JP2008113280A - マイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの電気的な簡単な操作によってマイクロホン内部の音響抵抗を機械的に調整することができ、音響特性に悪影響を及ぼすことがなく、単一指向性ダイナミック型マイクロホンであっても、指向性を簡単に変えることができるマイクロホンを得る。
【解決手段】前部音響端子12と後部音響端子63を有し、後部音響端子63の音響抵抗可変手段を有することによって指向性を可変とするマイクロホン。音響抵抗可変手段は、後部音響端子63に対し空気層10をおいて対向して配置された圧電素子8を有し、圧電素子8に印加する電圧を変化させることにより後部音響端子63の音響抵抗を可変とした。後部音響端子63はマイクロホンユニット構成部品に形成された平坦部に開口し、この平坦部との間に狭い空気層10をおいて音響抵抗可変手段を配置するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響抵抗を可変とすることによって指向性を可変としたマイクロホンに関するものである。
前部音響端子と後部音響端子を有する単一指向性のコンデンサーマイクロホンにおいては、後部音響端子の音響抵抗を変化させることによって指向性を変えることができる。後部音響端子の音響抵抗を小さく(低く)すれば、音波の速度成分を多く取り込むことができるので双指向性に近づく。後部音響端子の音響抵抗を大きく(高く)していくと、指向特性を表すハート型の曲線が、ハイパーカージオイド、カージオイド、サブカージオイドと変化しながら無指向性に近づき、上記音響抵抗を極めて高くすると無指向性になる。
単一指向性のダイナミックマイクロホンの場合は、振動板と後部空気室の間の音響抵抗を変えることによって指向性を変えることができる。しかし、無指向性とするには、後部音響端子を閉止する必要がある。
可変指向性コンデンサーマイクロホンの従来例として以下に述べる特許文献記載の例がある。特許文献1には、一対のコンデンサーマイクロホンエレメントを、それぞれの絶縁座を背中合わせとして連結リングを介して結合してなる可変指向性コンデンサーマイクロホンであって、上記双方の絶縁座間に弾力性を有する音響抵抗材を配置した例が記載されている。組立工程において、連結リングに対する各絶縁座の締め付け具合を調整すると、音響抵抗材の圧縮量が可変されてその音響抵抗値が変わり、指向性を可変することができる。一対のコンデンサーマイクロホンエレメントを、連結リングを介して結合した状態のままで、例えば、連結リングに対する一方のマイクロホンエレメントのねじ込み量を調整する、というような手段によって、良好な指向性が得られるように音響抵抗を調整することができる利点がある。
特許文献2には、二つのコンデンサーマイクロホンエレメントを、それぞれの音響抵抗を対向させてカプラーで結合することにより、音響抵抗材が梯子状の音響回路をなす一つのマイクロホンユニットを構成してなる可変指向性コンデンサーマイクロホンが記載されている。上記二つのエレメントをカプラーで結合する前に、各エレメントの音響的な測定を行なって振動板の張力、音響抵抗のばらつきを確認し、諸元の近いエレメントを組み合わせることによって全体の特性が安定したマイクロホンを容易に提供することができる利点がある。
特許文献3には、振動板、バックプレート、カバープレートなどをユニットケースに収容したマイクロホンユニットにおいて、バックプレートの背部と外部とを連通する通路を形成し、この通路に、この通路の音響インピーダンスを変える調整機構を設けたマイクロホンユニットが記載されている。調整機構の例として、カバープレートに通路を設け、この通路にボルトをねじ込み、このボルトのねじ込み量を調整することにより上記通路の音響インピーダンスを変える例が記載されている。
特開2005−184347号公報 特開平7−143595号公報 特開平6−339192号公報
マイクロホンの指向性を可変とする手段は、以上説明した手段のほかに、指向性の異なるマイクロホンユニットを複数設け、各ユニットの信号出力を電気的に加減算するもの、前後の音響端子間距離を可変とするもの、などがある。また、可変指向性のコンデンサーマイクロホンユニットでは、成極電圧の極性と電圧を変えるものがある。
以上説明した可変指向性マイクロホンは、主としてマイクロホンユニットまたはマイクロホン組み立て時に機械的な操作によって音響抵抗を調整することにより指向性を可変とするもので、組立後に任意に指向性を変えることはできない。指向性を変えることができるとしても大掛かりな作業が必要になる。
