピッチ照射の課題は、レーザー光の連続照射方式に限らず、ステップ・アンド・リピート照射方式にも当てはまるものである。これは、ステップ・アンド・リピート照射方式であっても、ステップ間隔が短くなれば、相対的に連続照射と見なせるようになるからである。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、結晶化装置及び結晶化方法において、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することを目的とする。
また、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することによって、連続照射に対するON/OFFマスキング処理を行い、アライメントマーク等のパターンを避けてレーザー光を照射することを目的とする。
また、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することによって、レーザー光照射の不等ピッチ照射を行い、基板の熱膨張に応じて照射距離間隔を変更することを目的とする。
本発明の結晶化装置及び結晶化方法は、各レーザー光を照射する位置を、各レーザー光の照射位置を絶対位置で制御することに代えて、前回の照射位置と次回の照射位置との間の相対距離で制御することによって、高速で連続照射あるいはステップ・アンド・リピート照射されるレーザー照射においてレーザー光の照射位置を任意に定めることを可能とし、これによって任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することを可能とする。
本発明の結晶化装置は、レーザー光を照射する照明光学系と、レーザー光を所定の光強度分布の光線に変調する光変調素子と、光変調素子の変調光を基板上に結像させる結像光学系と、基板を支持すると共に基板上の二次元位置を定める位置決めステージとを備え、基板に設けられた薄膜を変調光により溶融して結晶化させる結晶化装置において、基板上でレーザー光を照射する位置を予め定めた設定照射位置と基板の現位置とを比較することによって、高速送りされる基板上で任意に設定した位置にレーザー照射を行う駆動制御部と備える。
従来のように、レーザー光照射の制御を各照射位置の絶対位置に基づいて行う場合には、取り扱うデータ量の多さや、データ処理速度の高速化が難しいため、レーザー光の照射間隔が短い高速送りの場合には、レーザー光を任意の位置に照射する制御ができない。
これに対して、本発明による結晶化装置が備える駆動制御部は、レーザー光を照射する位置を予め定めた設定照射位置と基板の現位置とを比較することで、前回の照射位置と次回の照射位置との間の相対距離で制御する。前回の照射位置と次回の照射位置との間の相対距離に基づく駆動制御は、取り扱うデータ量が少なく、また、データ処理速度を高速とすることができるため、レーザー光の照射間隔が短い高速送りの場合であっても、レーザー光を任意の位置に照射する制御が可能となる。
駆動制御部(モーションコントローラ)は、レーザー光源や位置決めステージの駆動を制御する部分であり、次に照射するレーザー光の照射位置を、最近の照射位置との相対位置によって定めるとともに、レーザー光を照射してからの移動距離を積算し、この相対位置と移動距離との比較によって、次に照射するレーザー光の照射時期を制御する。
駆動制御部は、基板上においてレーザー照射を行う設定照射位置を記憶する記憶手段と、位置決めステージにより高速送りされる基板の現位置を検出する位置検出手段と、記憶された設定照射位置と検出された現位置とを比較する比較手段とを備える構成とし、この比較手段の比較結果に基づいてレーザー光を照射する。
駆動制御部の一構成では、記憶手段から読み出した設定照射位置に基づいて、最近の照射位置と次にレーザー光照射する基板位置との相対位置の情報を格納するレジスタとを備える。。比較手段は、最近のレーザー光照射から現位置までの距離に相当するカウンタ値を位置検出手段から入力し、このカウンタ値とレジスタの格納値を比較し、この比較においてカウンタ値が格納値に一致したときトリガー信号を出力する。照明光学系はトリガー信号に基づいてレーザー光を照射する。また、記憶手段は、トリガー信号に基づいて、レジスタに次の照射位置までの距離に相当する値に書き換え、次のレーザー光照射に備える。
