JP2008128017A - 内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008128017A
JP2008128017A JP2006310808A JP2006310808A JP2008128017A JP 2008128017 A JP2008128017 A JP 2008128017A JP 2006310808 A JP2006310808 A JP 2006310808A JP 2006310808 A JP2006310808 A JP 2006310808A JP 2008128017 A JP2008128017 A JP 2008128017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
engine
reduced
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006310808A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Asai
豪 朝井
Hitoshi Adachi
仁 足立
Isao Takagawa
功 高川
Takashi Miyamoto
貴志 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2006310808A priority Critical patent/JP2008128017A/ja
Priority to KR1020097010949A priority patent/KR101115106B1/ko
Priority to AT07807736T priority patent/ATE507380T1/de
Priority to CN2007800426553A priority patent/CN101535614B/zh
Priority to PCT/JP2007/068404 priority patent/WO2008059663A1/ja
Priority to EP07807736A priority patent/EP2085592B1/en
Priority to DE602007014251T priority patent/DE602007014251D1/de
Priority to US12/514,698 priority patent/US8096286B2/en
Publication of JP2008128017A publication Critical patent/JP2008128017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】減筒運転時において運転気筒と休止気筒との間の温度の偏り(温度差)を抑制し、減筒運転から通常運転への移行時の燃焼変動を防止して白煙の発生を抑制する。
【解決手段】エンジンが冷えた状態での始動であるコールドスタート時に、減筒運転を実施する電子制御直噴式内燃機関1の制御方法において、減筒運転期間を始動後一定時間に限定するとともに、該減筒運転期間内においては、運転気筒と休止気筒を設定時間毎に変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンが冷えた状態での始動、所謂、コールドスタート直後における白煙排出を低減させることができる内燃機関の制御方法に関する。
従来より、直噴式ディーゼル機関等においては低温時に始動した場合、刺激臭を伴う白煙が排出するため、この対策として、始動時に燃料噴射を行う気筒を減筒して、燃料噴射される気筒では燃料噴射量を増やして燃焼室内の燃焼温度を上昇させて白煙を低減させる、いわゆる減筒運転と呼ばれる技術が公知となっている。(例えば特許文献1、特許文献2参照)
また、始動時に白煙が生じる原因として、例えば直噴式ディーゼルエンジンからの白煙排出傾向について燃焼室の壁面温度が強く関与している。
具体的には以下のようなメカニズムが考えられている。燃焼室壁面温度が負荷運転時に比べ低いため、燃料噴射によって燃焼室壁面に付着した一部燃料が十分に蒸発せず、燃焼に寄与することなく白煙として排出される。また、圧縮端のガス温度・圧力も熱損失により低くなることから燃焼温度が低下し、付着しなかった燃料も一部は未燃のまま排出される。これら不完全燃焼となった燃料分が排気とともに煙道より出る際に刺激臭を伴う白煙となる。従って、白煙を防止するためには(1)燃料を壁面に衝突させない(2)燃焼ガス温度を上げて完全燃焼させるの2つの対策が重要になる。
