JP2008117930A - 記憶素子、メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】情報の記録を少ない電流量で安定して行うことができる記憶素子を提供する。
【解決手段】情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層16と、この記憶層16に対してトンネル絶縁層15を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層2とを有し、積層方向に電流Izを流すことにより、記憶層16の磁化M1の向きが変化して、記憶層16に対して情報の記録が行われ、磁化固定層2が非磁性層13を介して積層された複数層の強磁性層12,14から成り、この磁化固定層2のうち少なくとも最も記憶層16側に配置された強磁性層14において、強磁性層14の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化M12a,M12bを有する、磁化領域が形成されている記憶素子を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体の磁化状態を情報として記憶する記憶層と、磁化の向きが固定された磁化固定層とから成り、電流を流すことにより記憶層の磁化の向きを変化させる記憶素子及びこの記憶素子を備えたメモリに係わり、不揮発メモリに適用して好適なものである。
情報通信機器、特に携帯端末等の個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモリやロジック等の素子に対して、高集積化、高速化、低電力化等、一層の高性能化が要請されている。
特に、不揮発性メモリは、機器の高機能化に必要不可欠な部品と考えられている。
不揮発性メモリとしては、半導体フラッシュメモリやFeRAM(強誘電体不揮発メモリ)等が実用化されており、さらなる高性能化に向けて活発な研究開発が行われている。
最近、磁性体を利用した新しい不揮発メモリとして、トンネル磁気抵抗効果を利用したMRAM(Magnetic Random Access Memory )の開発進捗が著しく、注目を集めている(例えば、非特許文献1参照)。
このMRAMは、情報の記録を行う微小な記憶素子を規則的に配置し、その各々にアクセスできるように、配線例えばワード線及びビット線を設けた構造を有している。
それぞれの磁気メモリ素子は、情報を強磁性体の磁化の向きとして記録させる記憶層を有して構成される。
そして、磁気メモリ素子の構成としては、上述の記憶層と、トンネル絶縁膜(非磁性スペーサ膜)と、磁化の向きが固定された磁化固定層とから成る、いわゆる磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)を用いた構造が採用されている。磁化固定層の磁化の向きは、例えば反強磁性層を設けることにより固定することができる。
このような構造においては、記憶層の磁化の向きと磁化固定層の磁化の向きとのなす角度に応じて、トンネル絶縁膜を流れるトンネル電流に対する抵抗値が変化する、いわゆるトンネル磁気抵抗効果を生じるため、このトンネル磁気抵抗効果を利用して、情報の書き込み(記録)を行うことができる。この抵抗値の大きさは、記憶層の磁化の向きと磁化固定層の磁化の向きとが反平行であるときに最大値をとり、平行であるときに最小値をとる。
このように構成した磁気メモリ素子において、磁気メモリ素子への情報の書き込み(記録)は、ワード線及びビット線の両方に電流を流すことにより発生する合成電流磁界により、磁気メモリ素子の記憶層の磁化の向きを制御することにより行うことができる。一般的には、このときの磁化の向き(磁化状態)の違いを、「0」情報と「1」情報とにそれぞれ対応させて記憶させる。
そして、記憶素子に情報の記録(書き込み)を行う方法には、アステロイド特性を利用した方法(例えば、特許文献1参照)とスイッチング特性を利用した方法(例えば、特許文献2参照)がある。
一方、記録された情報の読み出しは、トランジスタ等の素子を用いてメモリセルの選択を行い、磁気メモリ素子のトンネル磁気抵抗効果を利用して、記憶層の磁化の向きの違いを電圧信号の差として検出することにより、記録された情報を検知することができる。
このMRAMを他の不揮発メモリと比較した場合、最大の特長は、強磁性体から成る記憶層の磁化の向きを反転させることにより、「0」情報と「1」情報とを書き換えるため、高速かつほぼ無限(>1015回)の書き換えが可能であることである。
しかしながら、MRAMにおいては、記録された情報を書き換えるために、比較的大きい電流磁界を発生させる必要があり、アドレス配線にある程度大きい(例えば数mA〜数十mA)電流を流さなければならない。そのため消費電力が大きくなる。
また、MRAMにおいては、書き込み用のアドレス配線と読み出し用のアドレス配線をそれぞれ必要とするため、構造的にメモリセルの微細化が困難であった。
さらに、素子の微細化に従って、アドレス配線も細くなり、充分な電流を流すことが難しくなる問題や、保磁力が大きくなるため必要となる電流磁界が増大して、消費電力が増えてしまう問題等を、生じることになる。
従って、素子の微細化が困難であった。
そこで、この問題を解決するための一つの方法として、電流磁界によらないで記録を行う構成が研究されており、なかでも、より少ない電流で磁化反転が可能な構成として、スピントランスファによる磁化反転を利用する構成のメモリが注目されている(例えば、特許文献3参照)。
スピントランスファによる磁化反転とは、磁性体の中を通過してスピン偏極した電子を、他の磁性体に注入することにより、他の磁性体において磁化反転を起こさせるものである(例えば、特許文献4参照)。
即ち、磁化の向きが固定された磁性層(磁化固定層)を通過したスピン偏極電子が、磁化の向きが固定されない他の磁性層(磁化自由層)に進入する際に、この磁性層の磁化にトルクを与えるという現象である。そして、ある閾値以上の電流を流せば、磁性層(磁化自由層)の磁化の向きを反転させることができる。