レジスタの書き換えに要する時間は、レーザー光照射間に時間間隔と比較して十分に短時間とすることができる。そのため、レーザー光を照射する毎にレジスタを書き換えることで高速で行われるレーザー光照射に対応することができ、また、レジスタに書き込むデータを変えることによって、レーザー光を任意の位置に照射することができる。
本発明の結晶化装置が備える位置検出手段は、位置決めステージの位置を検出し、このステージ位置から基板の移動を検出する他に、基板の位置を検出することで基板の移動を検出することができる。
本発明の結晶化方法は、照明光学系から照射されるレーザー光を、光変調素子によって所定の光強度分布の光線に変調し、結像光学系によって前記変調光を基板上に結像させ、基板に設けられた薄膜を変調光により溶融して結晶化させる結晶化方法において、位置決めステージによって基板を支持するとともに基板上の二次元位置を定め、記憶手段に基板上でレーザー照射を行う設定照射位置を記憶し、位置検出手段によって前記位置決めステージで高速送りされる基板の現位置を検出し、記憶手段に記憶された設定照射位置と検出された現位置とを比較手段で比較し、比較手段の比較結果に基づいてレーザー光を照射する。
本発明によれば、結晶化装置及び結晶化方法において、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することができる。
また、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することによって、連続照射に対するON/OFFマスキング処理を行い、アライメントマーク等のパターンを避けてレーザー光を照射することができる。
また、任意のパターンで基板上にレーザー光を照射することによって、レーザー光照射の不等ピッチ照射を行い、基板の熱膨張に応じて照射距離間隔を変更することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の結晶化装置1の装置構成を説明するための概略図である。図1において、本発明の結晶化装置1は、エキシマ・レーザー光を出射するレーザー光源14と、レーザー光を照射する照明光学系10と、照明光学系10で照射されたレーザー光を所定の光強度分布の光線に変調する光変調素子11と、光変調素子11の変調光を基板20(被処理基板)上に結像させる結像光学系12と、基板20を支持すると共に基板上の二次元位置を定める位置決めステージ13を備える。結像光学系12を介して基板20に照射された変調光は、基板に設けられた薄膜を溶融して結晶化させる。
照明光学系10、光変調素子11、及び結像光学系12は結晶化光学系を構成する。照明光学系10はエキシマ照明光学系を構成し、レーザー光源14から射出されたエキシマ・レーザー光のビームを拡大するビーム・エキスパンダや、面内の光強度を均一化するホモジナイザを備え、光変調素子11を照明する結晶化用レーザー光を射出、調整する。なお、図では、ビーム・エキスパンダ及びホモジナイザは示していない。
光変調素子11は位相シフタを用いることができ、結晶化用レーザー光を位相変調して所望の光強度分布、例えば、逆ピーク・パターンの光強度分布を有する光に変調する。
結像光学系12は、光変調素子11により位相変調された結晶化用レーザー光を結晶化させる非単結晶半導体薄膜に縮小照射する。図1では、光変調素子11を照明光学系10と結像光学系12との間に設置したプロジェクション方式を示している。
レーザー光源14は、基板20に設けられた非単結晶半導体膜、例えば、非晶質若しくは多結晶半導体膜を溶融するために充分なエネルギー、例えば、非単結晶半導体膜上で1J/cmを有する光を出力する。レーザー光源14は、例えば、エキシマ・レーザー光源であり、短パルス、例えば、半値幅が約25から30nsecのパルス・レーザー光を出力する。レーザー光は、例えば、波長248nmのKrFエキシマ・レーザー光、波長308nmのXeClエキシマ・レーザー光が好ましい。
