JP2000055999A - 磁気センサ装置および電流センサ装置 - Google Patents

磁気センサ装置および電流センサ装置

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JP2000055999A
JP2000055999A JP10227434A JP22743498A JP2000055999A JP 2000055999 A JP2000055999 A JP 2000055999A JP 10227434 A JP10227434 A JP 10227434A JP 22743498 A JP22743498 A JP 22743498A JP 2000055999 A JP2000055999 A JP 2000055999A
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signal
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magnetic
linearized
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Shiro Nakagawa
士郎 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気検出素子の感度のばらつきや温度依存性
による出力変動を抑制することができるようにした磁気
センサ装置および電流センサ装置を提供する。 【解決手段】 GMR素子11には、被測定磁界が印加
されると共に、磁界に対する変化を線形化するために2
つの値のバイアス磁界が印加される。GMR素子11に
は、更に、交流電源24およびコイル23によって、微
小な基準磁界が印加される。GMR素子11の出力信号
は、増幅器13、LPF14を経て、可変利得回路15
によって大きさが制御されて、出力端子16より出力さ
れる。また、増幅器13の出力信号のうちの基準磁界に
対応した成分が、BPF17によって抽出され、増幅器
18によって増幅されて、レベル比較器19に入力され
る。レベル比較器19は、増幅器18の出力信号のレベ
ルと基準電圧Vref とを比較して、両者の差に応じた制
御信号を生成し、可変利得回路15に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界を測定する磁
気センサ装置、および電流によって発生する磁界を測定
することで電流を測定する電流センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業界で広く利用されている磁気
応用製品等において、磁界を測定する磁気センサ装置が
広く用いられている。また、磁気センサ装置の応用とし
て、電流によって発生する磁界を測定することで電流を
非接触で測定する電流センサ装置も広く用いられてい
る。また、今後、電流センサ装置の用途としては、電気
自動車やソーラー電池のような直流大電流を扱う装置に
おいて直流大電流を非接触で測定するような用途も見込
まれる。なお、被測定電流が交流電流の場合には、トラ
ンスを用いて簡単に非接触で測定できる。しかし、被測
定電流が直流電流の場合には、電流を非接触で測定する
には、直流磁界で動作する磁気センサが必要となる。
【0003】直流電流を測定するための電流センサ装置
に利用する磁気センサ(磁気検出素子)としては、ホー
ル素子、磁気抵抗効果素子、フラックスゲート型磁気セ
ンサ等がある。
【0004】この中では、磁界とセンサ出力との直線性
の良さから、ホール素子が多く用いられている。しか
し、ホール素子には、出力が小さいという欠点がある。
ホール素子の代表的な例では、素子電流1mA、磁束密
度10mTにおいて、出力が10mV程度である。従っ
て、ホール素子を用いた電流センサ装置では、ホール素
子の出力を直流増幅する必要がある。しかし、増幅技術
のうち、直流増幅技術は、ドリフトを考慮すると、技術
的に最も難しい部類に属する。そのため、ホール素子を
用いた電流センサ装置は高価なものとなっていた。ま
た、従来、ホール素子の駆動電流を交流として、直流増
幅技術を回避する方法も広く採用されているが、この場
合には、整流回路等が新たに必要になるため、やはり、
ホール素子を用いた電流センサ装置が高価なものとなっ
てしまう。
【0005】フラックスゲート型磁気センサは、それ自
体の構造が複雑で扱いにくいため、電流センサ装置への
適用の例は少ない。また、フラックスゲート型磁気セン
サは、高感度ではあるが、直流出力を得るまでの信号処
理が複雑であるという欠点を有する。そのため、フラッ
クスゲート型磁気センサを用いた電流センサ装置は、や
はり、高価なものとなってしまう。
【0006】磁気抵抗効果素子としては、異方性磁気抵
抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗
(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と記
す。)効果を用いたGMR素子とがある。GMR素子
は、AMR素子に比べて出力が大きい。なお、一般に、
AMR素子は、単にMR素子とも呼ばれる。
【0007】このような磁気抵抗効果素子は、出力が大
きいという利点を有する。特に、GMR素子は、10m
T当たりの抵抗変化量が5%程度となるので、例えば差
動構成として、GMR素子を1mAで駆動し、磁界がゼ
ロのときのGMR素子の抵抗値を10kΩとすると、磁
束密度10mTにおいて、出力は1Vとなり、ホール素
子の100倍程度の出力が得られる。従って、磁気抵抗
効果素子を用いることにより、直流増幅の困難性を回避
することが可能となり、安価な電流センサ装置を実現で
きる可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気抵
抗効果素子、特にGMR素子には、感度が高いだけに、
素子間の感度のばらつきによる出力のばらつきが大きい
という問題点や、温度により抵抗値が変化するという温
度依存性を有するという問題点がある。
【0009】従来より、例えば特開昭62−22088
号公報に示されるように、上述のような磁気センサの感
度のばらつきや温度依存性の改善のために、磁気センサ
に出力を負帰還する方法が知られている。この方法で
は、磁気センサに被測定磁界と逆位相の磁界を帰還し、
磁気センサ自体は、常に磁束密度がゼロの近傍で動作す
るようにする。
【0010】しかしながら、この方法では、磁気センサ
の感度のばらつきや温度依存性による出力変動を抑制す
ることができるが、以下のような問題点がある。すなわ
ち、電気自動車用の電流センサ装置のように、500A
もの大電流を測定する場合、被測定磁界と逆位相の磁界
を帰還するための帰還コイルの巻数を、通常1巻きの検
出コイルの1000倍、すなわち1000巻きとして
も、帰還電流は500mAとなる。そのため、上述の方
法は、帰還コイルの大型化や、それに伴う高価格化や、
帰還回路を設けることによる装置の複雑化、消費電力の
増大、発熱、価格上昇等のため、実際には採用しにくい
技術である。
【0011】また、例えば、特公平4−60555号公