電気的に指向性を可変としたものは、マイクロホンユニットを複数設け、各ユニットの信号出力を電気的に加減算するもの、あるいは成極電圧の極性と電圧を変えるものであり、電気的な操作によって音響特性が影響を受けるため、もともと備えているマイクロホンユニットの特性を十分に発揮することができない。
また、単一指向性ダイナミック型マイクロホンの場合、マイクロホンユニットの後部の空気室を気密にする必要があることから、単一指向性ダイナミック型マイクロホンにおいて指向性を可変とすることは極めて困難である。
本発明は、上記従来の可変指向性マイクロホンの問題点を解消することができるマイクロホンを提供することを目的とする。
すなわち、外部からの電気的な簡単な操作によってマイクロホン内部の音響抵抗を機械的に調整することができるようにするとともに、音響特性に悪影響を及ぼすことがなく、かつ、単一指向性ダイナミック型マイクロホンであっても、その指向性を簡単に変えることができるマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、前部音響端子と後部音響端子を有し、音響抵抗可変手段を有することによって指向性を可変とするマイクロホンであって、音響抵抗可変手段は、空気層をおいて対向して配置された圧電素子を有してなり、圧電素子に印加する電圧を変化させることにより音響抵抗を可変としたことを最も主要な特徴とする。
圧電素子は、電圧を印加することによって反曲状に変形し、印加する電圧の方向によって反曲方向が異なり、電圧を高くするに従って反曲量が大きくなる。したがって、圧電素子に印加する電圧の向きの切り換えと電圧の調整によって音響抵抗を調整し、マイクロホンの指向性を変えることができる。圧電素子に印加する電圧の向きの切り換えと電圧の調整は、マイクロホンの外部から行うことができるため、マイクロホンユニット後部の空気室が気密になっているダイナミックマイクロホンであっても、指向性を容易に変えることができる。
指向性を変えるための操作は圧電素子に印加する電圧の極性の切り換えと電圧の調整という電気的な操作であるが、指向性の可変は機械的に行なわれるので、音響特性に悪影響を及ぼすことはない。
以下、本発明にかかるマイクロホンの実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明をコンデンサーマイクロホンに適用した実施例について説明する。図1、図2はコンデンサーマイクロホンユニットの例を示している。符号1は有底円筒状のユニットケースを示していて、ユニットケース1の底板に相当する端板11側が前側で、その反対の後ろ側が開放端になっている。ユニットケース1の上記端板11には円形の孔からなる複数の前部音響端子12が形成されている。端板11の内面側には音響抵抗体が配置されるが、図示されていない。ユニットケース1の内部には、図1において上から順に、リング状の振動板保持体2に周縁部が保持された振動板3、図示されないリング状のスペーサ、固定電極5、絶縁座6、回路基板7がこの順に挿入され、適宜の固定手段、例えば、ユニットケース1の開放端縁部を内方に向かって折り曲げて回路基板7を図1において上に向かって押し上げるなどの手段により、上記各内蔵部品がユニットケース1内に収納された状態で固定されている。
上記振動板3は振動板保持体2の図1において下面側に固着され、振動板保持体2の上面外周縁部がユニットケース1内の適宜の当接部に当接することによって、上記端板11の内面と振動板3との間に、振動板保持体1の厚さよりも大きい幅の空気室が形成されている。絶縁座6の上端面は外周縁部を残して2段に抉り取られてなる凹陥部が形成され、上端外周縁部に円形の突堤61が形成されている。この突堤61内に固定電極5が嵌められ、固定電極5の外周面が突堤61の内周面に当接して固定電極5が位置決めされている。上記突堤61の高さ寸法は固定電極5の厚さよりも小さく、固定電極5の上端面は上記突堤61の上面よりも上側に突出している。固定電極5の上面外周縁部には図示されないリング状のスペーサが載せられ、このスペーサの上に上記振動板3の外周縁部が載っている。したがって、振動板3と固定電極5との間に、上記スペーサの厚さに相当する微小な隙間が形成され、この隙間の範囲内で振動板3が振動することができるようになっている。上記スペーサは、絶縁性のフィルムなどからなる。