例えば、磁化固定層と磁化自由層とを有する、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や磁気トンネル接合素子(MTJ素子)に対して、その膜面に垂直な方向に電流を流すことにより、これらの素子の少なくとも一部の磁性層の磁化の向きを反転させることができる。
これにより、磁化固定層と磁化自由層(記憶層)とを有する記憶素子を構成し、記憶素子に流す電流の極性を変えることにより、記憶層の磁化の向きを反転させ、「0」情報と「1」情報との書き換えを行う。
記録された情報の読み出しは、磁化固定層と磁化自由層(記憶層)との間にトンネル絶縁層を設けた構成とすることにより、MRAMと同様にトンネル磁気抵抗効果を利用することができる。
そして、スピントランスファによる磁化反転は、素子が微細化されても、電流を増やさずに磁化反転を実現することができる利点を有している。
磁化反転のために記憶素子に流す電流の絶対値は、例えば0.1μm程度のスケールの記憶素子で1mA以下であり、しかも記憶素子の体積に比例して減少するため、スケーリング上有利である。
しかも、MRAMで必要であった記録用ワード線が不要となるため、メモリセルの構成が単純になるという利点もある。
以下、スピントランスファを利用した記憶素子をSpRAM(Spin transfer Random Access Memory)と呼び、スピントランスファを引き起こすスピン偏極電子流をスピン注入電流(Spin injection current)と呼ぶことにする。
高速かつ書換え回数がほぼ無限大であるというMRAMの利点を保ったまま、低消費電力化、大容量化を可能とした不揮発メモリとして、SpRAMには大きな期待が寄せられている。
ここで、従来のスピントランスファを使用するメモリ(SpRAM)のメモリセルの模式的断面図を図7に示す。
メモリセルに記録された情報を読み出すために、メモリセルを電気的に選択するためには、ダイオードまたはMOSトランジスタ等を用いることができるが、図7に示すメモリセルはMOSトランジスタを用いている。
まず、SpRAMのメモリセルを構成する記憶素子101の構成を説明する。
強磁性層112及び強磁性層114は、非磁性層113を介して配置されていることにより、反強磁性結合している。さらに、下層側の強磁性層112は、反強磁性層111と接して配置されており、これらの層間に働く交換相互作用によって、強い一方向の磁気異方性を有する。そして、これら4層111,112,113,114により磁化固定層102が構成される。即ち、磁化固定層102は、2層の強磁性層112,114を有している。
強磁性層116は、その磁化M1の向きが比較的容易に回転するように構成されており、この強磁性層116によって記憶層(磁化自由層)103が構成される。
磁化固定層102の強磁性層114と強磁性層116との間、即ち磁化固定層102と記憶層(磁化自由層)103との間には、トンネル絶縁層115が形成されている。このトンネル絶縁層115は、上下の磁性層116及び114の磁気的結合を切ると共に、トンネル電流を流す役割を担う。これにより、磁性層の磁化の向きが固定された磁化固定層102と、トンネル絶縁層115と、磁化の向きを変化させることが可能な記憶層(磁化自由層)103とにより、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子が構成されている。
そして、上述の各層111〜116と、下地膜110及びトップコート層117により、TMR素子から成る記憶素子101が構成されている。
また、シリコン基板120中に選択用MOSトランジスタ121が形成され、この選択用MOSトランジスタ121の一方の拡散層123上に接続プラグ107が形成されている。この接続プラグ107上に、記憶素子101の下地膜110が接続されている。選択用MOSトランジスタ121のもう一方の拡散層122は、図示しないが、接続プラグを介してセンス線に接続されている。選択用MOSトランジスタのゲート106は、選択信号線と接続されている。
記憶素子101のトップコート層117は、その上のビット線(BL)105に接続されている。
定常状態において、非磁性層113を介した強い反強磁性結合により、強磁性層112の磁化M11と強磁性層114の磁化M12は、ほぼ完全な反平行状態にある。
通常、強磁性層112と強磁性層114とは、飽和磁化膜厚積が等しい構成とされるため、磁極磁界の漏洩成分は無視できるくらい小さい。
そして、トンネル絶縁層115を挟む、記憶層103の強磁性層116の磁化M1の向きと、磁化固定層102の強磁性層114の磁化M12の向きとが、平行状態にあるか反平行状態にあるかによって、これらの層114,115,116から成るTMR素子の抵抗値が変化する。2つの磁化M1,M12が平行状態では抵抗値が低くなり、反平行状態では抵抗値が高くなる。TMR素子(114,115,116)の抵抗値が変化すると、記憶素子101全体の抵抗値も変化する。このことを利用して、情報を記録することや、記録した情報を読み出すことができる。即ち、例えば、抵抗値が低い状態を「0」情報に割り当て、抵抗値が高い状態を「1」情報に割り当てることにより、2値(1ビット)の情報を記録することができる。
なお、磁化固定層102のうち記憶層103側の強磁性層114は、記録した情報を読み出す際に、記憶層103の磁化M1の向きの基準となり参照される強磁性層であるため、参照層とも称される。
メモリセルの情報を書き換えたり、メモリセルに記録した情報を読み出したりするためには、スピン注入電流Izを流す必要がある。このスピン注入電流Izは、記憶素子101及び拡散層123及びビット線105を通過する。
このスピン注入電流Izの極性を変えることにより、記憶素子101を流れるスピン注入電流Izを、上向きから下向きに、或いは下向きから上向きに、変えることができる。
これにより、記憶素子101の記憶層103の磁化M1の向きを変化させて、メモリセルの情報を書き換えることができる。
