JP2008102363A - Ndフィルタ及びこれを用いた光量絞り装置 - Google Patents

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【課題】撮像光学系に用いても解像度の劣化することのない耐久性に優れたNDフィルタを提供する。
【解決手段】光吸収膜3,5と誘電体膜2,4,6を透明基材1上に積層したNDフィルタにおいて、透明基材1は、ノルボルネン類をモノマーとして合成され主鎖に脂環構造を持つ非晶質透明フィルムである。非晶質透明フィルムは、少なくとも可視域で透明であり、ヘイズ値が1%以下で、リタデーション値が20nm以下である。非晶質透明フィルムは、その厚みが50μm〜200μmの範囲にある。光吸収膜3,5は、Ti,Cr,Ni,NiCr,NiFe及びNiTiから選択される単体若しくはその化合物からなる。誘電体膜2,4,6は、SiO、Al、MgF、TiO及びCeOから選択される。
【選択図】図1

Description

本発明はNDフィルタ及びこれを用いた光量絞り装置に関する。ND(ニュートラルデンシティ)フィルタは、光量絞り用として可視域全般に渡り均一に透過光量を減衰させる目的で使用するものである。
従来よりカメラやビデオなどの撮像系において、被写体輝度が高過ぎる時は絞りを最小径に絞っても(開口径を最小にしても)感光面へ所定量以上の光量が入射してしまう場合がある。この為、撮像系の一部にNDフィルタを装着して感光面への入射光量を規制することがしばしば行われている。この場合、NDフィルタの分光特性は単に入射光量を減少させるということから、可視領域全般に亘り均一な透過率を有していることが必要となっている。カメラやビデオなどの撮像系においては、可視域全般に亘り均一に光量を減衰させる目的で以前からプラスチックフィルムベースのNDフィルタが用いられてきた。特に近年では光学特性及び耐久性に優れたプラスチックフィルムベースでその上に光学多層薄膜を積層したNDフィルタが多用される様になってきており、特許文献1及び2に記載されている。
特開平05‐173004号公報 特開2004‐246019公報
特許文献1に記載されたNDフィルタは、透明フィルム基材として、アセチルセルロースやポリエチレンテレフタレート(PET)を使っている。また特許文献2に記載されたNDフィルタは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明フィルム基材を用いている。
しかしながら、上述した樹脂材料は、比較的ヘイズ値やリタデーション値が大きく、撮像系の解像度劣化要因になるという問題がある。例えば薄膜積層方式のNDフィルタの基材として通常使用されるポリエステル系フィルムは、ロール作成時の張付き防止のため、表面に透明ビーズ等で凹凸を形成する必要があり、ヘイズ値が比較的高くなって光散乱の度合いが大きくなる。また内部複屈折率も大きく、リタデーション値が比較的高い。この様に従来から多用されているポリエステル系フィルムはヘイズ値及びリタデーション値が無視出来ない程度の範囲にあり、撮像光学系の解像度を劣化させる要因となっていた。
透明フィルム基材の上に光学薄膜を積層したNDフィルタのほか、透明樹脂基材に染料もしくは顔料を練り込んだタイプのNDフィルタも知られている。このタイプのNDフィルタは、ヘイズ値及びリタデーション値が比較的低いトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを基材に使用している。しかしながら、TACフィルムは高温多湿環境下での形状ならびに寸法変形が大きく、また透過率特性のばらつきも大きいことなどから、近年の高性能な撮像系では適用困難となっていた。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は信頼性が高く且つ撮像光学系に用いても解像度の劣化することのない耐久性に優れたNDフィルタを提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、光吸収膜と誘電体膜を透明基材上に積層したNDフィルタにおいて、前記透明基材は、ノルボルネン類をモノマーとして合成され主鎖に脂環構造を持つ非晶質透明フィルムであり、前記非晶質透明フィルムは、少なくとも可視域で透明であり、ヘイズ値が1%以下で、リタデーション値が20nm以下であることを特徴とする。
好ましくは前記非晶質透明フィルムは、その厚みが50μm〜200μmの範囲にある。又前記光吸収膜は、Ti,Cr,Ni,NiCr,NiFe及びNiTiから選択される単体若しくはその化合物からなる。又前記誘電体膜は、SiO、Al、MgF、TiO及びCeOから選択される誘電体材料からなる。かかるNDフィルタは光量絞り装置に好適である。