昨今の電子制御化によって燃料噴射の自由度が増し、上記対策を用いた白煙低減が可能となっている。これは冷却水温度を測定することで燃焼室壁面温度を推定し、暖機状態に対して冷却水温度が低いときには該温度に応じて噴射時期を進角するなどの所作(水温補正)を行うことができるためである。このように冷却水温度と燃焼室壁面温度の間に比例関係が成立する場合は上記水温補正制御が有効である。
特開昭61−258950号公報 実公平7−35835号公報
しかし、コールドスタート直後(冷態始動直後)数分間においては、上記平衡状態が成立せず、燃焼室壁面温度は始動前の冷却水温度と同等レベルから急速に暖められる一方、冷却水温度はほとんど増加しない。すなわち始動直後から一定時間は上記平衡状態が成立しないのである。したがって、この期間の燃料噴射制御を従来法である上記水温補正のみで行った場合は不適切な噴射諸元を選択することとなり、白煙の抑制が困難となる。さらに、この条件は燃料の圧縮着火に対して極端に悪条件であるため、特に低セタン燃料を使用している場合などは市場クレームを起こす大きな要因となる場合がある。
また、減筒運転は白煙の低減に有効であることは既知であったが、特定気筒のみ噴射する減筒運転は運転気筒と休止気筒の間に温度の偏り(温度差)が生じ信頼性の低下や減筒運転解除時に休止気筒より白煙が出る等の問題点があった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、特に気筒間の偏温を抑制し、減筒運転から通常運転への移行時の燃焼変動を防止して白煙発生を抑制することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、コールドスタート時に減筒運転を実施する電子制御直噴式内燃機関の制御方法において、減筒運転期間を始動後一定時間に限定するとともに、該減筒運転期間内においては運転気筒と休止気筒を設定時間毎に変更するものである。
請求項2においては、L型6気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては1・2・3気筒群と4・5・6気筒群を一定の時間区切りで交互に休止させるものである。
請求項3においては、2つのバンクを備えたV型多気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては一方のバンクの気筒と他方のバンクの気筒とを一定の時間区切りで交互に休止させるものである。
請求項4においては、前記時間区切りで気筒を交互に休止させる時に所定時間のオーバーラップを設けるものである。
請求項5においては、前記内燃機関の燃焼室内に導入される吸気を加熱する吸気加熱装置を装備し、該吸気加熱装置は減筒運転時に運転される気筒に対して作動するようにしたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、始動時ならびに始動直後の白煙を抑制するとともに、減筒運転から通常運転に切り替わった際の白煙増加を抑制できる。
請求項2においては、エンジンに大きな振動アンバランスが生じることがなく燃焼騒音を抑制できる。
請求項3においては、エンジンに大きな振動アンバランスが生じることがなく燃焼騒音を抑制できる。
請求項4においては、エンジンストールの発生を防止できる。
請求項5においては、休止気筒に割り当てられる加熱エネルギーを運転気筒に廻す事ができるため消費電力は一定のままで高い効果を得ることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る直噴式ディーゼル機関の制御システムの概略構成図、図2はエンジン制御フローを示す図、図3は通常運転時の白煙の発生挙動を示す図、図4は減筒運転制御の一例を示す図、図5は始動前冷却水温度と白煙濃度の関係を示す図、図6は減筒運転時の燃焼騒音を示す図、図7は直列6気筒エンジンの場合の切替制御を示す図、図8はV型8気筒エンジンの場合の切替制御を示す図、図9は運転気筒切り替え時のオーバーラップ制御を示す図、図10は直列6気筒エンジンで1・2・3気筒群と4・5・6気筒群とを切り替えて運転する場合の実施例を示す図、図11は直列6気筒エンジンにおけるエアヒータの作動例を示す図、図12は従来のエンジン制御フローを示す図である。
まず本発明を適用した内燃機関の一例である電子制御直噴式ディーゼル機関1の制御システムの概略構成について説明する。図1に示すように、直噴式ディーゼル機関(以下、「エンジン」という)の制御システムは、主にエンジン1、サプライポンプ、アクセルレバー6、始動スイッチ4及びECU5等から構成されている。