ところで、記憶素子の記憶層の磁化の向きを反転させるために、記憶素子にスピン注入電流を流すだけでなく、記憶素子の他にバイアス電流磁界を印加するSpRAMの構成が提案されている(特許文献5参照)。
具体的には、例えば図7に示す構成において、ビット線105を通じて記憶素子101にスピン注入電流Izを流すと共に、ビット線105を流れる電流(スピン注入電流Izに等しい)により発生したバイアス電流磁界Hx(図示せず)を、記憶素子101の記憶層103に印加する。
これにより、記憶層103の磁化M1の向きを、効率良く変化させることが可能になる。
以下、スピン注入電流Izを縦軸にして、バイアス電流磁界Hxを横軸にして、メモリセルの状態を表現した状態図を、phase diagramと呼ぶ。なお、スピン注入電流Izや、バイアス電流磁界Hxを発生させるバイアス電流を、パルス電流とする場合には、パルス電流の波高値を用いてphase diagramを作製する。
J.Nahas et al.,IEEE/ISSCC 2004 Visulas Supplement,p.22 特開平10−116490号公報 米国特許出願公開第2003/0072174号明細書 米国特許第5695864号明細書 特開2003−17782号公報 特開2005−277147号公報
図7に示した構成の記憶素子101において、記憶層(磁化自由層)103の磁化Mfree(=M1)に作用するスピントルクの大きさは、ベクトル三重積Mfree×Mfree×Mrefに比例する。ただし、Mrefは、参照層(強磁性層)114の磁化(=M12)である。
初期状態では、記憶層(磁化自由層)103の磁化Mfreeと参照層(強磁性層)114の磁化Mrefとが反平行状態にあるので、最初に作用するスピントルクは非常に小さい。
このようにスピントルクが小さいため、磁化反転電流が大きくなる。
一般的なphase diagramは、ヒステリシス領域と、初期磁化状態に関わらずメモリセルを低抵抗状態即ち0状態にする領域(0状態の領域)と、初期磁化状態に関わらずメモリセルを高抵抗状態即ち1状態にする領域(1状態の領域)と、前述した3領域が混在した不安定動作領域とを含む。
SpRAMが現実的な余裕(動作マージン)を有するメモリとして機能するためには、3つの領域(ヒステリシス領域、0状態の領域、及び1状態の領域)が充分に広く独立して存在している必要がある。
ヒステリシス領域を、双安定動作領域とも呼ぶことができる。また、0状態の領域及び1状態の領域を、単安定動作領域とも呼ぶことができる。
ここで、図7に示した記憶素子101において、測定したphase diagramの一例を、図8に示す。図8は、スピン注入電流Izの電流パルスのパルス幅を1ns(ナノ秒)とした場合である。
この図8に示すphase diagramは、スピン注入電流Izのパルス波高値を縦軸に、バイアス電流磁界Hxのパルス波高値を横軸にして、メモリセルの状態を示した状態図である。
phase diagramにおいては、双安定動作領域(ヒステリシス領域80)と単安定動作領域(0状態の領域81及び1状態の領域82)とが分離されていることにより、安定した動作が可能になる。
図8に示すように、図中右上(第一象限)及び左下(第三象限)の端部に、3つの状態80,81,82が混在した不安定動作領域83が現れている。
このように不安定動作領域83が現れる場合には、この不安定動作領域83にかからないように、磁化反転の動作を行う際のスピン注入電流Iz及びバイアス電流磁界Hxを設定する。
しかしながら、図8に示すphase diagramでは、双安定動作領域80が広範囲に現れているため、スピン注入電流Iz及びバイアス電流磁界Hxを大きくしないと、単安定動作領域81,82にかからない。そのため、前述したように、磁化反転電流を大きくする必要があることがわかる。
上述した問題の解決のために、本発明においては、情報の記録を少ない電流量で安定して行うことができる記憶素子、及び記憶素子を備えたメモリを提供するものである。
本発明の記憶素子は、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層と、この記憶層に対して非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層とを有し、積層方向に電流を流すことにより、記憶層の磁化の向きが変化して、記憶層に対して情報の記録が行われる構成であって、磁化固定層が、非磁性層を介して積層された複数層の強磁性層から成り、この磁化固定層は、複数層の強磁性層のうち少なくとも最も記憶層側に配置された強磁性層において、強磁性層の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域が形成されているものである。
本発明のメモリは、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有し、積層方向に電流を流すことにより、記憶層の磁化の向きが変化して、記憶層に対して情報の記録が行われる記憶素子と、この記憶素子の積層方向に流す電流を供給する配線とを備え、記憶素子が上記本発明の記憶素子の構成であるものである。
上述の本発明の記憶素子の構成によれば、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有し、この記憶層に対して非磁性層を介して磁化固定層が設けられ、積層方向に電流を流すことにより、記憶層の磁化の向きが変化して、記憶層に対して情報の記録が行われる構成であるので、積層方向に電流を流すことによってスピン注入により記憶層の磁化の向きを変化させて、情報の記録を行うことができる。
そして、磁化固定層が、非磁性層を介して積層された複数層の強磁性層から成るため、いわゆる積層フェリ構造となっており、積層された各強磁性層の磁化の向きが互い違いになり、逆向きの磁界が互いに相殺されて、磁化固定層から記憶層への漏れ磁界の大きさを小さくすることができる。