報には、被測定磁界に微小な交流の補助磁界を重畳し、
磁気センサの出力より補助磁界の成分を検出し、この成
分によって、磁気センサの変換係数を制御することによ
って、磁気センサの磁界に対する感度を常に一定にする
方法が示されている。
【0012】しかしながら、この方法を採用できるため
には、磁気センサの磁界−出力特性が線形でなければな
らない。なぜならば、磁気センサの磁界−出力特性が非
線形で、例えば磁界が大きくなると出力が飽和するよう
な特性であると仮定すると、被測定磁界が大きいときに
は、補助磁界の成分が小さくなり、これを一定の値にな
るように系のゲインを増大すれば、被測定磁界に対応す
る出力は、正しい値よりも非常に大きな値になってしま
う。すなわち、非線形な磁界−出力特性の一部の傾斜の
みを用いて、磁界−出力特性の全体にわたる磁気センサ
の感度を表すことはできない。従って、この方法は、磁
気センサの磁界−出力特性の線形性が保証されていなけ
れば、利用することができないという問題点がある。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、磁気検出素子の感度のばらつきや温
度依存性による出力変動を抑制することができるように
した磁気センサ装置および電流センサ装置を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気センサ装置
は、磁界に応じた信号を出力する磁気検出素子と、この
磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がより線形化
された線形化信号を生成し出力する線形化信号生成手段
と、磁気検出素子に対して、磁界に対する線形化信号の
特性を制御するために用いられる基準磁界を印加する基
準磁界印加手段と、線形化信号生成手段の出力信号のう
ちの基準磁界に対応した成分を抽出する抽出手段と、こ
の抽出手段によって抽出された成分に基づいて、磁界に
対する線形化信号の特性を制御する制御手段とを備えた
ものである。
【0015】本発明の電流センサ装置は、被測定電流に
よって発生する磁界を測定することによって被測定電流
を測定する電流センサ装置であって、被測定電流によっ
て発生する磁界に応じた信号を出力する磁気検出素子
と、この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がよ
り線形化された線形化信号を生成し出力する線形化信号
生成手段と、磁気検出素子に対して、磁界に対する線形
化信号の特性を制御するために用いられる基準磁界を印
加する基準磁界印加手段と、線形化信号生成手段の出力
信号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出する抽出手
段と、この抽出手段によって抽出された成分に基づい
て、磁界に対する線形化信号の特性を制御する制御手段
とを備えたものである。
【0016】これらの磁気センサ装置または電流センサ
装置では、線形化信号生成手段によって、磁気検出素子
を用いて、磁界に対する変化がより線形化された線形化
信号が生成され、出力される。また、基準磁界印加手段
によって、磁気検出素子に対して、磁界に対する線形化
信号の特性を制御するために用いられる基準磁界が印加
され、抽出手段によって、線形化信号生成手段の出力信
号のうちの基準磁界に対応した成分が抽出される。そし
て、この抽出された成分に基づいて、制御手段によっ
て、磁界に対する線形化信号の特性が制御される。
【0017】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、磁気検出素子は、例えば磁気抵抗効果素
子である。
【0018】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、基準磁界は、例えば、交流磁界で
ある。
【0019】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置では、例えば、線形化信号生成手段が、磁気
検出素子に対して、複数の値を含むバイアス磁界を印加
するバイアス磁界印加手段を有し、磁気検出素子の出力
信号が線形化信号となるようにしてもよい。この場合に
は、特に、バイアス磁界印加手段が、2つの値を含むバ
イアス磁界を印加することが好ましい。
【0020】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置では、例えば、線形化信号生成手段が、磁気
検出素子に対して、値が周期的に変動するバイアス磁界
を印加するバイアス磁界印加手段と、磁気検出素子の出
力信号を平均化して、線形化信号として出力する平均化
手段とを有するようにしてもよい。この場合には、特
に、バイアス磁界印加手段が、交互に2値のうちの一方
となるように、値が周期的に変動するバイアス磁界を印
加することが好ましい。また、バイアス磁界印加手段が
基準磁界印加手段を兼ねていてももよい。
【0021】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置では、制御手段は、例えば、線形化信号の大
きさを変えるための可変利得回路を有する。
【0022】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置では、例えば、制御手段が、抽出手段によっ
て抽出された成分と基準磁界印加手段によって印加され
る基準磁界の大きさおよび位相に対応した信号とを比較
して、線形化信号の大きさを制御するための制御信号を
生成する比較手段を有し、更に、比較手段より出力され
る制御信号に基づいて、抽出手段によって抽出された成
分の位相を判別する位相判別手段を備えたものとしても
よい。
【0023】本発明の他の磁気センサ装置は、磁界に応
じた信号を出力する磁気検出素子と、この磁気検出素子
を用いて、磁界に対する変化がより線形化された線形化
信号を生成し出力する線形化信号生成手段と、磁気検出
素子に対して、磁界に対する線形化信号の特性を検出す
るために用いられる基準磁界を印加する基準磁界印加手
段と、磁界に対する線形化信号の特性を検出するため
に、線形化信号生成手段の出力信号のうちの基準磁界に
対応した成分を抽出する抽出手段とを備えたものであ
る。
【0024】本発明の他の電流センサ装置は、被測定電
流によって発生する磁界を測定することによって被測定
電流を測定する電流センサ装置であって、被測定電流に
よって発生する磁界に応じた信号を出力する磁気検出素
子と、この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化が
より線形化された線形化信号を生成し出力する線形化信
号生成手段と、磁気検出素子に対して、磁界に対する線
形化信号の特性を検出するために用いられる基準磁界を
印加する基準磁界印加手段と、磁界に対する線形化信号
の特性を検出するために、線形化信号生成手段の出力信
号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出する抽出手段
とを備えたものである。
