JP2008128493A - 冷凍回路及び該冷凍回路を用いた車両用空調装置 - Google Patents

冷凍回路及び該冷凍回路を用いた車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】C-I結合を含む冷媒を用いても、C-I結合の分解を防止して安定に動作する冷凍回路及び当該冷凍回路を用いた車両用空調装置を提供する。
【解決手段】冷凍回路12は、C-I結合を含む冷媒が循環する循環路14に順次介挿された圧縮機22、凝縮器24、膨張器26及び蒸発器28と、前記冷媒の温度を前記C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保つ冷媒保護手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍回路及び該冷凍回路を用いた車両用空調装置に係わり、より詳しくは、C-I結合を含む冷媒を使用した冷凍回路及び該冷凍回路を用いた車両用空調装置に関する。
従来、空調装置の冷凍回路に用いられてきた冷媒は熱的に十分安定であり、冷媒の分解を防止するような手段を冷凍回路に設ける必要は特になかった。
しかし近年、地球環境保全のために、熱的に安定性の低い冷媒の使用も検討され始めている(例えば特許文献1)。特許文献1は、CF3I(R13I1)と他の冷媒とを混合することを開示しているが、CF3Iは構造的に熱に弱い。具体的には、CF3IにおけるC-I結合の結合エネルギは、25℃において213kJ/molであり、C-F結合の485kJ/molや比較的低いとされるC-Cl結合の339kJ/molよりも更に低く、CF3Iは熱等によって分解し易い。
特表平8-507524号公報
従来の空調装置の冷凍回路に設けられている保護手段は、圧縮機の焼き付きや空調装置の破損を防止することを目的として、圧縮機の吐出ガス温度や圧縮機本体の温度が異常に上昇することを防止する。しかしながら、従来の保護手段は、冷媒の分解を防止することを目的としておらず、空調装置の作動中に冷媒の温度が150℃を超えるときがあり、C-I結合を含む冷媒を使用した場合、C-I結合が分解して冷凍回路の機能が低下する虞がある。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、C-I結合を含む冷媒を用いても、C-I結合の分解を防止して安定に動作する冷凍回路及び当該冷凍回路を用いた車両用空調装置を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明によれば、C-I結合を含む冷媒が循環する循環路に順次介挿された圧縮機、凝縮器、膨張器及び蒸発器と、前記冷媒の温度を前記C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保つ冷媒保護手段とを備えることを特徴とする冷凍回路が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に吸入される前記冷媒の過熱度を抑制することにより前記冷媒の温度を前記上限温度以下に保つ(請求項2)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の吐出容量を低減することにより前記冷媒の温度を前記上限温度以下に保つ(請求項3)。
好ましくは、前記膨張器は、前記冷媒保護手段の一部として、前記蒸発器の出口での前記冷媒の過熱度が5K以下になるように前記冷媒を膨張させ、前記冷媒保護手段は、前記冷媒の循環方向でみて前記蒸発器から前記圧縮機までの前記循環路の部位に介挿されたアキュムレータを含む(請求項4)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の温度及び前記圧縮機から吐出される冷媒の温度のうち一方が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させる(請求項5)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に吸入される冷媒の過熱度が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させる(請求項6)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に動力が供給されている間、前記冷媒に前記循環路を連続的又は間欠的に循環させる(請求項7)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の回転数及び前記圧縮機から吐出される前記冷媒の圧力に基づいて前記圧縮機から吐出される前記冷媒の吐出温度を演算し、前記吐出温度が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させる(請求項8)。
