JP2008107177A - 状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット - Google Patents

状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット Download PDF

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岳史 滝澤
Hiromitsu Asai
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Abstract

【課題】第四世代ハブユニットを対象とする状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造であって、且つ、状態量の測定を精度良く行える構造を実現する。
【解決手段】駆動軸部材11の中間部外周面のうち、シール環15により密封された空間内に存在する第二の円筒面部25に、エンコーダ27aを添着固定した芯金33を外嵌固定する。上記シール環15を構成するカバー16の内側に1対のセンサ28a、28bを支持すると共に、これら両センサ28a、28bの検出部を、被検出面である上記エンコーダ27aの外周面に近接対向させる。又、このエンコーダ27aと上記駆動軸部材11の第二の段差面26との間に、隙間36を設ける。この様な構成を採用する事により、上記課題を解決する。
【選択図】図4

Description

この発明に係る状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットは、自動車の駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪)を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この駆動輪に作用する荷重を測定し、車両の安定運行を確保する為に利用する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するのに、車輪支持用ハブユニットを使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)或はトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、上記車輪支持用ハブユニットに回転速度検出装置を組み込んで成る、回転速度検出装置付車輪支持用ハブユニットにより、上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行なわれる様になっている。
一方、上記車輪支持用ハブユニットのうち、駆動輪を支持する為の駆動輪用ハブユニットは、変速機からの回転力を伝達する部材である、等速ジョイント用外輪を結合した状態で使用する。そこで、近年、小型・軽量化と取り扱い性の向上とを図るべく、上記駆動輪用ハブユニットに上記等速ジョイント用外輪をユニット化した、所謂第四世代ハブユニットと呼ばれる駆動輪用ハブユニットが考えられている。図6〜8は、この様な第四世代ハブユニットと呼ばれる駆動輪用ハブユニットに回転速度検出装置を組み込んで成る、回転速度検出装置付駆動輪用ハブユニットの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。
この従来構造の1例を構成する、第四世代ハブユニットと呼ばれる駆動輪用ハブユニット1は、外輪2と、内側部材3と、複数個の転動体4、4とを備える。このうちの外輪2は、内周面に第一、第二の外輪軌道5a、5bを、外周面に懸架装置に結合固定する為の結合フランジ6を、それぞれ有する。又、上記内側部材3は、外周面の外端寄り部分(軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図11を除く各図の左側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図11を除く各図の右側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)に車輪を支持固定する為の取付フランジ7を、同じく中間部に第一、第二の内輪軌道8a、8bを、内端部に等速ジョイント用外輪9を、それぞれ有する。
この様な内側部材3は、外周面に上記取付フランジ7及び上記第一の内輪軌道8を有する中空のハブ10と、外周面に上記第二の内輪軌道8bを、内端部に上記等速ジョイント用外輪9を、それぞれ有する駆動軸部材11とを、互いに結合固定して成る。これらハブ10と駆動軸部材11とを互いに結合固定する為に、図示の例では、この駆動軸部材11の外端部に設けた中空の軸部12に上記ハブ10をがたつきなく外嵌した状態で、この軸部12の外半部を治具で拡径する事により、この軸部12の外半部外周面を、上記ハブ10の内周面に形成した凹凸面部(螺旋状凹凸部、綾目ローレット部等)13に食い込ませている。尚、この様なハブと駆動軸部材との結合構造に就いては、図示の構造以外にも、従来から各種の構造が知られている(例えば、上記特許文献1参照)。
又、上記第一、第二の各外輪軌道5a、5bと上記第一、第二の各内輪軌道8a、8bとの間に上記各転動体4、4を、それぞれ複数個ずつ、転動自在に設けている。これら各転動体4、4には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の例では、上記各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の駆動輪用ハブユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。又、上記外輪2の内周面と上記内側部材3の外周面との間に設けられた、上記各転動体4、4を設置した空間の両端開口は、それぞれが密封装置であるシール環14、15により密封している。
