JP2008102109A - 磁場検出方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地磁気、磁性体等に起因する直流磁場が存在し、これが場所によって変化するような測定環境において、この直流磁場に重畳する微小交流磁場を高感度に検出する方法と検出装置に関する発明である。
【解決手段】直流環境磁場を素子インピーダンスのステップ現象により検出・測定し、測定された直流環境磁場に所定の磁場を加算あるいは減算したバイアス磁場を該素子に印加することにより、該素子が連続的にインピーダンス変化をする領域に動作点をおき、この領域を用いて微小交流磁場を検出する。
【選択図】図2

Description

この発明は、ステップ状インピーダンス変化特性を有した薄膜磁場検出素子を用いた磁場検出装置に関するものである。
薄膜磁性体に傾斜したストライプ状磁区構造を形成してステップ状インピーダンス変化特性を発現させた磁気インピーダンス素子については、特開2004−340953、特開2006−58236(特許文献1,2)で新規に発明され、地磁気と同等レベルの磁場強度を検出可能な磁場検出素子としてその構成方法と駆動方法が公知にされている。この素子を用いた磁場検出の基本的な原理は図1に示される。図1に示される曲線は、素子の磁場検出方向に印加するバイアス磁場と素子インピーダンスの関係図である。なお、バイアス磁場とは、センサ素子に負荷する制御磁場のことである。図1の破線は、測定すべき物理量である外部磁場が−164mOeの場合であり、図1の実線は、外部磁場が+240mOeの場合である。これらの図のように外部磁場が存在する状態でバイアス磁場を掃引した場合、ステップ状インピーダンス変化が発生するバイアス磁場強度が変化する。このステップ状インピーダンス変化が発生するバイアス磁場強度は、測定量である外部磁場に比例して変化するため、これを計測することで外部磁場の計測を可能にするものである。
このステップ状インピーダンス特性を有した磁気インピーダンス素子を用いた磁場検出装置は、以下のメリットを有する。
従来の連続的磁気インピーダンス特性は、素子毎にばらつきを有する磁場−インピーダンス特性における曲線形状の影響を受け、磁場測定結果にばらつきを生じるため、一個一個の磁場検出装置について何らかの調整が必要であった。一方、ステップ状インピーダンス特性を利用した素子ではステップ点の検出で外部磁場を検出するため、特性曲線の曲線形状ばらつきの問題が生じない。ステップ現象発生点のばらつきは、測定前に行われる装置の零点補正で修正可能である。素子のインピーダンスステップを発生させるのに必要な磁場(バイアス磁場)は数mGのオーダーで安定であり、バイアス磁場掃引時におけるステップ点発生磁場の検出のみで外部磁場が検出可能である。そのため、従来素子で問題になるような、動作点設定を素子特性ばらつきに応じて個別に行わなければならない問題や直線性誤差の歩留まり劣化の問題が発生しない。
また、本素子のもう一つのメリットとして、ステップ状に変化する素子インピーダンスを微分処理を行うことでパルス信号に変換して検出可能であるため、ノイズレベルより非常に大きなパルスを発生させることができ、ステップ点の検出が高感度かつ高精度に行える。このことは、磁場検出精度を向上させるほか、駆動電子回路後段の信号処理をデジタル回路を用いて行えるメリットがある。さらに、微分パルスに変換する手法を用いることで、素子に通電する高周波電流の周波数を低下させ得るというメリットも生じる。磁気インピーダンス素子は、通電電流の周波数を低下させるとインピーダンス変化量が低下し素子感度が低下するという原理的な宿命がある。ステップ状磁気インピーダンス素子においても駆動周波数を低下すると同時にインピーダンス変化量が減少する。しかしながら、本素子において微分処理による不連続点検出手法を用いることで、変化量は小さいものの急峻な変化をするステップ点の検出が容易に可能となる。検出回路後段の信号処理ではステップ点の発生タイミングとこれに対応するバイアス磁場強度のみを用いるため、インピーダンス変化量は小さくてもステップ点で発生するパルス信号を検出できれば磁場検出が可能であるというメリットを有する。
