JP2008122178A - 積層体の積層状態の検査方法 - Google Patents

積層体の積層状態の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】積層時にマーカーを配置したり、積層体を切断するといったプロセスを得ずに、強化繊維シートを構成する補助糸の周期的な配置を利用して、積層体の積層角度、積層位置を検出する方法を提供し、高品質かつ低コストなCFRPの製造を実現する方法を提供すること。
【解決手段】 炭素繊維およびガラス繊維を含み、それらが周期的に配列されたUD強化繊維シートを複数積層してなる積層体の積層状態の検査方法であって、前記積層体のCTデータから、積層面に平行な複数のCT画像を得、その各々のCT画像に2次元離散フーリエ変換を行い、これを基に得られたパワースペクトルについて、原点以外で極大値をとる点の内、最大値をとる点の水平周波数uおよび垂直周波数vを得、tan-1(v/u)+π/2を計算することにより、UD強化繊維シートの積層角度θを検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、積層体を基に製造されるFRPの品質向上に向けた、積層体の積層形態を非破壊で検出する検出方法に関する。
FRPの製造分野では、FRPを構成する強化繊維またはマトリックス樹脂の改質により構造材としての性能を向上させる開発が行われている。また、構成する素材そのものの他、素材を複合させる段階を改良することで性能の向上や製造コストを低減させる開発が行われている。
とくに航空機の構造材等に用いられるFRPには、力学特性を最大に引き出すために繊維配向方向が一方向になるように織られたクリンプのないUD強化繊維シートが用いられ、これを所定の角度で積層して、設計した強度を実現する強化繊維基材(積層体)を製造する。UD強化繊維シートは一般にガラス繊維などの補助糸によって織られており、この補助糸は通常周期的に配置されている。
高品質なFRPを低コストで製造する方法として、最近RTM成形法が注目されている。RTM成形では、プリプレグを用いてCFRPを製造する場合とは異なり、あらかじめ積層・賦型した強化繊維基材に、後からマトリックス樹脂を、成形型内外の圧力差を用いて含浸させる。
FRPが十分な強度を設計通りに発揮するためには、設計通り正確な積層角度でおよび積層位置に強化繊維シートを積層する必要がある。しかしながら、これらの積層体は強化繊維シートの積層方向や積層位置の設定が人為的な作業によって行われるので、間違えて製造される可能性もある。このようなことから航空機の1次構造材となる積層体などは、サンプルを切り出して積層状態を検査することが行われている。
このような積層状態を検査する手段として、特許文献1に記載の検査方法が知られている。特許文献1に記載の積層状態の検査方法では、強化繊維シートにマーカー用の金属線を挿入し、金属線の挿入位置が互いに異なるように積層している。このようにすることで、積層体の外から金属線の存在を磁気で、または電磁的な手法で加熱した金属線を赤外線カメラで検出し、積層状態を検出するものである。
また、他の積層状態を検査する手段として、特許文献2に記載の検査方法が知られている。特許文献2に記載の繊維板では、繊維の配向方向の頻度分布を、板面に垂直に切断した切断面のデジタル画像信号の2次元フーリエ変換により誘導された2次元パワースペクトルを極座標解析して得られる繊維配向方向の頻度分布に基づいて計測している。このようにすることで、繊維板を切断した上である断面の繊維配向を検出するものであって、積層体を繊維板とすることで、積層状態の検査に流用できるものである。
特開2000−62838号公報 特開平9−158100号公報
本発明の課題は、積層時にマーカーを配置したり、積層体を切断するといったプロセスを得ずに、強化繊維シートを構成する補助糸の周期的な配置を利用して、積層体の積層角度、積層位置を検出する方法を提供し、高品質かつ低コストなCFRPの製造を実現する方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために以下の構成からなる。
(1)炭素繊維およびガラス繊維を含み、それらが周期的に配列されたUD強化繊維シートを複数積層してなる積層体の積層状態の検査方法であって、前記積層体のCTデータから、積層面に平行な複数のCT画像を得、その各々のCT画像に2次元離散フーリエ変換を行い、これを基に得られたパワースペクトルについて、原点以外で極大値をとる点の内、最大値をとる点の水平周波数uおよび垂直周波数vを得、tan-1(v/u)+π/2を計算することにより、UD強化繊維シートの積層角度θを検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
(2) 積層面に平行な任意のCT画像について前記最大値とは異なる、極大値をとる点の水平周波数u´および垂直周波数v´から、隣接して積層された複数のUD強化繊維シートが混成したCT画像の積層角度θ´および/またはUD強化繊維のうねりを検出する前記(1)に記載の積層体の積層状態の検査方法。