エキシマ・レーザー光源は、例えば、発振周波数が例えば100Hzから300Hzのパルス発振型である。
ビーム・エキスパンダは、入射されたレーザー光を拡大するもので、例えば、拡大する凹レンズと平行光にする凸レンズとにより構成することができる。また、ホモジナイザは、入射したレーザー光のXY断面方向の寸法を決定し、かつ決定した形状内の光強度分布を均一にする機能を有する。例えば、X方向シリンドリカル・レンズをY方向に複数個並べ、Y方向に並んだ複数の光束を形成し、X方向コンデンサ・レンズで各光束をY方向に重ね合わせて再分布させる。同様に、Y方向シリンドリカル・レンズをX方向に複数並べ、X方向に並んだ複数の光束を形成し、Y方向コンデンサ・レンズで各光束をX方向に重ね合わせて再分布させる。ホモジナイザによりエキシマ・レーザー光は、所定の角度広がりをもち断面内の光強度が均一化された照明光に調光される。
位相シフタは、位相変調素子11の一例であり、例えば、石英ガラス基板に段差をつけたものである。この段差の境界でレーザー光の回折と干渉をおこさせ、レーザー光強度に周期的な空間分布を付与し、例えば、左右で180°の位相差を付ける。左右で180°の位相差を付けた位相シフタは、入射光を左右対称な逆ピーク状光強度分布に位相変調する。
位相シフタは、例えば、入射光を位相変調して逆ピーク状光強度分布を形成するように段差が形成されており、エキシマ・レーザー光の位相を変調する。この結果、半導体膜を照射するレーザー光は、位相のシフト部(段差)に対応した箇所が強度変調された逆ピーク・パターンの光強度分布となる。
光変調素子11の位相シフタを透過したレーザー光は、収差補正されたエキシマ結像光学系12により位相シフタ(光変調素子11)と共役な位置に設置された基板20上に、所定の光強度分布で結像する。エキシマ結像光学系12は、例えば、複数枚のフッ化カルシウム(CaF)レンズ及ぴ合成石英レンズからなるレンズ群により構成される。エキシマ結像光学系12は、例えば、縮小率:1/5、N.A.:0.13、解像力:2μm、焦点深度:±10μm、焦点距離:30mmから70mmの作動距離を有する片側テレセントリックレンズである。
また、結晶化の処理を受ける基板20は、一般に、例えば、ガラス基板、プラスチック基板等の絶縁基板、シリコン等の半導体基板(ウェーハ)等の保持基板に絶縁膜を介して非単結晶半導体膜(例えば、非晶質シリコン膜、多結晶シリコン膜、スパッタされたシリコン膜、シリコン・ゲルマニウム膜、若しくは脱水素処理をした非晶質シリコン膜)を形成し、この非単結晶半導体膜上にキャップ膜として絶縁膜を設けたものである。
非単結晶半導体膜の膜厚は、例えば脱水素処理をした非晶質シリコン膜の場合には30nmから300nmであり、例えば、50nmである。絶縁膜は、非単結晶半導体膜を結晶化する際に、保持基板から好ましくない不純物が非単結晶半導体膜に拡散することを防止するために、あるいは、レーザー照射によって生じるジュール熱を蓄積させる目的で設けられた膜である。
キャップ絶縁膜は、レーザー光に対するキャップ絶縁膜の透過特性及び光吸収特性を利用して、結晶化のために非単結晶半導体膜が受光して溶融したときの熱を蓄える機能を有する。キャップ絶縁膜の蓄熱効果は、非単結晶半導体膜の溶融領域に大粒径(5μm以上)の結晶化を可能にする。キャップ絶縁膜は、結晶化の効率を高めるためのものであるが、省賂することができる。
本発明の結晶化装置1は位置決めステージ13を備える。位置決めステージ13は、基板20を載置してXY方向の2次元で移動自在とするXYステージ(13a,13b)の他、XYステージ上の二次元位置を測定する位置測定部(図示していない)を備える。XYステージは、X軸方向に移動するX軸ステージ13aと、Y軸方向に移動するY軸ステージ13bと、このX軸ステージ13a及びY軸ステージ13bを支持する定盤(図2中の15)を備える。XYステージ(13a,13b)上には基板20が載置され、XYステージ(13a,13b)を二次元で移動させることによって、基板20の位置決めを行う。なお、図1では、X軸ステージ13a上に基板20を載置する構成を示しているが、Y軸ステージ13b上に基板を載置する構成としてもよい。