これら両シール環14、15のうち、上記空間の内端開口を密封するシール環15は、カバー16とシール材17とから成る。このうちのカバー16は、SPCC等の鋼板にプレス加工を施す事により、断面クランク形で全体を円環状に構成している。即ち、上記カバー16は、大径円筒部18と、この大径円筒部18の軸方向内端縁から径方向内方に直角に折れ曲がった大径円輪部19と、この大径円輪部19の径方向内端縁から軸方向内方に直角に折れ曲がった小径円筒部20と、この小径円筒部20の軸方向内端縁から径方向内方に直角に折れ曲がった小径円輪部21とを備える。この様なカバー16は、上記大径円筒部18を上記外輪2の内端部に締り嵌めで外嵌すると共に、上記大径円輪部19を上記外輪2の内端面に当接させた状態で、この外輪2に支持固定している。又、上記シール材17は、ゴムにより全体を円環状に構成すると共に、その基部を上記小径円輪部21の内周縁部に、全周に亙り固定している。そして、この状態で、上記シール材17を構成する複数本のシールリップ22a、22b、22cの先端縁を、それぞれ上記駆動軸部材11の内端寄り部外周面に形成した円筒面部23及び段差面24に全周に亙り摺接させている。これにより、上記複数個の転動体4、4を設置した空間の内端開口を密封している。
又、上記駆動軸部材11の中間部外周面のうち、上記第二の内輪軌道8bと上記円筒面部23との間部分に、この円筒面部23よりも径寸法が小さい、第二の円筒面部25を設けている。更に、これら円筒面部23と第二の円筒面部25との間部分に、第二の段差面26を設けている。そして、この第二の段差面26に、ゴム磁石製で円筒状のエンコーダ27を外嵌固定している。又、この状態で、このエンコーダ27の内端縁を上記第二の段差面26に突き当てる事により、このエンコーダ27の軸方向の位置決めを図っている。被検出面である、このエンコーダ27の外周面には、図8に示す様に、S極とN極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらS極とN極との境界は、それぞれ上記エンコーダ27の軸方向に対して平行である。
又、上記カバー16の一部に、センサ28を支持固定している。具体的には、このカバー16を構成する小径円筒部20に形成した通孔29を通じて、このカバー16の内側に上記センサ28の先端部(図6〜7の下端部)を挿入した状態で、このセンサ28を上記カバー16に支持固定している。そして、この状態で、検出部である、上記センサ28の先端部を、被検出面である、上記エンコーダ27の外周面に近接対向させている。尚、このセンサ28の検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
上述の様に構成する回転速度検出装置付駆動輪用ハブユニットの使用時、前記内側部材3に支持固定した車輪と共に、上記エンコーダ27が回転すると、上記センサ28の検出部の近傍を、このエンコーダ27の外周面に設けたS極とN極とが交互に通過する。この結果、上記センサ28の検出部を貫く磁束の向きが交互に変化し、これに伴って、このセンサ28の出力が周期的に変化する。この様にしてセンサ28の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転速度に比例する。従って、このセンサ28の出力信号に基づき、この車輪の回転速度を求められる。又、上述の様に構成する回転速度検出装置付駆動輪用ハブユニットの場合には、上記エンコーダ27及びセンサ28を、上記外輪2と上記駆動軸部材11との間部分に存在する、径方向外方に開口する凹み部分の内側に配置している。この為、上記エンコーダ27及びセンサ28を備えた、回転速度検出装置付駆動輪用ハブユニットを小型に構成できる。
ところで、前述したABSやTCS、更には、例えば非特許文献1に記載されている様な、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の各種車両用走行安定化装置を、より高度に制御する為には、上述した車輪の回転速度の他、この車輪を介して車輪支持用ハブユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。この様な事情に鑑みて、特許文献2〜3には、特殊なエンコーダを使用して、車輪支持用ハブユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明が記載されている。
図9〜11は、上記荷重を測定可能な、状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの従来構造の第1例として、上記特許文献2に記載されたものを示している。この従来構造の第1例を構成する、車輪支持用ハブユニット30は、所謂第三世代ハブユニットと呼ばれるもので、使用時に懸架装置に結合固定された状態で回転しない外輪2の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転するハブ10aを、複数個の転動体4、4を介して回転自在に支持している。これら各転動体4、4には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の第三世代ハブユニットは従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用である為、使用時にも上記ハブ10aに等速ジョイント用外輪を結合する事はない。これに対して、駆動輪用の第三世代ハブユニットの場合には、使用時に、ハブに等速ジョイント用外輪を結合する。但し、前述した第四世代ハブユニットの場合と異なり、この等速ジョイント用外輪は、ハブユニットとは別個の部品として取り扱われる。何れにしても、本例の場合には、上記ハブ10aの中間部にエンコーダ27aを外嵌固定すると共に、上記外輪2の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体4、4の間部分に1対のセンサ28a、28bを、それぞれの検出部を、被検出面である上記エンコーダ27aの外周面に近接対向させた状態で設けている。