本発明によれば、光吸収膜と誘電体膜を透明基材上に積層したNDフィルタにおいて、非晶質透明フィルムを透明基材に用いている。この非晶質透明フィルムは可視域で透明であり、且つヘイズ値を1%以下としリタデーション値を20nm以下に抑えることが出来る。この様にヘイズ値及びリタデーション値がともに低い非晶質透明フィルムを基材に用いることで、撮像光学系に適用しても解像度の劣化がないNDフィルタを提供することが出来る。しかもこの非晶質透明フィルムを基材としその上に光吸収膜と誘電体膜を積層したNDフィルタは耐環境性に優れており、高温多湿下でも光学特性や物理特性が変化しない。低ヘイズ値及び低リタデーション値を示す非晶質透明フィルムを用いることで、NDフィルタ挿入時にも解像度が劣化することのない耐久性に優れた撮像光学系を実現することが可能になる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる薄膜型NDフィルタの基本的な構成を示す模式的な断面図である。図示するように、本NDフィルタは、光吸収膜3、5と誘電体膜2、4、6を透明基材1上に積層した薄膜型となっている。特徴事項として、この透明基材1は、ノルボルネン類をモノマーとして合成された主鎖に脂環構造をもつ非晶質透明フィルムである。この非晶質透明フィルムは、少なくとも可視域で透明であり、低ヘイズ値で且つ低リタデーション値を有する点に特徴がある。具体的には、非晶質透明フィルムはヘイズ値が1%以下でリタデーション値が20nm以下である。ヘイズ値は、透明性を測る目安となる。ヘイズ値は試験片の散乱光線透過率を全光線透過率で割ったものを百分率で表したものである。又リタデーションとは複屈折性媒体を透過する振動方向が直交する2つの直線偏光成分について、一方を基準として測った位相遅れをいう。上記の定義から明らかなように、ヘイズ値は透明フィルムの光散乱性を示す尺度であり、低ヘイズであるほど光散乱が少ない。またリタデーション値は透明フィルムの複屈折性を示す尺度であり、低リタデーションであるほど複屈折が生ぜず、光学歪が少ない。光散乱や複屈折は撮像系の解像度劣化の大きな要因である。非晶質透明フィルムは低ヘイズで低リタデーションに特徴があり、光散乱や複屈折が少ないため、撮像光学系の解像度を劣化させることがない。
非晶質透明フィルムは、撮像光学系のNDフィルタに用いる場合、その厚みは50μm〜200μmの範囲が適当である。但し本発明はこれに限られるものではなく、撮像光学系用途以外に使う場合、非晶質透明フィルムの厚みは数μm〜数mmの範囲でも差し支えない。
光吸収膜3,5は、Ti,Cr,Ni,NiCr,NiFe及びNiTiから選択される単体もしくはその化合物からなる。誘電体膜2,4,6は、SiO、Al、MgF、TiO及びCeOから選択される誘電体材料からなる。この様に透明フィルムからなる基材1の上に成膜する薄膜は、吸収膜3,5と誘電体膜(透明膜)2,4,6の交互層で、要求される光学特性に合わせて膜の層数や膜の厚みが調整される。場合によっては、透明基材1の裏面に反射防止膜を形成してもよい。あるいは表面と同じように裏面にも吸収膜と誘電体膜の交互層を形成してもよい。
図2はノルボルネンの化学構造式を示す。前述したように、非晶質透明樹脂は、図2に示したノルボルネンまたはその誘導体をモノマーとして合成されたポリマーである。
図3は、非晶質透明樹脂の代表的な例を示す構造式である。構造式(A)、(B)及び(C)は、いずれもノルボルネン類をモノマーとして構成され主鎖に脂環構造を有する。
上記非晶質透明樹脂としては、飽和非晶質透明樹脂が好ましく、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーと他のオレフィン系モノマーとの付加共重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加共重合体及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの非晶質透明樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を有するものであれば特に限定されないが、耐熱性、低線膨張率等に優れた成形品が得られることから、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いることが好ましい。上記ノルボルネン系モノマーの具体例としては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;テトラシクロペンタジエン等の七環体;これらのメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル、ビニル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;さらにこれらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、無水酸基、シリル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基等の炭素、水素以外の元素を含有する基、いわゆる極性基を有する置換体等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、反応性に優れ、得られる成形品の耐熱性が優れることから、三環体、四環体及び五環体のノルボルネン系モノマーが好適に用いられる。これらのノルボルネン系モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体の水素添加物としては、上記ノルボルネン系モノマーを公知の方法で開環重合させた後、残留している二重結合が水素添加されているものが広く用いられる。これは、ノルボルネン系モノマーの単独重合体であっても良いし、異種のノルボルネン系モノマーの共重合体であっても良い。
