JP2008124590A - 同軸ケーブル端末加工品 - Google Patents

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隆宏 小松
Takashi Serizawa
岳志 芹澤
Michiyuki Matsui
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、インピーダンス整合性と軽量小型化とを兼備する同軸ケーブル加工品を提供することにある。
【解決手段】 内部導体(1a)を被覆するフッ素樹脂誘電体層(1b)の外周に金属メッキ層(1c)をシールド層として配した同軸ケーブル(1)の端部において、先端から所定の長さに渡って、金属メッキ層(1c)及び該フッ素樹脂誘電体層(1b)が剥がされて内部導体(1a)が露出した同軸ケーブル(1)が接続部材(3)に接続された同軸ケーブル加工品において、インピーダンス調整のためのリング状の誘電体(2)を同軸ケーブル(1)の露出した金属メッキ層(1c)とアンテナ基板(3)上の放射エレメント(3a)との間の露出した内部導体(1a)の非接続部分に貫通状態で取り付ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、情報通信機器、通信端末機器、さらには計測機器等の高周波部品の信号伝達線路として用いられる同軸ケーブル端末加工品に関する。就中、本発明は、インピーダンス整合性が改善された同軸ケーブル端末加工品に関する。
上述した機器類においては、機器部と同軸ケーブルとのインピ−ダンス整合がなされる。アンテナの例で述べると、アンテナエレメントの放射エレメントと給電部間にマッチング回路を設け、このマッチング回路の給電線部に複数箇のマッチング素子を装着することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、この提案では、該マッチング回路に複数の装着箇所を設ける必要があるので、取り付けスペース上の問題が生じる。
一方、上記のマッチング素子を装着しない態様として、あらかじめインピーダンス調整(整合)がなされた接続基板も知られている。
しかし、接続される信号線の数が多くなるにしたがい、接続基板には予想以上のスペースが必要となること、さらには該基板自体が高価であることから、このような基板の採用には自ずと制約がある。
さらに、上述した機器類においては、給電部材である同軸ケーブルに対しても益々小型・細径化の要求が強くなってきている。この要求に対処するために、目下の命題は、より制約されてくるスペース内で如何にインピ−ダンス整合を図るかにある。
特開2005−110144号公報
したがって、本発明の課題は、従来の問題を解消することにより、インピーダンス整合性と軽量・小型化とを兼備する同軸ケーブル端末加工品を提供することにある。
本発明者は、端末加工のために露出された内部導体周りの空スペースにインピーダンス調整のための付加的誘電体を配するとともに、同軸ケーブルの外部導体に金属メッキ層を採用することにより、所望の同軸ケーブル端末加工品を得るに至った。
本発明の同軸ケーブル端末加工品(以下、端末加工品と略記する)にあっては、以下のような顕著な効果が奏される。
a.インピーダンス整合がなされていない安価な基板を用いた場合でも、この不整合の問題が解消される。
b.端末加工のために露出された内部導体周りの空きスペース(空間)が活用されるので、従来のようにマッチング素子装着用の余分なスペースを確保する必要がなく、したがって、端末加工品が小型化される。
c.シールド層(外部導体)に表面平滑性に優れた金属メッキ層を配するので、該メッキ層とこれの接続部との接触面積が増加し、接続強度が上がる。
d.該金属メッキ層は、シールド層として汎用されている金属編組層に比べて、薄肉・軽量であるので、端末加工品の軽量・小型化に寄与する。
e.上記のc項の接着強度向上、およびd項の軽量・小型化の効果は、端末加工品としてフラットケーブルを製品化する際に、相乗的に増幅される。
以下、本発明の端末加工品について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、接続部材としてアンテナ基板を適用した際の端末加工品の一例を示す斜視図である。
図2は、接続部材として、フラットケーブル化用配線基板を適用した際の端末加工品の一例を示す平面図である。
図3は、図2のA-A線での部分拡大断面図である。
