JP2008114346A - 微細凹部の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置 - Google Patents

微細凹部の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置 Download PDF

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Kazuhiko Takashima
Minoru Ota
稔 太田
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Abstract

【課題】被加工物の被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、最終的に得られる微細凹部の深さのばらつきを極力小さくし、加工効率の向上を実現する仕上げ加工方法を提供する。
【解決手段】被加工物W1における円周面である被加工面S1に多数の微細凹部Aを形成した後、微細凹部Aの周囲に生じた盛上り部分Bを研削加工により除去するに際し、被加工面S1に研削工具であるホーニング砥石1を押付けた状態にし、ホーニングツールを回転させて盛上り部分Bを除去しながら、研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方を検出し、その検出値に基いて加工完了を判断することにより、微細凹部の深さのばらつきを極力小さくして加工効率の向上を実現した。
【選択図】図2

Description

本発明は、摺動部材となる被加工物の被加工面(摺動面)に油溜りとして機能する多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を除去するのに用いられる微細凹部の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置に関するものである。
従来、微細凹部の加工としては、例えば、被加工物の円柱部の外周面に微細凹部を形成するもの(特許文献1)や被加工物の円形孔の内周面に微細凹部を形成するもの(特許文献2)があった。これらの加工では、外周部に微細凹部形成用の凸部を有する加工ローラを用い、被加工物の被加工面に加工ローラを押付けて転動させることにより、被加工面に微細凹部を連続的に形成する。
このような加工ローラを用いた微細凹部の加工は、機械加工であるため、例えばショットブラスト等によって微細凹部を形成する場合に比べて、微細凹部を高精度に且つ効率良く形成することができ、生産性の向上や製造コストの低減を実現するうえで非常に有効なものとなっている。
ここで、上記のような微細凹部の加工では、微細凹部の周囲に肉の盛上り部分が生じるので、ホーニング等の研削加工により盛上り部分を除去する仕上げ加工が必要となる。このような微細凹部の仕上げ加工としては、摩擦と温度に関して高負荷可能で且つ工作物の使用中に潤滑剤が供給される表面を得るために、レーザー光線とホーニング加工により工作物の表面を精密加工する方法(特許文献3)があった。
上記の方法は、工作物の表面に、互いに交差する模様に従って配置される溝をレーザー光線による削り取りによって形成し、この溝が工作物の表面の潤滑剤保持部すなわち油溜りとして機能する微細凹部となるように、工作物の表面を非常に浅い粗削り深さと高担持機能を有する最終寸法にホーニング加工するものである。
特開2004−223570号公報 特開2005−319476号公報 特許第3101467号
しかしながら、上記したような従来の微細凹部の仕上げ加工では、レーザー光線による削り取りにより生じた盛上り部分を除去することは可能であるが、ホーニング加工の管理を充分に考慮したものではないことから、最終的に得られる微細凹部の深さにばらつきが生じることがあった。このため、従来の微細凹部の仕上げ加工では、微細凹部の深さのばらつきを防止することや加工効率のさらなる向上が要望されていた。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、被加工物の被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、最終的に得られる微細凹部の深さのばらつきを極力小さくすることができると共に、加工効率の向上を実現することができる微細凹部の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部の仕上げ加工方法は、被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去する方法である。
