JP2008115753A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008115753A
JP2008115753A JP2006299458A JP2006299458A JP2008115753A JP 2008115753 A JP2008115753 A JP 2008115753A JP 2006299458 A JP2006299458 A JP 2006299458A JP 2006299458 A JP2006299458 A JP 2006299458A JP 2008115753 A JP2008115753 A JP 2008115753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
bypass
passage
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006299458A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Kojima
進 小島
Natsuki Sugiyama
夏樹 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006299458A priority Critical patent/JP2008115753A/ja
Publication of JP2008115753A publication Critical patent/JP2008115753A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】高圧ポンプの駆動により発生する燃圧脈動の伝播を効果的に抑制することができる内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料を所定のフィード圧に加圧し圧送可能な低圧ポンプ71と、低圧ポンプ71により加圧された燃料を加圧し圧送可能な高圧ポンプ72と、加圧された燃料を噴射可能な燃料噴射手段73と、低圧ポンプ71と高圧ポンプ72とを接続する低圧通路74と、高圧ポンプ72と燃料噴射手段73とを接続する高圧通路75と、低圧通路74と高圧通路75又は燃料噴射手段73とを接続するバイパス通路81と、バイパス通路81に設けられ燃料の脈動を低減する脈動低減手段82と、バイパス通路81での燃料の逆流を防止するバイパス通路逆流防止手段83と、高圧通路75での燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも高く設定される高圧通路逆止弁77とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、すでに加圧された燃料をさらに加圧して圧送する内燃機関の燃料供給装置に関するものである。
乗用車、トラックなどの車両に搭載される内燃機関では、内燃機関の各気筒の燃焼室内に直接燃料を供給する直噴方式の内燃機関がある。このような内燃機関の燃料供給装置では、燃料の微粒化を図るため燃料タンク内の燃料を電動の低圧燃料ポンプで汲み上げて所定のフィード圧まで加圧し、その燃料を、高圧燃料ポンプによってさらに加圧し、デリバリパイプを介して燃料噴射弁に圧送するようにしているものがある。そして、このような高圧燃料ポンプでは、例えば、クランクシャフトと連動するカムによってプランジャが往復移動するものがある。この場合、この往復移動は、プランジャが圧力室の容積を増大させる方向へ移動する吸入行程と、同容積を減少させる方向へ移動する圧送行程とからなる。また、このような高圧燃料ポンプでは、圧力室に連通する燃料流入経路にスピル弁が設けられており、このスピル弁が、吸入行程で開かれ、圧送行程で閉じられることにより、吸入、加圧される燃料量を調量している。
ところで、上述のようにクランクシャフトと連動するカムによってプランジャを往復移動させる場合、プランジャの位置はクランク角に応じた位置となる。したがって、このような燃料供給装置では、このクランク角に応じたプランジャの位置を検出し、これに応じてスピル弁の閉弁時期を設定している。この場合、例えば、アイドリング運転のような比較的静かな運転領域においてこのスピル弁の開閉にともなった作動音が問題となることがある。ここで、このような暖機後のアイドリング運転においては、機関水温が高く燃料が比較的気化・微粒化しやすく、さらに、回転数も低いことから燃料噴射から点火までの期間が比較的長く、筒内圧も比較的低いことから、フィード圧で燃料を噴射すれば、十分に燃料を気化・微粒化することが可能である。このため、暖機後アイドリング運転では、スピル弁の開閉動作を開弁状態で停止し、低圧燃料ポンプでフィード圧まで加圧された燃料をさらに加圧することはせず、そのまま高圧燃料ポンプを通過させ、フィード圧でデリバリパイプ及び燃料噴射弁に燃料を供給(フィード圧運転)することで、上記作動音を低減する燃料供給装置がある。
ところがこの場合、高圧燃料ポンプのプランジャはクランクシャフトの回転に連動して往復運動していることから、スピル弁を開弁状態とし、高圧燃料ポンプでの燃料の加圧を停止しても、プランジャは駆動し続けている。このため、プランジャの往復運動に伴った燃料の圧力脈動が生じ、この脈動が通路内における燃料の圧力、つまり、燃圧を変動させ、この燃圧の変動がデリバリパイプ及び燃料噴射弁に伝播する。内燃機関の制御手段は、運転状態により、燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射タイミング及び噴射量を制御するが、このデリバリパイプ及び燃料噴射弁に上記のように圧力脈動が伝播することで、燃料噴射弁による燃料噴射量に誤差が生じ、そのため、内燃機関に供給すべき所定の燃料供給量を燃料噴射装置から供給することができず、空燃比の制御性が悪化するおそれがある。特に上記のように暖機後アイドリング運転時にフィード圧で燃料を噴射する場合、この噴射圧に対する圧力脈動の影響が大きくなることから、この圧力脈動を低減することが重要である。
このような圧力脈動の低減を図った技術として、例えば、特許文献1に記載の内燃機関の燃料供給装置では、燃料を低圧ポンプで加圧しこの加圧された燃料を低圧燃料噴射機構に供給する低圧燃料供給系と、低圧燃料供給系から分岐し低圧ポンプで加圧された燃料を高圧ポンプでさらに加圧しこのさらに加圧された燃料を高圧燃料噴射機構に供給する高圧燃料供給系とを備え、さらに、高圧ポンプと低圧燃料噴射機構との間の配管を延長することで、高圧ポンプで生じた圧力脈動を減衰し、この圧力脈動が低圧燃料噴射機構に伝播することを抑制している。
特開2005−106027号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている内燃機関の燃料供給装置が備える配管を延長する構成を、例えば、高圧ポンプと高圧デリバリパイプとを接続する配管に適用しても、高圧ポンプで発生した圧力脈動が高圧デリバリパイプに伝播することは抑制できるものの、高圧燃料供給系の容積が増加してしまい、この結果、始動時の昇圧が遅くなってしまうおそれがあり、また、高圧ポンプと高圧デリバリパイプとの間の限られた空間に延長配管を設けなければならず、設置スペース的にも効率的ではなかった。
そこで本発明は、高圧ポンプの駆動により発生する燃圧脈動の伝播を効果的に抑制することができる内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による内燃機関の燃料供給装置は、燃料を所定のフィード圧に加圧し圧送可能な低圧ポンプと、内燃機関の運転状態に応じて駆動し、調量弁が吸入口を開閉することで前記低圧ポンプにより加圧された燃料の吸入量を調節すると共に加圧し圧送可能な高圧ポンプと、前記加圧された燃料を燃焼室又は該燃焼室に連通する吸気ポートに噴射可能な燃料噴射手段と、前記低圧ポンプと前記高圧ポンプとを接続する低圧通路と、前記高圧ポンプと前記燃料噴射手段とを接続する高圧通路と、前記低圧通路から分岐するバイパス分岐部と前記高圧通路又は前記燃料噴射手段に接続するバイパス接続部とを有するバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ燃料の脈動を低減する脈動低減手段と、前記バイパス接続部側から前記バイパス分岐部側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも低く設定されるバイパス通路逆流防止手段と、前記燃料噴射手段側から前記高圧ポンプ側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧が前記フィード圧よりも高く、かつ、前記高圧ポンプの駆動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定される高圧通路逆止弁とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記高圧ポンプは、前記内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して往復運動することで前記吸入口から燃料を吸入し加圧して圧送可能なプランジャを有すると共に前記調量弁が開弁することで燃料を吸入し、閉弁することで加圧し圧送すると特徴とする。
