JP2008108791A - 多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板の作製方法 - Google Patents

多層プリント配線基板及び多層プリント配線基板の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さい高精細の配線を有する多層配線基板、及び、該多層配線基板の簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板であって、基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、(a)絶縁層、(b)該絶縁層および反応性高分子化合物含有層の双方との間に相互作用を形成しうる化学活性点発生層、(c)該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる配線形成層を1層以上有する多層配線基板である。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板及びその製造方法に関し、詳細には、電子材料分野で使用される高密度配線を有するプリント配線板、より詳細には電気的絶縁層を介して配線層を積層して形成した配線基板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等も小型化かつ高密度化が進んでいる。このプリント配線板等の高密度化への対応としては、高精細で安定な配線の実現やビルドアップ多層配線板の採用などの方法が種々検討されている。更に微細なビアにより電気的絶縁層間を接続されたビルドアップ法により配線層を積層してなる製品も出されている。
これら微細配線の形成にあたっては、従来の導電性パターン特にプリント配線板の分野で有用な金属パターン形成方法として「サブトラクティブ法」と「セミアディティブ法」が知られている。サブトラクティブ法とは、基板上に形成された金属の層に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、ついで、金属をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。この手法で使用される金属基板は、基板と金属層との密着性を持たせるために基板界面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させていた。その結果、出来上がる金属パターンの基板界面部が凹凸になってしまい、電気配線として使用する際、高周波特性が悪くなるという問題点があった。更に、金属基板を形成する際、基板を凹凸処理するため、クロム酸などの強酸で基板を処理するという煩雑な工程が必要であるいという問題点があった。
一方セミアディティブ法は電気的絶縁層の表面に何らかの方法で給電層を設け、この給電層の上に活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、給電層に電気を流して電気めっきを行い、非レジスト存在部に金属配線を形成したのち、非金属配線部の給電層をエッチング処理して金属パターンを形成する方法である。この手法で形成される給電層はめっき法、スパッタリング法、蒸着法などが用いられている。めっき法で給電層を形成する場合はサブストラクティブ法と同様に基板と給電層との密着性を持たせるために電気的絶縁層の表面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させていた。その結果、出来上がる金属パターンの基板界面部が凹凸になってしまい、電気配線として使用する際、高周波特性が悪くなるという問題点があった。更に、金属基板を形成する際、基板を凹凸処理するため、クロム酸などの強酸で基板を処理するという煩雑な工程が必要であるいという問題点があった。一方スパッタリング法、蒸着法により給電層を設けるためには大掛かりな真空設備が必要であるために多層基板には不向きであった。
上記のように基板もしくは電気的絶縁層を介して配線パターンを積層して形成する場合には電気的絶縁層と配線パターンの密着性が問題となる。たとえば電気的絶縁層に電解めっきにより金属層を形成する場合、その密着性は電気めっきの給電層となる層と絶縁層との密着性によることになるが、電気的絶縁層の表面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させるのは、配線が細く、配線間が狭くなるほど配線形状に影響を与えない程度に凹凸も小さくせざるを得ず十分な密着をだすことができないという問題があった。
この問題を解決する為に、例えば基板表面にラジカル重合性化合物をグラフトして表面改質を行うことで、基板の凹凸を最小限にとどめ、かつ、基板の処理工程を簡易にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、この方法では、高価な装置(γ線発生装置、電子線発生装置)が必要であった。また、使用される基板は通常の市販のプラスチック基板を使用しているため、グラフトポリマーが、そこに導電性素材を強固に付着させる程、十分には生成されず、基板と導電性層との密着が実用上の強度に達していないという問題があった。
また、導電性層形成の一手段として、高分子末端が基板表面に固定化された表面グラフトポリマーを用いて金のナノ粒子を一段階で集積させる方法が報告されている(例えば、非特許文献1、2参照。)。この方法は、ガラス表面に作成されたポリアクリルアミドブラシを、負荷電を有する金ナノ粒子の低PH(約6.5)の分散液に一晩浸漬し、その結果、正に荷電したアミド基(−NH )と負に荷電したナノ粒子との静電的な相互作用により三次元的にナノ粒子が集積したフィルムを形成するものである。しかしながら、ここに記載の条件では、荷電ポリマーと荷電粒子との静電力による粒子集積現象において、実用上満足できる程度の相互作用が形成されず、実用上はさらなる導電性素材密着性向上が望まれている。
更に、このような表面グラフトポリマー生成にあたっては、基板表面にグラフトポリマーの原料となる成分を接触させながらエネルギー付与をする工程を必要とし、均一な接触、特に、多層プリント配線板を作製する場合に、複数回実施されるこの工程の均一性の維持が困難であるという問題があった。
特開昭58−196238号明細書 Liz−Marzan,L.Mら著、「J.Phys.Chem.」、第99巻、P15120(1995年) Carignano,M.A.ら著「Mol.Phys.」、第100巻、P2993(2002年)
上記従来の技術的問題点を考慮してなされた本発明の目的は、絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さい高精細の配線を有する多層配線基板を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さい導電性層を、予め配線が形成された絶縁膜表面など、任意の固体表面に容易に形成しうる多層配線基板の簡易な製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、次のような構成を備えることにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板であって、基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、(a)絶縁層、(b)該絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層の双方との間に相互作用を形成しうる化学活性点発生層、(c)該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる配線形成層を少なくとも1層以上有することを特徴とする多層配線基板。
<2> 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板であって、基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、(a−2)導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる重合開始能を有する絶縁層、(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる配線形成層構成を少なくとも1層以上有することを特徴とする多層配線基板。
<3> 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板の製造方法であって、基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、電気的絶縁層形成材料を、何らかの方法、例えば塗布法や転写法によって、付着させ、エネルギーを付与して硬化することで絶縁層を形成する工程、該絶縁層上に、絶縁層及び導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる化学活性点発生層を設ける工程、該化学活性点発生層上に、導体層を設けるための導電性材料或いはその前駆体を付着しうる反応性高分子化合物含有層を設ける工程、該反応性高分子化合物含有層と該化学活性点発生層との間に相互作用を形成させ、これらを密着させる工程、回路基板の所定の配線パターンと接続するために絶縁層、化学活性点発生層及び反応性高分子化合物含有層の積層体に穴をあける工程、該反応性高分子化合物含有層の高分子化合物に導電性材料或いはその前駆体を付与する工程、反応性高分子化合物含有層に付与した導電性材料或いはその前駆体を利用してめっきを施し導体層を形成する工程、穴部に導電性材料を付与して複数の配線間を接続する工程、及び、導体層形成後に加熱処理する工程を含むことを特徴とする<1>に記載の多層配線基板の製造方法。
<4> 前記導体層形成後に加熱処理をする工程の後に、導体層の上にめっきレジストもしくはエッチングレジストの層を設け、めっき処理もしくはエッチング処理を行って導体層をパターニングする工程、および、該パターニング後の不要な導体層を除去する工程を含むことを特徴とする<3>に記載の多層配線基板の製造方法。
<5> 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板の製造方法であって、基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、重合開始剤を含有する電気的絶縁層形成材料を、何らかの方法、例えば塗布法や転写法によって、付着させ、エネルギーを付与して硬化することで重合開始能を有する絶縁層を形成する工程、該重合開始能を有する絶縁層上に、導体層を設けるための導電性材料或いはその前駆体を付着しうる反応性高分子化合物含有層を設ける工程、該反応性高分子化合物含有層と該重合開始能を有する絶縁層との間に相互作用を形成させ、これらを密着させる工程、回路基板の所定の配線パターンと接続するために重合開始能を有する絶縁層と反応性高分子化合物含有層とからなる積層体に穴をあける工程、該反応性高分子化合物含有層の高分子化合物に導電性材料或いはその前駆体を付与する工程、反応性高分子化合物含有層に付与した導電性材料或いはその前駆体を利用してめっきを施し導体層を形成する工程、穴部に導電性材料を付与して複数の配線間を接続する工程、及び、導体層形成後に加熱処理する工程を含むことを特徴とする<2>に記載の多層配線基板の製造方法。
<6> 前記導体層形成後に加熱処理をする工程の後に、導体層の上にめっきレジストもしくはエッチングレジストの層を設け、めっき処理もしくはエッチング処理を行って導体層をパターニングする工程、および、該パターニング後の不要な導体層を除去する工程を含むことを特徴とする<5>に記載の多層配線基板の製造方法。
<7> 前記(b)該絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層の双方との間に相互作用を形成しうる化学活性点発生層と(c)該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層とを密着させる工程が、(b)化学活性点発生層にエネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする<3>又は<4>に記載の多層配線基板の製造方法。
<8> 前記(a−2)重合開始能を有する絶縁層と(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層とを密着させる工程が、(a−2)重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする<5>又は<6>に記載の多層配線基板の製造方法。
<9> 前記(c)化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層が、重量平均分子量1000以上300000以下の高分子化合物を50重量%以上含み、該高分子化合物が(b)化学活性点発生層又は(a−2)重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程により(b)化学活性点発生層又は(a−2)重合開始能を有する絶縁層に密着し、この密着が化学結合よりなることを特徴とする<3>乃至<8>のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