又、本例の場合、上記エンコーダ27aとして、永久磁石製のものを使用している。被検出面である、このエンコーダ27aの外周面には、S極に着磁した部分とN極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。そして、この外周面の軸方向片半部(図10の左半部、図11の上半部)を、上記S極と上記N極との境界の位相が上記外周面の軸方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する、第一特性変化部31としている。これに対し、上記外周面の軸方向他半部(図10の右半部、図11の下半部)を、上記S極と上記N極との境界の位相が上記外周面の軸方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度と同じ角度で漸次変化する、第二特性変化部32としている。従って、上記S極と上記N極とは、軸方向中央部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「V」字形(又は「く」字形)となっている。尚、検出精度は劣るが、上記両特性変化部31、32のうちの何れか一方の特性変化部の境界のみを軸方向に対し傾斜させ、他方の特性変化部の境界を軸方向と平行にする事もできる。
又、上記1対のセンサ28a、28bのうち、一方のセンサ28aの検出部を上記第一特性変化部31に、他方のセンサ28bの検出部を上記第二特性変化部32に、それぞれ近接対向させている。これら両センサ28a、28bの検出部が上記両特性変化部31、32に対向する位置は、上記エンコーダ27aの円周方向に関して同じ位置としている。又、上記外輪2と上記ハブ10aとの間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記S極と上記N極との軸方向中央部で円周方向に関して最も突出した部分(これらS極とN極との境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ28a、28bの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材の設置位置を規制している。尚、本例の場合も、上記各センサ28a、28bの検出部には、前述した様な磁気検知素子を組み込んでいる。
上述の様に構成する本例の場合、上記外輪2と上記ハブ10aとの間にアキシアル荷重が作用すると、上記両センサ28a、28bの出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪2と上記ハブ10aとの間にアキシアル荷重が作用しておらず、これら外輪2とハブ10aとが相対変位していない、中立状態では、上記両センサ28a、28bの検出部は、図11の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ28a、28bの出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。これに対し、上記エンコーダ27aを固定したハブ10aに、図11の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用{上記外輪2と上記ハブ10aとがアキシアル方向(軸方向)に相対変位}した場合には、上記両センサ28a、28bの検出部は、図11の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ28a、28bの出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ27aを固定したハブ10aに、図11の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ28a、28bの検出部は、図11の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ28a、28bの出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に、本例の場合には、上記両センサ28a、28bの出力信号の位相が、上記外輪2と上記ハブ10aとの間に加わるアキシアル荷重の作用方向(これら外輪2とハブ10aとのアキシアル方向の相対変位の方向)に応じた向きにずれる。又、このアキシアル荷重(相対変位)により上記両センサ28a、28bの出力信号の位相がずれる程度は、このアキシアル荷重(相対変位)が大きくなる程大きくなる。従って、上記両センサ28a、28bの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその向き及び大きさに基づいて、上記外輪2と上記ハブ10aとのアキシアル方向の相対変位の向き及び大きさ、並びに、これら外輪2とハブ10aとの間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。尚、上記両センサ28a、28bの出力信号の位相差に基づいて上記アキシアル方向の相対変位及び荷重を算出する処理は、図示しない演算器により行なう。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた上記位相差と上記アキシアル方向の相対変位及び荷重との関係を、計算式やマップ等の型式で組み込んでおく。
尚、上述した先発明の構造の1例の場合には、それぞれの検出部を第一、第二の特性変化部に対向させた1対のセンサから成るセンサ組を1組だけ設けている。これに対し、特願2006−143097、特願2006−214197には、それぞれが1対のセンサから成るセンサ組を複数組設ける事で、多方向の変位或は外力を求められる構造が開示されている。
次に、図12〜13は、状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの従来構造の第2例として、前記特許文献3に記載されたものを示している。本例の場合、車輪支持用ハブユニット30を構成するハブ10aの中間部にエンコーダ27bを外嵌固定すると共に、外輪2の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体4、4の間部分に1個のセンサ28を、その検出部を、被検出面である上記エンコーダ27bの外周面に近接対向させた状態で設けている。