さらに、本素子を用いた磁場検出装置では、ステップ点の温度変化を補正する簡単な演算処理により、電気回路的な温度補償が省略可能なレベルまで、磁場検出の出力温度ドリフトを小さくする手段を有する。この手段として、たとえば、素子に交流的に変化するバイアス磁場を印加し、バイアス磁場が増加する際に発生するステップ点とバイアス磁場が減少する際に発生するステップ点とを用いて、これらステップ点のバイアス磁場を加算平均する方法がある。ここで用いられる信号処理の演算方法は、素子特性ばらつきであるステップ点位置の個々の素子毎のばらつきを補正する効果も同時に有し、製造歩留まりを大幅に改善する効果もある。さらに、この演算方法を用いれば、素子を駆動する電気回路を個別に調整することなくステップ点のばらつきを有する複数の素子から、同じ特性の出力を得ることが可能であり、製造コストの削減効果もある。
しかしながら、従来の、ステップ状インピーダンス特性を有した磁気インピーダンス素子を用いた磁場検出装置でmG未満の微小交流磁場検出は困難であった。
一方、微小交流磁場検出方法に関しては、磁気インピーダンス素子を用いて、従来知られている連続的磁気インピーダンス変化特性が磁場変化に対し急峻であることを利用して、微小交流磁場を素子に通電する高周波信号の振幅変調信号として用い、高周波周波数に交流磁場周波数を加算あるいは減算した周波数である側波帯のスペクトル信号強度を用いて微小交流磁場を測定する方法が知られている。また、本手法を基本として、素子に通電する高周波信号が出力信号ノイズレベルに与える影響を大幅に減少させる方法として、搬送波抑制回路を用いた手法が知られている。この手法を用いることで、超伝導を利用したSQUID磁力計に匹敵する、10−9G台の微小交流磁場検出が可能であるということが報告されている(平成18年電気学会全国大会講演番号2−138)。しかしながら、本手法においては、高感度な素子特性を示す素子動作点を確保するためのバイアス磁場が、測定環境の磁場変化で変動してしまう問題点を有する。これは、高感度な磁場検出を可能にする素子設定条件からの逸脱を発生させることを意味する。従って、環境磁場を磁気シールドで遮断するか、別に設けた環境磁場測定センサで測定した磁場をキャンセルコイル等の磁場発生機構でキャンセルすることで微小磁場測定を行う必要がある。
特開2004−340953号公報 特開2006−58236号公報
本発明は、地磁気、磁性体等に起因する直流磁場が存在し、これが時間的あるいは場所的に変化するような測定環境において、この直流磁場計測とこれに重畳する微小交流磁場計測を単一の磁場検出素子で実現する方法と装置を提供するものである。
磁場の印加に伴いインピーダンスがステップ状に変化し、その際の磁場強度付近においてインピーダンスが連続的に変化する特性領域を有する磁場検出素子に、直流磁場を強度変化させて印加しつつ、前記磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号を計測し、前記信号の振幅がステップ状に変化するときの直流磁場強度Aを計測する工程と、前記直流磁場強度Aに所定強度の磁場を加算あるいは減算した直流バイアス磁場を前記磁場検出素子に印加することにより前記磁場検出素子が連続的インピーダンス変化をする領域に動作点を設定しつつ、前記磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号を計測し、前記高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsの側波帯信号の変化を検出することにより交流磁場強度の変化を検出する工程、とにより構成される交流磁場の検出方法を用いることで、別に設置した環境直流磁場の測定センサを必要としない微小交流磁場の測定が可能になる。
さらに上記の方法において、磁場検出素子として、高周波電流の印加方向に対し傾斜したストライプ状磁区構造を有した薄膜磁性体構造を有し、外部磁場の印加により、ストライプ状磁区構造が消滅あるいは出現することに伴う磁気特性のステップ状変化によって素子インピーダンスがステップ状に変化する特性を有する磁場検出素子を採用すれば、当該磁場検出素子は、磁場の変化に伴い明確なインピーダンスステップを有し、さらにインピーダンスステップを起こす磁場の近傍でインピーダンスが磁場の変化に伴って連続的に変化する領域を有するので高感度な微小交流磁場の測定が可能になるため好ましい。