さらに、この磁化固定層は、複数層の強磁性層(積層フェリ構造)のうち少なくとも最も記憶層側に配置された強磁性層において、強磁性層の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域が形成されている。これにより、(磁化固定層の)強磁性層の両端部の磁化領域から、記憶層に対して向きの異なる2つのスピントルクが作用する。これにより、少ない電流量で記憶層の磁化の向きを反転することができる。また、スピン注入電流のパルス幅によらず、磁化の向きを変化させるスイッチングを安定して行うことが可能になる。
上述の本発明のメモリの構成によれば、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有し、積層方向に電流を流すことにより、記憶層の磁化の向きが変化して、記憶層に対して情報の記録が行われる記憶素子と、この記憶素子の積層方向に流す電流を供給する配線とを備え、記憶素子が上記本発明の記憶素子の構成であることにより、配線を通じて記憶素子の積層方向に電流を流してスピン注入による情報の記録を行うことができる。
また、少ない電流量で情報の記録を行うことができると共に、スピン注入電流のパルス幅によらず、情報の記録を安定して行うことが可能になる。
上述の本発明によれば、少ない電流量で記憶層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行うことができる。
これにより、情報の記録に要する電力を低減して、消費電力の少ないメモリを実現することができる。
また、スピン注入電流のパルス幅によらず、スイッチングを安定して行うことが可能になることにより、スピン注入電流のパルス幅に対するマージンが広くなる。
これにより、情報の記録を安定して行うことができ、高い信頼性を有する記憶素子を実現することができる。
また、パルス幅に対するマージンが広くなるので、メモリセル毎の特性に若干のばらつきがあっても安定して動作させることができるので、メモリセルの数の多い大容量メモリでも安定して動作させることが可能になる。
即ち、本発明により、安定して動作する記憶容量の大きいメモリを実現することができる。
まず、本発明の具体的な実施の形態の説明に先立ち、本発明の概要について説明する。
スピントランスファを使用するメモリ(SpRAM)では、記憶層(磁化自由層)の磁化が熱揺らぎに対して安定になるように、充分に大きな異方性が設けられる。
上述の熱揺らぎに対する記憶層の磁化の安定性の度合い、即ち熱安定性の指標は、一般に、熱安定性パラメーター(Δ)で表すことができる。
Δは、Δ=KuV/kT(Ku:異方性エネルギー、V:記憶層の体積、k:ボルツマン定数、T:絶対温度)で与えられる。
従来のSpRAMでは、磁化固定層を構成する強磁性層を薄く形成しているので、飽和磁界Hsが大きくなる。この飽和磁界Hsは、2J/(Ms・d)で表すことができる。ただし、Jは(複数層の強磁性層が)反強磁性結合した磁化固定層の反強磁性結合の大きさであり、Msは磁化固定層の各強磁性層の飽和磁化である。
飽和磁界Hsが大きいと、記憶層の磁化の向きを反転させるための電流、即ち磁化反転電流を多くする必要がある。
そして、スピントランスファを使用するメモリ(SpRAM)において、熱安定性の指標(熱安定性パラメーター)Δをある程度以上確保することと、磁化反転電流を低減することとを、両立することが要求される。
そこで、本願の発明者等が種々の検討を行った結果、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層され、反強磁性結合した磁化固定層において、少なくとも記憶層に最も近い強磁性層の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域を形成することにより、磁化反転電流を低減すると共に、充分な熱安定性を得ることができ、安定したメモリを形成することができることを、見出した。
そして、磁化固定層の強磁性層の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域を形成するには、その強磁性層を比較的厚く(例えば、記憶層の強磁性層よりも充分に厚く)形成することが、有効であることを見出した。
好ましくは、磁化固定層の強磁性層のうち、記憶層に最も近い強磁性層の厚さを2nm以上とする。
より好ましくは、磁化固定層のそれぞれの強磁性層の厚さを2nm以上とする。
磁化固定層の強磁性層の両端部に、それぞれ積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域を形成することにより、これら両端部の磁化領域から、記憶層の両端部に向きの異なる2つのスピントルクが作用する。
これら2つのスピントルクにより、記憶層の磁化の向きを容易に反転させることが可能になるため、少ない電流量で記憶層の磁化の向きを反転することができる。また、スピン注入電流のパルス幅によらず、磁化の向きを変化させるスイッチングを安定して行うことが可能になる。
続いて、本発明の具体的な実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態として、記憶素子の概略構成図(断面図)を、図1に示す。
この記憶素子1は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子から構成されている。
強磁性層12及び強磁性層14が、非磁性層13を介して配置されていることにより、反強磁性結合している。さらに、強磁性層12は、反強磁性層11と接して配置されており、これらの層間に働く交換相互作用によって、強い一方向の磁気異方性を有する。そして、これら4層11,12,13,14により磁化固定層2が構成される。即ち、磁化固定層2は、2層の強磁性層12,14を有している。
強磁性層16は、その磁化M1の向きが比較的容易に回転するように構成されており、この強磁性層16によって記憶層(磁化自由層)3が構成される。