固定電極5には、これを厚さ方向に貫通する複数の孔51が形成されている。これらの孔51は、絶縁座6に段状に形成された凹陥部に固定電極5が嵌め込まれることによって形成されている空気室62に連通している。この空気室62はさらに、絶縁座6を上下方向に貫通して形成された孔からなる複数の後部音響端子63に連通している。後部音響端子63の下端は、絶縁座6の下面側に形成された平坦部に開口している。したがって、この開口はマイクロホンユニットを構成する振動板3の背面側の空間に連通している。上記開口に対向し、かつ、上記平坦部との間に狭い空気層10をおいて音響抵抗可変手段としての圧電素子8が配置されている。
上記圧電素子8としては、バイモルフ型振動子を用いることができる。図10はバイモルフ型振動子の概要を示すもので、長さ方向に伸縮する2枚の圧電素子81,82を重ねて接合し、双方の圧電素子間に電圧をかけることにより、一方の圧電素子が伸びると他方の圧電素子が縮むように構成したものである。いずれの圧電素子も分極方向は厚さ方向である。図10(a)はパラレル型で、2枚の圧電素子81,82の互いに重なり合っている電極を中間電極85とし、この中間電極85と、圧電素子81,82の他方の電極との間に電圧源を接続して、2枚の圧電素子81,82に並列に電圧をかけるようにしたものである。図10(b)はシリーズ型で、互いに重なり合っている2枚の圧電素子81,82の外側の電極間に電圧源を接続し、2枚の圧電素子81,82に電圧を直列にかけるようにしたものである。いずれにせよ、電圧をかけることにより、一方の圧電素子が伸び、他方の圧電素子が縮むことにより、圧電素子8としては図10において上または下に向かって反曲する。
図1に戻って、圧電素子8は、両端部がスペーサ9の介在のもとに、絶縁座6の前記平坦部に、後部音響端子63の開口に対向して固定されている。後部音響端子63の開口と圧電素子8との間には微小な間隔の空気層10が形成されている。圧電素子8の端子間に電圧を印加することにより圧電素子8は反曲する。図4乃至図7は、音響抵抗可変手段としての圧電素子8の構成とその動作を示す。図4は圧電素子8に電圧を印加しないときの様子を拡大して示しており、上下の関係が図1とは逆になっている。絶縁座6の平坦部に、スペーサ9,9の介在のもとに、圧電素子8の両端部が固定されている。絶縁座6の平坦部との間に、スペーサ9,9の厚さに相当する狭い空気層10をおいて圧電素子8が配置されている。圧電素子8は反曲せず、絶縁座6の平坦部と平行になり、後部音響端子63の音響抵抗を中程度の音響抵抗に設定している。
図6は圧電素子8に電圧を印加して圧電素子8を後部音響端子63に向かって反曲させた状態を示す。この状態では、後部音響端子63と上記空気層10との空気の流通が制限され、後部音響端子63の音響抵抗が高くなる。したがって、マイクロホンユニットの指向性は無指向性の傾向が強くなる。図7は圧電素子8に逆向きに電圧を印加して圧電素子8を後部音響端子63から遠ざかる向きに反曲させた状態を示す。この状態では、後部音響端子63と上記空気層10との空気の流通がよくなり、後部音響端子63の音響抵抗が低くなる。したがって、マイクロホンユニットの指向性は双指向性の傾向が強くなる。
図3は、上記実施例の音響的な等価回路を示す。上記実施例の各部の音響要素を以下のように定める。
P1:ユニットの前側の音圧
P2:ユニットの後ろ側の音圧
m0:振動板の音響質量
s0:振動板のスチフネス
r0:振動板の音響抵抗
s1:振動板3の背後の空気室62のスチフネス
r1:空気層10の音響抵抗
P1,m0,s0,r0,r1,P2がこの順に直列に接続された形になっていて、r0,r1の接続点とP1,P2の接続点すなわち接地との間にs1が接続された形で表すことができる。圧電素子8に印加する電圧の向きによって、図6に示すように後部音響端子の音響抵抗を高める向きに、または図7に示すように後部音響端子の音響抵抗を低くする向きに切り換え、また、印加する電圧を調整することによって上記音響抵抗を連続的に調整することができる。図3に示す等価回路では、r1が変化することによって後部音響端子の音響抵抗が変化する。これによってマイクロホンの指向性を、無指向性から双指向性まで連続的に変えることができる。
以上説明した実施例によれば、圧電素子に印加する電圧の向きの切り換えと電圧の調整によって指向性を可変とすることができるため、マイクロホンの外部からの簡単な操作で指向性を変えることができる利点がある。指向性の可変は圧電素子の動作で機械的に行なわれるので、音響特性に悪影響を及ぼすことはない。
なお、圧電素子8に電圧を印加するための電源は、コンデンサーマイクロホンに一般的に使用されているファントム電源から得るようにするとよい。圧電素子8は電力を消費しないから、ファントム電源の電圧を調整して圧電素子8に加えるだけで、適切な音響抵抗に調整することができる。圧電素子8に印加する電圧を、可変抵抗を用いて連続的に変化させることにより、音響抵抗を連続的に可変することもできる。圧電素子8に印加する電圧は、圧電素子8の近傍に配置されている回路基板7を通じて供給するとよい。図1、図2に示すマイクロホンユニットは、これをマイクロホンケースに組み込み、マイクロホンケースに必要な回路基板、コネクタなどを組み込むことによってコンデンサーマイクロホンを構成することができる。