好ましくは、前記圧縮機は、前記冷媒保護手段の一部として、前記冷媒を少なくとも2回圧縮し、前記膨張器は、前記冷媒保護手段の一部として、前記冷媒を少なくとも2回膨張させ、前記冷媒保護手段は、前記膨張器で少なくとも1回膨張させられた冷媒の気相成分を前記圧縮機に返戻して前記圧縮機で少なくとも1回圧縮された冷媒とともに次の圧縮に供する(請求項9)。
好ましくは、前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の最高温度を10秒間の平均値で130℃以下にする(請求項10)。
また、本発明によれば、請求項1乃至10の何れかに記載の冷凍回路を備えることを特徴とする車両用空調装置が提供される(請求項11)。
本発明の請求項1の冷凍回路は、冷媒の地球温暖化係数がC-I結合を含むことにより小さいため、地球環境に優しい。
また、この冷凍回路では、冷媒保護手段により冷媒の温度が上限温度以下に保たれるので、冷媒中のC-I結合が分解しない。このため、この冷凍回路は、長期に亘り安定に動作する。
更に、この冷凍回路に用いられたC-I結合を含む冷媒は、地球温暖化係数が小さいのみならず、従来の冷凍回路に大幅な設計変更を伴わずに適用可能である。このため、既存の冷凍回路を有効活用しながら既存の冷媒を代替すれば、省資源という点からも地球環境の保全が図られる。
請求項2の冷凍回路では、圧縮機に吸入される冷媒の過熱度を抑制することにより、圧縮機での冷媒の温度が低く保たれ、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項3の冷凍回路では、圧縮機の容量が低減されることにより、圧縮機から吐出される冷媒の温度が低く保たれ、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項4の冷凍回路では、蒸発器の出口での冷媒の過熱度が5K以下に保たれることで、圧縮機に吸入される冷媒の温度が低く保たれ、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。一方、この冷凍回路では、蒸発器の出口での冷媒の過熱度が5K以下であっても、アキュムレータによって冷媒が液相成分と気相成分とに分離され、気相成分のみが圧縮機に供給される。このため、この冷凍回路は、圧縮機での液圧縮が防止されて安定に動作する。
請求項5の冷凍回路は、圧縮機の温度及び圧縮機から吐出される冷媒の温度のうち一方が閾値を超えると、圧縮機の容量が減少させられることで、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項6の冷凍回路は、圧縮機に吸入される冷媒の温度が閾値を超えると、圧縮機の容量が減少させられることで、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項7の冷凍回路では、圧縮機に動力が伝達されている間、冷媒が循環路を連続的又は間欠的に循環することで、放熱した冷媒により圧縮機が冷却され、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項8の冷凍回路では、圧縮機から吐出される冷媒の温度を演算により求め、演算により求めた吐出冷媒温度が閾値を超えたときに圧縮機の容量を低減することで、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項9の冷凍回路では、圧縮機が、1回圧縮された冷媒とともに1回膨張した冷媒を圧縮することにより、圧縮機から吐出される冷媒の温度が、1段階で同じ圧力まで冷媒を圧縮した場合に比べて低くなる。これにより、冷媒の温度が上限温度以下に保たれる。
請求項10の冷凍回路では、圧縮機の最高温度が10秒間の平均で130℃以下であることにより、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
請求項11の車両用空調装置は、請求項1〜10の冷凍回路を用いたことで、冷媒の温度が上限温度以下に保たれるので、長期に亘り安定に動作する。
図1は、第1実施形態の車両用空調装置の概略を示し、この車両用空調装置によれば車室10内を所望の設定温度にて冷房可能である。
車両用空調装置は冷凍回路12を備え、冷凍回路12は、C-I結合を含む冷媒を循環させる循環路14を有する。好ましい冷媒は、CF3I(R13I1)とR152aとの混合冷媒である。
循環路14は、エンジンルーム16から隔壁17を超えて機器スペース18に亘って設置され、機器スペース18は車室10の前方部分にインストルメントパネル20により区画されている。エンジンルーム16内を延びる循環路14の部分には、圧縮機22及び凝縮器24が順次介挿され、機器スペース18内を延びる循環路14の部分に、膨張器26及び蒸発器28が順次介挿されている。なお、圧縮機22は、エンジン29から供給される動力により作動し、凝縮器24の近傍にはファン30が配置され、蒸発器28の近傍にはブロワ31が配置されている。