(3)炭素繊維およびガラス繊維を含み、それらが周期的に配列されたUD強化繊維シートを複数積層してなる積層体の積層状態の検査方法であって、前記積層体のCTデータから、積層面に平行な複数のCT画像を得、その各々のCT画像に2次元離散フーリエ変換を行い、これを基に得られたパワースペクトルについて、原点以外で極大値をとる点の内、最大値をとる点の水平周波数u、および、垂直周波数vを得、CT画像の水平方向の総画素数M、垂直方向の総画素数Nを、それぞれu、vで除し、それぞれ水平方向の単位画素あたりの長さ、垂直方向の単位画素あたりの長さを乗じて水平周期長さlx、垂直周期長さlyを計算し、
を計算することにより、UD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の配置間隔lを検出することを特徴とする、前記(1)に記載の積層体の積層状態の検査方法。
(4)前記CT画像の取得位置にCT画像の単位画素あたりの厚さを乗じて、前記UD強化繊維シートの積層位置として検出することを特徴とする、前記(1)から(3)のいずれかに記載の積層体の積層状態の検査方法。
(5)任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向と直交する、少なくとも2以上の平行な断面のCT画像を比較し、該CT画像間の距離l1、該CT画像間で移動する前記基準層以外の層のガラス繊維断面の移動距離l2を得、tan-1(l2/l1)を計算することにより、積層面内において前記基準層以外の層のガラス繊維が該CT画像と成す角ηを検出し、前記基準層以外の層のガラス繊維が基準層のガラス繊維の方向に対して成す角を検出し、UD強化繊維シートの積層角度を検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
(6)任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向と直交する、少なくとも2以上の平行な断面のCT画像を比較し、該CT画像間で移動する前記任意の層とは異なる層のガラス繊維断面の移動幅lwを検出し、ガラス繊維のうねりを検出し、該UD強化繊維シートのうねりを検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の積層状態の検査方法により得た、前記UD強化繊維シートの積層状態を、積層設計情報と照合することを特徴とする、積層体の品質検査方法。
本発明における炭素繊維とは、有機繊維等の原料繊維を加熱炭素化処理してえられる炭素の質量含有率が90%以上の繊維をいい、原料繊維により、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系やピッチ系などに分類され、それぞれ黒鉛結晶構造と類似し高性能、黒鉛化時の熱収縮が小さい、炭化収率で有利といった特徴を持つ。炭素繊維は、一般的にX線CTに用いられるX線を透過する性質を持つ。
ガラス繊維とは、ガラスを溶融延伸し、繊維状としたものである。本発明において、ガラス繊維は、主に炭素繊維を用いたUD強化繊維シートの補助糸に用いられ、典型的には直径100μm程度の長繊維のものを想定している。ガラス繊維は、一般的にX線CTに用いられるX線を吸収する性質を持つ。
UD(一方向)強化繊維シートとは、CFRPの製造において、マトリックス樹脂を含浸させる前の、強化繊維基材を製造する際に、強化繊維基材を構成する積層部材として用いられるシートをいう。炭素繊維を一方向に織り、積層したときにクリンプ(屈曲)することがないノンクリンプと呼ばれる、一般的なクリンプ材料よりCFRPの機械的特性を向上させることが可能な強化繊維シートいう。本発明では、炭素繊維を主繊維、ガラス繊維を補助糸(縦糸)として織ったシートを想定している。
積層状態とは、積層構成と積層形態を総称して言うものとする。
積層体の積層構成とは、一般に積層体を構成する強化繊維シートの種類、積層角度や積層順序を表すが、本発明においては、UD(一方向)強化繊維シートを用いた場合における積層角度や積層順序を表すものとする。具体的な積層構成の代表的な例としては、[−45°/90°/45°/0°]sの角度、順序で積層する擬似等方積層がある。ここで、[X°]とは、基準線と成す角度がXということであり、通常ー90°<X≦90°の範囲で記載する。本発明では、簡単のため0°から180°の範囲で角度を記載しているが、同様の趣旨である。また、[X°/Y°]とは、X°で第1のシートを積層した後、第2のシートをY°で積層することを表す。更にまた、[X°/Y°]sとは、[X°/Y°/Y°/X°]というように対称に(Sは「Symmetric」を表す)なるよう積層した構成を表す。
積層体の積層形態とは、積層体を構成する各層の面内での角度のズレや、面外へのうねりや傾き等をいう。積層体を構成するUD強化繊維シートは、理想的には設定どおりの積層方向で、かつ、積層面と平行な平面として積層されるべきであるが、現実には設定された積層方向と角度がずれていたり、また、うねりを有して屈曲した面として積層されている事から、当初の設計通りの積層構成で積層しても、設計どおりの機械的強度を実現できないことがある。そのため、積層形態を検査することが必要とされている。
