JP2008109856A - 食品品質保持剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、エタノール蒸気発生体、鉄粉系の脱酸素剤及び陰イオン交換体を共存させた食品品質保持剤において、アセトアルデヒドに伴う臭気だけでなく、別種の臭気の発生を抑制し、食品の鮮度や風味、風合いを保持する食品品質保持剤を提供することである。
【解決手段】 本発明の食品品質保持剤は、エタノール蒸気発生体、鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を含む食品品質保持剤であって、鉄粉に含まれる硫黄が0〜0.1重量%であり、少なくとも鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容することを特徴とする品質保持剤である。特定の鉄粉を使用することにより、アセトアルデヒド臭以外の重い香りのラストノート臭気を防止することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品等の品質保持剤に関し、さらに詳しくは、食品の鮮度や風味、風合いを損なわず、かつ臭気の発生を低減させた食品品質保持剤に関する。
食品を紙やプラスチックフィルム等の包装体に収容し、保存された食品の品質を保持するため様々な試みが行われている。その一例として、脱酸素剤を食品とともに包装することにより、食品包装体内の酸素を除去して、食品の酸化を防止するとともに、有害微生物やカビの発生を抑制する方法、さらにエタノール蒸気発生体を食品とともに包装することにより、生菓子等の風味、風合いや柔軟性を保持する方法が知られている。
一方、食品の品質保持のため、上記の効果を同時に得ようとして、エタノール蒸気発生体と鉄粉系の脱酸素剤を共存させた場合、エタノールが脱酸素剤により酸化されて、アセトアルデヒドが発生しこれに伴う臭気が食品の品質を著しく低下させてしまうことがある。その解決策として、特許文献1は、陰イオン交換体であるポリアリルアミンを共存させることにより、アセトアルデヒドを吸着しその臭気の発生を抑止することを提案している。
しかし、エタノール蒸気発生体と鉄粉系の脱酸素剤を併用して、食品を入れた包装体を開封した場合、アセトアルデヒド臭以外の臭気が感じられることがある。すなわち、アセトアルデヒド臭がファーストノートと呼ばれる開封直後、最初に感じられる刺激の強い臭いであるのに対して、いわゆるラストノートと呼ばれる開封後しばらく経過してから感じられる臭気が、重い香りの異臭として、発生することがある。
この臭気は、アセトアルデヒドから発生する臭気とは別の臭気であり、全ての品質保持剤の使用時に、発生するわけではなく、感知される場合もあれば、全く感じられない場合もある。この臭気は、ポリアリルアミンを共存させても低減することができない。このアセトアルデヒド臭以外の重い香りの異臭成分の除去については、未解決のままとなっている。
特開昭62−220178号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、エタノール蒸気発生体、鉄粉系の脱酸素剤及び陰イオン交換体を共存させた場合に、アセトアルデヒドに伴う臭気だけでなく、別種の重い香りの発生を抑制し、食品の鮮度や風味、風合いを保持する食品品質保持剤を提供することである。
上記目的を達成する本発明の食品品質保持剤は、エタノール蒸気発生体、鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を含む食品品質保持剤であって、鉄粉に含まれる硫黄が0〜0.1重量%であり、少なくとも鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容することを特徴とする品質保持剤である。
なお、本発明における陰イオン交換体は、ポリアリルアミンであることが好ましい。
エタノール蒸気発生体、特定の鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体からなる品質保持剤を食品と共存させることにより、食品の鮮度や風味、風合いを損なわず、かつアセトアルデヒドの臭気、およびこれとは別の重い香りの臭気の発生を抑制することができる。すなわち鉄粉に含まれる硫黄成分が、重い香りの臭気と関係があることを見出し、硫黄の含有量が0〜0.1重量%である鉄粉を使用することにより、重い香りの臭気の発生を防止することができる。
