JP2008121429A - 筒内直接噴射式内燃機関 - Google Patents

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康治 平谷
Shunsuke Shigemoto
俊介 重元
Hirobumi Tsuchida
博文 土田
Akihiko Kakuho
章彦 角方
Yoshimi Uchida
芳美 内田
Kozo Ebina
高三 蝦名
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Abstract

【課題】ガソリン機関での拡散燃焼を簡便な構成で実現し、かつスモーク等の排気性能の悪化を防止する。
【解決手段】燃焼室1内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段11と、点火手段12と、冠面にキャビティ4aを有するピストン4と、運転状態に応じた混合気の燃焼速度を検知する燃焼速度検知手段13と、混合気の供給速度を可変に制御する供給速度制御手段13と、を備え、燃料噴射手段11は、圧縮行程中にキャビティ4a内に向けてパイロット噴射を開始し、その後、パイロット噴射により形成された混合気に点火手段12によって火花点火することで形成した着火用火炎に向けて主噴射を行い、供給速度制御手段13は供給速度を燃焼速度と略同等となるように制御することにより、主噴射で噴射した燃料が着火用火炎に突入することによって形成された燃焼火炎を燃焼室1内に定在化させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノッキングの発生を防止して機関出力の向上を図る技術に関する。
内燃機関の機関出力を制限する要因として、燃焼室外周付近の未燃混合気が燃焼室中央部から伝播してきた火炎により圧縮されて自己着火し、燃焼室内に急激な圧力上昇を引き起こす、いわゆるノッキング現象が挙げられる。
燃料を燃料噴射弁から噴射されてから燃焼室外周付近まで拡散する前に燃焼させれば、理論上は燃焼室外周付近に未燃混合気が存在しないこととなるので、伝播火炎による圧縮自己着火は起こりえず、ノッキングは発生しなくなる。
このような燃焼は拡散燃焼と呼ばれ、ディーゼル機関では一般的に行われているが、ガソリン機関に適用する場合には、圧縮自己着火により燃焼開始するディーゼル機関とは異なり点火栓が必要となる。そして、燃料が拡散する前に確実に燃料に点火することが必要となる。このための構成として、特許文献1には、燃焼室内にスワール流動を形成する機関において、シリンダヘッドの燃焼室面に凹設された小ポケット内にパイロット噴射弁並びにそれに併設された点火栓と、これらよりもスワール流動の上流側に配置した主燃料噴射弁とを有し、パイロット噴射弁から噴射された噴霧に点火することで燃焼火炎を生成し、この燃焼火炎によって、スワール流動により流れてくる主燃料噴射弁から噴射された燃料に点火する構成が開示されている。
特公平7−6456号公報
しかしながら、ディーゼル機関における拡散燃焼では、機関負荷が大きいときには、機関回転数等の運転条件や機関の実圧縮比、EGR量等の変化により燃焼火炎の位置が変化し、燃料と空気との混合不良によりスモークやCOが生成される等、排気性能の悪化を招くという問題がある。
また、特許文献1に開示された構成では、少なくとも2以上の燃料噴射弁と、1以上の点火栓が必要となり、スワール流動を効果的に利用するためには、これらを燃焼室外周付近に配置することとなる。このため、吸・排気弁の配置及びバルブ径が制限され、機関高回転域等においては吸気量が足りず十分な出力が得られなくなるおそれがある。
この問題を解決するために、十分なバルブ径を取れるようシリンダボア径を拡げると、相対的にピストンストロークは短くなり、特に小排気量機関の場合には、ピストンストロークが極端に短くなって自動車用内燃機関として成立しなくなるおそれもある。
そこで本発明では、ガソリン機関において、筒内へ噴射される複数の燃料噴霧をより簡便な構成で確実に着火させて拡散燃焼を行い、かつ上記排気性能の悪化や出力低下等の弊害を回避することを目的とする。
本発明の筒内直接噴射式内燃機関は、ピストン冠面に設けたキャビティ内に着火用火炎を形成し、この着火用火炎に向けて主燃料を噴射することで複数の燃料噴霧を着火させて燃焼火炎を形成する。または、主噴射に先立って筒内に希薄な混合気を形成し、これに火花点火することで希薄混合気の酸化反応を促進させておくことで、その後の主噴射により噴射された燃料を自己着火させて燃焼火炎を形成する。そして、上記いずれの場合も、主噴射期間中は混合気の供給速度が燃焼速度と釣りあうように燃焼噴射を制御することにより燃焼火炎を筒内に定在化させる。
本発明によれば、着火用火炎もしくは活性化学種を利用することにより燃料噴霧を確実に着火に至らしめることができ、また、これを実現するためには燃料噴射弁及び点火栓はそれぞれ少なくとも1つあればよく、従来の火花点火機関から構成を大きく変更する必要もない。すなわち、ガソリンエンジンにおいて、燃料噴霧を簡便な構成で確実に着火させて拡散燃焼を行うことができる。
そして、燃焼火炎を筒内に定在化させて、噴射された燃料が混合気を形成したら即座に燃焼させるので未燃混合気が発生せず、高負荷運転時においてもノッキング発生のない燃焼が可能となり、結果として出力向上を図ることができる。
また、着火用火炎もしくは活性化学種を利用することにより燃料噴霧は体積的に着火するので、燃料噴射方向を一方向へ限定する必要がなくなり、結果として空気利用率を向上させてスモーク発生等の排気性能の悪化を防止することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)は本実施形態のシステム構成の概略図であり、図1(a)はエンジンのシリンダ周辺をエンジンのフロント側から見た断面図、図1(b)は同じくエンジンの側方から見た断面図である。なお、図1(b)では、吸排気弁及び吸排気カムシャフトを省略している。
2はシリンダヘッド、3はシリンダブロック、4はシリンダブロック3に設けたシリンダ内を摺動するピストン、4aはピストン4の冠面に設けたキャビティ、1はシリンダヘッド2下面とシリンダブロック3とピストン4の冠面とで形成する燃焼室である。5、6はそれぞれ燃焼室1に開口部を有する吸気通路と排気通路、7は吸気通路5の開口部を開閉する吸気弁、8は排気通路6の開口部を開閉する排気弁である。吸気弁7、排気弁8はそれぞれ吸気カムシャフト9、排気カムシャフト10によって駆動する。11は燃焼室1内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁(燃料噴射手段)、12は燃焼室1内の混合気に点火する点火栓(点火手段)、13は図示しないエンジン回転数センサや負荷センサ等(運転状態検出手段)の検出値に基づいて燃料噴射弁11の噴射時期、噴射量等及び点火栓12の点火タイミングを制御するコントロールユニット(供給速度制御手段、燃焼速度検知手段)である。
燃料噴射弁11は噴孔を複数備えるいわゆるマルチホール噴射弁であり、噴霧の傘角度(後述する図3(a)中のθ。以下、噴孔角度という)は一定である。なお、噴射弁の種類は針弁により噴孔を開閉する一般的な噴射弁の他に、外開き噴射弁やスワール噴射弁等であってもよい。
点火栓12はピストン4が上死点付近にあるときに点火プラグギャップ12aがキャビティ4a付近に位置するように配置する。
キャビティ4aは、ピストン4と同軸に設けた略円筒形状の凹部である。
本実施形態の燃焼形態の概要について、図2(a)、(b)を参照して説明する。なお、ここで説明する燃焼形態は後述する主燃焼の形態である。
図2(a)は燃焼室1上面から燃焼の様子を模式的に表したものである。図2(b)上図は、燃料が噴射されてから点火、燃焼するまでの挙動を模式的に表した図、図2(b)下図は燃料噴孔からの距離と燃料噴霧の速度の関係を表したものである。なお、燃料噴霧の速度は、平均流速で表す。
図2(b)下図に示すように、噴霧速度は燃料噴孔から遠ざかるほど低下する特性があり、低下する途中で火炎伝播速度と釣り合う点Pがある。なお、点Pは燃焼室1内の雰囲気、燃料噴射圧等により異なる。
