JP2008114388A - マイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

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Toshiaki Matsukura
利顕 松倉
Hiroaki Ito
寛明 伊藤
Zenichi Yoshida
善一 吉田
Kyogo Oguchi
京吾 小口
Hikari Yamagishi
光 山岸
Yuji Wakabayashi
優治 若林
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Abstract

【課題】従来のマイクロデバイスの製造方法よりも、マイクロデバイスを製造する際の生産性を高くすることが可能なマイクロデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】成形基材を準備する成形基材準備工程S10と、レーザ加工装置を用いて成型基材の表面を粗加工する粗加工工程S20と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材の表面を仕上げ加工する仕上げ加工工程S30とをこの順序で含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロデバイスの製造方法に関する。
成形基材の表面に集束イオンビームを照射してマイクロデバイスを製造するマイクロデバイスの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。なお、本明細書において、マイクロデバイスとは、CCDイメージセンサや液晶パネルに用いられるマイクロレンズアレイ、μTASなどに用いられるマイクロチャネルなどの各種微細デバイス、及びこのような各種微細デバイスを高温プレス成形により製造する際に用いるマイクロ成形金型のことをいう。
図14は、従来のマイクロ成形金型900を説明するための図である。図14(a)はマイクロ成形金型900の斜視図であり、図14(b)はマイクロ成形金型900の平面図であり、図14(c)は図14(b)のA−A断面図であり、図14(d)は図14(b)のA−A断面図である。
図15は、従来のマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図15(a1)〜図15(e1)は従来のマイクロ成形金型の製造方法の各工程における集束イオンビームの照射領域を示す図であり、図15(a2)〜図15(e2)は従来のマイクロ成形金型の製造方法の各工程における成形基材910のA−A断面図である。
従来のマイクロ成形金型900は、マイクロレンズアレイを高温プレス成形により製造する際に用いるマイクロ成形金型であって、図14に示すように、成形基材910の表面912に多数(例えば、100万個以上。)のマイクロレンズ形成用凹部930が形成された構造を有するマイクロ成形金型である。マイクロレンズ形成用凹部930のピッチは例えば5μmである。
従来のマイクロ成形金型の製造方法おいては、図15(a1)〜図15(e1)及び図15(a2)〜図15(e2)に示すように、予め準備しておいた成形基材910の表面912に、複数ステップ(例えば、40ステップ。)にわたって集束イオンビームIBを照射する。そして、その際、ステップを経るに従って徐々に照射面積を広げながら集束イオンビームIBを照射する。
このため、従来のマイクロ成形金型の製造方法によれば、複数ステップ(例えば、40ステップ。)にわたって、徐々に照射面積を広げながら、成形基材910の表面912に集束イオンビームIBを照射するため、滑らかな表面形状のマイクロ成形金型900を製造することができる。また、従来のマイクロ成形金型の製造方法によれば、集束イオンビームIBのビーム径を極細にすること(例えば、数nmφにすること。)が可能であるため、この点からも滑らかな表面形状のマイクロ成形金型900を製造することができる。
特開2005−238770号公報
しかしながら、従来のマイクロ成形金型の製造方法においては、マイクロ成形金型の形状そのものを集束イオンビームIBを用いて形成することとしているため、集束イオンビームIBによる加工量が多く、所定の加工領域(例えば、数mm□。)を有するマイクロ成形金型を製造するのには長時間の加工時間が必要である。このため、従来のマイクロ成形金型の製造方法においては、マイクロ成形金型を製造する際の生産性が低いという問題がある。
なお、このような問題は、マイクロ成形金型を製造する場合にのみ発生する問題ではなく、マイクロレンズアレイ、マイクロチャネルなどのマイクロデバイスを製造する場合に共通する問題である。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来のマイクロデバイスの製造方法よりも、マイクロデバイスを製造する際の生産性を高くすることが可能なマイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明のマイクロデバイスの製造方法は、成形基材を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて前記成型基材の表面を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて前記成型基材の表面を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、まず、集束イオンビーム加工装置を用いた場合よりも生産性の高いレーザ加工装置を用いて成型基材の表面を粗加工(概略形状形成加工)しておき、その後、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材の表面を仕上げ加工(平滑化加工)することとしているため、マイクロデバイスを製造する際の生産性を高くすることが可能となる。なお、集束イオンビーム加工装置の役割は仕上げ加工(平滑化加工)することにあるため、加工量は少なくてよく、マイクロデバイスを製造する際の生産性をそれほど低下させてしまうこともない。
また、本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、レーザ加工装置を用いて成型基材の表面を粗加工(概略形状形成加工)した後に、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材の表面を仕上げ加工(平滑化加工)することとしているため、レーザ加工により生じるデブリ、ドロス、微小凸部分が集束イオンビームにより優先的に削り落とされ、粗加工面が仕上げ加工(平滑化加工)される。このため、滑らかな表面形状のマイクロデバイスを製造することができる。