本発明の品質保持剤は、少なくとも鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容することにより、アセトアルデヒドを効果的に吸着し、アセトアルデヒドに伴う臭気の発生を効果的に防止することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明の食品品質保持剤は、エタノール蒸気発生体、鉄粉、酸化促進剤、及びポリアリルアミンからなる食品品質保持剤であって、鉄粉に含まれる硫黄が0〜0.1重量%である。
本発明の食品品質保持剤に使用するエタノール蒸気発生体は、好ましくはシリカゲル、ゼオライト、活性炭などの多孔質体に、エタノールまたはエタノール水溶液を吸着または吸収させたものである。エタノール蒸気発生体の基材として、多孔質体を使用することは、エタノールの吸着量が多い場合においても、粒子性状が、べとつくことがなく好ましい。
本発明の食品品質保持剤において、エタノール蒸気発生体の配合量は、正味の食品品質保持剤全体を100重量%として、好ましくは10〜89重量%、より好ましくは39〜59重量%である。エタノール蒸気発生体の配合量が、上記範囲未満であると、エタノール蒸気の発生量が不足して十分な効果が得られにくくなり、上記範囲を超えると食品品質保持剤の混合粉中において鉄粉が偏析しやすくなり、好ましくない。
本発明のエタノール蒸気発生体において、エタノールまたはエタノール水溶液の吸着量は、多孔質体の単位重量あたり、好ましくは0.1〜5g/g、より好ましくは0.5〜2.5g/gである。エタノールの吸着量が、上記範囲未満であるとエタノールが吸着した多孔質体の粉末が嵩高くなり取り扱いにくくなり、上記範囲を超えるとエタノールが、しみだしやすくなり、粉末の流動性も低下する傾向があり、好ましくない。
エタノール蒸気発生体において、エタノール水溶液のエタノール濃度は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40〜99.5重量%である。エタノール濃度が、上記範囲未満であるとエタノールの発生量が不足して十分な効果が得られにくくなり、好ましくない。
本発明において、鉄粉は、酸化促進剤により酸化されることにより、雰囲気中の酸素を吸着・除去して、脱酸素剤として機能する。鉄粉は、他の金属粉と比べ、酸素との反応速度が速いこと、および酸化促進剤の調節による反応速度制御がしやすいことから脱酸素剤として有効に使用することができる。
本発明の食品品質保持剤に使用する鉄粉は、好ましくは還元鉄粉、電解鉄粉、アトマイズ鉄粉などである。本発明において、鉄粉の粒度は、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは20〜150μmである。鉄粉の粒度が、上記範囲を超えると、比表面積が小さくなり反応性が低下する傾向、または食品品質保持剤の混合粉中で鉄粉が偏析しやすくなる傾向があり、好ましくない。このような鉄粉は、純品である必要はなく、硫黄以外の種々のきょう雑物が存在してもよい。
本発明において、鉄粉の配合量は、正味の食品品質保持剤全体を100重量%として、好ましくは10〜89重量%、より好ましくは40〜60重量%である。鉄粉の配合量が、上記範囲未満であると、脱酸素能力が低くなる傾向、または食品品質保持剤の混合粉中で鉄粉が偏析しやすい傾向があり、上記範囲を超えるとエタノール蒸気発生体の配合量が少なくなり、十分な効果が得られなくなり、好ましくない。
本発明者等が、ラストノートとして重い香りの臭気を発生する原因を種々探索した結果、それが脱酸素剤としての鉄粉中に含まれる硫黄であることをつきとめた。すなわち、本発明の食品品質保持剤に使用する鉄粉は、硫黄含有量が、0〜0.1重量%、好ましくは0〜0.05重量%、より好ましくは0〜0.03重量%である。鉄粉中に含まれる硫黄の量が、上記範囲を超えると、保存食品を入れた包装体を開封した際、ラストノートとして重い香りの臭気が発生することがある。重い香りの臭気は、異臭として感じられることがあり、食品の食味や食感、食欲を低下させる虞がある。重い香りの発生機構は、不明であるが、鉄粉中の硫黄含量を低減させることにより、臭気の発生を防止することができる。なお、鉄粉中の硫黄含量を完全に除去することは、鉄粉が高価となり非現実的であり、実質的に重い香りが発生しなければ、微量の硫黄が残存していてもよい。
本発明において、鉄粉に含まれる硫黄含量は、JIS G1215「鉄及び鋼中の硫黄定量方法」により測定したものである。