燃料噴射弁11から噴射された燃料は、周囲の空気を取り込みながら霧化・蒸発を経て可燃混合気を形成し、この可燃混合気が後述するようにキャビティ内に形成した着火用火炎に突入して図2(a)に示すように火炎を形成する。
そして、図2(b)下図に示すように点Qでは噴霧速度が火炎伝播速度よりも低いため、燃料噴射継続中に火炎は燃料噴孔方向にも伝播する。そして噴霧速度と火炎伝播速度とが釣り合う点Pで燃料噴孔方向への火炎の伝播は止まり、その後は、噴射された燃料は点Pで燃焼を開始することになる。燃焼開始後の微少時間は予混合燃焼が持続するものと仮定すると、予混合燃焼の反応帯が明確となる。そこで、以下この反応帯を火炎面と定義すると、火炎面は、燃料噴射終了直前に噴射された燃料が燃焼するまで点Pに定在化する。
なお、本実施形態の燃焼では、未燃混合気が発生しない排気性能の良い燃焼が得られれば燃焼火炎の形態は特に問わないので、火炎面は必ずしも明確に定義できる必要はない。
上記のように、噴射された燃料は混合気を形成したら即座に燃焼を開始し、噴射された燃料のすべてが火炎面で燃焼開始するので、未燃混合気を発生させない噴霧燃焼が可能となり、また、燃料噴射時間と燃焼時間とがほぼ同等になる。
以下、このような燃焼を「混合気律則燃焼」(第1の燃焼モード)と称する。なお、混合気律則燃焼の場合は、クランク角度が圧縮上死点近傍となる時期に燃料噴射を行う。
混合気律則燃焼によれば、上述したように未燃混合気が発生しないので、シリンダ外周付近に存在する未燃混合気が火炎伝播により燃焼する前に自己着火してノッキング現象が発生する、という問題も起こりえない。すなわち、混合気律則燃焼が成立するかぎり、ノッキングは発生しない。
また、後述する着火用火炎の形成位置が点Pよりも噴孔側の場合は、噴霧速度が火炎伝播速度よりも大きいので、火炎は噴孔から遠ざかる方向にのみ伝播し、点Qで点火した場合と同様に、火炎伝播速度と燃料供給速度とが釣り合う点Pで定在化する。
このように、着火用火炎の形成位置と火炎面が定在する場所とが異なっていても、火炎面は噴霧速度と火炎伝播速度とが釣り合う位置に定在するので、着火用の火炎形成位置は、燃料噴霧が突入する位置であればよく、燃料噴射弁11からの距離を厳密に設定しなくてもよい。
なお、図2(a)では火炎が6つ形成された様子を表しているが、これは燃料噴射弁11の噴孔が6つの場合を例に表したためであり、噴孔数が異なれば火炎の数も異なる。
ここで、着火用火炎の形成から主燃焼に至るまでを、図3を参照して説明する。図3(a)〜(d)は主燃焼に至るまでの行程ごとに燃料噴霧の状態及びピストン4の挙動を表したものである。図3(e)は図3(c)のC−C断面図である。
図3(a)に示すように、圧縮行程後半かつ燃料噴霧がキャビティ4a内に収まる位置までピストン4が上昇したときに燃料噴射を行う。この噴射をパイロット噴射と呼び、形成される燃料噴霧をパイロット噴霧と呼ぶ。
パイロット噴射を行った後、図3(b)に進み、点火栓12により火花点火を行い、着火用火炎を形成する。なお、図3(b)では点火プラグギャップ12aがキャビティ4a内の側壁面4d付近に位置するように表しているが、パイロット噴霧に点火することができるのであれば必ずしもキャビティ4a内に位置する必要はなく、例えばキャビティ4aよりも上方であってもよいし、キャビティ4aの中央寄りであってもよい。
ここで、点火栓12の周方向の位置について、図3(b)のB−B断面を表す図4を参照して説明する。
図4(a)はキャビティ4a内のパイロット噴霧の様子を表したものである。燃焼室1の天井面の略中央部に設けた燃料噴射弁11からは、燃焼室1の径方向に向けて複数の燃料噴霧が放射状に噴射される。これらの燃料噴霧は略同時にキャビティ4aの側壁面4dに衝突し、拡散する。衝突することにより流速が低下するので、図に示したように拡散した噴霧が流れてくる位置に点火栓12を設けることで、燃料噴射弁11からキャビティ4aまでの距離が短くても安定した点火が可能となる。また、衝突した噴霧はキャビティ4aの周方向にも拡散して概ね環状のドーナツ形状の燃料噴霧を形成するので、1つの点火栓12でキャビティ4a内の噴霧すべてに点火することが可能である。さらに、パイロット噴射時及び主噴射時に噴射された燃料が直接点火栓12に衝突しないので、点火栓12への燃料液滴の付着を抑制することができ、点火栓12の燻りを防止することができる。
もちろん、図4(b)に示すように燃料噴射弁11からの距離が略同等となるように2つ、又はそれ以上の点火栓12を設ければ、より短時間ですべてのパイロット噴霧に着火することができる。
着火用火炎を形成したら、図3(c)に示すように着火用火炎に向けて主噴射を開始する。このとき、ピストン4は既に下降を開始しているので、燃料はキャビティ4a外に向けて噴射されることになるが、キャビティ4a内に形成された着火用火炎は、噴霧の持つ運動量及び側壁面4dの形状に沿って流れることで形成する循環流によりキャビティ4a内から上方に向けて巻き上がるので、主噴射により噴射された燃料噴霧が周りの空気を取り込んで形成した混合気(以下、主噴霧という)に確実に着火し、燃焼(以下、主燃焼という)に至らしめることが可能となる。燃料噴射弁11は複数の噴孔を備えるため、主噴霧も複数となるが、着火用火炎はドーナツ形状に拡散しているので、すべての主噴霧に着火することができる。また、前述したようにキャビティ4aをピストン4と同心上に、かつ燃料噴射弁11を燃焼室1の略中央部に設けたので、複数の主噴霧のすべてが略同時に着火用火炎に突入して、キャビティ4aの上空部分で体積的に主燃焼が開始される。すなわち、すべての主噴霧を確実に燃焼に至らしめることができる。
なお、このとき燃料噴霧がピストン4や燃焼室1上壁面等に干渉しないように燃料噴射弁11の噴射方向を設定しておくことにより、主燃焼時に燃焼室1内の空気を十分に活用することができる。
また、キャビティ4aの形状としては、図1(a)、(b)、図3(a)〜(d)に示した形状の他に、図6(a)〜(f)に示すような形状であってもよい。なお、図6の各図は例示であり、ピストン4の冠面に凹部が形成されていればよい。
図6(a)は周縁部については図1等と同様であるが、キャビティ4a中央部が***しているものである。圧縮比を高める必要がある場合等に用いることができる。
図6(b)は、キャビティ4aの上端の面積が底部の面積より絞られた、いわゆるリエントラント形状となっているものである。このような形状にすると、ピストン下降開始時に強い逆スキッシュ流動が生じ、この逆スキッシュ流動によりキャビティ4a内から燃焼室1へ着火用火炎が吸い出されるので、より確実に主燃焼に至らしめることができる。
図6(c)は、キャビティ4aの周縁部に凸部4bを設けたものである。このような形状にすることで、キャビティ4aを凹設することによる圧縮比低下を抑えつつ、キャビティ4aの側壁面4dの高さを確保することができるので、パイロット噴霧をより確実に衝突、拡散させることができ、これにより着火用火炎をより確実に形成することができる。
図6(d)は、キャビティ4aの上端の面積より底部の面積の方が大きく、すなわち、側壁面4dが外開きとなっている。このような形状にすることで、側壁面4dに衝突したパイロット噴霧が拡散しつつ側壁面4dに沿って燃焼室1へと流出しやすくなる。
そのほかにも、図6(e)に示したようにフラットな冠面を有するピストンに図1等に示したものと同形状のキャビティ4aを設けたものや、図6(f)に示したように図6(c)の凸部4bの断面形状を矩形にしたもの等も適用可能である。
図3(c)で主燃焼を開始した後は、図3(d)に示すように主噴射を継続する。このとき、主噴霧の速度を主燃焼の燃焼速度と釣り合うように制御することで、前述した混合気律則燃焼を行う。この結果、高負運転時でもノッキングが発生するおそれがなくなるので、機関出力の向上をはかることができる。
ここで、パイロット噴射から主噴射までの噴射パターンについて図5(a)〜(c)を参照して説明する。図5(a)〜(c)は噴射パターン図であり、縦軸が噴射率、横軸が噴射期間となっている。図中の斜線部分はパイロット噴射期間を表す。なお、噴射期間はクランクアングルで表している。