本発明においてCTデータとは、投影(物体内部を透過して形成されるデータ)から物体内での3次元的な透過率の分布を求めたものをいう。本発明の場合、具体的には、積層体を3次元座標において単位体積の領域に分割し、各領域それぞれについてのX線の吸収率データを対応させたデータの集合をいう。単位体積を細かくするほど、空間的に高分解能を実現できるが、計算機が取り扱えるデータの容量や演算時間の制限により、撮像範囲が狭くなるといったように分解能と撮像範囲はトレードオフになる。
本発明においてCT画像とは、前記CTデータを積層体のある断面について、再構成し、断面の各点における、X線の吸収率の分布をを2次元的に画像化して表示したものをいう。3次元座標上のCTデータをそのままの形で把握するのは難しいことから、通常、ある方向を設定して、その方向の断面を表すCT画像で表現する。本発明においてCT画像の画素値とは、CT画像の各画素に対応する3次元座標上のX線吸収率の強弱を表す、画素の明るさをいう。一般的に0〜255の256階調で表すことが多い。本発明においても、256階調を採用している。本発明は、炭素繊維とガラス繊維というX線の透過・吸収量の差が大きな、CT画像がコントラスト良く撮像される材料の組を用いるため256階調で十分に実施可能であるが、ガラス繊維の径が細いときや、透過・吸収量の差が小さな他の繊維の組を用いる場合には、CT画像にしたときのコントラストが弱くなることが想定されるので、このようなときには、256以上の階調で表現された画素値を採用することが望ましい。
2次元離散フーリエ変換とは、CT画像の画素値の分布をf(x,y)、CT画像のx(水平)方向の総画素数をM、y方向の総画素数をNとおいたとき、次の式で表される(x,y)座標系から、(u,v)座標系への変換、もしくはf(x,y)が変換されたF(u,v)そのものをいい、下式で表される。
水平周波数とは、上式でuと表した2次元離散フーリエ変換の変数をいい、f(x,y)がx方向にもつ周期性を表し、垂直周波数とは、上式でvと表した2次元離散フーリエ変換の変数をいい、f(x,y)がy方向にもつ周期性のことを表す。
パワースペクトルとは、2次元離散フーリエ変換の絶対値を2乗したものをいう。
パワースペクトルの値は、
と書け、f(x,y)がx方向にM/u画素数の周期で分布して、かつy方向にN/v画素数の周期で分布しているとき、座標(u,v)で極大値をとる。パワースペクトルの性質上、座標(u,v)で極大値をとれば、座標(−u,−v)でも局大値をとるので、v>0および、u≧0かつv=0の領域に限定して考えることとする。f(x,y)の分布がただ一つの周期だけを有するということは少なく、通常他の周期も含み、パワースペクトルにおいて極大値をとる座標が(u,v)以外に(u´,v´)も存在するということがある。この場合、(u,v)に対応するf(x,y)の分布の周期の振幅が大きいほど、
も大きくなるため、パワースペクトルが複数の極大値を有するときは、それらの極大値を比べることで、f(x,y)においてどのような周期の分布の振幅が強いか判定することが可能である。
本発明での「積層角度」とは、積層時の基準線とUD強化繊維シート炭素繊維の配向方向が成す角度のことをいう。なお、積層体単独で見た時には、積層時の基準線が不明な場合が想定されるが、本発明においてはこのような場合には、任意の1層を代表させ、その層の強化繊維の方向を基準線とみなし、これに対する角度として表しても良い。通常、補助糸として用いられるガラス繊維は、常に炭素繊維と一定の角度を成す。よって、ガラス繊維の配向方向を求めることで炭素繊維の配向方向を知ることができ、積層角度も知ることができる。また、本発明ではUD(一方向)強化繊維シートを扱っているため、積層角度は0°以上180°未満に限定することができる。そこで、本発明においては、計算上0°未満になる場合または180°以上になる場合は、値に180°の整数倍を乗じた値を、加算することで0°以上180°未満に変換して、その値を積層角度とする。また、計算の都合上、角度をラジアンで表現することが多い(例えば上式)が、積層角度自体は「°」で記載する。混乱がない限り、適宜読み替えることとする。
積層面に平行とは、UD強化繊維シートを最初に積層するときの基準とする面と平行であることをいう。通常の積層作業では、積層作業を行うときに用いる作業机の上面が基準面となることから、積層作業時の第1層と平行であることをいう。なお、積層体単独で見た時には、いずれの面が基準面か判別しにくい場合が想定されるが、本発明においてはこのような場合には、平板上に静置したとき、より平面性が高いほうの面を基準面とみなすものとする。
隣接して積層された複数のUD強化繊維シートが混成したCT画像とは、1枚のCT画像に複数の隣接したUD強化繊維シートが撮像されたCT画像のことをいう。CT画像を取得したとき、積層面とUD強化繊維シートが完全に平行ならば1枚のCT画像に1種類のUD強化繊維シートが撮像されるはずであるが、通常、UD強化繊維シートが積層面に対して傾きうねっているので、1枚のCT画像に複数の隣接したUD強化繊維シートが撮像されることが多い。このようなCT画像の場合、目視ではどの位置のどの積層角度を有するUD強化繊維シートが位置しているのか判別が困難であり、従来積層材料に対するCT画像による検査技術の実用化を阻害していた。