【0025】これらの磁気センサ装置または電流センサ
装置では、線形化信号生成手段によって、磁気検出素子
を用いて、磁界に対する変化がより線形化された線形化
信号が生成され、出力される。また、基準磁界印加手段
によって、磁気検出素子に対して、磁界に対する線形化
信号の特性を検出するために用いられる基準磁界が印加
され、抽出手段によって、磁界に対する線形化信号の特
性を検出するために、線形化信号生成手段の出力信号の
うちの基準磁界に対応した成分が抽出される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0027】始めに、本発明の第1の実施の形態につい
て説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。な
お、以下では電流センサ装置を中心に説明するが、以下
の説明は、磁気センサ装置の説明を兼ねている。
【0028】本実施の形態に係る電流センサ装置は、一
端が接地されたGMR素子11と、このGMR素子11
の他端に接続され、GMR素子11に定電流を供給する
定電流源12と、入力端がGMR素子11の他端に接続
された増幅器13とを備えている。電流センサ装置は、
更に、線形化信号生成手段として、GMR素子11に対
して、複数の値を含むバイアス磁界を印加するバイアス
磁界印加手段を備えているが、これについては、後で詳
しく説明する。
【0029】電流センサ装置は、更に、被測定電流が通
過する導電部21を囲うように設けられ、一部にギャッ
プを有する磁気ヨーク22と、この磁気ヨーク22の一
部の周囲に設けられ、一端が接地された基準磁界印加用
のコイル23と、このコイル23の他端に接続され、所
定の交流信号を発生して、コイル23に微小な交流電流
を供給する交流電源24とを備えている。磁気ヨーク2
2のギャップに生じる磁界は、図1における左右方向と
なる。GMR素子11は、磁気ヨーク22のギャップ内
に、長手方向が図1における左右方向を向くように配置
されている。コイル23および交流電源24は、本発明
における基準磁界印加手段に対応する。なお、コイル2
3は、磁気ヨーク22の一部の周囲ではなく、GMR素
子11の周囲に設けてもよい。
【0030】電流センサ装置は、更に、入力端が増幅器
13の出力端に接続されたローパスフィルタ(以下、L
PFと記す。)14と、入力端がLPF14の出力端に
接続され、出力端が電流センサ装置の出力端子16に接
続された可変利得回路15とを備えている。可変利得回
路15は、制御信号に応じて、増幅率が変化するように
なっている。
【0031】電流センサ装置は、更に、入力端が増幅器
13の出力端に接続されたバンドパスフィルタ(以下、
BPFと記す。)17と、入力端がBPF17の出力端
に接続された増幅器18と、この増幅器18の出力信号
のレベルと所定の基準電圧Vref とを比較して、両者の
差に応じた制御信号を生成し、この制御信号を可変利得
回路15に与えるレベル比較器19とを備えている。
【0032】バンドパスフィルタ18は、本発明におけ
る抽出手段に対応し、増幅器13の出力信号のうちの基
準磁界に対応した成分を抽出する。可変利得回路15、
増幅器18およびレベル比較器19は、本発明における
制御手段に対応する。
【0033】次に、図2ないし図4を参照して、本実施
の形態におけるバイアス磁界印加手段について説明す
る。本実施の形態において、GMR素子11は、図2に
示したように、図における左右両端部で交互に複数回折
り返すように配置された線状の導電部11aを有してい
る。この導電部11aは、強磁性薄膜を含む磁気抵抗効
果材料によって形成されている。導電部11aの両端部
には、端子11b,11cが設けられている。また、導
電部11aは、絶縁材によって覆われている。
【0034】図3に示したように、GMR素子11は、
ガラス等の基板30の一方の面に、スパッタ技術等によ
って形成されている。基板30の他方の面には、バイア
ス磁界用の磁石31が接合されている。この磁石31
は、図8に示したように、2つの部分31A,31Bを
含んでいる。これらの2つの部分31A,31Bは、互
いに左右方向の両端部が両磁極となるように着磁されて
いる。ただし、2つの部分31A,31Bは、互いに磁
化の大きさが異なり、その結果、GMR素子11に印加
するバイアス磁界が異なるようになっている。なお、図
4において、2つの部分31A,31Bに付された矢印
の長さは、磁化の大きさを表している。このような磁石
31を用いることにより、GMR素子11に印加される
磁界は、2つの値となる。
【0035】次に、図5および図6を参照して、上述の
ようにGMR素子11に対して2つの値のバイアス磁界
を印加することによる効果について説明する。
【0036】図5は、GMR素子の磁界−抵抗変化特性
を示す特性図である。図5において、横軸は、磁界を表
し、縦軸は抵抗値を表している。なお、図5における縦
軸の抵抗値は、被測定磁界に応じて変化するGMR素子
の抵抗値の最小値を基準としたときの、その最小値から
の抵抗値の変化量で表している。図5に示したように、
GMR素子における抵抗値の変化の特性は、磁界がゼロ
の位置を中心にして対称である。なお、磁界の値が正の
ときと負のときとでは、互いに磁界の方向が逆となる。
GMR素子は、図5に示したような特性を有するので、
抵抗値だけでは磁界の方向を判別することができない。
【0037】そこで従来は、一般に、例えば図5に示し
たようにバイアス磁界BをGMR素子に印加し、GMR
素子の動作点を原点から離れたP点としてGMR素子を
動作させるようにしていた。この場合には、被測定磁界
の値が正のときにはGMR素子の抵抗値が増加し、被測
定磁界の値が負のときにはGMR素子の抵抗値が減少す
るので、GMR素子の出力から、被測定磁界の大きさお
よび方向を検出することが可能となる。しかしながら、
図5に示したような磁界−抵抗変化特性において、動作
点Pの近傍では磁界に対する抵抗値の変化が略直線的で
あるが、このように直線的である範囲は狭い。なお、バ
イアス磁界は、通常、永久磁石によって与えられる。
【0038】図5に示した磁界−抵抗変化特性の点Pの
近傍の領域を拡大すると、その領域内の特性曲線は、S
字曲線となる。従って、このS字曲線を直線で近似し
て、磁界と磁気センサ装置の出力電圧との関係を決める
と、ある磁界に対して、直線近似による出力電圧と実際
の磁気センサ装置の出力電圧との間には、誤差が生じ
る。この誤差を残留誤差電圧と呼ぶことにする。磁界に
対する残留誤差電圧の変化、すなわち残留誤差電圧特性
の曲線は、やはりS字曲線となる。
【0039】図6は、図5に示した磁界−抵抗変化特性
の点Pの近傍を直線で近似した場合において、残留誤差
電圧特性の一例を、簡単のために折れ線で表したもので
ある。図6において、縦軸は残留誤差電圧を表し、横軸
はバイアス点(B点)を原点にとって被測定磁界を表し
たものである。
【0040】図6において、折れ線L11は、所定の測
定磁界区間で、残留誤差電圧の最大値が最小となるよう
に磁界−抵抗変化特性を直線近似した場合における残留
誤差電圧特性を示している。このように直線近似した場
合には、被測定磁界の変化に伴い、残留誤差電圧は折れ