請求項3に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記脈動低減手段は、前記バイパス通路を介した前記高圧ポンプから前記バイパス接続部までのバイパス側通路長さを前記高圧通路の高圧側通路長さよりも長く設定することにより構成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記脈動低減手段は、前記燃料の通路面積を絞る絞り部と、前記燃料の脈動を減衰する減衰器とを有することを特徴とする。
請求項5に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記バイパス分岐部は、前記低圧通路における前記低圧ポンプ側に設けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記バイパス通路逆流防止手段は、前記バイパス通路における前記バイパス接続部側に設けられることを特徴とする。
請求項7に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記バイパス通路逆流防止手段は、電磁弁により構成されることを特徴とする。
請求項8に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記燃料噴射手段の余剰燃料を前記バイパス通路に排出するリリーフ弁を備えることを特徴とする。
請求項9に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記バイパス通路流防止手段は、前記燃料噴射手段の余剰燃料を前記バイパス通路に排出する電磁式リリーフ弁により構成されること特徴とする。
請求項10に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、内燃機関の運転状態が暖機後アイドリング状態である場合において前記調量弁を開弁状態に制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の燃料供給装置によれば、低圧通路から分岐するバイパス分岐部と高圧通路又は燃料噴射手段に接続するバイパス接続部とを有するバイパス通路と、燃料噴射手段側から高圧ポンプ側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも高く、かつ、高圧ポンプの駆動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定される高圧通路逆止弁と、バイパス通路に設けられ燃料の脈動を低減する脈動低減手段とを備えるので、高圧ポンプの駆動により発生する燃圧脈動の伝播を効果的に抑制することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図、図2は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置が適用されたエンジンを示す概略構成図である。
図2に示すように、本実施例では本発明に係る内燃機関の燃料供給装置1を内燃機関としてのエンジン10に適用して説明する。エンジン10は6気筒筒内噴射式であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図2にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
従って、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジン10は、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27、28となっている。この吸気・排気可変動弁機構27、28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29、30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31、32からの油圧をこのVVTコントローラ29、30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23、24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27、28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33、34が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットル弁39を有する電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ41が装着されており、このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜して配置されている。各気筒に装着されるインジェクタ41は、デリバリパイプ76に連結され、このデリバリパイプ76には高圧通路としての高圧燃料供給管75を介して高圧ポンプとしての高圧燃料ポンプ72が連結されている。ここでは、高圧燃料ポンプ72は、シリンダヘッド12に設置されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。
一方、排気ポート20には、排気マニホールド46を介して排気管47が連結されており、この排気管47には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する三元触媒48、49が装着されている。また、エンジン10には、クランキングを行うスタータモータ50が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト16を回転することができる。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)51が搭載されており、このECU51は、インジェクタ41や点火プラグ45などを制御可能となっている。即ち、吸気管37の上流側にはエアフローセンサ52及び吸気温センサ53が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ54が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU51に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ55が装着されており、現在のスロットル開度をECU51に出力しており、アクセルポジションセンサ56は、現在のアクセル開度をECU51に出力している。更に、クランク角センサ57は、検出した各気筒のクランク角度をECU51に出力し、このECU51は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ58が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU51に出力している。更に、各インジェクタ41に連通するデリバリパイプ76には燃料圧力を検出する燃圧センサ59が設けられており、検出した燃料圧力をECU51に出力している。一方、排気管47には、三元触媒48の上流側及び下流側に位置して排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ60、61が設けられており、検出した酸素濃度をECU51に出力している。
従って、ECU51は、検出した燃料圧力に基づいてこの燃料圧力が所定圧力となるように高圧燃料ポンプ72を駆動すると共に、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射時間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。また、ECU51は、検出した排気ガスの酸素濃度をフィードバックして空燃比がストイキ(理論空燃比)となるように燃料噴射量を補正している。
また、ECU51は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27、28を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドリング運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
ここで、上述したエンジン10の燃料供給装置1の燃料系について詳細に説明する。
本実施例の燃料供給装置1は、図1に示すように、燃料タンク70と、燃料タンク70内の燃料を加圧する低圧ポンプとしての低圧フィードポンプ71と、この低圧フィードポンプ71により加圧された燃料をさらに加圧する上述した高圧ポンプとしての高圧燃料ポンプ72と、加圧された燃料を噴射する燃料噴射手段としての燃料噴射機構73を備える。