この際、当該仕上げ加工方法は、請求項1として、被加工面に研削工具を押付けた状態にし、被加工物及び研削工具の少なくとも一方を回転させて盛上り部分を除去しながら、研削工具の研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方を検出し、研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の検出値に基いて加工完了を判断することを特徴としている。
すなわち、盛上り部分を除去しているときには、研削工具が盛上り部分にのみ接触しているので、摩擦抵抗が比較的小さく、研削工具の研削抵抗や押付け圧力も小さいが、盛上り部分が除去されると、研削工具のほぼ全面が被加工面に接触することによって摩擦抵抗が増大し、研削工具の研削抵抗や押付け圧力も大きくなる。そこで、この研削抵抗や押付け圧力が増大したときの値をしきい値として予め設定しておけば、研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の検出値がしきい値を超えたところで加工完了と判断し得る。
また、本発明の微細凹部の仕上げ加工方法は、請求項2として、被加工面に研削工具を押付けた状態にし、被加工物を回転させて盛上り部分を除去しながら、被加工物の回転抵抗を検出し、被加工物の回転抵抗の検出値に基いて加工完了を判断することを特徴としている。
本発明の微細凹部の仕上げ加工装置は、被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を研削加工により除去する装置である。
そして、当該仕上げ加工装置は、請求項3として、回転駆動される研削工具と、研削工具を被加工面に押付ける工具押付け手段と、研削工具の研削抵抗及び工具押付け手段による研削工具の押付け圧力の少なくとも一方を検出する負荷検出手段と、負荷検出手段により検出した研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の検出値に基いて加工完了を判断する加工状況判定手段を備えたことを特徴としており、加工状況判定手段では、例えば検出値が予め設定したしきい値を超えたところで加工完了と判断する。
また、本発明の微細凹部の仕上げ加工装置は、請求項4として、研削工具と、研削工具を被加工面に押付ける工具押付け手段と、被加工物を円周面である被加工面の軸線回りに回転駆動するワーク回転駆動手段と、ワーク回転駆動手段による被加工物の回転抵抗を検出する負荷検出手段と、負荷検出手段により検出した回転抵抗の検出値に基いて加工完了を判断する加工状況判定手段を備えたことを特徴としている。
本発明の微細凹部の仕上げ加工方法によれば、被加工物の被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、研削工具の研削抵抗、押付け圧力及び被加工物の回転抵抗の少なくとも1つを検出して、その検出値に基いて制御することで、盛上り部分を除去した時点で加工を終了させることができ、加工時間の短縮、加工効率の向上や加工コストの低減を図ることができると共に、盛上り部分のみを確実に除去することができるので、微細凹部の深さのばらつきを極力小さくした被加工物を提供することができる。
本発明の微細凹部の仕上げ加工装置によれば、被加工物の被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、研削工具の研削抵抗、押付け圧力及び被加工物の回転抵抗の少なくとも1つを検出して、その検出値に基いて制御することから、盛上り部分を除去した時点で加工を終了させることができ、盛上り部分のみを確実に除去することができるので、微細凹部の深さのばらつきを極力小さくすることができると共に、加工時間の短縮、加工効率の向上や加工コストの低減を実現することができる。
図1は、本発明の微細凹部の仕上げ加工装置の一実施例を説明する図である。図示の仕上げ加工装置は、被加工物W1の円形孔の内周面(円周面)を被加工面S1とし、この被加工面S1に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を研削加工により除去するものであって、この実施例では研削工具として回転駆動されるホーニングツールT1を備えている。
被加工物W1は、例えば自動車のエンジン用シリンダブロックであって、円形孔であるシリンダボアの内周面に、低フリクション化を図るために油溜りとして機能する多数の微細凹部が形成される。
微細凹部の形成には、例えば、本出願人が先に出願した特願2004−138179号(特開2005−319476号公報)の明細書に記載した微細凹部加工装置を用いることができる。この装置は、外周部に微細凹部形成用の凸部を有する加工ローラを備え、加工ローラを円形孔の内周面に押付けて円形孔の軸線回りに転動させると共に、円形孔の軸線に沿って移動させることにより、微細凹部を連続的に効率良く形成するものである。