線L11に沿って移動する。具体的には、被測定磁界が
正の方向に増加した場合には、被測定磁界がH1のとき
に残留誤差電圧は極大値をとり、被測定磁界がH2のと
きに残留誤差電圧はゼロとなり、被測定磁界がH2を越
えると残留誤差電圧は負の値をとり、且つ絶対値が増大
する。また、被測定磁界が負の方向に絶対値が増加した
場合には、被測定磁界が−H1のときに残留誤差電圧は
極小値をとり、被測定磁界が−H2ときに残留誤差電圧
はゼロとなり、被測定磁界が−H2を越えると残留誤差
電圧は正の値をとり、且つ絶対値が増大する。ここで
は、H2=2×H1の関係となっているものとする。
【0041】本実施の形態では、2つのバイアス磁界
は、図5におけるB点から負の方向にH1だけずれた点
B1に対応する値と、図5におけるB点から正の方向に
H1だけずれた点B2に対応する値になるように設定さ
れているものとする。この場合、GMR素子11に印加
される磁界は、2つのバイアス磁界にそれぞれ被測定磁
界を加えた2つの値となる。例えば、図6において、被
測定磁界が−H2,0,H2のときにおいてGMR素子
11に印加される磁界は、それぞれ、符号51a,51
b,51cで示した線分の両端の位置に対応した磁界と
なる。図6に示したように、GMR素子11に印加され
る2つの磁界の差は、W(=2H1)である。この2つ
の磁界は、被測定磁界の変化に伴い、両者の差がWのま
ま変化する。そのため、本実施の形態における残留誤差
電圧は、折れ線L11上において、磁界の差がWとなる
2点における各残留誤差電圧の平均値となる。このよう
な本実施の形態における残留誤差電圧特性を、図1にお
いて、折れ線L1で示す。
【0042】このようにGMR素子11に対して2つの
値のバイアス磁界を印加することにより、図6において
符号52で示した、被測定磁界が−H2からH2までの
区間において、理想的には残留誤差電圧がゼロとなる。
なお、実際には、被測定磁界が−H2からH2までの区
間において残留誤差電圧がゼロにならない場合もある
が、従来に比べると極めてゼロに近い値となる。このよ
うに、本実施の形態では、GMR素子11に対して2つ
の値のバイアス磁界を印加することによって、1つの値
のバイアス磁界を印加する場合に比べて、GMR素子1
1の出力信号として、磁界に対する変化がより線形化さ
れた信号を得ることができる。
【0043】次に、本実施の形態に係る電流センサ装置
の動作について説明する。この電流センサ装置では、導
電部21を紙面直交方向に流れる被測定電流によって磁
界が発生する。この磁界は、磁気ヨーク22のギャップ
内に配置されたGMR素子11に印加される。この磁界
の大きさは電流の大きさに応じて変化する。また、電流
の方向に応じて、磁界の方向も変化する。電流センサ装
置は、被測定電流によって発生した磁界を測定すること
で、間接的に被測定電流を測定する。なお、図1に示し
た装置を、磁気センサ装置として使用する場合には、磁
気センサ装置は、GMR素子11に印加される被測定磁
界を直接測定する。なお、以下の説明では、被測定電流
によって発生した磁界も、被測定磁界と言う。
【0044】GMR素子11には、被測定磁界が印加さ
れると共に、2つの値のバイアス磁界が印加される。G
MR素子11には、更に、交流電源24およびコイル2
3によって、微小な交流の基準磁界が印加される。GM
R素子11は、定電流源12より供給される定電流によ
って駆動され、被測定磁界、バイアス磁界および基準磁
界に対応した出力信号を発生する。この出力信号は、G
MR素子11の抵抗値に比例した電圧信号である。GM
R素子11の出力信号は、増幅器13によって増幅され
る。本実施の形態では、前述のように、GMR素子11
に対して2つの値のバイアス磁界を印加していることか
ら、増幅器13の出力信号は、磁界に対する変化がより
線形化された線形化信号となっている。
【0045】増幅器13の出力信号は、LPF14によ
って基準磁界に対応した成分が除去され、可変利得回路
15によって大きさが制御されて、出力端子16より出
力される。
【0046】また、増幅器13の出力信号は、BPF1
7にも入力される。BPF17は、増幅器13の出力信
号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出する。BPF
17の出力信号は、増幅器18によって増幅されて、レ
ベル比較器19に入力される。レベル比較器19は、増
幅器18の出力信号のレベルと所定の基準電圧Vref
とを比較して、両者の差に応じた制御信号を生成し、こ
の制御信号を可変利得回路15に与える。より詳しく説
明すると、レベル比較器19は、例えば、ピーク値検出
回路によって増幅器18の出力信号のピーク値を検出す
ることにより、あるいは検波回路によって増幅器18の
出力信号を検波することにより、増幅器18の出力信号
のレベルに応じた信号を生成し、この信号と基準電圧V
ref との差に応じた制御信号を、差動増幅器によっ
て生成する。可変利得回路15は、レベル比較器19か
らの制御信号に応じて、増幅率を変化させる。なお、可
変利得回路15における増幅率は、増幅器13の出力信
号のうちの基準磁界に対応した成分を増幅して常に一定
の値とすることを想定したときに必要な増幅率となるよ
うに制御される。これにより、出力端子16より出力さ
れる線形化信号の磁界に対する特性が常に一定になるよ
うに制御される。なお、レベル比較器19より出力され
る制御信号は、磁界に対する線形化信号の特性の検出結
果を示す信号とも言える。
【0047】ここで、本発明の概要について説明する。
磁気センサ装置は、検出対象が磁気であり、湿度センサ
等の他のセンサとは異なり、検出対象(磁界)を、電気
的に任意に発生させることが可能であるという特徴があ
る。従って、磁気センサ装置では、任意に発生させた検
出対象(磁界)による磁気センサ装置の出力を観察する
ことにより、磁気センサ装置の動作の特性を把握するこ
とが可能となる。このようなことは、他のセンサでは期
待できない。例えば、湿度センサの場合には、検出対象
である湿度を簡単な機構で発生させることはできない。
本実施の形態は、このような磁気センサ装置の特徴を利
用して、磁気検出素子の感度のばらつきや温度依存性に
よる出力変動を抑制するようにしたものである。すなわ
ち、磁界に対して磁気センサ装置の出力信号を線形化し
た上で、磁気検出素子に対して所定の基準磁界を印加
し、この基準磁界に対応する磁気センサ装置の出力成分
を常に一定にするように磁気センサ装置の特性を制御す
れば、磁気検出素子の感度のばらつきや温度依存性によ
らずに、磁気センサ装置の特性を一定にすることが可能
である。
【0048】本実施の形態では、GMR素子11に対し
て2つの値のバイアス磁界を印加することによって、磁
界に対する変化がより線形化された線形化信号を生成
し、また、GMR素子11に対して基準磁界を印加し、
線形化信号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出し、
この抽出された成分に基づいて、磁界に対する線形化信
号の特性を制御するようにしたので、GMR素子11の
感度のばらつきや温度依存性による出力変動を抑制する