UD強化繊維シートのうねりとは、UD強化繊維シートが積層面に対して傾き、部分部分で積層方向に対して上下に位置を変えていることをいい、うねり量とはその変動幅をいう。
CT画像の単位画素あたりの長さとは、CT画像を構成する画素が対応する、実際の積層体における長さのことをいう。なお、前述のように、CTデータについて撮像範囲は空間分解能とトレードオフの関係にあるため、CT画像の単位画素あたりの長さも、撮像範囲によって制限される。
水平周期長さとは、CT画像の画素値が有する水平方向の周期の1波長を表す。
垂直周期長さとは、CT画像の画素値が有する垂直方向の周期の1波長を表す。
ガラス繊維の配置間隔とは、UD強化繊維シートに補助糸として配置されるガラス繊維の同一層内での配置間隔のことをいう。
CT画像の単位画素あたりの厚さとは、CT画像1枚に対応する、実際の積層体における厚さをいう。なお、前述のように、CT画像の単位画素あたりの長さと同様に、CT画像の単位画素あたりの厚さも、撮像範囲によって制限される。
積層設計情報とは、積層体を構成するUD強化繊維シートの積層枚数および、UD強化繊維シートを積層する際の積層角度に関する情報をいう。
本発明の積層状態の検出方法および積層体の検査装置によれば、積層体に本来必要のない金属線を挿入したり、積層体を切断するといったプロセスを得ずに、非破壊的に積層体の繊維配向、積層位置といった積層形態を検出が可能となり、この方法を用いた検査装置を導入することで、全数検査が可能となり、不良品の混入を防止することができる。
以下に本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、まず本発明の検査方法を実施する上で取得するCT画像を表す図である。
本発明ではCTに用いる線源としてX線を採用しており、積層体のCTデータ1は、積層体各部のX線の吸収度合いの分布を3次元で示すデータであって、合計4次元のデータである。このCTデータ1から、積層面に平行なCT画像11を、積層方向2に渡って複数取得する。UD強化繊維シートは、主たる強化繊維である炭素繊維111を、周期的に一定間隔で配置したガラス繊維112を縦糸として織った構造を有し、炭素繊維111およびガラス繊維112が方向2へ一方向に揃えられている。炭素繊維111は比較的X線を透過し、ガラス繊維112は比較的X線を吸収するため、主にガラス繊維が際立って、CT画像上に表示される。つまり、CT画像11は、周期的にlの間隔で配置されたガラス繊維により、水平方向に長さlxの周期を有し、垂直方向に長さlyの周期を有する。
図2は、本発明のUD強化繊維シートの積層構成の一例を表す図である。
本発明の積層体は、複数の方向のUD強化繊維シートを、ある角度で積層されるように設計したもので、例えば、水平方向を0°として、45°の方向を有するUD強化繊維シート41の上に90°の方向を有するUD強化繊維シート42を積層し、その上に135°の方向を有するUD強化繊維シート43を積層し、その上に0°の方向を有するUD強化繊維シート44を積層し、その上にまた45°の方向を有するUD強化繊維シート41を積層するといった構成をとる。通常、積層体の積層方向の中央を境に、積層角度の0°→45°→90°→135°といった回転方向が逆転して、対象になるように積層する。しかしながら、このような積層体は強化繊維シートの積層方向や積層位置の設定が人為的な作業によって行われるので、必ずしも設計した通りの積層角度とはならない。
本発明では、図1のように取得した複数のCT画像の各々に2次元離散フーリエ変換を行い、これらを基に得られたパワースペクトルから、図2のような積層体における、任意の位置のUD強化繊維シートの積層角度を検出する。
取得したCT画像の各々に2次元離散フーリエ変換を行い、得られたパワースペクトルを以下に例示する。
図3は、0°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。
図4は、45°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。
図5は、90°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。
図6は、135°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。
以上の図で示すように、パワースペクトルは元になったCT画像の方向を反映したものになっている。以下ではこのことを説明する。
まずCT画像の画素値の分布を、水平方向をx、垂直方向をyとしてf(x,y)と表す。このとき、f(x,y)の2次元離散フーリエ変換F(u,v)は、次式のように表される。
ここで、MはCT画像のx(水平)方向の総画素数、Nはy方向の総画素数である。
uはf(x,y)がx方向にもつ周期性を表し、水平周波数と呼ぶ。vはf(x,y)がy方向にもつ周期性を表し、垂直周波数と呼ぶ。
パワースペクトルは、CT画像を2次元離散フーリエ変換したものの絶対値を2乗して得られる。つまり、パワースペクトルの値は、