燃料タンク70は、エンジン10に供給される燃料を貯留するものであり、この燃料タンク70には、低圧フィードポンプ71が装着されている。
この低圧フィードポンプ71は、電動式モータにより燃料タンク70内の燃料を所定のフィード圧、例えば、数百kPa程度まで加圧し、低圧燃料とし圧送可能なものである。低圧フィードポンプ71は、低圧通路としての低圧燃料供給管74を介して高圧燃料ポンプ72の吸入口72gに接続される。また、この低圧燃料供給管74には、低圧燃料戻し管74aが分岐して設けられる。
この低圧燃料戻し管74aは、基端が燃料タンク70内において低圧燃料供給管74から分岐する一方、先端もこの燃料タンク70内に位置する。そして、この低圧燃料戻し管74a上には、低圧調圧弁としての低圧側リリーフ弁74bが設けられる。この低圧側リリーフ弁74bは、低圧燃料供給管74の燃料の圧力(以下「燃圧」と称す)がフィード圧よりも高くなった際に開弁し、これにより、低圧フィードポンプ71から吐出された燃料の一部をこの低圧燃料戻し管74aを介して燃料タンク70に戻し、低圧燃料供給管74の燃圧を一定に保つことができる。
高圧燃料ポンプ72は、エンジン10のクランクシャフト16(図2参照)の回転により駆動可能なものであり、低圧フィードポンプ71によりすでに加圧された燃料である低圧燃料を高圧、例えば、数MPaから数十MPa程度まで加圧して高圧燃料とし、燃料噴射機構73に供給するための調量式の高圧ポンプである。さらに、高圧燃料ポンプ72は、吐出口72hが高圧通路としての高圧燃料供給管75を介して後述する燃料噴射機構73のデリバリパイプ76に接続される。そして、この高圧燃料供給管75には、燃料噴射機構73のデリバリパイプ76側から高圧燃料ポンプ72側への燃料の逆流を防止する高圧通路逆止弁77が装着されている。
ここで、高圧燃料ポンプ72について詳細に説明する。
高圧燃料ポンプ72は、ケーシング72aと、プランジャ72bと、圧力室72cと、調量弁としてのスピル弁72dと、付勢手段としてのスプリング72eと、ソレノイド72fとを備える。
ケーシング72aは、円筒状に形成され、その一端部に低圧燃料を吸入する吸入口72gが形成され、側面部に高圧燃料を吐出する吐出口72hが形成される。プランジャ72bは、このケーシング72a内に往復運動可能に支持される。圧力室72cは、燃料を加圧するための空間であり、このプランジャ72bの一端面とケーシング72aの内面とにより画成される。吐出口72hは、この圧力室72cに連通するように形成されている。スピル弁72dは、ケーシング72aの吸入口72gに設けられ、ケーシング72aの軸方向に移動可能であると共に吸入口72gを開閉可能であり、これにより、吸入口72gと圧力室72cとを連通することができる。
スピル弁72dは、スプリング72eにより吸入口72gを開放可能な方向に付勢されると共に、ソレノイド72fにより吸入口72gを閉止可能な方向に吸引力を付与されることで吸入口72gを開閉可能に構成される。ソレノイド72fは、ECU51(図2参照)に電気的に接続され、ECU51が送信する制御信号によりその通電が制御されている。
このスピル弁72dは、いわゆる、ノーマリオープン型スピル弁であり、すなわち、ソレノイド72fが通電されていない場合、スピル弁72dは、スプリング72eにより吸入口72gから離間する方向(圧力室72cの方向)に付勢され、吸入口72gを開放した状態(開弁状態)となり、吸入口72gを燃料が流通可能となる。一方、ソレノイド72fが通電されている場合、スピル弁72dは、ソレノイド72fにより吸入口72gに近づく方向(ソレノイド72fの方向)に吸引され、吸入口72gを閉止した状態(閉弁状態)となり、吸入口72gを介した燃料の吸入、流出が遮断される。これにより、仮にソレノイド72fが断線してしまったとしても、吸入口72gは開放された状態で維持されるので、全量圧送が継続されてしまうことがなく、燃料供給系の破損を最小限に抑えることができる。
プランジャ72bは、外径がケーシング72aの内径よりも若干小さい円柱状に形成され、このケーシング72aに対して往復運動可能に設けられる。また、プランジャ72bは、一端面側に圧力室72cを形成すると共に、他端面側に設けられるカム72iに不図示のスプリングにより押し付けられるように付勢される。カム72iは、カムシャフト72jに固定されており、このカムシャフト72jは、不図示の機構を介してエンジン10のクランクシャフト16(図2参照)の回転に連動して回転する。そして、カム72iは、このカムシャフト72jと共に回転し、これにより、プランジャ72bは、このカム72iに押圧されてケーシング72aに対して往復運動することとなる。
圧力室72cは、プランジャ72bの往復運動に応じて容積が変化することで吸入口72gから燃料を吸入可能となり、さらに、吸入した燃料を加圧すると共に吐出口72hから圧送可能となる。ここで、プランジャ72bの往復移動は、プランジャ72bが圧力室72cの容積を増大させる方向へ移動する吸入行程と、同容積を減少させる方向へ移動する圧送行程とからなる。そして、吸入行程では、プランジャ72bがカム72i側に移動することで圧力室72cの容積が増大し、このとき、ECU51は、ソレノイド72fを非通電状態に制御し吸入口72gを開放することで、内部の燃圧が低下し、燃料を吸入する吸入力が該圧力室内に作用し、低圧燃料供給管74の低圧燃料をこの吸入口72gを通して圧力室72cに吸入することができる。一方、圧送行程では、プランジャ72bがスピル弁72d側に移動することで圧力室72cの容積が減少し、このとき、ECU51は、ソレノイド72fを通電状態に制御し吸入口72gを閉鎖することで、内部の燃圧が上昇し、燃料を押圧する押圧力が該圧力室内に作用し、所定の圧力まで加圧された高圧燃料を吐出口72hから高圧燃料供給管75を介して燃料噴射機構73に圧送することができる。また、このソレノイド72fの通電時期、すなわち、吸入口72gの閉鎖時期を調節することで、燃料の吸入量を調量することができる。
燃料噴射機構73は、上述のデリバリパイプ76と、このデリバリパイプ76に接続される上述の複数のインジェクタ41により構成される。さらに具体的には、インジェクタ41は、6つの気筒に対応して設けられた6つの燃焼室18に対して、それぞれ1つずつ、合計6つ設けられる。そして、デリバリパイプ76は、第1デリバリパイプ76aと第2デリバリパイプ76bからなり、この第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76bにそれぞれ3つずつのインジェクタ41が接続される。また、この燃料噴射機構73は、第1デリバリパイプ76aが高圧燃料供給管75に接続されると共にこの第1デリバリパイプ76aと第2デリバリパイプ76bとが接続管78により接続される。そして、上述した燃圧センサ59は、第1デリバリパイプ76aに設けられている。また、この第1デリバリパイプ76aと高圧燃料ポンプ72の吐出口72hとを接続する高圧燃料供給管75に高圧通路逆止弁77が装着されている。さらに、第2デリバリパイプ76bには、高圧燃料戻し管79が接続される。
高圧通路逆止弁77は、デリバリパイプ76に供給された燃圧を一定に保つためのものである。高圧通路逆止弁77は、高圧燃料ポンプ72の圧力室72c内の低圧燃料の圧力が所定圧力、例えば、数十MPa程度以上となると開弁し、燃料が高圧燃料供給管75を通過可能とする。高圧燃料ポンプ72で加圧された高圧燃料は、高圧通路逆止弁77、高圧燃料供給管75、第1デリバリパイプ76a、第2デリバリパイプ76bを介して、複数のインジェクタ41に供給され、この複数の複数のインジェクタ41は、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の高圧燃料を微粒化してエンジン10の各気筒の燃焼室18に直接噴射することができる。
高圧燃料戻し管79は、基端が第2デリバリパイプ76bに接続される一方、先端が燃料タンク70内に位置する。そして、この高圧燃料戻し管79には、高圧調整弁としての高圧側リリーフ弁80が装着されている。この高圧側リリーフ弁80は、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の高圧燃料が所定圧力、例えば、十数MPa程度以上となると開弁し、これにより、燃料の圧力が所定圧力よりも高くなった際に、高圧燃料戻し管79を介して第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の余剰燃料を燃料タンク70に戻し、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃圧を一定に保つことができる。