図示のホーニングツールT1は、円周上に配置した複数のホーニング砥石1と、これらのホーニング砥石1を外周面に固定した砥石シュー2と、下端部に油圧シリンダ3を同軸状に連結した主軸4を備えている。砥石シュー2は、放射状に分割した複数のブロックを概略円筒状に組み合わせたものであって、図示しないリングばねによって中心方向に付勢されており、内部に上向きのテーパ面5を上下二段に有している。
また、砥石シュー2には、油圧シリンダ3のシリンダロッド6と一体化したテーパシャフト7が挿設してある。このテーパシャフト7は、砥石シュー2の各テーパ面5に当接する下向きのテーパ面8を上下二段に有している。これにより、油圧シリンダ3を伸長駆動すると、テーパシャフト7の下降に伴って砥石シュー2が拡張してホーニング砥石1が被加工面S1に押付けられることとなり、油圧シリンダ3を収縮駆動すると、テーパシャフト7の上昇に伴って先述のリングばねの作用により砥石シュー2が中心方向に戻る。
つまり、この実施例では、油圧シリンダ3、テーパシャフト7及び砥石シュー2などにより、各ホーニング砥石1を半径方向に移動させて被加工面S1に押付ける工具押付け手段を構成している。
また、当該仕上げ加工装置は、上位側に配置した基盤9に昇降可能なスライダ10を備えると共に、このスライダ10に回転モータ11を備えており、この回転モータ11に主軸4の上端部が連結してある。つまり、この実施例では、スライダ10が、ホーニングツール(研削工具)T1を円周面である被加工面S1の軸線方向に移動させる軸送り手段を構成しており、回転モータ11が、ホーニングツールの回転駆動手段を構成している。
さらに、当該仕上げ加工装置は、ホーニングツール(研削工具)T1の研削抵抗及び被加工面S1に対する押付け圧力の少なくとも一方を検出する負荷検出手段12と、負荷検出手段12により検出した研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の出値に基いて加工完了を判断する加工状況判定手段13を備えている。
加工状況判定手段13は、ホーニングツール(研削工具)T1の研削抵抗や押付け圧力に関するデータを蓄積するデータベース13aと、データベース13aのデータ及び負荷検出手段12による検出値に基づいて演算を行う演算部13bと、演算部13bの演算結果に基づいて加工完了を判断する判定部13cを備えている。
そして、この実施例では、ホーニングツールT1の研削抵抗として回転モータ11の動力信号をモニタリングするようにしている。なお、研削工具の押付け圧力として、例えば油圧シリンダ3により発生した負荷をモニタリングすることも可能である。
ここで、被加工物W1がシリンダブロックであって、円形孔がシリンダボアである場合、少なくとも被加工面S1の材質は、主に鋳鉄であるが、その他、アルミニウム合金、スチール、溶射面及びめっき面であっても良い。ホーニング砥石1は、肉の盛上り部分を完全に除去し得ると共に、被加工面S1をあまり除去しないように、例えば平均粒径が20μm以下のダイヤモンド砥粒を用いたものがより望ましい。なお、砥粒はとくに限定されることはなく、ダイヤモンド以外の超砥粒や、GC等の一般砥粒でも良い。また、加工能率が低いものであれば、例えば、平均粒径が20μm以上の砥粒を使った弾性ボンド砥石でも良い。
上記構成を備えた仕上げ加工装置を用いて微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を除去するには、被加工物W1の円形孔の内部へホーニングツールT1を下降させ、回転モータ11によりホーニングツールT1を回転させると共に、スライダ10によりホーニングツールT1を上下動させる。
その後、油圧シリンダ3を伸長駆動してホーニング砥石1を被加工面S1に押付けることで、ホーニング砥石1による盛上り部分の除去を開始する。加工初期は、図2(a)に示すように、ホーニング砥石1と微細凹部Aの周囲に生じた盛上り部分Bの先端部とが接触した状態になっており、時間経過とともに盛上り部分Bが徐々に除去され、最終的には、図2(b)に示すように、盛上り部分が完全に除去されて、ホーニング砥石1が被加工面S1のほぼ全面に接触する状態になる。
この間、ホーニング砥石1は、油圧シリンダ3により定圧で被加工面S1に押付けられている。そのため、図2(a)に示す加工初期の状態では、ホーニング砥石1と盛上り部分Bの先端部との接触により、接触部の単位面積当たりの加工面圧が高く作用し、盛上り部分Bを集中的に加工することができる。そして、図2(b)に示す如く盛上り部分が完全に除去されてホーニング砥石1のほぼ全面が被加工面S1に接触すると、接触部の単位面積当たりの加工面圧が極端に小さくなり、被加工面S1の加工能率が極端に低下し、加工時間を長くしても被加工面S1はほとんど加工されない。
上記の加工中において、当該仕上げ加工装置では、負荷検出手段12において加工中の回転モータ11の動力信号を常時モニタリングすると共に、動力信号の変化を加工状況判定手段13に入力している。