と書けて、f(x,y)がx方向にM/u画素数の周期で分布して、かつy方向にN/v画素数の周期で分布しているとき、座標(u,v)で極大値をとる性質を持つ。パワースペクトルの性質上、座標(u,v)で極大値をとれば、座標(−u,−v)でも局大値をとるので、v>0および、u≧0かつv=0の領域に限定して考えることとする。
f(x,y)の分布がただ一つの周期だけを有するという場合は少なく、通常他の周期も含み、パワースペクトルにおいて極大値をとる座標が(u,v)以外に(u´,v´)も存在するということがある。この場合、(u,v)に対応するf(x,y)の分布の周期の振幅が大きいほど、
も大きくなるため、パワースペクトルが複数の極大値を有するときは、それらの極大値を比べることで、f(x,y)においてどのような周期の分布の振幅が強いか判定することが可能である。
以上のように、パワースペクトルは元になるCT画像の、画素値の分布の周期を反映している。CT画像の周期は、UD強化繊維シートに周期的に一定間隔で配置されたガラス繊維によって成り、ガラス繊維の配向方向とは垂直な方向に、その周期を有する。ガラス繊維の配向方向は、UD強化繊維シートの積層方向である。よって、パワースペクトルの分布方向と、CT画像に写るUD強化繊維シートの積層方向とは90°の角度を成し、
図3のようにパワースペクトルの分布が90°の方向を向いているときは、CT画像に写るUD強化繊維シートの積層方向が0°(180°)であると、図4のようにパワースペクトルの分布が135°の方向を向いているときは、CT画像に写るUD強化繊維シートの積層方向が45°(225°)であると、図3のようにパワースペクトルの分布が0°の方向を向いているときは、CT画像に写るUD強化繊維シートの積層方向が90°であると、図3のようにパワースペクトルの分布が45°の方向を向いているときは、CT画像に写るUD強化繊維シートの積層方向が135°であると検出することができる。
一般に、まばらに分布したパワースペクトルの方向を計算するには、局座標解析または重心計算が必要になり、検出手続きは煩雑になる。本発明では、パワースペクトルにおいて極大値を取る点の内、最大値をとる点をピンポイントで用いることで、簡潔な積層角度の検出が可能である。
図7は、パワースペクトルにおいて極大値をとる点の座標から、UD強化繊維シートの積層角度および/またはUD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の配置間隔を検出する過程を表す図である。
前術の通り、パワースペクトルは、元のCT画像f(x,y)がx方向にM/u画素数の周期で分布して、かつ方向にN/v画素数の周期で分布しているとき、座標(u,v)で極大値をとる性質を持つ。元のCT画像は、ガラス繊維が周期的に一定間隔で配置され、一定の角度で積層されたUD強化繊維シートを反映しているので、ほぼ一定の画素数の周期を有する。よって、そのパワースペクトルは、該一定の画素数の周期に対応した座標に、明確な極大値を持つことになる。ただし、一般にパワースペクトルは、原点でも大きな極大値を持つので、原点を除去して考える。よって、パワースペクトルに現れた極大値を取る点を抽出し、その点と原点を結んだベクトルが水平方向と成す角度φを、極大値を取る座標を(u,v)とおいて、tan-1(v/u)を計算することにより求め、UD強化繊維シートの積層角度θは、φ+π/2を計算することで求めることができる。
図8は、0°および135°の角度を成す積層面が混成したCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。
CT画像は、図3から6に示すように周期性が一方向である場合だけでなく、図8に示すように2方向以上の周期が混成することがある。これは、積層したUD強化繊維シートの隣接したシートが、一のCT画像に同時に撮像されていることに起因する。この場合、目視では合理的にCT画像に写るUD強化繊維シートの積層角度を判定することが容易ではないが、このような場合にも、最も強くCT画像に写るUD強化繊維シートの積層角度を抽出して合理的に代表的なUD強化繊維シートの積層角度を検出する方法を以下で説明する。
図9は、異方向の積層面が混成したCT画像のパワースペクトルから、混成した積層面の積層角度を検出する過程を表す図である。
パワースペクトルにおいて極大値をとる座標が(u,v)以外にも、(u´,v´)も存在している。このとき、(u´,v´)におけるパワースペクトルの極大値の値が、(u,v)における値よりも大きいならば、元のCT画像でも(u´,v´)に対応する周期が顕著であることを示している。(u´,v´)について、その点と原点を結んだベクトルが水平方向と成す角度φ´をtan-1(v´/u´)を計算することにより求め、意方向の積層面が懇請したCT画像においても、UD強化繊維シートの積層角度θ´を、φ´+π/2を計算することで求めることができる。
また、隣接した層の積層角度を検出して、混成している角度が上に積層された層と同じ積層角度なのか、下に積層された層と同じ積層角度なのか対応をとることで、CT画像を取得した断面に対して、対応するUD強化繊維シートのどの部分が上下にうねっているのかという積層形態を検出することができる。
