JP2008114634A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者により振動発生指示がなされたときに車両に振動を発生させる。
【解決手段】振動発生スイッチがオンにされたときに、エンジンをモータリングする第1モータや駆動軸にトルクを出力する第2モータと電力のやりとりをするバッテリの残容量SOCがエンジンをモータリングを開始するのに必要な必要残容量SOCrefより大きいときには(ステップS300,S310)、エンジンの回転数が共振回転数帯に滞留するトルクTmとモータリングに伴って駆動軸に作用するトルク脈動を抑制する抑制トルクTvと逆相のトルクとの和のトルクが第1モータから出力され、駆動軸のトルク変動を大きくするトルクが第2モータから出力されるよう第1モータと第2モータとを制御する(ステップS320〜S390)。こうすれば、振動発生スイッチがオンにされたときに車両に振動を発生させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、車輪に接続された車軸と車体との間に設けられ油圧シリンダと、この油圧シリンダへの作動油の給排を制御する流量制御弁とを備えるアクティブサスペンションを搭載し、流量制御弁により油圧シリンダの伸縮を制御することによって路面からのショックを吸収し、車体の振動を抑制するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、停車時に油圧シリンダが伸縮するよう流量制御弁を制御することにより、車両に振動を発生させて、降雪時に車両に積もった雪を振り落とすことができるとしてている。
実開平3−121006号公報
上述の車両では、停車時に車両に振動させるが、走行中でも車両に付着した雪や枯葉などを除去したり車両の振動を用いて乗員をマッサージするために、車両に振動を発生させたいという要望がある。したがって、車両が停車中であるか否かに拘わらず、運転者により振動を発生させる指示がなされたときなど振動を発生される条件が成立したときに車両に振動を発生させる制御を行なうことが望ましい。
本発明の車両およびその制御方法は、振動を発生させる条件が成立したときに車両に振動を発生させることを目的とする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両では、
内燃機関からの動力を用いて走行する車両であって、
前記内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる前記車両の振動を調節可能な振動調節手段と、
所定の振動発生条件が成立していないときには前記車両の振動が抑制されるよう前記振動調節手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記車両に振動が生じるよう前記振動調節手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、所定の振動発生条件が成立していないときには車両の振動が抑制されるよう振動調節手段を制御し、所定の振動発生条件が成立しているときには車両に振動が生じるよう振動調節手段を制御する。この結果、所定の振動発生条件が成立しているときに車両に振動を生じさせることができる。「所定の振動発生条件」には、運転者により車両に振動を発生させる指示がなされたときが含まれる。
こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう前記振動調節手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両により大きな振動を発生させることができる。
また、所定の振動発生条件が成立しているときには内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう振動調節手段を制御する態様の本発明に車両において、前記振動調節手段は、前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段を備え、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記内燃機関の回転数が共振回転数帯より大きくなるトルクにより前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記内燃機関の回転数が前記共振回転数帯に滞留するトルクにより前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御する手段であるものとすることもできる。所定の振動発生条件が成立しているときには、内燃機関の回転数が共振回転数帯に滞留するから、車両に共振による振動を発生させることができる。
さらに、所定の振動発生条件が成立しているときには内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう振動調節手段を制御する態様の本発明に車両において、前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクの出力を伴って前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段を備え、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記モータリング手段によるモータリングに伴って前記駆動軸に出力されるトルク脈動を抑制する脈動抑制トルクを前記モータリング手段から出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記脈動抑制トルクと逆相のトルクを前記モータリング手段から出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御する手段であるものとすることもできる。所定の振動発生条件が成立しているときには、脈動抑制トルクと逆相のトルクをモータリング手段から出力しながらモータリングするから、車両の振動をより大きくすることができる。
そして、所定の振動発生条件が成立しているときには内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう振動調節手段を制御する態様の本発明の車両において、前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクを出力可能なトルク出力手段を備え、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を抑制するトルクが出力されるよう前記トルク出力手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を大きくするトルクが出力されるよう前記トルク出力手段を制御する手段であるものとすることもできる。所定の振動発生条件が成立しているときには、トルク出力手段から駆動軸に生じるトルク変動を大きくするトルク出力するから、車両により大きな振動を発生させることができる。