図4は、本発明で使用する同軸ケーブルの端末剥離状態を示す側面図である。
図5は、本発明で使用する同軸ケーブルの好ましい例を示す側面図である。
図6は、図1の端末加工品の周波数特性(VSWR)を示すグラフである。
図7は、比較用端末加工品の周波数特性(VSWR)を示すグラフである。
図1において、(1)は同軸ケーブルで、内部導体(1a)と、これを被覆するフッ素樹脂誘電体層(1b)と、該誘電体層の外周にシールド層として配された金属メッキ層(1c)と、該金属メッキ層の外周に設けた外被(1d)とを含んでいる。そして、このケーブル(1)の端末部先端から、図4に示すように、内部導体(1a)、同一位置で剥離されたフッ素樹脂誘電体層(1b)及び金属メッキ層(1c)が順次露出している。
(3)は、接続部材となるアンテナ基板で、ここでは、折り返し状(逆コの字状)の放射エレメント(3a)、グランドパターン(3b)、および短絡部材(3d)からなる導体部と、これを担持する基材(3c)とからなる例が示されている。そして、この例では、放射エレメント(3a)が、同軸ケーブル(1)の内部導体接続部として他方、グランドパターン(3b)が該ケーブルのシールド層接続部として機能する。
これにともなって、露出した内部導体(1a)の先端は、放射エレメント(3a)上の給電点(S1)に接続され他方、露出した金属メッキ層(1c)はグランドパターン(3b)上のアースポイント(S2)に接続される。この時点で、一応の端末加工品が形成されるが、そのインピーダンス調整は必ずしも万全ではない。
このインピーダンス調整に関して、本発明では、端末加工品において必然的に生じている空きスペースが有効活用される。つまり、図1に示すように、放射エレメント(3a)とグランドパターン(3b)との間の空きスペースで、内部導体(1a)の非接続部分にインピーダンス調整のための付加的誘電体を装着するものである。この例では、リング状の付加的誘電体(2)に内部導体(1a)が貫通している。
この付加的誘電体(2)の形状はリング状に限られず、チップ片のような板状体であってもよい。付加的誘電体(2)の材質は、フッ素樹脂、ポリイミド、あるいはポリエチレン等の誘電体の機能を有するものであればよいが、その中でもフッ素樹脂が特に好ましい。この場合のフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
さらに、付加的誘電体(2)のサイズは、同軸ケーブルの外径、上述した空きスペースとの関係で適宜決定される。一般には、リング状の場合は、外径が1mm〜10mm、内径が0.2mm〜5mm、厚さ0.5mm〜5mmのものが好ましい。一方、細幅の板状体の場合は、縦1mm〜10mm、横1mm〜50mm、厚さ0.5mm〜10mmのものが好ましい。後者の板状体は、露出した内部導体(1a)周りの空きスペース、すなわち露出した内部導体(1a)と基材(3c)と間のスペースに、好ましくは両者に接触する状態で介装される。
また、付加的誘電体(2)の取付位置は、調整するインピーダンスに応じて変化するが、一般には露出した誘電体層(1b)の先端から0.5mm〜10mmの間隔をおいて配設される。上述した付加的誘電体(2)のインピーダンス調整機能は、同軸ケーブルの内部導体(1a)とシールド層である金属メッキ層(1c)間の容量性を変化させてインピーダンス整合を図るものである。すなわち、付加的誘電体(2)を設けた部分では、他の部分より金属メッキ層(1c)への距離が近くなるため、同軸ケーブル(1)のインピーダンスの容量性が変化し、インピーダンス整合がなされる。
つぎに、本発明で使用する同軸ケーブル(1)について述べる。このケーブルのシールド層を形成する金属メッキ層(1c)としては、無電解金属メッキ層、無電解金属メッキ層にさらに電解金属メッキ層を上乗せした金属メッキ複合層、あるいは導電樹脂膜上に電解金属メッキ層を上乗せした樹脂―金属メッキ複合層などが挙げられる。
上記の無電解金属メッキ層としては、その膜厚が0.05μm〜5μmの銅メッキ層が好ましい。このメッキ層の形成に際しては、通常の処方に従って、金属、キレート剤および還元剤を含むメッキ液を採用すればよい。
このような無電解金属メッキ層上に上乗せする電解金属メッキの膜厚の下限値は、十分なシールド特性を確保するために0.5μm以上が必要であり他方、その上限値は、同軸ケーブルの外径や可撓性を考慮して、30μm以下とするのが好ましい。このメッキ層は、硫酸銅電気メッキやシアン化銅メッキ等の通常のメッキ処方にしたがって形成される。