ここで示した方法を実現する磁場検出装置の構成は、磁場の印加に伴いインピーダンスがステップ状に変化し、その際の磁場強度付近においてインピーダンスが連続的に変化する特性領域を有する磁場検出素子と、前記磁場検出素子に直流磁場を強度変化させて印加する直流磁場印加手段と、前記磁場検出素子に高周波電流を印加しつつ前記磁場検出素子からの反射信号あるいは透過信号を計測する信号測定手段と、前記直流磁場印加手段により磁場を強度変化させて印加させつつ前記信号測定手段により反射信号あるいは透過信号を計測しステップ状の変化を検出し、その際の直流磁場強度Aを計測あるいは算出する直流磁場強度検出手段と、前記直流磁場強度Aに所定強度の磁場を加算あるいは減算した直流バイアス磁場を印加することにより前記磁場検出素子が連続的インピーダンス変化をする領域に動作点を設定するバイアス磁場印加手段と、前記磁場検出素子に前記バイアス磁場を印加しつつ、印加した高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsの側波帯信号強度を計測する側波帯信号強度計測手段、とにより構成される交流磁場検出装置である。
さらに上記の方法において、磁場検出素子として、高周波電流の印加方向に対し傾斜したストライプ状磁区構造を有した薄膜磁性体構造を有し、外部磁場の印加により、ストライプ状磁区構造が消滅あるいは出現することに伴う磁気特性のステップ状変化によって素子インピーダンスがステップ状に変化する特性を有する磁場検出素子を採用すれば、当該磁場検出素子は、磁場の変化に伴い明確なインピーダンスステップを有し、さらにインピーダンスステップを起こす磁場の近傍でインピーダンスが磁場の変化に伴って連続的に変化する領域を有するので高感度な微小交流磁場の検出装置が実現できるため好ましい。
すなわち、直流環境磁場を素子インピーダンスのステップ現象により検出・測定し、測定された直流環境磁場に所定の磁場を加算あるいは減算したバイアス磁場を該素子に印加することにより、該素子が連続的にインピーダンス変化をする領域に動作点をおき、この領域を用いて微小交流磁場を検出することにより、1つの磁場検出素子により環境磁場をキャンセルしつつ微小交流磁場の高感度な検出が可能となる。
本発明の磁場検出装置により、従来ない、以下の効果が得られる。従来の連続的磁気インピーダンス素子で問題になる、変動直流磁場の重畳した微小磁場検出における素子動作点を決定するバイアス磁場設定の問題を、ステップ状磁気インピーダンス素子のステップ点を利用することで、簡易に問題回避できる磁場検出方法と装置を実現した。
図2に、CoZrNb薄膜で作製したステップ状磁気インピーダンス特性と連続的に変化する高感度特性を共有した素子の代表的特性を示す。図は、素子に周波数500MHzの高周波電流を通電した際のバイアス磁場と素子インピーダンスの関係である。ステップ状磁気インピーダンス特性は、素子に特有の閾値的バイアス磁場であるステップ点において素子インピーダンスが急激に増加あるいは減少する特性である。図2に示されるように、この特性は、バイアス磁場の増加時と減少時でヒステリシスを有した特性を有する。素子の作製方法は、特開2004−340953、特開2006−58236に詳細に説明されているように、短冊形状軟磁性薄膜に高周波電流通電方向から所定の角度傾斜した方向に一軸磁気異方性の磁化容易軸を形成することで作製できる。本ステップ特性を用いた磁場測定方法としては、素子インピーダンス変化に対応した電気信号に閾値検出を行う方法や、素子に交流バイアス磁場を印加して素子インピーダンス変化に対応した電気信号を微分処理することで発生するパルス信号の発生タイミングあるいは発生タイミングにおけるバイアス磁場強度を用いる方法など、これら公開特許に示された方法で磁場検出が可能である。そして、これらの方法によって算出された外部磁場強度に所定強度の磁場を加算あるいは減算した直流バイアス磁場を前記磁場検出素子に印加することにより前記磁場検出素子が連続的インピーダンス変化をする領域に動作点を設定しつつ、前記磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号を計測し、前記高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsの側波帯信号の変化を検出することにより交流磁場強度の変化を検出する。直流バイアス磁場を前記磁場検出素子に印加する際には、磁場検出素子のヒステリシス特性を考慮して、一旦、逆側の十分な大きさの磁場を磁場検出素子に印加した後に直流バイアス磁場を印加することが好ましい。