ことができる。
【0049】本実施の形態における基準磁界は、被測定
磁界に比べて、SN比(信号対雑音比)が許す範囲内
で、十分小さく(例えば、1/1000程度に)するこ
とができるので、基準磁界を与えるためのコイル23
や、その駆動電流を十分小さくでき、磁気センサに出力
を負帰還する従来の方法のような欠点がない。
【0050】本実施の形態によれば、素子自体の感度の
ばらつきや温度依存性は大きいが、出力が大きいという
利点を有するGMR素子を用い、GMR素子の感度のば
らつきや温度依存性による出力変動を抑制することで、
直流増幅の困難性を回避でき、ドリフトの影響が小さ
く、また、ばらつきが小さく、温度特性に優れた磁気セ
ンサ装置や電流センサ装置を、小型且つ安価に実現する
ことが可能となる。本実施の形態に係る電流センサ装置
は、例えば、電気自動車やソーラー電池のような直流大
電流を扱う装置において直流大電流を非接触で測定する
ような用途に極めて有用である。
【0051】なお、本実施の形態において、線形化信号
生成手段は、GMR素子11に対して2つの値のバイア
ス磁界を印加する手段に限らず、GMR素子11に対し
て、連続的にあるいは不連続的に変化する3つ以上の値
のバイアス磁界を印加する手段であってもよい。このよ
うに、GMR素子11に対して3つ以上の値のバイアス
磁界を印加した場合にも、残留誤差電圧は、例えば図6
に示した折れ線L11上の所定の幅の区間における平均
値となるため、GMR素子11の出力信号の磁界に対す
る変化をより線形化することができる。また、線形化信
号生成手段は、非線形増幅回路等の回路を用いて、GM
R素子11の出力信号を磁界に対して線形化するもので
あってもよい。また、基準磁界は、交流磁界に限らず、
パルス状の磁界でもよい。
【0052】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図7は、本実施の形態に係る磁気センサ装置
を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。本実
施の形態に係る電流センサ装置は、以下で説明するよう
に、増幅器13の後段の構成が、第1の実施の形態と異
なっている。すなわち、本実施の形態に係る電流センサ
装置は、入力端が増幅器13の出力端に接続された可変
利得回路41と、入力端が可変利得回路41の出力端に
接続され、出力端が電流センサ装置の出力端子43に接
続されたLPF42と、入力端が可変利得回路41の出
力端に接続されたBPF44と、入力端がBPF44の
出力端に接続された増幅器45と、この増幅器45の出
力信号のレベルと所定の基準電圧Vref とを比較して、
両者の差に応じた制御信号を生成し、この制御信号を可
変利得回路41に与えるレベル比較器46とを備えてい
る。可変利得回路41は、制御信号に応じて、増幅率が
変化するようになっている。
【0053】次に、本実施の形態に係る電流センサ装置
の動作について説明する。本実施の形態では、増幅器1
3の出力信号は、可変利得回路41によって大きさが制
御され、LPF42によって基準磁界に対応した成分が
除去されて、出力端子43より出力される。
【0054】また、可変利得回路41の出力信号は、B
PF44にも入力される。BPF44は、可変利得回路
41の出力信号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出
する。BPF44の出力信号は、増幅器45によって増
幅されて、レベル比較器46に入力される。レベル比較
器46は、増幅器45の出力信号のレベルと所定の基準
電圧Vref とを比較して、両者の差に応じた制御信号を
生成し、この制御信号を可変利得回路41に与える。可
変利得回路41は、レベル比較器46からの制御信号に
応じて、増幅率を変化させる。なお、可変利得回路46
における増幅率は、可変利得回路41の出力信号のうち
の基準磁界に対応した成分が常に一定の値となるように
制御される。これにより、出力端子43より出力される
線形化信号の磁界に対する特性が常に一定になるように
制御される。
【0055】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0056】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図8は、本実施の形態に係る磁気センサ装置
を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。本実
施の形態に係る電流センサ装置は、以下の点で、第1の
実施の形態と異なっている。すなわち、本実施の形態で
は、レベル比較器19に対して、基準電圧Vref の代わ
りに、交流電源24からの交流信号が入力されるように
なっている。交流電源24からの交流信号は、基準磁界
の大きさおよび位相に対応した信号である。本実施の形
態では、更に、レベル比較器19より出力される制御信
号の電圧レベルが所定値を越えるか否かを判別し、越え
たときには、異常信号を、異常信号出力端子49に出力
する電圧判別器48を備えている。
【0057】次に、本実施の形態に係る電流センサ装置
の動作について説明する。本実施の形態では、レベル比
較器19は、増幅器18の出力信号と交流電源24から
の交流信号とを比較して、両者の差の絶対値に応じた制
御信号を生成し、この制御信号を可変利得回路15に与
える。より詳しく説明すると、レベル比較器19は、例
えば、差動増幅器によって、増幅器18の出力信号と交
流電源24からの交流信号との差に応じた信号を生成
し、この信号を整流回路によって整流することにより、
増幅器18の出力信号と交流電源24からの交流信号の
差の絶対値に応じた制御信号を生成する。
【0058】また、本実施の形態では、レベル比較器1
9より出力される制御信号が電圧判別器48にも入力さ
れる。電圧判別器48は、レベル比較器19より出力さ
れる制御信号の電圧レベルが所定値を越えるか否かを判
別し、越えたときには、異常信号を異常信号出力端子4
9に出力する。
【0059】以下、本実施の形態における特徴について
説明する。一般に、例えば図5に示したような磁界−抵
抗変化特性上でバイアス点(B点)が負側である場合に
おいて、被測定磁界が正の値のときには、被測定磁界の
絶対値がバイアス磁界の絶対値を越えない範囲内では、
被測定磁界の絶対値が増加すればGMR素子の出力も増
加する。しかし、被測定磁界の絶対値がバイアス磁界の
絶対値を越えると、GMR素子に印加される全体の磁界
が正の値となり、被測定磁界の絶対値が増加すればGM
R素子の出力は逆に減少する。このようなセンサ装置
を、何らかの制御系に使用した場合には、大きな被測定
磁界が与えられたときや、大きな雑音磁界が生じたとき
に、制御系が暴走する可能性がある。
【0060】本実施の形態では、このような制御系の暴
走を未然に防止するために、被測定磁界の変化の方向に
対してGMR素子11の出力の変化の方向が反転したと
きに、異常信号を出力できるようにしている。すなわ
ち、本実施の形態では、例えば図5に示したような磁界
−抵抗変化特性上でバイアス点が負側である場合におい