また、所定の振動発生条件が成立しているときには内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう振動調節手段を制御する態様の本発明の車両において、前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクの出力を伴って前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段と、前記駆動軸にトルクを出力可能なトルク出力手段とを備え、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記モータリング手段から前記内燃機関の回転数が共振回転数帯より大きくなるトルクと前記モータリング手段によるモータリングに伴って前記駆動軸に出力されるトルク脈動を抑制する脈動抑制トルクとの和のトルクを出力すると共に前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を抑制するトルクを出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段と前記トルク出力手段とを制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記モータリング手段から前記内燃機関の回転数が前記共振回転数帯に滞留するトルクと前記脈動抑制トルクと逆相のトルクとの和のトルクを出力すると共に前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を大きくするトルクを出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段と前記トルク出力手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定の振動発生条件が成立しているときに車両により大きな振動を発生させることができる。この場合において、前記モータリング手段および前記トルク出力手段を駆動するための駆動用電力を蓄電する蓄電手段を備え、前記所定の振動発生条件が成立しているときでも前記蓄電手段の残容量が所定残容量以下であるときには前記内燃機関の出力軸のモータリングを停止する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定の振動発生条件が成立しているときに蓄電手段の残容量を所定残容量以下に低下するのを抑制することができる。また、この場合において、前記モータリング手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であり、前記トルク出力手段は、電動機であるものとすることもできる。
さらに、本発明の車両において、前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記振動調節手段による前記車両の振動の抑制を停止するよう前記振動調節手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両に振動を生じさせることができる。
本発明の車両の制御方法は、
走行用の動力を出力する内燃機関と、該内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動を調節可能な振動調節手段とを備える車両の制御方法であって、
所定の振動発生条件が成立していないときには車両の振動が抑制されるよう前記振動調節手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには車両に振動が生じるよう前記振動調節手段を制御することを特徴とする
ことを要旨とする。
この本発明の車両の制御方法では、所定の振動発生条件が成立していないときには車両の振動が抑制されるよう振動調節手段を制御し、所定の振動発生条件が成立しているときには車両に振動が生じるよう振動調節手段を制御する。この結果、所定の振動発生条件が成立しているときに車両に振動を生じさせることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23からの信号などエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,振動発生スイッチ90のオンオフの状態を示すスイッチ状態SWなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転停止しているエンジン22をモータリングする際の動作について説明する。最初に、振動発生スイッチ90がオフになっているときにエンジン22をモータリングする際の動作について説明し、次に、振動発生スイッチ90がオンになっているときにエンジン22をモータリングする際の動作について説明する。
図2は、振動発生スイッチ90がオフになっているときにエンジン22をモータリングする際の動作の一例として、エンジン22を始動する際にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。始動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,クランク角CA,エンジンのモータリングを開始してからの経過時間としてのモータリング開始経過時間tmなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23からの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。そして、クランク角CAは、クランクポジションセンサ23からの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータリング開始経過時間tmは、エンジン22に始動が指示がなされたときから図示しないタイマにより計時された時間を入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と要求パワーPr*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPr*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、エンジン22の回転数Neとモータリング開始経過時間tmとを用いてモータMG1のモータリングトルクTmを設定する(ステップS120)。モータリングトルクTmは、実施例では、エンジン22を始動する際のモータMG1のモータリングトルクTmとモータリング開始経過時間tmとの関係を予めスイッチオフ時モータリングマップとしてROM74に記憶しておき、モータリング開始経過時間tmが与えられると記憶したマップから対応するモータリングトルクTmを導出して設定するものとした。