JP2008117760A - 照明装置及び照明システム - Google Patents
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Abstract
【課題】白色LEDの照明装置で床面あるいは机面を照らした場合に生じる色ムラの問題を解消するとともに消費電力の増大を防止しながら天井面や側壁面にも十分な明るさを与え人々の不安定感を解消する。
【解決手段】照明装置を構成する白色LEDの周辺部に青色LEDを配置して、床面あるいは机面の照明領域内の周辺部に青色成分の光を補う。室内の下方をスポット的に照らす白色LEDとは別に天井面や側壁面をスポット的に照らす単色光あるいは疑似白色光のLED光源を設ける。
【選択図】図3
【解決手段】照明装置を構成する白色LEDの周辺部に青色LEDを配置して、床面あるいは机面の照明領域内の周辺部に青色成分の光を補う。室内の下方をスポット的に照らす白色LEDとは別に天井面や側壁面をスポット的に照らす単色光あるいは疑似白色光のLED光源を設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、LEDを光源として用いた照明装置に関する。
一般的な照明装置としては白熱灯や蛍光灯が光源として広く用いられている。しかしながら今日CO2削減等の環境問題に配慮した消費電力の少ない光源が望まれている。この要請にこたえる光源として、近年LED(発光ダイオード)が注目されている。
ところで、LEDは小型で長寿命であるという特徴を有すると同時に、単波長(単色)であるというここと、点光源であるため指向性が強いという特徴を有する。単色である結果、照明装置の光源として求められる白色光を得るためには工夫が必要である。また、指向性が強いため、ダウンライトや足元灯あるいはスポットライトのような局部的照明装置としては有用であるが広く拡散するタイプの白熱灯や蛍光灯に比べて室内全体を明るくすることが困難である。
照明装置の光源として求められる白色光を得るためには、複数の異なる発光色(たとえば、青色、赤色及び緑色)のLED単色光を混色して白色を作り出したり、あるいは青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて疑似白色光を作り出すなどの工夫がされている(特許文献1)。
特開平8−8614号公報
しかしながら、白色光ができても局部的に床面の一部あるいは机面の一部を照らして日常生活や作業に支障がない室内照明装置を提供するためには、照明領域内に色ムラなどを生じさせてはいけない。
図1は、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて疑似白色光を作り出すLEDの構造を示す。このようなLEDから発する光を実際の床面の一部あるいは机面の一部に照射してみると、照明領域内に色ムラが生じていることがわかる。すなわち、図2に示すように相対的に照明領域内の中心部は青白く、その周辺は黄味がかっている。複数のLEDを隣接して並べたLED群を使って床面の一部あるいは机面の一部を照射してみても同じ現象が起きる。
このような色ムラの問題は、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて作り出されたいわゆる疑似白色光を使った照明装置に限らず、青色光又は(近)紫外光を発するLED素子と青色光又は(近)紫外光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質とを組み合わせて演色性の高い白色光を作り出す場合の照明装置の場合にも同様に起きる。
ところで、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて作り出された疑似白色光の場合、発光効率は高いものの、演色性は十分ではない。すなわち、このような疑似白色光の場合、光のスペクトルには本質的に緑色成分及び赤色成分が不足しており、このため疑似白色光は演色性が低く、色再現性も低い。そのため床面の一部あるいは机面の一部を照らした場合、実際の物体の正確な色再現性に欠けるため日常生活や作業に支障をきたす場合がある。
演色性を高めるため複数の異なる発光色(たとえば、青色、赤色及び緑色)のLED単色光を混色して白色を作り出そうとした場合、例えば青色、赤色及び緑色の3つの発光素子を近接して設けて発光させ拡散混色させる必要がある。この場合、各発光素子の駆動電力が異なり個々に所定の電圧を印加する必要があるため、駆動回路が複雑になってしまうという問題がある。
また、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質とを組み合わせて演色性の高い白色光を作り出す場合、例えば赤色の光を発する蛍光体物質は、青色のみならず、青色よりも長波長であるが赤色よりも短波長である緑色や黄色の光を吸収してしまう。その結果LED光源としての全体の光束が低下してしまう。
このように演色性の高い白色光を作り出そうとした場合、どうしても青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて作り出された疑似白色光に比べてコストの高いものになったり発光効率が低下するという不利益がある。