また、上記の金属メッキ複合層の無電解メッキ層に代えて、採用する導電樹脂膜については、その膜厚を、電解金属メッキ層との十分な結合力および電気特性に配慮して、0.001μm〜3μmとするのが好ましい。導電樹脂膜を形成する処理剤としては、導電樹脂の有機溶剤溶液に導電化促進剤、および金属触媒核を混在したものが好ましく用いられる。具体的には、導電樹脂としてピロール系、アニリン系、チオフェン系等が、導電化促進剤としてチオジグリコール酸等の硫化物が、触媒核としてパラジウム金属イオン錯体や塩化物、硫酸塩、酢酸塩などのパラジウム化合物が挙げられる。導電樹脂膜の形成に際しては、上述した混合溶液を、例えばディッピング処理すればよい。
図5には、金属メッキ層(1c)の耐屈曲性がさらに改善された例が示されている。この態様においては、図1の誘電体層(1b)と金属メッキ層(1c)との間に、双方に親和性を呈し、もって双方向的接着能を発揮する接着性樹脂膜(1e)が介在している。この接着性樹脂膜(1e)は、金属メッキ層(1c)が無電解金属メッキ層の場合は、誘電体層(1b)と該無電解金属メッキ層との間に介在し他方、金属メッキ層(1c)が導電樹脂膜―金属メッキ複合層の場合は、誘電体層(1b)と該導電樹脂膜との間に介在する。これにより、誘電体層(1b)と接着性樹脂膜(1e)と金属メッキ層(1c)とが三位一体的に接着・結合され、しかも均一な膜厚の金属メッキ層(1c)が得られる。
上記の接着性樹脂膜(1e)は、誘電体層(1b)および金属メッキ層(1c)の両方に対して化学的親和性と物理的(変形ないし応力)追従性を有する接着性樹脂で構成される。このような接着性樹脂としては、接着剤用に開発された低融点の共重合(ないし変性)ナイロンあるいはポリアミドイミドが好ましい。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、さらにはナイロン610に第三成分を共重合することにより得られた、融点が150℃以下の共重合体が挙げられる。このような共重合体の例としては、メトキシメチル基を導入してアルコール可溶としたものがあり、例えば、「AQナイロン」(東レ株式会社製)が挙げられる。
上記の接着性樹脂のうち、メトキシメチル基が導入されたナイロン系共重合体は、伸び率が200%を越え、フッ素樹脂の伸び率(300%前後)に接近している。したがって、同軸ケーブルが屈曲されても、誘電体層(1b)との界面、および金属メッキ層(1c)との界面での応力集中を吸収する機能を呈する。接着性樹脂膜(1e)の厚さの下限値は、誘電体層(1b)との十分な接着力を得るため0.01μm以上であるのが好ましく他方、その上限値は誘電率の上昇防止に配慮して3μm以下とするのが好ましい。
図2および図3には、本発明の別の態様として、フラットケーブル化した端末加工品が示されている。この例では、接続部材として配線基板(4)が用いられ、同軸ケーブル(1)の複数本(同軸ケーブル群)が該基板上に並列状態に配置され、その際、露出した内部導体(1a)の一群および露出した金属メッキ層(1c)の一群はそれぞれの接続部に接続されている。この場合の内部導体接続部は内部導体接続パターン(4a)で、シールド層接続部は一括接続グランドパターン(4b)であり、これらはともに基材(4c)に担持されている。なお、“フラットケーブル化“とは、同軸ケーブル群の一方または両方の端末加工部がフラット状態にあることを指し、該ケーブル群の本体部はフラット状でも円形状に束ねられた状態であってもよい。
このフラットケーブルのインピーダンス調整のための付加的誘電体としては、細幅の板状体(2)が採用される。図2〜図3においては、該細幅の板状体(2)は、露出した内部導体(1a)の非接続部分(内部導体接続パターン(4a)と露出したフッ素樹脂誘電体層(1b)及び金属メッキ層(1c)の先端との間の空きスペースに在る内部導体部分)と基材(4c)上に設けられたグランドパターン(4b)との間で、両者に接触する状態で介装されている。もちろん、付加的誘電体として、図1に示したリング体を露出した内部導体毎に配することもできる。ただ、この場合は、用いた同軸ケーブルの本数に相当する数のリング体が必要になり、それらの取り付け(貫通)作業性に時間がかかる。また、別のケースとして、同軸ケーブル群のうち、一部のケーブルのインピーダンス調整を図ることもあり、このときは、リング体でも有効に適用される。このような付加的誘電体(2)は、これまで例示した別体物に限られることなく、同軸ケーブル(1)のフッ素樹脂誘電体層(1b)を剥離する際、その一部を露出した内部導体(1a)の非接続部分に不連続状態で残存させたものでもよい。