本発明の結晶化装置1によって基板20を結晶化する場合には、駆動制御部16によって位置決めステージ13を駆動して基板20を移動させるとともに、レーザー光源14からレーザー光を基板20上に照射することによって結晶化を行う。
図2は、本発明の結晶化装置1が備える、レーザー照射を行うための構成を説明するための図である。レーザー照射による結晶化は、主に、レーザー光源14から基板の所定位置に向けて行うレーザー光照射と、位置決めステージ13を駆動することによって基板を移動させて行う基板上におけるレーザー光の照射位置の位置決めとによって行われる。
図2は、レーザー光の照射動作を行うレーザー光源14と、基板の位置決め動作を行う位置決めステージ13とを制御する構成を説明するための概略ブロック図である。
図2において、駆動制御部(モーションコントローラ)16は、上位の制御装置である上位PC2から、例えば、一列をスキャンする毎に、その一列においてレーザー光を照射する照射位置座標群を取得し、この取得した照射位置座標に基づいて、基板を支持する位置決めステージ13を駆動して、レーザー光を照射する位置に基板を移動させるとともに、レーザー光源14を駆動して、この移動によって定められた照射位置にレーザー光を照射する。駆動制御部(モーションコントローラ)16の位置決め制御は、位置検出器15で検出した基板位置に基づいて行う。
一列上をスキャンして行うレーザー照射において、この列上には複数のレーザー照射位置が設定され、駆動制御部16は、これらレーザー照射位置のある照射位置でレーザー照射を行った後、隣接する照射位置間の相対位置を定め、基板の移動がこの相対位置となったときに、次回のレーザー照射を行うという処理を、各照射位置で順次行うことで、基板を高速移動させながら任意の位置にレーザー光を照射する。
なお、位置検出部15は、例えば、位置決めステージ13のステージ位置を読み取る機構、あるいは、位置決めステージ13上に載置された基板20の位置を検出する検出機構とすることができる。ステージ位置を読み取る機構として、例えば、リニアスケール、レーザー干渉測長装置を用いることができ、基板位置を検出する検出機構として、例えば、ラインセンサを用いることができる。
図3は、駆動制御部16の一構成例を説明するための概略ブロック図である。図3において、駆動制御部16は、上記PCから送られる一列分の照射座標位置を記憶するメモリ16d、現レーザー照射位置と次のレーザー照射位置との間の相対位置を、このメモリ16dに記憶される照射座標位置に基づいてレーザー照射毎に順次書き換えて格納するレジスタ16cと、レジスタ16cに格納された相対位置と位置検出部15で検出した基板の検出位置を計数したカウンタ値とを比較して、カウンタ値が格納される相対位置と一致した比較結果を出力する比較回路16bと、比較回路16bの比較結果に基づいてトリガ信号を出力する出力回路16eと、比較回路16bによる比較処理を所定周期(例えば、100nsec)で行うためのクロック信号を出力するクロック回路16aを備える。
図3に示す構成の駆動制御部16の動作例を、図4のフローチャート及び図5の信号図を用いて説明する。
カウンタ値は、所定周期(例えば、100nsec周期)で位置検出部で検出された信号値を示す。図5(a)のカウンタ値は、この位置検出部で検出された絶対位置を蓄積した状態を示している(S1)。
比較回路16bは、レジスタ16cに格納されるレジスタ値と位置検出部から入力したカウンタ値とを比較する。ここで、レジスタ値は、スキャンされる列上で隣り合うレーザー照射位置の間の相対距離であり、カウンタ値は、レーザー照射を行ってから基板が移動した距離を表している。このレジスタ値の値を変更することによって、隣接するレーザー照射位置の距離間隔を任意に設定することができる。
したがって、この比較回路16bでレジスタ値とカウンタ値とを比較することによって、レーザー照射を行った後、カウンタ値がレジスタ値に達したか否かによって、基板が次のレーザー照射位置に到達したか否かを判定することができる。