元のCT画像f(x,y)がx方向にM/u画素数の周期で分布して、かつy方向にN/v画素数の周期で分布しているとき、座標(u,v)で極大値をとる性質を持つので、パワースペクトルからx,y方向に分布している周期の画素数M/u、N/vを求めることができ、これに単位画素あたりの実際の長さを乗じることで、図1で説明するUD強化繊維シートに配置されるガラス繊維がx、y方向に有する水平周期長さlx、垂直周期長さlyを計算することができ、
を計算することで、UD強化繊維シートに配置されるガラス繊維の配置間隔lを求めることができる。
以上で説明した方法によって、積層面に平行なCT画像より、UD強化繊維シートの積層角度、うねり、うねり量、ガラス繊維の配置間隔を出することができる。これらの積層構造や積層形態を検出したCT画像は、そのCT画像を取得するまでに取得したCT画像の枚数に、CT画像1枚あたりに対応する厚さを乗じて計算することで、積層体における実際のUD強化繊維シートの位置と対応させることができ、積層体 の積層方向に渡ってどの位置に、UD強化繊維シートがどのような角度で積層されており、どの程度うねっているかということを検査することができる。
図1から9までは、積層面に平行なCT画像を用いた積層体の積層構成の検出方法を図示してきた。図10は、任意の1層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向50と直交する、少なくとも2以上の断面のCT画像を比較し、強化繊維の積層角度を検出する過程を表す図である。上の図は積層面を上方より見た図で、下の図はCT画像を取得した面を、正面から見た図を表している。CT画像61を取得して、次にCT画像62を取得したとき、ガラス繊維5の断面 51は5断面52へ、矢印72の方向に移動するように見える。このとき、CT画像61とCT画像62の間との距離をl1、断面51と断面52との距離をl2おくと、基準層のガラス繊維の方向に対して成す角ηはtan-1(l2/l1)として計算することができる。よって、積層角度は、基準層の積層角度からηずれたものであると検出することができる。
図11は、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維50の方向と直交する、平行で互いの距離が少なくとも2以上の断面のCT画像を比較し、強化繊維のうねりを検出する過程を表す図である。上の図は積層面を上方より見た図で、下左の図はCT画像を取得した面を、正面から見た図で、下右の図は、CT画像と同様に積層面に垂直であるが、ガラス繊維が長手方向どのような形態で伸びているか把握できる方向から見た図である。ガラス繊維50と直交する、平行で互いの距離が少なくとも2以上の断面のCT画像61、62、63、64を取得したときの、ガラス繊維5の断面51、52、53、54は、積層方向と垂直な方向に範囲lwだけ上下するように見える。この範囲lwは、下右の図に示されるガラス繊維5のうねりに対応しており、これを検出することができる。
表1は、積層体の積層角度および積層位置の設計情報の一例をあらわす表である。
前述の方法で、積層体の各層のUD強化繊維シートの積層角度が求まる。この求めた積層角度が、あらかじめ設計した積層角度とどの程度離れているか、積層位置と照らし合わせて検査を行う。照らし合わせるのは、人間が行っても良く、コンピューター上で逐次的に行っても良い。
[実施例1]
60mm×60mmのUD強化繊維シート(東レ(株)製CZ8431DP、T800の一方向織物)を、表1の設計情報に基づいて24ply積し、60mm×60mm×約6mmの積層体を製作し、X線CT装置を用いて60μmの分解能でこの積層体の撮像を行った。このX線CT装置の主要部分は、X線源(浜松ホトニクス(株)製L7901、焦点寸法7μm)、X線検出器((株)東芝製E5764SD−P1K)およびCTデータ再構成システム(BIR,Inc.製ACTIS+3)から構成される。
CTデータは、積層方向に連続した120枚のCT画像として取得した。1枚のCT画像は1024×1024の画素数を持ち、256階調で表現される。
以上のように得たCT画像の各々を、数値計算ソフトのmatlab(The Math Works,Inc.、6.5.1.199709(R13)Service Pack 1)のImage Processing Toolboxを用いてパワースペクトルを求め、図3から図6、図8に示すような結果を得た。次に、このように取得したパワースペクトルについて、原点を除く極大値の内、最大値をとる点の水平周波数uおよび垂直周波数vを取得した。表2に取得した水平周波数uおよび垂直周波数vを示す。u、vは原画像における水平、垂直の画素値の周期を、画素数(pixel)で表したものになる。
このように取得した水平周波数uおよび垂直周波数vからtan-1(v/u)を計算することにより、UD強化繊維シートの積層角度θを検出した。表2に検出したUD強化繊維シートの積層角度θを示す。
また、以上で取得した水平周波数uからM/uを計算し、これに水平方向の単位画素あたりの長さ60μmを乗じてlxを、垂直周波数vからN/vを計算し、これに垂直方向の単位画素あたりの長さ60μmを乗じてlyを計算する。更に、このように計算したlxおよびlyを用いて