本例の場合も、上記エンコーダ27bとして、永久磁石製のものを使用している。被検出面である、このエンコーダ27bの外周面には、S極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。そして、図13に示す様に、上記S極と上記N極との境界を、上記外周面の軸方向に対し所定角度だけ傾斜した直線形状とすると共に、円周方向に隣り合う各境界同士で、軸方向に対する傾斜方向を互いに逆にしている。これにより、径方向から見た、上記S極及び上記N極の形状をそれぞれ台形として、これらS極及びN極の円周方向に関する幅寸法を、それぞれ軸方向に関して漸次変化させている。そして、この様なエンコーダ27bの外周面に、上記1個のセンサ28の検出部を近接対向させている。この様に構成する本例の場合、アキシアル荷重に基づいて上記外輪2と上記ハブ10aとが軸方向に相対変位すると、上記センサ28の出力信号のデューティ比(高電位継続時間/1周期)が変化する。従って、このデューティ比に基づいて、上記相対変位の向き及び大きさ、更には上記アキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
尚、上述した従来構造の第1〜2例では、エンコーダの被検出面を円筒面とし、この被検出面にセンサの検出部を径方向に対向させる構成を採用している。これに対し、エンコーダの被検出面を円輪面とし、この被検出面にセンサの検出部を軸方向に対向させる構成を採用すれば、外輪とハブとの径方向の相対変位、並びに、これら外輪とハブとの間に作用するラジアル荷重を求める事ができる。
ところで、上述した従来構造の第1〜2例が記載された特許文献2〜3等に示される様に、従来は、第三世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの具体的な構造は知られていたが、第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの具体的な構造は知られていなかった。この為、この第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造を実現する事が望まれる。この場合、特に、第四世代ハブユニットに対する、状態量測定装置を構成するエンコーダ及びセンサの設置位置を工夫する事により、状態量の測定精度を十分に良好にできる構造を実現する事が望まれる。
特開2005−140146号公報 特開2006−133045号公報 特開2006−113017号公報 青山元男著、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、p.138−139、p.146−149、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造であって、且つ、状態量の測定精度を良好にできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の請求項1に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットは、駆動輪用ハブユニットと、状態量測定装置とを備える。
このうちの駆動輪用ハブユニットは、所謂第四世代ハブユニットと呼ばれるもので、内周面に第一、第二の外輪軌道を有し、使用時に懸架装置に結合された状態で回転しない外輪と、外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を支持する為の取付フランジを、同じく中間部に第一、第二の内輪軌道を、軸方向内端部に等速ジョイント用外輪を、それぞれ有し、使用時に回転する内側部材と、上記第一、第二の各外輪軌道と上記第一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、上記外輪の内周面と上記内側部材の外周面との間でこれら各転動体を設置した空間の両端開口を密封する1対の密封装置とを備える。そして、このうちの内側部材は、外周面に上記取付フランジ及び上記第一の内輪軌道を有するハブと、外周面に上記第二の内輪軌道を、軸方向内端部に上記等速ジョイント用外輪を、それぞれ有する駆動軸部材とを、互いに結合固定して成る。
又、上記状態量測定装置は、エンコーダと、センサ装置と、演算器とを備える。
このうちのエンコーダは、上記内側部材の一部に支持固定されると共に、この内側部材と同心の被検出面を有する。そして、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、この被検出面の特性が円周方向に関して変化する位相若しくはピッチを、少なくともこの被検出面の幅方向一部分で、この幅方向に関して連続的に変化させている。
又、上記センサ装置は、使用時にも回転しない部分に支持されると共に、少なくとも1個のセンサを備える。そして、この少なくとも1個のセンサは、その検出部を上記被検出面のうちで、上記特性変化の位相若しくはピッチが幅方向に関して連続的に変化する部分に対向させており、且つ、この被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させる。
又、上記演算器は、上記センサの出力信号に関する情報(1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差、1個のセンサの出力信号のデューティ比等)に基づいて、上記外輪と上記内側部材との間の状態量(これら外輪と内側部材との間の相対変位、これら外輪と内側部材との間に作用する外力)を算出する機能を有する。
特に、本発明の状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの場合には、上記エンコーダ及び上記センサを、上記両密封装置により密封された空間内に配置している。
上述の様な請求項1に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した様に、上記1対の密封装置のうち、軸方向内側の密封装置として、基端部を外輪の軸方向内端部に嵌合固定した環状のカバーと、その基端部をこのカバーの先端部に全周に亙り固定すると共に、その先端縁を駆動軸部材の表面に全周に亙り摺接させたシール材とから成るものを使用する。そして、上記エンコーダを、上記駆動軸部材の中間部外周面のうち第二の内輪軌道と上記シール材を摺接させた部分との間部分に支持固定する。これと共に、上記センサ装置を、上記カバーを介して上記外輪に支持固定する。