図8は、本発明をダイナミックマイクロホンに適用した実施例を示す。図8において、符号100はダイナミックマイクロホンユニット本体を示す。円筒形のマイクロホンユニット本体100は、センターポールピース105と、このセンターポールピース105が重ねて固着された円盤状の永久磁石102と、この永久磁石102が重ねて固着された皿状のテールヨーク103と、円形をなすテールヨーク103の上端面に固着されるとともに内周面と上記センターポールピース105の外周面との間に円形の磁気ギャップを形成するリング状のサイドヨーク104を備えている。これらセンターポールピース105、永久磁石102、テールヨーク103、サイドヨーク104によって磁気回路を構成していて、この磁気回路の上記磁気ギャップには、振動板115に固着されたボイスコイル106がセンターポールピース105およびサイドヨーク104から離間させて挿入されている。ユニット本体100は円筒形状のユニットホルダー101の上端部に嵌められて固定されている。テールヨーク103には、上記磁気ギャップを介して振動板115の背面側の空気室を後方に連通させるための音孔108が複数形成されている。
上記振動板115は、センタードームとその周囲に一体に設けられたサブドームを有してなり、上記ボイスコイル106の一端がセンタードームとサブドームとの境界に沿って振動板115の背面側に固着されている。振動板115の外周部はユニットホルダー101の上端に固着され、振動板115は音波を受けてボイスコイル106とともに前後方向(図8において上下方向)に振動することができるように構成されている。振動板115の前面は、ユニットホルダー101の前端外周部に固定された前部音響端子板106によって覆われている。前部音響端子板106には複数の孔からなる前部音響端子107が形成されている。ユニットホルダー101の外側部には、振動板115の背面側の空気室に通じる空気孔が形成されていて、この空気孔が後部音響端子135となっている。
ユニットホルダー101の後部(図8において下部)には前後に端板を有する円筒109が嵌められ、円筒109の前側の端板は空気室130をおいてテールヨーク103の背面に対向している。円筒109はマイクロホンユニットの背部空気室を構成していて、円筒109の前側の端板には上記空気室130と上記背部空気室を連通させる開口110が形成されている。ユニットホルダー101の図8において下端部外周はマイクロホンケース120の上端部内周に嵌め込まれて固定され、ユニットホルダー101に嵌め込まれた円筒109の下側の端板とマイクロホンケース120とで密閉状の大きな空気室121が形成されている。円筒109の下側の端板には、円筒109で形成されている空気室と上記空気室121を連通させる開口111が形成されている。
ここまで説明してきたダイナミック型マイクロホンは、背部空気室の機密性が高い構成になっていて、基本的には単一指向性のダイナミック型マイクロホンになっている。かかるマイクロホンの指向性を可変とするために、上記空気室130に圧電素子8が配置されている。より具体的には、円筒109の上側の端板に、開口110と対向させ、かつ、円筒109の上側の端板との間に空気層10をおいて音響抵抗可変手段としての圧電素子8が設けられている。圧電素子8は既に説明したとおりの構成で、その両端部がスペーサ9,9を介して平坦面をなす円筒109の上側の端板に取り付けられている。圧電素子8の動作も前述のとおりで、圧電素子8に電圧を印加するためのリード線134が圧電素子8からマイクロホンの外部に引き出されている。
図8に示す実施例の音響的な等価回路を図9に示す。上記実施例の各部の音響要素を以下のように定める。
P1:マイクロホンユニットの前側の音圧
P2:マイクロホンユニットの後ろ側の音圧
m0:振動板の音響質量
r0:振動板の音響抵抗
s1:空気室121のスチフネス
r1:空気層10の音響抵抗
m1:後部音響質の音響質量