また、白色光ができても室内照明としては、局部的に床面の一部あるいは机面の一部を照らすだけでは照明として不十分である。日常生活や作業に支障はないとしてもそれだけで照明装置の使用者や消費者を満足させることはできない。白熱灯や蛍光灯が光源として広く用いられ普及している今日、我々は明るい天井面や側壁面に慣れ親しんでいる。天井面や側壁面が暗いままの照明は人々に不安定感を与え歓迎されないのである。これは照明の文化であり変え難い事実である。
他方、天井面や側壁面も、従来の白熱灯や蛍光灯を光源として用いる場合と同様にまんべんなく明るくしようすれば多数のLEDを四方に多数配置する他なく、照明装置全体の大型化や消費電力の増大は避けられない。その結果、LEDを照明装置として用いることの特徴が活かされないことになってしまう。
本発明は、かかる認識のもとで、LED光源の指向性が強いという特徴を活かして床面の一部あるいは机面の一部を照らした場合、照明領域内に色ムラを生じることのない均質でかつ照度の減衰しない照明光を得ることのできるLED照明装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、局部的に床面の一部あるいは机面の一部を照らして日常生活や作業に支障がないと同時に天井面や側壁面に十分な明るさを与え人々の不安定感を解消して照明装置の使用者や消費者を満足させるとともに、照明装置全体の大型化や消費電力の増大を防ぐことのできる照明システムを提供することを目的とする。
本発明に係わる上記目的は、白色LEDの構成を変更しない場合であってもLEDを使った照明装置を以下通り構成することにより達成することができる。
すなわち、(1)蛍光体が封止材に混ぜ込まれて成る白色LED光源を有する照明装置において、前記白色LED光源の周辺部の全部又は一部に青色又は(近)紫外光を発するLED光源を配置することにより照明領域における色ムラを防止することを特徴とする照明装置。(2)前記白色LED光源が青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体とを組み合わせて疑似白色光を作り出すLED光源であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。(3)蛍光体が封止材に混ぜ込まれて成る複数の白色LED光源を有する照明装置において、前記複数の白色LED光源の光軸方向が互いにずれていることを特徴とする照明装置。(4)室内の天井面や側壁面あるいは屋外の外壁面を指向性を有する単色光又は疑似白色光を発するLED光源で照らすことを特徴とする照明装置。(5)室内の下方を照らす指向性を有する第1の白色光源と、室内の天井面や側壁面あるいは屋外の外壁面を指向性を有する単色光又は疑似白色光を発する第2のLED光源で照らすことを特徴とする照明システム。(6)前記第1の白色光源が演色性の高い白色光を発するLED光源であることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
本発明による場合、床面の一部あるいは机面の一部を照らした場合、照明領域に生ずる色ムラの問題を解消した白色LEDの照明装置を提供することにより一般的な日常生活や作業に支障がないようにすることができる。また、LED光源の指向性を利用して、局部的に床面の一部あるいは机面の一部を照らして日常生活や作業に支障がないようにすると同時に天井面や側壁面にも十分な明るさを与え人々の不安定感を解消して照明装置の使用者や消費者を満足させるとともに、室内照明全体として照明装置全体の大型化や消費電力の増大を防ぐことができる。更に、室内の下方をスポット的に照らす演色性の高い色再現性の良い白色光と、天井面や側壁面あるいは外壁面をスポット的に照らす単色光あるいは疑似白色光とを組み合わせることにより、より一層効率の良い、しかも装飾性の高い照明システムを提供して新しい照明の文化を創造することができる。
発明者は鋭意検討の結果、LED白色光で照らされた照明領域内の色ムラは、LED素子から発する青色光がLEDに封止されている蛍光体物質を通る経路長に差が生ずるためであることを突き止めた。図1に示すように、LED素子の直上部を通過してそのままLED外部に出る青色光の経路L1は短いが、LED素子の側面部付近から発してリフレクターで反射されてLED外部に出る青色光の経路L2は長い。そのためLED素子の直上部を通過する青色光に比べてLED素子の側面部付近から発した青色光が蛍光体物質を通過して黄色光に変換される機会が、多くなる。その結果、LED素子から発する青色光の蛍光体物質を通る経路長の差が短波長の青色光から長波長の黄色光に変換された色分離を引き起こし、LED白色光を実際の床面の一部あるいは机面の一部に照射した場合に照明領域内の色ムラとなって現れるのである。
特開平2004−48069号公報にはLED素子から発する青色光が蛍光体物質の均一な変換層を通過する構造が開示されているが、現実のLED製造工程では、このような蛍光体物質の均一な変換層を形成することは困難であるか、あるいはコストの高いものになってしまう。