(2)本発明のマイクロデバイスの製造方法において、前記仕上げ加工工程においては、集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面を走査することにより、前記成形基材の表面を仕上げ加工することが好ましい。
このような方法とすることにより、成形基材の表面を比較的短時間で仕上げ加工することが可能となる。
(3)本発明のマイクロデバイスの製造方法において、前記仕上げ加工工程においては、集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面をラスタースキャン方式で走査することが好ましい。
このような方法とすることにより、成形基材の表面に比較的広い面積にわたって加工領域が設定されている場合においても比較的短時間で集束イオンビームを走査することが可能となる。
(4)本発明のマイクロデバイスの製造方法において、前記仕上げ加工工程においては、ビーム径が0.1μm以上の集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面を走査することが好ましい。
このような方法とすることにより、成形基材の表面に比較的広い面積(例えば、数mm□。)にわたって加工領域が設定されている場合においても比較的短時間で集束イオンビームを走査することが可能となる。
この観点から言えば、ビーム径が0.5μm以上の集束イオンビームを用いて成形基材の表面を走査することが好ましく、ビーム径が1μm以上の集束イオンビームを用いて成形基材の表面を走査することがさらに好ましい。
ビーム径が0.1μm以上の集束イオンビームは、集束イオンビームを発生させる際の電流量を大きくすることにより実現することができる。この場合、集束イオンビームを発生させる際の電流量を大きくすることにより、集束イオンビームの強度を大きくすることも可能となり、この点からもマイクロデバイスを製造する際の生産性を高くすることが可能となる。
(5)本発明のマイクロデバイスの製造方法において、前記粗加工工程においては、前記成形基材の表面に、1回又は複数回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルを有するパルス状のレーザ光を照射することにより、前記成形基材の表面を粗加工することが好ましい。
このような方法とすることにより、上記のようにビームプロファイルを調整したレーザ光をそのまま成形基材の表面に照射することにより、極めて能率よく粗加工(概略形状形成加工)することが可能になり、マイクロデバイスを製造する際の生産性をさらに高くすることが可能となる。例えば、粗加工工程で、マイクロレンズ形成用凹部のような円形孔や略矩形孔、さらにはマイクロチャネルの溝などを形成する際には、上記のようにビームプロファイルを調整したレーザ光をそのまま成形基材の表面に照射することにより、マイクロレンズ形成用凹部のような円形孔や略矩形孔、さらにはマイクロチャネルの溝などを極めて能率よく粗加工することが可能になる。
(6)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記レーザ加工装置として、紫外線レーザ加工装置を用いることが好ましい。
紫外線レーザ加工装置は、レーザ加工時における熱の発生が比較的少ないという特徴を有する。このため、紫外線レーザ加工装置を用いて粗加工工程を行うことにより、比較的高精度の粗加工を行うことが可能となる。
(7)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記レーザ加工装置として、フェムト秒レーザ加工装置を用いることが好ましい。
フェムト秒レーザ加工装置は、レーザ加工時における熱の発生が紫外線レーザ加工装置よりもさらに少ないという特徴を有する。このため、フェムト秒レーザ加工装置を用いて粗加工工程を行うことにより、紫外線レーザ加工装置を用いる場合よりも高精度の粗加工を行うことが可能となる。
(8)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記レーザ加工装置として、ファイバレーザ加工装置を用いることが好ましい。
ファイバレーザ加工装置は、レーザビームの整形が紫外線レーザ加工装置よりも容易であるという特徴を有する。このため、ファイバレーザ加工装置を用いて粗加工工程を行うことにより、高精度の粗加工を行うことが可能となる。
また、ファイバレーザ加工装置は、加工対象部位までレーザ光を容易に導光することが可能であるため、マイクロデバイスを製造する際の生産性をさらに高くすることが可能となる。
(9)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記レーザ加工装置及び前記集束イオンビーム加工装置を備える複合加工装置を準備しておき、前記複合加工装置を用いて、前記粗加工工程と前記仕上げ加工工程とを連続して行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、加工対象となる成形基材を装置から出し入れする手間を省略することが可能となる。
また、加工対象となる成形基材を複合加工装置内の移動台に位置調整して配置してしまえば、その後は、加工対象となる成形基材を移動台から取り外すことなく粗加工工程及び仕上げ加工工程を連続して実施することが可能となるため、マイクロデバイスを製造する際の生産性をさらに高くすることが可能となる。
(10)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記成形基材準備工程と前記粗加工工程との間に、前記成形基材の表面にエネルギー吸収膜を形成するエネルギー吸収膜形成工程をさらに含むとともに、前記粗加工工程の後に、前記エネルギー吸収膜を除去するエネルギー吸収膜除去工程をさらに含むことが好ましい。
レーザ光におけるビーム周辺領域においてはリンギング等によりビームプロファイルが乱れてしまうため、このようなレーザ光をそのまま成形基材に照射すると、レーザ光照射領域の周辺領域において高精度の粗加工を行うことが困難となる場合がある。これに対して、本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、レーザ光におけるビーム周辺領域においては、レーザ加工をエネルギー吸収膜の部分でとどめることが可能となり、レーザ光照射領域の周辺領域においても高精度の粗加工を行うことが可能となる。