本発明の食品品質保持剤に使用する鉄粉は、市販の鉄粉から適宜、選択して使用することができる。例えば、アトマイズ鉄粉としては、神戸製鋼社製アトメル純鉄粉、また、還元鉄粉としては、パウダーテック社製RDH、RS等の鉄粉を使用することができる。ただし、アトマイズ鉄粉であっても、快削鋼粉などは、硫黄含量が多く、使用できない。
本発明において、酸化促進剤は、鉄粉に作用して、鉄粉を効果的に酸化させて、雰囲気中の酸素を吸着する脱酸素剤として機能させるものである。
本発明の食品品質保持剤に使用する酸化促進剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のハロゲン化物を使用することができる。具体的に、酸化促進剤は、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、塩化錫、塩化マンガン等の塩化物であり、より好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムであり、取り扱い性と価格から塩化ナトリウムであることが特に好ましい。
本発明の食品品質保持剤において、酸化促進剤の配合量は、正味の食品品質保持剤全体を100重量%として、好ましくは0.01〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.1重量%である。酸化促進剤の配合量が、上記範囲未満であると、鉄粉における脱酸素反応が十分に促進されないことがあり、上記範囲を超えると脱酸素反応が、逆に阻害されることがあり、好ましくない。
鉄粉が、雰囲気中の酸素と反応するためには、酸化促進剤とともに水分が必要であり、無水状態では反応しない。しかし食品中に水分が含まれている場合など、使用雰囲気中に水分があるときには、鉄粉の酸化が十分に進行することから水分を添加する必要はない。一方、油脂類のように、水分を含まず、酸化により変質しやすい食品の保存に際しては、保存雰囲気の脱酸素を速やかに行なう必要があるときは、脱酸素剤またはエタノール発生体に水分を含ませるか、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト、活性炭等の多孔質体に水分を吸収させたものを添加してもよい。
本発明において、陰イオン交換体は、食品包装体内のエタノールが酸化して発生するアセトアルデヒドを吸着することにより、アセトアルデヒドに伴う臭気発生を防止して、食品の品質を保持するものである。陰イオン交換体は、強塩基性、弱塩基性、両性など各種のイオン交換体を使用することができるが、好ましくは強塩基性および弱塩基性のイオン交換体が好適である。具体的に、本発明に使用する陰イオン交換体としては、好ましくは陰イオン交換樹脂、キトサン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等を、より好ましくはポリアリルアミンを挙げることができる。ポリアリルアミンは、陰イオン交換体のなかでも、アセトアルデヒドの吸着能力が高く、より好ましい。
本発明において、陰イオン交換体は、シリカゲル、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト、活性炭等の多孔質体に、陰イオン交換体を吸着させたものを使用してもよく、食品品質保持剤の混合粉中において、偏析を防ぐことができ、アセトアルデヒドをより効果的に吸着することができる。
本発明の食品品質保持剤において、陰イオン交換体の配合量は、正味の食品品質保持剤全体を100重量%として、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。陰イオン交換体の配合量が、上記範囲未満であると、アセトアルデヒドを吸着しきれない虞があり、上記範囲を超えると、過剰量となりコスト高や食品品質保持剤の容積が大きくなることを招き、また脱酸素反応を阻害する虞もあることから、好ましくない。
なお、陰イオン交換体として、シリカゲル、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト、活性炭等の多孔質体に、陰イオン交換体を吸着させたものを使用する場合においても、その配合量は上記範囲内であることが好ましい。
さらに、陰イオン交換体のエタノールに対する配合量は、エタノール100重量部に対して、好ましくは陰イオン交換体が0.3重量部以上、より好ましくは0.5〜3重量部である。陰イオン交換体の配合量が、上記範囲未満であるとアセトアルデヒドを吸着しきれかったり、吸着が遅くなったりする虞があり、好ましくない。
