JP2008104905A - 触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のメッキ法、CVD法、塗布液法あるいは電着法等に比して極めて容易に均一で密着性、耐摩耗性、強度等に優れた金属酸化物微粒子層の形成しうる方法を提供する。
【解決手段】担体用金属酸化物微粒子を含む金属酸化物微粒子分散液に導電性基材を浸漬し、導電性基材と分散液に直流電圧を印加して導電性基材上へ金属酸化物微粒子層を形成した後、活性成分用金属塩水溶液を添加し、担体用金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させることを特徴とする触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、直流電圧を印加しながら導電性基材の表面に担体用金属酸化物微粒子層を形成し、ついで、活性成分用金属を析出させる新規な触媒の製造方法に関する。
さらに詳しくは、従来のメッキ法、CVD法、塗布液法あるいは電着法等に比して極めて容易に均一で密着性、耐摩耗性、強度等に優れた金属酸化物微粒子層の形成しうる方法に関する。
従来、成型触媒としてハニカム型触媒が知られ、石炭、重油燃焼排ガス中の窒素酸化物除去触媒(脱硝触媒)、自動車排ガス中の窒素酸化物除去触媒、自動車排ガス中の粒子状物除去触媒(特開2002−147218号公報:特許文献1)、硫化物酸化触媒、燃料電池用燃料処理触媒(例:メタネーション触媒)、脱臭触媒(特開平1−299558号公報:特許文献2)等として用いられている。
ハニカム型触媒には主に触媒成分を捏和し、押し出し成型して得られる酸化物型ハニカム型触媒と、金属製またはセラミックス製ハニカム基材に担体層を形成しこれに触媒成分を担持した触媒、あるいはハニカム基材に触媒層を形成して得られるハニカム型触媒とがある。
前者は歪み、撓みが生じたり、乾燥、焼成時にクラックが入りやすく、大きなハニカム触媒を得ることが困難であり、後者は金属製またはセラミックス製ハニカム基材表面に密着性に優れた担体層または/あるいは触媒層を形成することが困難であった。
このため、前者ではガラス繊維、有機繊維等の繊維状物質を使用することが行われている。(特開昭59−213442号公報:特許文献3、特開昭62−36080号公報:特許文献4)
しかしながら、ある程度歪み、撓み、クラック等が減少するものの完全になくすことは困難で生産性向上のためにさらに改良が求められていた。
また、後者についてはハニカム基材表面に突起を形成することが提案されている(特開2004−169111号公報:特許文献5)。
しかしながら、この方法でも担体層または触媒層の密着性が不充分で、長期にわたって使用すると触媒性能が低下したり、担体層または触媒層の剥離を生ずるなどの問題があった。
また、一般的に平板状等の簡単な構造の基材上に微粒子層を形成する方法として、導電性支持体上に半導体微粒子を電気泳動法により積層させて得られる光電池用光電変換素子が開示されている。(特開2002−100416号公報:特許文献6)
また、基板に金属酸化物で被覆したダイヤモンド砥粒を電着させることにより高密度の砥粒層を有する電着砥石の製造方法が開示されている。(特開2000−254866号公報:特許文献7)
さらに、ガス拡散電極材料としてフッ素樹脂微粒子を電気泳動法によって導電性基材の表面に析出させたガス拡散電極用フッ素樹脂含有多孔質体が開示されている。(特開2002−121697号公報:特許文献8)
特開2002−147218号公報 特開平1−299558号公報 特開昭59−213442号公報 特開昭62−36080号公報 特開2004−169111号公報 特開2002−100416号公報 特開2000−254866号公報 特開2002−121697号公報
しかしながら、上記方法は用途が限定されているとともに微粒子層の基材への密着性や、耐摩耗性、強度等が不充分な場合があった。特に、ハミカム基材のような複雑な構造を有する基材には積層することが困難で、できたとしても密着性や、耐摩耗性、強度等に問題があった。
さらに、従来の触媒は基材上に触媒機能を有する金属酸化物層を形成した触媒か、あるいは、基材上に担体として金属酸化物層を形成した後、活性成分用の金属塩を含浸し、乾燥し、還元することが行われていた。
しかしながら、このような従来の触媒は、活性が不充分であったり、耐摩耗性、強度等に問題があり、さらに工程が多いために生産性、経済性等に問題があった。
このような状況のもと、従来の方法では困難であった微細な目開きの穴を多数有するハニカム基材等にも均一で密着性、耐摩耗性、強度等に優れた触媒層を形成することができ、さらに洗浄工程、還元工程等を必ずしも必要としない触媒の製造方法を提供することが望まれている。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意検討した結果、金属酸化物微粒子分散液に金属製ハニカム基材などの複雑な構造の基材を浸漬し、直流電圧を印加しながら金属酸化物微粒子層を形成した後、分散液に活性成分用金属塩を加え、引き続き直流電圧を印加することにより金属成分を担持し、乾燥し、必要に応じて適度に還元すれば、高い活性を有する触媒が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる触媒の製造方法は以下の通りである。
[1]担体用金属酸化物微粒子を含む金属酸化物微粒子分散液に導電性基材を浸漬し、導電
性基材と分散液に直流電圧を印加して導電性基材上へ金属酸化物微粒子層を形成した後、活性成分用金属塩水溶液を添加し、担体用金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させることを特徴とする触媒の製造方法。