図5(a)は、パイロット噴射期間中及び主噴射期間中の噴射率が一定であり、それぞれの期間中の噴射率は、パイロット噴射の方が主噴射よりも低く設定する噴射パターンである。
このようにパイロット噴射の噴射率を相対的に低くするのは、キャビティ4aを小さくするためである。キャビティ4aを小さくすれば、側壁面4aへの燃料の付着量も少なくなるのでHC排出量の低減を図ることができる。また、パイロット噴霧が過剰にリッチになることを防止できるので、スモークの発生を抑制することもできる。さらに、キャビティ4aの容積が小さくなることで燃焼室1とキャビティ4aとからなる燃焼室全体のS/V比が小さくなり、冷却損失を低減できるとともに機関の機械圧縮比を上げて出力向上を図ることができる。
なお、低噴射率化を実現するための手段としては、例えば噴射弁の針弁を低リフト化する方法が考えられる。このように低リフト化すると、燃料噴射弁11のノズル内部の乱れが強化されるので燃料噴霧の微粒化が促進され、結果として、キャビティ4aへの燃料液滴の付着量が低減するという効果も得られる。ここで、針弁のリフト量は、一般に知られているものと同様に油圧制御や圧電素子への印加電圧制御等により行う。
図5(a)の他にも、パイロット噴射期間中に徐々に噴射率を上昇させ、パイロット噴射から主噴射への切換時も噴射率を徐々に上昇させる噴射パターン(図5(b))や、主噴射期間の後期に徐々に噴射率を低下させる噴射パターン(図5(c))であってもよい。
なお、図5(a)〜(c)は噴射パターンの一例であり、この他のパターンであっても、少なくともパイロット噴霧の一部がキャビティ4a内を指向する噴射パターンであればよく、例えば、パイロット噴射終了後に一定期間をおいてから主噴射を行う分割噴射であってもよい。
パイロット噴霧がキャビティ4a内に噴射されるタイミングは、噴霧とピストン位置との幾何学的な関係で決まるので、パイロット噴射から主噴射までを連続して行う場合には、主燃焼時期は着火用火炎形成時期により決まることになる。これに対して分割噴射の場合には、着火用火炎の形成時期と主燃焼時期の設定に自由度が生まれるので、より好適なタイミングで主燃焼を行うことが可能となり、機関出力の向上を図ることができる。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)燃料噴射弁11は、圧縮行程中に開始するパイロット噴射ではキャビティ4a内に向けて燃料を噴射し、主噴射ではパイロット噴射時に噴射した燃料が形成した着火用混合気に点火栓12によって火花点火することで形成した着火用火炎に向けて燃料を噴射するので、着火用火炎により主噴霧を体積的に着火させることが可能となり、筒内へ噴射された複数の主噴霧を確実に点火させることが可能となる。
また、コントロールユニット13が混合気の供給速度と燃焼速度とが略同等となるように制御することにより、主噴霧が着火用火炎に突入することによって形成された燃焼火炎を燃焼室1内に定在化させるので、混合気の供給速度により燃焼を制御することができ、燃料供給機期間と燃焼期間とが略等しい燃焼が成立する。この結果、混合気が形成されると即座に燃焼し、未燃混合気が発生しないため、ノッキングを回避することができ、従来ノッキングが発生しやすかった低回転、高負荷域において出力向上をはかることができる。
さらに、ノッキングが発生しないので、燃焼特性が燃料の自己着火特性(オクタン価、セタン価等)に依存せず、点火及び着火さえできれば燃料種を選ぶ必要がない。
また、キャビティ4aを介して点火栓12近傍まで混合気を運ぶので、点火栓12へ直接燃料の液滴が付着することがなく、点火栓12の燻りを防止することができる。仮に点火栓12に向けてパイロット噴射をする場合、着火用の噴霧に続いて行う主噴射において主噴霧が点火栓12を汚染してしまうおそれがあるが、本実施形態のようにパイロット噴射が点火栓12を指向しなければ、主噴射の噴射方向をパイロット噴射の噴射方向と異ならせる必要がなくなる。
(2)パイロット噴射により噴射された燃料がキャビティ4aに衝突、拡散する過程で形成した混合気に火花点火することによってキャビティ4a外に着火用火炎が形成され、この着火用火炎に向けて主噴射が行われるので、主噴射時の空気利用率が高くなり、混合気律則燃焼の適用範囲を高負荷側に拡大することができ、スモークの発生を防止できる。また、主噴射がキャビティ4aに衝突しないので、冷却損失の増大を抑制することができる。
(3)リエントラント形状のキャビティ4aを用いる場合には、キャビティ4a内に縦渦が形成されると共に、ピストン4下降時の逆スキッシュ流動が強化されるので、着火用火炎がキャビティ4a外へ流出し易く、その後の主噴霧をより確実に体積的に着火させることができる。
(4)点火栓12は、圧縮上死点近傍において電極ギャップがキャビティ4aの側壁面近傍に位置するように配置するので、キャビティ4aに衝突することによって流速が低下した混合気に点火することとなり、より確実な点火が可能となる。また、パイロット噴射時に噴射された燃料は、キャビティ4aの内壁に沿って概ね環状に混合気の形成するので、少なくとも1つの点火栓12があれば着火用火炎を形成することができ、これによりすべての主噴霧を確実に点火させることが可能となる。
(5)パイロット噴射は主噴射に比べて低噴射率で噴射するので、キャビティ4aに噴射する燃料量を少なくすることができ、圧縮行程において着火用火炎を形成することによる燃費性能の悪化を抑制することができる。また、キャビティ4aの容積を小さくすることができるので、燃焼室1のS/V比の悪化を防止して冷却損失の低減を図ることができる。
(6)パイロット噴射時の針弁リフト量が主噴射時の針弁リフト量に比べて小さくするので、キャビティ4aを指向する燃料量を低減することができ、また燃料噴射弁11の内部で乱れが生じ、燃料の微粒化が促進される。これによりキャビティ4a内壁面への燃料液滴の付着を抑制することができる。
(7)パイロット噴射と主噴射とを分割噴射にした場合には、所望のタイミングで着火用火炎を形成することが可能となる。すなわち、キャビティ4a内に向けて燃料噴射することが可能なタイミングが、噴霧とピストン4の幾何学的な位置関係によって決まってしまうという問題を解決し、出力向上を図ることができる。
第2実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様である。異なるのは、燃料噴射弁11の構造である。具体的には、噴孔角度を可変に制御し得る機能を有し、パイロット噴射と主噴射とを異なる噴孔角度で行うものである。噴孔角度を可変に制御する機構について、図7を参照して説明する。図7(a)〜(c)は燃料噴射弁11のノズルケース11aの断面図であり、図7(a)は非噴射時、図7(b)はパイロット噴射時、図7(c)は主噴射時のそれぞれの状態をあらわしたものである。
図7中の11aは燃料噴射弁11のノズルケース、14aは第1針弁、14bは第2針弁、15はパイロット噴孔、16は主噴孔、17は弾性部材である。第1針弁14aと第2針弁14bはノズルケース11a内に、第1針弁14aが内側、第2針弁14bが外側という配置で同心状に収められている。また、第1針弁14aの側部には径方向に突出した第1係止部14cが一つ以上設けられ、第2針弁14bの側部には径方向に突出第2係止部14dが設けられている。第1針弁14aと第2針弁14bとをノズルケース11aに収めた状態で、第1係止部14cは第2係止部14dの下方に位置する。
第1針弁14aはピエゾ素子等の圧電素子であり、印加する電圧の制御によりリフト動作が制御され、パイロット噴孔15を開放、閉塞する。一方、第2針弁14bのリフト動作は弾性部材17及び第1針弁14aにより行われ、主噴孔16を開放、閉塞する。以下に燃料噴射時における第1針弁14a及び第2針弁14bの動作について説明する。
非噴射時は、図5(a)に示すように第1針弁14aはノズルケース11a先端部に着座してパイロット噴孔15を閉塞し、第2針弁14bは弾性部材17の付勢力によってノズルケース11a先端部に着座して主噴孔16を閉塞する。このとき、第1係止部14cと第2係止部14dとの間には所定の隙間がある。