上記のように構成される燃料供給装置1では、エンジン10が始動すると、低圧フィードポンプ71が駆動して燃料タンク70内の燃料を加圧し、低圧燃料供給管74を介して低圧燃料を高圧燃料ポンプ72に供給し、この高圧燃料ポンプ72は低圧燃料をさらに加圧し、高圧燃料供給管75を介して高圧燃料を第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76bに供給することができ、複数のインジェクタ41は、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の高圧燃料を燃焼室18に噴射することができる。このとき、ECU51は、燃圧センサ59が検出した燃料圧力に基づいて高圧燃料ポンプ72を駆動制御し、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃料圧力を所定圧力に維持している。第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃料圧力が所定圧力より大きくなると、高圧側リリーフ弁80が開放して高圧燃料戻し管79を介して高圧燃料を燃料タンク70に排出する。
ところで、上述のように、高圧燃料ポンプ72においてクランクシャフト16と連動するカム72iによってプランジャ72bを往復移動させると、プランジャ72bの位置はクランク角に応じた位置となる。したがって、このような燃料供給装置1では、このクランク角に応じたプランジャ72bの位置を検出し、これに応じてスピル弁72dの閉弁時期を設定している。
ここで、このようなエンジン10の燃料供給装置1では、例えば、暖機後のアイドリング運転においては、エンジン冷却水温が高く燃料が比較的気化・微粒化しやすく、さらに、回転数も低いことから燃料噴射から点火までの期間が比較的長く、筒内圧も比較的低いことから、フィード圧で燃料を噴射しても、十分に燃料を気化・微粒化することが可能である。そのため、燃料供給装置1では、高圧燃料ポンプ72のスピル弁72dを開弁状態とし、低圧フィードポンプ71でフィード圧まで加圧された燃料を高圧燃料ポンプ72でさらに加圧することはせず、フィード圧のままで燃料噴射機構73に燃料を供給(以下、これを「フィード圧運転」と称す)することがある。
ところがこの場合、高圧燃料ポンプ72のプランジャ72bはクランクシャフト16の回転に連動して往復運動していることから、スピル弁72dを開弁状態とし、高圧燃料ポンプ72での燃料の加圧を停止しても、プランジャ72bは駆動し続けている。このため、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の圧力脈動が生じ、この脈動が燃料の供給通路内における燃圧を変動させ、この燃圧の変動がデリバリパイプ76及びインジェクタ41に伝播するおそれがある。そして、ECU51は、運転状態により、各インジェクタ41から噴射する燃料の噴射タイミング及び噴射量を制御するが、このデリバリパイプ76及びインジェクタ41に上記のように圧力脈動が伝播することで、インジェクタ41による燃料噴射量に誤差が生じ、そのため、空燃比の制御性が悪化するおそれがある。特に上記のように暖機後アイドリング運転時にフィード圧で燃料を噴射する場合、この噴射圧に対する圧力脈動の影響が大きくなることから、この圧力脈動を低減することが重要である。
そこで、エンジン10の燃料供給装置1では、低圧燃料供給管74から分岐するバイパス通路としてのバイパス管81と、このバイパス管81に設けられる脈動低減手段としての脈動低減部82とを備え、上述の高圧通路逆止弁77の開弁圧を低圧フィードポンプ71によるフィード圧よりも高く設定することで、高圧燃料ポンプ72の駆動により発生する燃圧脈動の伝播を効果的に抑制している。
具体的には、バイパス管81は、低圧燃料供給管74から分岐するバイパス分岐部81aと燃料噴射機構73の第1デリバリパイプ76aに接続するバイパス接続部81bとを有する。すなわち、バイパス管81は、バイパス分岐部81aにおいて低圧燃料供給管74から分岐し、高圧燃料ポンプ72を通らずに、バイパス接続部81bにおいて第1デリバリパイプ76aに接続する低圧燃料のバイパス供給経路である。また、このバイパス管81には、バイパス通路逆流防止手段としてのバイパス通路逆止弁83が装着されている。
バイパス通路逆止弁83は、バイパス接続部81b側からバイパス分岐部81a側への燃料の逆流を防止し、デリバリパイプ76に供給された燃圧を一定に保つためのものである。このバイパス通路逆止弁83の開弁圧は、フィード圧よりも若干低く設定される。すなわち、このバイパス通路逆止弁83は、バイパス管81内の燃料の圧力がフィード圧になった際には開弁し、これにより、フィード圧の燃料がバイパス管81を通過し、デリバリパイプ76に供給可能とする。なお、このバイパス通路逆止弁83の開弁圧は、圧力損失の抑制のため、可能な限り低く設定しておくとよい。
高圧通路逆止弁77は、開弁圧がフィード圧よりも高く設定される。これに加え、さらに、高圧通路逆止弁77の開弁圧は、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定される。
そして、本実施例の制御手段としてのECU51は、暖機後アイドリング運転時において、ソレノイド72fを非通電としてスピル弁72dの開閉動作を制御して開弁状態で停止することで、低圧フィードポンプ71でフィード圧まで加圧された燃料を高圧燃料ポンプ72でさらに加圧することはせず、燃料をフィード圧で燃料噴射機構73に供給する。なお、ECU51によるエンジン10の暖機後アイドリング運転の判定は、クランク角センサ57が検出するエンジン回転数がアイドル回転数か否か、水温センサ58が検出するエンジン冷却水温が予め設定される所定値以上か否かなど種々の方法で判定すればよい。
すなわち、通常の運転時では、高圧燃料ポンプ72は燃料をフィード圧以上に加圧し、これにより、高圧通路逆止弁77は開弁され、高圧の燃料は高圧燃料供給管75を介してデリバリパイプ76に供給される。そして、スピル弁72dを開弁状態とし、高圧燃料ポンプ72による加圧を停止すると、デリバリパイプ76内の燃料がインジェクタ41から噴射されることからその燃圧は徐々に低下する。このとき、高圧燃料ポンプ72に至ったフィード圧の燃料は、そのまま高圧燃料ポンプ72を通過し、フィード圧で高圧通路逆止弁77に到達する。ここで、高圧通路逆止弁77の開弁圧がフィード圧よりも高く設定されていることから、高圧通路逆止弁77は開弁せず、高圧燃料供給管75を介した燃料噴射機構73への燃料供給は行われない。一方、低圧フィードポンプ71により加圧された燃料は、バイパス分岐部81aを介して、バイパス管81に導入され、バイパス通路逆止弁83に到達し、そして、上記のデリバリパイプ76内の燃圧がフィード圧以下になると、バイパス通路逆止弁83が開弁し、フィード圧の燃料が燃料噴射機構73に供給され、各インジェクタ41からフィード圧で燃料が噴射され、バイパス管81を介したフィード圧運転に移行する。
つまり、通常運転時には、高圧燃料供給管75を介して燃料噴射機構73に高圧の燃料が供給され、フィード圧運転時には、バイパス管81を介して燃料噴射機構73にフィード圧の燃料が供給され、その供給経路を切り替えることができる。すなわち、エンジン10の運転状態に応じて高圧燃料ポンプ72のソレノイド72fを非通電状態にするという簡単な制御だけでフィード圧の燃料の供給経路が切り替わり、フィード圧運転に移行することができる。また、高圧燃料ポンプ72のソレノイド72fを非通電状態にするという制御以外は、機械的な構成により燃圧に応じて供給経路が切り替わることから、迅速にフィード圧運転に移行できると共に安価で信頼性を向上することもできる。
また、このとき、高圧通路逆止弁77の開弁圧は、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定されることから、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の脈動圧により高圧通路逆止弁77が開弁してしまうことが防止される。これにより、フィード圧運転時において、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の圧力脈動が高圧燃料供給管75を介して燃料噴射機構73に伝播することが防止される。なお、高圧通路逆止弁77の開弁圧の上限は、ばらつきを考慮して脈動圧よりも高い範囲で最小値としておくとよい。これは、開弁圧が過大な場合、高圧燃料ポンプ72により加圧された燃料の圧送の障害となり、高圧燃料ポンプ72による圧送効率が低下することを防止するためである。
さらに、ECU51により暖機後アイドリング運転じにおいて、ソレノイド72fを非通電としてスピル弁72dの開閉動作を制御して開弁状態で停止し、低圧フィードポンプ71でフィード圧まで加圧された燃料を高圧燃料ポンプ72でさらに加圧することはせず、フィード圧で燃料噴射機構73に燃料を供給することで、上記の暖機後アイドリング運転のような比較的静かな運転領域においてこのスピル弁72dの開閉にともなった作動音を低減することが可能となる。