図3は、加工時間に対する回転モータ11の動力値の変化を示すグラフであって、ホーニングツールT1が空転しているときは、ホーニング砥石1が盛上り部分Bに接触していないので、a−bに示すように動力値に変化は無い。ホーニング砥石1が盛上がり部分Bに接触すると、動力値が増大し、盛上り部分Bが徐々に除去されているときは、b−cに示すように動力値が増大する。
そして、盛上り部分が完全に除去されてホーニング砥石1が被加工面S1のほぼ全面に接触すると、ホーニング砥石1の表面と被加工面S1との間で作用する研削抵抗及び摩擦抵抗が急激に増大し、結果として、c−dに示すように回転モータ11の動力値が著しく増大し、その後は、被加工面S1に対する加工がほとんど行われないため、d−eに示すように動力値がほぼ一定の値をとなる。
そこで、加工状況判定手段13では、上記の動力値のb−c間の傾きからc−d間の傾きへの変化を演算し、傾きが変化した時点で加工を完了、若しくはc以降の任意の動力値をしきい値として予め設定し、検出値がしきい値を超えた時点で加工を完了する。これにより、盛上り部分を完全に除去して、被加工面S1がほとんど加工されていない状態に仕上げることができる。
このとき、加工状況判定手段13は、データベース13a、演算部13b及び判定部13cを備えた構成としたことにより、高速で且つ高精度に加工完了を判断することができる。
このようにして、当該仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置では、加工時間を最短にすることができ、加工効率を向上させて加工コストを低減することができる。また、盛上り部分B以外の部分がほとんど加工されないことから、最終的に高精度で且つ深さの分布が均一な微細凹部を有する被加工面S1を得ることができる。
なお、上記の如く動力値の傾きの変化を検出し得るということは、盛上り部分Bのみを除去したことを判断することができるほか、意図的に加工を継続することで、盛上り部分Bの除去に続いて被加工面S1の一定量のホーニング加工を行なうこともできる。
図4は、本発明の微細凹部の仕上げ加工装置の他の実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の仕上げ加工装置は、先の実施例では、油圧シリンダ(3)により砥石シュー(2)を駆動してホーニング砥石(1)を被加工面(S1)に押付ける構成としていたのに対して、主軸4が、その内部に先の実施例のものよりも充分に長いテーパシャフト7を摺動自在に挿設した二重構造になっており、このテーパシャフト7を切込み制御用モータ15で軸線方向に沿って往復動させることにより、砥石シュー2を半径方向に移動させてホーニング砥石1を被加工面S1に押付ける構成になっている。
そして、この実施例では、負荷検出手段12において、被加工面S1に対するホーンングツールT1の押付け圧力として、切込み制御用モータ15の動力信号を常時モニタリングし、その検出値を加工状況判定手段13に入力している。
図5は、加工時間に対する切込み制御用モータ11の動力値の変化を示すグラフであって、ホーニングツールT1が空転しているときは、ホーニング砥石1が盛上り部分Bに接触していないので、a−bに示すように動力値に変化は無い。ホーニング砥石1が盛上がり部分Bに接触すると、動力値が増大し、盛上り部分Bが徐々に除去されているときは、b−cに示すように動力値が増大する。
そして、盛上り部分が完全に除去されてホーニング砥石1が被加工面S1のほぼ全面に接触すると、被加工面S1に対して加工能率の低いホーニング砥石1を使用しているため、ホーニング砥石1が被加工面S1に切込むための負荷が急激に高くなり、結果としてc以降に示すように、切り込み制御用モータ15の動力値が極端に増大する。
そこで、加工状況判定手段13では、上記の動力値のb−c間の傾きからc以降の傾きへの変化を演算し、傾きが変化した時点で加工を完了、若しくはc以降の任意の動力値をしきい値として予め設定し、検出値がしきい値を超えた時点で加工を完了する。これにより、盛上り部分を完全に除去して、被加工面S1がほとんど加工されていない状態に仕上げることができる。
このようにして、当該仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置では、先の実施例と同様に、加工時間を最短にすることができ、加工効率を向上させて加工コストを低減することができる。また、盛上り部分B以外の部分がほとんど加工されないことから、最終的に高精度で且つ深さの分布が均一な微細凹部を有する被加工面S1を得ることができる。
図6は本発明の微細凹部の仕上げ加工装置のさらに他の実施例を説明する図である。図示の仕上げ加工装置は、被加工物W2の円柱部の外周面(円周面)を被加工面S2とし、この被加工面S2に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を研削加工により除去するものである。