本発明の食品品質保持剤の形態は、鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容することである。
本発明において、陰イオン交換体は、主にエタノール蒸気発生体から蒸散したエタノールが酸化して発生したアセトアルデヒドを吸着することにより、アセトアルデヒド臭の発生を防止し食品の品質を保持するものである。したがって、陰イオン交換体は、アセトアルデヒドの発生源近くに収容することが好ましく、陰イオン交換体を、鉄粉および酸化促進剤からなる脱酸素剤成分と、同一の包装体に収容することが好ましい。陰イオン交換体を、脱酸素剤成分と別の包装体に収容すると、アセトアルデヒドを除去する効率が低下する虞があり好ましくない。
また、鉄粉および酸化促進剤からなる脱酸素剤成分並びに陰イオン交換体からなる包装体と、エタノール発生体を収容する包装体を個別に配置することもできる。この場合には、脱酸素剤成分および陰イオン交換体を収容する包装体は、酸素および水蒸気の透過性が高く、エタノール蒸気の透過性が低いか、またはエタノール蒸気を透過しない包装体であることが好ましい。そうすることによってエタノール蒸気と脱酸素剤の接触を抑制することができ、アセトアルデヒドの発生を防止することが期待できる。
本発明における食品品質保持剤の好ましい形態として、鉄粉および酸化促進剤からなる脱酸素剤成分、エタノール発生体、および陰イオン交換体を、同一の包装体に収容することもできる。
本発明の食品品質保持剤は、食品包装体の空気量1000ml当たり、好ましくは鉄粉量として1〜3g、より好ましくは1.5〜2.5gを添付するとよい。食品品質保持剤の添付量が、上記範囲未満であると、食品包装体の酸素を十分に吸収しきれないことがあり、上記範囲を超えると過剰量でありコスト高や食品品質保持剤の容積が大きくなることから、好ましくない。
本発明の食品品質保持剤は、洋菓子、和菓子、中華菓子、パン、ケーキ、餅、麺類、珍味類、惣菜、乾燥果実などの加工食品、または穀物類等の食品に好ましく使用することができる。
エタノール蒸気発生体、特定の鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体からなる品質保持剤を食品と共存させることにより、食品の鮮度や風味、風合いを損なわず、かつアセトアルデヒドの臭気及びこれとは別の重い香りの臭気の発生を抑制させることができる。さらに、鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容することにより、アセトアルデヒドを効果的に吸着し、アセトアルデヒドに伴う臭気の発生を防止することができる。

以下、実施例を挙げて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例、比較例中で使用する原材料は、以下のとおりである。
・鉄粉(1): 硫黄含有量0.02重量%、粒度150μm以下のアトマイズ鉄粉(神戸製鋼社製純鉄粉270M。硫黄含量は、前述の方法により測定したものである。)
・鉄粉(2): 硫黄含有量0.3重量%、粒度180μm以下のアトマイズ粉(神戸製鋼社製快削鋼粉400MS−A。硫黄含量は、前述の方法により測定したものである。)
・シリカゲル: 平均粒径150μm(フロイント産業社製)
・ポリアリルアミン吸着粉末: シリカゲルの表面にポリアリルアミン15重量%を吸着させた粉末(日東紡績社製)
品質保持材および食品の包装材料として、以下のものを用いた。
・品質保持材用小袋: 有孔ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/紙/有孔ポリエチレンで構成されるフィルム包材を、外形30×40mmの小袋状に、ヒートシールにより成形した。
・食品用包装袋: 密封可能な市販の非晶質ナイロン/ポリエチレン袋(空気量150ml)
また、水分を含む食品の代わりに、塩化カリウム100gを水30gでシャーベット状にして得られる恒湿塩(水分活性値0.84/25℃)を使用した。
食品用包装袋に発生する臭気の官能試験およびアセトアルデヒド濃度は、以下のとおり評価した。
・臭気の官能試験: ボランティア5名によるブラインドでの臭気官能試験を行なった。
・アセトアルデヒド濃度: 開封前の食品用包装袋内のガスをサンプリングして、ガスクロマトグラフを使用してアセトアルデヒド濃度を測定した。
<実施例1>
50重量部の鉄粉(1)に対し、酸化促進剤として塩化ナトリウム5重量部を配合した。次にシリカゲル18重量部に、エタノール濃度92重量%のエタノール水溶液25重量部およびポリアリルアミン吸着粉末2重量部を配合した粉末を前記鉄粉に加えて混合した。