<10> (b)化学活性点発生層又は(a−2)重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程の後、(c)化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層に含まれる、密着に影響を与えない成分を除去する工程を含むことを特徴とする<3>乃至<9>のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
<11> 前記(c)化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、(b)化学活性点発生層、及び、(a−2)重合開始能を有する絶縁層から選択される1層以上が、導体膜を形成する部分のみに形成されることを特徴とする<3>乃至<10>のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
<12> 前記穴の形成領域が、前記(c)化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、(b)化学活性点発生層、及び、(a−2)重合開始能を有する絶縁層から選択される1層以上の非形成領域である<3>乃至<11>のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
<13> 前記(d)導体層をパターニングして配線層を形成した後、配線層の非形成領域における(c)化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層を除去、もしくは、不活性化する工程を有する<3>乃至<11>のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
ここで、(a)絶縁層の形成工程と(b)化学活性点発生層の形成工程とは同時であってもよく、(a)絶縁層の形成工程の後、(b)化学活性点発生層の形成工程がなされてもよい。また、(a)絶縁層の形成工程、もしくは(b)化学活性点発生層の形成工程と(c)反応性高分子化合物含有層の形成工程とは、同時であってもよく、(a)絶縁層の形成工程、及び、(b)化学活性点発生層の形成工程の後で(c)反応性高分子化合物含有層の形成工程がなされてもよい。
また、(c)反応性高分子化合物含有層の形成工程終了後に、めっき処理により(d)導体層を形成する工程が実施されてもよい。
本発明の多層配線板の製造方法を適用することで、絶縁層との密着性に優れた導体層を任意の基板上、或いは、絶縁膜上に形成された配線上に、容易に形成することができる。
本発明の多層配線板製造方法によれば、金属導体パターン形成後、ソルダーレジスト形成工程や保護膜形成工程、表面処理工程、外形加工工程を経て最終的なプリント配線板などの多層配線基板を製造することができる。
また、全面に反応性高分子化合物含有層を形成し、エネルギー付与(露光)を全面に行うことにより、プリント配線板などの形成に有用な銅張り積層板に代表される絶縁膜表面の全面にわたって導体層を形成してなる導電性材料を形成することができ、このような導電性材料は、サブストラクティブ法による配線基板の材料として使用することも可能である。
本発明によれば、パターン露光を行うことにより、任意の領域に導体層を形成するための反応性高分子化合物含有層を形成することができる。この応用として、任意の配線をパターン露光により作製すること、或いは、穴あけ部など金属配線をつくりたくない領域には、予め反応性高分子化合物含有層を形成せず、シード層を形成しないことも可能である。穴あけ部に導体層を形成しないことで、容易に穴あけが行え、且つ、導電性材料の無駄を省くことができる。さらに、穴あけ工程の後に、穴の底面や側面に該反応性高分子化合物含有層を形成し、そこに導電性材料やその前駆体などのシードを付与することで、ビア部にめっき処理により容易に導体層を形成することも可能である。
本発明によれば、絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さい導電性層を任意の固体表面に容易に形成してなる多層配線基板を作製することができる。
また、前記本発明の多層配線基板の製造方法を用いることで、基板上に、絶縁膜との密着性に優れた高精細の配線を有する多層配線基板を容易に形成することができ、そのような配線基板は、プリント配線板を回路として備えた種々の電子機器、電気機器に有用である。
本発明により得られたプリント配線板は、高周波特性に優れた微細な配線パターンを有するという利点をも有するものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る多層配線基板の構成としては、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板において、もととなる基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、基材表面から電気的な絶縁性を有する(a)絶縁層、該(a)絶縁層の上に、該電気的絶縁層および導体層との相互作用のある反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる(b)化学活性点発生層、該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる(c)反応性高分子化合物含有層、及び(d)導体層の順で構成される配線形成層の構成を少なくとも2層有することを特徴とする。
また、(a)絶縁層自体が、直接(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる重合開始能を有してする(a−2)重合開始能を有する絶縁層であれば、前記(b)化学活性点発生層は特に必要ではない。
また本発明に係る配線基板の製造方法としては、特に電気的絶縁層を層間に介在させて配線層を積層することにより配線基板を製造する方法、および絶縁性の基板に配線層を形成することにより配線基板を製造する方法に関するものであり、特に電気的絶縁層の表面部にめっきを施して導体層を被着形成する配線基板の製造方法に関するものである。
本発明に係る配線基板の製造方法の詳細としては、もととなる基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面、もしくは両面の表面に、(I)電気的絶縁層形成材料を何らかの方法、例えば、塗布法や転写法にて付着させ、エネルギーを付与して硬化することで絶縁層を形成する工程、(II)該絶縁層上に、絶縁層及び導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる化学活性点発生層を設ける工程、(III)該化学活性点発生層上に、導体層を設けるための導電性材料或いはその前駆体を付着しうる反応性高分子化合物含有層を設ける工程、(IV)該反応性高分子化合物含有層と該化学活性点発生層との間に相互作用を形成させ、これらを密着させる工程、(V)回路基板の所定の配線パターンと接続するために絶縁層、化学活性点発生層及び反応性高分子化合物含有層からなる積層体に穴をあける工程、(VI)該反応性高分子化合物含有層の高分子化合物に導電性材料或いはその前駆体を付与する工程、(VII)反応性高分子化合物含有層に付与した導電性材料或いはその前駆体を利用してめっきを施し導体層を形成する工程、(VIII)穴部に導電性材料を付与して複数の配線間を接続する工程、及び、(IX)導体層形成後に加熱処理する工程を、必要に応じて順不同で経ることを特徴とする。
各工程は必要であれば順次おこなっても同時におこなってもよいし、不要であれば省くことができるが、(I)電気的絶縁層の形成工程と同時もしくは後の工程で(II)化学活性点発生層の形成工程がなされること、(I)電気的絶縁層の形成工程もしくは(II)化学活性点発生層の形成工程と同時もしくは後の工程で(III)反応性高分子化合物含有層の形成工程がなされること、(III)反応性高分子化合物含有層の形成工程より後の工程で(VII)めっきにより導体層を形成する工程がなされることを特徴としている。
以下では各層の構成要素および各工程について詳細に述べる。
<基材>
本発明で用いられる、もととなる基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板とは、一般的にはコア基板、内層回路基板と呼ばれるものである。
基板、あるいは内装回路基板において回路が設けられる基板としては、ガラスエポキシや金属、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、紙、ガラスクロス、ガラス不織布、液晶ポリマー等の基材からなる基板、樹脂としてのフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等を用いて形成された基板、シリコーン基板、セラミック基板などがあり、回路基板とは、これらの基材(基板)に、配線の形成された銅張積層板などが挙げられる。
絶縁層を形成する基材、或いは、回路表面は、予め粗化処理されていても、処理されてなくてもよい。
また、近年はコアなし基板として、ガラスクロスや不織布をいれていない絶縁膜を重ねたものを使用する場合もある。また、使用目的によりフレキシブルプリント基板やそれらに用いられるポリイミドや液晶ポリマーなどの樹脂フイルムベースを用いることもできる。
また、これらの基板は、均一な表面をつくる、或いは、上層となる絶縁層との密着性を向上させる、などの目的で、微細な凸凹を形成するための研磨工程を経たものであってもよい。
研磨工程としては、バフ研磨、ベルト研磨、パミス研磨等の機械研磨が挙げられる。更に、これら機械研磨に代えて化学研磨や化学機械研磨、電解研磨等をおこなったものを用いてもよい。
既に配線基板が存在する回路基板上に後述する絶縁層を形成する場合には、銅表面の酸化膜をとるエッチング工程を併用してもよい。また、導体回路表面は黒化処理のような処理をあらかじめ行ってもよい。
<(a)絶縁層>
本発明における電気的絶縁層の形成には、主に従来の多層積層板、ビルドアップ基板、もしくはフレキシブル基板として用いられてきた公知の絶縁性樹脂組成物が用いられる。この絶縁性樹脂組成物には、主たる樹脂に加え、目的に応じて種々の添加物を併用することができる。
例えば、絶縁層の強度を高める目的で、多官能のアクリレートモノマーを添加する、絶縁体層の強度を高め、電気特性を改良する目的で、無機、もしくは有機の粒子を添加する、などの手段をとることもできる。
なお、本発明における「絶縁性樹脂」とは、公知の絶縁膜に使用しうる程度の絶縁性を有する樹脂であることを意味するものであり、完全な絶縁体でないものであっても、目的に応じた絶縁性を有する樹脂であれば、本発明に適用しうる。
絶縁性樹脂の具体例としては、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよく、例えば熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シソシアネート系樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。そのほかの熱可塑性樹脂としては、(1)1,2−ビス(ビニルフェニレン)エタン樹脂(1,2−Bis(vinylphenyl)ethane)もしくはこれとポリフェニレンエーテル樹脂との変性樹脂(天羽悟ら、Journal of Applied Polymer Science Vol.92,1252−1258(2004)に記載)。(2)液晶性ポリマー、具体的にはクラレ製のベクスター など。(3)フッ素樹脂(PTFE)、などがある。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これはそれぞれの欠点を補いより優れた効果を発現する目的で行われる。例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)などの熱可塑性樹脂は熱に対しての耐性が低いため、熱硬化性樹脂などとのアロイ化が行われている。たとえばPPEとエポキシ、トリアリルイソシアネートとのアロイ化、あるいは重合性官能基を導入したPPE樹脂とそのほかの熱硬化性樹脂とのアロイ化として使用される。またシアネートエステルは熱硬化性の中ではもっとも誘電特性の優れる樹脂であるが、それ単独で使用されることは少なく、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、熱可塑性樹脂などの変性樹脂として使用される。これらの詳細に関しては電子技術 2002/9号 P35 に記載されている。また熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂を含み、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂および/またはポリエーテルスルフォン(PES)を含むものも誘電特性を改善するために使用される。
絶縁性樹脂組成物には、架橋を進めるために重合性の二重結合を有する化合物のようなもの、具体的にはアクリレート、メタクリレート化合物を含有していてもよく、特に多官能のものが好ましい。そのほか、重合性の二重結合を有する化合物として熱硬化性樹脂、もしくは熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、樹脂の一部を(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。
本発明における絶縁性樹脂組成物には、樹脂被膜の機械強度、耐熱性、耐候性、難燃性、耐水性、電気特性などの特性を強化するために、樹脂と他の成分とのコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、紙、ガラス繊維、シリカ粒子、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