エンジン1には、サプライポンプ、コモンレール3、インジェクタ7、ピストン9、セルモータ(図示せず)、冷却水温度検出手段である冷却水温度センサ10、吸気温度センサ11、エンジン1の回転数検出手段の一例であるピックアップセンサ12、クラッチの「入」「切」を検知するクラッチセンサ13が配設されている。セルモータはエンジン始動時にエンジン1のフライホイルを介してクランク軸8を回転するものである。該クランク軸8はシリンダブロックに回転自在に支持されコンロッドを介してピストン9に連結される軸であり、ピストン9の往復運動により回転運動する。ピストン9は燃焼室2の内周面に気密的に摺動することにより往復運動する部材である。インジェクタ7を介して燃焼室2に供給された燃料が燃焼し、膨張することによりピストン9は下方(燃焼室2の体積が大きくなる方)に摺動する。サプライポンプが駆動されることによりコモンレール3に燃料が高圧で蓄圧され、該コモンレール3内の圧力はセンサにより検知されECU5に入力される。ECU5はピックアップセンサ12を介してエンジン回転速度を認識して、ECU5内に記憶されているエンジン回転数と燃料噴射量とのマップに基づいてインジェクタ7を制御する。
インジェクタ7は、クランク軸8の回転に同期して燃料を所定量噴射するものであり、内装される電子ガバナやアクセルレバー6等により燃料噴射量が調整される。そして、ピックアップセンサ12はクランク軸8の回転速度を認識するものであり、これによりエンジン1がクランキング状態か運転状態かも認識できる。冷却水温度センサ10はエンジン1の冷却水温度を認識する。
ECU5は始動スイッチ4、コモンレール3の圧力センサ、ピックアップセンサ12、冷却水温度センサ10、アクセルレバー6の回動角センサ、クラッチセンサ13等に接続している。そして、始動スイッチ4の入・切およびクランク軸8の回転速度を認識可能となっており、インジェクタ7を制御可能としている。始動スイッチ4はエンジン1の運転状態と停止状態を設定するものであり、「OFF(停止)」、「ON(運転)」、「始動」の位置が設定されている。始動スイッチ4を「始動」位置に入れることにより、セルモータを駆動しクランク軸8に駆動力を伝達してクランキング(エンジン始動)を行う。始動スイッチ4は「始動」位置おいて、「ON」位置に自動復帰する構成となっており、エンジン1が運転状態になった後にキースイッチから手を離した後、始動スイッチ4は「ON」位置に保持されてエンジン1の運転状態が維持される。この始動スイッチ4「ON」位置で、冷却水温度センサ10により、ECU5においてエンジン1の冷却水温度が随時認識できる構成となっている。そして、ECU5において、始動スイッチ4の「始動」位置での保持時間を認識して、セルモータの通電時間として認識する構成となっている。
エンジン1の回転数検出手段であるピックアップセンサ12はクランク軸8の回転数、すなわちエンジン1の回転数や角速度等を検出するものである。なお、回転数検出手段としては本実施例では磁気ピックアップ式の回転数センサを使用しているが、ロータリエンコーダ等による回転数検出手段を用いてもかまわない。
次に、本発明に係るエンジン始動時のエンジン1の制御フローについて説明する。
図2は、エンジン制御フローを示す図であり、図12は従来のエンジン制御フローを示す図である。
まず、キースイッチをONした状態で制御回路は、ステップS10においてエンジン1がストップしているかどうか判断される。エンジン1がストップしていない場合には、エンジン1が回転している状態と判断して後述するステップ40に移行する。エンジン1がストップしている状態では、ステップS20において、始動スイッチ4が「始動」に入っていない場合には、セルモータを回転させないスタンバイの状態と判断して元に戻る。始動スイッチ4が「始動」に入っている(ECU5においてスタート信号がONとなっている)場合には、ステップS30において、冷却水温(TW0)検出が行われる。
この検出された水温(TW0)が設定温度t0と比較され(S31)、設定温度t0よりも高い場合には、エンジン始動時に白煙等が生じることなく通常に始動できるため、減筒運転は行われず、全ての気筒(シリンダ)に燃料が噴射されて始動される。水温(TW0)が設定温度t0以下の場合には、減筒運転とされる(S32)。
そして、ステップS10において、エンジンが始動されて運転状態のとき、前記冷却水温(TW0)に基づいて減筒運転が行われているかどうかがECU5において判断される。ステップS40において減筒運転をONしないと判断された場合は、ECU5に記憶されている通常制御噴射諸元マップ(ステップS70)が参照されて噴射諸元(ステップS75)が決定される。またステップS40において減筒運転と判断された場合は、続いてステップS50において始動後経過時間tが予め設定されている所定時間tsicと比較されて、所定時間以下である場合は、ECU5に記憶されている減筒噴射マップ(ステップS60)が参照されて噴射諸元(ステップS65)が決定されて運転される。また、前記始動後経過時間tが予め設定されている所定時間tsicを超えて経過した場合には、減筒運転を解除して(S51)通常制御噴射諸元マップ(ステップS70)が参照されて噴射諸元が決定されて運転される。