[2]前記担体用金属酸化物がMg、Ca、Ba(IIA族)、ランタノイド(IIIA族)、Ti、Zr(IVA族)、V(VA族)、Cr、Mo、W(YIA族)、Mn(VIIA族)、Zn(IIB族)、Al(IIIB族)、Si(IVB族)、P、Sb(VB族)から選ばれる1種以上の金属酸化物からなる微粒子であり、
金属酸化物微粒子の平均粒子径が10nm〜5μmの範囲にある[1]の触媒の製造方法。
[3]前記金属酸化物微粒子分散液がさらに繊維状微粒子を含み、該繊維状微粒子の長(L)が50nm〜10μm、径(D)が10nm〜2μm、アスペクト比(L)/(D)が5〜1,00
0の範囲にある[1]の触媒の製造方法。
[4]前記繊維状微粒子の含有量が固形分として全担体用金属酸化物微粒子の0.1〜20
重量%の範囲にある[3]の触媒の製造方法。
[5]前記担体用金属酸化物微粒子分散液が、繊維状微粒子とともに、平均粒子径2〜30
0nmの範囲にあるコロイド粒子を含む[3]または[4]の触媒の製造方法。
[6]前記コロイド粒子の含有量が固形分として全担体用金属酸化物微粒子の0.1〜20
重量%の範囲にあることを特徴とする[5]の触媒の製造方法。
[7]前記活性成分用金属塩がRu、Pt、Pd、Rh、Ir、Ni、Fe、Co(VIII族)およびAu、Ag、C
u(IB族)から選ばれる1種以上の金属の塩である[1]〜[6]の触媒の製造方法。
[8]前記活性成分金属の析出量が、最終的に得られる触媒中の0.1〜20重量%の範囲
にある[7]の触媒の製造方法。
[9]形成される金属酸化物微粒子層の厚さを10nm〜1mmの範囲とすることを特徴とする[1]〜[8]の触媒の製造方法。
本発明によれば、導電性基材の表面に担体用金属酸化物微粒子と活性成分用金属成分とからなる触媒層を極めて容易に形成することができ、従来の方法のような成型工程、洗浄工程、還元工程を必ずしも必要とせず、形成された触媒層は導電性基材への密着性がよく、耐摩耗性、強度等に優れており、活性、選択性および経済性にも優れた触媒の製造方法を提供することができる。特に、従来の方法では困難であった微細な目開きの穴を多数有するハニカム基材等にも均一で密着性、耐摩耗性、強度等に優れた触媒層を形成することができ、さらに洗浄工程、還元工程等を必ずしも必要としないので、煩雑な工程も必要としない。
以下、本発明に係る触媒の製造方法ついて具体的に説明する。
本発明に係る触媒の製造方法は、担体用金属酸化物微粒子を含む金属酸化物微粒子分散液に導電性基材を浸漬し、導電性基材と分散液に直流電圧を印加して導電性基材上へ金属酸化物微粒子層を形成した後、活性成分用金属塩水溶液を添加し、担体用金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させることを特徴としている。
導電性基材
本発明に用いる基材としては導電性を有していれば特に制限はなく従来公知の基材を用いることができる。
具体的にはアルミニウム、錫、各種ステンレス等の金属製、または、ガラス、酸化チタン、コージライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素等からなるセラミックス製の絶縁性基材上に導電膜を形成した導電性の基材などが使用される。絶縁性基材上の導電膜としてはアルミ、錫、金、銀、銅等の金属膜の他、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)等の導電性を有する金属酸化物からなる膜が挙げられる。
基材の形状としては、平板、波板、管、ハニカム基材等が挙げられる。とくにハニカム基材は、従来の製造方法では触媒を担持させること自体が、形状が複雑であるために煩雑な工程を必要とするだけでなく、形成した触媒層にクラックの発生などの強度や耐磨耗性などが必ずしも満足するものではなかった。しかしながら、本発明によれば、極めて容易に、クラック等を生じることなく、強度、耐摩耗性等に優れた担体用金属酸化物微粒子層と該微粒子層に担持された活性成分金属とからなる触媒層を形成できる。したがって、本発明の製造方法はとりわけハニカム基材などの形状が複雑な基材に好適である。
ハニカム型基材を用いる場合、外径が20〜200mmの範囲にある断面を有し、目開きが1〜30mmの範囲にあり、壁厚が0.01〜5mmの範囲にあり、長さが30〜1000mmの範囲にあることが好ましい。
外径が20mm未満のものは小さいためにセル数も少なく、用法に制限があることがある。
外径が200mmを超えると担体用金属酸化物微粒子層の形成が不均一となる場合があり、この場合は外径が200mm以下のものを積層して用いることが有利な場合がある。
また、目開きが0.5mm未満の場合は目開きが狭すぎるために触媒等として用いた場合に目詰まりを起こすことがあり、また、空塔速度が大きい反応には不向きでハニカム触媒を用いる効果が充分得られないことがある。
目開きが30mmを超えると、触媒層を形成した後も目開きが大きすぎ、触媒等として用いた場合に反応ガスの吹き抜けがおこり、充分な触媒性能が得られないことがある。
なお、本発明の目開きは形状を特に限定するものではないが、目開きとは、円形、楕円形、四角形等で一般的に採用されるセルの径をいい、円形では直径、楕円形では長径と短径何れかまたは平均値、正方形では1辺の長さ、長方形では縦または横の長さの何れかまたはその平均値をいう。
また、壁厚が0.01mm未満の場合は基材の材質にもよるが、ハニカム基材の強度が弱くなり、ハニカム触媒の製造工程、搬送、充填あるいは使用中等に変形を起こすことがある。壁厚が5mmを超えるものは、用途としての必要性がなく、非常に重量が嵩んだり、経済性の低下に加えてセル数が少なくなる欠点がある。
また、ハニカム基材の長さが30mm未満のものは使用が不便であり、ハニカム基材の長さが1000mmを超えると均一な微粒子層の形成や均一な活性成分金属の析出が困難となったり、このため性能が充分発揮できない場合がある。