すなわち、今日、多くの白色LEDは、青色光を発するLED素子の上に樹脂モールディングの工程で封止材に短波長の青色光を長波長の黄色光に変換する蛍光体物質を混ぜ込む方法で作製される。この場合、一般的に蛍光体物質は封止材に比べ比重が大きいので、封止材が硬化するまでの間に下方に沈殿して行く。その結果、青色光を発するLED素子の表面を蛍光体物質が覆うことになるが、蛍光体物質の粒径や比重の他、封止材の粘土や硬化するまでの温度、時間などさまざまな条件の影響を受けるため、蛍光体物質の層の厚さは、均一にはならないでLED素子の側面部から横方向に沿って延びてしまうからである。
他方、LEDの色分離を防止する別のアプローチも試みられている。特許第3787147号公報にはLEDから発する白色光を集光するための反射板の反射面をなし地状に形成することが開示されている。なし地状の光反射面によって反射された異なる波長成分の光が混合されて照明領域内の色ムラを防止するというものである。
しかしながら、反射板の反射面が鏡面形成された場合に比較して、なし地状に形成された反射板を用いたLEDを使って照射した場合、照明領域内の最大照度は1/3から1/4と大きく減衰してしまう問題がある。
そこで、発明者は蛍光体を使ったLED白色光の基本構造を変えないで、しかも照明領域内の最大照度を減衰させないで色ムラを防止する方法を想到するに至った。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図3は本発明に係わる第1の実施の形態のLED照明装置の構成を示す図である。同図に示すように、LED照明装置はLED光源A1,A2,A3......Anから成る白色LED光源群と、その周辺を取り巻くように設置されたLED光源B1,B2,B3......Bnから成る単色(青色)LED光源群から形成される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図3は本発明に係わる第1の実施の形態のLED照明装置の構成を示す図である。同図に示すように、LED照明装置はLED光源A1,A2,A3......Anから成る白色LED光源群と、その周辺を取り巻くように設置されたLED光源B1,B2,B3......Bnから成る単色(青色)LED光源群から形成される。
LED光源A1,A2,A3......An及びB1,B2,......Bnは、いずれも所定の配光角で指向性を持った光源である。室内照明用の光源としては、一般的には高い照度でかつ、できるだけ平坦な照度分布を有する照明領域の得られる光源が求められる。
そこで、図4に示すようにLED光源の側方あるいは背面側等に例えば凹面状の放物面を有する反射板を設けて、例えば120度位の広い配光角を有するLED光源からの光をこの反射板によって平行光化して実質的な配光角を狭くすることにより光速密度を上げるとともに光の到達距離を伸ばすことができる。反射板は、その反射面にアルミ蒸着等による鏡面のコーティング加工を施すことにより作成することができる。この反射板の凹面状の形状を調整することによりLED光源から照射される光の実質的な配光角を広くすることも、反対に狭くすることもできる。
LED光源A1,A2,A3......Anは、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて疑似白色光を作り出すLED光源群である。青色光を発するLED素子としてはInGaN系の発光ダイオードが用いられる。黄色光を発する蛍光体物質としては、例えばセリウムをドーピングしたアルミン酸イットリウム、希土類をドーピングしたガーネットあるいはユウロピウムをドーピングした珪酸塩等が用いられる。これらの蛍光体物質は通常350nm〜470nmの波長の光を吸収して、540nm〜580nmにピークを有する黄色の光を発する。
LED光源B1,B2,B3......Bnは、LED素子として上記InGaN系の発光ダイオードを用いるLED光源群であり、例えば450nmにピークを有する青色の光を発する。尚、LED光源B1,B2,B3......BnのLED素子は、LED光源A1,A2,A3......AnのLED素子と全く同一のLED素子であっても良いし、適宜、発光波長を選択するため異なったLED素子を採用しても良い。
LED光源A1,A2,A3......Anから成る白色LED光源群の疑似白色光のみにより床面あるいは机面を照らした場合、前述の図2に示すように照明領域の周辺部が中心部に比べて黄味がかっている色ムラが生じる。これは、LED光源A1,A2,A3......Anの各LED素子から発する青色光が各LEDに封止されている蛍光体物質を通る経路長に差が生ずるためである。
すなわち、白色LED光源群を構成する各LED光源A1,A2,A3......Anを形成する各LED素子の側面部付近から発した青色光が蛍光体物質を通過する経路は、LED素子の直上部を通過してそのままLED外部に出る青色光の経路よりも長いので短波長の青色光が長波長の黄色光に変換される機会が多くなり、白色LED光源群全体として照明領域の周辺部を照らす光成分において青色成分の光が相対的に減少する。