又、上述の請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した様に、上記エンコーダを永久磁石(ゴム磁石、プラスチック磁石、焼結磁石)製とすると共に、このエンコーダの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させるべく、この被検出面にS極とN極とを円周方向に関して交互に配置する。
又、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項4に記載した様に、エンコーダを、磁性材製で円環状の芯金の全周に添着固定すると共に、この芯金を内側部材の一部に嵌合固定する事により、この内側部材に対して上記エンコーダを支持固定する。
又、この様な請求項4に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した様に、接着剤を使用して上記芯金の全周に上記エンコーダを添着固定する。
又は、請求項6に記載した様に、上記芯金をインサート部品として上記エンコーダをインサート成形する事により、この芯金の全周にこのエンコーダを添着固定する。
又、上述の請求項4〜6に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項7に記載した様に、上記芯金の表面のうち、上記エンコーダを添着固定した部分から外れた部分に、軸方向内側の密封装置を構成するシール材の一部を摺接させる。
又、上述の請求項3〜7に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項8に記載した様に、上記エンコーダの被検出面の幅方向端縁部と、上記内側部材又は上記芯金との間に、この被検出面の幅方向に関する隙間(好ましくは、上記エンコーダの厚さ寸法と同程度以上の幅寸法を有する隙間)を設ける。
又、上述の請求項3〜8に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項9に記載した様に、上記エンコーダの被検出面の幅方向端部に、S極及びN極が配置されていない無着磁領域を設ける。
上述の様に構成する本発明の状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットによれば、第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造を実現できる。又、本発明の場合には、状態量測定装置を構成するエンコーダ及びセンサを、1対の密封装置により密封された空間内に配置している為、これらエンコーダ及びセンサに塵芥や泥水等の異物が付着する事を防止できる。従って、状態量の測定精度を良好にできる。
又、請求項2に記載した構成を採用すれば、上記エンコーダ及びセンサを、外輪と駆動軸部材との間に存在する、凹み部分の内側に配置できる。この為、上記エンコーダ及びセンサを備えた駆動輪用ハブユニットを小型に構成できる。
又、請求項3に記載した様にエンコーダを永久磁石製とする場合に、請求項4に記載した構成を採用すれば、このエンコーダ自身を内側部材に圧入嵌合する場合に生じる様な不都合{例えば、圧入に伴ってエンコーダの内部に発生する応力が過大になって、このエンコーダが破損すると言った不都合や、使用時の温度上昇により上記内側部材が熱膨張した際に、ゴム磁石製又はプラスチック磁石製のエンコーダがクリープ(樹脂に作用する応力を一定に保った場合に、その樹脂の変形量が時間と共に増大する現象)を起こし、その後の温度低下により上記内側部材が熱収縮した際に、この内側部材の外周面と上記エンコーダの内周面との間に隙間が生じて、このエンコーダの組付け位置がずれる(状態量の測定誤差が生じる)と言った不都合}が生じる事を防止できる。即ち、請求項4に記載した構成を採用すれば、エンコーダ自身ではなく、このエンコーダを添着固定した芯金を内側部材に圧入嵌合できる為、圧入に伴うこのエンコーダの内部発生応力を十分に小さくできる。従って、このエンコーダがこの内部発生応力によって破損する事を有効に防止できる。又、このエンコーダは、上記芯金の全周に添着固定しており、使用時に上記内側部材が熱膨張と熱収縮とを繰り返しても、上記エンコーダと上記芯金との間に隙間が生じる事はない為、このエンコーダの組付け位置がずれる事を防止できる。更に、請求項4に記載した構成を採用すれば、磁性材製の芯金の存在に基づき、上記エンコーダの着磁強度の向上やこの着磁強度の均一化を図れる。
又、請求項3〜7に記載した様にエンコーダを永久磁石製とする場合に、請求項8〜9に記載した構成を採用すれば、エンコーダの被検出面から出入りする磁束が磁性材製の内側部材又は芯金に流れ、状態量の測定を正確に行なえなくなる、と言った不都合が生じる事を有効に防止できる。即ち、上記エンコーダの被検出面の幅方向端縁部を、上記内側部材又は上記芯金の一部に存在する段差面に突き当てると、この被検出面の幅方向端部から出入りする磁束が、上記段差面の周辺部分に向けて多く流れる様になる。この理由は、上記内側部材及び芯金の透磁率が、空気の透磁率に比べて桁違いに大きい為であり、上記磁束がこれら内側部材及び芯金の内部を通過しようとする傾向が強くなる為である。何れにしても、上述の様な原因で磁束の流れ方向が歪むと、上記被検出面に近接対向する部分(各センサの検出部を配置する部分)の磁束密度が、この被検出面の幅方向両側で著しく異なった大きさになり、結果として、状態量の測定を正確に行なえなくなる可能性がある。