なお、本発明に用いる導電性ハニカム基材の形状は、立方体、円柱状、コルゲート等所望の形状を採用することができ、また、目開きの形状も円形、三角形、四角形他種々の形状を採用することができる。
また、基材として、従来公知の平板状、波板、管等の基材を用いることができる。全体の大きさ(縦×横、長さ)が1000mmを越えると、均一な微粒子層の形成が困難で、電圧によっては微粒子層が形成できない部位が生じることがあり、このため、他の方法に対する優位性が得られないこともある。
本発明では、表面に凹凸を有する導電性基材を用いることができる。しかしながら、本発明では金属酸化物微粒子に後述する繊維状微粒子を配合して用いるので、必ずしも表面に凹凸を有する導電性基材を用いる必要はない。このため、凹凸を形成することもないので経済性に優れている。
金属酸化物微粒子
本発明に用いる担体用金属酸化物微粒子としては直流電圧を印加して基材上に付着させることができれば特に制限はなく、従来公知の担体として用いられる金属酸化物の微粒子を用いることができる。
なかでもIIA族、IIIA族、IVA族、VA族、VIA族、VIIA族、VIII族、IIB族、IIIB族、IVB
族、VB族元素の金属酸化物からなる微粒子が好適に用いられる。具体的にはMg、Ca、Ba、La、Ce、Ti、Zr、V、Cr、Mo、W、Mn、Zn、Al、Si、P、Sb、Co、Ni、Ruから選ばれる1種以上の元素の金属酸化物からなる金属酸化物粒子(複合酸化物微粒子を含む)を好適に用いることができる。より好ましくは、Mg、Ti、Zr、W、Zn、Al、Si、P、Co、Ni、Ruである。
このような金属酸化物微粒子の平均粒子径は10nm〜5μm、さらには20nm〜1μmの範囲にあることが好ましい。
金属酸化物微粒子の平均粒子径が10nm未満の場合は、微粒子層を形成し、ついで活性成分金属を析出させた後、乾燥、必要に応じて還元などの加熱処理した際に微粒子層の収縮が激しく、微粒子層にクラックが生じることがある。
金属酸化物微粒子の平均粒子径が5μmを超えると、導電性基材上への積層が不充分になったり、積層しても基材との密着性が不充分となることがある。
繊維状微粒子
本発明では、前記金属酸化物微粒子分散液は、必要に応じて繊維状微粒子を含んでいてもよい。繊維状微粒子としては、前記したと同様の成分の繊維状金属酸化物微粒子を用いることができる。このとき、繊維状微粒子と金属酸化物微粒子とは同一成分であっても異なる成分であってもよい。繊維状微粒子は、基材表面に凹凸を形成して、金属酸化物微粒子層と基材との密着性を高める作用を有する。
繊維状微粒子としては、繊維状シリカ、繊維状アルミナ、繊維状酸化チタン等が好適に使用される。
繊維状微粒子は長さが50nm〜10μm、好ましくは100nm〜5μmの範囲にあり、径が10nm〜2μm、好ましくは20nm〜2μmの範囲にあり、アスペクト比長さ/径が5〜1000、好ましくは10〜500の範囲である。
繊維状微粒子の大きさが上記範囲にあると形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性が向上するだけでなく、金属酸化物微粒子層は強度、耐摩耗性にも優れている。
繊維状微粒子の長さが短い場合は、繊維状である効果が充分に発現されず、形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性向上効果が不充分となることがある。繊維状微粒子の長さが長すぎても、繊維状粒子同士が顕著に交絡するようになるためか形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性向上効果が不充分となることがある。
繊維状微粒子の径が小さいものは、細すぎるので繊維状粒子自体が基材との密着性が不充分であり、また基材上への繊維状微粒子による凹凸形成効果が小さいためか形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性向上効果が不充分となることがある。
繊維状微粒子の径が大きくても、かえって太すぎるため繊維状粒子自体が基材との密着性が不充分となり、形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性が不充分となることがある。
また、アスペクト比が小さいと繊維状である効果が充分に発現されず、凹凸形成効果が小さいためか形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性向上効果が不充分となることがある。
アスペクト比が大きすぎると、繊維状粒子同士が交絡するようになるため形成される金属酸化物微粒子層と基材との密着性向上効果が不充分となることがある。
このような繊維状微粒子の使用量は、金属酸化物微粒子の重量に対し0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
繊維状粒子の使用量が少ないと、充分な基材との密着性が得られないことがある。また繊維状粒子の使用量が多すぎると、繊維状微粒子が基材表面上で凹凸の形成に寄与する粒子と金属酸化物微粒子層中にあって金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性等の向上に寄与する粒子以外の過剰の繊維状粒子の使用量となり、このため基材との密着性や強度がさらに向上することもなく、かえって金属酸化物微粒子の割合が少なくなるために用いる反応の種類によっては活性、選択性等が不充分となることがある。
その他成分
さらに、本発明では、平均粒子径が2〜300nm、好ましくは5〜100nmの範囲にあるコロイド粒子を用いることができる。コロイド粒子としては粒子表面に帯電した粒