強磁性層14と強磁性層16との間、即ち磁化固定層2と記憶層(磁化自由層)3との間には、トンネル絶縁層15が形成されている。このトンネル絶縁層15は、上下の磁性層16及び14の磁気的結合を切ると共に、トンネル電流を流す役割を担う。これにより、磁性層の磁化の向きが固定された磁化固定層2と、トンネル絶縁層15と、磁化の向きを変化させることが可能な記憶層(磁化自由層)3とにより、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子が構成されている。
非磁性層13を介した強い反強磁性結合により、強磁性層12の磁化M11と強磁性層14の磁化M12とは、反平行の向きになっている。
そして、トンネル絶縁層15を挟む、記憶層3の強磁性層16の磁化M1の向きと、磁化固定層2の強磁性層14の磁化M12の向きとが、平行状態にあるか反平行状態にあるかによって、これらの層14,15,16から成るTMR素子の抵抗値が変化する。2つの磁化M1,M12が平行状態では抵抗値が低くなり、反平行状態では抵抗値が高くなる。TMR素子(14,15,16)の抵抗値が変化すると、記憶素子1全体の抵抗値も変化する。このことを利用して、情報を記録することや、記録した情報を読み出すことができる。即ち、例えば、抵抗値が低い状態を「0」情報に割り当て、抵抗値が高い状態を「1」情報に割り当てることにより、2値(1ビット)の情報を記録することができる。
なお、磁化固定層2のうち最も記憶層3に近い強磁性層14は、記録した情報を読み出す際に、記憶層3の磁化M1の向きの基準となり参照される強磁性層であるため、参照層とも称される。
メモリセルの情報を書き換えたり、メモリセルに記録した情報を読み出したりするためには、記憶素子1の積層方向にスピン注入電流Izを流す必要がある。
このスピン注入電流Izの極性を変えることにより、記憶素子1を流れるスピン注入電流Izを、上向きから下向きに、或いは下向きから上向きに、変えることができる。
これにより、記憶素子1の記憶層3の磁化M1の向きを変化させて、メモリセルの情報を書き換えることができる。
なお、本実施の形態の記憶素子1も、図7に示した従来の記憶素子101と同様に、シリコン基板に形成した選択用MOSトランジスタに接続して、メモリセルの読み出しを行う構成とすることができる。
また、配線に記憶素子1を接続して、この配線を通じて記憶素子1の積層方向にスピン注入電流Izを流す構成とすることができる。
本実施の形態の記憶素子1においては、特に、磁化固定層2の2つの強磁性層12,14が、記憶層3の強磁性層16と比較して、充分に厚く形成されている。
これにより、静磁気エネルギーを下げるために、図1に示すように、磁化固定層2の2つの強磁性層12,14において、膜面方向の磁化M11,M12の他に、両端部において積層方向の磁化成分を有する磁化M11a,M12a及びM11b,M12bを生じる。
図中左側の磁化M11a及び磁化M12aは下向きとなっており、図中右側の磁化M11b及び磁化M12bは上向きとなっており、これらは互いにほぼ逆向きとなっている。
好ましくは、強磁性層12,14の膜厚dを、2nm以上とする。
上述のように積層方向の磁化成分を有する磁化M11a,M12a及びM11b,M12bを生じることにより、特に、磁化固定層2の強磁性層12,14のうち、記憶層3に最も近い強磁性層(参照層)14の磁化M12a及びM12bによって、前述した記憶層3の磁化M1とのベクトル三重積Mfree×Mfree×Mrefを、初期状態で大きくすることができる。
従って、記憶層3の磁化M1の、強磁性層14の磁化対M12a,M12bの直上にある極めて狭い領域に対して、非常に大きいスピントルクが加わる。
図1の記憶素子1において、記憶層3の磁化M1に加わるスピントルクの状態を、図2に示す。
図2に示すように、磁化対から記憶層3の磁化M1に対して、互いに逆向きのスピントルクTa,Tbが作用する。
そのため、記憶層3の磁化M1を一斉回転させるのに都合が良い。
これにより、記憶層3の磁化M1の向きを、容易に反転させることができる。
そして、例えば、強磁性層12,14の反強磁性結合Jが1erg/cm程度であり、記憶層3(16)の飽和磁化Msが1200emu/cc程度のとき、飽和磁界の大きさが8kOe以下に減少する。この飽和磁界とは、磁化固定層2のうち最も記憶層3側に配置された強磁性層14の磁化M12の向きに対して、記憶層3の磁化M1の向きを平行にするために、磁界を印加した場合、必要となる飽和磁界のことである。
なお、強磁性層12,14を構成する強磁性材料によっては、膜厚dが2nm未満でも積層方向の磁化成分を生じる場合もある。
本実施の形態では、磁化固定層2の強磁性層12,14に積層方向の磁化成分を有する磁化M11a,M12a及びM11b,M12bを生じているが、記憶層3の磁化M1の向きの制御は、図7に示した記憶素子101と同様に、スピン注入電流Izの向き(極性)によって行うことができる。
なお、左側の磁化M11a及び磁化M12aと、右側の磁化M11b及び磁化M12bとのなす角度は、図1ではほぼ180度となっているが、強磁性層12,14の膜厚dや飽和磁化の大きさによって、角度を制御することが可能である。
この角度は、図1のような180度近傍ではなくても、記憶層3の磁化M1に異なる向きのスピントルクを作用させて、記憶層3の磁化M1の向きを容易に反転させることができる。
本実施の形態において、記憶素子1を構成する各層の材料には、従来の記憶素子と同様の材料を用いることができる。
反強磁性層11の材料としては、例えばPtMnを用いることができる。
磁化固定層2の強磁性層12,14の材料としては、CoFe等の強磁性材料を用いることができる。
非磁性層13の材料としては、例えば、Ru,Ta,Cr,Cu等を用いることができる。
トンネル絶縁層15の材料としては、例えばMgOを用いることができる。
記憶層3の強磁性層16の材料としては、CoFeB等の強磁性材料を用いることができる。
ここで、本実施の形態の記憶素子1について、測定したphase diagramの一例を、図3に示す。スピン注入電流Izの電流パルスのパルス幅(持続時間)は、1ns(ナノ秒)としている。