膨張器26は、例えば自動温度膨張弁であり、冷媒を膨張させるための絞り部32を有する。絞り部32の流路断面積は可変であり、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度に基づいて自動的に増減される。膨張器26は、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度が5K以下になるように構成されている。冷媒の過熱度を検知するために、膨張器26は感温筒部33を有し、感温筒部33は、蒸発器28の出口近傍の循環路14の部分に取り付けられている。
また、循環路14には、アキュムレータ34が介挿され、アキュムレータ34は蒸発器28よりも下流で圧縮機22よりも上流に位置している。
以下、上述した車両用空調装置の動作について、図2のモリエール線図を用いて説明する。
圧縮機22で圧縮された気相の冷媒は図2中の点Aで示され、凝縮器24を通過する際、車両前方からの風又はファン30により生成された風により冷却されて、点Bにて示される液相の冷媒になる。液相の冷媒は、膨張器26の絞り部32を通過する際に膨張し、点Cで示される気液混合状態の冷媒になる。気液混合状態の冷媒に含まれる液相の冷媒は、蒸発器28を通過する際に気化し、蒸発器28の外部から熱を奪う。このときブロワ31により蒸発器28の外側を流れる風を生成すれば、風は熱を奪われて冷風になる。この冷風が車室10内に吹き込むことで、車室10内が冷房される。
気液混合状態の冷媒は、蒸発器28を通過することにより、点Dで示さる5K以下の過熱度SHを有する気相又は略気相の冷媒になる。蒸発器28を通過した冷媒はアキュムレータ34に流入し、アキュムレータ34は、液相の冷媒が入り込んできた場合でも、過熱度SHが略ゼロ以上の気相の冷媒のみを通過させる。即ち、アキュムレータ34により、圧縮機22に液相の冷媒が吸入されることが防止される。アキュムレータ34を通過した冷媒は圧縮機22に吸入されて圧縮されることにより点Aに戻り、以下、上述したサイクルが繰り返される。
上述した車両用空調装置は、C-I結合を含むことにより冷媒の地球温暖化係数が小さいため、地球環境に優しい。
そして、冷媒がCF3IとR152a等の可燃性冷媒の混合冷媒である場合には、R152a等の可燃性がCF3Iの消火性により打ち消され、車両用空調装置の安全性が確保される。
一方、この冷凍回路12では、冷媒保護手段により、冷媒の温度がC-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保たれるので、冷媒中のC-I結合が分解しない。このため、この冷凍回路12は、長期に亘り安定に動作する。
より詳しくは、冷媒保護手段は、圧縮機22に吸入される冷媒の過熱度を抑制することにより、圧縮機22に吸入される冷媒の温度(点D)を抑制する。この結果として、圧縮を経て圧縮機22から吐出された冷媒の温度(点A)が抑制され、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。
冷媒保護手段は、具体的には、膨張器26及びアキュムレータ34により構成されている。すなわち、膨張器26の流路断面積又は流路長が、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度SHが5K以下に保たれるように設定されることで、圧縮機22に吸入される冷媒の温度が低く保たれ、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれる。一方、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度が5K以下で液相の冷媒が含まれやすい状態であっても、アキュムレータ34によって冷媒が液相成分と気相成分とに分離され、気相成分のみが圧縮機22に供給される。このため、この冷凍回路12は、圧縮機22での液圧縮が防止されて安定に動作する。
更に、この冷凍回路12に用いられたC-I結合を含む冷媒は、地球温暖化係数が小さいのみならず、圧力・温度特性がR134aに近似することが可能であるため、従来の冷凍回路に大幅な設計変更を伴わずに適用可能である。このため、既存の冷凍回路を有効活用しながら、既存の冷媒をC-I結合を含む冷媒により代替すれば、省資源という点からも地球環境の保全が図られる。
本発明は上記した第1実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、膨張器26は、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度が5K以下になるように構成されているのが好ましいが、冷凍回路12における冷媒の温度が上限温度以下に保たれるよう、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度を抑制するように構成されていればよい。