子であれば特に制限はないが酸化チタン、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ジルコニア等のコロイド粒子が挙げられる。このようなコロイド粒子を含んでいると直流電圧を印加して金属酸化物微粒子を積層させる際に金属酸化物微粒子の積層が促進される傾向があり、バインダー効果として形成された金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性が向上する場合がある。
なお、コロイド粒子は前記金属酸化物微粒子と同一金属酸化物の粒子となる場合であっても好適に用いることができる。
コロイド粒子の平均粒子径が小さい場合は、用いる金属酸化物微粒子の種類によっては分散液が不安定になり、金属酸化物微粒子の積層を促進する効果、形成された金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性を向上する効果が得られない場合がある。コロイド粒子の平均粒子径が大きすぎると、コロイド粒子表面の帯電量が少なくなり、金属酸化物微粒子に付着して積層を促進する効果、金属酸化物微粒子同士を結合することによる金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性を向上する効果が不充分となる場合がある。
コロイド粒子の使用量は固形分として金属酸化物微粒子、繊維状微粒子の合計重量の0.1〜20重量%、さらには0.5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
コロイド粒子の使用量が少ない場合は、前記積層を促進する効果が不充分であり、かつ形成された金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性を向上させる効果が不充分である。コロイド粒子の使用量が多すぎると、前記積層を促進する効果、金属酸化物微粒子層の強度、耐摩耗性を向上させる効果がさらに向上することもなく、かえって担体用金属酸化物微粒子の割合が少なくなることに加えて金属酸化物微粒子を被覆するようになるためか活性、選択性等触媒性能が不充分となることがある。
触媒の製造方法
本発明では使用する金属酸化物微粒子分散液は、上記した金属酸化物微粒子が分散媒に分散したものである。分散媒としては、通常、水が用いられるが、場合によってはアルコール類、ケトン類、グリコール類等が含まれていてもよく、これらは混合溶媒であってもよい。アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等、ケトン類としてはアセトンなどグリコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
必要に応じて、繊維状微粒子、コロイド粒子を前記金属酸化物微粒子分散液に分散させる。
分散は公知の混合方法を特に制限無く使用できる。
分散液の固形分濃度(金属酸化物微粒子、繊維状微粒子およびコロイド粒子を含む場合その量も含む)は1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。固形分濃度が少ないと、積層させる基材表面の面積にもよるが、濃度が薄すぎて1回の操作で所望の厚さに積層できない場合があり、繰り返し積層操作を必要となる。固形分濃度が高すぎると、分散液の粘度が高くなり、積層した微粒子層の緻密度が低下し、強度、耐摩耗性が不充分となることがある。
本発明の触媒の製造方法では、まず、以上のようにして調製した分散液に導電性基材を浸漬し、導電性基材と分散液に直流電圧を印加する。通常、金属酸化物粒子の電荷の属性により、導電性基材が負極とするか正極となるかが決まる。通常は、前記した金属酸化物微粒子は、プラス荷電であることが多いので導電性基材を負極として、対極を正極とする。対極としては、溶出しないものであれば特に制限されないが、通常SUSなどが使用され
る。また、導電性基材と同じ素材のものを使用することも可能である。対極の形状としても特に制限されないが、通常は平板状のものが好適である。
印加電圧は金属酸化物微粒子の種類、導電性基材の種類等によって異なるが1〜200V(DC)、さらには10〜100V(DC)の範囲にあることが好ましい。なお、通常直流電圧が印加される。
印加電圧が小さいと、微粒子の積層が不充分となり、微粒子が斑に積層したり、積層に長時間を要することがある。印加電圧が高すぎると、積層速度は速いものの、得られる微粒子層の緻密度が低下し、強度、耐摩耗性が不充分となることがある。
印加する時間は金属酸化物微粒子の種類および量等によって異なるが、概ね1〜60分程度である。
このようにして形成された担体用金属酸化物微粒子層は、印加電圧および印加時間、分散液の濃度によるが、厚さが100nm〜1mm、さらには200nm〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。
担体用金属酸化物微粒子層の厚さが薄いと、触媒性能が不充分となることがあり、担体用金属酸化物微粒子層の厚さが厚すぎると微粒子層の積層が困難であったり、積層することができたとしても、基材への密着性が不充分であったり、微粒子層の強度、耐摩耗性等が不充分となることがある。
本発明では、担体用金属酸化物微粒子を基板上に積層させた後、(1)分散液に所望の活
性成分用金属塩水溶液を添加し、引き続き直流電圧を印加して金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させる。なお、(2)他の方法としては、別の活性成分用金属塩水溶液
を入れた容器に担体用金属酸化物微粒子を積層させた基材を浸漬し、同様に直流電圧を印加して金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させることもできる。
活性成分用金属塩としては触媒活性成分として有用な従来公知の金属塩を用いることができる。なかでも、比較的低電圧の印加で容易に還元しうる金属塩が好適に用いられ、Ru、Pt、Pd、Rh、Ir、Ni、Fe、Co等のVIII族の金属の塩、Au、Ag、Cu等のIB族金属の塩から選ばれる1種以上の金属の塩が挙げられる。