特に、本発明においては、減筒運転の継続時間である前記始動後経過時間tにおいてのみ運転気筒と休止気筒を任意の時間毎に変更するものであり、ECU5に予め気筒の変更条件が設定されて、該変更条件に基づいて各気筒が制御される。
図3は通常運転時の白煙の発生挙動を示す図である。
図3において、縦軸は白煙濃度または冷却水温度または燃焼室壁面温度を示す。横軸はエンジン1の始動後の経過時間を示す。図3に示すように、燃焼室壁面温度は経過時間に応じて上昇していくが、冷却水温度は始動直後熱が伝わるまでのしばらくの間ほぼ一定温度で推移し、燃焼室壁面温度とはある程度の時間差をおいて温度上昇を開始する。このように、通常コールドスタート直後数分間においては冷却水温度と燃焼室壁面温度との間の平衡関係が成立せず、燃焼室壁面温度は始動前の冷却水温度と同等レベルから急速に暖められる一方、冷却水温度はほとんど増加しない。すなわち始動直後から一定時間は上記平衡状態が成立しない。
図12に示すように、従来のエンジンの制御フローは、ステップS100において始動かエンジンストップかどうかが判断される。エンジンストップでない場合には、冷却水温度が検出されて(ステップS200)、ECU5に記憶されている通常制御噴射諸元マップ(水温補正、ステップS300)が参照されて噴射諸元が決定される(ステップS400)。
具体的には、検出された冷却水温度により燃焼室壁面温度を推定し、暖機状態に対して冷却水温度が低いときには該温度に応じて噴射時期を進角すること(水温補正)で白煙低減を可能であるが、上記のように平衡状態が成立しない場合においてはこの水温補正が有効ではないのである。
図4は減筒運転制御の一例を示す図である。
上記に鑑み、本実施例では、図4に示すように減筒運転はエンジン始動直後から壁面温度−冷却水温度平衡状態が形成されるごくわずかの時間にのみ減筒運転を適用すればよく、その後は速やかに通常制御へ移行するものである。
つまり、エンジン始動時の冷却水温度を検出し、その温度が一定値以下の場合はコールドスタートであると判定し、該冷却水温度に基づいて所定時間・所定の噴射諸元にて減筒運転を実施する。また、運転状態が所定の値(図2の場合、所定時間が経過)となると、速やかに通常噴射に戻す。
次に、本発明の制御方法を適用する状況について説明する。
図5は始動前冷却水温度と白煙濃度の関係を示す図である。縦軸は白煙濃度を示し、横軸は始動前冷却水温度を示す。図6は減筒運転時の白煙の発生挙動を示す図であり、縦軸は白煙濃度または冷却水温度または燃焼室壁面温度を示す。横軸はエンジン1の始動後経過時間を示す。
図5に示すように、ある冷却水温度(変曲点温度)t0以上では始動時の白煙レベルは通常運転時の白煙濃度と殆ど変わらず、変曲点温度t0以下では水温が低いほど白煙濃度が高いことが分かる。従ってコールドスタートか否かは白煙特性の変曲点温度を指標として用いると良い。つまり、前記水温(TW0)の設定温度t0とする。
本発明の制御方法においては始動時においてピックアップセンサ12によりエンジン回転数をモニターし、エンジン回転数がアイドル回転の50〜100%に達したとECU5より判断された時から減筒運転を開始する。白煙低減の観点からはイグニッションON時より減筒運転する方が理想であるが、始動に要する時間が長くなってしまう。また、始動を早めるために燃料噴射量を増すと黒煙を排出してしまう。従って、始動初期は全気筒噴射とし、所定のエンジン回転数(アイドル回転に対して50%以上)になった時点で減筒運転にシフトして一定期間継続する。そうすることで減筒運転の本来の効果であるところの、1気筒あたりの燃料噴射量を上げて燃焼温度を高くして、燃焼室壁面の速やかな昇温が可能となり、白煙低減が図れるのである。
また、上記一定期間とは、休止側気筒の燃焼室壁面温度が白煙を生成しないレベルまで十分暖まるまでの時間である。
次に、減筒運転から通常運転(全気筒運転)に切り替えるタイミングについて説明する。
図2で示すように、減筒運転がONされた場合、ECU5に記憶されている減筒運転マップ(ステップS60)が参照される。該減筒運転マップ内においては減筒運転から通常運転に切り替えるタイミングの基準となる、例えば後述する減筒運転継続時間マップや減筒運転終了時温度マップ等が収められており、該マップに基づいて一定期間減筒運転を行うものである。
<減筒運転継続時間マップの作成>
エンジン1の始動スイッチ4(スタータ)をONした時の冷却水温度(TW0)を冷却水温度センサ10を介してサンプルし、該水温で始動した際に必要な減筒運転継続時間を求める。これは冷却水温度(TW0)をX軸に、減筒運転継続時間(τrc)をY軸にとったテーブル等から算出する。