また、膨張器26は、オリフィスやキャピラリ等の固定絞りであってもよい。この場合、固定絞りの流路断面積又は流路長が、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度SHが5K以下になるように構成されるのが好ましい。
圧縮機22は、斜板式若しくは揺動板式等の往復動圧縮機、スクロール圧縮機又はベーン式圧縮機のようないかなる型式の圧縮機であってもよく、固定容量型であっても可変容量型であってもよい。
図3は、第2実施形態の車両用空調装置の概略構成を示し、第1実施形態の車両用空調装置と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
この空調装置の冷凍回路40は可変容量型の圧縮機42を有する。圧縮機42は、例えば斜板式圧縮機であり、シリンダブロック、シリンダボア、ピストン、斜板、クランク室、シリンダヘッド、吸入室及び吐出室を有する冷媒の圧縮ユニット44と、クランク室の圧力を変化させてピストンのストローク(吐出容量)を変化させる容量制御弁46とを含む。容量制御弁46は例えば外部制御型であり、機器スペース18に設置された制御装置48と電気的に接続されて、この制御装置48よって駆動される。
また、第2実施形態では、吐出温度センサ50が、圧縮機42の吐出ポート近傍の循環路14の部位に取付けられ、圧縮機42から吐出される冷媒の温度(吐出温度)を検知する。吐出温度センサ50は、制御装置48に電気的に接続され、検知された吐出温度は、制御装置48に入力される。
制御装置48には、図示しないけれども蒸発器温度センサ、室内温度センサ、及び日射量センサ等も電気的に接続され、通常、これらのセンサによって検知された蒸発器温度、室内温度、日射量及び乗員の設定温度等に基づいて、制御装置48は車両用空調装置を作動させる。すなわち、制御装置48は、車室10内の温度が設定温度に近づくように、容量制御弁46を開閉作動させ、圧縮機42の吐出容量を変化させる。
ただし、制御装置48は、検知された吐出温度が閾値(吐出温度閾値)を超えたときには、通常の制御とは無関係に、圧縮機42の吐出容量を減少させる。吐出温度閾値は、冷媒中のC-I結合が分解しないように設定された閾値である。吐出容量を減少させることで圧縮比が小さくなり、この結果として、圧縮機42から吐出される冷媒の温度は、C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保たれる。
なお、吐出温度を検知する手段は、吐出温度センサ50に限定されず、例えば、回転数センサ52及び吐出圧力センサ54に基づいて、吐出温度を演算により求めてもよい。
具体的には、回転数センサ52は、例えばエンジン29に取付けられ、エンジン29の回転数を検知する。回転数センサ52は、制御装置48に電気的に接続され、検知されたエンジン29の回転数は、制御装置48に入力される。制御装置48は、例えば検知されたエンジン29の回転数にドライブレシオを乗じることで、圧縮機42の回転数を演算により求める。
一方、吐出圧力センサ54は、圧縮機42の吐出ポート近傍の循環路14の部位に取付けられ、圧縮機42から吐出される冷媒の圧力(吐出圧力)を検知する。吐出圧力センサ54は、制御装置48に電気的に接続され、検知された吐出温度は、制御装置48に入力される。
制御装置48は、演算により求めた圧縮機42の回転数と、検知された吐出圧力とに基づいて、圧縮機42から吐出される冷媒の温度(吐出温度)を演算により求める。なお、回転数センサ52は、圧縮機42に取り付けて圧縮機42の回転数を直接検知してもよく、あるいは、圧縮機42の回転数に比例する周波数成分を検知してもよい。
上述した第2実施形態では、吐出温度を検知する手段とともに、または、吐出温度を検知する手段に代えて、圧縮機42の温度を検知する手段(圧縮機温度検知手段)及び圧縮機42に吸入される冷媒の過熱度を検知する手段(過熱度検知手段)のうち一方又は両方を設けても良い。
圧縮機温度検知手段として、圧縮機42のシリンダヘッドの外面には温度センサ(圧縮機温度センサ)56が取り付けられ、圧縮機温度センサ56は、圧縮機42の吐出室の温度を検知する。圧縮機温度センサ56は、制御装置48と電気的に接続され、吐出室の温度が制御装置48に入力される。
制御装置48は、圧縮機温度センサ56により検知された吐出室の温度が閾値(圧縮機温度閾値)を超えたときには、通常の制御とは無関係に、容量制御弁46を介して圧縮機42の吐出容量を減少させる。圧縮機温度閾値は、冷媒中のC-I結合が分解しないように設定された閾値である。吐出容量を減少させることで圧縮比が小さくなり、この結果として、圧縮機42で圧縮された冷媒の温度は、C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保たれる。