パイロット噴射時は、図5(b)に示すように第1針弁14aがリフトしてパイロット噴孔15が開放され、パイロット噴孔15から燃料が噴射される。一方、第2針弁14bは着座したままである。
主噴射時は、図5(c)に示すように、第1針弁14aはリフト量を増して第1係止部14cと第2係止部14dとが係止し、その後もさらに第1針弁14aのリフト量が増すことで、第2針弁14bが弾性部材17の付勢力に抗してリフトし、主噴孔16が開放する。すなわち、主噴射時にはパイロット噴孔15及び主噴孔16から燃料が噴射されることとなる。なお、パイロット噴孔15は噴孔角度が主噴孔の噴孔角度よりも狭角となるのであれば、複数設けても構わない。
また、噴孔角度を可変に制御する機構は上記の機構に限られるわけではなく、特開平10−131832号公報、特開2003−254197号公報等に開示されている機構であってもよい。
次に着火用火炎の形成から主燃焼に至るまでを図8(a)〜(e)を参照して説明する。なお、図中の燃料噴射弁11はパイロット噴孔15を複数有するものである。
図8(a)はパイロット噴射開始時の様子を表したものであり、図3(a)と同様に圧縮行程中にキャビティ4a内に向けて燃料を噴射している。前述したように、パイロット噴霧の噴孔角度と主噴霧の噴孔角度とはそれぞれ独立に設定することができるので、パイロット噴霧の噴孔角度を狭角に設定する。これによりキャビティ4aの径を相対的に小さくすることができるので、パイロット噴射量の低減による燃費性能向上、燃焼室全体のS/V比改善による冷却損失低減等の効果が得られる。
図8(b)、図8(c)は着火用火炎の形成の様子を表したものである。キャビティ4a内に噴射されたパイロット噴霧はキャビティ4aに衝突し、拡散する。このとき、噴孔角度が狭角に設定されているため、キャビティ4aの底部に衝突した噴霧はキャビティ4a上方に巻き上がりやすい。そして巻き上がった噴霧に点火栓12で火花点火を行い、着火用火炎を形成する。
図8(d)、(e)は主噴射開始から主燃焼までの様子を表したものである。パイロット噴射よりも広角の噴孔角度で噴射された主噴霧は、着火用火炎に突入することで全噴霧が略同時に、かつ体積的に着火する。その後も主噴霧の速度が燃焼速度(火炎伝播速度)と釣り合うように制御しつつ主噴射を行うことで、燃焼室1内に火炎を定在化させた燃焼を行う。
ところで、パイロット噴射を主噴射よりも狭角で噴射することができるので、噴孔角度が一定の燃料噴射弁11を用いる場合と比較して、高いピストン位置でキャビティ4a内に向けたパイロット噴射を行うことが可能となる。これにより、圧縮上死点近傍で開始する主燃焼に近い時期にパイロット噴射を行うことでパイロット噴射開始から着火用火炎の形成までの期間を短くしてパイロット噴霧の拡散を抑制し、着火用火炎の制御性を向上させることができる。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)燃料噴射弁11は噴孔角度を可変に制御可能であり、パイロット噴射の噴孔角度を主噴射の噴孔角度に比べて小さく設定するので、噴射時期のみで制御する場合に比べて混合気形成の制御性が向上する。これにより、噴射時期のみで制御する場合のように早期に噴射を開始しなくてもキャビティ4a内に燃料を噴射することができる。また、キャビティ4a内に形成された混合気が拡散するとリーンになり着火性が低下するような運転条件においても、圧縮上死点近傍の主噴射の直前にパイロット噴射を行うことで着火用混合気のキャビティ4a外への拡散を抑制し、確実に着火用火炎を形成することができる。また、キャビティ4aを小さくすることができる。
(2)燃料噴射弁11はマルチホール式の噴射弁であって、パイロット噴射時の針弁リフト量が主噴射時の針弁リフト量よりも低い。このような構成によれば、針弁リフト量のみの簡便な制御によって噴孔角度を可変に制御することができる。
第3実施形態について説明する。
本実施形態の構成は、吸排気カムシャフト9、10、点火栓12、燃料噴射弁11等のシリンダヘッド2の構成については第1又は第2実施形態と同様の構成であるが、可変圧縮比機構を備える点で異なる。この可変圧縮比機構はピストン−クランク機構が一般的な機関と異なる。
本実施形態で用いる可変圧縮比機構は、図10に示すように複数のリンクを用いる複リンク式のピストン−クランク機構である。図10に示した機構は特開2001−227367号公報や特開2001−263099号公報等に記載された機構と同様の機構であるため、機構の概略についてのみ説明する。
ピストン4は、第1リンク20および第2リンク21を介してクランク軸23に連結される。第1リンク20と第2リンク21とは連結ピン26を介して連結されている。第2リンク21は、中央をクランク軸23のクランクピン28に回転可能に締結され、クランク軸23とともに回転する。また、第2リンク21の第1リンク20と反対側には、第3リンク22が連結ピン27を介して回転可能に締結され、第3リンク22はコントロールシャフト24に連結ピン29を介して固定される。連結ピン29の位置はコントロールシャフト24の中心軸から偏心しており、コントロールシャフト24が回転することにより、連結ピン29が移動し、第2リンク21の傾きが変わることにより第1リンク20およびピストン4の上死点位置が変わる。コントロールシャフト24は、モータ付きアクチュエータ25により回転させられる。
コントロールシャフト24の回転による上死点位置の変化について、図11を参照して説明する。図11は各リンク、連結ピン及びコントロールシャフト24の位置関係を模式的に表した図である。図11の左図はピストン4の上死点位置が高い、すなわち高圧縮比に設定した状態、右図はピストン4の上死点位置が低い、すなわち低圧縮比に設定した状態を表す。
コントロールシャフト24を回転させることにより、連結ピン29がコントロールシャフト24の中心軸に対して低くなる方向に移動すると、連結ピン27の位置も下がり、第2リンク21はクランクピン28を中心として図中時計回り方向に傾く。これによって連結ピン26の位置は上昇し、ピストン4も上昇して、圧縮比が高まる。
逆に、連結ピン29がコントロールシャフト24の中心軸よりも高くなる方向に移動すると、連結ピン27の位置も上がり、第2リンク21はクランクピン28を中心として図中反時計回り方向に傾く。これによって連結ピン26の位置は低くなり、ピストン4も下降して圧縮比が低くなる。
上記のような構成において、第1実施形態で説明した混合気律則燃焼を行うモード(以下、第1燃焼モードという)と、吸気行程中に燃料を噴射して圧縮上死点近傍で火花点火を行う、いわゆる予混合燃焼を行う燃焼モード(以下、第2燃焼モードという)とを運転状態に応じて切替えることとする。具体的には、少なくとも予混合燃焼ではノッキングが発生し易い機関低回転・高負荷運転領域(例えば、図10の運転領域マップの斜線で囲んだ領域)では第1燃焼モードで運転し、その他の領域(高回転・高負荷運転領域も含める)では第2燃焼モードによる運転を行う。そして、機関の圧縮比は、第1燃焼モードを第2燃焼モードより高く設定する。
これにより、第1燃焼モードでは高圧縮比化による熱効率の向上により、出力が上昇する。一般的には圧縮比が高くなるほどノッキング発生のおそれも高まるため、高圧縮比化による出力向上には制限があるが、第1燃焼モードで実行する混合気律則燃焼は、前述したようにノッキング発生のおそれがないので、より高い圧縮比を設定して出力向上を図ることができる。
また、第1燃焼モードでは図4に示すように圧縮行程の後半から膨張行程にかけて主噴射を行うため、熱発生重心が遅角する。一般的に熱発生重心が遅角すると熱効率が低下する傾向があるが、第1燃焼モードでは高圧縮比化により最適点火時期も遅角しているため、熱効率の悪化が抑制される。特に、前述したように一般的な燃焼形態の場合に比べて高い圧縮比を設定することができるので、熱効率の悪化を抑制する効果も大きい。