具体的にじは、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、塩化白金酸、ジクロロテトラアミン白金、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウム、硝酸イリジウム、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硝酸コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、塩化金酸、硝酸銀、硝酸銅、硫酸銅等が挙げられる。
このような金属塩の濃度は金属塩が必要量溶解していれば特に制限はないが、通常、金属としての濃度が0.1〜20重量%の範囲にあることが望ましい。
活性成分用金属を析出させる際の印加電圧は金属塩の種類、導電性基材の種類等によって異なるが1〜200V(DC)、さらには10〜100V(DC)の範囲にあることが好ましい。
印加電圧が小さい場合は、金属種によっては金属の還元析出が不充分であったり、還元析出に長時間を要したりすることがある。
印加電圧が高すぎると、還元析出が早すぎるためか担体用金属酸化物微粒子層の上層表面に高濃度で析出したり、メッキ状態で析出することがあり、触媒性能(活性、選択性等)が不充分となることがある。
印加する時間は金属塩の種類および量等によって異なるが、概ね1〜60分程度である。
金属を析出させた後、基材を取り出し、必要に応じて洗浄し、乾燥し、さらに必要に応じて還元処理してもよい。
本発明では、金属塩を還元して金属を金属酸化物微粒子層に析出させる一方、金属塩のアニオンの殆どは導電性基材の対極上または液中に残存するので、触媒層中に残存するアニオンは少量となる。このため、活性、選択性等にアニオンが影響しない場合は洗浄する必要はないが、必要に応じて洗浄してもよい。洗浄方法としては前記アニオンを除去できれば特に制限はないが、純水、温水等を用いて容易に除去することができる。
ついで、乾燥するが、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。
本発明の方法では、活性成分が金属状態で析出しているので乾燥後の触媒をそのまま反応に用いて充分な性能が得られるが、乾燥後、加熱処理あるいは還元処理をすることもできる。
還元処理は、通常、200〜500℃、さらには300〜400℃の比較的低温で充分であり、処理時間は概ね1〜48時間である。還元処理する際の雰囲気は通常水素ガスあるいは不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気が採用される。なお、金属成分の種類によってはこのような還元処理に代えて不活性ガス雰囲気下、上記温度範囲で加熱処理しても充分な性能が得られる場合がある。
析出した活性成分用金属の含有量は最終的に得られる触媒(導電性基材を除く)中の0.1〜20重量%、さらには0.2〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
活性成分用金属の含有量が少ないと活性が不充分となることがあり、活性成分用金属の含有量が多すぎると、活性成分金属が多すぎて金属成分の粒子径が大きくなりすぎて活性がむしろ低下することがある。
以上のようにして、基板上に形成された触媒層は、厚さが10nm〜1mm、さらには20nm〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。
触媒層の厚さが薄いと触媒性能が不充分となることがあり、触媒層の厚さが厚すぎると前記したように担体用金属酸化物微粒子層の積層が困難であったり、積層することができたとしても、基材への密着性が不充分であったり、微粒子層の強度、耐摩耗性等が不充分となることがある。
[実施例]
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
繊維状微粒子(1)の調製
ルチル型酸化チタン粉末(商品名CR-EL、石原産業(株)製)60gを濃度40重量%の
NaOH水溶液10Lに混合した。この酸化チタン粉末混合アルカリ水溶液をオートクレ
ーブに充填し、150℃で25時間撹拌しながら水熱処理した。その後、室温までに冷却し、濾過分離し、1Nの塩酸20Lを掛けて洗浄し、ついで、120℃で16時間乾燥し
、ついで500℃で焼成して酸化チタンの繊維状微粒子(1)を調製した。繊維状微粒子(1)の長さ(L)、径(D)、アスペクト比(L/D)を測定した。結果を表1に示す。
金属酸化物微粒子(1)の調製
塩化ジルコニウム水溶液(第1稀元素化学工業(株)製:ジルコンゾール、ZrO2
度25.1重量%)329.5gと硝酸コバルト(関西化学(株)製:CoO濃度25.7
7重量%)260.6gとを純水3630gに溶解した混合水溶液を調製した。
水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)129.9gを純水11000gに溶解したアルカリ水溶液を室温で撹拌しながら、これに上記混合水溶液を10分で添加して水酸化ジルコニウム、水酸化コバルトの混合ヒドロゲルを調製した。
ついで、70℃で2時間熟成した後、濃度63重量%の硝酸を用いてヒドロゲルのpHを7.5〜8になるように調整した。その後、ヒドロゲルを濾過し、洗浄し、120℃で乾燥し、ついで、500℃で2時間焼成してZrO2・CoO複合酸化物を得た。これを粉
砕して平均粒子径1.4μmの粒子とし、金属酸化物微粒子(1)を調製した。金属酸化物
微粒子(1)の組成を表1に示した。
金属酸化物微粒子分散液(1)の調製
金属酸化物微粒子(1)80gを純水500gに分散させ、撹拌しながらコロイド粒子と