て、被測定磁界が正の値のときには、被測定磁界の絶対
値がバイアス磁界の絶対値を越えない範囲内では、GM
R素子11の出力信号のうちの基準磁界に対応した成分
の位相は、交流電源24からの交流信号の位相と同相と
なる。このときは、レベル比較器19より出力される制
御信号の電圧レベルは比較的小さくなる。これに対し、
被測定磁界の絶対値がバイアス磁界の絶対値を越えたと
きには、GMR素子11の出力信号のうちの基準磁界に
対応した成分の位相は、交流電源24からの交流信号の
位相と逆相となる。このときは、レベル比較器19より
出力される制御信号の電圧レベルは、被測定磁界の絶対
値がバイアス磁界の絶対値を越えないときに比べて、極
めて大きな値となる。従って、電圧判別器48によっ
て、レベル比較器19より出力される制御信号の電圧レ
ベルが所定値を越えたときに異常信号を出力することに
より、被測定磁界の絶対値がバイアス磁界の絶対値を越
えたことを制御系に対して知らせることができ、制御系
の暴走を未然に防止することが可能となる。
【0061】なお、本実施の形態におけるレベル比較器
19は、本発明における比較手段に対応し、電圧判別器
48は、GMR素子11の出力信号のうちの基準磁界に
対応した成分の位相を判別することになるので、本発明
における位相判別手段に対応する。
【0062】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0063】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、GMR素子に対して、値が
周期的に変動するバイアス磁界を印加し、GMR素子の
出力信号を平均化して出力することにより、線形化信号
を生成するようにした例である。
【0064】図9は、本実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。本
実施の形態に係る電流センサ装置は、以下の点で、第1
の実施の形態と異なっている。まず、本実施の形態にお
けるバイアス磁界は、直流のバイアス磁界に交流のバイ
アス磁界を重畳したものとなっている。直流のバイアス
磁界は、1つの値の磁界であり、例えば図5におけるB
点の磁界とする。この直流のバイアス磁界は、例えば、
図3における磁石31の代わりに、一様に磁化された磁
石を設けることによって、GMR素子11に与えること
ができる。
【0065】交流のバイアス磁界は、コイル23および
交流電源24によって与えられる。従って、コイル23
および交流電源24は、本発明におけるバイアス磁界印
加手段に対応する。このように、本実施の形態では、バ
イアス磁界印加手段が、基準磁界印加手段を兼ねてい
る。また、本実施の形態では、交流のバイアス磁界は基
準磁界を兼ねている。
【0066】また、本実の形態では、LPF14の代わ
りに、増幅器13の出力信号を時間的に平均化して出力
する積分器51が設けられている。
【0067】また、本実施の形態では、増幅器13の出
力端とBPF17の入力端との間に、増幅器13の出力
信号を時間的に平均化して出力する平均化手段としての
積分器52が設けられている。ここで、積分器52は、
増幅器13の出力信号を完全に平均化するのではなく、
GMR素子11の出力信号のうちの基準磁界に対応した
成分がわずかに残るように平均化するようになってい
る。
【0068】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
および電流センサ装置の動作について説明する。GMR
素子11には、被測定磁界が印加されると共にバイアス
磁界が印加される。本実施の形態におけるバイアス磁界
は、磁石による直流バイアス磁界に、交流電源24およ
びコイル23によって発生される交流バイアス磁界を重
畳したものとなる。また、交流バイアス磁界は、基準磁
界を兼ねている。
【0069】GMR素子11は、定電流源12より供給
される定電流によって駆動され、被測定磁界およびバイ
アス磁界に対応した出力信号を発生する。GMR素子1
1の出力信号は、増幅器13によって増幅される。増幅
器13の出力信号は、積分器51によって時間的に平均
化され、可変利得回路15によって大きさが制御され
て、出力端子16より出力される。本実施の形態におけ
るバイアス磁界は、時間と共に周期的に変動する。従っ
て、残留誤差電圧も周期的に変動する。この残留誤差電
圧は、積分器51によって平均化される。従って、積分
器51の出力信号は、磁界に対する変化がより線形化さ
れた線形化信号となる。また、本実施の形態において、
交流電源24よりコイル23に供給する交流電流を矩形
波とすれば、GMR素子11に印加されるバイアス磁界
は、交互に2値のうちの一方となるように、値が周期的
に変動するバイアス磁界となる。この場合には、積分器
51の出力信号における残留誤差電圧は、バイアス磁界
の2つの値に対応する各残留誤差電圧の平均値となる。
その結果、第1の実施の形態において磁石によって2つ
の値を含むバイアス磁界を印加するのと同様の効果を得
ることができる。
【0070】また、増幅器13の出力信号は、積分器5
2にも入力される。積分器52は、基準磁界に対応した
成分がわずかに残るように、増幅器13の出力信号を時
間的に平均化して、BPF17に出力する。BPF17
は、積分器52の出力信号のうちの基準磁界に対応した
成分を抽出する。BPF17の出力信号は、増幅器18
によって増幅されて、レベル比較器19に入力される。
レベル比較器19は、増幅器18の出力信号のレベルと
所定の基準電圧Vref とを比較して、両者の差に応じた
制御信号を生成し、この制御信号を可変利得回路15に
与える。
【0071】ところで、交流バイアス磁界と基準磁界を
別個のものとしてGMR素子11に印加することも可能
であるが、交流バイアス磁界が基準磁界を兼ねるように
すれば、交流バイアス磁界と基準磁界を別個のものとす
る場合に比べて、構成が非常に簡単になる。そこで、本
実施の形態では、交流バイアス磁界が基準磁界を兼ねる
ようにしている。
【0072】以下、図10および図11を参照して、交
流バイアス磁界が基準磁界を兼ねることが可能であるこ
とについて説明する。なお、図10、図11は、それぞ
れ、図5、図6と同様の特性を表すと共に、バイアス磁
界を表したものである。
【0073】まず、図10に示したように、図5と同様
の磁界−抵抗変化特性を有するGMR素子11に対し
て、図10中の符号61で示したような矩形波の交流バ
イアス磁界を印加する場合を考える。この場合、GMR
素子11に対するバイアス磁界の値は、交互に、点B1
に対応する値と点B2に対応する値とに変化する。この
場合、例えば被測定磁界がゼロのときには、GMR素子
11に印加される磁界は、図11において、符号62で
示したように変化する。また、残留誤差電圧は、折れ線
L11上において磁界の差がWとなる2点間で、バイア
ス磁界の変化に応じて交互に変化する。従って、増幅器
13の出力信号のうちの基準磁界(交流バイアス磁界)
に対応した成分は、磁界に対して非線形であり、誤差を
含むものとなる。
【0074】基準磁界に対応した成分の誤差をゼロに近