<減筒運転終了時温度マップの作成>
エンジン1の始動スイッチ4(スタータ)をONした時の冷却水温度(TW0)を冷却水温度センサ10を介してサンプルし、該水温で始動した際に必要な減筒運転目標水温上昇量を求める。これは冷却水温度(TW0)をX軸に、目標水温(TWt)をY軸にとったテーブル等から算出する。
あるいは始動時の冷却水温度(TW0)に対し一律ΔTWを足した値を目標水温TWtとしても良い。この場合のΔTWは20℃以内の値とすることが望ましい。
ただし、サーモスタットや温度センサ等の設置位置や停止前の運転状態によってはエンジン1は準暖機状態にあっても冷却水温が低く読み取られている可能性もある。この場合は始動後速やかに水温が上昇するため、該水温が一定値を超えたときに通常制御に戻すように設定する。
上記いずれかの条件を考慮することにより減筒運転を終了する目標冷却水温を設定し、減筒運転終了時温度マップを作成する。
図6は減筒運転時の燃焼騒音を示す図である。
気筒間の偏温に伴う弊害(信頼性の低下)は長時間減筒運転した際に顕著となる。図4に示すようにコールドスタート時の白煙低減には始動時から数分〜十数分間だけ減筒運転すればよいだけで、それ以降は通常運転に切り替えても白煙が悪化することはない。しかし、図6に示すように減筒運転を行うことで通常運転と比べて燃焼騒音や振動が増すため、減筒運転を長時間継続することは望ましくないのである。
しかし、減筒運転する時間が短いと、休止気筒側の燃焼室壁面温度が十分に上昇していないため、通常減筒運転から通常運転に切替後白煙が発生する。これを回避するためには運転気筒と休止気筒を設定時間毎に交互に変更し、または、一定サイクル毎に順番に切り替えて、燃焼室壁面温度を均一に昇温させる必要がある。そこで本発明のように減筒運転時においてのみ運転気筒と休止気筒を交互に変更して白煙排出を抑制しているのである。
なお、運転気筒と休止気筒の数は必ずしも同じである必要はなく、エンジン1の構成によって任意に設定可能である。しかし、不適切な気筒群の組合せを選択するとトルク変動にともなってエンジン1の異常振動が発生するため回転バランスに配慮して選定する必要がある。
このように、コールドスタート時に減筒運転を実施する電子制御直噴式エンジン1の制御方法において、減筒運転期間を始動後一定時間に限定するとともに、該減筒運転期間内においては運転気筒と休止気筒を設定時間毎に変更することにより、始動時ならびに始動直後の白煙を抑制するとともに、減筒運転から通常運転に切り替わった際の白煙増加を抑制できる。
図7は直列6気筒エンジンの場合の切替制御を示す図である。
本実施例の直列(L型)6気筒の場合、図7(a)に示すようにNo.1〜No.6の気筒は一列に並んでおり、No.1〜No.6の気筒において発火順序が1−4−2−6−3−5−1であり、1・2・3気筒群と4・5・6気筒群が120°CA毎に交互に発火するため、片方の気筒群を休止させた場合でも振動アンバランスがさほど増加しない。従って、最も簡便な実現方法としては、図7(b)に示すように減筒運転ON時に予め指定した時間t1で1・2・3気筒群と4・5・6気筒群の運転を切り替えることである。
なお、切替時間t1は始動時の水温、吸気温度等により経験的に求められる値である。
このように、L型6気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては1・2・3気筒群と4・5・6気筒群を一定の時間区切りで交互に休止させることにより、エンジン1に大きな振動アンバランスが生じることがなく燃焼騒音を抑制できる。
図8はV型8気筒エンジンの場合の切替制御を示す図である。
図8(a)に示すように本実施例のV型8気筒エンジンは気筒がVバンクをなすように形成されており、一側のAバンクと他側のBバンクの2つにより構成されている。また、AバンクとBバンクの各バンクに4つずつ気筒が配置されている。V型8気筒エンジンの場合も前記直列6気筒エンジンと同様で、図8(b)に示すように減筒運転ON時に予め指定した時間t1でAバンクとBバンクの気筒の運転を交互に切り替えるのである。こうして、クランク軸8のレイアウトによっては片バンクごとに休止気筒を設定することで、エンジン1は大きな振動アンバランスを生じることがない。
なお、本実施例ではV型多気筒エンジンとして、V型8気筒エンジンを例として挙げたが特にこれに限定するものではない。
このように、2つのバンクを備えたV型多気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては一方のバンクの気筒と他方のバンクの気筒とを一定の時間区切りで交互に休止させることにより、エンジン1に大きな振動アンバランスが生じることがなく燃焼騒音を抑制できる。