してチタニアゾル(触媒化成工業(株)製:HPW-18NR、平均粒子径18nm、TiO2濃度10重量%、分散媒:水)25gおよび繊維状微粒子(1)20gを加えた。ついで、30
分撹拌した後、20分間超音波を照射して金属酸化物微粒子分散液(1)を調製した。
金属酸化物微粒子層付基材(1)の調製
500mlのガラスビーカーに金属酸化物微粒子分散液(1)400gを入れ、この分散
液に負極としてハニカム基材(新日本製鉄(株)製:外径30mm、長さ50mm、壁厚30μm、目開き200cpsi、SUS製)を、正極としてSUS製(ハニカム基材と同材質)の5cm×5cmの平板を挿入した。金属酸化物微粒子分散液(1)をマグネチックス
ターラーで攪拌しながら、1mmφのSUS線で直流電源として直流電圧装置(菊水電気(株)型式PAD35―10L)と正極および負極を接続し、50V(DC)の電圧を5分
間印加して金属酸化物微粒子層を形成した。ついで、微粒子層を形成したハニカム基材を取り出し、120℃で1時間乾燥して金属酸化物微粒子層付基材(1)を調製した。
触媒(1)の調製
250mlのガラスビーカーにRuO2として濃度5重量%の硝酸ルテニウム(小島化
学(株)製)100gを入れ、この中に負極として金属酸化物微粒子層付基材(1)を入れ
、直流電圧装置(菊水電気(株)型式PAD35―10L)と正極および負極を1mmφ
のSUS線で接続し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、40V(DC)の電圧を、2分間印加しルテニウムを析出させた。
ついで、金属酸化物微粒子層付基材(1)を取り出し、純水100gで充分洗浄し、12
0℃で3時間乾燥した。その後、窒素中で500℃、2時間加熱処理してルテニウムを担持した触媒(1)を調製した。
得られた触媒(1)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
以下のようにして評価した。結果および担持金属量を表1に示した。
金属酸化物微粒子層の厚さ
電着されたハニカム基材試料(1)をエポキシ樹脂で固め、金きり鋸で輪切りに切断し、
断面を研磨すし、この断面を走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所(株)製)で撮影し、写真上でノギスにより膜厚を測定し、結果を表に示した。
密着性
ハニカム基材外表面に電着した触媒層を親指の腹で擦り、
親指に触媒粉が全然付かない ◎
親指に触媒分が多少付く ○
親指で擦ると触媒分が剥離する ×
金属酸化物微粒子層の均一性
SEM写真より目視で膜の均一性を判断した。
ハニカム基材に触媒が均一な膜を形成していた。 ◎
ハニカム基材に触媒が一部不均一に電着されていた。 ○
ハニカム基材に触媒がマダラに電着されていた。 △
ハニカム基材に触媒が電着されていなかった。 ×
性能評価
触媒(1)について、下記の方法でCOのメタネーション反応を行い、触媒性能を評価し、
結果を表に示した。
触媒性能
固定床焼流通式反応装置の反応管に触媒(1)を装填後、水素ガス(窒素50Vol%混合
ガス)を流しながら、500℃で、1時間還元した。ついで、160℃まで降温し、反応ガス(組成CO:5vol%、CO2:20vol%、CH4:2vol%、H2:バラン
ス)をSV:2000hr-1になるように流通させ、約1時間後の定常状態での生成ガスをガスクロマトグラーフイーおよび赤外分光型ガス濃度計で分析した。CO濃度は20ppmと良好な結果を得た。
[実施例2]
触媒(2)の調製
実施例1において、20V(DC)の電圧を4分間印加した以外は同様にして触媒(2)を
調製した。
得られた触媒(2)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(2)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は40ppmと良好な結果を得た。
[実施例3]
触媒(3)の調製
実施例1において、60V(DC)の電圧を2分間印加した以外は同様にして触媒(3)を
調製した。
得られた触媒(3)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(3)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は15ppmと良好な結果を得た。
[実施例4]
繊維状微粒子(4)の調製
ルチル型酸化チタン粉末(商品名CR-EL、石原産業(株)製)60gを濃度40重量%の
NaOH水溶液10Lに混合した。この酸化チタン粉末混合アルカリ水溶液をオートクレ
ーブに充填し、140℃で20時間撹拌しながら水熱処理した。その後、室温までに冷却し、濾過分離し、1Nの塩酸20Lを掛けて洗浄し、ついで、120℃で16時間乾燥し
、ついで500℃で焼成して酸化チタンの繊維状微粒子(2)を調製した。繊維状微粒子(4)の長さ(L)、径(D)、アスペクト比(L/D)を測定し、結果を表に示した。
金属酸化物微粒子分散液(4)の調製
実施例1において繊維状微粒子(4)20gを用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子
分散液(4)を調製した。
触媒(4)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(4)を用いた以外は同様にして触媒(4)を調製した。
得られた触媒(4)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(4)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は25ppmと良好な結果を得た。
[実施例5]
繊維状微粒子(5)の調製
ルチル型酸化チタン粉末(商品名CR-EL、石原産業(株)製)60gを濃度40重量%の