ところで、複リンク式の可変圧縮比機構では、特開2001−263099号公報に開示されているように、各リンク20〜22のジオメトリ設定によってピストンモーションを単振動に近づけることができる。ピストンモーションが単振動に近づくと、一般的なピストン−クランク機構に比べて、1サイクル中におけるピストンが上死点付近に留まる期間が長くなる。そこで、本実施形態では、単振動に近いピストンモーションであって、かつ高圧縮比のときの方が低圧縮比のときよりもピストン4が上死点付近に留まる期間が長くなるようなピストンモーションになるよう、各リンク20〜22のジオメトリを設定する。ピストン4が圧縮上死点近傍に留まる期間が長くなれば、等容度が大きくなるという効果が得られる。
図12は本実施形態のピストンモーションの一例を表す図であり、縦軸がピストン位置、横軸がクランク角度、そして図中の太線が高圧縮比時、細線が低圧縮比時のピストンモーションを表している。
第1燃焼モードでは、混合気の供給速度と燃焼速度とを釣り合わせることで火炎を燃焼室1内に定在化させるために、噴射期間を制御することで燃焼期間を制御する。すなわち、燃焼期間と噴射期間とが略同等になる。したがって、負荷の上昇により総噴射量が増加すると、噴射期間が長くなるため燃焼期間も長くなる。一般的には、燃焼期間が長くなると等容度が悪化するが、第1燃焼モードでは高圧縮比化による熱効率向上効果と、ピストン4が圧縮上死点近傍に長く留まることによる等容度向上効果により、燃焼期間の長期化による熱効率の低下を抑制することができる。
しかしながら、ピストン4が圧縮上死点近傍に長く留まる期間が長くても、機関回転速度が高まると燃焼期間は相対的に長くなってしまい、この結果、通常の火花点火運転である第2燃焼モードよりも出力が低下してしまう。そこで、図10に示すように少なくとも高回転速度域では第2燃焼モードによる運転を行う。高回転時にはサイクルの実時間が短くなるため、第2燃焼モードであっても、ノッキングは発生しにくい。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)第1燃焼モードの他に、吸気行程中に燃料を噴射し、圧縮上死点近傍で筒内に拡散した混合気に点火する第2燃焼モードを有し、少なくとも低回転・高負荷運転領域では第1燃焼モードを行うので、低回転・高負荷運転領域ではノッキング回避のために出力が制限されるという問題を解決することができる。
(2)可変圧縮比機構を備え、第1燃焼モード実行時には第2燃焼モード実行時に比べて高圧縮比に設定するので、高圧縮比化による熱効率の向上によって出力が向上する。また、高圧縮比化により最適点火時期がリタードするため、ピストン4が下降し始める圧縮上死点後の膨張行程に主噴射期間を設定しても、出力の低下を抑制することができる。
(3)可変圧縮比機構はピストンとクランクシャフトとを複数のリンク部材で連結する複リンク機構であり、少なくとも機関実圧縮比が相対的に高いときには、圧縮上死点近傍におけるピストンモーション特性が略単振動になるので、圧縮上死点近傍でのピストン位置の変化が小さくなり、早期に噴射する場合でも燃料噴霧がキャビティ4a内に入りやすくなる。また、噴射期間と燃焼期間とが略等しい第1燃焼モードでは、負荷が上昇すると噴射量も増大し燃焼期間が増大するが、ピストンが上死点近傍に長く滞在するため等容度の悪化を抑制することができる。すなわち、負荷の増大により燃焼期間が長期化しても高い熱効率を得ることができる。
第4実施形態について図13を参照して説明する。
図13は基本的には図1と同様の構成であるが、燃焼噴射弁11の他に吸気通路5にMPI噴射弁18(希薄混合気形成手段)を備える点、吸気通路5中にスワールコントロールバルブ(以下、SCVという)19を備える点、及びピストン4の冠面にキャビティ4aがない点が異なる。
ここで用いるSCV19は、一般的に用いられているものと同様の構造であり、例えば気筒当り2本の吸気弁7を備えるいわゆる吸気2弁式であれば、各気筒の吸気通路5が2本に分岐する位置近傍かつ吸気流れ上流側の部分に、いずれか一方の吸気通路5への吸気流れを遮断し得る弁体19aを設けたものである。この弁体19aを閉じた場合には、吸気は一方の吸気通路5からのみ流入することとなり、燃焼室1内にスワール流を生成される。このSCV19はコントロールユニット13によって運転状態に応じて開閉制御される。
次に、図14(a)〜(f)を参照して燃料噴射開始から火炎が定在化する主燃焼に至るまでを説明する。図14(a)〜(f)は図3、図8と同様に主燃焼に至るまでの燃料噴霧及びピストンモーションを表す図である。
図14(a)に示すように、吸気行程中にMPI噴射弁18からパイロット噴射を行い、燃焼室1内に着火用混合気を形成する。パイロット噴射時の噴射量は、着火用混合気の空気過剰率λ=2以上となるように設定する。このように希薄な混合気にすると、通常の点火栓12による火花点火のみでは火炎が伝播しない。
着火用混合気が形成されたら、図14(b)に示すように、圧縮行程中に点火栓12により火花点火を行う。その後図14(c)に示すようにピストンモーションによる圧縮により筒内全体の平均温度が上昇することで、脱水素反応等の燃料の分解反応が進み、図14(d)のようにさらに圧縮が進むことで、低温酸化反応によりホルムアルデヒドや一酸化炭素等の活性化学種、いわゆるラジカルが生成される。ここで見られる一連の過程は予混合圧縮着火燃焼に代表される化学反応律則の燃焼である、ただし、本実施形態ではパイロット噴霧ではなく主噴霧を自己着火させることが目的のため、高温酸化反応による熱発生により圧力を上昇させて仕事に変換させる必要はないので、酸化反応が完結せずに部分酸化により反応が凍結している状態でよい。
また、ピストンモーションによる温度上昇に加えて、点火栓12による火花点火によって点火エネルギーを与えるので、より反応を促進させる効果を得ると共に、点火タイミングや点火エネルギーにより反応の進行度合を制御することができる。
図14(d)で反応がある程度進行したところへ、燃料噴射弁11により主噴射を行う。ここでの噴射量は、パイロット噴射時の噴射量を含めて全体で空燃比が14から12程度となるように設定する。主噴霧は微粒化と蒸発を伴いながら、高温の周囲空気と共に着火用混合気の反応により生成されたラジカルを噴霧内部へ取り込むことで、短時間にて着火に至る。ここで、燃料噴射弁11は第1実施形態等と同様にマルチホールタイプであるので、主噴霧は複数形成されるが、主噴霧が空気を取り込んで形成した混合気は、前述したラジカルによりほぼ同時期に着火することとなる(図14(e))。このため、点火栓12による主噴霧への火花点火は不要となる。
主噴霧が着火した後は、燃焼速度と混合気の供給速度とが釣り合うように主噴射を行い、火炎を燃焼室1内に定在化させることで、混合気律則燃焼を行う。
以上により本実施形態では、以下に示すような効果を得ることができる。
(1)圧縮行程後半に行う主噴射に先立って、パイロット噴射によって燃焼室1内に希薄混合気を形成し、点火栓12によって希薄混合気に点火することで活性化学種を生成しておくので、着火用の予混合気の酸化反応は促進される。そして主噴霧をこの酸化反応の進んだ予混合気に突入させるので、活性化学種が高温の空気と共に噴霧内に取り込まれ、ガソリンのように着火しにくい燃料性状でも、複数の噴霧を体積的に略同時に着火させることができる。そして、主噴霧の燃焼が開始されたら混合気の供給速度を制御することでノッキング発生のない混合気律則燃焼を行うので、主に従来はノッキング回避のために出力が制限されていた低回転・高負荷運転領域での出力向上を図ることができる。また、ノッキングが発生しないため機関圧縮比を高めることができる。これにより、出力の向上とともに熱効率を向上させることもでき、燃費性能の向上を図ることができる。
(2)パイロット噴霧の濃度を略λ=2以上とするので、例えば吸気加熱等外部から熱エネルギーを供給しない限り自己着火に至ることはなく、火花点火を行っても火炎は伝播しない。また、仮に着火したとしても混合気が希薄なため強いノッキングは生じない。
(3)パイロット噴射を吸気ポートに設けたMPI噴射弁18により行うので、圧縮行程後半までに均質な混合気を形成することができる。
第5実施形態について説明する。本実施形態は、MPI噴射弁18を備えず、パイロット噴射を燃焼室1内に直接噴射する燃料噴射弁11で行う点が第4実施形態と異なり、その他の混合気の空燃比等については第4実施形態と同様である。
ここで、主燃焼に至るまでの燃料噴霧およびピストンモーションについて表した図である図15(a)〜(f)を参照して説明する。