LED光源A1,A2,A3......Anが相互に密集して形成され、光源から床面あるいは机面まで十分な距離が保たれている限り、照明領域の中ほどには色ムラはほとんど生じなくなる。白色LED光源群を構成する各LED光源A1,A2,A3......Anの照射する波長の異なる光成分が床面あるいは机面まで達する間に混合されるからである。ただし、この場合であっても白色LED光源群を構成する各LED光源A1,A2,A3......AnそれぞれのLED素子の側面部付近から発した青色光が蛍光体物質を通過する経路が長く黄色光に変換されるため、白色LED光源群全体として、光源群の周辺部から照射される光成分において青色成分の光が相対的に減少することに変わりはないので、照明領域の周辺部に生じる色ムラは避けられない。
そこで、LED光源B1,B2,B3......Bnを白色LED光源群の周辺を取り巻くように配置して、LED光源の指向性が強いという特徴を活かして、図5に示すように各LED光源B1,B2,B3......Bnから黄色に対して相補的波長領域の光である青色を照明領域の周辺部に集中的に照射することにより青色成分の光を補えば、白色LED光源群全体の周辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分に各LED光源B1,B2,B3......Bnの青色波長の光成分が混合されて照射されるため照明領域の周辺部における黄味がかった色ムラが解消される。
白色LED光源群全体の周辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分に対して、LED光源B1,B2,B3......Bnの青色波長の光成分が多い場合、混合されて照射される光全体としては、黄色波長の光成分が相対的に減少するため照明領域の周辺部には青味がかった色ムラがかえって発生してしまう。このような逆色ムラの発生を防止するためにはLED光源B1,B2,B3......Bnの出力を落とすか、あるいは個数を減少させる等して適宜調整すればよい。
更に、図5に示すようにLED光源の指向性及びLED光源から床面あるいは机面までの距離を考慮して、白色LED光源群全体の周辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分と各LED光源B1,B2,B3......Bnの青色波長の光成分が重なって混合されるように各LED光源B1,B2,B3......Bnのそれぞれの光源の側方あるいは背面側等に設けられる反射板の形状を調整することにより実質的な配光角を狭く設定したりあるいは床面あるいは机面に対する照射方向を適宜調整すれば良い。
図6は本発明に係わる第2の実施の形態のLED照明装置の構成を示す図である。同図に示すように、LED照明装置はLED光源C1,C2,C3......Cnから成る複数の白色LED光源ユニットWUと、その両側に配置されたLED光源D1,D2,D3......Dnから成る単色(青色)LED光源ユニットBUから形成される。
白色LED光源ユニットWUを構成するLED光源C1,C2,C3......Cnは、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて疑似白色光を作り出すLED光源である。単色(青色)LED光源ユニットBUを構成するLED光源D1,D2,D3......Dnは、青色光を発するLED素子から成るLED光源である。
LED光源C1,C2,C3......Cn及びD1,D2,D3......Dnの青色光を発するLED素子としては、前述のInGaN系の発光ダイオードが用いられる。青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質についても同様に、例えばセリウムをドーピングしたアルミン酸イットリウム、希土類をドーピングしたガーネットあるいはユウロピウムをドーピングした珪酸塩等が用いられる。
白色LED光源ユニットWUはそれだけで照明装置として使えないわけではない。しかし、白色LED光源ユニットWUだけを一本又は複数本まとめて照明装置を構成して、床面あるいは机面を照らした場合、図8に示すように照明領域の周辺部にはやはり黄味がかった色ムラが生じる。白色LED光源ユニットWUを構成する各LED光源C1,C2,C3......CnそれぞれのLED素子の側面部付近から発した青色光が蛍光体物質を通過する経路が長く黄色光に変換される機会が多いため、白色LED光源ユニットWU全体として、光源ユニットの側辺部から照射される光成分において青色成分の光が相対的に減少することになるので、照明領域の周辺部に色ムラとして現れるのである。
そこで、LED光源D1,D2,D3......Dnから成る単色(青色)LED光源ユニットBUを白色LED光源ユニットWUの両側に配置して、LED光源の指向性が強いという特徴を活かして、各LED光源D1,D2,D3......Dnから黄色に対して相補的波長領域の光である青色を照明領域の周辺部に集中的に照射することにより青色成分の光を補う。これにより白色LED光源ユニットWU全体の側辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分に単色(青色)LED光源ユニットBUの青色波長の光成分が混合されて照射されるため照明領域の周辺部における黄味がかった色ムラが解消される。