更に、この絶縁性樹脂組成物には必要に応じて一般の配線板用樹脂材料に用いられる充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラーを一種または二種以上配合してもよい。
また、更にこの絶縁性樹脂組成物には必要に応じて着色剤、難燃剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、などの各種添加剤を一種または二種以上添加してもよい。
これらの材料を添加する場合は、いずれも、樹脂に対して、1〜200質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%の範囲で添加される。この添加量が、1質量%未満である場合は、上記の特性を強化する効果がなく、また、200質量%を超えると場合には、樹脂特有の強度などの特性が低下する。
本発明の多層配線基板に用いられる配線構造は、(a)絶縁層、(b)化学活性点発生層、(c)反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる積層構造を有するものであるが、(a)絶縁層と(c)反応性高分子化合物含有層とを密着させるために直接相互作用させたい場合は、(a)絶縁層にエネルギー付与時に(c)反応性高分子化合物含有層との間で相互作用を形成しうる活性点を発生させる化合物を添加して、(a−2)重合開始能を有する絶縁層を形成すればよい。この場合、(b)化学活性点発生層は特に必要ではない。なお、この(a−2)重合開始能を有する絶縁層は、重合開始能を有する絶縁樹脂材料を用いる、絶縁樹脂材料に重合開始能を有する化合物を含有させるなどして得られるものであり、本発明の(a)絶縁層に包含され、以下、これらを併せて単に「(a)絶縁層」と称する場合がある。
(a−2)重合開始能を有する絶縁層に含まれ得る、(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる活性点を発生させる化合物の例としては、熱重合開始剤、光重合開始剤のいずれも使用することができる。熱重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリルなどのような過酸化物開始剤、およびアゾ系開始剤などを使用することができる。また光重合開始剤としては後述するような公知のものが使用され、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。また、エネルギー付与により(a)絶縁層自体が、(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用する活性点を生成しうる材料からなる(a−2)重合開始能を有する絶縁層である場合は、特別にこれらの活性種を発生しうる化合物を添加しなくてもよい。
低分子の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。また、感度を高める目的で光ラジカル重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
高分子光ラジカル発生剤(高分子光重合開始剤)としては、例えば、特開平9−77891号、特開平10−45927号に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物を使用することができる。
絶縁樹脂中に含有させる重合開始剤の量は、使用する表面グラフト材料の用途に応じて選択されるが、一般的には、絶縁層中に固形分で0.1〜50質量%程度であることが好ましく、1.0〜30.0質量%程度であることがより好ましい。
本発明における絶縁層の厚みは、一般に、1μm〜10mmの範囲であり、10μm〜1000μmの範囲であることが好ましい。
形成される導体層の物性を向上させる観点からは、絶縁樹脂からなる絶縁膜は、JIS B 0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下であるものを用いることが好ましく、Rzが1μm以下であることがより好ましい。基板の表面平滑性が上記値の範囲内、即ち、実質的に凹凸がない状態であれば、回路が極めて微細な(例えば、ライン/スペースの値が25/25μm以下の回路パターン)プリント配線板を製造する際に、好適に用いられる。
(絶縁層の形成)
絶縁層は、もととなる基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面、もしくは両面の表面に塗布法、転写法、もしくは印刷により形成される。
(1.転写法)
電気的絶縁層を転写により形成する場合は、あらかじめ電気的絶縁層を形成する前記の成分を適切な溶媒に溶解、もしくはワニス状にすることにより、塗工性を向上させるように調製された塗布液を、支持体上に塗布、乾燥することで絶縁層形成用フィルムを形成し、これを転写することによって形成できる。絶縁層形成用フィルムはフィルム状に予め成形されるため、厚さ精度が高く、取り扱い性、位置合わせ精度等が向上され、各種電子部品用の絶縁層形成用フィルムや層間接着フィルム等として好適に使用できる。
フィルム成形に使用しうる溶媒としては、一般的な有機溶媒が使用される。有機溶媒は親水性の溶媒、疎水性の溶媒いずれも使用することができるが、絶縁性樹脂組成物層を形成する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒が有用である。具体的にはメタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。更にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等も使用できる。更に通常溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ナフタレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる
塗布液、もしくはワニス化のための溶剤の配合量は絶縁性樹脂組成物100重量部に対して、塗布液、もしくはワニスの粘度と作業性、塗工性、および乾燥時間と作業効率の観点から5重量部以上、2000重量部以下であることが好ましく、10〜900重量部であることがより好ましい。また、組成物の塗布性、作業性、乾燥時間などの観点から組成物の年度は好ましくは5〜5000cps、より好ましくは10〜2000cps、更に好ましくは10〜1000cpsであることが好ましい。
樹脂組成物のワニスを調製する方法としては、ミキサー、ビーズミル、パールミル、ニーダー、三本ロールなどの公知の方法を用いて調製できる。各種の配合成分は全てを同時に添加してもよいし、添加順序を適宜設定してもよいし、また、必要に応じて、一部の配合成分を予め予備混練してから添加してもよい。
フィルム化のための支持体上への塗布は常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、など公知の塗布方法が挙げられる。
溶剤の除去方法は特に限定されないが、溶媒の蒸発により行なうことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が考えられる。中でも生産効率、取り扱い性の点から加熱して蒸発することが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発することが更に好ましい。例えば次に述べる支持体の片面に塗工し、80℃〜200℃で0.5分から10分間加熱乾燥させて溶剤を除去することにより、半硬化状のべたつきのない状態のない状態のフィルムとすることが好ましい。
支持体に用いうるベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。支持体の厚みとしては2〜200μmが一般的であるが、5〜50μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。支持体として用いられるシートが厚すぎると、この積層体を用いて実際に配線を形成する際、特に、この積層体を所定の基板上、或いは、配線上にラミネートする際のハンドリング性等に問題がでることがある。
なお、支持体を構成するシート表面にはマット処理、コロナ処理のほか、離型処理がほどこしてあっても良い。更に保護層を形成することもある。保護層を形成する樹脂フィルムとしては、支持体に用いたものと同じ素材のものを用いても、異なった素材のものを用いても良い。好適に使用されるものとしては、前記支持体と同様、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。
保護層(保護フィルム)の厚みとしては2〜150μmが一般的であるが5〜70μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。また、保護フィルムの厚みと支持ベースフィルムの厚みはどちらかが他方よりも厚くなっても良い。
保護フィルムにはマット処理、エンボス加工の他、離型処理が施してあっても良い。
支持体の幅を、絶縁膜、或いは高分子前駆体層の幅よりも5mm程度長くすることで、他の層とのラミネートを行う場合に、ラミネート部の樹脂付着を防止することができ、また、使用時の支持ベースフィルムの剥離が容易になるなどの利点が得られる。
ラミネートは減圧下、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよく、片面づつラミネートしても両面同時にラミネートしてもよいが、両面同時にラミネートするのが好ましい。上記の如きラミネート条件は、本発明における常温固形の絶縁樹脂層を構成する組成物の熱時溶融粘度、厚さと内層回路基板のスルーホール径、深さ及び/又は表面ビアホール径、深さにより異なるが、一般的に圧着温度が70〜200℃、圧着圧力が1〜10kgf/cmであって、20mmHg以下の減圧下で積層するのが好ましい。スルーホール径が大きく深い、つまり板厚が厚い場合には樹脂組成物が厚く、高温および/又は高圧でのラミネート条件が必要になる。
一般的には板厚は1.4mm程度以下、スルーホール径は1mm程度以下までが良好に樹脂充填できる。また、ラミネート後の樹脂組成物の表面平滑性は支持ベースフィルムが厚いほど優れるものの、回路パターン間にボイドなく樹脂を埋め込むには不利となるので、支持ベースフィルムは導体厚±20μmであるのがこのましい。しかしながら、内層回路の導体厚が厚いためパターン上の樹脂の表面平滑性や厚みが十分でなかったり、スルーホール、表面ビアホールの径が大きく深いために穴上にくぼみを生じるような場合には、その上に更に本発明の多層プリント配線板用積層体をラミネートすれば各種の導体厚、板厚に対応することが可能である。ラミネート後は室温付近にまで冷却してから支持ベースフィルムを剥離する。
ラミネートで転写する場合には温度80℃〜250℃が好ましく、更に好ましくは100℃〜200℃が好ましく更に好ましくは110℃〜180℃であることが好ましい。また、かける圧力は0.5〜3MPaが好ましく、更に好ましくは0.7〜2MPaが好ましい。また、圧力をかける時間としては10秒から1時間が好ましく、更に好ましくは15秒から30分が好ましい。また、ラミネートでの密着を向上させるために真空ラミを行うのが好ましく、更には微細配線を形成する場合はクリーンルーム内でラミネート化合を行うのが好ましい。
(2.塗布法・印刷法)
電気的絶縁層を塗布または印刷で設ける場合は、前記電気的絶縁層を形成する塗布液を前記もととなる基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面、もしくは両面の表面に塗布または印刷を所定の厚みになるまで繰り返すことによってもうけても良い。
塗布は前記支持体上に塗布した場合と同様に常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、ディスペンサー法など公知の塗布方法が挙げられる。また、印刷で行う場合は通常のグラビア印刷のほか、インクジェット法などの方法で印刷することもできる。
また、電気的絶縁層は基板上に形成後、何らかのエネルギーを与えて硬化処理工程をおこなってもよい。与えるエネルギーとしては光、熱、圧力、電子線などがあげられるが今回の実施形態においては熱または光が一般的であり、熱の場合は100℃〜300℃の熱を10分〜120分加えることができる。加熱硬化の条件は内層回路基板の材料の種類、プリント配線板用積層体を構成する樹脂組成物の種類、等で異なり、これらの形成素材の硬化温度にもよるが、更に好ましくは120〜220℃で20分〜120分の範囲で選択される。
この硬化処理工程は電気的絶縁膜形成後すぐにおこなっても、後のいろいろな工程を行ったあと行ってもよい。
<(b)化学活性点発生層>
本発明で用いられる化学活性点発生層は、前記(a)絶縁層と密着できる絶縁樹脂組成物、および次のエネルギー付与工程により後述する(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用し化学的な結合を形成する活性点を発生させて(c)反応性高分子化合物含有層と密着することができる化合物を含む。特に、前記(a)絶縁層が「重合開始能を有さない」層である場合、この(b)化学活性点発生層が重要となる。
化学活性点発生層を構成する絶縁樹脂組成物は電気的絶縁層を形成する化合物と異なっていても同じでもよいが、電気的絶縁層との密着性を向上させるためと、層形成後、配線形成後等に行われるアニール処理や半田リフロー処理などの熱履歴時の応力がかかることを防止する目的で少なくとも1種以上は電気的絶縁層を形成する化合物と同じものを使用することが好ましく、加えてガラス転移点や弾性率、線膨張係数といった熱物性的に近いものを使用することが好ましい。