これに対し、請求項8に記載した構成を採用すれば、上記被検出面の幅方向端縁部と上記内側部材又は上記芯金との間に、この被検出面の幅方向に関する隙間を設けている為、この被検出面から出入りする磁束が内側部材又は芯金に流れて、磁束の流れ方向が歪む事を有効に防止できる。又、請求項9に記載した構成を採用すれば、エンコーダの被検出面の幅方向端部に無着磁領域を設けている為、このエンコーダの幅方向端縁部を上記内側部材又は上記芯金の一部に突き当てない場合には勿論、仮に突き当てた場合でも、上記被検出面(着磁領域)から出入りする磁束が上記内側部材又は上記芯金に流れて、磁束の流れ方向が歪む事を有効に防止できる。従って、請求項8〜9に記載した構成を採用すれば、エンコーダの被検出面(着磁領域)に近接対向する部分(各センサの検出部を配置する部分)の磁束密度が、この被検出面の幅方向両側で著しく異なった大きさになる事を有効に防止できる。この結果、状態量の測定を正確に行なえなくなると言った不都合が生じる事を有効に防止できる。又、請求項8に記載した構成、即ち、エンコーダの幅方向端縁部を内側部材の一部に突き当てない構成を採用すれば、このエンコーダをこの内側部材に圧入する際に、このエンコーダが上記段差面と圧入治具との間で圧縮されない為、この圧入の際にエンコーダが破損すると言った不都合が生じる事を防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、2、3、4、6、9に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、第四世代ハブユニットである、前述の図6〜7に示した駆動輪用ハブユニット1に、状態量測定装置を構成するエンコーダ27c及び1対のセンサ28a、28bを組み付けて、第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造を実現すると共に、状態量(外輪2と内側部材3との間のアキシアル方向の相対変位、これら外輪2と内側部材3との間に作用するアキシアル荷重)の測定精度を良好にできる構造を実現する点にある。上記駆動輪用ハブユニット1の全体構造に就いては、前述の図6〜7に示した通りであり、且つ、上記エンコーダ27c及び上記両センサ28a、28bを含んで構成する状態量測定装置の基本構造、及び、この状態量測定装置による状態量の測定原理は、前述の図9〜11に示した従来構造の第1例の場合とほぼ同様である。この為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、上記従来構造と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合、上記駆動輪用ハブユニット1を構成する、鋼製の駆動軸部材11の中間部外周面に設けた第二の円筒面部25に、プラスチック磁石製の上記エンコーダ27cを、軟鋼板(磁性材)製で円筒状の芯金33を介して外嵌固定している。即ち、本例の場合には、この芯金33の外周面に上記エンコーダ27cの内周面を、全周に亙り接着固定している。そして、この状態で、この芯金33を、上記第二の円筒面部25に圧入(締り嵌めで外嵌)している。又、この状態で、これら芯金33及びエンコーダ27cの内端縁を、上記第二の円筒面部25の内端縁に存在する第二の段差面26に突き当てる事により、軸方向の位置決めを図っている。又、本例の場合には、図2に示す様に、被検出面である、上記エンコーダ27cの外周面のうち、軸方向内端部に、S極とN極とを配置していない、無着磁領域34を設けている。これと共に、本例の場合、上記エンコーダ27cの外周面のうち、この無着磁領域34を除いた部分の幅方向中央部に、第一、第二両特性変化部31、32同士の境界を配置している。又、上記外輪2の内端部に外嵌固定した、シール環15を構成するカバー16の内側に、合成樹脂製のセンサホルダ35を支持固定すると共に、このセンサホルダ35に上記1対のセンサ28a、28bを包埋支持している。そして、これら両センサ28a、28bの検出部を、上記第一、第二両特性変化部31、32に近接対向させている。
上述の様に構成する本例の状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットによれば、第四世代ハブユニットを対象とした状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットの具体的な構造を実現できる。又、本例の場合には、状態量測定装置を構成するエンコーダ27c及び1対のセンサ28a、28bを、1対のシール環14、15(シール環14に就いては、図6参照)により密封された空間内に配置している為、これらエンコーダ27c及び両センサ28a、28bに、塵芥や泥水等の異物が付着する事を防止できる。従って、状態量の測定精度を良好にできる。又、本例の場合には、上記エンコーダ27c及び両センサ28a、28bを、上記外輪2と上記駆動軸部材11との間部分に存在する、径方向外方に開口する凹み部分の内側に配置している。この為、上記エンコーダ27c及び両センサ28a、28bを備えた、状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットを小型に構成できる。
又、本例の場合、上記駆動軸部材11の中間部外周面に設けた第二の円筒面部25に、上記エンコーダ27c自身ではなく、このエンコーダ27cを接着固定した芯金33を圧入嵌合する構成を採用している。この為、この圧入に伴って上記エンコーダ27cの内部で発生する応力を、十分に小さくできる。従って、このエンコーダ27cがこの応力によって破損する事を有効に防止できる。又、このエンコーダ27cは、上記芯金33の外周面の全周に接着固定している為、使用時に上記駆動軸部材11が熱膨張と熱収縮とを繰り返しても、上記エンコーダ27cと上記芯金33との間に隙間が生じる事はない。従って、このエンコーダ27cの組付け位置がずれる事を防止できる。
又、本例の場合には、上記エンコーダ27cの内端縁を、上記駆動軸部材11の中間部外周面に設けた第二の段差面26に突き当てている。但し、上記エンコーダ27cの外周面の軸方向内端部に無着磁領域34を設ける事により、この外周面の外端部乃至中間部に存在する第一、第二両特性変化部31、32と、上記第二の段差面26との間に、間隔をあけている。この為、これら第一、第二両特性変化部31、32のうち、上記第二の段差面26側の第二の特性変化部32から出入りする磁束が、この第二の段差面26の周辺部分に向けて流れる事を有効に防止できる。従って、上記第一、第二両特性変化部31、32に近接対向する部分(1対のセンサ28a、28bの検出部を配置する部分)の磁束密度が、上記両特性変化部31、32同士の間で著しく異なった大きさになる事を有効に防止できる。この結果、状態量の測定を正確に行なえなくなると言った不都合が生じる事を有効に防止できる。