(11)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記マイクロデバイスは、マイクロ成形金型であり、前記成形基材は、少なくとも表面側がガラス状カーボン含有材料からなる成形基材であることが好ましい。
ガラス状カーボン含有材料は、強度及び硬度に優れ、さらにはガラスとの離型性に優れた材料であるため、上記のような方法とすることにより、製造されたマイクロ成形金型を用いて高温プレス成形を行う際に、マイクロ成形金型にチッピングや割れが発生し難くなり、マイクロ成形金型の表面に傷が付き難くなり、さらには成形製品が容易に離型するようになる。
なお、本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、ガラス状カーボン含有材料には、ガラス状カーボンそのものも含まれる。
(12)本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、前記ガラス状カーボン含有材料は、ガラス状カーボンに加えてカーボンナノファイバを含有することが好ましい。
このような方法とすることにより、ガラス状カーボン含有材料の強度及び硬度がさらに高くなるため、上記のような方法とすることにより、製造されたマイクロ成形金型を用いて高温プレス成形を行う際に、マイクロ成形金型にチッピングや割れがさらに発生し難くなり、成形製品の表面に傷がさらに付き難くなる。
なお、本発明のマイクロデバイスの製造方法においては、成形基材は、ガラス状カーボン含有材料のみからなる成形基材であってもよいし、ガラス状カーボン含有層を表面に備える成形基材であってもよい。また、成形基材は、ガラス状カーボン含有材料以外の非晶質材料(例えば、SiC、Ni−Pなど。)からなる成形基材であってもよいし、金属材料(例えば、超硬合金、工具鋼、焼入れ鋼など。)からなる成形基材であってもよい。
以下、本発明のマイクロデバイスの製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
実施形態1は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、マイクロ成形金型の製造方法(実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図1は、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示すフローチャートである。図2は、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図2(a1)〜図2(c1)は実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における各工程図(斜視図)であり、図2(a2)〜図2(c2)は実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における各工程図(断面図)である。なお、図2においては、マイクロレンズ形成用凹部130は、説明を簡単にするため、4行×4列の16個のみが形成されているものとして図示している。
図3及び図4は、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における粗加工工程S20を説明するために示す図である。図4(a)及び図4(b)は粗加工工程S20における各工程図(断面図)である。なお、図3中、符号Rはレーザ光照射領域を示す。また、図4中、符号Lはレーザ光を示し、符号Bで囲まれた部分における符号BPはレーザ光Lのビームプロファイルを示す。
図5及び図6は、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における仕上げ加工工程S30を説明するために示す図である。図6(a)及び図6(b)は仕上げ加工工程S30における各工程図(断面図)である。なお、図5中、符号Rは、仕上げ加工領域を示し、符号RIBは集束イオンビーム照射領域を示す。また、図6中、符号IBは集束イオンビームを示す。
図7は、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法において使用する複合加工装置10を説明するために示す概念図である。なお、図7においては、装置の大きさに対して加工対象となる成形基材110を誇張して大きく図示している。
実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法は、図1及び図2に示すように、成形基材準備工程S10と、粗加工工程S20と、仕上げ加工工程S30とをこの順序で実施する。以下、これら各工程について図面を参照しながら説明する。
1.成形基材準備工程S10
まず、ガラス状カーボン含有材料からなる成形基材110を準備する(図2(a1)及び図2(a2)参照。)。ガラス状カーボン含有材料は、熱硬化性樹脂を無酸素状態で加熱して製造することができ、強度及び硬度に優れ、さらにはガラスとの離型性に優れた材料として知られている。実施形態1においては、熱硬化性樹脂にカーボンナノファイバを添加したものを無酸素状態で加熱して製造されるものを用いる。従って、成形基材110は、ガラス状カーボンに加えてカーボンナノファイバを含有するガラス状カーボン含有材料からなる。成形基材110の平面形状は、平板状(例えば、12mm□×3mm厚。)である。
2.粗加工工程S20
次に、レーザ加工装置を用いて成型基材110の表面を粗加工する(図2(b1)及び図2(b2)参照。)。粗加工工程S20においては、図3に示すように、成形基材110の表面112におけるレーザ光照射領域Rにレーザ光Lを照射して、複数の略半球状凹部120を順次形成する。
各略半球状凹部120は、図4(a)及び図4(b)に示すように、成形基材110の表面112に、1回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルBPを有するパルス状のレーザ光L(例えば、波長266nm、パワー100mW、パルス幅50ns。)を、同一のレーザ光照射領域Rについては1回だけ照射することにより形成される。レーザ加工装置としては、紫外線レーザ加工装置を用いる。略半球状凹部120の内面には、レーザ加工に起因してデブリやドロスが発生し、また微小凹凸模様が形成されることがある(図4(b)参照。但し、図4(b)及び後述する図6(a)においては微小凹凸模様のみ図示。)。
3.仕上げ加工工程S30