図2〜図3に示した細幅板状体(2)のサイズは、同軸ケーブル(1)の外径、該ケーブル間の距離、基材(4c)との間の空きスペースとの関係で適宜決定される。一般には、細幅の板状体の場合は、縦1mm〜10mm、横1mm〜50mm、厚さ0.5mm〜10mmのものが好ましい。また、リング体にあっては、外径が1mm〜10mm、内径が0.2mm〜5mm、厚さ0.5mm〜5mmのものが好ましい。
本発明で使用する同軸ケーブルのメッキ層については、既に述べたので、その余のケーブル構成に触れる。同軸ケーブルとしては、外径が0.2mm〜1.5mmの細径化ないし極細化ケーブルが好ましく用いられる。このとき、内部導体(1a)としては通常、直径が0.03〜0.15mmのスズ入り銅合金、銀銅合金線、軟銅線等からなる導線の単線またはそれらを撚り合わせてなる、外径が0.06mm〜0.5mmの細線が好ましい。内部導体(1a)を被覆する誘電体層(1b)は、フッ素樹脂で構成される。このフッ素樹脂としては、同軸ケーブルの信号伝送特性およびハンダ固定を行う際の耐熱性を考慮すると、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが好ましく用いられる。この誘電体層(1b)は、その強度と同軸ケーブルの外形寸法を考慮し、0.05mm〜0.5mmの厚さに調整すればよい。さらに、外被(1d)を構成する材質としては、ポリエステルフィルムやフッ素樹脂等が用いられる。
本発明で用いる接続部材としては、既に述べたアンテナ基板や回路基板のような基板類、さらにはハウジングのようなコネクタ類が挙げられる。また、板金アンテナエレメントについてもそれが、基材として機能する適宜の保持部材に固定される限り、接続部材として採用される。これらにあって特に好ましいのは配線基板である。この配線基板の基材(3c)、(4c)の材質としては、ガラスエポキシ、紙エポキシ、ベークライト、さらにはポリイミド等が挙げられる。その中でも、薄くても強度があり、しかも誘電率も高いポリイミドあるいはガラスエポキシが特に好ましい。この基材は、その機械的強度を考慮すると、0.05mm〜2mmの厚さを有しているのが好ましい。
また、基材(3c)上に設けられるアンテナエレメント(3a)やグランドパターン(3b)の厚さについては、強度等を考慮し、0.01mm〜0.5mmとし他方、それらの幅はハンダ付着量と接続強度とを考慮し、0.6mm〜5mmとするのが好ましい。一方、基材(4c)上に設けられる内部導体接続パターン(4a)については、接続強度等を考慮し、厚さが0.01mm〜0.1mm、幅が0.3mm〜1.0mm、ピッチが0.3mm〜1.0mmにあるのが好ましい。また、一括接続グランドパターン(4b)については、厚さが0.01mm〜0.1mm、幅が0.5mm〜3mmにあるのが好ましい。これらパターンの材質は、すずメッキ、ハンダメッキした銅等の金属からなる金属箔、あるいは金属蒸着膜が採用される。
図1に示した端末加工品の製造方法の一例について述べる。まず、内部導体(1a)上にフッ素樹脂誘電体層(1b)を押出被覆した後、この誘電体層(2)の外周に接着性樹脂膜(1e)を形成する。このときの接着性樹脂は、濃度が10%〜20%(重量)の有機溶剤溶液として、これを押出被覆、ディッピング、またはスプレーコーティング等にて誘電体層(1b)上に適用してから乾燥・固化すればよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール等が用いられる。
さらに、接着性樹脂膜(1e)上に、無電解金属メッキ層を形成する。この場合、接着性樹脂膜(1e)を形成したケーブルを、好ましくはキレート剤として酒石酸の錯体を添加した無電解メッキ槽に浸漬して、該メッキ液を接着性樹脂膜(1e)上にディッピングしてから、乾燥・固化すればよい。このときの液温は15℃〜35℃、浸漬時間は1分〜10分程度であればよい。
得られた無電解金属メッキ層上に、さらに電解金属メッキ層を上乗せする。ここで、電解金属メッキは、硫酸銅やシアン化銅の電解メッキ処方の場合、メッキ液温度20℃〜35℃、電流密度0.1A/dm〜5A/dm、通電時間1分〜20分の範囲にあればよい。
上記の態様において、電解金属メッキ層を上乗せした後で、アニール処理することにより、メッキの固着性がさらに改善される。アニール処理の条件としては加熱温度50℃〜250℃、加熱時間が10分〜24時間程度であればよい。この時点で得られる金属メッキ層(1c)は、既に述べた金属メッキ複合層である。