エネルギー付与工程により(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成して化学的な結合を形成する活性点を発生させて(c)反応性高分子化合物含有層と密着することができる化合物を含む以外は(a)電気的絶縁層と同じ構成にしてもよい。
エネルギー付与により(c)反応性高分子化合物含有層に含まれる高分子化合物と相互作用を形成し化学的な結合を形成する活性点を発生させうる化合物の例としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、いずれも使用することができる。
これらの例として前記(a)絶縁層の項で述べたものを使用することができる。また、エネルギー付与により(b)化学活性点発生層が(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成する活性点を生成しうる場合には、特別にこれらの活性種を添加しなくてもよい。
(b)化学活性点発生層には、さらに、熱処理時に応力を緩和させることができるゴム、SBRラテックスのような物質を添加することもできる。また、(b)化学活性点発生層は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記化合物に加え、目的に応じて、例えば、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などの種々の化合物を含有することができる。
(b)化学活性点発生層の厚みとしては、0.1〜10μm程度が好ましく、0.3〜7μmが更に好ましく、0.5〜5μmが更に好ましい。この膜厚の範囲において、十分な密着強度が達成され、効率的な相互作用形成が行われる。
(b)化学活性点発生層の形成方法としては前記(a)絶縁層と同様に塗布、転写、印刷などの方法により形成することができる。また、塗布で(b)化学活性点発生層を設ける場合、(a)絶縁層と同時に塗布しても、更に(a)絶縁層と(c)反応性高分子化合物含有層と3層同時に塗布しても、(a)絶縁層形成後、逐次塗布して形成してもよい。同様に転写で形成する場合は支持体上に(b)化学活性点発生層、(a)絶縁層の2層構成の転写フイルム、もしくは(c)反応性高分子化合物含有層、(b)化学活性点発生層、(a)絶縁層の3層構成の転写フイルムを作製し、ラミネート法によって一度に転写してもよい。また、塗布溶剤としては前記(a)絶縁層の塗布の際使用したような溶剤がすべて使用できる。
また、(b)化学活性点発生層を形成する組成物の粘度も前記電気的絶縁層を形成する際用いた範囲が好ましい。塗布の方法としては前記電気的絶縁層を形成するところで述べた一般的な方法を使用することができる。また、印刷で形成する場合は印刷で行う場合は通常のグラビア印刷のほか、インクジェット法などの方法で印刷することもできる。印刷法やインクジェット法などの方法で電気的絶縁膜の上に印刷する場合は後の工程で導体をつけたくない部分には印刷をせずに作成することもできる。
また、(b)化学活性点発生層形成後、何らかのエネルギーを与えて硬化処理工程をおこなってもよい。与えるエネルギーとしては光、熱、圧力、電子線などがあげられるが今回の実施形態においては熱または光が一般的であり、熱の場合は100℃〜300℃の熱を10分〜120分加えることができる。この硬化処理工程は(b)化学活性点発生層形成後すぐにおこなっても、後のいろいろな工程を行ったあと行ってもよい。
更に必要に応じて電気的絶縁層形成後、もしくは(b)化学活性点発生層形成後乾式及び/又は湿式法により表面を粗化してもよい。乾式粗化法としてはバフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。本発明においては必ずしも十分な粗化は必要ではなく、スルーホール及び/又はビアホール部にレーザー及び/又はドリルによる穴あけの際に生じるスミアを除去できる程度で良い。
<(c)反応性高分子化合物含有層>
本発明における(c)反応性高分子化合物含有層は、(d)導体層を設けるための、導電性材料やその前駆体、めっき触媒などの、導体層形成のシードとなる物質を付与できる官能基をもつ高分子化合物を含有し、かつ、(a)絶縁層(詳細には、(a−2)重合開始能を有する絶縁層)、もしくは(b)化学活性点発生層にエネルギー付与する際に発生する活性点と化学結合を作りうる反応性の官能基を持つ化合物を含有する。なお、一つの高分子化合物が、シードとなる物質を付与しうる官能基と結合を形成しうる官能基の双方を有するものを用いることも好ましい。(c)層に含まれる高分子化合物としては、具体的には、露光などのエネルギー付与によりグラフトポリマーを生成させうる化合物(重合性化合物)、或いは、エネルギー付与により隣接する層との間で架橋構造などを形成し、両者の密着性を向上しうる化合物などの反応性化合物が挙げられ、これら反応性化合物により生成される高分子化合物は、同時に、導電性素材を付着させ得ることが好ましいため、前記反応性は、重合反応あるいは架橋構造形成可能であって、且つ、絶縁性樹脂組成物層への結合に必要な部分構造、例えば、「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」などと、後述する導電性素材をグラフトポリマーに付着させるために必要な「導電性素材と相互作用可能な官能基」の双方を有する化合物を用いることが好ましい。
反応性化合物のなかでも代表的なものとして、重合反応可能な重合性化合物を挙げることができる。重合性化合物は、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物である。
「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」を含む官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、などが挙げられる。このうち、アクリロイル基、メタクリロイル基は反応性が高く、良好な結果が得られる。
ラジカル重合可能な不飽和化合物としては、ラジカル重合性基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基を有するモノマー、マクロマー、重合性不飽和基を有するオリゴマー、ポリマーなどを使用することができる。
また、反応性化合物の他の態様としては、分子内に反応性の活性基、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、アゾ化合物における活性基などを有するオリゴマーもしくはポリマー化合物、或いは、架橋剤と架橋性化合物との組合せなどが挙げられる。
反応性化合物としては上記官能基をもち、かつ重量平均分子量が1000以上のものを使用することがより好ましく、更に好ましくは2000以上のものを使用することが好ましく、更にこのましくは3000以上のものを使用することが好ましい。また、重量平均分子量は30万以下が好ましく、より好ましくは20万以下であり、15万以下であることがさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲において、(c)反応性高分子化合物含有層を形成した際、反応性化合物が(b)化学活性点発生層に拡散したり、蒸散したりする事態が抑制され、均一な露光が可能となる。さらに、活性点に対する反応性に優れ、(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層との十分な密着が達成される。
このよう高分子化合物は、その反応性基により、部分的に(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層と化学結合を形成することにより十分な密着性を達成するが、通常の重合性モノマーや架橋性モノマーを塗布して形成する反応性高分子化合物含有層に比較し、隣接する層との結合点が少なく、反応性の高分子化合物自体の運動性がある程度維持されることから、導電性材料を付与しうる官能基が効率よく、多量に導電性材料類を付着させうるという利点を有する。
(c)反応性高分子化合物含有層は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記反応性化合物に加え、目的に応じて、例えば、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などの種々の化合物を含有することができる。反応性化合物は(c)反応性高分子化合物含有層が形成されて、エネルギー付与がなされる前の状態で50重量%以上が好ましく、より好ましくは60重量%以上が好ましく、よりこのましくは70重量%以上が好ましい。50重量%以下の場合、活性点に対する反応が損なわれ本発明の効果を損なう結果となる。
反応性化合物は、さらに、導電性材料を付着させうる部分構造である導電性素材と相互作用可能な官能基を有することが必要である。
導電性素材と相互作用可能な官能基とは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有する官能基、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基が挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基などの非イオン性の極性基も用いることもできる。
(c)反応性高分子化合物含有層の厚みとしては0.1〜5μm程度が好ましく、0.2〜3μmが更に好ましく、0.5〜2μmが更に好ましい。(c)反応性高分子化合物含有層の厚みをこの範囲とすることで、十分な密着強度が達成され、且つ、当該層の適正な強度が実現する。
(c)反応性高分子化合物含有層の形成方法としては前記電気的絶縁層と同様に塗布、転写、印刷などの方法により形成することができる。また、塗布で(c)反応性高分子化合物含有層を設ける場合、(b)化学活性点発生層と同時に重層塗布しても、(a)電気的絶縁層と(b)化学活性点発生層とともに3層同時に塗布しても、(a)絶縁層形成後もしくは(b)化学活性点発生層形成後、逐次で塗布して形成してもよい。同様に転写で形成する場合は支持体上に(c)反応性高分子化合物含有層、(b)化学活性点発生層の2層構成の転写フイルム、もしくは(c)反応性高分子化合物含有層、(b)化学活性点発生層、(a)絶縁層の3層構成の転写フイルムを作成し、ラミネート法によって一度に転写してもよい。
塗布の方法としては前記(a)絶縁層形成の説明で述べた一般的な方法を使用することができる。
塗布に使用できる溶剤は水もしくは有機溶剤が使用され、具体的には、水、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。更にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等も使用できる。更に通常溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ナフタレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なかでも、(a)電気的絶縁層、もしくは(b)化学活性点発生層の表面を平滑にたもつため、(a)電気的絶縁層もしくは(b)化学活性点発生層を溶解しにくい溶剤、もしくはこれらの層に含まれる活性種を抽出しにくい溶剤の組み合わせが好ましい。
また、塗布液の粘度は好ましくは1〜2000cps、より好ましくは3〜1000cps、より好ましくは5〜700cpsに調整される方が、より精密に膜厚を制御できるという点で好ましい。
印刷法により層形成する場合は印刷で行う場合は通常のグラビア印刷のほか、インクジェット法などの方法で印刷することもできる。印刷法やインクジェット法などの方法で(a)電気的絶縁膜の上もしくは(b)化学活性点発生層の上に印刷する場合は後の工程で導体をつけたくない部分には印刷をせずに作成することもできる。
本発明では(c)反応性高分子化合物含有層は(a)絶縁層もしくは(b)化学活性点発生層に発生した活性点と何らかの相互作用をさせて密着させることができる。この相互作用の例としては、分子間相互作用、イオン結合、化学結合、相溶構造の形成などが考えられるが、中でも化学結合を利用するものが、密着強度が高く好ましい。
(エネルギー付与)
(a)絶縁層もしくは(b)化学活性点発生層に活性点を発生させる方法としては、光、電磁波、電子線、放射線などのエネルギー線照射や熱エネルギー、圧力エネルギーの付与などが考えられる。具体的な例としては紫外光照射や赤外線照射、プラズマ照射、X線照射、アルファ線照射、ガンマ線照射などが挙げられる。なかでもエネルギー線照射や熱エネルギーが活性点を発生させる方法として好ましく、更に好ましくは紫外光などの照射が簡便な装置でエネルギーを与えることができ好ましい。また、電気的絶縁層や密着補助層に特別な活性種生成化合物を混合しなくても、短波の紫外光や電子線照射、プラズマ照射などで高エネルギーを与えてやれば活性点を発生させてやることが可能である。