そして、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材110の表面112を仕上げ加工する(図2(c1)及び図2(c2)参照。)。仕上げ加工工程S30においては、図5に示すように、成形基材110の表面112における集束イオンビーム照射領域RIBに集束イオンビームIBを照射して、略半球状凹部120を平滑化してマイクロレンズ形成用凹部130とする。集束イオンビームの照射は、例えば、イオン源Ga、加速電圧40kV、エミッション電流2μAの条件でパルス状の集束イオンビーム(例えば、ビーム径50nm、パルス幅1μs。)を用いて成形基材110の表面112を20nmずつずらしながらラスタースキャン方式で走査する(例えば、走査回数100回。)ことにより行われる。
仕上げ加工工程S30においては、図6に示すように、粗加工工程S20で形成された略半球状凹部120の内面に集束イオンビームIBが照射されると、粗加工工程S20で生じたデブリ、ドロス、微小凸部分が優先的に削り落とされ、粗加工面が仕上げ加工される。
なお、本発明のマイクロ成形金型の製造方法においては、紫外線レーザ加工装置及び集束イオンビーム加工装置を別途準備しておき、粗加工工程と仕上げ加工工程とを順次行うこととしてももちろんよいが、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、紫外線レーザ加工装置及び集束イオンビーム加工装置を備える複合加工装置10を準備しておき、複合加工装置10を用いて、粗加工工程と仕上げ加工工程とを連続して行うこととしている。
なお、複合加工装置10は、図7に示すように、加工対象となる成形基材110を搬入するためのロード室12と、紫外線レーザ加工装置が内部に配置された紫外線レーザ加工室14と、集束イオンビーム加工装置が内部に配置された集束イオンビーム加工室16と、加工後の部品(マイクロ成形金型100)を搬出するためのアンロード室18と、加工対象となる成形基材110が配置され各部屋を移動可能な移動台20とを備える加工装置である。
実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、以上の工程を経て、マイクロ成形金型100が製造される。
このため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、まず、集束イオンビーム加工装置を用いた場合よりも生産性の高いレーザ加工装置を用いて成型基材110の表面112を粗加工しておき、その後、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材110の表面112を仕上げ加工することとしているため、マイクロ成形金型100を製造する際の生産性を高くすることが可能となる。なお、集束イオンビーム加工装置の役割は仕上げ加工することにあるため、加工量は少なくてよく、マイクロ成形金型100を製造する際の生産性をそれほど低下させてしまうこともない。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、レーザ加工装置を用いて成型基材110の表面112を粗加工した後に、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材110の表面112を仕上げ加工することとしているため、レーザ加工により生じるデブリ、ドロス、微小凸部分が集束イオンビームIBにより優先的に削り落とされ、粗加工面が仕上げ加工される。このため、滑らかな表面形状のマイクロ成形金型100を製造することができる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、仕上げ加工工程S30においては、集束イオンビームIBを用いて成形基材110の表面112を走査することにより、成形基材110の表面112を仕上げ加工することとしているため、成形基材110の表面112を比較的短時間で仕上げ加工することが可能となる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、仕上げ加工工程S30においては、集束イオンビームIBを用いて成形基材110の表面112をラスタースキャン方式で走査することとしているため、成形基材110の表面112に比較的広い面積にわたって加工領域が設定されている場合においても比較的短時間で集束イオンビームIBを走査することが可能となる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、粗加工工程S20においては、成形基材110の表面112に、1回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルBPを有するパルス状のレーザ光Lを照射することにより、成形基材110の表面112を粗加工することとしているため、上記のようにビームプロファイルBPを調整したレーザ光Lをそのまま成形基材110の表面に照射することにより、極めて能率よく粗加工することが可能になり、マイクロ成形金型100を製造する際の生産性をさらに高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、レーザ加工装置として、熱の発生が比較的少ない紫外線レーザ加工装置を用いるため、比較的高精度の粗加工を行うことが可能となる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、レーザ加工装置及び集束イオンビーム加工装置を備える複合加工装置10を準備しておき、複合加工装置10を用いて、粗加工工程と仕上げ加工工程とを連続して行うこととしているため、加工対象となる成形基材110を装置から出し入れする手間を省略することが可能となる。
また、加工対象となる成形基材110を複合加工装置10内の移動台20に位置調整して配置してしまえば、その後は、加工対象となる成形基材110を移動台20から取り外すことなく粗加工工程及び仕上げ加工工程を連続して実施することが可能となるため、マイクロ成形金型100を製造する際の生産性をさらに高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、成形基材として、ガラス状カーボン含有材料からなる成形基材110を用いているため、製造されたマイクロ成形金型100を用いて高温プレス成形を行う際に、マイクロ成形金型100にチッピングや割れが発生し難くなり、マイクロ成形金型100の表面に傷が付き難くなり、さらにはマイクロデバイス(マイクロレンズアレイ)が容易に離型するようになる。
また、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、ガラス状カーボン含有材料として、ガラス状カーボンに加えてカーボンナノファイバを含有するガラス状カーボン含有材料を用いているため、ガラス状カーボン含有材料の強度及び硬度がさらに高くなり、製造されたマイクロ成形金型100を用いて高温プレス成形を行う際に、マイクロ成形金型100にチッピングや割れがさらに発生し難くなり、マイクロ成形金型100の表面に傷がさらに付き難くなる。