を計算し、ガラス繊維の配置間隔lを検出した。表2に計算したlx、lyおよびlを示す。
次に、CT画像あたりの実際の積層体の厚さが60μmであることを用いて、表2におけるCT画像#1を0として、順番に0.06mmを加算して、各CT画像が対応する積層体における位置を検出した。表2にこれをあわせて示す。
表2の結果から、UD強化繊維シートがどのような積層角度および順序で積層されているか分かる。つまり、UD強化繊維シートの積層角度に注目して、CT画像#1から#5に対応する、積層体における最上表層から0mmから0.24mmの層(厚さ0.30mm)は、は45°の積層角度で1ply目のUD強化繊維シートが積層されていることが分かる。次に、CT画像#6から#10に対応する、積層体における最上表層から0.30mmから0.60mmの層(厚さ0.30mm)は、は90°の積層角度で2ply目UD強化繊維シートが積層されていることが分かる。表3に、19ply目まで上記と同様の方法で、積層角度および積層位置を分析した結果を示す。表3を表1と比較することで、1から19plyの積層角度が、設計通りであるか、何度ずれているのかといったことが分かる。
具体的には、表3から、11ply目のUD強化繊維シートが6.3°設計値からずれていることが分かる。
[実施例2]
実施例1と同様には図8に示すように、少なくとも2つ角度を成す積層面が混成しているように見える。このパワースペクトルの分布も、少なくとも2方向しているように見える。よって、原画像に写るUD強化繊維シートの方向を検出するのが困難である。
このとき、パワースペクトルにおいて極大値をとる座標は(0,6)および(4,4)であった。これらの座標のパワースペクトルの値がそれぞれ2.8638、2.2104となった。よって、座標(0,6)でのパワースペクトルの極大値の方が大きく、極大値のうちで最大値をとるといえるので、これに対応する方向に現画像が周期性を持っていると判断することが妥当だと分かる。つまり、tan-1(6/0)+π/2を計算して、原画像に写るUD強化繊維シートの積層角度は0°と検出するのが妥当なことが分かる。
一方、混成している0°以外の角度は、tan-1(4/4)+π/2を計算することで、135°と検出することができる。図8のCT画像は、表1においてCT画像#32に対応して、上下の層の積層角度を見ると、#31が135.0°、#33が0.0°となっており、ちょうど135°と0°の層が重なる積層面であることが判断できる。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で得たCTデータから、最下層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向と直交する、平行な2つの断面のCT画像(2つのCT画像間の距離は5.04mm)を取得した。
取得したCT画像において、基準層のガラス繊維の断面は、平行なCT画像を取得する断面が変わっても、その位置をおおむね変えることはなかった。これに比較して、最下層に隣接した層のガラス繊維は、平行なCT画像を取得する位置が5.04mm変わると、CT画像中で4.80mm位置が動いた。このことから、tan-1(4.80/5.04)を計算することにより、最下層に隣接する層のガラス繊維が基準層のガラス繊維の方向に対して成す角度を43.6°であると求めた。
各積層面は、CTデータの分解能60μm以上のうねりがないことが確認できた。
各うねりないことが確認できた
本発明の検査方法を実施する上で取得するCT画像を模式的に表す図である。 本発明のUD強化繊維シートの積層構成を表す図である。 0°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。 45°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。 90°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。 135°の角度を成す積層面のCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。 パワースペクトルにおいて極大値をとる点の座標から積層角度を検出する過程を表す図である。 0°および135°の角度を成す積層面が混成したCT画像およびそのパワースペクトルを表す図である。 異方向の積層面が混成したCT画像のパワースペクトルから混成した積層面の積層角度を分離して検出する過程を表す図である。 任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維と直交する、少なくとも2以上の断面のCT画像を比較し、強化繊維の積層角度を検出する過程を表す図である。 任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維と直交する、少なくとも2以上の断面のCT画像を比較し、強化繊維の積層方向のうねりを検出する過程を表す図である。
符号の説明
1 積層体
11 CT画像
111 炭素繊維
112 ガラス繊維