また、エネルギー照射としては光のようなエネルギーを(c)反応性高分子化合物含有層の側から与えてやっても、反対の基板側から与えてやっても、また、熱エネルギーのように全体を加熱することで与えてやってもよいが、下層に既に電気配線のあるような場合に光エネルギーを与える場合には(c)反応性高分子化合物含有層の上部より与えることが好ましい。また、(c)反応性高分子化合物含有層と(a)絶縁層が重層されている、もしくは(c)反応性高分子化合物含有層と(b)化学活性点発生層が重層されている、もしくは(c)反応性高分子化合物含有層と(b)化学活性点発生層と(a)絶縁層が重層されている転写シートをもとの基板もしくは配線の形成してある基板に転写してこれらの層を形成する場合は、転写したあとでエネルギーを与えても転写する前にエネルギーを与えてもよく、転写する前に光エネルギーを付与する場合は保護フイルム側から与えても、支持体側からあたえてもよい。また、与えるエネルギー量としては活性点が発生し、(c)反応性高分子化合物含有層と相互作用し化学結合を形成する量を適宜与えることができる。こうして(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層と(c)反応性高分子化合物含有層と密着させることができるが、このような例としては(b)化学活性点発生層に活性点を発生させるラジカル発生剤を混合しておき、(c)反応性高分子化合物含有層にラジカル重合可能な不飽和二重結合と導電性素材と相互作用可能な官能基とを併せ持つ反応性化合物を含ませることにより、エネルギー照射時に(b)化学活性点発生層の表面に活性点としてラジカルが発生し(c)反応性高分子化合物含有層に含まれる反応性化合物がグラフトとして化学結合をつくるような例が挙げられる。
熱もしくは光などの輻射線の照射によりエネルギー付与が行われる場合には、熱としてヒーター、赤外線による加熱が使用される。また光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、LED等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
また、導体層を形成したくなり領域、例えば、ビア(穴)形成予定領域のような部分には、エネルギーを与えないようにすることにより、任意に(c)反応性高分子化合物含有層と(b)化学活性点発生層もしくは電気的絶縁層との密着のための結合を形成しないようにすることも可能である。このように局所的にエネルギー付与を行う方法としては、例えば、光照射時にマスクを介する、走査露光を行うなどの方法が挙げられる。
逆に全面にエネルギーを付与することにより全面に(c)反応性高分子化合物含有層を形成し、該高分子化合物に導電性材料のシードを付着させることにより、全面に導体層を形成することもできる。
また、本発明の製造方法では、エネルギーを付与して(c)反応性高分子化合物含有層を(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層に密着させたあと、密着に寄与しない未反応の(c)反応性高分子化合物含有層に含まれる各成分や、(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層と結合をつくりえなかった(c)反応性高分子化合物含有層形成用組成物を除去する工程(現像工程)を行うことができる。
これは一般的には(c)反応性高分子化合物含有層を溶解させることができ、且つ、(a)絶縁層や(b)化学活性点発生層を溶解させないような溶剤で行われる。具体的には、水、アルカリ性現像液、有機溶剤系現像液などが用いられる。この現像方法としては前記溶剤につけて攪拌する方法やシャワーなどの圧力洗浄などの方法などがとられることが多い。
また、(c)反応性高分子化合物含有層を形成し、前記エネルギー照射によって(b)化学活性点発生層もしくは(a)絶縁層と密着させた後、上記方法で余分な(c)反応性高分子化合物含有層を除去し、更に(c)反応性高分子化合物含有層とシード化合物との密着性を向上させるために、プラズマ処理、紫外線処理などを併用してもよい。
また、本発明の方法においては、多層配線板の形成において必要とされる、形成される導体層と下層もしくはもととなる基材側の配線もしくは裏面側の配線と接続するための穴あけ工程を行うことができる。穴あけ方法としてはドリル加工が一般的であるが、微細加工の際にはレーザー加工等でビア(穴)があけられる。
穴あけ工程に用いるレーザとしては、発振波長が紫外光領域から赤外光領域までのいずれかの波長であっても用いることができる。なお、ここで上記紫外光領域とは50〜400nmの範囲の波長領域をいい、赤外光領域とは750nm〜1mmの範囲の波長領域をいう。用い得るレーザとしては、紫外線レーザ、炭酸ガスレーザなどが挙げられる。
上記紫外線レーザとしては、発光波長領域が、通常、180nm〜380nm、好ましくは200nm〜380nm、より好ましくは300nm〜380nmである。紫外線レーザを得るためのレーザの例として、Ar、N、ArF、KrF、XeCL、XeF、He−Cd、He−Neなどの気体レーザ;YAG、NdYAG、Ndガラス、アレキサンドライトなどの固体レーザ;有機溶剤に溶かした色素を用いる色素レーザなどが挙げられる。
特に高出力エネルギー発振が可能で、長寿命で、レーザ装置を安価に維持可能なYAGレーザ、NdYAGレーザが好適である。紫外線領域の発振波長として、これらレーザの高調波が好適に用いられる。レーザ高調波は、例えばYAGレーザなどで1.06μmのレーザ光(基本波)を発振させ、このレーザ光を、光路方向に所定の間隔をもって並列する二つの非線形結晶(LBO結晶)に通すことによって、波長0.53μmのSHG光を経て、波長0.355μmのTHG光(紫外線)に変換することによって得られる。このような高調波を得るための装置としては特開平11−342485号公報などに開示されているレーザ加工機が挙げられる。
レーザは、連続的に又は断続的に照射することができるが、単パルスで断続的に照射する方法をとることが、クラック発生が防止できる点で好ましい。単パルス照射における照射回数(ショット数)は、通常5〜100回、好ましくは10〜50回である。照射回数が増えると加工時間が長くなり、クラックも発生しやすい傾向になる。パルス周期は、通常3〜8kHz、好ましくは4〜5kHzである。炭酸ガスレーザは分子レーザであり、電力からレーザ光に変換する効率が10%以上であり、発振波長は10.6μmで数十kWもの大出力を発生させることができる。通常、20〜40mJ程度のエネルギーを有し、約10−4〜10−8秒程度の短パルスで実施する。
ビア形成に必要なパルスのショット数は、通常、約5〜100ショット程度である。形成される孔は、スルーホール及びブラインドビアホールとして利用される。
孔の底部分の内径(d1)と孔の入り口(表面)部分の内径(d0)との比率(孔径比:d1/d0×100[%])は、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上である。また、d0は10〜250μmの範囲が好ましく、20〜80μmの範囲がより好ましい。この孔径比が大きいものは、絶縁層間の導通不良を起こし難く、多層回路基板としての信頼性が高い。
本発明の穴あけ工程は(a)絶縁層形成後でも、(b)化学活性点発生層形成後でも、(c)反応性高分子化合物含有層形成後でも、もしくは後述するシード層形成後や導体層形成後でも行うことができる。
(a)絶縁層形成後に穴あけ工程を行う場合、穴部に後の工程で(b)化学活性点発生層、(c)反応性高分子化合物含有層を転写や塗布により形成することにより、穴部にもシードをつけることができ穴部にも容易に後述する(d)導体層を設けることができる。一方(b)化学活性点発生層形成後、(c)反応性高分子化合物含有層形成後、もしくは後述するシード層形成後や(d)金属導体層形成後に行う場合は、穴部に別途めっきにより導体膜を形成するため、通常行われるコンディショニング処理や触媒付与処理を行う必要がある。
また、この穴あけ工程の後、穴部に残存するスミアを除去するデスミア工程を行ってもよい。これは必要に応じてビア穴部の表面を乾式及び/又は湿式法により粗化することにより行われる。
乾式粗化法としてはバフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。
デスミア工程は絶縁膜にシードを利用して無電解めっきを行い給電層となる金属膜を形成した後に行うこともできる。このデスミア工程には、膨潤工程、エッチング工程、中和工程などが含まれる。例えば、有機溶剤系の膨潤液を用いた60℃5分間の膨潤工程、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸計の中和液を用いて40℃5分間の中和工程などを順次行うことがデスミア工程の代表的な例である。
本発明では、基板や絶縁層表面を粗面化しなくても、金属(導体層)と有機基板の間で十分な密着力が発現するため、導体層形成後、例えば無電解めっき後にデスミア工程を入れた場合、平滑な基板面に金属膜を形成するという特徴が得られ、かつビア穴のスミアを十分除去することができるので好ましい。
また、本発明においては必ずしも十分な粗化は必要ではなく、スルーホール及び/又はビアホール部にレーザー及び/又はドリルによる穴あけの際に生じるスミアを除去できる程度で良い。
<(d)導体層の形成>
導電性材料からなる(d)導体層は、(c)反応性高分子化合物含有層に含まれる高分子化合物の官能基に導電性材料を付与する前処理となるシード(導電性材料あるいはその前駆体など、導体層を形成しうる基礎となる物質)を付与し、その後、シード自体を導体層に変換する方法、シードをベースとして無電解めっきや電気めっきを行う方法などにより形成することができる。
本発明の(c)反応性高分子化合物含有層にシードを付与する工程としては、例えば(c)反応性高分子化合物含有層に含まれる導電性素材と相互作用可能な官能基と相互作用しうる金属からなるイオンを還元し、その金属をめっき触媒として利用して無電解めっきを行う方法、直接還元された金属膜を利用する方法、金属コロイドや金属ナノ粒子、導電性微粒子を相互作用させる方法などが知られている。
金属イオン又は金属塩を付与し、その後、該金属イオン又は該金属塩中の金属イオンを還元して金属を析出させる工程を実施する方法としては、具体的には、導電性素材と相互作用可能な官能基である(1)極性基(イオン性基)を有する化合物からなるグラフトポリマーに金属イオンを吸着させる方法、(2)ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾールなどのように導電性素材と相互作用可能な官能基で金属塩に対し親和性の高い含窒素、含イオウポリマーからなるグラフトポリマーに、金属塩、又は、金属塩を含有する溶液を含浸させる方法がある。(3)(b)化学活性点発生層と密着した(c)反応性高分子化合物含有層に無電解めっき触媒又はその前駆体を付与し、無電解めっきを行う工程においては、無電解めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する(c)反応性高分子化合物含有層を生成させ、該(c)反応性高分子化合物含有層に無電解めっき触媒又はその前駆体を付与した後、無電解めっきを行って金属薄膜を形成する方法をとる。
本工程に用い得る導電性微粒子としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、公知の導電性素材からなる微粒子を任意に選択して用いることができる。例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Crなどの金属微粒子、In、SnO、ZnO、CdO、TiO、CdIn、CdSnO、ZnSnO、In−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、また、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適なものとして挙げられる。導電性微粒子の粒径は0.1nmから1000nmの範囲であることが好ましく、1nmから100nmの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよりも小さくなると、微粒子同士の表面が連続的に接触してもたらされる導電性が低下する傾向がある。また、1000nmよりも大きくなると、極性変換された官能基と相互作用して結合する接触面積が小さくなるため親水性表面と粒子との密着が低下し、導電性領域の強度が劣化する傾向がある。また、1000nmよりも大きくなると、官能基と相互作用して結合する接触面積が小さくなるため粒子との密着が低下する傾向がある。
本工程において、金属塩としては、グラフトポリマー生成領域に付与するために適切な溶媒に溶解して、金属イオンと塩基(陰イオン)に解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Ag、Cu、Al、Ni、Co、Fe、Pdが挙げられ、導電膜としてはAgが、磁性膜としてはCoが好ましく用いられる。
本工程において用いられる無電解めっき触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を相互作用性領域に固定する手法としては、例えば、相互作用性領域中の上の相互作用性基と相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、相互作用性領域に適用する手法が用いられる。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができ、このように荷電を調節した金属コロイドを、(c)反応性高分子化合物含有層が有する相互作用性基(極性基)と相互作用させることで、(c)反応性高分子化合物含有層に金属コロイド(無電解めっき触媒)を付着させることができる。
本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解めっき触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、Agイオン、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、基板へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