〔実施形態2〕
実施形態2は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、マイクロ成形金型の製造方法(実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図8は、実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図8(a1)〜図8(c1)は実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法における各工程図(斜視図)であり、図8(a2)〜図8(c2)は実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法における各工程図(断面図)である。なお、図8においては、マイクロレンズ形成用凹部230は、説明を簡単にするため、4行×4列の16個のみが形成されているものとして図示している。
実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法は、基本的には実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法と同様の工程を含むが、成形基材の構成が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、図8に示すように、成形基材として、SiC基体214の表面側にガラス状カーボン含有層216を備える成形基材210を用いている。
このように、実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法は、成形基材の構成が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なるが、成形基材210を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて成型基材210の表面212を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材210の表面212を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様に、マイクロ成形金型200を製造する際の生産性を高くすることが可能となるという効果及び滑らかな表面形状のマイクロ成形金型200を製造することができるという効果を有する。
なお、実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法は、成形基材の構成以外の点においては、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様の製造方法であるため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態3〕
実施形態3は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、マイクロ成形金型の製造方法(実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図9は、実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図9(a)は実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法における成形基材準備工程を説明するために示す図(断面図)であり、図9(b)〜図9(d)は実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法における粗加工工程を説明するために示す図(断面図)であり、図9(e)は実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法における仕上げ加工工程を説明するために示す図(断面図)である。
実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法は、基本的には実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法と同様の工程を含むが、粗加工工程の内容が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、図9に示すように、粗加工工程で、成形基材310の表面312に、複数回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルBPを有するパルス状のレーザ光Lを複数回に分けて照射することにより、成形基材310の表面312を粗加工することとしている。
このように、実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法は、粗加工工程の内容が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なるが、成形基材310を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて成型基材310の表面312を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材310の表面312を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様に、マイクロ成形金型300を製造する際の生産性を高くすることが可能となるという効果及び滑らかな表面形状のマイクロ成形金型300を製造することができるという効果を有する。
なお、実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法は、粗加工工程以外の工程については、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様の工程を含むため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態4〕