白色LED光源ユニットWU全体の側辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分に対して、単色(青色)LED光源ユニットBUの青色波長の光成分が多い場合、混合されて照射される光全体としては、黄色波長の光成分が相対的に減少するため照明領域の周辺部には青味がかった色ムラがかえって発生してしまう。このような逆色ムラの発生を防止するためには単色(青色)LED光源ユニットBUの出力を落とすか、あるいは個数を減少させる等して適宜調整すればよい。
更に、LED光源の指向性及びLED光源から床面あるいは机面までの距離を考慮して、白色LED光源群全体の周辺部から色分離されて照射された黄色波長の光成分と各LED光源B1,B2,B3......Bnの青色波長の光成分が重なって混合されるように各LED光源B1,B2,B3......Bnの配光角を狭く設定したりあるいは床面あるいは机面に対する照射方向を適宜調整すれば良い。
尚、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。例えば、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて作り出されたいわゆる疑似白色光を使った照明装置に限らず、青色光又は(近)紫外光を発するLED素子と青色光又は(近)紫外光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質とを組み合わせて演色性の高い白色光を作り出す場合の照明装置の場合にも適用できる。
すなわち、青色光又は(近)紫外光を発するLED光源を青色光又は(近)紫外光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質を組み合わせた演色性の高い白色LED光源群の周辺に配置する。青色光又は(近)紫外光を発するLED光源から、LED光源の指向性が強いという特徴を活かして、白色LED光源群全体の周辺部から色分離されて照明領域の周辺部に照射された黄色光あるいは緑色光、赤色光の光成分に対して青色光又は(近)紫外光成分の光を集中的に照射して補うことで、複数の蛍光体物質を通る経路長の差から生ずる色ムラの問題を解消することができる。
尚、ここでいうLED白色光で照らされた色ムラとは、人間の目で見えるあくまで相対的な色分離を示すものであり、同じ白色であっても黄味がかった白色もあれば、青味がかった白色もある。これらの色温度の違いはLEDに封止される蛍光体の量を加減することにより容易に調整できる。
上記の照明装置を用いることにより局部的に床面の一部あるいは机面の一部を照らした場合の色ムラの問題を解消することができる。このように青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて作り出されたいわゆる疑似白色光の照明装置を用いることで一般的な日常生活や作業に概ね支障がないようにすることができる。しかし、更により望ましは、床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明としては演色性の高い白色光のLED光源を用いるのが良い。実際の物体の正確な色再現性が良いからである。
図7は本発明に係わる第3の実施の形態のLED照明装置の構成を示す図である。同図に示すように、LED照明装置は複数の白色LED光源A,B,C,D,E,Fから成る。白色LED光源A,B,C,D,E,Fそれぞれの光軸方向によって照らされる床面の一部あるいは机面の一部をA’,B’,C’,D’,E’,F’で示す。従来のLED照明装置と異なるのは、白色LED光源A,B,C,D,E,Fそれぞれの光軸が単純に平行に配置されているだけではなく、互いにねじれた方向で交差してずれていることである。すなわち、白色LED光源AはA’に、白色LED光源BはB’にという具合に、白色LED光源と照らされる床面あるいは机面の部分が対応している。
このように、LED照明装置を構成する複数の白色LED光源の光軸方向をずらすことによって、それぞれの白色LED光源A,B,C,D,E,Fから照射される光は床面あるいは机面に到達するまでに互いにミキシングされる。すなわち、LED照明装置を構成するそれぞれの白色LED光源A,B,C,D,E,Fから照射される波長の異なる光成分が床面あるいは机面まで達する間に混合される。
特に、LED光源の場合、指向性が強いため、それぞれの白色LED光源の光軸が単純に平行であるような場合、それぞれの光源の光軸方向に向かって照らされる床面あるいは机面の照明領域内に色ムラが生じてしまうので、それぞれのLED光源の光軸を互いに交差する方向にずらすことによる波長の異なる光成分の混合は、均質でかつ照度の減衰しない照明光を得る手段としては効果的である。