被加工物W2は、例えば自動車のエンジン用カムシャフトであって、円柱部であるジャーナル部の外周面に、低フリクション化を図るために油溜りとして機能する多数の微細凹部が形成してあり、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を除去する。
図6(a)に示す仕上げ加工装置は、被加工物W2の一端部を把持するチャッキング装置20を設けた主軸台21と、被加工物W2の他端部を保持するセンタ22を備えた心押し台23を備えており、主軸台21と心押し台23とで被加工物W2を水平に保持し、主軸台21に内蔵した主軸モータ24が被加工物W2を軸線回りに回転駆動するワーク回転駆動手段に相当する。
また、この実施例の仕上げ加工装置は、研削工具として、エアシリンダ25のシリンダロッド26の先端に固定した砥石T2を備えており、エアシリンダ25により、図6(b)に示す如く被加工物W2の被加工面S1に砥石T2を所定の圧力で押付ける。
さらに、仕上げ加工装置は、砥石(研削工具)T2を円周面である被加工面S2の軸線方向に移動させる軸送り手段27を備えており、この実施例の軸送り手段27は、エアシリンダ25とともに砥石T2を往復動させるものとなっている。
上記の仕上げ加工装置は、研削工具の研削抵抗として被加工物W2の回転抵抗を検出するようにしており、具体的には、負荷検出手段12で主軸モータ24の動力信号を常時モニタリングし、先の各実施例と同様に、加工状況判定手段13において主軸モータ24の動力信号に基いて加工完了を判断する。
なお、上記実施例の場合、被加工面S2に対する砥石(研削工具)T2の押付け圧力として、エアシリンダ25による負荷を検出し、この検出値に基いて加工状況判定手段13で加工完了を判断することも可能である。
このため、加工状況判定手段13は、研削工具の研削抵抗、押付け圧力及び被加工物W2の回転抵抗に関するデータを蓄積するデータベース13aと、データベース13aのデータ及び負荷検出手段12による検出値に基づいて演算を行う演算部13bと、演算部13bの演算結果に基づいて加工完了を判断する判定部13cを備えている。
図7は本発明の微細凹部の仕上げ加工装置のさらに他の実施例を説明する図である。図示の仕上げ加工装置は、被加工物W2の円柱部の外周面(円周面)を被加工面S2とし、この被加工面S2に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を研削加工により除去するものである。
図7(a)に示す仕上げ加工装置は、被加工物W2の一端部を把持するチャッキング装置20を設けた主軸台21と、被加工物W2の他端部を保持するセンタ22を備えた心押し台23を備えており、主軸台21と心押し台23とで被加工物W2を水平に保持し、主軸台21に内蔵した主軸モータ24が被加工物W2を軸線回りに回転駆動するワーク回転駆動手段に相当する。
また、この実施例の仕上げ加工装置は、図7(b)及び(c)に示すように、研削工具としてのラッピングフィルムT3と、ラッピングフィルムT3を被加工物W2の被加工面S2に押付けるためのポリッシュシュー31を備えている。
ポリッシュシュー31は、被加工物W2を上下から挟持する一対のブロック31A,31Bから成ると共に、図示しないシリンダやモータ等の駆動源により互いに近接離間するように駆動され、両ブロック31A,31Bの内側に取付けたウレタンゴム等の弾性体32(図7bに示す)、あるいはストーンインサート(図7cに示す)33を介してラッピングフィルムT3を被加工面S2に押付ける。
さらに、仕上げ加工装置は、ポリッシュシュー31とともにラッピングフィルムT3を被加工面S2の軸線方向に移動させる軸送り手段や、ラッピングフィルムT3を被加工物W2の半径方向に引くことで同ラッピングフィルムを被加工面S2の円周面に添って移動させる周送り手段を備えている。
このように、軸送り手段や周送り手段により、ラッピングフィルムT3を被加工面S2の軸方向や円周面に添って移動させることで、ラッピングフィルムT3の常に新しい部分を使って被加工面S2を加工することができると共に、ラッピングフィルムT3の目詰まりを防止することができ、常に安定した状態で研磨をすることができる。
上記の仕上げ加工装置は、研削工具の研削抵抗として被加工物W2の回転抵抗を検出するようにしており、具体的には、負荷検出手段12で主軸モータ24の動力信号を常時モニタリングし、先の各実施例と同様に、加工状況判定手段13において主軸モータ24の動力信号に基いて加工完了を判断する。これにより、先の各実施例と同様の効果を得ることができる。