前記混合粉0.75gを、品質保持材用小袋に充填してヒートシールにより封止して、エタノール蒸気発生および脱酸素機能を持つ食品品質保持剤を得た。
食品用包装袋に、得られた食品品質保持剤と恒湿塩10gを入れて密封して、温度25℃で2日間、静置保存した。その後、食品用包装袋のアセトアルデヒドの濃度測定、および食品用包装袋を開封して臭気官能検査を行った。その結果を表1に示す。
結果として、食品用包装袋からは、エタノール以外に異臭は特に感じられなかった。
Figure 2008109856
<実施例2>
50重量部の鉄粉(1)に対し、酸化促進剤として塩化ナトリウム5重量部、ポリアリルアミン吸着粉末2重量を配合し、脱酸素剤組成物である混合粉(A)を得た。次にシリカゲル18重量部にエタノール濃度95重量%のエタノール水溶液25重量部を配合し、エタノール蒸気発生体組成物である混合粉(B)を得た。
脱酸素剤組成物の混合粉(A)4.3gを、品質保持材用小袋に充填してヒートシールにより封止して、脱酸素剤(A)を得た。同様にエタノール蒸気発生体組成物の混合粉(B)3.2gを、別の品質保持材用小袋に充填してヒートシールにより封止して、エタノール蒸気発生体(B)を得た。
食品用包装袋に、脱酸素剤(A)、エタノール蒸気発生体(B)、および恒湿塩10gを入れて密封して、温度25℃で2日間、静置保存した。その後、食品用包装袋のアセトアルデヒドの濃度測定、および食品用包装袋を開封して臭気官能検査を行った。その結果を表1に示す。
結果として、エタノール以外に異臭は特に感じられなかった。
<比較例1>
鉄粉(1)の代わりに、鉄粉(2)を用いた以外は、実施例1と同様に品質保持剤を作製し、官能試験を行なった。その結果を表1に示す。
官能試験の結果として、アセトアルデヒドは感じられなかったが、ラストノートとして、エタノールでもアルデヒドでもない重い香りを異臭として感じた。
<比較例2>
鉄粉(1)の代わりに、鉄粉(2)を用いた以外は、実施例2と同様に脱酸素剤およびエタノール蒸気発生体を作製し、官能試験を行なった。その結果を表1に示す。
官能試験の結果として、アセトアルデヒドは感じられなかったが、ラストノートとして、エタノールでもアルデヒドでもない重い香りを異臭として感じた。
<比較例3>
50重量部の鉄粉(1)に対し、酸化促進剤として塩化ナトリウム5重量部を配合し、脱酸素剤組成物である混合粉(C)を得た。次にシリカゲル18重量部にエタノール濃度95重量%のエタノール水溶液25重量部、およびポリアリルアミン吸着粉末2重量を配合し、エタノール蒸気発生体組成物である混合粉(D)を得た。
脱酸素剤組成物の混合粉(C)4.3gを、品質保持材用小袋に充填してヒートシールにより封止して、脱酸素剤(C)を得た。同様にエタノール蒸気発生体組成物の混合粉(D)3.2gを、別の品質保持材用小袋に充填してヒートシールにより封止して、エタノール蒸気発生体(D)を得た。
食品用包装袋に、脱酸素剤(C)、エタノール蒸気発生体(D)、および恒湿塩10gを入れて密封して、温度25℃で2日間、静置保存した。その後、食品用包装袋のアセトアルデヒドの濃度測定、および食品用包装袋を開封して臭気官能検査を行った。その結果を表1に示す。
官能試験の結果として、アセトアルデヒドが発生し特有の刺激臭が感じられた。一方、比較例1および2で感じられたようなラストノートの重い香りの異臭は感じられなかった。

Claims (4)

  1. エタノール蒸気発生体、鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を含む食品品質保持剤であって、前記鉄粉に含まれる硫黄が0〜0.1重量%であり、少なくとも前記鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を同一の包装体に収容する食品品質保持剤。
  2. 前記陰イオン交換体が、ポリアリルアミンである請求項1に記載の食品品質保持剤。
  3. 前記鉄粉、酸化促進剤、陰イオン交換体、と共に前記エタノール蒸気発生体を、同一の包装体に収容する請求項1または2に記載の食品品質保持剤。
  4. 前記鉄粉、酸化促進剤、及び陰イオン交換体を収容する包装体と、前記エタノール蒸気発生体を収容する包装体が、別の包装体である請求項1または2に記載の食品品質保持剤。
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