図15(a)に示すように、吸気行程中にパイロット噴射を行う。そして図15(b)に示すように、圧縮行程において点火栓12により火花点火を行う。ここで、点火栓12は、図16(a)に示すように、噴霧が直接点火12に当らないように配置する。これにより、パイロット噴霧及び主噴霧が直接点火栓12にあたることがなくなるため、点火栓12の汚染(カブリや燻り)を回避することができる。また、主燃焼開始時に火花点火を行わないので、主噴射の噴射方向をパイロット噴射の噴射方向と異ならせる必要がなく、一般的に使用される噴霧角度一定の噴射弁を用いながら、前記点火栓12の汚染を防止することができる。
また、パイロット噴霧は燃焼室1全体に拡散するので、点火栓12の本数は噴霧の本数より少なくてもよく、少なくとも1つ以上の点火栓12を配置すればよい。なお、図16(b)に示すように、複数の点火栓12を配置してもよい。この場合は、点火栓12が1つの場合に比べて広い範囲で混合気の反応を促進させることができるので、着火に必要なラジカルを短時間で形成することが可能となる。
図15(b)〜(f)については、第4実施形態と同様なので説明を省略する。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)燃料噴射弁11によりパイロット噴射を行うので、希薄混合気の形成時期を吸気弁7の開閉時期に依存せず任意の時期に設定することができる。ここで、予混合気の酸化反応(着火遅れ時間)は化学反応であるため、混合気形成から着火に至るまでの雰囲気温度と圧力の履歴に強く依存する。この点、本実施形態では反応の進行度を噴射時期により制御でき、また、SCV19によって筒内ガス流動を制御し、点火栓12周りに濃い混合気を形成する等、混合気濃度に空間的な濃淡を作ることが可能となるので、反応の進行度の制御性が向上する。
(2)パイロット噴射と主噴射とで燃料の噴射方向が異なるので、パイロット噴射により燃焼室1内に形成する混合気を成層化して着火用火炎の発熱量を低減することができ、これにより燃費性能が向上し、また、スモークの発生を防止できる。また、発熱量が小さいため、仮にパイロット噴霧が自己着火した場合にも、許容し得る程度のノッキング強度となる。
第6実施形態について図17(a)〜(e)を参照して説明する。
本実施形態の構成は基本的には第2実施形態と同様であり、ピストン4の冠面にはキャビティ4aが設けられている。第2実施形態と異なるのは、着火用火炎を形成せずに、第4、第5実施形態と同様にラジカルを生成し、主噴霧を自己着火させる点である。
また、後述するようにキャビティ4aの内壁面にはセラミックスやジルコニア等の断熱膜が塗布されている。
以下、図17(a)〜(e)に示した行程にしたがって説明する。
図17(a)に示すように、キャビティ4aを指向するようにパイロット噴射を行う。このとき、噴孔角度を狭角にすればキャビティ4aを小さくすることができる。また、噴射量は、キャビティ4aの容積に対してλ=2以上の希薄な混合気濃度となるように設定する。
噴射された燃料噴霧は、図17(b)に示すように、キャビティ4aに衝突して旋回し、周囲の空気との混合を進めながらキャビティ4a上方へ巻き上がる。ここで、ピストンストローク方向から見たときにその中心電極がキャビティ4a内となるように配置された点火栓12により火花点火を行う。これにより、少なくとも点火期間中に点火栓12周辺に滞在する混合気の反応を促進させることができる。ただし、混合気濃度は希薄なため、火炎伝播は生じない。また、仮に火炎が生成されたとしても、混合気はキャビティ4a近傍にしか存在しないため、発熱量は微少であり、ノッキングを発生させるような急激な圧力上昇は生じない。
点火栓12による火花点火の後、図17(c)に示すようにピストン4は上昇して燃焼室1の容積が変化し、これによる筒内温度上昇に応じて混合気の酸化反応が進行してラジカルが生成される。
そして、図17(d)に示すように、広角に設定した噴孔角度での主噴射を行う。これにより、キャビティ4a内に形成された着火用の混合気内に形成されたラジカルが圧縮により高温となった空気と共に主噴霧の内部へ取り込まれ、主噴霧は自己着火に至る。
上述したようにキャビティ4a内には断熱膜が塗布されているので、キャビティ4a内壁面からの冷却損失が低減されてキャビティ4a内が高温となり、着火用混合気の反応をより促進させる効果が得られる。
なお、キャビティ4aの容積が大きい場合には、燃焼室1全体の温度に与える影響が大きくなり、燃焼室1全体が高温となって吸入空気量が低下し、出力低下を招くという問題がある。しかしながら、本実施形態では噴孔角度を可変に制御できるので、パイロット噴射の噴孔角度を小さくすることでキャビティ4aの容積を小さくし、吸入空気量の低下を抑制することができる。
また、キャビティ4aの形状は、第2実施形態と同様に、図6に例示したようなものであっても構わない。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)ピストン4の冠面にキャビティ4aを設けるので、例えばパイロット噴射をキャビティ4a内に向けて噴射することで、成層化された混合気をキャビティ4a内にホールドすることができ、これにより界面の明確な成層混合気が圧縮上死点近傍まで維持することができる。また、噴射時期及び噴射量の制御により、キャビティ4a内の混合気濃度を調整することで、着火用噴霧の酸化反応の進行度を制御することができる。
(2)キャビティ4aの内壁面に断熱処理を施すので、キャビティ4a内の温度場を高温とすることができる。化学反応は温度が高いほど反応速度が高まるので、着火用噴霧の酸化反応を促進することができる。なお、着火時期が早すぎる場合にはパイロット噴射時期をリタードしてキャビティ4a内の濃度を希薄にすることで反応の進行度を制御することができる。また、一般的に燃焼室壁面を断熱化すると吸入空気量が減少して出力低下を招くという問題があるが、本実施形態ではキャビティ4a内のみ断熱化するので、吸入空気量の減少という問題は生じない。
第7実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的な構成及び二つの燃焼モード(第3、第4燃焼モード)を運転状態に応じて切り替える点は第3実施形態と同様であるが、着火用火炎を形成せずにラジカルを生成し、主噴霧を自己着火させる点で異なる。また、機関低回転・高負荷運転領域で混合気律則燃焼を行う点は同様であるが、パイロット噴射を吸気行程中に行う点が第1燃焼モードとは異なる(このモードを第3燃焼モードという)。また、第3燃焼モードにおいては一般的な予混合火花点火を行う第4燃焼モードよりも点火エネルギーを強化する点においても異なる。
点火エネルギー強化の手法としては、例えば、点火コイルの1次側電流を流す期間を増大させる手法がある。図18(a)は点火システムの概略図であり、図18(b)は1次側コイルに流す電流と、これに応じて2次側コイルに流れる電流及び2次側コイルに生じる電圧の関係を表す図である。図に示すように、1次側コイル電流を流す期間を長くすることで、1次側電流を遮断したときに2次側コイルに生じる電圧、すなわち点火エネルギーを増大させることができる。そこで、第4燃焼モードよりも第3燃焼モードの方が1次側コイルに電流を流す期間を長くすることで、点火エネルギーは第3燃焼モードの方が第4燃焼モードよりも強くする。なお、レーザー点火などの他の点火強化アイテムを用いてもよい。
ところで、本実施形態では、パイロット噴射開始から主噴射までの間に多重点火させることとする。燃料噴射と点火パターンとの関係を図19(a)〜(d)に示す。図19(a)は縦軸が燃料噴射量、横軸がクランク角度であり、t1から開始される噴射(図中斜線を付した部分)がパイロット噴射、t2から開始される噴射が主噴射を表す。すなわち、点火期間はt1からt2までということになる。