づけるには、増幅器13の出力信号を積分して、時間的
に平均化すればよい。しかし、交流バイアス磁界が基準
磁界を兼ねている場合には、増幅器13の出力信号を完
全に平均化すると、基準磁界に対応した成分を検出する
ことができなくなってしまう。
【0075】そこで、本実施の形態では、積分器52に
おいて、あえて積分を不完全にし、基準磁界に対応した
成分がわずかに(例えば、初期値の数%)残るように、
増幅器13の出力信号を時間的に平均化する。基準磁界
に対応した成分がゼロになるまで、増幅器13の出力信
号を完全に平均化した場合には、残留誤差電圧は折れ線
L1で示した特性となるのであるから、基準磁界に対応
した成分が初期値の数%になるまで平均化した場合に
は、残された基準磁界に対応した成分における残留誤差
電圧は、ほとんど折れ線L1で示した特性となっている
と言える。この場合、GMR素子11の感度が一定で、
積分定数も一定であれば、積分(平均化)前の基準磁界
に対応した成分の振幅は一定で、積分(平均化)後の基
準磁界に対応した成分の振幅も一定になる。積分(平均
化)後の基準磁界に対応した成分の振幅は、GMR素子
11の感度に比例するので、積分(平均化)後の基準磁
界に対応した成分を増幅して常に一定の値とすることを
想定したときに必要な増幅率を、可変利得回路15に設
定すれば、GMR素子11の感度のばらつきや温度依存
性による出力変動を抑制することができる。
【0076】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0077】なお、第4の実施の形態は、第1の実施の
形態において磁石によって複数の値を含むバイアス磁界
を印加する代わりに、値が周期的に変動するバイアス磁
界を印加し、GMR素子11の出力信号を平均化して出
力するようにした例であるが、同様に、第2の実施の形
態や第3の実施の形態において磁石によって複数の値を
含むバイアス磁界を印加する代わりに、値が周期的に変
動するバイアス磁界を印加し、GMR素子11の出力信
号を平均化して出力するようにしてもよい。
【0078】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々の変更が可能である。例えば、制御手段
は、各実施の形態のように可変利得回路を用いたものに
限らず、磁界に対する線形化信号の特性を制御できるも
のであればよい。例えば、制御手段は、定電流源12が
供給する電流を制御するものでもよい。
【0079】また、上記各実施の形態では、磁気検出素
子としてGMR素子を例にとって説明したが、本発明
は、磁気検出素子が例えばAMR素子の場合にも適用す
ることができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし10
のいずれかに記載の磁気センサ装置または請求項11な
いし20のいずれかに記載の電流センサ装置によれば、
線形化信号生成手段によって、磁気検出素子を用いて、
磁界に対する変化がより線形化された線形化信号を生成
し、基準磁界印加手段によって、磁気検出素子に対して
基準磁界を印加し、抽出手段によって、線形化信号生成
手段の出力信号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出
し、この抽出された成分に基づいて、制御手段によっ
て、磁界に対する線形化信号の特性を制御するようにし
たので、磁気検出素子の感度のばらつきや温度依存性に
よる出力変動を抑制することが可能となるという効果を
奏する。
【0081】また、請求項21記載の磁気センサ装置ま
たは請求項22記載の電流センサ装置によれば、線形化
信号生成手段によって、磁気検出素子を用いて、磁界に
対する変化がより線形化された線形化信号を生成し、基
準磁界印加手段によって、磁気検出素子に対して基準磁
界を印加し、抽出手段によって、磁界に対する線形化信
号の特性を検出するために、線形化信号生成手段の出力
信号のうちの基準磁界に対応した成分を抽出するように
したので、磁界に対する線形化信号の特性を検出でき、
検出した特性に基づいて磁界に対する線形化信号の特性
を制御して、磁気検出素子の感度のばらつきや温度依存
性による出力変動を抑制することが可能となるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるGMR素子
の構成の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるGMR素子
とバイアス磁界用の磁石との関係の他の例を示す側面図
である。
【図4】図3におけるバイアス磁界用の磁石を示す平面
図である。
【図5】GMR素子の磁界−抵抗変化特性を示す特性図
である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における残留誤差電
圧特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る磁気センサ装
置を含む電流センサ装置の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態におけるGMR素
子の磁界−抵抗変化特性とバイアス磁界を示す特性図で
ある。
【図11】本発明の第4の実施の形態における残留誤差
電圧特性とバイアス磁界を示す特性図である。
【符号の説明】
11…GMR素子、12…定電流源、13…増幅器、1
4…LPF、15…可変利得回路、17…BPF、18
…増幅器、19…レベル比較器、22…磁気ヨーク、2
3…コイル、24…交流電源。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界に応じた信号を出力する磁気検出素
    子と、 この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がより線
    形化された線形化信号を生成し出力する線形化信号生成
    手段と、 前記磁気検出素子に対して、磁界に対する前記線形化信
    号の特性を制御するために用いられる基準磁界を印加す
    る基準磁界印加手段と、 前記線形化信号生成手段の出力信号のうちの前記基準磁
    界に対応した成分を抽出する抽出手段と、 この抽出手段によって抽出された成分に基づいて、磁界
    に対する前記線形化信号の特性を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記基準磁界は、交流磁界であることを
    特徴とする請求項1または2記載の磁気センサ装置。
  4. 【請求項4】 前記線形化信号生成手段は、前記磁気検
    出素子に対して、複数の値を含むバイアス磁界を印加す
    るバイアス磁界印加手段を有し、 前記磁気検出素子の出力信号が前記線形化信号となるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁
    気センサ装置。
  5. 【請求項5】 前記バイアス磁界印加手段は、2つの値
    を含むバイアス磁界を印加することを特徴とする請求項
    4記載の磁気センサ装置。
  6. 【請求項6】 前記線形化信号生成手段は、前記磁気検