実施形態4は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、マイクロ成形金型の製造方法(実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図10は、実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図10(a)は実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法における粗加工工程を説明するために示す図であり、図10(b)は実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法を用いて製造されるマイクロ成形金型400の斜視図である。なお、図10においては、マイクロレンズ形成用凹部430は、説明を簡単にするため、4行×4列の16個のみが形成されているものとして図示している。
実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法は、基本的には実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法と同様の工程を含むが、マイクロレンズ形成用凹部の形状が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、図10(a)に示すように、平面視略矩形状のマイクロレンズ形成用凹部430を製造することとしている。
このように、実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法は、マイクロレンズ形成用凹部の形状が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なるが、成形基材410を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて成型基材410の表面412を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材410の表面412を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様に、マイクロ成形金型400を製造する際の生産性を高くすることが可能となるという効果及び滑らかな表面形状のマイクロ成形金型400を製造することができるという効果を有する。
なお、実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法は、マイクロレンズ形成用凹部の形状以外の点においては、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様の製造方法であるため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態5〕
実施形態5は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、マイクロ成形金型の製造方法(実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図11は、実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。図11(a)〜図11(e)は実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法における各工程図(断面図)である。
実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法は、基本的には実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法と同様の工程を含むが、エネルギー吸収膜形成工程とエネルギー吸収膜除去工程とをさらに含む点で、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、成形基材準備工程(図11(a)参照。)と粗加工工程(図11(c)参照。)との間に、成形基材510の表面512にエネルギー吸収膜514を形成するエネルギー吸収膜形成工程(図11(b)参照。)をさらに含むとともに、仕上げ加工工程(図11(d)参照。)の後に、エネルギー吸収膜514を除去するエネルギー吸収膜除去工程(図11(e)参照。)をさらに含むこととしている。エネルギー吸収膜514としては、例えば、厚さ2μmのポリイミド膜を用いる。
このように、実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法は、エネルギー吸収膜形成工程とエネルギー吸収膜除去工程とをさらに含む点で、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なるが、成形基材510を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて成型基材510の表面512を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材510の表面512を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様に、マイクロ成形金型500を製造する際の生産性を高くすることが可能となるという効果及び滑らかな表面形状のマイクロ成形金型500を製造することができるという効果を有する。
また、実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法によれば、レーザ光Lにおけるビーム周辺領域においては、レーザ加工をエネルギー吸収膜514の部分でとどめることが可能となり、レーザ光照射領域の周辺領域においても高精度の粗加工を行うことが可能となる。
なお、実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法は、エネルギー吸収膜形成工程とエネルギー吸収膜除去工程とをさらに含む点以外の点においては、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様の製造方法であるため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態6〕
実施形態6は、本発明のマイクロデバイスの製造方法を、μTASなどに用いるマイクロチャネルの製造方法(実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法)に適用した場合を説明するための実施形態である。