この図3に示すphase diagramは、スピン注入電流Izのパルス波高値を縦軸に、バイアス電流磁界Hxのパルス波高値を横軸にして、メモリセルの状態を示した状態図である。なお、図1の記憶素子1では、バイアス電流磁界Hxを印加する構成としていないが、phase diagramを作成するために、記憶素子1にバイアス電流磁界Hxを印加するように構成した。
図3に示すように、右上と左下に不安定動作領域83が現れているが、双安定動作領域80と単安定動作領域81,82とがはっきり分離されているので、不安定動作領域83にかからないようにスピン注入電流Iz及びバイアス電流磁界Hxの向きと大きさを設定すれば、安定して動作させることができる。
そして、バイアス電流磁界Hx=0としても、双安定動作領域80と単安定動作領域81,82とが分離されているので、バイアス電流磁界Hxを印加しなくても、磁化反転を安定して行うことができる。
上述の本実施の形態の記憶素子1の構成によれば、磁化固定層2の強磁性層12,14を充分に厚く形成したことにより、これらの強磁性層12,14の両端部において積層方向の磁化成分を有し、逆向きの磁化M11a,M12a及びM11b,M12bを生じさせていることにより、記憶層3の磁化M1の両端部に対して、互いに逆向きの大きいスピントルクTa,Tbを作用させることができる。
これにより、記憶層3の磁化M1の向きを容易に反転させることができるので、少ない電流量のスピン注入電流Izで記憶層3の磁化M1の向きを反転することができる。
これにより、情報の記録に要するスピン注入電流Izを低減して、消費電力を低減することができる。
例えば、熱安定性の指標Δ=60である構成の記憶素子1において、スピン注入電流Izのパルス幅を1ns(ナノ秒)と比較的長くしても、0.3mA以下の小さい電流量で磁化反転が可能になる。
これに対して、図7に示した従来の構成の記憶素子101において、熱安定性の指標Δ=60である構成とすると、パルス幅1nsで磁化反転させるためには、2mA以上の電流量が必要となる。
また、本実施の形態の記憶素子1によれば、記憶層3の磁化M1の両端部に対して、互いに逆向きの大きいスピントルクTa,Tbを作用させることができるため、スピン注入電流Izのパルス幅によらず、安定してスイッチングを行うことが可能になる。
これにより、情報の記録を安定して行うことができ、高い信頼性を有する記憶素子1を実現することができる。
また、スピン注入電流Izのパルス幅に対するマージンが広くなるため、メモリセル毎の特性に若干のばらつきがあっても安定して動作させることができ、メモリセルの数の多い大容量メモリでも安定して動作させることが可能になる。
従って、図1に示す記憶素子1から成るメモリセルを多数有するメモリを構成することにより、消費電力が少なく、かつ安定して動作する記憶容量の大きいメモリを実現することができる。
また、図3のphase diagramに示したように、バイアス電流磁界Hxを印加しなくても、磁化反転を安定して行うことができる。
これにより、バイアス電流磁界Hxを印加する構成と比較して、記憶素子1から成るメモリセルの構成を簡略化することができるため、メモリセルを微細化して、メモリの小型化や記憶容量の増大を図ることができる。
上述の実施の形態の記憶素子1では、磁化固定層2を記憶層3より下層に形成しているので、参照層14の積層方向の磁化成分を有する磁化領域が記憶層3よりも下層側に配置されているが、磁化固定層を記憶層より上層に形成して、磁化領域を記憶層よりも上層側に配置した構成としても良い。
続いて、本発明の他の実施の形態として、記憶素子の概略構成図(断面図)を、図4に示す。
本実施の形態の記憶素子20は、先の実施の形態の記憶素子1の構成に加えて、さらに、記憶層3(16)とキャップ層17との間、即ち記憶層3(16)の上層にも磁化固定層4を設け、これら記憶層3と磁化固定層4との間にトンネル絶縁層25を設けることにより、いわゆるデュアルトンネル構造とした構成である。
記憶層3(16)の上層の磁化固定層4は、上層側から、反強磁性層21、強磁性層22、非磁性層23、強磁性層24が形成されて構成されている。
上層の磁化固定層4においても、下層の磁化固定層2と同様に、2つの強磁性層22,24を記憶層3の強磁性層16よりも充分に厚く形成して、これらの強磁性層22,24に、積層方向の磁化成分を有する磁化M21a,M22a及びM21b,M22bを発生させている。
上層の磁化固定層4の強磁性層24の磁化M22の向きは、下層の磁化固定層2の強磁性層(参照層)14の磁化M12の向きと逆に、右向きである。この上層の磁化固定層4の強磁性層24も参照層となる。
磁化のループは、上層の磁化固定層4は左回り、下層の磁化固定層2は左回りで、同じ向きになっている。
下層の磁化固定層2の強磁性層(参照層)14と同様に、上層の磁化固定層4の強磁性層(参照層)24からも、記憶層3の両端部に互いに逆向きの大きいスピントルクを作用させることができる。
特に、下層の磁化固定層2の強磁性層(参照層)14と上層の磁化固定層4の強磁性層(参照層)24とにおいて、図中左端の磁化M12a,M22aが共に下向きであり、図中右端の磁化M12b,M22bが共に上向きであることから、これらの強磁性層(参照層)14,24から、それぞれ同じ向きのスピントルクが、記憶層3の左端部及び右端部に加わることになる。
これにより、下層の強磁性層(参照層)14と、上層の強磁性層(参照層)24とから、それぞれ同じ向きで強められた大きいスピントルクが、記憶層3の両端部に加わるので、先の実施の形態の記憶素子1よりも、さらに容易に記憶層3の磁化M1の向きを反転させることができる。
上述の本実施の形態の記憶素子20の構成によれば、先の実施の形態の記憶素子1と同様に、記憶層3の磁化M1の両端部に対して、大きいスピントルクを作用させることができる。
これにより、記憶層3の磁化M1の向きを容易に反転させることができるので、少ない電流量のスピン注入電流Izで記憶層3の磁化M1の向きを反転することができ、情報の記録に要するスピン注入電流Izを低減して、消費電力を低減することができる。