また、上記ノルボルネン系モノマーと他のオレフィン系モノマーとの付加共重合体としては、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。上記α−オレフィンとしては、炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられ、なかでも、共重合性が高いことから、エチレンが好ましく、他のα−オレフィンをノルボルネン系モノマーと共重合させる場合にも、エチレンが存在している方が共重合性が高められる。
これらの非晶質透明樹脂は公知であり、商業的に入手できる。商業的に入手できる非晶質透明樹脂の具体例としては、例えば、ジェイエスアール社製の商品名「アートン」シリーズ、日本ゼオン社製の商品名「ゼオノア」シリーズ、三井化学社製の商品名「アペル」シリーズ等が挙げられる。
図4は、種々の透明フィルムを基材として作成したNDフィルタの透過波面観察結果を示す写真である。(A)はPETフィルムを基材としたNDフィルタのサンプルである。(B)はポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを基材にしたNDフィルタのサンプルである。(C)はTACフィルムを基材にしたNDフィルタのサンプルである。(D)は本発明にしたがって非晶質透明フィルムを基材にしたサンプル写真である。4つのサンプルを比較すれば明らかなように、非晶質透明フィルムを基材にしたNDフィルタは、他のサンプルに比べ干渉縞の歪が少ない良好な結果を得ている。4つのNDフィルタサンプルを実際に撮像光学系に組み込んで評価した結果、従来のRETフィルムを基材にしたNDフィルタではクリア出来なかった解像度を、非晶質透明フィルムを基材にしたNDフィルタで満足することが出来た。また非晶質透明フィルムを基材にしたNDフィルタを環境試験に投入した結果、光学特性及び形状の安定性などに関し、実用上問題がないことが確認された。
図5は、本発明にかかるNDフィルタの実施例を示す断面図である。図示する様に、本NDフィルタ0は、光吸収膜3,5と誘電体膜2,4,6を透明基材1上に積層した薄膜型となっている。光吸収膜3,5は、金属材料を原料として蒸着により成膜されたものである。酸素を含む混合ガスを成膜時に導入し、真空度を1×10-3Paないし1×10-2Paの間で一定に維持した状態で金属材料の酸化物を生成している。換言すると、吸収膜3,5は、金属とその酸化物とで構成された複合材料構成となっている。好ましくは、光吸収膜3,5と誘電体膜2,4,6を透明基材1に積層した後、酸素を10%以上含む酸素雰囲気で加熱し、光学特性の変化を飽和させるとよい。一方、誘電体膜2,4,6はSiO2及びAl23から形成される。この場合、誘電体膜2,4,6及び光吸収膜3,5を所定の膜厚及び所定の順番で積層して反射防止機能を付与することができる。
引き続き図5を参照して、NDフィルタ0の具体的な膜構成を説明する。まず透明基材1は、厚みが0.1mm(100μm)の非晶質透明フィルムからなる。本実施例では、日本ゼオン社製のゼオノアフィルムを用いている。
透明基材1の上に形成された第1の誘電体膜2はSiO2からなり、その物理膜厚は75.8nmである。その上に成膜された第1の光吸収膜3は、金属Tiとその酸化物TiOxとで構成されており、物理膜厚は20.0nmである。その上に成膜された第2の誘電体膜4はAl23からなり、その物理膜厚は38.7nmである。その上に成膜された第2の光吸収膜5は、同じく金属Tiとその酸化物TiOxの混合物からなり、物理膜厚は38.0nmである。その上に成膜された第3の誘電体膜6は、SiO2からなりその物理膜厚は66.4nmである。尚、係る積層構成は例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。光学薄膜の場合、通常使用波長において透明なセラミックス材料を誘電体膜と表現している。光の干渉効果が現われる厚さ(波長の数倍程度)の誘電体膜を積層することで、入射する光線の光学特性(反射量、透過量、偏光、位相など)を自由に調節することができる。本実施形態では、図5に示す層構成とすることで、NDフィルタに反射防止機能を付与している。一方光吸収膜は、使用波長領域において文字通り光を吸収する働きがあり、可視域では通常金属を用いる。本発明では、特に金属材料にその酸化物を導入することで、光学特性並びに物理特性を改善している。
図6は、図5に示したNDフィルタの作成に使用する真空蒸着装置の一例を示す模式的なブロック図である。図示する様に、本装置は真空チャンバ11を主体に構成されており、その上には膜厚モニタ12と膜厚制御器13が取り付けられている。チャンバ11内には処理対象となる基材を支持固定する基材ホルダ14と、膜厚測定用基材15、と蒸着源16とが組み込まれている。膜厚モニタ12は光源と分光器と受光器とを備えている。分光器から出射した光は膜厚測定用基材15に入射し、これから反射した光が受光器に入射し、その出力が膜厚制御器13に送られる。この様に、膜厚をリアルタイムでモニタすることにより、基材上に所望の厚みの光吸収膜や誘電体膜を成膜する様にしている。