さいごに、電解金属メッキ層の外周にフッ素樹脂等などを押出して外被(1d)を形成すると、図5に示すような同軸ケーブル(1)が得られる。
そして、上記の同軸ケーブル(1)の端末部において、その先端から所定の長さに渡って、内部導体(1b)、誘電体層(1b)および金属メッキ層(1c)をこの順序で露出させる。そして、この露出した内部導体(1a)の先端部から、リング状の付加的誘電体(2)を予め貫通させる。ついで、該露出した内部導体(1b)の先端を放射エレメント(3a)上の給電点(S1)にハンダ接続し他方、該露出した金属メッキ層(1c)を、グランドパターン(3b)上のアースポイント(S2)にハンダ接続する。このようにして、本発明の同軸ケーブル端末加工品が完成する。
(図1のアンテナ基板の例)
a.同軸ケーブル(1)の作成
まず、素線径0.127mmの銀メッキ軟銅線を7本撚って得た、撚り外径が0.381mmの銀メッキ軟銅線からなる内部導体(1a)の外周に、誘電体層(1b)としてPFAを被覆厚さ57.5μmとして押出し被覆した。つぎに、この誘電体層(1b)の外周に接着性樹脂液をスプレーコーティングして、膜厚が0.01μmの接着性樹脂膜(1e)を形成した。該接着性樹脂液としては、「AQナイロン」(東レ株式会社製)を用い、このときの液温は20℃とし、コーティング後の乾燥条件は乾燥温度50℃、乾燥時間5分とした。
さらに、上記接着性樹脂膜(1e)が形成されたケーブルを、無電解メッキ槽(槽温度32℃)で5分間ディッピング処理してから乾燥・固化して、膜厚が0.1μmの無電解金属メッキ層を形成した。このとき、無電解メッキ液としては、還元剤を添加した硫酸銅水溶液に、予めアルカリ性にした酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加えて調製した。この際の銅イオン濃度は2g/L、還元剤量2g/L、水酸化ナトリウム濃度2g/Lとし、水溶液のpHを12.4とした。また、メッキ条件は液温32℃、浸漬時間10分とした。この無電解金属メッキ層が形成されたケーブルに、さらに厚さ3μmの電解金属メッキ層を上乗せして、複合金属メッキ層(1c)を得た。このときの電解メッキ液は、4%の硫酸銅液で、電流密度は1.5A/dm 、通電時間は10分とした。
さらに、この複合金属メッキ層(1c)の外周(電解メッキ層の外周)に、PFAを被覆厚さ52.5μmにて押出し被覆して、外被(1d)を形成した。これにより、外径が1.4mm(AWG28に相当)の極細同軸ケーブル(1)を得た。
b.同軸ケーブル(1)の端末剥離
上記a項で得られた同軸ケーブル(1)の一方の端末部で、外被(1d)、複合金属メッキ層(1c)およびフッ素樹脂誘電体層(1b)を剥離した。その際、図4に示す各部材の露出長は、内部導体(1a)で5mm、誘電体層(1b)と金属メッキ層(1c)を同位置で剥離し、露出長が5mmとなるように剥離作業を行った。
c.アンテナ基板(3)の準備
縦30mm、横30mm、厚さ0.03mmのフィルム状のポリイミド樹脂からなる基材(3c)上に予め厚さが0.2mmの銅箔を貼り付けたアンテナ基板(3)を用意した。そして、この基板の銅箔部分をエッチングして、縦25mm、横30mmのグランドパタ―ン(3b)を形成した。さらに、エッチングを続行して2.4GHz帯の波長に対応する幅1.5mm、長さ30mmの逆コの字状放射エレメント(3a)を短絡部材(3d)を介してグランドパタ―ン(3b)と平行(間隔3.5mm)に形成した。
d. 付加的誘電体(2)の準備
厚さ1.5mm、内径0.4mm、外径4mmのPFAからなるリング状誘電体(2)を準備した。
e.アンテナ基板(3)への同軸ケーブル(1)および付加的誘電体(2)の取り付け
上記bにて作成した端末剥離された同軸ケーブル(1)の露出した内部導体(1a)に上記dにて準備したリング状誘電体(2)を貫通させ、該内部導体の先端部から2.5mmの位置(したがって、露出した金属メッキ層(1c)(誘電体層(1b))の先端部から2.5mmの位置)に固定した。つぎに、この状態から同軸ケーブル(1)の露出した内部導体(1a)の先端部を放射エレメント(3a)上の給電点(S1)に、露出した金属メッキ層(シールド層)(1c)の先端部をアースポイント(S2)にそれぞれハンダ接続して、本発明の同軸ケーブル端末加工品が完成した。