図19(b)〜(d)は、点火パターンの例を表したものであり、何れも縦軸が点火エネルギー、横軸がクランク角度である。図19(b)は点火期間中に1回だけ点火を行うパターン、図19(c)は同じく2回、図19(d)は同じく4回の点火を行うパターンを表している。図に示すように、1回点火(図19(a))よりも2回点火(図19(c))の方がトータルの投入エネルギーを増大させることができる。ここで、図19(c)と同等の投入エネルギーを1回の点火で投入すると、1回の点火あたりの放電期間を長くすることとなり、コイルの負担が増大したり点火栓12の中心電極が劣化する等の問題が発生するが、図19(c)のように間隔をあけて2回の点火を行うことで、コイルや点火栓12に負担をかけることなくトータルの投入エネルギーを増大させることができる。また、点火タイミングや点火ごとの点火エネルギーを制御することで、着火用混合気の反応進行度を制御することもできる。なお、図19(d)のように1回当りの点火エネルギーを図19(c)の2回点火の略半分にすることでコイルや点火栓12への負担をさらに軽減し、トータルの投入エネルギーを確保するために点火回数を4回に増加させてもよい。
また、第3燃焼モードでの運転時には、第4燃焼モードよりも筒内ガス流動が弱くなるようにする。例えば、SCV19を開くことでガス流動を弱める。これにより、着火用混合気が拡散しにくくなり、また点火栓12周りのガス流動が弱まることで着火用混合気が点火栓12付近に安定して滞在するようになるので、確実にラジカルを生成させることができる。さらに、SCV19を開くことで吸入空気量が増加するので、結果として高い出力が得られることとなる。
なお、筒内ガス流動は燃焼速度への影響が大きく、筒内ガス流動は強い方が燃焼速度が高くなる傾向があるが、第3燃焼モードでは前述したようにSCV19を開くので、筒内のスワール流動は弱くなる。しかしながら、主燃焼期間中は高圧で筒内に噴射された主噴霧により筒内ガス流動が生成され、高い燃焼速度が得られるので、SCV19を開くことでスワール流動が弱まっても問題はない。
また、可変圧縮機機構ではなく従来のピストン−クランク機構を用いて、第3燃焼モードと第4燃焼モードとを同じ圧縮比としても構わない。
以上により本実施形態では、以下に記載するような効果を得ることができる。
(1)同一サイクル中に希薄混合気に多重点火することで、強力な点火装置を備えなくても混合気へ与える火花点火エネルギーの総量を増加でき、着火用混合気の酸化反応を促進することができる。
(2)第3燃焼モードの他に、吸気行程から圧縮行程前半の間に燃焼室内に予混合気を形成して火花点火を行う第4燃焼モードを有し、少なくとも所定の低回転高負荷運転領域においては第3燃焼モードを行うので、サイクルの実時間が長くノッキングが発生しやすい低回転・高負荷運転領域でもノッキングが発生せず、出力向上を図ることができる。
(3)可変圧縮比機構を備えるので、圧縮比により燃焼室1内の温度履歴を制御することで着火時期を制御することができる。これにより、予め形成される着火用混合気噴霧の酸化反応がより安定し、主噴霧へ確実な体積点火が可能となる。第3燃焼モード実行時には、機関の実圧縮比を第4燃焼モード実行時に比べて高く設定することで熱効率が向上するので、出力向上を図ることができる。また、高圧縮比化により最適点火時期がリタードするので、ピストン4が下降し始める圧縮上死点後の膨張行程に主燃焼期間を設定しても出力低下を抑制することができる。なお、主噴霧の燃焼は混合気律則燃焼であるので、ノッキングの発生を防止できる。
(4)複リンク式の可変圧縮比機構を用いて、少なくとも機関実圧縮比が相対的に高いときには圧縮上死点近傍におけるピストンモーション特性が略単振動になるようにするので、パイロット噴射が早期に行われる場合であってもパイロット噴霧がキャビティ4a内に入りやすく、かつ、高温高圧場が長く維持されるので、パイロット噴霧が周囲の空気を取り込んで形成する着火用混合気の酸化反応が安定して、反応進行度のサイクルごとのバラツキを低減することができる。また、第3燃焼モードでは噴射期間と燃焼期間が略同等であり、負荷の上昇の応じて燃焼期間が長くなるが、ピストン4が圧縮上死点近傍に長く滞在するため、等容度が悪化することなく、高い熱効率を得ることができる。
(5)第3燃焼モードでの運転時には第4燃焼モードでの運転時よりも高い点火エネルギーで点火を行なうので、着火用混合気の酸化反応を促進でき、主噴霧を安定して体積点火させることが可能となる。
(6)第3燃焼モードでの運転時は、第4燃焼モードでの運転時に比べて燃焼室1内のガス流動を弱めるので、混合気の拡散を防止して着火用混合気を点火栓12近傍に安定して滞在させることができる。なお、主燃焼期間中には高圧で噴射される主噴霧によって乱れが与えられることで高い燃焼速度が得られるので、ガス流動を弱めても燃焼が悪化することはない。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
(a)、(b)は第1実施形態の機関の概略構成図である。 (a)は燃焼室上面図、(b)は燃焼形態を説明するための図である。 (a)〜(d)はピストンモーションと燃料噴射との関係を表す図であり、(e)は(c)のC−C断面を表す図である。 (a)は点火栓が1つの場合の点火栓と燃料噴霧との関係を表す図であり、(b)は点火栓が2つの場合の点火栓と燃料噴霧との関係を表す図である。 (a)〜(c)は燃料噴射パターンを表す図である。 (a)〜(f)は適用可能なキャビティ形状の例を表す図である。 (a)〜(c)は燃料噴射弁のノズル部分の断面図であり、(a)は閉弁時、(b)はパイロット噴射時、(c)は主噴射時の状態を表す。 (a)〜(e)はピストンモーションと燃料噴射との関係を表す図である。 混合気律則燃焼を実行する運転領域を表す図である。 可変圧縮比機構の一例を表す図である。 可変圧縮比機構の圧縮比変更動作を説明するための図である。 可変圧縮比機構のピストンモーションを表す図である。 (a)、(b)は第4実施形態の機関の概略構成図であり、(c)はスワールコントロールバルブの概略図である。 (a)〜(f)は第4実施形態のピストンモーションと燃料噴射との関係を表す図である。 (a)〜(f)は第5実施形態のピストンモーションと燃料噴射との関係を表す図である。 (a)は点火栓が1つの場合の点火栓と燃料噴霧との関係を表す図であり、(b)は点火栓が2つの場合の点火栓と燃料噴霧との関係を表す図である。 (a)〜(e)は第6実施形態のピストンモーションと燃料噴射との関係を表す図である。 (a)は点火装置の一例を表す図であり、(b)はコイルに流す電流とそれにより発生する電圧との関係を表す図である。 (a)〜(d)はそれぞれ点火パターンを表し、(a)、(b)は一点点火、(c)、(d)は多重点火について表した図である。
符号の説明
1 燃焼室
2 シリンダヘッド
3 シリンダブロック
4 ピストン
4a キャビティ
5 吸気通路
6 排気通路
7 吸気弁
8 排気弁
9 吸気カムシャフト
10 排気カムシャフト
11 燃料噴射弁
12 点火栓
13 コントロールユニット
14a 第1針弁
14b 第2針弁
14c 第1係止部
14d 第2係止部
15 パイロット噴孔
16 主噴孔
17 弾性部材
18 MPI噴射弁
19 スワールコントロールバルブ(SCV)
20 第1リンク
21 第2リンク
22 クランクシャフト
23 第3リンク
24 コントロールシャフト
25 アクチュエータ

Claims (25)

  1. 機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記燃料噴射手段から噴射された燃料が周囲の空気を取り込んで形成する混合気に火花点火を行う点火手段と、
    冠面にキャビティを有するピストンと、
    機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    運転状態に応じた前記混合気の燃焼速度を検知する燃焼速度検知手段と、
    前記混合気の供給速度を可変に制御する供給速度制御手段と、
    を備え、
    前記燃料噴射手段は、圧縮行程中に開始する噴射期間前期には前記キャビティ内に向けて燃料を噴射し、噴射期間後期には噴射期間前期に噴射した燃料が形成した混合気に前記点火手段によって火花点火することで形成した着火用火炎に向けて燃料を噴射し、
