JP2008121781A - 軸受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】零下20℃以下の低温環境においても、モータを駆動した際に鳴きが発生しない軸受構造を提供する。
【解決手段】駆動軸10を軸受スリーブ1の含油焼結軸受面1aによって回転支持する軸受構造において、軸受スリーブ1の一端に形成した油溜まり部2から含油焼結軸受面1aにかけてテーパー形状部3を設ける。低温時に潤滑油が収縮するなどして、潤滑油の流動性が不足しても、油溜まり部2より含油焼結軸受面1aに潤滑油がスムーズに供給されるため、常に十分な潤滑状態を維持できる。また、軸受スリーブ1の他端には逆テーパー形状部5を設けて、含油焼結軸受面に潤滑油を集中させる。
【選択図】図1
【解決手段】駆動軸10を軸受スリーブ1の含油焼結軸受面1aによって回転支持する軸受構造において、軸受スリーブ1の一端に形成した油溜まり部2から含油焼結軸受面1aにかけてテーパー形状部3を設ける。低温時に潤滑油が収縮するなどして、潤滑油の流動性が不足しても、油溜まり部2より含油焼結軸受面1aに潤滑油がスムーズに供給されるため、常に十分な潤滑状態を維持できる。また、軸受スリーブ1の他端には逆テーパー形状部5を設けて、含油焼結軸受面に潤滑油を集中させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば一眼レフカメラ用など、−20℃以下の環境での使用が想定されるモータ等に適用される軸受構造に関するものである。
−20℃以下の低温環境下においてモータを駆動するとき、甲高い鳴き音が発生することがある。これは潤滑油の収縮により、軸受境界面において十分な潤滑油が存在している箇所と存在していない箇所が混在する状態になり、両者間の摩擦力の違いにより振動が発生するためと考えられている。この問題を解決するためには、軸受の焼結材料の配合を工夫したり、軸受内周面の気孔を最適化し、かつ軸受に含浸する潤滑油を特定の種類にしたりするなどの対策が有効とされている(特許文献1参照)。
特開2004−138215号公報
しかしながら、上記のような経験や製造上のノウハウを持ったメーカーはごく一部に限られるため、安価に安定した軸受部品の供給を受けることは難しい。
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、軸受内面の気孔の状態や、潤滑油の種類などに依存することなく、軸受内面の形状を工夫することによりモータの低温鳴きを解決する軸受構造を提供することを目的とする。
本発明の軸受構造は、焼結軸受面を有する軸受スリーブによって駆動軸を回転支持する軸受構造において、前記軸受スリーブの内面には、前記焼結軸受面と、前記軸受スリーブの一端に隣接する油溜まり部と、前記油溜まり部から前記焼結軸受面に潤滑油を誘導するためのテーパー形状部と、を備えたことを特徴とする。
オイルやグリース状油脂等を溜める油溜まり部から、駆動軸の摺動部となる焼結軸受面にかけてテーパー形状部を設ける。低温環境下で潤滑油が収縮しても、油溜まり部から焼結軸受面に円滑に潤滑油が供給されることにより、焼結軸受面には常に十分な潤滑油が存在していることになり、−20℃以下の低温環境下でモータを使用しても鳴きが発生しなくなる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、含油焼結軸受面(焼結軸受面)1aを有する軸受スリーブ1の内面に、潤滑油を溜める油溜まり部2を形成する凹所を設ける。また、油溜まり部2から含油焼結軸受面1aにかけて、潤滑油の毛細管力が高まるようにテーパー形状部3を設ける。このとき、軸受スリーブ1によって支承される駆動軸10に対して圧入とならない寸法に設定したワッシャ4を油溜まり部2の開口端に配設すると、潤滑油の表面張力によりワッシャ4が軸受端面に張り付き、油溜まり部2の蓋としての効果が得られる。
油溜まり部2の反対側のスリーブ端についても、同様に潤滑油の毛細管力を徐々に高められるよう、逆テーパー形状部5を設ける。これによって、含油焼結軸受面1aに潤滑油が集中しやすくなり、低温時の駆動初期における鳴きを抑制する効果が向上する。
軸受スリーブ1に含浸させる潤滑油は、リチウム石けんなどの石けん基を添加してグリース状にすると、より固相界面に残りやすくなるため、油溜まり部2において潤滑油の流出を抑制し、必要な潤滑量を十分に保持できるようになる。
また、組立て時に軸受内径をサイジングする場合は、図2に示すように径が変化する部分にバリ6が出やすくなる。この場合は、油溜まり部2から含油焼結軸受面1aに流れる潤滑油の流れを妨げることになり、摺動部で油膜切れが起こりやすくなってしまう。そのため、含油焼結軸受面1aに連結するテーパー形状部3および逆テーパー形状部5のテーパー角は、なるべく緩やかな角度であることが望ましい。
1 軸受スリーブ
1a 含油焼結軸受面
2 油溜まり部
3 テーパー形状部
4 ワッシャ
5 逆テーパー形状部
10 駆動軸
1a 含油焼結軸受面
2 油溜まり部
3 テーパー形状部
4 ワッシャ
5 逆テーパー形状部
10 駆動軸
Claims (4)
- 焼結軸受面を有する軸受スリーブによって駆動軸を回転支持する軸受構造において、前記軸受スリーブの内面には、前記焼結軸受面と、前記軸受スリーブの一端に隣接する油溜まり部と、前記油溜まり部から前記焼結軸受面に潤滑油を誘導するためのテーパー形状部と、を備えたことを特徴とする軸受構造。
- 前記油溜まり部における潤滑油の流出防止のために、前記駆動軸の外径より大きい内径を持つワッシャを前記軸受スリーブの端面に装着したことを特徴とする請求項1記載の軸受構造。
- 前記軸受スリーブの他端から、前記焼結軸受面に潤滑油を誘導するための逆テーパー形状部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の軸受構造。
- 請求項1ないし3いずれか1項記載の軸受構造を備えており、−20℃以下の低温環境下においても鳴きが発生しないことを特徴とするモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006306146A JP2008121781A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006306146A JP2008121781A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 軸受構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008121781A true JP2008121781A (ja) | 2008-05-29 |
Family
ID=39506747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006306146A Pending JP2008121781A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 軸受構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008121781A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130147295A1 (en) * | 2011-12-13 | 2013-06-13 | Asmo Co., Ltd. | Bearing device and electric motor having the same |
JP2015183650A (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-22 | Ntn株式会社 | ウォータポンプ |
JP2018096467A (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 東京パーツ工業株式会社 | 軸受装置及びブラシレスモータ |
-
2006
- 2006-11-13 JP JP2006306146A patent/JP2008121781A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20130147295A1 (en) * | 2011-12-13 | 2013-06-13 | Asmo Co., Ltd. | Bearing device and electric motor having the same |
CN103166361A (zh) * | 2011-12-13 | 2013-06-19 | 阿斯莫株式会社 | 轴承装置和具有该轴承装置的电动机 |
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JP2018096467A (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 東京パーツ工業株式会社 | 軸受装置及びブラシレスモータ |
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