図4は、エンジン22の始動時に用いられる始動時モータリングマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化様子とを示す説明図である。このモータリングマップでは、図4に示すように、エンジン22の始動指示がなされてエンジン22のモータリングを開始した時間t1の直後からレート処理を用いて迅速に比較的大きなトルクをモータリングトルクTmに設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t2にエンジン22を安定して所定の回転数以上でモータリングすることができるトルクをモータトルクTmに設定する。そして、時間t2にエンジン22を安定して点火開始回転数Nfire以上でモータリングすることができるトルクをモータリングトルクTmに設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくし、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至った時間t3からレート処理を用いて迅速にモータリングトルクTmを値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t4から発電用のトルクをモータリングトルクTmに設定する。このように、エンジン22をモータリングを開始した直後に比較的大きなトルクをモータリングトルクTmに設定してエンジン22をモータリングすることにより、迅速にエンジン22の回転数Neを共振回転数帯より高い回転数にすることができ、共振により車両に生じる振動を抑制することができる。
モータリングトルクTmが設定されると、クランク角CAに基づいて脈動抑制トルクTvを設定し(ステップS130)、設定した脈動抑制トルクTvを設定したモータリングトルクTmに加えたものをモータトルク指令Tm1*として設定する(ステップS140)。脈動抑制トルクTvは、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制するトルクとして設定されており、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動とクランク角CAとの関係を実験で求めておき、求めたトルク脈動と逆位相のトルクを脈動抑制トルクTvとしてこの脈動抑制トルクTvとクランク角CAとの関係を予めROM74に脈動抑制トルク設定用マップとして記憶しておき、クランク角CAが与えられるとマップから対応する脈動抑制トルクTvを導出して設定するものとした。脈動抑制トルク設定用マップの一例を図5に示す。このように、モータトルク指令Tm1*を設定することにより、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制することができ、トルク脈動により車両に生じる振動を抑制することができる。
こうしてモータMG1のトルク指令Tm1*が設定されると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(1)および式(2)により計算すると共に(ステップS150)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いて計算されるモータMG2から出力すべきトルクに変動抑制トルクTαを加えたものを次式(3)により仮モータトルクTm2tmpとして計算し(ステップS160)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS170)。ここで、変動抑制トルクTαは、エンジン22のモータリングによってリングギヤ軸32aに作用するトルクを抑制する方向のトルクとして設定されるものであり、前回本ルーチンを実行したときにステップS100で入力されたモータMG2の回転数Nm2と今回本ルーチンを実行したときにステップS100で入力されたモータMG2の回転数Nm2との差として回転数変動量を所定値以下にするトルクとして設定されるものとした。次式(3)の第1項は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(3)の第1項は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルク指令Tm1*のトルクを出力してエンジン22をモータリングする際に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する反力としてのトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。このように、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、モータMG1によりエンジン22をモータリングする際の駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する反力としてのトルクを受け待つと共に運転者が要求する要求トルクTr*に応じたトルクを出力することができると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおけるトルク変動を抑制することができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (1)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr+Tα (3)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS180)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
そして、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する点火開始回転数Nfireに至るまで(ステップS190)ステップS100〜ステップS180の処理を繰り返し、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至ったらエンジンECU24に燃料噴射制御や点火制御の開始を指示する(ステップS200)。燃料噴射制御や点火制御の開始指示を受け取ったエンジンECU24は、エンジン22における燃料噴射制御や点火制御を開始する。そして、エンジン22が完爆が確認できなければ(ステップS210)ステップS100〜S200の処理を繰り返し、エンジン22の完爆が確認できれば(ステップS210)、本ルーチンを終了する。このように、振動発生スイッチ90がオフであるとき、つまり、運転者により車両に振動を発生させるよう指示がなされていないときには、エンジン22のモータリングに伴って生じる共振による振動やトルク脈動,駆動軸としてのリングギヤ軸32aに生じるトルク変動を抑制しながらエンジン22をモータリングすることになる。