以上のようにして得られたアンテナにおいて、インピーダンスを50Ωに調整した場合の周波数特性(VSWR)は、図6のグラフに示すように、規定共振周波数(2.45GHz)にて2以下が達成されていた。その結果、アンテナとしての送受信性能およびインピーダンス整合性の両面で良好な結果が得られている。これに対して、上記実施例において付加的誘電体(2)を割愛した比較用アンテナ基板で、インピーダンスを50Ωに調整した場合の周波数特性(VSWR)を測定した結果が図7のグラフである。この図7から明らかなように、周波数特性は、規定共振周波数(2.45GHz)にて2を超えており、アンテナとしての送受信性能が確保されていない。
本発明の同軸ケーブル端末加工品は、インピーダンス整合性と軽量・小型化能とを兼備するので、情報通信機器、通信端末機器、計測機器のみならず、小型電子機器用にも有用である。
接続部材としてアンテナ基板を適用した際の端末加工品の一例を示す斜視図である。 接続部材として、フラットケーブル化用配線基板を適用した際の端末加工品の一例を示す平面図である。 図2のA-A線での部分拡大断面図である。 本発明で使用する同軸ケーブルの端末剥離状態を示す側面図である。 本発明で使用する同軸ケーブルの好ましい例を示す側面図である。 図1の端末加工品の周波数特性(VSWR)を示すグラフである。 比較用端末の周波数特性(VSWR)を示すグラフである。
符号の説明
1 同軸ケーブル
1a 内部導体
1b 誘電体層
1c 金属メッキ層(シールド層)
1d 外被
1e 接着性樹脂膜
2 付加的誘電体
3 アンテナ基板
3a 放射エレメント
3b グランドパタ―ン
3c 基材(アンテナ基板用)
3d 短絡部材
4 配線基板
4a 内部導体接続パターン
4b グランドパターン(フラットケーブル用)
4c 基材(配線基板用)
S1 給電点
S2 アースポイント




Claims (9)

  1. 同軸ケーブルの端末部が接続部材に接続されてなる同軸ケーブル端末加工品において、
    シールド層として金属メッキ層が配された同軸ケーブルの端末部先端から、内部導体、フッ素樹脂誘電体層およびシールド層が順次露出し;
    該露出した内部導体の先端部は該接続部材の内部導体接続部に、そして、該露出した金属メッキ層は該接続部材のシールド層接続部に接続され;
    その際、該露出した内部導体の非接続部分には、インピーダンス調整のための付加的誘電体が取り付けられていることを特徴とする同軸ケーブル端末加工品。
  2. 該接続部材が、基材に放射エレメントおよびグランドパターンが担持されてなるアンテナ基板である請求項1に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  3. 該放射エレメントおよびグランドパターンがそれぞれに、内部導体接続部およびシールド層接続部である請求項2に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  4. 該インピーダンス調整のための付加的誘電体が、該内部導体の非接続部分を囲撓した状態で取り付けられている請求項3に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  5. 該接続部材が、基材に内部導体接続パターンおよびグランドパターンが担持されてなる接続基板である請求項1に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  6. 該インピーダンス調整のための付加的誘電体が、該内部導体と該基材上の該グランドパターン間に介装されている請求項5に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  7. 該内部導体接続パターンと該グランドパターンとの間に、フラット化された同軸ケーブル群が接続されている請求項6に記載の同軸ケーブル端末加工品。
  8. 該金属メッキ層が、無電解金属メッキ層、該無電解金属メッキ層上に電解金属メッキ層を上乗せした金属メッキ複合層、および、導電樹脂膜上に電解金属メッキ層を上乗せした樹脂―金属メッキ複合層の群から選ばれた一種である請求項1〜6のいずれかに記載の同軸ケーブル端末加工品。
  9. 該内部導体を被覆する誘電体層と、該無電解金属メッキ層または導電樹脂膜との間に、両者に対して媒体的接着能を有する接着性樹脂膜が介在している請求項8に記載の同軸ケーブル端末加工品。
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