上記の各実施例で説明した微細凹部の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置によれば、被加工物W1,W2の被加工面S1,S2に微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた肉の盛上り部分を研削加工により除去するに際し、被加工面の形態すなわち外周面か内周面かに応じて、研削抵抗 押付け圧力及び回転抵抗の少なくとも1つを直接的に検出し、又はモータ等のアクチュエータの動力信号などから研削抵抗 押付け圧力及び回転抵抗の少なくとも1つを間接的に検出して、その検出値に基いて加工完了を判断することで、盛上り部分を除去した時点で加工を終了させることができ、加工時間の短縮、加工効率の向上や加工コストの低減を図ることができると共に、最終的に得られる微細凹部の深さのばらつきを極力小さくした被加工物を提供することができる。
また、上記各実施例の仕上げ加工方法及び仕上げ加工装置は、被加工物及び研削工具の少なくとも一方を円周面である被加工面の軸線方向に相対的に移動させる軸送り手段を備えたているので、軸線方向に長い円柱部の外周面や軸線方向に長い円形孔の内周面といった被加工面を仕上げ加工することができ、軸方向の移動により、砥石の目詰まりを防止して常に安定した状態で研削加工することができる。
なお、本発明の微細凹部の仕上げ加工装置は、その詳細な構成が上記の各実施例に限定されるものではなく、被加工物の種類、研削工具の種類及び駆動機構などに応じて構成の細部を適宜変更することができる。
また、上記各実施例では、被加工物としてシリンダブロックやカムシャフトを例示したが、シリンダボアの内周面を被加工面とするコンプレッサのシリンダ、摺動面を被加工面とするすべり軸受、ジャーナル、ピン及びカムロブの外周面を被加工面とするクランクシャフト、摺動面を被加工面とするバランスシャフト 摺動面である外周面を被加工面とするピストン及び摺動面を被加工面とするピストンピンなどの各種摺動部材に適用することができ、被加工面に高精度の微細凹部を有し、これにより優れた低フリクション性能を発揮する摺動部材を提供することができる。
本発明の微細凹部の仕上げ加工装置の一実施例を説明する断面図である。 盛上り部分の研削加工の加工初期の状態を示す断面図(a)及び続いて盛上り部分を除去した状態を示す断面図(b)である。 図1に示す仕上げ加工装置による研削加工において、加工時間に対する回転モータの動力値の変化を示すグラフである。 本発明の微細凹部の仕上げ加工装置の他の実施例を説明する断面図である。 図4に示す仕上げ加工装置による研削加工において、加工時間に対する切込み制御用モータの動力値の変化を示すグラフである 本発明の微細凹部の仕上げ加工装置のさらに他の実施例を説明する側面図(a)及びI−I線に基く断面図(b)である。 本発明の微細凹部の仕上げ加工装置のさらに他の実施例を説明する側面図(a)及びII−II線に基く各々断面図(b)(c)である。
符号の説明
A 微細凹部
B 盛上り部分
S1 S2 被加工面
T1 ホーニングツール(研削工具)
T2 砥石(研削工具)
T3 ラッピングフィルム(研削工具)
W1 W2 被加工物
1 ホーニング砥石
2 砥石シュー
3 油圧シリンダ(工具押付け手段)
7 テーパシャフト(工具押付け手段)
10 スライダ(軸送り手段)
12 負荷検出手段
13 加工状況判定手段
13a データベース
13b 演算部
13c 判定部
15 切込み制御用モータ(工具押付け手段)
24 主軸モータ(ワーク回転駆動手段)
25 エアシリンダ(工具押付け手段)
27 軸送り手段
31 ポリッシュシュー(工具押付け手段)

Claims (18)

  1. 被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、被加工面に研削工具を押付けた状態にし、被加工物及び研削工具の少なくとも一方を回転させて盛上り部分を除去しながら、研削工具の研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方を検出し、研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の検出値に基いて加工完了を判断することを特徴とする微細凹部の仕上げ加工方法。
  2. 被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去するに際し、被加工面に研削工具を押付けた状態にし、被加工物を回転させて盛上り部分を除去しながら、被加工物の回転抵抗を検出し、被加工物の回転抵抗の検出値に基いて加工完了を判断することを特徴とする微細凹部の仕上げ加工方法。
  3. 被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去する装置であって、回転駆動される研削工具と、研削工具を被加工面に押付ける工具押付け手段と、研削工具の研削抵抗及び工具押付け手段による研削工具の押付け圧力の少なくとも一方を検出する負荷検出手段と、負荷検出手段により検出した研削抵抗及び押付け圧力の少なくとも一方の検出値に基いて加工完了を判断する加工状況判定手段を備えたことを特徴とする微細凹部の仕上げ加工装置。