図3に、本発明の実施例を示す磁場検出装置の構成図を示す。ステップ状磁気インピーダンス素子には、周波数fcの高周波電流(キャリア電流)を通電して、磁気インピーダンス効果に起因した信号変化を利用する。素子には、制御された直流磁場を磁場検出方向に印加する機構、および、制御されたバイアス磁場を磁場検出方向に印加する機構が組み合わされている。この直流磁場印加機構とバイアス磁場印加機構は、図4のように一体化させることも可能であり、以下の説明では、一体化した図4の装置を用いた場合の実施例を示す。本発明の構成による磁場検出装置においては、キャリア電流の周波数は、素子インピーダンスの変化幅が大きな周波数範囲である100MHzから700MHzの周波数を用いるのが高感度な微小磁場検出のために望ましい。本実施例では、キャリア周波数500MHzとした。センサ素子には、検出すべき磁場として直流磁場に重畳した微小交流磁場(周波数fs)が印加されており、センサ素子を透過したキャリア信号は、磁場印加に伴う素子イ
Figure 2008102109
なる。これを図5に示す。この信号のスペクトラムを測定した波形は、図6となる。図6の周波数fcの信号スペクトルは、キャリア電流の信号スペクトルである。微小交流磁場(周波数fs)で変調された側波帯信号は、周波数fc±fsに現れる。本実施例の磁場検出装置は、周波数fcのキャリア電流スペクトルで素子インピーダンス変化を検出し、周波数fc±fsの側波帯スペクトルで微小交流磁場を検出することとする。なお、振幅変調を用いた本手法による微小磁場検出は、インピーダンスステップ現象が発生しない高感度な連続特性領域(例えば、図2の連続領域)を用いて行われる。
地磁気、磁性体等に起因する外部直流磁場の検出は、図4の磁場検出装置のバイアス磁場制御回路を用いて行われる。検出方法は、素子インピーダンスに対応した出力信号である周波数fcのキャリア電流信号振幅あるいはキャリア電圧信号振幅を測定しながらバイアス磁場制御回路でバイアス磁場を変化させ、ステップ状磁気インピーダンス現象を発生させるのに必要なバイアス磁場強度を検出し、この値から外部直流磁場を導出する。詳細な検出方法は、特開2004−340953、特開2006−58236に示されている。なお、キャリア電流振幅あるいはキャリア電圧振幅の変化から素子インピーダンス変化を検出する方法は、磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号の周波数スペクトルを計測し、高周波電流の周波数fcにおけるスペクトル強度を計測するなどの方法によるキャリア周波数のスペクトル強度を用いる方法以外に、キャリア信号を整流回路で整流した後、フィルター回路で包絡線検波した信号を用いる方法等があるが、いずれも周波数fcのキャリア信号を用いており、本発明に含まれるものである。また、ミキサ等の周波数変換回路でキャリア信号周波数fcを周波数変換した後にこれらの処理を行う方法も本発明の概念に含まれるものである。
次に、本発明に示す方法における微小交流磁場検出方法について説明する。図7は、図4に示した磁場検出装置で観測した側波帯信号レベルのバイアス磁場依存性である。本図の測定は、微小交流磁場として1.7×10−4Oe(周波数500kHz)を印加した場合の側波帯信号スペクトルの振幅をバイアス磁場強度を横軸パラメータとして測定したものである。本図において、バイアス磁場は320mOeを始点として580mOeまで増加させた。図7に示されるように、ステップ状磁気インピーダンス素子のバイアス磁場に対する側波帯レベルは、バイアス磁場値を適切に選択することで感度の高い交流磁場検出が可能であることがわかる。図8は、図7と横軸を一致させた条件における素子インピーダンスの変化図である。これは、図4の測定装置におけるキャリア信号スペクトル値から換算したものである。図7と図8を比較しながら本実施例のバイアス磁場制御アルゴリズムを説明する。図8から、バイアス磁場を320mOeから580mOeまで増加させた場合、530mOe付近にインピーダンスステップ点Aがある。図7においてステップ点はAであり、このステップ点近傍で高磁場側に示された丸で囲まれた領域にバイアス磁場を設定することで、環境磁場である直流磁場を補正した微小交流磁場検出が可能である。
本アルゴリズムは、バイアス磁場を減少させる際にも適用可能である。図9は、図4に示した磁場検出装置で観測した側波帯レベルのバイアス磁場依存性である。本図の測定も図7と同様に、微小交流磁場として1.7×10−4Oe(周波数500kHz)を印加した場合の側波帯信号スペクトルの振幅をバイアス磁場強度を横軸パラメータとして測定したものである。本図において、バイアス磁場は550mOeを始点として330mOeに減少させる経路で変化させた。図10は、図9と横軸を一致させた条件における素子インピーダンスの変化図である。本図は、キャリア信号スペクトルの測定値から換算したものである。図10から、バイアス磁場を550mOeから300mOeまで減少させた場合、350mOe付近にインピーダンスステップ点Bがある。図9においてステップ点はBであり、このステップ点近傍で低磁場側に示された丸で囲まれた領域にバイアス磁場を設定することで、環境磁場である直流磁場を補正した微小交流磁場検出が可能である。本実施例の場合、バイアス磁場を減少させながら動作点を設定するアルゴリズムを採用したほうが微小磁場検出感度が高くなる。