尚、上述した実施の形態の第1例では、上述したエンコーダ27cの代わりに、図3に示す様な被検出面を有するエンコーダ27d、即ち、第二特性変化部32の幅寸法を、第一特性変化部31の幅寸法よりも大きくしたエンコーダ27dを使用する事もできる。この様なエンコーダ27dを使用すれば、上記第二特性変化部32の内端部(鎖線αよりも右側の領域)で上述した様な原因で磁束の流れ方向が変化しても、検出領域である外端部乃至中間部(鎖線αよりも左側の領域)で上述した様な原因で磁束の流れ方向が変化しない様にできる。従って、この場合も、上記検出領域に近接対向する部分(1対のセンサ28a、28bの検出部を配置する部分)の磁束密度が、軸方向の両側で著しく異なった大きさになる事を有効に防止できる。
[実施の形態の第2例]
次に、図4は、請求項1、2、3、4、6、8に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、エンコーダ27aとして、前述の図9〜11に示した、被検出面である外周面に無着磁領域を有しないエンコーダ27aを使用している。その代わりに、本例の場合、このエンコーダ27a及び芯金33の内端縁と、駆動輪部材11の中間部外周面に存在する第二の段差面26との間に、上記エンコーダ27aの厚さ寸法と同程度の幅寸法(図4の左右方向寸法)を有する、隙間36を設けている。これにより、被検出面である、上記エンコーダ27aの外周面と、上記第二の段差面26との間に、上記隙間36の幅寸法分の間隔をあけている。この為、本例の場合も、上記エンコーダ27aの外周面から出入りする磁束が上記第二の段差面26の周辺部分に流れて、磁束の流れ方向が変化する事を有効に防止できる。従って、上記エンコーダ27aの外周面に近接対向する部分(1対のセンサ28a、28bの検出部を配置する部分)の磁束密度が、軸方向の両側で著しく異なった大きさになる事を有効に防止できる。この結果、状態量の測定を正確に行なえなくなる、と言った不都合が生じる事を有効に防止できる。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
次に、図5は、請求項1、2、3、4、6、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、エンコーダ27aとして、前述の図9〜11に示した、被検出面である外周面に無着磁領域を有しないエンコーダ27aを使用している。又、このエンコーダ27aを添着固定する芯金33aとして、断面クランク形で全体を円環状に構成したものを使用している。この芯金33aは、大径円筒部37と、小径円筒部38と、これら両円筒部37、38を連結する円輪部39とを備える。そして、このうちの小径円筒部38の外周面に、上記エンコーダ27aの内周面を全周に亙り接着固定している。又、この状態で、このエンコーダ27aの内端縁と上記円輪部39との間に、このエンコーダ27aの厚さ寸法と同程度の幅寸法(図5の左右方向寸法)を有する、隙間36を設けている。又、この様にエンコーダ27aを支持固定した芯金33aは、上記大径円筒部37を、駆動軸部材11の中間部外周面に設けた円筒面部23に圧入する事により、この駆動軸部材11に支持固定している。又、この状態で、上記円輪部39を、上記円筒面部23の外端部に存在する第二の段差面26に突き当てる事により、軸方向の位置決めを図っている。又、この状態で、上記大径円筒部37の外周面に、シール環15を構成するシール材17に形成した3本のシールリップ22a、22b、22cのうちの2本のシールリップ22a、22bの先端縁を、全周に亙り摺接させている。
上述の様に構成する本例の場合、芯金33aを構成する各部位のうち、エンコーダ27aを外嵌固定した小径円筒部38ではなく、このエンコーダ27aを外嵌固定していない大径円筒部37を、駆動軸部材11の円筒面部23に圧入している。この為、この圧入時に上記エンコーダ27aが拡径する量を、上述した各実施の形態の場合に比べて、更に小さくできる。従って、この圧入時に上記エンコーダ27aの内部で発生する応力を、更に小さくできる。この結果、この応力によって上記エンコーダ27aが破損する事を、より有効に防止できる。又、本例の場合、被検出面である、上記エンコーダ27aの外周面と、上記芯金33aを構成する円輪部39との間に、上記隙間36の幅寸法分の間隔をあけている。この為、上記エンコーダ27aの外周面から出入りする磁束が上記円輪部39に流れて、磁束の流れ方向が変化する事を有効に防止できる。従って、上記エンコーダ27aの外周面に近接対向する部分(1対のセンサ28a、28bの検出部を配置する部分)の磁束密度が、軸方向の両側で著しく異なった大きさになる事を有効に防止できる。この結果、状態量の測定を正確に行なえなくなる、と言った不都合が生じる事を有効に防止できる。その他の部分の構成及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。
尚、上述した各実施の形態では、エンコーダ及びセンサを含んで構成する状態量測定装置として、前述の図9〜11に示した、位相差検出方式の状態量測定装置を採用した。但し、本発明を実施する場合には、前述の図12〜13に示した、デューティ比検出方式の状態量測定装置を採用する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図7と同様の図。 この第1例に組み込むエンコーダの被検出面の一部を径方向外方から見た図。 エンコーダの被検出面の別例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 回転速度検出装置付駆動輪用ハブユニットの従来構造の1例を示す断面図。 図6のA部拡大図。 この従来構造の1例に組み込むエンコーダの被検出面の一部を径方向外方から見た図。 状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの従来構造の第1例を示す断面図。 この第1例に組み込むエンコーダの被検出面の一部を径方向外方から見た図。 アキシアル荷重の変動に伴って変化するセンサの出力信号を示す線図。 状態量測定装置付車輪支持用ハブユニットの従来構造の第2例を示す断面図。 この第2例に組み込むエンコーダの被検出面の一部を径方向外方から見た図。