ここで、バイパス管81に設けられる脈動低減部82は、バイパス管81を通過する燃料の圧力脈動を低減するものである。さらに具体的には、脈動低減部82は、バイパス管81を介した高圧燃料ポンプ72の吸入口72gからバイパス接続部81bまでのバイパス側通路長さL1を高圧燃料ポンプ72の吐出口72hから第1デリバリパイプ76aまでの高圧燃料供給管75の高圧側通路長さL2よりも長く設定することにより構成される。バイパス側通路長さL1は、バイパス管81と、バイパス分岐部81aから高圧燃料ポンプ72の吸入口72gまでの低圧燃料供給管74の通路長さとを合わせた長さである。これにより、スピル弁72dを開弁状態で停止しフィード圧運転を行う際には、フィード圧の燃料が相対的に長い管路長を有するバイパス管81を通過することで、燃料の圧力脈動を圧力損失により減衰し、この圧力脈動が燃料噴射機構73に伝播することが抑制される。一方、スピル弁72dを作動させ、高圧燃料ポンプ72により燃料をフィード圧以上に加圧する際には、加圧された燃料が相対的に短い管路長を有しその容積が小さい高圧燃料供給管75を通過することで、適正な圧力まで昇圧する時間が長くなってしまうことを防止することができる。
ここで、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の脈動周期は、このプランジャ72bの往復運動の速度、つまり、エンジン回転数に応じて変化する。そして、脈動低減部82において圧力脈動の減衰に必要なバイパス側通路長さL1は、脈動周期に比例し、低回転になり脈動周期が長くなるほど(脈動周波数が低くなるほど)このバイパス側通路長さL1を長くする必要がある。本実施例では、バイパス側通路長さL1は、少なくともエンジン10の下限回転数であるアイドリング回転数(例えば、500〜800rpm)で圧力脈動の減衰が可能な長さに設定され、これにより、アイドリング回転数以上であれば、圧力脈動が減衰され、バイパス管81を介した脈動の伝播を防止することができる。
なお、本実施例の燃料タンク70は車両後部に配置され、エンジン10は車両前部に配置される。そして、上述のバイパス管81のバイパス分岐部81aは、低圧燃料供給管74における低圧フィードポンプ71側に設けられる。すなわち、バイパス管81は、低圧燃料供給管74において低圧フィードポンプ71と高圧燃料ポンプ72との中間よりも低圧フィードポンプ71側、さらに具体的には、燃料タンク70出口部分近傍から分岐し、低圧燃料供給管74と並行して設けられる。これにより、この所定のバイパス側通路長さL1が必要なバイパス管81を低圧燃料供給管74と共に車両後部の燃料タンク70から車両前部のエンジン10までの間の十分な長さを有する空間に搭載することができ、容易に適正なバイパス側通路長さL1を確保することができる。
さらに、バイパス通路逆止弁83は、バイパス管81におけるバイパス接続部81b側に設けられる。すなわち、バイパス通路逆止弁83は、バイパス管81においてバイパス分岐部81aとバイパス接続部81bとの中間よりもバイパス接続部81b側、さらに具体的には、可能な限りバイパス接続部81bの近傍に設けられる。これにより、デリバリパイプ76、接続管78を含み高圧通路逆止弁77、高圧側リリーフ弁80及びバイパス通路逆止弁83により区画される燃料供給路の容積を最小限に抑制することができ、高圧燃料ポンプ72により燃料をフィード圧以上に加圧する際の昇圧速度が低下することを防止することができる。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、燃料を所定のフィード圧に加圧し圧送可能な低圧フィードポンプ71と、エンジン10の運転状態に応じて駆動し、スピル弁72dが吸入口72gを開閉することで低圧フィードポンプ71により加圧された燃料の吸入量を調節すると共に加圧し圧送可能な高圧燃料ポンプ72と、加圧された燃料を燃焼室18に噴射可能な燃料噴射機構73と、低圧フィードポンプ71と高圧燃料ポンプ72とを接続する低圧燃料供給管74と、高圧燃料ポンプ72と燃料噴射機構73とを接続する高圧燃料供給管75と、低圧燃料供給管74から分岐するバイパス分岐部81aと燃料噴射機構73に接続するバイパス接続部81bとを有するバイパス管81と、バイパス管81に設けられ燃料の脈動を低減する脈動低減部82と、バイパス接続部81b側からバイパス分岐部81a側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも低く設定されるバイパス通路逆止弁83と、燃料噴射機構73側から高圧燃料ポンプ72側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも高く、かつ、高圧燃料ポンプ72の駆動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定される高圧通路逆止弁77とを備える。
したがって、低圧燃料供給管74から分岐するバイパス管81と、このバイパス管81に設けられる脈動低減部82とを備え、高圧通路逆止弁77の開弁圧を低圧フィードポンプ71によるフィード圧よりも高く設定することで、通常の運転時では、高圧燃料ポンプ72により燃料がフィード圧以上に加圧され、これにより、高圧通路逆止弁77が開弁し、高圧燃料供給管75を介して燃料噴射機構73に高圧の燃料が供給される。そして、高圧燃料ポンプ72による加圧を停止すると、高圧通路逆止弁77が閉弁し、高圧燃料供給管75を介した燃料噴射機構73への燃料供給が停止し、バイパス管81を介して燃料噴射機構73にフィード圧の燃料が供給され、フィード圧運転に移行する。このとき、フィード圧の燃料が脈動低減部82を設けたバイパス管81を通過することで、燃料の圧力脈動が低減されるので、高圧燃料ポンプ72の駆動により発生する燃圧脈動の伝播を効果的に抑制することができる。
さらに、バイパス通路逆止弁83の開弁圧を燃料のフィード圧よりも低く設定することで、バイパス接続部81b側からバイパス分岐部81a側への燃料の逆流を防止することができ、デリバリパイプ76に供給された燃圧を一定に保つことができる。そして、バイパス管81内の燃料の圧力がフィード圧になった際には開弁し、フィード圧の燃料をデリバリパイプ76に供給することができる。
さらに、高圧通路逆止弁77の開弁圧を燃料の脈動圧よりも高く設定することで、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の脈動圧により高圧通路逆止弁77が開弁することが防止されるので、フィード圧運転時において、圧力脈動が高圧燃料供給管75を介して燃料噴射機構73に伝播することを防止することができる。
すなわち、バイパス管81を設けて高圧通路逆止弁77、バイパス通路逆止弁83の開弁圧を適正に設定することで、機械的な構成により燃圧に応じて燃料の供給経路を切り替えることができることから、迅速にフィード圧運転に移行できると共に安価で信頼性を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、高圧燃料ポンプ72は、エンジン10のクランクシャフト16の回転に連動して往復運動することで吸入口72gから燃料を吸入し加圧して圧送可能なプランジャ72bを有すると共にスピル弁72dが開弁することで燃料を吸入し、閉弁することで加圧し圧送する。したがって、高圧燃料ポンプ72において、プランジャ72bがエンジン10のクランクシャフト16の回転に連動して往復運動すると共にスピル弁72dが開閉することで、燃料を吸入、加圧、圧送することができる。そして、フィード圧運転の際にはスピル弁72dを開弁状態とするだけで、高圧燃料ポンプ72での燃料の加圧を停止することができ、この間、プランジャ72bの往復運動に伴った燃料の圧力脈動が発生しても、燃料がバイパス管81を介して燃料噴射機構73に供給されることからその圧力脈動を効果的に抑制することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、脈動低減部82は、バイパス管81を介した高圧燃料ポンプ72からバイパス接続部81bまでのバイパス側通路長さL1を高圧燃料供給管75の高圧側通路長さL2よりも長く設定することにより構成される。したがって、バイパス側通路長さL1を高圧側通路長さL2よりも長くすることによって脈動低減部82を構成することで、フィード圧運転を行う際には、フィード圧の燃料が相対的に長い管路長を有するバイパス管81を通過するので、その圧力脈動が圧力損失により減衰され、圧力脈動が燃料噴射機構73に伝播することを抑制することができる一方、燃料をフィード圧以上に加圧する際には、加圧された燃料が相対的に短い管路長を有しその容積が小さい高圧燃料供給管75を通過するので、適正な圧力まで昇圧する時間が長くなってしまうことを防止することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、バイパス分岐部81aは、低圧燃料供給管74における低圧フィードポンプ71側に設けられる。したがって、所定のバイパス側通路長さL1が必要なバイパス管81を低圧燃料供給管74と共に車両後部の燃料タンク70から車両前部のエンジン10までの間の十分な長さを有する空間に搭載することができ、容易に適正なバイパス側通路長さL1を確保することができる。