図12及び図13は、実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法を説明するために示す図である。図12(a1)〜図12(c1)は実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法における各工程図(斜視図)であり、図12(a2)〜図12(c2)は実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法における各工程図(断面図)である。図13(a)〜図13(f)は実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法における粗加工工程を説明するために示す図(平面図)であり、図13(a1)〜図13(a4)は図13(a)をさらに詳細に示す工程図(断面図)であり、図13(b1)〜図13(b4)は図13(b)をさらに詳細に示す工程図(断面図)である。
実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法は、図12に示すように、成形基材準備工程と、粗加工工程と、仕上げ加工工程とをこの順序で実施する。以下、これら各工程について図面を参照しながら説明する。
1.成形基材準備工程
まず、硼珪酸ガラスからなる成形基材610を準備する(図12(a1)及び図12(a2)参照。)。成形基材610の形状は、平板状(例えば、15mm×5mm×1.5mm厚。)である。
2.粗加工工程
次に、レーザ加工装置を用いて成型基材610の表面を粗加工する(図12(b1)及び図12(b2)参照。)。粗加工工程においては、図13に示すように、成形基材610の表面612におけるレーザ光照射領域Rにレーザ光Lを照射して、溝用凹部620(例えば、幅50μm、深さ50μm。)を順次形成する。
溝用凹部620は、図13に示すように、成形基材610の表面612に、複数回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルBPを有する略矩形状のパルス状のレーザ光Lを、同一のレーザ光照射領域Rについて複数回照射することにより形成される。溝用凹部620の内面には、レーザ加工に起因してデブリやドロスが発生し、また微小凹凸模様が形成されることがある(図12(b2)参照。但し、図12(b2)においては微小凹凸模様のみ図示。)。
3.仕上げ加工工程
そして、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材610の表面612を仕上げ加工する(図12(c1)及び図12(c2)参照。)。仕上げ加工工程においては、成形基材610の表面612における集束イオンビーム照射領域に集束イオンビーム(例えば、イオン源Ga、加速電圧40kV、エミッション電流2μA。)を照射して、溝用凹部620を平滑化して溝630とする。集束イオンビームの照射は、ビーム径が例えば50nmのパルス状の集束イオンビーム(例えば、パルス幅1μs。)を用いて成形基材610の表面612を20nmずつずらしながら、溝用凹部620の近傍についてのみラスタースキャン方式で走査する(例えば、走査回数100回。)ことにより行われる。
仕上げ加工工程においては、図12(c2)に示すように、粗加工工程で形成された溝用凹部620の内面に集束イオンビームが照射されると、粗加工工程で生じたデブリ、ドロス、微小凸部分が優先的に削り落とされ、粗加工面が仕上げ加工される。
実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法においては、以上の工程を経て、マイクロチャネル600が製造される。
このように、実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法は、製造対象製品が、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様に、成形基材610を準備する成形基材準備工程と、レーザ加工装置を用いて成型基材610の表面612を粗加工する粗加工工程と、集束イオンビーム加工装置を用いて成型基材610の表面612を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むため、マイクロチャネル600を製造する際の生産性を高くすることが可能となるという効果及び滑らかな表面形状のマイクロチャネル600を製造することができるという効果を有する。
なお、実施形態6に係るマイクロチャネルの製造方法は、製造対象製品が異なる点以外の点においては、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法の場合と同様の製造方法であるため、実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明のマイクロデバイスの製造方法の製造方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態1〜5に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、成形基材として、少なくとも表面側がガラス状カーボン含有材料からなる成形基材を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。成形基材として、ガラス状カーボン含有材料以外の非晶質材料(例えば、SiC、Ni−Pなど。)からなる成形基材を用いることもできるし、金属材料(例えば、超硬合金、工具鋼、焼入れ鋼など。)からなる成形基材を用いることもできる。
(2)上記各実施形態に係るマイクロ成形金型の製造方法又はマイクロチャネルの製造方法においては、レーザ加工装置として、紫外線レーザ加工装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。レーザ加工装置として、フェムト秒レーザ加工装置又はファイバレーザ加工装置を用いることもできる。
(3)上記各実施形態に係るマイクロ成形金型の製造方法又はマイクロチャネルの製造方法においては、粗加工工程として、1回又は複数回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルを有するパルス状のレーザ光を照射することにより、成形基材の表面を粗加工する方法を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。粗加工工程として、極細のビーム径を有するレーザ光を加工形状に沿って走査することにより、成形基材の表面を粗加工する方法を用いることもできる。
(4)上記実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法においては、仕上げ加工工程の後にエネルギー吸収膜除去工程を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではない。粗加工工程と仕上げ加工工程との間にエネルギー吸収膜除去工程を行うこともできる。