尚、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではないことはもちろんである。すなわち、白色LED光源としては、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体物質とを組み合わせて、いわゆる疑似白色光を作り出す場合に限らず、青色光又は(近)紫外光を発するLED素子と青色光又は(近)紫外光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質とを組み合わせて演色性の高い白色光を作り出す場合にも適用できる。
他方、色ムラの問題を解消した照明装置や演色性の高い照明装置を使っても従来の白熱灯や蛍光灯を光源として用いる場合と同様にまんべんなく室内全体を明るくしようして多数のLED光源を四方に配置して行けば、照明装置全体の大型化を招き消費電力の増大は避けられなくなる。
そこで検討した結果、LED光源の指向性が強いという特徴を活かして室内照明のシステムを床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明のLED光源と天井面や側壁面を間接的に照らす間接照明のLED光源に分けて再構成することにより、従来、白熱灯や蛍光灯を光源として用いた場合に室内照明の空間における無駄な照明を省くことにより消費電力の増大を防止できるとの結論に達した。
例えば、室内の天井面や側壁面を間接的に照らす間接照明については白色光の演色性が低くても特に問題になることはない。一般的に天井面や側壁面で実際の物体の正確な色再現性を求められることはほとんどないからである。むしろ、例えば、天井面の一部を青色単色で覆うことにより、天井の一部が空に開放されている感覚を与えることができデザイン的自由度が広がる。
これに対して、床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明については、たとえコストが高くなったり発光効率が低下したりしても演色性の高い白色光のLED光源を用い、実際の物体の正確な色再現性をより高めることが望ましい場合がある。このように同じ室内照明であっても例えば、床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明については、演色性の高い白色光のLED光源を用い、他方、室内の天井面や側壁面を間接的に照らす間接照明については単色光のLED光源又は演色性が低く実際の物体の正確な色再現性の必要のない疑似白色光のLED光源を用いることにより、全体としてより消費電力の少ない効率の良い室内照明システムを実現することができる。
図9は本発明に係わる一つの実施の形態の室内照明システムの構成を示す図である。同図に示すように、室内照明システムは床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明のLED光源E1,E2,E3及びE4と、天井面を間接的に照らす間接照明のLED光源F1及びF2と、側壁面を間接的に照らす間接照明のLED光源G1及びG2から成る。
LED光源E1,E2,E3及びE4は、青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光あるいは緑色光、赤色光を発する複数の蛍光体物質とを組み合わせて作り出される演色性の高い白色光である。
LED光源F1及びF2は、青色光を発するLED素子をそのまま光源とする。これにより白い天井面の一部が青色単色で覆われ、天井の一部が空に開放されている感覚を与えることができる。
LED光源G1及びG2は、LED素子として上記InGaN系の発光ダイオードに黄色光を発する蛍光体物質として、例えばセリウムを添加したアルミン酸イットリウムなどを組み合わせた疑似白色光の光源である。
図9に示す室内の天井面や側壁面における斜線部分が直接照明のLED光源E1,E2,E3及びE4、天井面を間接的に照らす間接照明のLED光源F1及びF2、並びに側壁面を間接的に照らす間接照明のLED光源G1及びG2のいずれによっても明るく照らされない箇所である。逆に言えば。この箇所が従来、白熱灯や蛍光灯を光源として用いた場合、無駄な電力として消費されていた箇所である。
尚、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではなく、例えば、天井面を間接的に照らす間接照明のLED光源としては、青色光の単色LED光源の他、青色光を発するLED素子に黄色光を発する蛍光体物質を組み合わせた疑似白色光のLED光源を用いても良い。また、床面の一部あるいは机面の一部を照らす直接照明のLED光源として、演色性の低い疑似白色光を用いても良い。一般的な日常生活や作業に概ね支障がないからである。
さらに、室内の下方をスポット的に照らす演色性の高い色再現性の良い白色光が従来の白熱灯や蛍光灯を光源として用いられるものであっても良い。その場合であっても、天井面や側壁面をスポット的に照らす単色光あるいは色ムラのない疑似白色光と組み合わせることにより、天井面や側壁面にも十分な明るさを与え人々の不安定感を解消して照明装置の使用者や消費者を満足させるとともに、室内照明全体として消費電力の増大を防ぐことができるからである。