  4. 被加工物における円柱部の外周面や円形孔の内周面である円周面を被加工面とし、この被加工面に多数の微細凹部を形成した後、微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を研削加工により除去する装置であって、研削工具と、研削工具を被加工面に押付ける工具押付け手段と、被加工物を円周面である被加工面の軸線回りに回転駆動するワーク回転駆動手段と、ワーク回転駆動手段による被加工物の回転抵抗を検出する負荷検出手段と、負荷検出手段により検出した回転抵抗の検出値に基いて加工完了を判断する加工状況判定手段を備えたことを特徴とする微細凹部の仕上げ加工装置。
  5. 被加工物及び研削工具の少なくとも一方を円周面である被加工面の軸線方向に相対的に移動させる軸送り手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の微細凹部の仕上げ加工装置。
  6. 研削工具が、被加工物の円形孔の内周面を被加工面として回転駆動されるホーニングツールであって、円周上に配置した複数のホーニング砥石と、各ホーニング砥石を半径方向に移動させて被加工面に押付ける工具押付け手段を備えており、負荷検出手段が、ホーニングツールの研削抵抗である回転抵抗及び工具押付け手段による押付け圧力の少なくとも一方を検出する手段であることを特徴とする請求項3又は5に記載の微細凹部の仕上げ加工装置。
  7. 研削工具が、被加工物の円柱部の外周面を被加工面とする砥石をであることを特徴とする請求項4又は5に記載の微細凹部の仕上げ加工装置。
  8. 研削工具が、被加工物の円柱部の外周面を被加工面とするラッピングフィルムであることを特徴とする請求項4又は5に記載の微細凹部の仕上げ加工装置。
  9. 加工状況判定手段が、研削工具の研削抵抗、押付け圧力及び被加工物の回転抵抗のうちの少なくとも1つに関するデータを蓄積するデータベースと、データベースのデータ及び負荷検出手段による検出値に基づいて演算を行う演算部と、演算部の演算結果に基づいて加工完了を判断する判定部を備えていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の微細凹部の仕上げ加工装置。
  10. 請求項1又は2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によって被加工面の仕上げ加工が成されたことを特徴とする摺動部材。
  11. 請求項1に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によってシリンダボアの内周面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
  12. 請求項1に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によってシリンダボアの内周面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするコンプレッサのシリンダ。
  13. 請求項1又は2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によって摺動面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするすべり軸受。
  14. 請求項2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によってジャーナル及びピンの外周面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするカムシャフト。
  15. 請求項2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によってジャーナル及びカムロブの外周面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするクランクシャフト。
  16. 請求項2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によって摺動面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするバランスシャフト。
  17. 請求項2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によって摺動面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするピストン。
  18. 請求項2に記載の微細凹部の仕上げ加工方法によって摺動面に仕上げ加工が成されたことを特徴とするピストンピン。
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