実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示すフローチャートである。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における粗加工工程S20を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における粗加工工程S20を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における仕上げ加工工程S30を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法における仕上げ加工工程S30を説明するために示す図である。 実施形態1に係るマイクロ成形金型の製造方法において使用する複合加工装置10を説明するために示す概念図である。 実施形態2に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態3に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態4に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態5に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態6に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態6に係るマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。 従来のマイクロ成形金型900を説明するための図である。 従来のマイクロ成形金型の製造方法を説明するために示す図である。
符号の説明
10…複合加工装置、12…ロード室、14…紫外線レーザ加工室、16…集束イオンビーム加工室、18…アンロード室、20…移動台、100,200,300,400,500,900…マイクロ成形金型、110,210,310,410,510,610,910…成形基材、112,212,312,412,512,612,912…成形基材の表面、120,220,320,420,520,920…略半球状凹部、130,230,330,430,530,930…マイクロレンズ形成用凹部、214…SiC基体、216…ガラス状カーボン含有層、514…エネルギー吸収膜、600…マイクロチャネル、620…溝用凹部、630…溝、BP…レーザ光のビームプロファイル、L…紫外線レーザ、IB…集束イオンビーム、R…レーザ光照射領域、RIB…集束イオンビーム照射領域、R…仕上げ加工領域

Claims (12)

  1. 成形基材を準備する成形基材準備工程と、
    レーザ加工装置を用いて前記成型基材の表面を粗加工する粗加工工程と、
    集束イオンビーム加工装置を用いて前記成型基材の表面を仕上げ加工する仕上げ加工工程とをこの順序で含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記仕上げ加工工程においては、集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面を走査することにより、前記成形基材の表面を仕上げ加工することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  3. 請求項2に記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記仕上げ加工工程においては、集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面をラスタースキャン方式で走査することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記仕上げ加工工程においては、ビーム径が0.1μm以上の集束イオンビームを用いて前記成形基材の表面を走査することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記粗加工工程においては、前記成形基材の表面に、1回又は複数回のレーザ照射により所定の加工形状を形成可能なビームプロファイルを有するパルス状のレーザ光を照射することにより、前記成形基材の表面を粗加工することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記レーザ加工装置として、紫外線レーザ加工装置を用いることを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記レーザ加工装置として、フェムト秒レーザ加工装置を用いることを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記レーザ加工装置として、ファイバレーザ加工装置を用いることを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記レーザ加工装置及び前記集束イオンビーム加工装置を備える複合加工装置を準備しておき、
    前記複合加工装置を用いて、前記粗加工工程と前記仕上げ加工工程とを連続して行うことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記成形基材準備工程と前記粗加工工程との間に、前記成形基材の表面にエネルギー吸収膜を形成するエネルギー吸収膜形成工程をさらに含むとともに、
    前記粗加工工程の後に、前記エネルギー吸収膜を除去するエネルギー吸収膜除去工程をさらに含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記マイクロデバイスは、マイクロ成形金型であり、
    前記成形基材は、少なくとも表面側がガラス状カーボン含有材料からなる成形基材であることを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  12. 請求項11に記載のマイクロデバイスの製造方法において、
    前記ガラス状カーボン含有材料は、ガラス状カーボンに加えてカーボンナノファイバを含有することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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