側波帯信号から微小交流磁場を測定する方法は、磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号の周波数スペクトルを計測し、高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsにおけるスペクトル強度を測定し演算するなどの方法による側波帯周波数のスペクトル強度から演算する方法以外に、側波帯信号を整流回路で整流した後、フィルター回路で包絡線検波する方法等があるが、いずれも周波数fc±fsの側波帯信号を用いており、本発明に含まれるものである。また、ミキサ等の周波数変換回路でfc±fs、あるいは、側波帯の高調波成分を周波数変換した後にこれらの処理を行う方法も本発明の概念に含まれるものである。
以上に示された、本発明の磁場検出装置を用いた、直流磁場に重畳した微小交流磁場測定を行うためのアルゴリズムを以下に例示する。第一段階として、バイアス磁場制御回路でバイアス磁場を変化させ、ステップ状磁気インピーダンス現象を発生させるのに必要なバイアス磁場強度から外部直流磁場を検出する。第二段階として、外部直流磁場強度を考慮した微小磁場検出を行う動作点バイアス磁場を、ステップ状磁気インピーダンス現象の発生点を基準にして設定する。この際に、素子のヒステリシス特性を考慮した経路でバイアス点を設定する。第三段階として、側波帯信号から微小交流磁場を検出する。
図11に、磁場検出素子からの反射信号を利用した、本発明の磁場検出装置の構成図を示す。素子で反射された信号は、方向性素子であるサーキュレータにより弁別され、その信号スペクトルを用いて、測定すべき直流磁場強度と微小交流磁場強度を計測する。本図においては、反射信号をミキサ回路で周波数変換を行い、その後段でフィルター回路(図のB.P.F.1あるいはB.P.F.2)を用いてキャリア信号と側波帯信号を測定する回路構成となっている。ここで、fmは周波数変換のための局部発振器の信号である。なお、実施例1でも示したように、本発明の磁場検出装置は、キャリア信号と側波帯信号を基本として測定を行うものであり、検波方法、周波数変換方法は本実施例に限定するものではない。
図12に、磁場検出素子からの反射信号と透過信号の両方を利用した、本発明の磁場検出装置の構成図を示す。素子で反射された信号は、方向性素子であるサーキュレータにより弁別され、その側波帯スペクトルを用いて、微小交流磁場強度を計測する。ここで、fm1、fm2は周波数変換のための局部発振器の信号である。また、素子を透過した信号のキャリアスペクトルから直流磁場を計測する。本図においては、反射あるいは透過信号を別々に信号処理できることから、回路設計の自由度が高くなる利点を有する。なお、反射信号を直流磁場検出に用い、透過信号を微小交流磁場検出に用いることも可能である。実施例1でも示したように、本発明の磁場検出装置は、キャリア信号と側波帯信号を基本として測定を行うものであり、検波方法、周波数変換方法は本実施例に限定するものではない。
外部磁場強度に応じたステップ状インピーダンス変化点の変化を利用した磁場検出方法を示した説明図である。 CoZrNb薄膜で作製したステップ状磁気インピーダンス特性と高感度特性を共有した素子の代表的特性図である。 本発明の磁場検出装置の基本構成図である。 直流磁場発生機構とバイアス磁場発生機構を一体化した本発明の磁場検出装置の構成図である。 図2に示した磁場検出装置出力の信号波形例を示す図である。 図2に示した磁場検出装置出力のスペクトラム例を示す図である。 磁場検出装置で観測した側波帯レベルのバイアス磁場依存性を示す図である。 磁場検出装置で観測したキャリア信号レベルから換算した素子インピーダンスのバイアス磁場依存性を示す図である。 磁場検出装置で観測した側波帯レベルのバイアス磁場依存性を示す図である。 磁場検出装置で観測したキャリア信号レベルから換算した素子インピーダンスのバイアス磁場依存性を示す図である。 磁場検出素子からの反射信号を利用した、本発明の磁場検出装置の構成図である。 磁場検出素子からの反射信号と透過信号の両方を利用した、本発明の磁場検出装置の構成図である。

Claims (4)