このため、高圧燃料ポンプ72とデリバリパイプ76との間の空間やエンジン10近傍の限られた空間にこのバイパス管81を設置する空間を新たに確保する必要がなく、空間効率や製造効率を向上させることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、バイパス通路逆止弁83は、バイパス管81におけるバイパス接続部81b側に設けられる。したがって、高圧通路逆止弁77、高圧側リリーフ弁80及びバイパス通路逆止弁83により区画される燃料供給路の容積を最小限に抑制することができ、高圧燃料ポンプ72により燃料をフィード圧以上に加圧する際の昇圧速度が低下することを防止することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置1によれば、エンジン10の運転状態が暖機後アイドリング状態である場合においてスピル弁72dを開弁状態に制御するECU51を備える。したがって、暖機後アイドリング運転時において、スピル弁72dを開弁状態で停止し、低圧フィードポンプ71でフィード圧まで加圧された燃料を高圧燃料ポンプ72でさらに加圧することはせず、燃料をフィード圧で燃料噴射機構73に供給することで、比較的静かな運転領域においてこのスピル弁72dの開閉にともなった作動音を低減することができる。この間、暖機後のアイドリング運転においては、エンジン冷却水温が高く燃料が比較的気化・微粒化しやすく、さらに、回転数も低いことから燃料噴射から点火までの期間が比較的長く、筒内圧も比較的低いことから、フィード圧で燃料を噴射しても、十分に燃料を気化・微粒化することができる。
なお、上述した本発明の実施例に係る内燃機関の燃料供給装置1は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、本発明のバイパス通路逆流防止手段は、開弁圧がフィード圧よりも低く設定されるバイパス通路逆止弁83により構成されるものとして説明したが、ECU51により駆動が制御されるバイパス通路電磁弁により構成してもよい。この場合、ECU51は、燃圧センサ59により検出されるデリバリパイプ76内の燃料圧力に応じてバイパス通路電磁弁を開閉制御する。これにより、バイパス通路逆流防止手段をバイパス通路逆止弁83で構成する場合と比較して、開弁時における燃料の圧力損失や燃圧変動を抑制でき、フィード圧運転時における燃圧の制御性を向上することができる。さらに、通常(高圧)運転時において、このバイパス通路電磁弁を開弁することで、燃圧の減圧制御も可能となり燃圧の制御性がさらに向上する。
図3は、本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。実施例2に係る内燃機関の燃料供給装置は、実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置と略同様の構成であるが、バイパス通路と高圧燃料戻し通路とを共用している点で実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置とは異なる。その他、上述した実施例と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
実施例2に係るエンジン10の燃料供給装置201は、図3に示すように、低圧燃料供給管74から分岐し燃料噴射機構73に接続するバイパス通路としてのバイパス管281を備える。具体的には、バイパス管281は、低圧燃料供給管74から分岐するバイパス分岐部281aと燃料噴射機構73の第2デリバリパイプ76bに接続するバイパス接続部281bとを有する。すなわち、バイパス管281は、バイパス分岐部281aにおいて低圧燃料供給管74から分岐し、高圧燃料ポンプ72を通らずに、バイパス接続部281bにおいて第2デリバリパイプ76bに接続する低圧燃料のバイパス供給経路である。そして、このバイパス管281にバイパス通路逆流防止手段としてのバイパス通路逆止弁283が装着されている。
バイパス管281のバイパス分岐部281aは、上述の実施例1のバイパス分岐部81aと同様に、低圧燃料供給管74における低圧フィードポンプ71側に設けられる。さらに、バイパス通路逆止弁283も、上述の実施例1のバイパス通路逆止弁83と同様な構成であると共にバイパス管281におけるバイパス接続部281b側に設けられる。そして、バイパス管281に設けられる脈動低減手段としての脈動低減部282も、上述の実施例1の脈動低減部82と同様に、バイパス管281を介した高圧燃料ポンプ72の吸入口72gからバイパス接続部281bまでのバイパス側通路長さL1を高圧燃料ポンプ72の吐出口72hから第1デリバリパイプ76aまでの高圧燃料供給管75の高圧側通路長さL2よりも長く設定することにより構成される。
一方、本実施例の燃料供給装置201は、実施例1で上述した高圧燃料戻し管79(図1参照)を備えておらず、その代わりにバイパス管281が第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の余剰燃料を燃料タンク70に戻す通路として共用されている。すなわち、このバイパス管281のバイパス接続部281b近傍に高圧調整弁としての高圧側リリーフ弁280が装着されている。
この高圧側リリーフ弁280は、バイパス管281から分岐しバイパス通路逆止弁283を迂回し再びバイパス管281に接続される分岐管280aに設けられる。すなわち、バイパス通路逆止弁283と高圧側リリーフ弁280とは、バイパス管281において並列的に設けられる。高圧側リリーフ弁280は、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の高圧燃料が所定圧力、例えば、十数MPa程度以上となると開弁し、これにより、燃料の圧力が所定圧力よりも高くなった際に、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の余剰燃料がバイパス管281に排出される。そして、この余剰燃料は、バイパス管281、低圧燃料供給管74、低圧燃料戻し管74a及び低圧側リリーフ弁74bを介して燃料タンク70に戻され、これにより、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃圧を一定に保つことができる。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置201によれば、燃料噴射機構73の余剰燃料をバイパス管281に排出する高圧側リリーフ弁280を備える。したがって、バイパス管281にバイパス通路逆止弁283と共に燃料噴射機構73の余剰燃料を排出する高圧側リリーフ弁280を設けたことで、バイパス管281を介してフィード圧の燃料を燃料噴射機構73に供給可能であると共に燃料噴射機構73内の余剰燃料をバイパス管281に排出可能であり、燃料噴射機構73内の余剰燃料を燃料タンク70に戻す通路としてバイパス管281を共用することができる。この結果、燃料供給装置201が備える配管の数を減らすことができ、よりコンパクトで部品点数の少ない燃料供給装置201とすることができ、製造コストの低減にも資することができる。
図4は、本発明の実施例3に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。実施例3に係る内燃機関の燃料供給装置は、実施例2に係る内燃機関の燃料供給装置と略同様の構成であるが、バイパス通路流防止手段の構成が実施例2に係る内燃機関の燃料供給装置とは異なる。その他、上述した実施例と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
実施例3に係るエンジン10の燃料供給装置301は、図4に示すように、実施例2の高圧側リリーフ弁280(図3参照)とバイパス通路逆止弁283(図3参照)に代えて、ECU51により駆動が制御されるバイパス通路流防止手段としての電磁式リリーフ弁383を備える。具体的には、この電磁式リリーフ弁383は、弁体383aと、ソレノイド383bと、スプリング383c及びこれらを収容するケーシング383dを備える。
弁体383aは、バイパス管281を開閉可能なものである。この弁体383aは、スプリング383cによりバイパス管281を閉鎖可能な方向、ここでは、高圧側の第2デリバリパイプ76b方向に付勢されると共に、ソレノイド383bにより第2デリバリパイプ76bから離間する方向に吸引力を付与されることでバイパス管281を開閉可能に構成される。ソレノイド383bは、ECU51に電気的に接続され、ECU51が送信する制御信号によりその通電が制御されている。
すなわち、この電磁式リリーフ弁383は、ノーマリクローズ型の弁であり、ソレノイド383bが非通電状態である際にスプリング383cが弁体383aを第2デリバリパイプ76b方向に付勢することでバイパス管281が閉鎖状態となる一方、ソレノイド383bが通電され、弁体383aに第2デリバリパイプ76bから離間する方向に吸引力が付与されることでバイパス管281が開放状態となる。
さらにここでは、スプリング383cの付勢力は、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の高圧燃料が所定圧力、例えば、十数MPa程度以上となると、弁体383aが開弁する付勢力に設定される。