なお、上述した直列6気筒エンジンにおいては1・2・3気筒群と4・5・6気筒群とに分割し、またV型8気筒エンジンにおいてはAバンク上気筒とBバンク上気筒とに分割したように、各気筒がまとまったグループとなるべく分割しているが、振動アンバランスを極力抑制するように精密に計算して個々の気筒を単独で運転気筒と休止気筒とに振り分けるように制御してもかまわない。
図9は運転気筒切り替え時のオーバーラップ制御を示す図である。
減筒運転ON時において所定の時間区切りで運転気筒と休止気筒を交互に切り替える際に、休止していた気筒で失火が発生し、エンジンストールが発生する可能性がある。これを防止する目的で、切り替えタイミングにおいてわずかの時間、双方を運転させる(オーバーラップ制御)。
具体的には、図9において減筒運転がONされると同時に、時間t1が経過する間、A群(前記1・2・3気筒群もしくはAバンクの気筒)が運転を開始し、B群(前記4・5・6気筒群もしくはBバンクの気筒)は休止状態となっている。時間t1が経過する若干早い時間にB群の運転を開始し、少しの間A群及びB群の気筒群がともに運転状態となるようにする。その後時間t1になると同時にA群が休止状態となる。こうしてA群とB群の運転状態が若干重なる部分(通常噴射部分)を設けている。
なお、このオーバーラップ制御の期間には白煙が発生するため、できるだけ短時間の実施に制限することが望ましい。
このように、前記時間区切りで気筒を交互に休止させる時に所定時間のオーバーラップを設けることにより、エンジンストールの発生を防止できる。
図10は直列6気筒エンジンで1・2・3気筒群(気筒No1・No2・No3)と4・5・6気筒群(気筒No4・No5・No6)とを切り替えて運転する場合の実施例を示す図、図11は直列6気筒エンジンにおけるエアヒータの作動例を示す図である。
図10の実施例の6気筒エンジンは一列にシリンダを並べ、吸気マニホールドの長手方向中央に吸気ポートを配置し、該吸気ポートには左右を仕切る仕切り板を配置し、1・2・3気筒群(気筒No1・No2・No3)側にエアヒータAと4・5・6気筒群(気筒No4・No5・No6)側にエアヒータBを配置している。
吸気加熱装置であるエアヒータやグローヒータはコールドスタート時に吸入空気温度を上昇させることで圧力端の吸気エア温度を高くし、燃料の蒸発・着火を促進するのが狙いとして用いられる。減筒運転を採用する場合には極端に白煙の悪化するコールドスタート直後に着火運転をする気筒に対して選択的に上記昇温手段を実行することでその効果を高めることができる。具体的な実施方法としては、例えばV型機関の場合は片バンクの過給機またはインタークーラから減筒運転させる側(燃料噴射側)のバンクのエアクリーナから吸気マニホールドへの連絡部にそれぞれエアヒータを設置し、運転気筒のエアヒータのみを稼動させる。所定の時間経過後に反対側バンクの運転に切り替わる際にはエアヒータも同時に切り替える。
また、直列6気筒エンジンでは、吸気マニホールドとシリンダヘッドが6気筒一体的に取り付けられている場合が多いが、例えば図10に示すように1・2・3気筒群と4・5・6気筒群との間の吸気マニホールドに間仕切り板を設置し、その後流側にエアヒータA、エアヒータBを設置し運転気筒群毎にON/OFF制御を実施して、一側の吸気エアを暖めて始動性を高め白煙を減少させることも可能である。
具体的には、図11に示すようにつまり、運転気筒のエアヒータのみを稼動させる。
1・2・3気筒群が運転気筒となる場合には、エアヒータAがONされてエアヒータBはOFFされた状態であり、運転気筒が4・5・6気筒群に替わるとエアヒータAがOFFされてエアヒータBがONされた状態となるように制御するのである。
なお、運転気筒に対してのみ吸気加熱装置を働かせる構造であれば上述の例以外でも実現可能である。
また、グローヒータを用いる内燃機関の場合はシリンダ内に直接挿入されているものであるため、始動時に減筒運転する気筒のみ通電することで上記目的を達することが可能である。
また、エアヒータやグローヒータの切り替えはヒータ自体の昇温に時間がかかる場合があるため、運転気筒の切り替えに先立って通電させる方が有効となる場合もある。
上記方法は、特にV型機関において片バンクのみ減筒運転させる場合や直列機関において特定気筒のみ減筒運転させる場合に適する方法である。この場合、燃焼させる気筒はクランク軸8の回転がアンバランスとならないように考慮して選択される。例えば、クランク軸8の回転時に等角度ごとに燃焼して、できるだけ接近した気筒(シリンダ)が選択される。