また、スピン注入電流Izのパルス幅によらず、安定してスイッチングを行うことが可能になり、スピン注入電流Izのパルス幅に対するマージンが広くなるため、メモリセル毎の特性に若干のばらつきがあっても安定して動作させることができ、メモリセルの数の多い大容量メモリでも安定して動作させることが可能になる。
従って、図4に示す記憶素子20から成るメモリセルを多数有するメモリを構成することにより、消費電力が少なく、かつ安定して動作する記憶容量の大きいメモリを実現することができる。
特に、本実施の形態の記憶素子20では、下層の磁化固定層2の強磁性層(参照層)14と、上層の磁化固定層4の強磁性層(参照層)24とから、それぞれ記憶層3の両端部に大きいスピントルクを作用させることができるため、先の実施の形態の記憶素子1と比較して、さらに容易に記憶層3の磁化の向きを反転させることが可能になる。
これにより、スピン注入電流Izを、先の実施の形態の記憶素子1から、さらに低減することが可能になる。
なお、図4に示した記憶素子20の構成に対して、トンネル絶縁層25の代わりに、非磁性の中間層を設けて、上層側をGMR素子構造としても、MR比以外は、同様の効果が期待できる。
また、この構成とした場合、上層の磁化固定層4の強磁性層24の磁化M22の向きが任意となるので、反強磁性層21を省略することも可能になる。
続いて、本発明のさらに他の実施の形態として、記憶素子の概略構成図(断面図)を、図5に示す。
本実施の形態の記憶素子30は、特に、上層の磁化固定層4を図4に示した記憶素子20と同じ構成としているが、下層の磁化固定層2を、図7に示した記憶素子101の構成のように、薄い強磁性層12,14としている。
本実施の形態の記憶素子30によれば、上層の磁化固定層4の強磁性層(参照層)24から、記憶層3の両端部に互いに逆向きのスピントルクを作用させることができるため、先の実施の形態の記憶素子1と同様に、記憶層3の磁化M1の向きを容易に反転させることができる。
これにより、少ない電流量のスピン注入電流Izで記憶層3の磁化M1の向きを反転することができ、情報の記録に要するスピン注入電流Izを低減して、消費電力を低減することができる。また、スピン注入電流Izのパルス幅によらず、安定してスイッチングを行うことが可能になる。
また、本実施の形態の記憶素子30によれば、特に、下層の磁化固定層2を、図7の記憶素子101と同様に、強磁性層12,14が薄く形成され、積層方向の磁化成分を生じない構成としているため、下層の磁化固定層2の各層12,13,14の材料や膜厚等を選定することにより、MR比(磁気抵抗変化率)を最適化することが可能になる。
これにより、MR比を最適化する下層の磁化固定層2と、磁化反転電流を最適化する上層の磁化固定層4とに分離することができ、それぞれの磁化固定層2,4の構成を制御して、MR比と磁化反転電流とをそれぞれ最適化することが可能になる。
従って、MR比と磁化反転電流とをそれぞれ最適化するために、下層の磁化固定層2の各層12,13,14の材料や非磁性層13の膜厚等を、上層の磁化固定層4とは異なる構成とすることも考えられる。また、図5の記憶素子30では、下層の磁化固定層2が2つの強磁性層12,14、即ち上層の磁化固定層4と同数の強磁性層から構成されているが、上層の磁化固定層4とは強磁性層の数を変えても構わない。
なお、図5に示した記憶素子30の構成に対して、上層のトンネル絶縁層25の代わりに、非磁性の中間層を設けて、上層側をGMR素子構造としても、MR比以外は、同様の効果が期待できる。
この構成とした場合、上層の磁化固定層4の強磁性層24の磁化M22の向きが任意となるので、反強磁性層21を省略することも可能になる。
また、図5に示した記憶素子30の構成に対して、下層のトンネル絶縁層15の代わりに、非磁性の中間層を設けて、上層側をGMR素子構造としても、MR比以外は、同様の効果が期待できる。
ただし、MR比を確保するために、下層の中間層及び上層の中間層のうち、少なくとも一方はトンネル絶縁層とする。
さらにまた、図5に示した記憶素子30では、上層の磁化固定層4を本発明の構成としたが、下層の磁化固定層を本発明の構成として、上層の磁化固定層は強磁性層に積層方向の磁化成分を生じない構成、即ち図5とは上下が逆の構成としても構わない。
上述の各実施の形態では、磁化固定層2,4を、非磁性層13,23を介して積層された2層の強磁性層12及び14,22及び24から成る構成としたが、本発明では、非磁性層を介して積層された3層以上の強磁性層によって磁化固定層を構成してもよい。
強磁性層を3層設けて磁化固定層を構成した場合の磁化状態を、図6の模式的断面図に示す。
図6に示すように、非磁性層34を介して積層された3層の強磁性層31,32,33により、磁化固定層35を構成する。真ん中の強磁性層32の厚さを、下層の強磁性層31及び上層の強磁性層33の厚さの約2倍としていることにより、磁化固定層35全体の漏れ磁界をほとんどなくすことができる。
最下層の強磁性層31では、右向きの磁化M31の他に、両端部に積層方向の磁化成分を有する磁化M31a及びM31bが生じている。
最上層の強磁性層33では、右向きの磁化M33の他に、両端部に積層方向の磁化成分を有する磁化M33c及びM33dが生じている。
真ん中の強磁性層32では、左向きの磁化M32の他に、両端部に積層方向の磁化成分を有する磁化M32a,M32b,M32c,M32dを生じており、これらは、下層の強磁性層31の磁化M31a,M31bと、上層の強磁性層33の磁化M33c,M33dとに、それぞれ対応してこれらの磁化と同様の向きの積層方向の磁化成分を有している。
これらの磁化により、磁化固定層35の上半分では右回りの磁界ループを、磁化固定層35の下半分では左回りの磁界ループを生じる。
そして、例えば、強磁性層33の上に記憶層を配置した場合、記憶層の磁化に対して、左端部では上向きのスピントルクが加わり、右端部では下向きのスピントルクが加わる。
なお、磁化固定層の強磁性層が2層の場合には、漏れ磁界をほとんどなくすためにも、強磁性層を2層とも厚く形成する必要がある。ただし、膜厚dは全く同一でなくてもよく、記憶層側の強磁性層をもう一方の強磁性層よりも少し薄くした方が漏れ磁界を小さくできる。