また、LED光源の指向性の強い特徴を活用して室内に限らず、屋外の例えば外壁などをスポット的に照らすことも有用である。屋外の外壁であれば室内の天井面や側壁面以上に物体の正確な色再現性の必要性が少なく、演色性の低い疑似白色光であっても良いからである。更に、外壁面を単色光で照らすことによりデザイン的な自由度が一層広がり装飾性を高めることができる。
A1,A2,A3......An C1,C2,C3......Cn 白色LED光源
B1,B2,B3......Bn D1,D2,D3......Dn 単色(青色)
LED光源
E1,E2,E3,E4 直接照明のLED光源
F1,F2,G1,G2 間接照明のLED光源
A,B,C,D,E,F 白色LED光源
A’,B’,C’,D’,E’,F’ 照らされる床面あるいは机面
1 LEDチップ
2 蛍光体
3 リフレクター
4 LED光源
5 反射板
B1,B2,B3......Bn D1,D2,D3......Dn 単色(青色)
LED光源
E1,E2,E3,E4 直接照明のLED光源
F1,F2,G1,G2 間接照明のLED光源
A,B,C,D,E,F 白色LED光源
A’,B’,C’,D’,E’,F’ 照らされる床面あるいは机面
1 LEDチップ
2 蛍光体
3 リフレクター
4 LED光源
5 反射板
Claims (6)
- 蛍光体が封止材に混ぜ込まれて成る白色LED光源を有する照明装置において、前記白色LED光源の周辺部の全部又は一部に青色又は(近)紫外光を発するLED光源を配置することにより照明領域における色ムラを防止することを特徴とする照明装置。
- 前記白色LED光源が青色光を発するLED素子と青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体とを組み合わせて疑似白色光を作り出すLED光源であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
- 蛍光体が封止材に混ぜ込まれて成る複数の白色LED光源を有する照明装置において、前記複数の白色LED光源の光軸方向が互いにずれていることを特徴とする照明装置。
- 室内の天井面や側壁面あるいは屋外の外壁面を、指向性を有する単色光又は疑似白色光を発するLED光源で照らすことを特徴とする照明装置。
- 室内の下方を照らす指向性を有する第1の白色光源と、室内の天井面や側壁面あるいは屋外の外壁面を指向性を有する単色光又は疑似白色光を発する第2のLED光源で照らすことを特徴とする照明システム。
- 前記第1の白色光源が演色性の高い白色光を発するLED光源であることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007262712A JP2008117760A (ja) | 2006-10-09 | 2007-09-06 | 照明装置及び照明システム |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300907 | 2006-10-09 | ||
JP2007262712A JP2008117760A (ja) | 2006-10-09 | 2007-09-06 | 照明装置及び照明システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008117760A true JP2008117760A (ja) | 2008-05-22 |
Family
ID=39503509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007262712A Pending JP2008117760A (ja) | 2006-10-09 | 2007-09-06 | 照明装置及び照明システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008117760A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012022986A (ja) * | 2010-07-16 | 2012-02-02 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 照明装置 |
JP2012252899A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 照明器具 |
-
2007
- 2007-09-06 JP JP2007262712A patent/JP2008117760A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012022986A (ja) * | 2010-07-16 | 2012-02-02 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 照明装置 |
JP2012252899A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 照明器具 |
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