このように、前記エンジン1の燃焼室2内に導入される吸気を加熱する吸気加熱装置を装備し、コールドスタート時に減筒運転する気筒側の吸気加熱装置がONとなるようにし、水温が設定温度以上となると(または、減筒運転終了後、または、エンジン始動一定時間後)吸気加熱装置を停止して、消費電力は一定のままで高い効果を得ることができる。なお、低温で減筒運転後も吸気エアを加熱する場合は、全気筒のグローヒータを加熱させる。
本発明に係る直噴式ディーゼル機関の制御システムの概略構成図。 エンジン制御フローを示す図。 通常運転時の白煙の発生挙動を示す図。 減筒運転制御の一例を示す図。 始動前冷却水温度と白煙濃度の関係を示す図。 減筒運転時の燃焼騒音を示す図。 直列6気筒エンジンの場合の切替制御を示す図。 V型8気筒エンジンの場合の切替制御を示す図。 運転気筒切り替え時のオーバーラップ制御を示す図。 直列6気筒エンジンで1・2・3気筒群と4・5・6気筒群とを切り替えて運転する場合の実施例を示す図。 直列6気筒エンジンにおけるエアヒータの作動例を示す図。 従来のエンジン制御フローを示す図。
符号の説明
1 エンジン
5 ECU
10 冷却水温度センサ
12 ピックアップセンサ

Claims (5)

  1. コールドスタート時に減筒運転を実施する電子制御直噴式内燃機関の制御方法において、減筒運転期間を始動後一定時間に限定するとともに、該減筒運転期間内においては運転気筒と休止気筒を設定時間毎に変更することを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. L型6気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては1・2・3気筒群と4・5・6気筒群を一定の時間区切りで交互に休止させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  3. 2つのバンクを備えたV型多気筒の内燃機関の制御方法において、前記減筒運転期間内においては一方のバンクの気筒と他方のバンクの気筒とを一定の時間区切りで交互に休止させることを特徴とする内燃機関の制御方法。
  4. 前記時間区切りで気筒を交互に休止させる時に所定時間のオーバーラップを設けることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の制御方法。
  5. 前記内燃機関の燃焼室内に導入される吸気を加熱する吸気加熱装置を装備し、該吸気加熱装置は減筒運転時に運転される気筒に対して作動するようにしたこと特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
JP2006310808A 2006-11-16 2006-11-16 内燃機関の制御方法 Pending JP2008128017A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006310808A JP2008128017A (ja) 2006-11-16 2006-11-16 内燃機関の制御方法
KR1020097010949A KR101115106B1 (ko) 2006-11-16 2007-09-21 내연 기관의 제어 방법
AT07807736T ATE507380T1 (de) 2006-11-16 2007-09-21 Verfahren zur steuerung eines verbrennungsmotors
CN2007800426553A CN101535614B (zh) 2006-11-16 2007-09-21 内燃机的控制方法
PCT/JP2007/068404 WO2008059663A1 (fr) 2006-11-16 2007-09-21 Procédé de commande de moteur à combustion interne
EP07807736A EP2085592B1 (en) 2006-11-16 2007-09-21 Method of controlling internal combustion engine
DE602007014251T DE602007014251D1 (de) 2006-11-16 2007-09-21 Verfahren zur steuerung eines verbrennungsmotors
US12/514,698 US8096286B2 (en) 2006-11-16 2007-09-21 Method of controlling internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006310808A JP2008128017A (ja) 2006-11-16 2006-11-16 内燃機関の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008128017A true JP2008128017A (ja) 2008-06-05