続いて、振動発生スイッチ90がオンになっているときにエンジン22をモータリングする際の動作について説明する。図7は、振動発生スイッチ90がオンになっているときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるスイッチオン時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,クランク角CA,エンジンのモータリングを開始してからの経過時間としてのモータリング開始経過時間tm,バッテリ50の残容量SOCなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23からの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。ここで、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジンの回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,クランク角CA,モータリング開始経過時間tmは、図2の例示した始動時制御ルーチンにおけるステップS100の処理と同様の方法でハイブリッド用電子制御ユニット70に入力されるものとする。バッテリ50の残容量SOCは、演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータが入力されると、入力されたバッテリ50の残容量SOCが次にエンジン22をモータリングするのに必要な必要残容量SOCrefを超えているか否かを判定する(ステップS310)。バッテリ50の残容量SOCが必要残容量SOCrefを超えているときには、バッテリ50の残容量SOCが充分にあると判断して、続いて、ステップS110の処理と同様に、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と要求パワーPr*とを設定して(ステップS320)、エンジン22の回転数Neとモータリング開始経過時間tmとを用いてモータMG1のモータリングトルクTmを設定する(ステップS330)。モータリングトルクTmは、振動発生スイッチ90がオンとなっているときにエンジン22をモータリングする際のモータMG1のモータリングトルクTmとモータリング開始経過時間tmとの関係を予めスイッチオン時モータリングマップとしてROM74に記憶しておき、モータリング開始経過時間tmが与えられると記憶したマップから対応するモータリングトルクTmを導出して設定するものとした。図8は、スイッチオン時モータリングマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子を示す説明図である。スイッチオン時モータリングマップでは、図示するように、エンジン22のモータリングが開始されてからの時間t1の直後からレート処理を用いて迅速に比較的大きなトルクをモータリングトルクTmに設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させて、エンジン22の回転数が共振回転数帯を達するのに必要な時間t5以降はエンジン22の回転数Neを共振回転数帯で安定してモータリングすることができるトルクをモータリングトルクTmに設定し、エンジン22の回転数Neを共振回転数帯に滞留させる。このように、エンジン22の回転数Neを共振回転数帯に滞留させることにより、共振によって車両に振動を生じさせることができる。
モータリングトルクTmが設定されると、ステップS130の処理と同じ方法で、クランク角CAに基づいて脈動抑制トルクTvを設定し(ステップS340)、モータリングトルクTmから設定した脈動抑制トルクTvを減じたもの,すなわち、モータリングトルクTmに脈動抑制トルクTvと逆相のトルクを加えたものをモータトルク指令Tm1*として設定する(ステップS350)。このように、モータトルク指令Tm1*を設定することにより、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を増大させることができ、車両の振動をより大きくすることができる。
こうしてモータMG1のトルク指令Tm1*が設定されると、ステップS150の処理と同様に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2とを用いてトルク制限Tmin,Tmaxを計算すると共に(ステップS360)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いて計算されるモータMG2から出力すべきトルクに変動増加トルクTβを加えたものを次式(5)により仮モータトルクTm2tmpとして設定する(ステップS370)。ここで、変動増加トルクTβは、エンジン22のモータリングによってリングギヤ軸32aに作用するトルクを大きくする方向のトルクとして設定されるものであり、前回本ルーチンを実行したときにステップS300で入力されたモータMG2の回転数Nm2と今回本ルーチンを実行したときにステップS300で入力されたモータMG2の回転数Nm2との差として回転数変動量を所定値以上にするトルクとして設定されるものとした。このように、モータMG2から出力すべきトルクに変動増加トルクTβを加えることにより、エンジン22をモータリングする際に生じるトルクの変動を増大させることができ、車両の振動をより大きくすることができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr+Tβ (5)
こうして仮モータトルクTm2tmpを設定したら、ステップS180の処理に進み、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS380)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS390)、本ルーチンを終了する。このように、振動発生スイッチ90がオンされたときにバッテリ50の残容量SOCが必要残容量SOCref以上であるときには、共振による振動やエンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動による振動,駆動軸としてリングギヤ軸32aに生じるトルク変動による振動を抑制する処理を実行せずに、これらの振動が大きくなる処理を実行することにより車両をより大きく振動させることができる。したがって、このようにして生じた振動を用いて車両に積もった雪や枯れ葉を落としたり、こうした振動を用いて乗員をマッサージすることができる。