    出素子に対して、値が周期的に変動するバイアス磁界を
    印加するバイアス磁界印加手段と、前記磁気検出素子の
    出力信号を平均化して、前記線形化信号として出力する
    平均化手段とを有することを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の磁気センサ装置。
  7. 【請求項7】 前記バイアス磁界印加手段は、交互に2
    値のうちの一方となるように、値が周期的に変動するバ
    イアス磁界を印加することを特徴とする請求項6記載の
    磁気センサ装置。
  8. 【請求項8】 前記バイアス磁界印加手段は、前記基準
    磁界印加手段を兼ねていることを特徴とする請求項6ま
    たは7記載の磁気センサ装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記線形化信号の大き
    さを変えるための可変利得回路を有することを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気センサ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記抽出手段によっ
    て抽出された成分と前記基準磁界印加手段によって印加
    される基準磁界の大きさおよび位相に対応した信号とを
    比較して、前記線形化信号の大きさを制御するための制
    御信号を生成する比較手段を有し、 更に、前記比較手段より出力される制御信号に基づい
    て、前記抽出手段によって抽出された成分の位相を判別
    する位相判別手段を備えたことを特徴とする請求項1な
    いし9のいずれかに記載の磁気センサ装置。
  11. 【請求項11】 被測定電流によって発生する磁界を測
    定することによって被測定電流を測定する電流センサ装
    置であって、 被測定電流によって発生する磁界に応じた信号を出力す
    る磁気検出素子と、 この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がより線
    形化された線形化信号を生成し出力する線形化信号生成
    手段と、 前記磁気検出素子に対して、磁界に対する前記線形化信
    号の特性を制御するために用いられる基準磁界を印加す
    る基準磁界印加手段と、 前記線形化信号生成手段の出力信号のうちの前記基準磁
    界に対応した成分を抽出する抽出手段と、 この抽出手段によって抽出された成分に基づいて、磁界
    に対する前記線形化信号の特性を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  12. 【請求項12】 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素
    子であることを特徴とする請求項11記載の電流センサ
    装置。
  13. 【請求項13】 前記基準磁界は、交流磁界であること
    を特徴とする請求項11または12記載の電流センサ装
    置。
  14. 【請求項14】 前記線形化信号生成手段は、前記磁気
    検出素子に対して、複数の値を含むバイアス磁界を印加
    するバイアス磁界印加手段を有し、 前記磁気検出素子の出力信号が前記線形化信号となるこ
    とを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載
    の電流センサ装置。
  15. 【請求項15】 前記バイアス磁界印加手段は、2つの
    値を含むバイアス磁界を印加することを特徴とする請求
    項14記載の電流センサ装置。
  16. 【請求項16】 前記線形化信号生成手段は、前記磁気
    検出素子に対して、値が周期的に変動するバイアス磁界
    を印加するバイアス磁界印加手段と、前記磁気検出素子
    の出力信号を平均化して、前記線形化信号として出力す
    る平均化手段とを有することを特徴とする請求項11な
    いし13のいずれかに記載の電流センサ装置。
  17. 【請求項17】 前記バイアス磁界印加手段は、交互に
    2値のうちの一方となるように、値が周期的に変動する
    バイアス磁界を印加することを特徴とする請求項16記
    載の電流センサ装置。
  18. 【請求項18】 前記バイアス磁界印加手段は、前記基
    準磁界印加手段を兼ねていることを特徴とする請求項1
    6または17記載の電流センサ装置。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、前記線形化信号の大
    きさを変えるための可変利得回路を有することを特徴と
    する請求項11ないし18のいずれかに記載の電流セン
    サ装置。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、前記抽出手段によっ
    て抽出された成分と前記基準磁界印加手段によって印加
    される基準磁界の大きさおよび位相に対応した信号とを
    比較して、前記線形化信号の大きさを制御するための制
    御信号を生成する比較手段を有し、 更に、前記比較手段より出力される制御信号に基づい
    て、前記抽出手段によって抽出された成分の位相を判別
    する位相判別手段を備えたことを特徴とする請求項11
    ないし19のいずれかに記載の電流センサ装置。
  21. 【請求項21】 磁界に応じた信号を出力する磁気検出
    素子と、 この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がより線
    形化された線形化信号を生成し出力する線形化信号生成
    手段と、 前記磁気検出素子に対して、磁界に対する前記線形化信
    号の特性を検出するために用いられる基準磁界を印加す
    る基準磁界印加手段と、 磁界に対する前記線形化信号の特性を検出するために、
    前記線形化信号生成手段の出力信号のうちの前記基準磁
    界に対応した成分を抽出する抽出手段とを備えたことを
    特徴とする磁気センサ装置。
  22. 【請求項22】 被測定電流によって発生する磁界を測
    定することによって被測定電流を測定する電流センサ装
    置であって、 被測定電流によって発生する磁界に応じた信号を出力す
    る磁気検出素子と、 この磁気検出素子を用いて、磁界に対する変化がより線
    形化された線形化信号を生成し出力する線形化信号生成
    手段と、 前記磁気検出素子に対して、磁界に対する前記線形化信
    号の特性を検出するために用いられる基準磁界を印加す
    る基準磁界印加手段と、 磁界に対する前記線形化信号の特性を検出するために、
    前記線形化信号生成手段の出力信号のうちの前記基準磁
    界に対応した成分を抽出する抽出手段とを備えたことを
    特徴とする電流センサ装置。
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