Family

ID=39554137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006310808A Pending JP2008128017A (ja) 2006-11-16 2006-11-16 内燃機関の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008128017A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015185986A1 (en) 2014-06-04 2015-12-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine with cylinder deactivation

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015185986A1 (en) 2014-06-04 2015-12-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine with cylinder deactivation
US10260437B2 (en) 2014-06-04 2019-04-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine with cylinder deactivation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4616818B2 (ja) 内燃機関の制御方法
US20120204827A1 (en) Method, control unit, and internal combustion engine having cylinder deactivation for a start-stop operation having direct start
JP5136722B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006090308A (ja) 触媒を有する内燃機関の運転方法および装置
JP2005232990A (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置
JP4453584B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4670710B2 (ja) エンジンの始動装置
JP5168065B2 (ja) ディーゼルエンジンの制御装置及びディーゼルエンジンの制御方法
JP2008031991A (ja) 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置及び制御方法
JP4665818B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2010185433A (ja) 内燃機関の触媒暖機制御装置
JP5899621B2 (ja) 内燃機関のグロープラグ制御装置
JP4743139B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP2008128017A (ja) 内燃機関の制御方法
JP2009222002A (ja) ディーゼルエンジンの自動停止装置
JP2008128018A (ja) 内燃機関の制御方法
KR101115106B1 (ko) 내연 기관의 제어 방법
JP2006183493A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010031756A (ja) 内燃機関の可変気筒制御装置
JP2006214272A (ja) 内燃機関の始動時制御装置
JP2005155462A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP5512299B2 (ja) エンジン
JP2009167856A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011099399A (ja) 内燃機関の制御方法及び制御装置
JP2008180096A (ja) エンジンの始動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02