一方、バッテリ50の残容量SOCが必要残容量SOCref以下であるときには(ステップS310)、ステップS320以降の車両に振動を発生する処理を実行すると、次にエンジン22をモータリングする指示がなされたときにバッテリ50の残容量不足のためにエンジン22をモータリングできなくなり、例えば、エンジン22を始動することができなくなるため振動を発生する処理を実行するのは適切ではないと判断して、図示しない運転席に設定されたディスプレイに「バッテリの容量不足のため振動を発生させることができません」と表示するよう表示指示信号を送信して(ステップS400)、本ルーチンを終了する。こうすれば、次にエンジン22をモータリングするよう指示がなされるときに備えることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、運転者により振動発生スイッチがオンされたときには、共振による振動やエンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動による振動,駆動軸としてリングギヤ軸32aに生じる振動により車両に振動を生じさせることができる。また、共振による振動やエンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動による振動,駆動軸としてリングギヤ軸32aに生じる振動が大きくなるようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、これらの振動を抑制せずにそのまま車両に生じさせたときよりも大きな振動を車両に生じさせることができる。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22のクランクシャフト26をモータリング可能な動力分配統合機構30やモータMG1,駆動軸としてのリングギヤ軸32aにトルクを出力可能なモータMG2が「振動調節手段」に相当し、振動発生スイッチ90がオフであるときにエンジン22が共振回転数帯より高い回転数に迅速にモータリングするトルクとしてのモータリングトルクTmとモータリングに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルク脈動を抑制する脈動抑制トルクTvとの和のトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定するステップS140の処理、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数変動を抑制する抑制トルクTαとモータMG2から出力すべきトルクとの和のトルクとして仮モータトルクTm2tmpに基づいてモータトルク指令Tm2*を設定するステップS150〜S170の処理,設定されたトルク指定Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信するステップS180の処理、振動発生スイッチ90がオンであるときにエンジン22を共振回転数帯の回転数で滞留するようモータリングするトルクとしてのモータリングトルクTmにモータリングに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルク脈動を抑制する抑制トルクTvと逆相のトルクを加えものをモータトルク指令Tm1*として設定するステップS350の処理,駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数変動を大きくする変動増加トルクTβとモータMG2から出力すべきトルクとの和のトルクとして仮モータトルクTm2tmpに基づいてモータMG2のモータトルク指令Tm2*を設定するステップS360〜S380の処理,設定されたトルク指定Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信するステップS390の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70や受信したトルク指令Tm1*,Tm2*を用いてモータMG1,MG2を駆動制御する処理を実行するモータECU40が「制御手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
実施例のハイブリッド自動車20では、振動発生スイッチ90がオンであるときには、車両に振動を発生させるために、エンジン22を共振回転数帯の回転数で滞留させるトルクとしてのモータリングトルクTmでエンジン22をモータリングする処理やモータリングに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルク脈動を抑制する抑制トルクTvと逆相のトルクをモータMG1から出力する処理、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数変動を大きくする変動増加トルクTβに基づくトルクをモータMG2から出力する処理の三つの処理を実行するものとしたが、これら三つの処理の少なくとも一つが実行されるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1を用いてエンジン22をモータリングするものとしたが、エンジン22をモータリング可能な装置であれば如何なる装置を用いてもよく、モータMG1とは別に設けられたスタータ用のモータを用いてエンジン22をモータリングするものしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、振動発生スイッチ90がオフにされたときには車両に発生する振動を抑制する制御を実行し、振動発生スイッチ90がオンにされたときには振動を抑制する制御を実行の停止したときに比して車両に生じる振動を大きくするものとしたが、振動発生スイッチ90がオンにされたときには振動を抑制する制御を停止し、モータリングに伴って生じる振動をそのまま車両に生じさせるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、振動発生スイッチ90がオンにされたことを振動発生の条件として車両に振動を発生させるものとしたが、異なる条件を振動発生の条件するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22が運転停止している場合に振動発生スイッチ90がオンされたときに車両に振動を発生させるものとしたが、エンジン22が運転している場合に振動発生スイッチ90がオンされたときに車両に振動を発生させるものとしてもよい。この場合には、モータリングトルクTmや脈動抑制トルクTvを用いてモータトルク指令Tm1*を設定するステップS330〜S350の処理に代えてエンジン22の回転数Neを所定の目標回転数にするトルクとしてモータトルク指令Tm1*を設定し、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数変動を大きくする変動増加トルクTβに基づくトルクをモータMG2から出力するものとするのが望ましい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明を走行用の動力源としてエンジンとモータとを備えるハイブリッド自動車に適用する場合を例示したが、本発明を走行用の動力源としてエンジンのみを備える通常のエンジン車に適用するものとしてもよい。