本発明における導電性微粒子や金属イオン、金属塩、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体の付与方法としては上記の金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含むその溶液を、(c)反応性高分子化合物含有層に塗布するか、或いは、その溶液中に(c)反応性高分子化合物含有層まで形成済みの基板を浸漬すればよい。金属イオンを含有する溶液を接触させることで、官能基には、金属イオンが吸着することができる。
これら吸着を充分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、10秒から24時間程度であることが好ましく、1分から180分程度であることが更に好ましい。
本発明の例としては電気的絶縁層上に固定された(c)反応性高分子化合物含有層にめっき触媒をつけるために、めっき触媒液(例えば硝酸銀水溶液や錫−パラジウムコロイド溶液)に基板を浸漬する。無電解めっき触媒としては、パラジウム。金、白金、銀、銅、ニッケル、コバルト、錫などの金属美粉末、及び/又はこれらのハロゲン化物、酸化物、水酸化物、硫化物、過酸化物、アミン塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、有機キレート化合物などが挙げられる。また、これらを各種の無機成分に吸着させたものでも良い。この際の無機成分としてはコロイダルシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母等の既述のものの他、アルミナ、カーボンのような微粉末であればどのようなものでも良い。また、この際の微粉末の大きさとしては平均粒子径が0.1〜50μmであるのが好ましい。
前記導電性微粒子や金属イオン、金属塩、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体は1種のみならず、必要に応じて複数種を併用することができる。また、所望の導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いることもできる。
更にめっき触媒液に浸漬した後、余分なめっき触媒液を洗浄により除去する。
本工程において、(c)反応性高分子化合物含有層に吸着又は含浸して存在する金属塩、或いは、金属イオンを還元し、金属(微粒子)膜を成膜するために用いられる還元剤としては、用いた金属塩化合物を還元し、金属を析出させる物性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、次亜リン酸塩、テトラヒドロホウ素酸塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
これらの還元剤は、用いる金属塩、金属イオンとの関係で適宜選択することができるが、例えば、金属イオン、金属塩を供給する金属塩水溶液として、硝酸銀水溶液などを用いた場合にはテトラヒドロホウ素酸ナトリウムが、二塩化パラジウム水溶液を用いた場合には、ヒドラジンが、好適なものとして挙げられる。上記還元剤の添加方法としては、例えば、(c)反応性高分子化合物含有層が存在する電気的絶縁層表面に金属イオンや金属塩を付与させた後、水洗して余分な金属塩、金属イオンを除去した後、該表面を備えた密着補助層付電気的絶縁層をイオン交換水などの水中に浸漬し、そこに還元剤を添加する方法、該密着補助層付絶縁性樹脂層表面上に所定の濃度の還元剤水溶液を直接塗布或いは滴下する方法等が挙げられる。また、還元剤の添加量としては、金属イオンに対して、等量以上の過剰量用いるのが好ましく、10倍当量以上であることが更に好ましい。
前記密着補助層に付与したシード層が十分な導電性を示す場合はこのまま電気めっきを行って導体層を形成してもよいが、金属イオンや無電解めっき触媒をつけただけでは十分な導電性が得られない場合があり、その場合は更に無電解めっき触媒を利用して無電解めっきを行う。
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。無電解めっきはソフトエッチング、酸洗浄を行った後おこなってもよい。更に一般的に市販されている、アクチベーター、アクセラレーターの工程を経ておこなってもよい。
本工程における無電解めっきは、例えば、前記無電解めっき触媒等付与工程で得られた、無電解めっき触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行なう。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体が(c)反応性高分子化合物含有層に付着又は含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬される。この場合には、無電解めっき浴中において、前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここ使用される無電解めっき浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。また、無電解めっき触媒前駆体を還元し、無電解めっき触媒にしたうえで無電解めっき浴に浸漬してもよく、この場合も余分な無電解めっき触媒前駆体などを洗浄などで除去する。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銀、クロム、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銀、銅、金、クロム、ニッケルが特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCu(SO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される導電性膜(金属膜)の膜厚は、めっき浴の金属塩又は金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜3時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
電気的絶縁層を形成する樹脂との密着を向上させるため、無電解めっきはクロムやニッケルで行い、導体層を形成する電気めっきは銅めっきをするというように、無電解めっきで形成される金属と電気めっきで形成される金属とが異なっていてもよい。
また、サブストラクティブ工法に用いられる銅張板を作成する場合はこのあと電気めっき工程を行い導体層を形成してもよい。
電気めっき工程では、前記無電解めっき工程における無電解めっきの後、この工程により形成された金属膜(導電性膜)を電極とし、さらに電気めっきを行うことができる。これにより絶縁性樹脂層との密着性に優れた金属膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、金属膜を目的に応じた厚みに形成することができ、本態様により得られた導電性素材を種々の応用に適用するのに好適である。
本態様における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。電気めっきにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、めっき浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.3μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、本発明における電気めっき工程は、上述したように、パターン状の金属膜を目的に応じた厚みに形成するため以外にも、例えば、電気めっきすることで、IC等の実装に応用しうるようにするなどの目的のために、行うこともできる。この目的で行われるめっきは、銅等で形成される導電性膜や金属パターン表面に対して、ニッケル、パラジウム、金、銀、すず、ハンダ、ロジウム、白金、及びそれらの化合物からなる群から選ばれる材料を用いて行うことができる。
サブトラクティブ法とは、上記手法で電気めっきまで行って作成した金属膜上に、(1)レジスト層を塗布→(2)パターン露光、現像により残すべき導体のレジストパターン形成→(3)エッチングすることで不要な金属膜を除去する→(4)レジスト層を剥離させ、金属パターンを形成する方法を指す。本態様に使用される金属膜の膜厚としては5μm以上であることが好ましく、5〜30μmの範囲であることがより好ましい。
本発明においてはビア穴部により下層もしくはよりもととなる基材側の配線もしくは裏面側の配線と接続する工程をもうけてもよい。この接続は電気的絶縁層形成後ビア穴をあけた場合はその後の工程で(b)化学活性点発生層および(c)反応性高分子化合物含有層を形成した場合は前記無電解めっき工程で同時に穴部もめっきすることができる。一方(b)化学活性点発生層(c)反応性高分子化合物含有層、および導電性層形成後ビア穴部を形成した場合は別途穴部にのみ既存の銅張板を用いてスルーホールにめっきをするのと同様な手法を用いて無電解めっきを施すことにより接続することができる。更に電気めっきを組み合わせることによりめっき金属によりビア穴部を完全にうめてもよい。また、別の接続方法として穴部に印刷法やディスペンザー法、インクジェット法などにより銅、銀、金、などの金属元素を含む、導電性微粒子や金属ナノ粒子、金属ナノペースト、導電性接着剤などを注入し接続をとる方法もとることができる。
更に導体層形成後加熱処理などを行ってもよい。加熱処理工程における加熱温度としては、100℃以上が好ましく、更には130℃以上が好ましく、特に好ましくは180℃程度である。加熱温度は、処理効率や電気的絶縁層の寸法安定性などを考慮すれば400℃以下であることが好ましい。また、加熱時間に関しては、10分以上が好ましく、更には30分〜120分間程度が好ましい。これにより熱硬化性樹脂の硬化が進行し、導体層のピール強度を更に向上させることもできる。
更にセミアディティブ法を用いて導体層の上にめっきレジストをもうけて配線パターンを形成する工程を行うことができる。セミアディティブ法とは、(c)反応性高分子化合物含有層の上に形成した金属膜上に、(1)レジスト層を塗布→(2)パターン露光、現像により除去すべき導体のレジストパターン形成→(3)めっきによりレジストの非パターン部に金属膜を形成する→(4)DFRを剥離させ→(5)エッチングすることで不要な金属膜を除去する、金属パターン形成方法のことである。最初に形成した金属膜を給電層として用いて、電気めっきによりレジストのない部分に導体層を形成する手法である。めっき手法としては前記で説明した、無電解めっき、電気めっきが使用することができる。また、レジスト層を塗布する金属膜の膜厚としては、エッチング工程を短時間で済ませるため、0.3〜3μmほどが好ましい。また、形成された金属パターンに対して、さらに、電解めっき、無電解めっきを行ってもよい。
(1)レジスト層形成工程
レジストについて
使用する感光性レジストとしては、光硬化型のネガレジスト、または、露光により溶解する光溶解型のポジレジストが使用できる。感光性レジストとしては、1.感光性ドライフィルムレジスト(DFR)、2.液状レジスト、3.ED(電着)レジストを使用することができる。これらはそれぞれ特徴があり、1.感光性ドライフィルムレジスト(DFR)は乾式で用いることができるので取り扱いが簡便、2.液状レジストはレジストとして薄い膜厚とすることができるので解像度の良いパターンを作ることができる。3.ED(電着)レジストはレジストとして薄い膜厚とすることができるので解像度の良いパターンを作ることができること、塗布面の凹凸への追従性が良く、密着性が優れている。使用するレジストは、これらの特徴を加味して適宜選択すればよい。
塗布方法
1.感光性ドライフィルム
感光性ドライフィルムは、一般的にポリエステルフィルムとポリエチレンフィルムにはさまれたサンドイッチ構造をしており、ラミネータでポリエチレンフィルムを剥がしながら熱ロールで圧着する。
感光性ドライフィルムレジストは、その処方、製膜方法、積層方法については、特願2005−103677明細書、段落番号〔0192〕乃至〔0372〕などに詳細に記載され、これらの記載は本発明にも適用することができる。
2.液状レジスト
塗布方法はスプレーコート、ロールコート、カーテンコート、ディップコートがある。両面同時に塗布するには、このうちロールコート、ディップコートが両面同時にコートが可能である、好ましい。
液状レジストについては、特願2005−188722明細書、段落番号〔0199〕乃至〔0219〕などに詳細に記載され、これらの記載は本発明にも適用することができる。
3.ED(電着)レジスト
EDレジストは感光性レジストを微細な粒子にして水に懸濁させコロイドとしたものであり、粒子が電荷を帯びているので、導体層に電圧を与えると電気泳動により、導体層上にレジストが析出し、導体上でコロイドは相互に結合し膜状になる、塗布することができる。
(2)パターン露光工程
「露光」
レジスト膜を金属膜上部に設けてなる基材をマスクフィルムまたは乾板と密着させて、使用しているレジストの感光領域の光で露光する。フィルムを用いる場合には真空の焼き枠で密着させ露光をする。露光源に関しては、パターン幅が100μm程度では点光源を用いることができる。パターン幅を100μm以下のものを形成する場合は平行光源を用いることが好ましい。また、近年、マスクフイルムまたは乾板を使用せず、レーザーによりデジタル露光することにより、パターン形成する方法もとられるようになってきている。