2 積層方向
3 UD強化繊維シートの積層方向
4 UD強化繊維シート
41 45°の角度で積層されるUD強化繊維シート
42 90°の角度で積層されるUD強化繊維シート
43 135°の角度で積層されるUD強化繊維シート
44 0°の角度で積層されるUD強化繊維シート
5 ガラス繊維
50 CT画像と直交するガラス繊維
51 CT画像61上に写るガラス繊維5の断面
52 CT画像62上に写るガラス繊維5の断面
53 CT画像63上に写るガラス繊維5の断面
54 CT画像64上に写るガラス繊維5の断面
6,61,62,63,64 積層面と直交するCT画像
θ 積層面に平行なCT画像から求めたUD強化繊維シートの積層角度
θ´ 別の積層面に平行なCT画像から求めたUD強化繊維シートの積層角度
φ パワースペクトルの分布が水平軸と成す角度
φ´ 別のパワースペクトルの分布が水平軸と成す角度
η 積層面に垂直なCT画像から求めたUD強化繊維シートの積層角度
x UD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の水平周期長さ
y UD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の垂直周期長さ
l UD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の周期長さ
1 CT画像61とCT画像62との間の距離
2 ガラス繊維の断面51と断面52との間の距離
w ガラス繊維5の断面のCT画像上での移動幅

Claims (7)

  1. 炭素繊維およびガラス繊維を含み、それらが周期的に配列されたUD強化繊維シートを複数積層してなる積層体の積層状態の検査方法であって、前記積層体のCTデータから、積層面に平行な複数のCT画像を得、その各々のCT画像に2次元離散フーリエ変換を行い、これを基に得られたパワースペクトルについて、原点以外で極大値をとる点の内、最大値をとる点の水平周波数uおよび垂直周波数vを得、tan-1(v/u)+π/2を計算することにより、UD強化繊維シートの積層角度θを検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
  2. 積層面に平行な任意のCT画像について前記最大値とは異なる、極大値をとる点の水平周波数u´および垂直周波数v´から、隣接して積層された複数のUD強化繊維シートが混成したCT画像の積層角度θ´および/またはUD強化繊維のうねりを検出する請求項1に記載の積層体の積層状態の検査方法。
  3. 炭素繊維およびガラス繊維を含み、それらが周期的に配列されたUD強化繊維シートを複数積層してなる積層体の積層状態の検査方法であって、前記積層体のCTデータから、積層面に平行な複数のCT画像を得、その各々のCT画像に2次元離散フーリエ変換を行い、これを基に得られたパワースペクトルについて、原点以外で極大値をとる点の内、最大値をとる点の水平周波数u、および、垂直周波数vを得、CT画像の水平方向の総画素数M、垂直方向の総画素数Nを、それぞれu、vで除し、それぞれ水平方向の単位画素あたりの長さ、垂直方向の単位画素あたりの長さを乗じて水平周期長さlx、垂直周期長さlyを計算し、
    を計算することにより、UD強化繊維シートに配置されたガラス繊維の配置間隔lを検出することを特徴とする、請求項1に記載の積層体の積層状態の検査方法。
  4. 前記CT画像の取得位置にCT画像の単位画素あたりの厚さを乗じて、前記UD強化繊維シートの積層位置として検出することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の積層体の積層状態の検査方法。
  5. 任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向と直交する、少なくとも2以上の平行な断面のCT画像を比較し、該CT画像間の距離l1、該CT画像間で移動する前記基準層以外の層のガラス繊維断面の移動距離l2を得、tan-1(l2/l1)を計算することにより、積層面内において前記基準層以外の層のガラス繊維が該CT画像と成す角ηを検出し、前記基準層以外の層のガラス繊維が基準層のガラス繊維の方向に対して成す角を検出し、UD強化繊維シートの積層角度を検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
  6. 任意の層を基準層とし、積層面に垂直でかつ基準層のガラス繊維の方向と直交する、少なくとも2以上の平行な断面のCT画像を比較し、該CT画像間で移動する前記任意の層とは異なる層のガラス繊維断面の移動幅lwを検出し、ガラス繊維のうねりを検出し、該UD強化繊維シートのうねりを検出することを特徴とする、積層体の積層状態の検査方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の積層状態の検査方法により得た、前記UD強化繊維シートの積層状態を、積層設計情報と照合することを特徴とする、積層体の品質検査方法。
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