NaOH水溶液10Lに混合した。この酸化チタン粉末混合アルカリ水溶液をオートクレ
ーブに充填し、150℃で50時間撹拌しながら水熱処理した。その後、室温までに冷却し、濾過分離し、1Nの塩酸20Lを掛けて洗浄し、ついで、120℃で16時間乾燥し
、ついで500℃で焼成して酸化チタンの繊維状微粒子(5)を調製した。繊維状微粒子(5)の長さ(L)、径(D)、アスペクト比(L/D)を測定し、結果を表に示した。
金属酸化物微粒子分散液(5)の調製
実施例1において繊維状微粒子(5)20gを用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子
分散液(5)を調製した。
触媒(5)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(5)を用いた以外は同様にして触媒(5)を調製した。
得られた触媒(5)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(5)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は20ppmと良好な結果を得た。
[実施例6]
金属酸化物微粒子分散液(6)の調製
実施例1において、純水500gの代わりにイソプロピルアルコール500gに金属酸化物微粒子(1)80gを分散させた以外は同様にして金属酸化物微粒子分散液(6)を調製した。
触媒(6)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(6)を用いた以外は同様にして触媒(6)を調製した。
得られた触媒(6)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(6)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は25ppmと良好な結果を得た。
[実施例7]
金属酸化物微粒子分散液(7)の調製
実施例1において、コロイド粒子としてチタニアゾル12gを用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子分散液(7)を調製した。
触媒(7)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(7)を用いた以外は同様にして触媒(7)を
調製した。
得られた触媒(7)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(7)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は20ppmと良好な結果を得た。
[実施例8]
金属酸化物微粒子分散液(8)の調製
実施例1において、コロイド粒子としてチタニアゾル43gを用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子分散液(8)を調製した。
触媒(8)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(8)を用いた以外は同様にして触媒(7)を調製した。
得られた触媒(8)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(8)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は30ppmと良好な結果を得た。
[実施例9]
金属酸化物微粒子層付基材(9)の調製
実施例1と同様にして金属酸化物微粒子層付基材(1)を調製した。
触媒(9)の調製
250mlのガラスビーカーに濃度5重量%硝酸パラジウム(関東化学(株)製)100gを入れ、この中に負極として金属酸化物微粒子層付基材(1)を入れ、直流電圧装置(
菊水電気(株)型式PAD35―10L)と正極および負極を1mmφのSUS線で接続
し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、40V(DC)の電圧を2分間印加し、パラジウムを析出させた。
ついで、金属酸化物微粒子層付基材(1)を取り出し、純水100gで充分洗浄し、12
0℃で3時間乾燥した。その後、窒素中で500℃、2時間加熱処理してパラジウムを担持した触媒(9)を調製した。
得られた触媒(9)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を
評価した結果および担持金属量を表に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(9)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度
は40ppmと良好な結果を得た。
[実施例10]
金属酸化物微粒子分散液(10)の調製
実施例5において、繊維状微粒子(5)を用いなかった以外は同様にして金属酸化物微粒
子分散液(10)を調製した。
触媒(10)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(10)を用いた以外は同様にして触媒(10)を調製した。
得られた触媒(10)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を評価した結果および担持金属量を表1に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(10)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度は20ppmと良好な結果を得た。
[比較例1]
金属酸化物微粒子(R1)の調製
塩化ジルコニウム水溶液(第1稀元素化学工業(株)製:ジルコンゾール、ZrO2