「現像」
光硬化型のネガレジストならば未露光部を、または、露光により溶解する光溶解型のポジレジストならば露光部を溶かすものならば何を使用しても良いが、主には有機溶剤、アルカリ性水溶液が使用され、近年は環境負荷低減からアルカリ性水溶液が使用されている。
(3)めっきによりレジストの非パターン部に金属膜を形成する
前記パターン形成の後、パターン下部に存在する金属膜もしくは導電性膜(例えば無電解めっきで形成した膜)を給電電極とし、さらに電気めっきを行うことができる。これにより電気的絶縁層との密着性に優れた金属膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、金属膜を目的に応じた厚みに形成することができ、本態様により得られた導電性素材を種々の応用に適用するのに好適である。
本態様における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電気めっきによる導体層の形成はレジストを厚くすれば厚く、薄くすれば薄くなる。レジストの厚みよりも電気めっきによる導体層が厚くなった場合はレジストが剥離しにくくなる上に隣の線との間がつまり好ましくない。
(4)レジスト剥離工程
「剥離工程」
電気めっきして金属(導電性)パターンが完成した後、不要となっためっきレジストは不要になるので、これを剥離する工程が必要である。剥離は、剥離液をスプレーして行うことができる。剥離液はレジストの種類により異なるが、一般的にはレジストを膨潤させる溶剤、または、溶液をスプレーにより拭きつけ、レジストを膨潤させて剥離する。
なる。
(5)エッチング工程
「エッチング」
エッチングは不要となった給電層を化学的に溶解除去することで導体パターン間の絶縁性を発現させ、導体パターンを完成するための工程である。エッチング工程は主に水平コンベア装置で、エッチング液を上下よりスプレーして行う。エッチング液としては、酸化性の水溶液で金属層を酸化、溶解する。エッチング液として用いられるものは塩化第二鉄液、塩化第二銅液、アルカリエッチャントがある。レジストがアルカリにより剥離してしまう可能性があることから、主には、塩化第二鉄液、塩化第二銅液が使用される。
本発明の方法では、基板界面が凹凸化されていないため基板界面付近の導電性成分の除去性が良いことに加え、金属膜を基材上に導入している(c)反応性高分子化合物含有層が、高分子鎖の末端で(b)化学活性点発生層もしくは電気的絶縁層と結合しており、非常に運動性の高い構造を有しているため、このエッチング工程において、エッチング液がグラフトポリマー層中に容易に拡散でき、基材と金属層との界面部における金属成分の除去性に優れるため、鮮鋭度に優れたパターン形成が可能となる。
本発明では配線パターン形成後、非配線部分に残存する(c)反応性高分子化合物含有層を不活性化する工程を行ってもよい。不活性化を行うことによりシードを除去しやすくしイオンマイグレーションなどの故障を未然に防ぐこともできる。不活性化の方法としては(c)反応性高分子化合物含有層とある種のイオン化合物を相互さようさせて、不溶の塩を形成してしまう方法、めっき触媒と相互作用できる官能基を別の絶縁性の基に化学的に改質する方法などをとることができる。更には上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげるために、これらの層と化学結合をつくりうる官能基に改質してもよい。
更には配線パターン形成後、非配線部分に残存する(c)反応性高分子化合物含有層を除去する工程を入れてもよい。除去の方法としては例えば粗面化処理に用いられるデスミア工程を用いてもよい。デスミア工程はアルカリ性過マンガン酸を用いる方法が知られている。デスミア工程は絶縁膜にシードを利用して無電解めっきを行い給電層となる金属膜を形成した後に行うこともできる。この工程では膨潤工程、エッチング工程、中和工程などが含まれる。この処理を行うことにより、更には上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげることができる。また、配線形成時は粗面化していないため、高精細な配線パターンが形成できる。
また、本発明では形成した導体パターンに銅面の処理を行ってもよい。処理法としては黒色酸化処理法、酸化銅還元法、銅粗面化法、粗面化無電解銅めっき法などを適用することができる。これらを行うことにより、上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげることができる。また、金属導体部の酸化を防止するために防錆処理を行う場合もある。
更にパターン形成後、再び電気的絶縁層形成工程にもどることにより、多層基板を作成することができる。また、最外層の場合は保護膜の形成やソルダーレジスト膜の形成工程仕上げのめっき(例えばニッケル−金めっき、ソルダーコートなど)、基板を製造することができる。
上述したように、本発明の方法で多層プリント配線板を作製することで、優れた特性を有する微細な配線パターンを形成可能なプリント配線板を容易に形成することができる。本発明の製造方法により得られた銅張り積層板などの導線性材料を用いて、例えば、公知のエッチング処理などにより、従来の技術では困難であった20ミクロン以下の微細で、且つ密着強度の高い銅配線の形成が可能となる。本発明で得られるプリント配線板は表面平滑性に優れるので、上記の如き製造法を複数繰り返し、ビルドアップ層を多段に積層して多層プリント配線板を製造することもできる。
本発明のプリント配線板製造方法およびその製造方法をもちいて作製したプリント配線板は粗面化が必ず必要ではないため微細な配線パターンを形成することが可能であり、かつ高い密着強度を発現する多層プリント配線板を形成するのに有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」を表す。
〔実施例1〕
表面に配線パターンを形成してあるガラスエポキシ基板(パターン加工されたガラスエポキシ内層回路基板(導体厚18μm))に化学研磨を施し、その上に電気的絶縁層として味の素ファインテクノ社製エポキシ系絶縁膜GX−13、45μm品を加熱、加圧して、真空ラミネーターにより0.2MPaの圧力で100℃〜110℃の条件により接着して(a)電気的絶縁層を形成した。さらにこの(a)絶縁層の上に(b)化学活性点発生層形成用塗布液組成物として下記組成の絶縁性組成物を厚さ3ミクロンになるようにスピンコート法で塗布し、その後、140℃で30分乾燥して(b)化学活性点発生層を形成した。
(開始剤を含有する(b)化学活性点発生層の形成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)30部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへ前記エピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しさらにこの混合物の中に下記の方法で合成した重合開始ポリマーPを10部添加し、(b)化学活性点発生層形成用塗布液を作製した。
(重合開始ポリマーPの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75度に加熱した。そこに、[2−(Acryloyloxy)ethyl](4−benzoylbenzyl)dimethyl ammonium bromide8.1gと、2−Hydroxyethylmethaacrylate9.9gと、isopropylmethaacrylate13.5gと、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80度に上げ、更に2時間反応させ、重合開始基を有するポリマーPを得た。
更に電気的絶縁層および(b)化学活性点発生層形成後180℃で30分間硬化処理を実施した。
次に(c)反応性高分子化合物含有層形成用の液として下記組成の(c)反応性高分子化合物含有層形成用液を作製し、前記(b)化学活性点発生層の上に厚さ1.5ミクロンになるようにスピンコート法で塗布し、その後、80℃〜120℃で乾燥して(c)反応性高分子化合物含有層を形成した。
((c)反応性高分子化合物含有層形成用液状組成物2)
・側鎖に重合性基を持つポリマー(P−1) 3.1g
・水 24.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.3g
(合成例:二重結合を有するポリマーP−1の合成)
ポリアクリル酸(平均分子量 25000、和光純薬工業)60gとハイドロキノン(和光純薬工業)1.38g(0.0125mol)を、冷却管を設置した1lの三口フラスコに入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)700gを加えて室温で撹拌し、均一な溶液とした。その溶液を撹拌しながら、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)64.6g(0.416mol)を滴下した。続いて、DMAc30gに懸濁させたジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)0.79g(1.25×10−3mol)を滴下した。撹拌しながら65度のウォーターバスで加熱した。5時間後に加熱を止め、室温まで自然冷却した。この反応液の酸価は7.105mmol/g、固形分は11.83%だった。
反応液300gをビーカーにとり、氷バスで5度まで冷やした。その反応液を撹拌しながら、4規定の水酸化ナトリウム水溶液41.2mlを約1時間で滴下した。滴下中の反応溶液の温度は5〜11度だった。滴下後に反応液を室温で10分撹拌し、吸引濾過で固形分を取り除き褐色の溶液を得た。その溶液を酢酸エチル3リットルで再沈し、析出した固体を濾取した。その固体をアセトン3リットルで終夜リスラリーした。固体を濾別後、10時間真空乾燥して薄い褐色の粉末P−1を得た。このポリマー1gを水2gとアセトニトリル1gの混合溶媒に溶かしたときのPHは5.56で粘度は5.74cpsであった。(粘度は、東機産業社製、RE80型粘度系で28℃で測定、ローター30XR14使用)。またGPCによる分子量は30000であった。
前記(c)反応性高分子化合物含有層を(b)化学活性点発生層の上に形成した後、(c)反応性高分子化合物含有層の側より活性点を発生させ密着させるエネルギーとして波長254nmの紫外光を露光機:紫外線照射装置(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)を用い、室温で1分間露光した。全面露光後、(b)化学活性点発生層と相互作用しえなかった不要な(c)反応性高分子化合物含有層反応物を1%重曹液で充分洗浄し、除去した。
前記(c)反応性高分子化合物含有層を(b)化学活性点発生層に密着させた基板を、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、下記組成の無電解めっき浴に10分間浸漬し、シードとなる無電解銅めっき層を形成した。無電解めっき層の厚みは1.5ミクロンであった。
<無電解めっき浴成分>
・硫酸銅 0.35g
・酒石酸NaK 1.75g
・水酸化ナトリウム 0.75g
・ホルムアルデヒド 0.25g
・水 47.8g
前記無電解銅めっき層を表層にもつ基板に、下層の内層基板と接合をとるためのビア穴を形成した。ビア穴はUV−YAGレーザ(装置名:LAVIA−UV2000、住友重機工業株式会社製)を用いて、発振周波数4000Hzで下層の導体層面が現れるようにビア穴を形成した。その後、穴に残ったスミアを除去するために有機溶剤系の膨潤液を用いた60℃5分間の膨潤工程、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸系の中和液を用いて40℃5分間の中和工程を実施した。
さらに一般的に市販されている、アクチベーター、アクセラレーターの工程を経てビア穴部に無電解銅めっきを実施した。
この基板にドライめっきレジストフイルムを20μmの厚さになるようにラミネートし、レジスト膜を金属膜上部に設けてなる基材をマスクフィルムまたは乾板と密着させて、レジストの感光領域の光で露光し配線を形成したい部分が開口部となるようにパターンを形成し、さらにアルカリ性現像液を利用して開口部のレジストを導体層がでるまで溶解、除去した。また、配線パターン形成時に導体層と基板との密着強度が測定できるように幅5mm×10cmの導体層のべた部分を形成できるようにレジスト開口部を特別にもうけた。また、導体のライン/スペースが10μm/10μmとなるパターンをテスト的に形成した。
更にパターン形成の後パターンの下にある前記無電解銅めっき層を給電層として下記組成の電気銅めっき浴に3A/dmの条件で電気めっきを20分間おこなった。同時にこの電気めっきによりビア穴部にも導体層が形成され下層との導通がとれた。
<電気めっき浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
得られた導体層を形成した基板を更に140℃で1時間加熱処理をおこなった。
その後、電気めっきして金属パターン(導体層)が完成した後、不要となっためっきレジストを剥離した。剥離は、剥離液をスプレーして行なった。
次に、ウエットエッチング(塩化第二鉄を主成分としたエッチング液もしくは塩化第二銅を主成分としたエッチング液等)を行い、配線パターンの下部にある電気めっき工程時に給電層として使用した無電解めっき層を除去した。このとき、配線パターンの部分の銅も同時にエッチングされたが、この部分の厚みはもともと電気めっきで形成された導体層の厚みに給電層の厚みを加えたものであるので、露出している銅層を均一2μm程度エッチングすることにより、形成したい配線パターンのみが残り、配線間の給電層は除去されることになる。