つまり、通常、ECU51は、燃圧センサ59により検出されるデリバリパイプ76内の燃料圧力に応じて電磁式リリーフ弁383を開閉制御する。これにより、例えば、実施例1のようにバイパス通路逆流防止手段をバイパス通路逆止弁83(図1参照)で構成する場合と比較して、開弁時における燃料の圧力損失や燃圧変動を抑制でき、フィード圧運転時における燃圧の制御性を向上することができる。さらに、通常(高圧)運転時において、このバイパス通路電磁弁を開弁することで、燃圧の減圧制御も可能となり燃圧の制御性がさらに向上する。一方、仮に電磁式リリーフ弁383に接続する配線が断線しソレノイド383bの通電制御が不可能になった場合でも、スプリング383cの付勢力を上記のように設定していることから、燃料の圧力が所定圧力よりも高くなった際に、この電磁式リリーフ弁383が開弁しバイパス管281を介して余剰燃料を燃料タンク70に戻し、第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃圧を一定に保つことができる。なお、スプリング383cの付勢力は、弁体383aの受圧面積なども考慮して設定するとよい。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置301によれば、本発明のバイパス通路流防止手段は、燃料噴射機構73の余剰燃料をバイパス管281に排出する電磁式リリーフ弁383により構成される。したがって、バイパス管281に電磁式リリーフ弁383を設けたことでバイパス管281を介してフィード圧の燃料を燃料噴射機構73に供給可能であると共に燃料噴射機構73内の余剰燃料をバイパス管281に排出可能であり、燃料噴射機構73内の余剰燃料を燃料タンク70に戻す通路としてバイパス管281を共用することができる。この結果、燃料供給装置201が備える配管の数を減らすことができ、例えば、実施例2のように分岐管280aを設ける必要もないことから、よりコンパクトで部品点数の少ない燃料供給装置201とすることができ、製造コストの低減にも資することができる。
さらに、仮に電磁式リリーフ弁383に接続する配線が断線しソレノイド383bの通電制御が不可能になった場合でも、燃料の圧力が所定圧力よりも高くなった際に、この電磁式リリーフ弁383が開弁し第1デリバリパイプ76a及び第2デリバリパイプ76b内の燃圧を一定に保つことができるので、適正な安全性も確保することができる。
図5は、本発明の実施例4に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。実施例4に係る内燃機関の燃料供給装置は、実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置と略同様の構成であるが、脈動低減手段の構成が実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置とは異なる。その他、上述した実施例と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
実施例4に係るエンジン10の燃料供給装置401は、図5に示すように、バイパス通路としてのバイパス管481に脈動低減手段としての脈動低減部482が設けられる。ここで、実施例1におけるバイパス管81(図1参照)のバイパス分岐部81aは、適正なバイパス側通路長さL1を確保するため、低圧燃料供給管74における低圧フィードポンプ71側に設けられていたのに対し、実施例4におけるバイパス管481のバイパス分岐部481aは、低圧燃料供給管74のどこに設けられていてもよく、ここでは高圧燃料ポンプ72側に設けられている。これにより、燃料供給装置401をよりコンパクトな構成にすることができる。
そして、実施例1の脈動低減部82(図1参照)は、バイパス側通路長さL1を高圧側通路長さL2よりも長く設定することにより構成されていたのに対して、実施例4の燃料供給装置401では、脈動低減部482は、バイパス管481に設けられる絞り部482aと、同じくバイパス管481に設けられる減衰器としてのパルセーションダンパ482bとにより構成される。
絞り部482aは、バイパス管481内の燃料通路面積を絞るものであり、バイパス管481の内径を小さくすることで形成される。パルセーションダンパ482bは、バイパス管481の絞り部482aよりもバイパス接続部481b側に設けられると共にダイヤフラムを有する。バイパス管481に導入されるフィード圧の燃料は、この絞り部482aに至ると、その流路面積が縮小することから、絞り部482aを通過する際に抵抗が生じ、これにより、圧力脈動が低減される。そして、パルセーションダンパ482bに至ると、ダイヤフラムによりさらにその圧力脈動が減衰される。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン10の燃料供給装置401によれば、脈動低減部482は、燃料の通路面積を絞る絞り部482aと、燃料の脈動を減衰するパルセーションダンパ482bとを有する。したがって、バイパス管481に絞り部482aとパルセーションダンパ482bとを設けることで、フィード圧運転時においてバイパス管81を介して燃料噴射機構73に燃料を供給する場合には、この燃料が絞り部482aを通過する際に抵抗が生じ、これにより、圧力脈動が低減され、その後、さらにパルセーションダンパ482bに至ると、ダイヤフラムによりさらにその圧力脈動が減衰される。また、例えば、実施例1のようにバイパス側通路長さL1を長くする必要もないので、燃料供給装置401をよりコンパクトな構成にすることができる。
ここで、脈動低減部482は、絞り部482a又はパルセーションダンパ482bのいずれか一方のみで構成してもよいし、必ずしも複数設ける必要もない。ただし、上記のように絞り部482aとパルセーションダンパ482bを各1つずつ設けることで脈動低減部482を構成する場合、燃料の適正な流速を保ちつつ、十分に圧力脈度を減衰でき、さらにパルセーションダンパ482bもコンパクトなものですむことから最も好ましい。
なお、上述した本発明の実施例に係る内燃機関の燃料供給装置は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、本発明の燃料供給装置1、201、301、401を筒内噴射式の6気筒エンジンに適用して説明したが、この形式のエンジンに限らず、直列型またはV型エンジンに適用することもでき、また、燃料を燃焼室18に連通する吸気ポート19に噴射可能なインジェクタを備えるポート噴射式エンジン等に適用しても同様の作用効果を奏することができる。
また、以上の説明では、デリバリパイプ76は、第1デリバリパイプ76aと第2デリバリパイプ76bにより構成されるものとして説明したが、これに限らず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、以上の説明では、バイパス通路は、第1デリバリパイプ76a又は第2デリバリパイプ76bに接続するものとして説明したが、高圧通路の高圧通路逆止弁77よりも下流側(燃料噴射機構73側の)に接続するようにしてもよい。すなわち、バイパス接続部は高圧通路の高圧通路逆止弁77よりも下流側に設けられてもよい。
また、以上の説明では、ECU51は、暖機後アイドリング運転時においてフィード圧運転を実行するものとして説明したが、これに限らず、例えば、始動時などにおいて高圧ポンプによる昇圧が遅い場合に、このフィード圧運転を実行するようにしてもよい。
また、以上の説明では、燃料タンク70は車両後部に配置され、エンジン10は車両前部に配置されるものとして説明したが、この逆でもよい。また、脈動低減手段は上記の構成に限らず、アキュムレータ等を用いてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、燃圧脈動の伝播を効果的に抑制するものであり、高圧ポンプの駆動により燃圧脈動が発生する種々の内燃機関に用いて好適である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。 本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置が適用されたエンジンを示す概略構成図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。 本発明の実施例3に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。 本発明の実施例4に係る内燃機関の燃料供給装置の燃料系を示す概略構成図である。
符号の説明
1、201、301、401 燃料供給装置
10 エンジン
18 燃焼室
70 燃料タンク
71 低圧フィードポンプ(低圧ポンプ)
72 高圧燃料ポンプ(高圧ポンプ)
72a ケーシング
72b プランジャ
72c 圧力室
72d スピル弁
72g 吸入口
72h 吐出口
73 燃料噴射機構(燃料噴射手段)