この比較回路16bによる比較処理は所定周期(例えば、100nsec周期)で行うことができる(図5(b))。この比較処理に要する時間は、レジスタ値とカウンタ値の数ビット分の比較で済むため、高速で行うことができる。なお、この基板位置が所定位置に達したか否かを、レーザー照射位置を表す絶対値表示のデータによって比較する場合には、単なるビット単位の比較で行うことができず、所定のアルゴリズムに従ってCPUによるプログラム処理が必要となるため、本発明のように高速で処理することはできない(S2)。
比較回路16bは、カウンタ値がレジスタ値に一致すると(S3)、出力回路16eからトリガ信号を出力させる(図5(c))(S4)とともに、メモリ16dに格納される次の照射座標位置に基づいてレジスタ16cのレジスタ値を書き換えさせる(図5(d)、(e))(S5)。
この書き換えるレジスタ値は、次のレーザー照射位置までの相対位置に相当するものである。この書き換え処理においてデータの更新に要する時間幅は長くとも100μsecで済む。このデータ更新の時間幅(例えば、100μsec)は、隣接するレーザー照射間を基板が移動する間に要する時間幅よりも十分に短いため、レーザー照射をしてから次のレーザー照射を行う間に書き換えを行うことができる。
ステージの送り速度を、例えば500mm/secとした場合の数値例について示すと、上記した比較処理に要する時間(例えば、100nsec)の間に基板が進む距離は、50nm(=500mm/sec×100nsec)であり、レジスタを書き換える間(例えば、100μsec)に基板が進む距離は、50μm(=500mm/sec×100μsec)である。これに対して、レーザー照射間の距離は最小でも2mm程度であるため、隣接する二回のレーザー照射の間に、上記した比較処理及びレジスタの書き換え処理は十分に行うことが可能である。
したがって、駆動制御部16内のレジスタ16cを次のレーザー照射までの間に書き換えることによって、任意の照射位置でレーザー光源にトリガ信号を送ってレーザー照射を行うことができる。
本発明の態様によれば、上位PCによる制御ではなく、駆動制御部が備えるレジスタによる処理によって制御を行うため、例えば、100μsec以下の短時間でレジスタ値の書き換えを行うことができる。これによって、例えば、500mm/secでスキャン中に基板に対して数mmピッチで次のレーザー照射位置の指令を都度書き換えることができる。
本発明の態様によれば、レジスタ値の書き換えによって、高速で移動する基板において任意の位置にレーザー照射することができるため、レーザー照射によってアブレーションしやすい、例えば、アライメントマーク等のパターン部分を避けて照射することができる。
図6は、アライメントマーク40とレーザー光の照射位置(ショット位置)30とが一致する場合に、本発明の結晶化装置及び結晶化方法によって、そのレーザー照射位置ではレーザーの照射を避ける例を示している。アライメントマーク40が形成された基板上に、レーザー光が所定距離間隔で照射される。このとき、レーザー光の照射位置(ショット位置)30とアライメントマーク40とが一致する場合がある。図6中のA、Bはこの一致した状態を示し、この部位にレーザー光を照射するとアブレーションが発生して、放出された粒子は基板を汚染する要因となる。
そこで、本発明の結晶化装置及び方法では、アライメントマーク40と一致するレーザー光の照射位置(ショット位置)を非照射位置(非ショット位置)31として、レーザー光の照射を行わないことによって、レーザー光の照射によるアブレーション発生を避けることができる。
このアライメントマーク40へのレーザー照射の回避は、非照射位置(非ショット位置)31に対応する位置についてはレジスタ値の設定を行わず、この位置を飛ばして次の照射位置(ショット位置)30に対応する位置のレジスタ値を設定することで行うことができる。