その後、配線非形成部を粗化するために有機溶剤系の膨潤液を用いた60℃5分間の膨潤工程、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸系の中和液を用いて40℃5分間の中和工程を実施した。工程終了後、さらに140℃で一時間の加熱処理を行って基板に含まれる水分を除去した。非配線部に(c)反応性高分子化合物含有層が残存しているか断面を切り出し電子顕微鏡で調べたところ(c)反応性高分子化合物含有層は存在しないことが確認された。
(密着性評価)
得られた配線パターンを形成した基板において、5mm×10cmの銅による導体層の部分を、テンシロン引っ張り試験機(島津製作所製、AGS−J)を用いて90度の剥離実験を行った。
(隣接する樹脂層との密着性評価)
また、更にその上に味の素ファインテクノ社製GX−13を前記と同様な条件で真空ラミした。この密着性は、得られた基板をはんだフロート試験(基板をはんだ槽(260℃)に10秒間フロートし目視とマイクロセッションを10箇所行なうことにより評価した。この評価において、すべての評価で、二層間の剥がれやふくれがないものを「○」と評価し、目視では剥がれやふくれが認められなくともマイクロセッションによれば1〜2個程度膨れらしきものがみられるものを「△〜○」と評価し、目視ででは剥がれやふくれが認められなくともマイクロセッションにより3箇所以上の膨れが観察されるものを「△」と評価する。
その結果、実施例1の多層配線基板においては、下層の電気的絶縁層と上層の電気的絶縁層は充分な密着強度を達成していることが確認された。
(パターン形成性評価)
得られたライン/スペースが10μm/10μmのパターンの観察を電子顕微鏡にておこなった。
設計値どおりのライン/スペースが形成され、形成された導体層(ライン)部分の平面性に優れたものを「○」と評価し、ライン形状が直線性、平面性を欠くものを「×」と評価した。
(穴あけの容易さ)
この穴あけの容易さは、形成された穴の形状を目視により評価することで行った。この評価において、各サンプルに10箇所穴あけを実施し、すべての穴が真円やそれに近いものであれば「○」と評価し、ややいびつな円形が1〜2穴あるものを「△〜○」と評価し、ややいびつな円形が3穴以上あるものを「△」と評価した。
〔実施例2〕
実施例1において(c)反応性高分子化合物含有層を(b)化学活性点発生層と密着させるために光エネルギーを付加する工程で、後の工程でビア(穴)部をあける部分をあらかじめマスキングして両層を密着させないようにし、その後、実施例1と同様な工程を経ることにより、ビア形成予定部には導体層が形成されず、それ以外の部分には導体層が形成された基板を作製した。その後、これに実施例1と同様に穴あけ処理、レジスト塗布、パターン形成、電気めっき、剥離、エッチングの工程を順次行い、実施例1と同様に評価した。
実施例2の配線基板では、実施例1同様に、密着性、導電性ともに優れた結果が得られ、さらに、穴あけが実施例1よりも容易にでき、スミアの発生も少ないことがわかる。
〔実施例3〕
実施例1において電気的絶縁層を下記組成の絶縁性樹脂組成物を用いた。
絶縁性樹脂組成物の作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)30部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへ前記エピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しエポキシ樹脂ワニスを作製し、基板上に45μmの厚さになるようにバーコーターにて塗布を行った。
その後(b)化学活性点発生層を形成せずに(c)反応性高分子化合物含有層を実施例1と同様に形成した。172nmの紫外線を照射し課絶縁性樹脂組成物に直接活性点を発生させて電気的絶縁層と(c)反応性高分子化合物含有層の密着を取った以外は実施例1と同様にプリント配線板を形成し、同様の試験を実施した。
〔実施例4〕
実施例1において最後の非配線形成部の粗化処理を行わなかった以外は実施例1と同様にプリント配線基板を作製し、同様な試験を実施した。上層との密着強度はややおちたが使用する上では充分であった。
〔比較例1〕
実施例1で(b)化学活性点発生層、(c)反応性高分子化合物含有層を形成せずに電気的絶縁層に過マンガン酸カリウムによる粗化処理を行いその後、一般的に市販されている、アクチベーター、アクセラレーターの工程を経て無電解銅めっきを実施してシードとなる無電解めっき層を形成した以外は実施例1と同様にプリント配線板を作製し同様な試験を実施した。
〔比較例2〕
実施例1で(b)化学活性点発生層、(c)反応性高分子化合物含有層を形成せず、更に粗化処理を行わずに市販されている、アクチベーター、アクセラレーターの工程を経て無電解銅めっきを実施してシードとなる無電解めっき層を形成した以外は実施例1と同様にプリント配線板を作製し同様な試験を実施した。表1に評価結果をまとめる。
Figure 2008108791
表1に明らかなように本発明の製造方法により得られた多層配線基板は導体層と基板との密着強度が強く、微細で平面性に優れた配線が形成され、かつ、好ましい態様においては、多層間を接続する配線を形成するためのビア(穴)の形成が容易に行えることがわかった。

Claims (13)

  1. 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板であって、
    基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、(a)絶縁層、(b)該絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層の双方との間に相互作用を形成しうる化学活性点発生層、(c)該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる配線形成層を少なくとも1層以上有することを特徴とする多層配線基板。
  2. 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板であって、
    基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、(a−2)導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる重合開始能を有する絶縁層、(c−2)該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、及び、(d)導体層を順次積層してなる配線形成層構成を少なくとも1層以上有することを特徴とする多層配線基板。
  3. 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板の製造方法であって、
    基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、電気的絶縁層形成材料を付着させ、エネルギーを付与して硬化することで絶縁層を形成する工程、該絶縁層上に、絶縁層及び導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層と相互作用を形成しうる化学活性点発生層を設ける工程、該化学活性点発生層上に、導体層を設けるための導電性材料或いはその前駆体を付着しうる反応性高分子化合物含有層を設ける工程、該反応性高分子化合物含有層と該化学活性点発生層との間に相互作用を形成させ、これらを密着させる工程、回路基板の所定の配線パターンと接続するために絶縁層、化学活性点発生層及び反応性高分子化合物含有層の積層体に穴をあける工程、該反応性高分子化合物含有層の高分子化合物に導電性材料或いはその前駆体を付与する工程、反応性高分子化合物含有層に付与した導電性材料或いはその前駆体を利用してめっきを施し導体層を形成する工程、穴部に導電性材料を付与して複数の配線間を接続する工程、及び、導体層形成後に加熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。
  4. 前記導体層形成後に加熱処理をする工程の後に、導体層の上にめっきレジストもしくはエッチングレジストの層を設け、めっき処理もしくはエッチング処理を行って導体層をパターニングする工程、および、該パターニング後の不要な導体層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の多層配線基板の製造方法。
  5. 電気的絶縁性を有する絶縁層を介して配線パターンを多層に形成するとともに、絶縁層に形成したビアにより配線パターンを層間で電気的に接続する多層回路基板の製造方法であって、
    基材もしくは所定の配線パターンが設けられた回路基板の片面もしくは両面の表面に、重合開始剤を含有する電気的絶縁層形成材料を付着させ、エネルギーを付与して硬化することで重合開始能を有する絶縁層を形成する工程、該重合開始能を有する絶縁層上に、導体層を設けるための導電性材料或いはその前駆体を付着しうる反応性高分子化合物含有層を設ける工程、該反応性高分子化合物含有層と該重合開始能を有する絶縁層との間に相互作用を形成させ、これらを密着させる工程、回路基板の所定の配線パターンと接続するために重合開始能を有する絶縁層と反応性高分子化合物含有層とからなる積層体に穴をあける工程、該反応性高分子化合物含有層の高分子化合物に導電性材料或いはその前駆体を付与する工程、反応性高分子化合物含有層に付与した導電性材料或いはその前駆体を利用してめっきを施し導体層を形成する工程、穴部に導電性材料を付与して複数の配線間を接続する工程、及び、導体層形成後に加熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 前記導体層形成後に加熱処理をする工程の後に、導体層の上にめっきレジストもしくはエッチングレジストの層を設け、めっき処理もしくはエッチング処理を行って導体層をパターニングする工程、および、該パターニング後の不要な導体層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 前記絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層の双方との間に相互作用を形成しうる化学活性点発生層と該化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層とを密着させる工程が、化学活性点発生層にエネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の多層配線基板の製造方法。
  8. 前記重合開始能を有する絶縁層と該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層とを密着させる工程が、重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の多層配線基板の製造方法。
  9. 前記化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層が、重量平均分子量1000以上300000以下の高分子化合物を50重量%以上含み、該高分子化合物が化学活性点発生層又は重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程により化学活性点発生層又は重合開始能を有する絶縁層に密着し、この密着が化学結合よりなることを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  10. 化学活性点発生層又は重合開始能を有する絶縁層にエネルギーを付与する工程の後、化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層に含まれる、密着に影響を与えない成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
  11. 前記化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、化学活性点発生層、及び、重合開始能を有する絶縁層から選択される1層以上が、導体膜を形成する部分のみに形成されることを特徴とする請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  12. 前記穴の形成領域が、前記化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層、化学活性点発生層、及び、重合開始能を有する絶縁層から選択される1層以上の非形成領域である請求項3乃至請求項11のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  13. 前記導体層をパターニングして配線層を形成した後、配線層の非形成領域における化学活性点発生層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層又は該重合開始能を有する絶縁層および導体層と相互作用を形成しうる反応性高分子化合物含有層を除去、もしくは、不活性化する工程を有する請求項3乃至請求項11のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
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