度25.1重量%)329.5gと硝酸コバルト(関西化学(株)製:CoO濃度25.7
7重量%)260.6gとを純水3630gに溶解した混合水溶液を調製した。
水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)129.9gを純水11000gに溶解したアルカリ水溶液を室温で撹拌しながら、これに上記混合水溶液を10分で添加して水酸化ジルコニウム、水酸化コバルトの混合ヒドロゲルを調製した。
ついで、70℃で2時間熟成した後、濃度63重量%の硝酸を用いてヒドロゲルのpHを7.5〜8になるように調整した。その後、ヒドロゲルを濾過し、洗浄し、120℃で乾燥し、ついで、500℃で2時間焼成してZrO2・CoO複合酸化物を得た。
ZrO2・CoO複合酸化物100gを粉砕して平均粒子径1.4μmの粒子とした。
この粉体に、塩化ルテニウム(小島化学(株)製)3.4gを、水12.5gを溶解したRuO2として濃度5重量%の塩化ルテニウム水溶液を吸収させ、ついで、120℃で16時間乾燥した。その後、乾燥粉体100gを濃度5重量%のアンモニア水1666gに分散させ、1時間撹拌した後、濾過し、洗浄して塩素を除去し、再び、120℃で16時間乾燥して金属酸化物微粒子(R1)を調製した。金属酸化物微粒子(R1)の組成を表1に示した。
金属酸化物微粒子分散液(R1)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子(R1)を用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子分散液(R1)を調製した。
金属酸化物微粒子層付基材(1)の調製
実施例1において、金属酸化物微粒子分散液(R1)を用いた以外は同様にして金属酸化物微粒子層付基材(R1)を調製した。
触媒(R1)の調製
金属酸化物微粒子層付基材(R1)を水素ガス(窒素80vol%混合)中、450℃で2時間還元処理してルテニウムを担持した触媒(R1)を調製した。
得られた触媒(R1)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を評価した結果および担持金属量を表1に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(R1)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度は70ppmであった。
[比較例2]
触媒(R2)の調製
実施例1と同様にして金属酸化物微粒子層付基材(1)を調製し、これを窒素中で500
℃、2時間加熱処理して触媒(R2)を調製した。
得られた触媒(R2)について、金属酸化物微粒子層の厚さ、密着性、微粒子層の均一性を評価し、結果を表1に示した。
性能評価
実施例1と同様にして触媒(R2)についてCOのメタネーション反応を行った。CO濃度は約10,000ppmであった。
Figure 2008104905

Claims (9)

  1. 担体用金属酸化物微粒子を含む金属酸化物微粒子分散液に導電性基材を浸漬し、導電性基材と分散液に直流電圧を印加して導電性基材上へ金属酸化物微粒子層を形成した後、活性成分用金属塩水溶液を添加し、担体用金属酸化物微粒子表面に活性成分用金属を析出させることを特徴とする触媒の製造方法。
  2. 前記担体用金属酸化物がMg、Ca、Ba(IIA族)、ランタノイド(IIIA族)、Ti、Zr(IVA族)、V(VA族)、Cr、Mo、W(YIA族)、Mn(VIIA族)、Zn(IIB族)、Al(IIIB族)、Si(IVB族)、P、Sb(VB族)から選ばれる1種以上の金属酸化物からなる微粒子であり、金属酸化物微粒子の平均粒子径が10nm〜5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 前記金属酸化物微粒子分散液がさらに繊維状微粒子を含み、該繊維状微粒子の長(L)が
    50nm〜10μm、径(D)が10nm〜2μm、アスペクト比(L)/(D)が5〜1,00
    0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
  4. 前記繊維状微粒子の含有量が固形分として全担体用金属酸化物微粒子の0.1〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の触媒の製造方法。
  5. 前記担体用金属酸化物微粒子分散液が、繊維状微粒子とともに、平均粒子径2〜300nmの範囲にあるコロイド粒子を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の触媒の製造方法。
  6. 前記コロイド粒子の含有量が固形分として全担体用金属酸化物微粒子の0.1〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の触媒の製造方法。
  7. 前記活性成分用金属塩がRu、Pt、Pd、Rh、Ir、Ni、Fe、Co(VIII族)およびAu、Ag、Cu(IB族)から選ばれる1種以上の金属の塩であることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の触媒の製造方法。
  8. 前記活性成分金属の析出量が、最終的に得られる触媒中の0.1〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の触媒の製造方法。
  9. 形成される金属酸化物微粒子層の厚さを10nm〜1mmの範囲とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の触媒の製造方法。
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