なお、圧縮機温度センサ56は、圧縮機42の吐出室の温度を検知したけれども、リップシール若しくはメカニカルシール等の圧縮機42の他の部分の温度を検知してもよい。圧縮機温度センサ56は、圧縮機42の動作中、最も高温になる圧縮機42の部分の温度を検知するのが好ましい。
過熱度検知手段としては、過熱度センサ58が、蒸発器28の出口から圧縮機42の吸入ポートまでの循環路14の部位に取付けられ、圧縮機42に吸入される冷媒の過熱度を検知する。過熱度センサ58は、制御装置48に電気的に接続され、検知された過熱度は制御装置48に入力される。
制御装置48は、検知された過熱度が閾値(過熱度閾値)を超えたときには、通常の制御とは無関係に、圧縮機42の吐出容量を減少させる。過熱度閾値は、冷媒中のC-I結合が分解しないように設定された閾値である。吐出容量を減少させることで圧縮比が小さくなり、この結果として、圧縮機42内の冷媒の温度は、C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保たれる。
また、上述した第2実施形態では、圧縮機42が可変容量型であったけれども、圧縮機42がクラッチレスタイプで常にエンジン29から動力が伝達される場合、冷媒に循環路14を連続的又は少なくとも間欠的に循環させるのが好ましい。別の表現をすれば、圧縮機42の最小吐出容量をゼロに設定するのではなく、ゼロよりも若干大きな値に設定するのが好ましい。
具体的には、圧縮機42が最小吐出容量で動作するとき、圧縮機42の吐出ポートに冷媒の流れを遮断するシャットオフ弁が設けられている場合には、シャットオフ弁が完全に閉じないようにし、あるいは、圧縮機42の斜板の角度によって吐出容量が変化する場合には、斜板を回転軸に対して若干傾斜させるのが好ましい。
最小吐出容量がゼロでないことにより、冷媒が循環路14を循環し、循環中に放熱した冷媒が圧縮機22に吸入される。これにより、圧縮機22内の冷媒の温度は、C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保たれる。なお、最小吐出容量がゼロでないとは、圧縮機から冷媒が連続的に吐出される状態のみならず、制御等によって冷媒が間欠的に吐出される状態も含む。
なお、上述した第2実施形態では、膨張器60は、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度が5K以下になるように冷媒を膨張させなくてもよいが、第1実施形態の膨張器26及びアキュムレータ34を用いてもよい。
図3は、第3実施形態の車両用空調装置の概略構成を示し、第1及び第2実施形態の車両用空調装置と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
空調装置の冷凍回路70は多効サイクルであり、具体的には、循環路14に、圧縮機72、凝縮器24、第1膨張器74、気液分離器76、第2膨張器78、蒸発器28が順次介挿されている。圧縮機72は、互いに直列に接続された第1圧縮ユニット80及び第2圧縮ユニット82を有し、気液分離器76の液相成分排出ポートは、バイパス流路84を通じて、第1圧縮ユニット80と第2圧縮ユニット82とを繋ぐ中間流路に接続されている。
以下、図5に示したモリエール線図を参照し、冷凍回路70の動作について説明する。
圧縮機72の第2圧縮ユニット82で圧縮された気相の冷媒は図5中の点aで示され、凝縮器24を通過する際、車両前方からの風又はファン30により生成された風により冷却されて、点bにて示される液相の冷媒になる。液相の冷媒は、第1膨張器74を通過する際に膨張し、点cで示される気液混合状態の冷媒になる。気液混合状態の冷媒は、気液分離器76にて点dで示される液相の冷媒と、点eで示される気相の冷媒とに分離される。
このうち点dで示される液相の冷媒は、第2膨張器78を通過する際に膨張し、点gで示される過熱度をもった気相の冷媒になる。この後、気相の冷媒は、圧縮機72の第1圧縮ユニット80に吸入されて圧縮され、点hで示される気相の冷媒になる。
一方、点eで示される気相の冷媒は、バイパス流路84を通じて中間流路に流入し、中間流路内で点hで示される気相の冷媒と混合され、点iで示される気相の冷媒になる。第2圧縮ユニット82は、中間流路の点iで示される冷媒を吸入して圧縮し、点aで示される気相の冷媒を吐出する。以下、上述したサイクルが繰り返される。
上述した冷凍回路70では、圧縮機72が、1回圧縮された冷媒とともに1回膨張した冷媒を圧縮することにより、圧縮機72から吐出される冷媒の温度が、1段階で点aと同じ圧力まで冷媒を圧縮した場合に比べて低くなる。これにより、冷媒の温度が上限温度以下に保たれる。
なお、第3実施形態では、一つの圧縮機72で冷媒を2回圧縮したけれども、3回以上圧縮してもよく、また、圧縮機72に代えて、2つ以上の圧縮機を直列に接続してもよい。また、第3実施形態では、2つの膨張器74,78で冷媒を2回膨張させたけれども、3つ以上の膨張器により3回以上膨張させてもよい。