  1. 磁場の印加に伴いインピーダンスがステップ状に変化し、その際の磁場強度付近においてインピーダンスが連続的に変化する特性領域を有する磁場検出素子に、直流磁場を強度変化させて印加しつつ、前記磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号を計測し、前記信号の振幅がステップ状に変化するときの直流磁場強度Aを計測する工程と、
    前記直流磁場強度Aに所定強度の磁場を加算あるいは減算した直流バイアス磁場を前記磁場検出素子に印加することにより前記磁場検出素子が連続的インピーダンス変化をする領域に動作点を設定しつつ、前記磁場検出素子に高周波電流を印加し反射信号あるいは透過信号を計測し、前記高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsの側波帯信号の変化を検出することにより交流磁場強度の変化を検出する工程、
    とにより構成される交流磁場の検出方法。
  2. 磁場検出素子が、高周波電流の印加方向に対し傾斜したストライプ状磁区構造を有した薄膜磁性体構造を有し、外部磁場の印加により、ストライプ状磁区構造が消滅あるいは出現することに伴う磁気特性のステップ状変化によって素子インピーダンスがステップ状に変化する特性を有する磁場検出素子である請求項1に記載の交流磁場の検出方法。
  3. 磁場の印加に伴いインピーダンスがステップ状に変化し、その際の磁場強度付近においてインピーダンスが連続的に変化する特性領域を有する磁場検出素子と、
    前記磁場検出素子に直流磁場を強度変化させて印加する直流磁場印加手段と、
    前記磁場検出素子に高周波電流を印加しつつ前記磁場検出素子からの反射信号あるいは透過信号を計測する信号測定手段と、
    前記直流磁場印加手段により磁場を強度変化させて印加させつつ前記信号測定手段により反射信号あるいは透過信号を計測しステップ状の変化を検出し、その際の直流磁場強度Aを計測あるいは算出する直流磁場強度検出手段と、
    前記直流磁場強度Aに所定強度の磁場を加算あるいは減算した直流バイアス磁場を印加することにより前記磁場検出素子が連続的インピーダンス変化をする領域に動作点を設定するバイアス磁場印加手段と、
    前記磁場検出素子に前記バイアス磁場を印加しつつ、印加した高周波電流の周波数fcに測定対象の交流磁場の周波数fsを加算あるいは減算した周波数fc±fsの側波帯信号強度を計測する側波帯信号強度計測手段、
    とにより構成される交流磁場検出装置。
  4. 磁場検出素子が、高周波電流の印加方向に対し傾斜したストライプ状磁区構造を有した薄膜磁性体構造を有し、外部磁場の印加により、ストライプ状磁区構造が消滅あるいは出現することに伴う磁気特性のステップ状変化によって素子インピーダンスがステップ状に変化する特性を有する磁場検出素子である請求項3に記載の交流磁場検出装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012520566A (ja) * 2009-03-10 2012-09-06 ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ 磁気抵抗センサにおける温度及びドリフト補償
CN104614574A (zh) * 2015-02-13 2015-05-13 国家电网公司 一种高压直流输电线路中不平衡电流的测量方法
JP2018536155A (ja) * 2015-10-28 2018-12-06 キューアーエスエス ゲーエムベーハー 材料領域における磁場を観察するための方法及び装置、並びに、装置の使用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012520566A (ja) * 2009-03-10 2012-09-06 ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ 磁気抵抗センサにおける温度及びドリフト補償
CN104614574A (zh) * 2015-02-13 2015-05-13 国家电网公司 一种高压直流输电线路中不平衡电流的测量方法
JP2018536155A (ja) * 2015-10-28 2018-12-06 キューアーエスエス ゲーエムベーハー 材料領域における磁場を観察するための方法及び装置、並びに、装置の使用

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