チャンバ11には真空計ゲージ部17、真空計制御部18、ガス導入ユニット19及び排気ユニット20が接続している。本実施例では、チャンバ11内の真空度を一定に保つ為に、APC方式を採用している。具体的には、真空計ゲージ部17及び真空計制御部18を介してフィードバックをかけ、ガス導入ユニット19を制御して、チャンバ11内に導入される混合ガスの量を調整している。但し、本発明はこれに限られるものではなく、導入量をニードルバルブにて一定に調整する方式を採用してもよい。
図7は、図6に示した真空蒸着装置を用いて、図5に示したNDフィルタを作成する場合の成膜条件を表わした表図である。図示する様に、基材温度は100℃としている。又、チャンバの到達真空度は1×10-3Paに設定している。ここで、光吸収膜3,5を成膜する為に、原料としてTiを用い、蒸着速度は1nm/secに設定している。Tiを蒸着する際に導入するガスとして、本実施例では窒素と酸素を4:1で混合した空気を用いている。但し、本発明はこれに限られるものではなく、一般的には酸素を50%以下の割合で含有する混合ガスが用いられる。尚、酸素を含有した混合ガスを導入した場合の蒸着真空度は、4×10-3Paに設定した。但し、本発明はこれに限られるものではなく、一般に1×10-3Pa〜1×10-2Paの間で一定に維持すれば、良好な光学特性並びに物理特性を有し且つ金属とその酸化物の混合物よりなる光吸収膜を成膜することができる。次に、誘電体膜2,6を成膜する場合には、蒸着源としてSiO2を用い、蒸着速度は1nm/secに設定している。SiO2を成膜する場合には特に反応性のガスを導入していない。又、誘電体膜4の成膜には、蒸着源としてAl23を用い蒸着速度を1nm/secに設定している。この場合も、反応性ガスは特に導入しない。
図8は、図5に示したNDフィルタの光学特性を表しており、透過率、反射率及び透過濃度を測定した結果を示すグラフである。なおこの測定結果は、図5に示したNDフィルタに熱処理を加えて安定化した後のデータである。この熱処理では、窒素と酸素の混合比が4:1の酸化雰囲気(大気)中で、80℃に50時間放置した。但し、本発明はこれに限られるものではなく、一般的な熱処理条件は酸素濃度が10%以上のガスで、熱処理温度は基材に損傷を与えない程度で設定する。一般的には、酸素濃度を増やし高温加熱をした方が、光学特性の経時変化を出し切る上では効果的である。グラフに示す様に、熱処理後では可視域において波長依存性はなく均一に透過光を減衰し、フィルタ面での反射を抑えたNDフィルタを得ることができた。
図9は、本発明にかかるNDフィルタをカメラ用絞り装置に適用した模式図である。一対に形成された内の1枚を示した絞り羽根100の凹部には、NDフィルタ105が接着剤106または熱溶着などにより固設されている。絞り羽根100は駆動部103により、支持ピン104の周りを回動して、開口部101を開閉するように構成されている。前述したように、絞り羽根100に装着されたNDフィルタは低ヘイズ値で低リタデーション値を示す非晶質透明フィルムを基材にしている。この非晶質透明フィルムは光散乱が少なく屈折率の異方性も小さい。よってNDフィルタ使用時も解像度が劣化することのない耐久性に優れた撮像光学系を提供することが可能である。
本発明にかかるNDフィルタの一般的な構成を示す模式的な断面図である。 ノルボルネンの化学構造を示す模式図である。 非晶質透明樹脂の代表例を示す化学構造式である。 種々の透明フィルムを基材に用いたNDフィルタサンプルの透過波面観察結果を示す写真である。 本発明にかかるNDフィルタの実施例を示す模式的な断面図である。 図5に示したNDフィルタの実施例の作成に用いる真空蒸着装置を示すブロック図である。 図5に示したNDフィルタの実施例の成膜条件を示す表図である。 図5に示したNDフィルタの実施例の光学特性を示すグラフである。 本発明にかかるNDフィルタをカメラ用絞り装置に適用した模式図である。
符号の説明
0・・・NDフィルタ、1・・・透明基材、2・・・誘電体膜、3・・・光吸収膜、4・・・誘電体膜、5・・・光吸収膜、6・・・誘電体膜

Claims (5)

  1. 光吸収膜と誘電体膜を透明基材上に積層したNDフィルタにおいて、
    前記透明基材は、ノルボルネン類をモノマーとして合成され主鎖に脂環構造を持つ非晶質透明フィルムであり、
    前記非晶質透明フィルムは、少なくとも可視域で透明であり、ヘイズ値が1%以下で、リタデーション値が20nm以下であることを特徴とするNDフィルタ。
  2. 前記非晶質透明フィルムは、その厚みが50μm〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載のNDフィルタ。
  3. 前記光吸収膜は、Ti,Cr,Ni,NiCr,NiFe及びNiTiから選択される単体若しくはその化合物からなることを特徴とする請求項1記載のNDフィルタ。
  4. 前記誘電体膜は、SiO、Al、MgF、TiO及びCeOから選択される誘電体材料からなることを特徴とする請求項1記載のNDフィルタ。
  5. 請求項1乃至4記載のNDフィルタを用いた光量絞り装置。
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