等価回路は、P1,m0,r0,m1,P2がこの順に直列に接続された形になっていて、r0,m1の接続点とP1,P2の接続点すなわち接地との間にr1とs1が直列に接続された形で表すことができる。圧電素子8に印加する電圧の向きによって、空気層10の音響抵抗を高める向きに、または空気層10の音響抵抗を低くする向きに切り換え、また、印加する電圧を調整することによって上記音響抵抗を連続的に調整することができる。図9に示す等価回路では、圧電素子8の制御によりr1が変化し、空気層10の音響抵抗が変化することになる。これによってマイクロホンの指向性を、無指向性から双指向性まで連続的に変えることができる。
単一指向性ダイナミックマイクロホンは、マイクロホンユニットの後部を密閉する必要があるため、指向性を可変とするための音響抵抗可変ユニットを外から機械的な操作で調整することは極めて困難である。しかし、図8に示す実施例によれば、音響抵抗値を制御するためのリード線134を外部に引き出せばよく、リード線とマイクロホンユニット間の気密を保つことは容易であるから、単一指向性ダイナミックマイクロホンにおける指向性を容易に可変することができる。
一般に、圧電素子を利用したアクチュエータは小さい変位を制御するのに好適である。バイモルフ型振動子は、取り付けの条件にもよるが、印加電圧20Vで0.1mm程度の変位量を得ることができる。前記実施例において、狭い空気層10の厚さ(間隙)は、マイクロホンで用いられる範囲では0.01〜0.1mm程度であるから、この厚さを制御する素子としてバイモルフ型振動子が適している。図示の実施例では、構成をわかりやすくするために、上記空気層10の厚さを実際よりも強調して大きく表している。圧電素子に印加する電圧は、連続的に可変してもよいし、例えば、2Vステップで切り換えるようにしてもよい。
本発明にかかるマイクロホンに使用されるマイクロホンユニットの実施例を示す縦断面図である。 上記実施例の正面図である。 上記実施例の音響的な等価回路図である。 上記実施例に用いられている音響抵抗可変手段を上下反転して示す拡大縦断面図である。 上記音響抵抗可変手段の正面図である。 上記音響抵抗可変手段の動作態様の一例を図4に準じて示す縦断面図である。 上記音響抵抗可変手段の動作態様の別の例を図4に準じて示す縦断面図である。 本発明にかかるマイクロホンの別の実施例を示す縦断面図である。 上記実施例の音響的な等価回路図である。 本発明に音響抵抗可変手段として使用可能なバイモルフ型振動子の一般的な構成を示すもので、(a)はパラレル型を、(b)はシリーズ型を示す概念図である。
符号の説明
1 ユニットケース
2 振動板保持体
3 振動板
5 固定電極
6 絶縁座
8 圧電素子
10 空気層
12 前部音響端子
62 空気室
63 後部音響端子
100 ユニット本体
101 ユニットホルダー
109 円筒
110 開口
111 開口
120 マイクロホンケース
121 空気室
130 空気室

Claims (7)

  1. 前部音響端子と後部音響端子を有し、音響抵抗可変手段を有することによって指向性を可変とするマイクロホンであって、
    上記音響抵抗可変手段は、空気層をおいて対向して配置された圧電素子を有してなり、
    上記圧電素子に印加する電圧を変化させることにより音響抵抗を可変としたことを特徴とするマイクロホン。
  2. 単一指向性コンデンサーマイクロホンであって、マイクロホンユニット構成部品に形成された平坦部が開口して音響端子となっていて、この開口に対向し、かつ、上記平坦部との間に狭い空気層をおいて音響抵抗可変手段が配置されている請求項1記載のマイクロホン。
  3. 平坦部との間にスペーサが介在することによって音響抵抗可変手段と平坦部との間に狭い空気層が形成されている請求項2記載のマイクロホン。
  4. 単一指向性ダイナミックマイクロホンであって、圧電素子が対向する空気層は、マイクロホンユニットを構成する振動板の背面側の空間に連通している請求項1記載のマイクロホン。
  5. 単一指向性コンデンサーマイクロホンであって、振動板に対向して配置された固定電極に設けられた開口が後部音響端子に連通している請求項1記載のマイクロホン。
  6. 単一指向性ダイナミックマイクロホンであって、マイクロホンユニット本体の背後に空気室をおいてユニットホルダーが配置され、このユニットホルダーに形成され上記空気室に連通する開口に対向させて圧電素子からなる音響抵抗可変手段が配置されている請求項1記載のマイクロホン。
  7. ユニットホルダーは、マイクロホンケースに密閉した状態で、かつ、ユニットホルダーの背後のマイクロホンケース内に空気室が形成されて嵌められ、ユニットホルダーの背部に形成された音孔を通じてユニットホルダーの内部空間とマイクロホンケース内の上記空気室が連通している請求項6記載のマイクロホン。
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