74a 低圧燃料戻し管
74b 低圧側リリーフ弁
74 低圧燃料供給管(低圧通路)
75 高圧燃料供給管(高圧通路)
76 デリバリパイプ
76a 第1デリバリパイプ
76b 第2デリバリパイプ
77 高圧通路逆止弁
79 高圧燃料戻し管
80、280 高圧側リリーフ弁
81、281、481 バイパス管(バイパス通路)
81b、281b、481b バイパス接続部
81a、281a、481a バイパス分岐部
82、282、482 脈動低減部(脈動低減手段)
83、283 バイパス通路逆止弁(バイパス通路逆流防止手段)
383 電磁式リリーフ弁
482b パルセーションダンパ(減衰器)
482a 絞り部

Claims (10)

  1. 燃料を所定のフィード圧に加圧し圧送可能な低圧ポンプと、
    内燃機関の運転状態に応じて駆動し、調量弁が吸入口を開閉することで前記低圧ポンプにより加圧された燃料の吸入量を調節すると共に加圧し圧送可能な高圧ポンプと、
    前記加圧された燃料を燃焼室又は該燃焼室に連通する吸気ポートに噴射可能な燃料噴射手段と、
    前記低圧ポンプと前記高圧ポンプとを接続する低圧通路と、
    前記高圧ポンプと前記燃料噴射手段とを接続する高圧通路と、
    前記低圧通路から分岐するバイパス分岐部と前記高圧通路又は前記燃料噴射手段に接続するバイパス接続部とを有するバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設けられ燃料の脈動を低減する脈動低減手段と、
    前記バイパス接続部側から前記バイパス分岐部側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧がフィード圧よりも低く設定されるバイパス通路逆流防止手段と、
    前記燃料噴射手段側から前記高圧ポンプ側への燃料の逆流を防止すると共に開弁圧が前記フィード圧よりも高く、かつ、前記高圧ポンプの駆動に伴った燃料の脈動圧よりも高く設定される高圧通路逆止弁とを備えることを特徴とする、
    内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記高圧ポンプは、前記内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して往復運動することで前記吸入口から燃料を吸入し加圧して圧送可能なプランジャを有すると共に前記調量弁が開弁することで燃料を吸入し、閉弁することで加圧し圧送すると特徴とする、
    請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記脈動低減手段は、前記バイパス通路を介した前記高圧ポンプから前記バイパス接続部までのバイパス側通路長さを前記高圧通路の高圧側通路長さよりも長く設定することにより構成されることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記脈動低減手段は、前記燃料の通路面積を絞る絞り部と、前記燃料の脈動を減衰する減衰器とを有することを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 前記バイパス分岐部は、前記低圧通路における前記低圧ポンプ側に設けられることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 前記バイパス通路逆流防止手段は、前記バイパス通路における前記バイパス接続部側に設けられることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  7. 前記バイパス通路逆流防止手段は、電磁弁により構成されることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  8. 前記燃料噴射手段の余剰燃料を前記バイパス通路に排出するリリーフ弁を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  9. 前記バイパス通路流防止手段は、前記燃料噴射手段の余剰燃料を前記バイパス通路に排出する電磁式リリーフ弁により構成されること特徴とする、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  10. 内燃機関の運転状態が暖機後アイドリング状態である場合において前記調量弁を開弁状態に制御する制御手段を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
JP2006299458A 2006-11-02 2006-11-02 内燃機関の燃料供給装置 Pending JP2008115753A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006299458A JP2008115753A (ja) 2006-11-02 2006-11-02 内燃機関の燃料供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006299458A JP2008115753A (ja) 2006-11-02 2006-11-02 内燃機関の燃料供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008115753A true JP2008115753A (ja) 2008-05-22

Family

ID=39501901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006299458A Pending JP2008115753A (ja) 2006-11-02 2006-11-02 内燃機関の燃料供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008115753A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4297160B2 (ja) 内燃機関
JP4165572B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP4106663B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
US20140251280A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine and control method for internal combustion engine
JP4305459B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2006348908A (ja) エンジン制御装置、エンジン制御システム及びエンジン制御方法
JP4432610B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
CN105804906A (zh) 直接喷射燃料泵***
JP2008180169A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5989406B2 (ja) 燃料圧力制御装置
JP2006017111A (ja) 内燃機関燃料噴射装置における圧力/流れを調節するための装置
JP2006336593A (ja) 筒内直噴内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法
JP6022986B2 (ja) 燃料供給システム
JP2007327409A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2009030573A (ja) 内燃機関
JP2009221917A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2008115753A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP5012533B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5018374B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射システム
JP2011052568A (ja) 高圧燃料ポンプの故障判定装置
JP4329755B2 (ja) 内燃機関の高圧燃料ポンプ
JP2011185164A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5445413B2 (ja) 燃料供給装置
JP2012193626A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2007315286A (ja) 内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110