    前記供給速度制御手段は前記供給速度を前記燃焼速度と略同等となるように制御することにより、噴射期間後期に噴射した燃料が前記着火用火炎に突入することによって形成された燃焼火炎を燃焼室内に定在化させる第1燃焼モードを有することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関。
  2. 前記着火用火炎は、噴射期間前期に噴射された燃料が前記キャビティに衝突、拡散する過程で形成した混合気に火花点火することによって前記キャビティ外に形成され、
    前記燃料噴射手段は、前記噴射期間後期に前記着火用火炎に向けて燃料を噴射することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  3. 前記キャビティはリエントラント形状であることを特徴とする請求項2に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  4. 前記点火手段は、圧縮上死点近傍において電極ギャップが前記キャビティの側壁面近傍に位置するように配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  5. 噴射期間前期は噴射期間後期に比べて低噴射率で噴射することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  6. 噴射期間前期の前記燃料噴射弁の針弁リフト量が噴射期間後期の前記燃料噴射弁の針弁リフト量に比べて小さいことを特徴とする請求項5に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  7. 噴射期間前期と噴射期間後期とが分割噴射であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  8. 前記燃料噴射弁は噴霧角を可変に制御可能であり、噴射期間初期の噴霧角が噴射期間後期の噴霧角に比べて小さいことを特徴とする請求項7に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  9. 前記燃料噴射弁はマルチホール式の噴射弁であって、噴射期間前期の針弁リフト量が噴射期間後期の針弁リフト量よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  10. 前記第1燃焼モードの他に、吸気行程中に燃料を噴射し、圧縮上死点近傍で筒内に拡散した混合気に点火する第2燃焼モードを有し、
    少なくとも低回転・高負荷運転領域では前記第1燃焼モードを行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  11. 機関の実圧縮比を可変に制御可能な可変圧縮比機構を備え、
    前記第1燃焼モード実行時には、機関の実圧縮比を前記第2燃焼モード実行時に比べて高く設定することを特徴とする請求項10に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  12. 前記可変圧縮比機構はピストンとクランクシャフトとを複数のリンク部材で連結する複リンク機構であり、少なくとも機関実圧縮比が相対的に高いときには、圧縮上死点近傍におけるピストンモーション特性が略単振動になることを特徴とする請求項11に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  13. 機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記燃焼室内に希薄混合気を形成する希薄混合気形成手段と、
    火花点火を行う点火手段と、
    機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    運転状態に応じた前記混合気の燃焼速度を検知する燃焼速度検知手段と、
    前記混合気の供給速度を可変に制御する供給速度制御手段と、
    を備え、
    圧縮行程後半に前記燃料噴射手段が行う後期燃料噴射に先立って、前記希薄混合気形成手段が燃焼室内に希薄混合気を形成し、前記点火手段によって前記希薄混合気に点火することで活性化学種を生成しておくことで、前記後期燃料噴射時に噴射した燃料が自己着火して燃焼火炎を形成し、
    前記供給速度制御手段が前記供給速度を前記燃焼速度と略同等となるように制御することにより、前記燃焼火炎を燃焼室内に定在化させる第3燃焼モードを有することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関。
  14. 前記希薄混合気の濃度が略λ=2以上であることを特徴とする請求項13に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  15. 前記希薄混合気形成手段が、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁であることを特徴とする請求項13または14に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  16. 前記希薄混合気形成手段として前記燃料噴射手段がパイロット噴射を行なうことを特徴とする請求項13または14に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  17. 前記パイロット噴射と前記後期燃料噴射とで燃料の噴射方向が異なることを特徴とする請求項16に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  18. ピストン冠面にキャビティを有することを特徴とする請求項13、14、16のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  19. 前記キャビティの内壁面に断熱処理が施されていることを特徴とする請求項18に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  20. 前記点火手段は、同一サイクル中に前記希薄混合気に多重点火することを特徴とする請求項13から19のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  21. 前記第3燃焼モードの他に、吸気行程から圧縮行程前半の間に燃焼室内に予混合気を形成して火花点火を行う第4燃焼モードを有し、少なくとも所定の低回転高負荷運転領域においては前記第3燃焼モードを行うことを特徴とする請求項13から20のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  22. 機関の実圧縮比を可変に制御可能な可変圧縮比機構を備え、
    前記第3燃焼モード実行時には、機関の実圧縮比を前記第4燃焼モード実行時に比べて高く設定することを特徴とする請求項21に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  23. 前記可変圧縮比機構はピストンとクランクシャフトとを複数のリンク部材で連結する複リンク機構であり、少なくとも機関実圧縮比が相対的に高いときには、圧縮上死点近傍におけるピストンモーション特性が略単振動になることを特徴とする請求項22に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  24. 前記点火手段は、前記第3燃焼モードでの運転時には前記第4燃焼モードでの運転時よりも高い点火エネルギーで点火を行なうことを特徴とする請求項21から23のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  25. 前記第3燃焼モードでの運転時は、前記第4燃焼モードでの運転時に比べて筒内ガス流動を弱めることを特徴とする請求項21から24のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
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