また、上述した第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の冷凍回路12,40,70の構成要素を適宜組み合わせても良い。
更に、上述した第1乃至第3実施形態の冷凍回路12,40,70では、圧縮機22,42,72において温度が最高となる部分の温度(最高温度)が10秒間の平均で130℃以下であるのが好ましい。これにより、冷媒の温度が上限温度以下に確実に保たれるからである。
最後に、本発明の冷凍回路が、冷凍冷蔵庫や室内用空調装置等にも適用可能であるのは勿論である。
第1実施形態の車両用空調装置の概略構成を示す図である。 図1の車両用空調装置における冷凍回路の動作を説明するモリエール線図である。 第2実施形態の車両用空調装置の概略構成を示す図である。 第3実施形態の車両用空調装置の概略構成を示す図である。 図4の車両用空調装置における冷凍回路の動作を説明するモリエール線図である。
符号の説明
12,40,70 冷凍回路
14 循環路
22 圧縮機
24 凝縮器
26 膨張器
28 蒸発器

Claims (11)

  1. C-I結合を含む冷媒が循環する循環路に順次介挿された圧縮機、凝縮器、膨張器及び蒸発器と、
    前記冷媒の温度を前記C-I結合が分解しないように設定された上限温度以下に保つ冷媒保護手段と
    を備えることを特徴とする冷凍回路。
  2. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に吸入される前記冷媒の過熱度を抑制することにより前記冷媒の温度を前記上限温度以下に保つことを特徴とする請求項1に記載の冷凍回路。
  3. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の吐出容量を低減することにより前記冷媒の温度を前記上限温度以下に保つことを特徴とする請求項1に記載の冷凍回路。
  4. 前記膨張器は、前記冷媒保護手段の一部として、前記蒸発器の出口での前記冷媒の過熱度が5K以下になるように前記冷媒を膨張させ、
    前記冷媒保護手段は、前記冷媒の循環方向でみて前記蒸発器から前記圧縮機までの前記循環路の部位に介挿されたアキュムレータを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の冷凍回路。
  5. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の温度及び前記圧縮機から吐出される冷媒の温度のうち一方が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させることを特徴とする請求項3に記載の冷凍回路。
  6. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に吸入される冷媒の過熱度が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させることを特徴とする請求項3に記載の冷凍回路。
  7. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機に動力が供給されている間、前記冷媒に前記循環路を連続的又は間欠的に循環させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍回路。
  8. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の回転数及び前記圧縮機から吐出される前記冷媒の圧力に基づいて前記圧縮機から吐出される前記冷媒の吐出温度を演算し、前記吐出温度が閾値を超えたとき、前記圧縮機の吐出容量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍回路。
  9. 前記圧縮機は、前記冷媒保護手段の一部として、前記冷媒を少なくとも2回圧縮し、
    前記膨張器は、前記冷媒保護手段の一部として、前記冷媒を少なくとも2回膨張させ、
    前記冷媒保護手段は、前記膨張器で少なくとも1回膨張させられた冷媒の気相成分を前記圧縮機に返戻して前記圧縮機で少なくとも1回圧縮された冷媒とともに次の圧縮に供する
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の冷凍回路。
  10. 前記冷媒保護手段は、前記圧縮機の最高温度を10秒間の平均値で130℃以下にすることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の冷凍回路。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の冷凍回路を備えることを特徴とする車両用空調装置。
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