この場合において、エンジンをモータリング可能なスタータ用のモータを用いてエンジンの回転数が共振回転数帯で滞留するようモータリングするものとするのが望ましい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 振動発生スイッチオフ時モータリングマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化様子とを示す説明図である。 脈動抑制トルクTvの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される振動発生スイッチオン時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 振動発生スイッチオン時モータリングマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化様子とを示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 振動発生スイッチ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 内燃機関からの動力を用いて走行する車両であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる前記車両の振動を調節可能な振動調節手段と、
    所定の振動発生条件が成立していないときには前記車両の振動が抑制されるよう前記振動調節手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記車両に振動が生じるよう前記振動調節手段を制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動が増大するよう前記振動調節手段を制御する手段である請求項1記載の車両。
  3. 請求項2記載の車両であって、
    前記振動調節手段は、前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段を備え、
    前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記内燃機関の回転数が共振回転数帯より大きくなるトルクにより前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記内燃機関の回転数が前記共振回転数帯に滞留するトルクにより前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御する手段である
    車両。
  4. 請求項2記載の車両であって、
    前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクの出力を伴って前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段を備え、
    前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記モータリング手段によるモータリングに伴って前記駆動軸に出力されるトルク脈動を抑制する脈動抑制トルクを前記モータリング手段から出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記脈動抑制トルクと逆相のトルクを前記モータリング手段から出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段を制御する手段である
    車両。
  5. 請求項2記載の車両であって、
    前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクを出力可能なトルク出力手段を備え、
    前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を抑制するトルクが出力されるよう前記トルク出力手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を大きくするトルクが出力されるよう前記トルク出力手段を制御する手段である
    車両。
  6. 請求項2記載の車両であって、
    前記振動調節手段は、車軸に接続された駆動軸にトルクの出力を伴って前記内燃機関の出力軸をモータリング可能なモータリング手段と、前記駆動軸にトルクを出力可能なトルク出力手段とを備え、
    前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立していないときには前記モータリング手段から前記内燃機関の回転数が共振回転数帯より大きくなるトルクと前記モータリング手段によるモータリングに伴って前記駆動軸に出力されるトルク脈動を抑制する脈動抑制トルクとの和のトルクを出力すると共に前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を抑制するトルクを出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段と前記トルク出力手段とを制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記モータリング手段から前記内燃機関の回転数が前記共振回転数帯に滞留するトルクと前記脈動抑制トルクと逆相のトルクとの和のトルクを出力すると共に前記トルク出力手段から前記駆動軸に生じるトルク変動を大きくするトルクを出力しながら前記内燃機関の出力軸がモータリングされるよう前記モータリング手段と前記トルク出力手段とを制御する手段である
    車両。
  7. 請求項6記載の車両であって、
    前記モータリング手段および前記トルク出力手段を駆動するための駆動用電力を蓄電する蓄電手段を備え、
    前記所定の振動発生条件が成立しているときでも前記蓄電手段の残容量が所定残容量以下であるときには前記内燃機関の出力軸のモータリングを停止する手段である
    車両。
  8. 前記制御手段は、前記所定の振動発生条件が成立しているときには前記振動調節手段による前記車両の振動の抑制が停止されるよう前記振動調節手段を制御する手段である請求項1記載の車両。
  9. 走行用の動力を出力する内燃機関と、該内燃機関の出力軸の回転に伴って生じる車両の振動を調節可能な振動調節手段とを備える車両の制御方法であって、
    所定の振動発生条件が成立していないときには車両の振動が抑制されるよう前記振動調節手段を制御し、前記所定の振動発生条件が成立しているときには車両に振動が生じるよう前記振動調節手段を制御することを特徴とする
    車両の制御方法。
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