符号の説明
1 駆動輪用ハブユニット
2 外輪
3 内側部材
4 転動体
5a、5b 外輪軌道
6 結合フランジ
7 取付フランジ
8a、8b 内輪軌道
9 等速ジョイント用外輪
10、10a ハブ
11 駆動軸部材
12 軸部
13 凹凸面部
14 シール環
15 シール環
16 カバー
17 シール材
18 大径円筒部
19 大径円輪部
20 小径円筒部
21 小径円輪部
22a、22b、22c シールリップ
23 円筒面部
24 段差面
25 第二の円筒面部
26 第二の段差面
27、27a〜27d エンコーダ
28、28a、28b センサ
29 通孔
30 車輪支持用ハブユニット
31 第一特性変化部
32 第二特性変化部
33、33a 芯金
34 無着磁領域
35 センサホルダ
36 隙間
37 大径円筒部
38 小径円筒部
39 円輪部

Claims (9)

  1. 駆動輪用ハブユニットと、状態量測定装置とを備え、
    このうちの駆動輪用ハブユニットは、内周面に第一、第二の外輪軌道を有し、使用時に懸架装置に結合された状態で回転しない外輪と、外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を支持する為の取付フランジを、同じく中間部に第一、第二の内輪軌道を、軸方向内端部に等速ジョイント用外輪を、それぞれ有し、使用時に回転する内側部材と、上記第一、第二の各外輪軌道と上記第一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、上記外輪の内周面と上記内側部材の外周面との間でこれら各転動体を設置した空間の両端開口を密封する1対の密封装置とを備え、このうちの内側部材は、外周面に上記取付フランジ及び上記第一の内輪軌道を有するハブと、外周面に上記第二の内輪軌道を、軸方向内端部に上記等速ジョイント用外輪を、それぞれ有する駆動軸部材とを、互いに結合固定して成るものであり、
    上記状態量測定装置は、エンコーダと、センサ装置と、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、上記内側部材の一部に支持固定されると共に、この内側部材と同心の被検出面を有し、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、この被検出面の特性が円周方向に関して変化する位相若しくはピッチを、少なくともこの被検出面の幅方向一部分で、この幅方向に関して連続的に変化させたものであり、
    上記センサ装置は、使用時にも回転しない部分に支持されると共に、少なくとも1個のセンサを備え、この少なくとも1個のセンサは、その検出部を上記被検出面のうちで、上記特性変化の位相若しくはピッチが幅方向に関して連続的に変化する部分に対向させており、且つ、この被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものであり、
    上記演算器は、上記センサの出力信号に関する情報に基づいて、上記外輪と上記内側部材との間の状態量を算出する機能を有するものである、
    状態量測定装置付駆動輪用ハブユニットであって、
    上記エンコーダ及び上記センサを、上記両密封装置により密封された空間内に配置した事を特徴とする状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  2. 1対の密封装置のうち、軸方向内側の密封装置は、基端部を外輪の軸方向内端部に嵌合固定した環状のカバーと、その基端部をこのカバーの先端部に全周に亙り固定すると共にその先端縁を駆動軸部材の表面に全周に亙り摺接させたシール材とから成り、エンコーダは、上記駆動軸部材の中間部外周面のうち第二の内輪軌道と上記シール材を摺接させた部分との間部分に支持固定されており、センサ装置は、上記カバーを介して上記外輪に支持固定されている、請求項1に記載した駆動輪用ハブユニット。
  3. エンコーダを永久磁石製とすると共に、このエンコーダの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させるべく、この被検出面にS極とN極とを円周方向に関して交互に配置している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  4. エンコーダを、磁性材製で円環状の芯金の全周に添着固定すると共に、この芯金を内側部材の一部に嵌合固定する事により、この内側部材に対して上記エンコーダを支持固定している、請求項3に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  5. 接着剤を使用して芯金の全周にエンコーダを添着固定している、請求項4に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  6. 芯金をインサート部品としてエンコーダをインサート成形する事により、この芯金の全周にエンコーダを添着固定している、請求項4に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  7. 芯金の表面のうち、エンコーダを添着固定した部分から外れた部分に、軸方向内側の密封装置を構成するシール材の一部を摺接させている、請求項4〜6のうちの何れか1項に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  8. エンコーダの被検出面の幅方向端縁部と、内側部材又は芯金との間に、この被検出面の幅方向に関する隙間を設けている、請求項3〜7のうちの何れか1項に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
  9. エンコーダの被検出面の幅方向端部に、S極及びN極が配置されていない無着磁領域を設けている、請求項3〜8のうちの何れか1項に記載した状態量測定装置付駆動輪用ハブユニット。
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