これに対して、磁化固定層の強磁性層が3層以上の場合には、記憶層から遠い側の強磁性層において、必ずしも積層方向の磁化成分を生じていなくても、本発明の作用効果を得ることが可能である。
例えば、図6の3層の場合を変形して、下側のループで積層方向の磁化成分を生じないように、最下層の強磁性層31を薄くした構成も可能である。
即ち、磁化固定層の複数層の強磁性層のうち、少なくとも記憶層に最も近い強磁性層(参照層)において、積層方向の磁化成分を生じていれば、本発明の作用効果が得られる。
漏れ磁界については、3層以上の強磁性層全体のバランスで低減すればよい。
上述の各実施の形態では、記憶層3を、単層の強磁性層16により構成しているが、本発明では、記憶層を、強磁性結合或いは反強磁性結合した、複数層の強磁性層により構成しても良い。複数層の強磁性層が非磁性層を介して積層した構成や、複数層の強磁性層が直接積層した構成(この構成の場合、隣接する強磁性層は材料又は組成が異なる)が考えられる。
また、上述の各実施の形態では、磁化固定層2,4の強磁性層の磁化の向きを反強磁性層11,21で固定しているが、本発明は、反強磁性層を設けないで磁化固定層の磁化の向きが固定された構成や、硬磁性層と強磁性層とを積層させることにより磁化固定層の磁化の向きが固定された構成も可能である。
なお、上述の各実施の形態では、磁化固定層の強磁性層を厚く形成することにより、この強磁性層に常時積層方向の磁化成分を有する磁化領域を形成している。
本発明の効果(少ない電流量で情報の記録を行う効果)を実現する構成としては、このような構成以外の構成も考えられる。
例えば、磁化固定層の外部に設けられた磁界印加手段(例えば、硬磁性層)からの磁界によって、磁化固定層の強磁性層に積層方向の磁化成分を有する磁化領域を形成する構成が考えられる。
また、例えば、情報の記録過程において、磁化固定層の強磁性層に積層方向の磁化成分を有する磁化領域を形成し、それ以外の過程(読み出し過程等)や記録された情報を保持している際には、積層方向の磁化成分を有する磁化領域が形成されないように、記憶素子を駆動させる構成も考えられる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の一実施の形態の記憶素子の概略構成図(断面図)である。 図1の記憶層の磁化に加わるスピントルクを示す図である。 図1の記憶素子のphase diagramである。 本発明の他の実施の形態の記憶素子の概略構成図(断面図)である。 本発明のさらに他の実施の形態の記憶素子の概略構成図(断面図)である。 3層の強磁性層によって磁化固定層を構成した場合を示す模式的断面図である。 従来のスピントランスファを利用するメモリのメモリセルの模式的断面図である。 図7の記憶素子のphase diagramである。
符号の説明
1,20,30 記憶素子、2,4,35 磁化固定層、3 記憶層(磁化自由層)、11,21 反強磁性層、12,14,16,22,24,31,32,33 強磁性層、13,23,34 非磁性層、15,25 トンネル絶縁層

Claims (5)

  1. 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層と、
    前記記憶層に対して非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層とを有し、
    積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる記憶素子であって、
    前記磁化固定層が、非磁性層を介して積層された複数層の強磁性層から成り、
    前記磁化固定層は、前記複数層の強磁性層のうち少なくとも最も前記記憶層側に配置された前記強磁性層において、強磁性層の両端部に、それぞれ前記積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域が形成されている
    ことを特徴とする記憶素子。
  2. 前記磁化固定層を構成する各前記強磁性層は、膜厚が2nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
  3. 前記複数層の強磁性層のうち最も前記記憶層側に配置された前記強磁性層の磁化の向きに対して、前記記憶層の磁化の向きを平行にするために、磁界を印加した場合、必要となる前記磁化固定層の飽和磁界の大きさが8kOe以下であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
  4. 前記磁化固定層が、前記記憶層の下層及び上層にそれぞれ設けられ、下層の前記磁化固定層及び上層の前記磁化固定層のうち少なくとも一方に、前記磁化領域が形成されている前記強磁性層を有することを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
  5. 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層と、前記記憶層に対して非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層とを有し、積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる記憶素子と、
    前記記憶素子の前記積層方向に流す電流を供給する配線とを備え、
    前記記憶素子の前記磁化固定層が、非磁性層を介して積層された複数層の強磁性層から成り、
    前記磁化固定層は、前記複数層の強磁性層のうち少なくとも最も前記記憶層側に配置された前記強磁性層において、強磁性層の両端部に、それぞれ前記積層方向の磁化成分を有し、かつ向きが互いに異なる磁化を有する、磁化領域が形成されている
    ことを特徴とするメモリ。
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