本発明の態様によれば、レーザー照射のピッチを変更して、不等ピッチトリガを出力することが可能となるため、基板の熱膨張に対応して除々にピッチを広げる等の制御を行うことで、基板面内の位置精度を確保することができるため、後工程で結晶粒の上にトランジスタを形成することにより、ばらつきが少ない高性能な回路あるいは液晶表示デバイスの形成を期待することができる。
本発明の結晶化装置の装置構成を説明するための概略図である。 本発明の結晶化装置が備えるレーザー照射を行うための構成を説明するための図である。 本発明の駆動制御部の一構成例を説明するための概略ブロック図である。 本発明の駆動制御部の動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明の駆動制御部の動作例を説明するための信号図である。 アライメントマークとレーザー光の照射位置との関係を示す図である。
符号の説明
1…結晶化装置、2…上位PC、10…照明光学系、11…光変調素子、12…結像光学系、13…位置決めステージ、13a…X軸ステージ、13b…Y軸ステージ、14…レーザー光源、15…位置検出部、16…駆動制御部、16a…クロック、16b…比較回路、16c…レジスタ、16d…メモリ、16e…出力回路、20…基板、30…照射位置、31…非照射位置、40…アライメントマーク。

Claims (5)

  1. レーザー光を照射する照明光学系と、
    前記レーザー光を所定の光強度分布の光線に変調する光変調素子と、
    前記光変調素子の変調光を基板上に結像させる結像光学系と、
    基板を支持すると共に基板上の二次元位置を定める位置決めステージとを備え、
    基板に設けられた薄膜を変調光により溶融して結晶化させる結晶化装置において、
    基板上でレーザー光を照射する位置を予め定めた設定照射位置と基板の現位置とを比較することによって、高速送りされる基板上で任意に設定した位置にレーザー照射を行う駆動制御部とを備えることを特徴とする、結晶化装置。
  2. 前記駆動制御部は、
    基板上においてレーザー照射を行う設定照射位置を記憶する記憶手段と、
    前記位置決めステージにより高速送りされる基板の現位置を検出する位置検出手段と、
    前記記憶された設定照射位置と検出された現位置とを比較する比較手段とを備え、
    前記比較手段の比較結果に基づいてレーザー光を照射することを特徴とする、請求項1に記載の結晶化装置。
  3. 前記駆動制御部は、
    前記記憶手段から読み出した前記設定照射位置に基づいて、最近の照射位置と次にレーザー光照射する基板位置との相対位置の情報を格納するレジスタとを備え、
    前記比較手段は、前記位置検出手段から入力した、最近のレーザー光照射から現位置までの距離に相当するカウンタ値と前記レジスタの格納値とを比較し、当該比較においてカウンタ値が格納値に一致したときにトリガー信号を出力し、
    前記照明光学系は前記トリガー信号に基づいてレーザー光を照射し、
    前記記憶手段は、前記トリガー信号に基づいて、レジスタに次の照射位置までの距離に相当する値に書き換えることを特徴とする、請求項2に記載の結晶化装置。
  4. 前記位置検出手段は、位置決めステージの位置、又は基板の位置を検出することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の結晶化装置。
  5. 照明光学系から照射されるレーザー光を、光変調素子によって所定の光強度分布の光線に変調し、結像光学系によって前記変調光を基板上に結像させ、基板に設けられた薄膜を変調光により溶融して結晶化させる結晶化方法において、
    位置決めステージによって基板を支持するとともに基板上の二次元位置を定め、
    記憶手段に基板上でレーザー照射を行う設定照射位置を記憶し、
    位置検出手段によって前記位置決めステージで高速送りされる基板の現位置を検出し、
    前記記憶手段に記憶された設定照射位置と検出された現位置とを比較手段で比較し、
    前記比較手段の比較結果に基づいてレーザー光を照射することを特徴とする、結晶化方法。
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