JP2008097795A - 追記可能な光記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度・高速記録に対応した光記録媒体に対し、マルチセッション記録又はランダムアクセス記録を行った場合に、経時劣化による最適デフォーカス量の変動を補正する記録再生方法と記録再生装置、及び該記録再生方法によりデフォーカス調整領域が設けられた追記可能な光記録媒体の提供。
【解決手段】(1)記録層への情報の追記の直前又は直後に、データの追記領域とは別にデフォーカス調整領域を形成し、デフォーカス調整領域において最適デフォーカス量を調整した後で、記録された情報を再生することを特徴とする追記可能な光記録媒体への記録再生方法。
(2)上記記録再生方法を実施する機能を有する記録再生装置。
(3)上記記録再生方法によりデフォーカス調整領域が形成された追記可能な光記録媒体。
【選択図】図1
【解決手段】(1)記録層への情報の追記の直前又は直後に、データの追記領域とは別にデフォーカス調整領域を形成し、デフォーカス調整領域において最適デフォーカス量を調整した後で、記録された情報を再生することを特徴とする追記可能な光記録媒体への記録再生方法。
(2)上記記録再生方法を実施する機能を有する記録再生装置。
(3)上記記録再生方法によりデフォーカス調整領域が形成された追記可能な光記録媒体。
【選択図】図1
Description
本発明は、追記可能な光記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置に関する。
光ディスクの物理的な記録密度向上のための手法としては、記録・再生系の光学設計を変更するのが最も効果的である。何故ならば、光ディスクの記録層近傍にフォーカスした際にビーム径が記録密度にそのまま影響するためである。ビーム径は記録及び再生に用いる光の波長λと対物レンズの開口数NAに大きく依存し、ビーム径∝λ/NAの関係にあることが波動光学で一般的に知られている。光ディスクを例にとると、コンパクトディスク(CD)では、NA=0.45〜0.50,λ=780〜800nmであり、DVDではNA=0.60〜0.65,λ=650〜660nmであり、BDではNA=0.85,λ=400〜410nmとなっている。記録密度に大きく影響する最小マーク長は、CDでは約800nm、DVDでは約400nm、BDでは約150nmとなっている。
一方、対物レンズの高NA化と記録再生波長の短波長化により、記録再生時に発生する焦点のズレ、即ちデフォーカス量の影響が大きくなることも一般的に知られている。
また、上記のような光ディスクでは、コヒーレントな光を、平行平板の透過基板を介して光ディスクの記録層近傍に焦点が合うように照射するため、球面収差を補正するように光学設計されている。一方、媒体の透過基板の厚さは、媒体の製造工程のばらつきにより変動することが一般的であり、これらの板厚の変動に対し、球面収差を調整する代わりにデフォーカス量を調整することで対応することが多い。即ち、球面収差によるフォーカスのズレをデフォーカス量で調整することになる。
図2にデフォーカス量を示す模式図を示す。図2は光ディスクの断面図を表しており、基板と透過基板に挟まれた記録層にフォーカシングする場合を示す。(b)はデフォーカスしていない状態に相当し、(a)及び(c)はデフォーカスしている状態に相当する。その際、デフォーカス量Δfは正負が存在する。
更に、特許文献1〜2に開示されている通り、トラッキングエラー信号振幅、RF信号振幅、再生ジッタのデフォーカス(フォーカスオフセット)依存性が、光ディスクの物理特性によって異なることも知られている。そのため、これらの引用例では、データ再生の信頼性を高めるために、低ジッタとなるオフセット量とトラッキング安定性を高めるフォーカスオフセット量をそれぞれ加味した設定を行っている。しかし、本発明の課題である経時劣化する光ディスクの再生方法には対応できない。
また、上記のような光ディスクでは、コヒーレントな光を、平行平板の透過基板を介して光ディスクの記録層近傍に焦点が合うように照射するため、球面収差を補正するように光学設計されている。一方、媒体の透過基板の厚さは、媒体の製造工程のばらつきにより変動することが一般的であり、これらの板厚の変動に対し、球面収差を調整する代わりにデフォーカス量を調整することで対応することが多い。即ち、球面収差によるフォーカスのズレをデフォーカス量で調整することになる。
図2にデフォーカス量を示す模式図を示す。図2は光ディスクの断面図を表しており、基板と透過基板に挟まれた記録層にフォーカシングする場合を示す。(b)はデフォーカスしていない状態に相当し、(a)及び(c)はデフォーカスしている状態に相当する。その際、デフォーカス量Δfは正負が存在する。
更に、特許文献1〜2に開示されている通り、トラッキングエラー信号振幅、RF信号振幅、再生ジッタのデフォーカス(フォーカスオフセット)依存性が、光ディスクの物理特性によって異なることも知られている。そのため、これらの引用例では、データ再生の信頼性を高めるために、低ジッタとなるオフセット量とトラッキング安定性を高めるフォーカスオフセット量をそれぞれ加味した設定を行っている。しかし、本発明の課題である経時劣化する光ディスクの再生方法には対応できない。
一方、これらの光ディスクでは高速記録化が進んでいる。BD−Rでは4倍速(チャンネルビットレート264Mbps,走査速度19.7m/s)相当で記録できる媒体が製品化されつつある。これらの高速対応光ディスクでは、記録感度を高めることが必須とされており、短時間の光照射で状態変化する記録層を用いることが一般的である。したがって、低エネルギーで状態変化する材料を用いるため、経時安定性や高温安定性が低くなる傾向にある。これらの高速対応の光ディスクの経時劣化の詳細なメカニズムは明らかにされていないが、記録されたマークの形状が歪んでいくことが要因であると考えられている。つまり、記録直後に形成されたマークが時間の経過により緩和していくことが要因と考えられている。このマーク形状の経時変化は、そのサイズに依存する傾向があり、マークの体積に対する表面積の大きい短いマーク程、影響が大きくなっている。マークの長さによって経時変化の度合いが異なることは、再生信号のジッタ増加に影響することになるため、再生信号の信頼性は時間の経過とともに低下していくことになる。
これらの高速・高密度記録に対応する光ディスクの開発過程において、経時劣化によるジッタの増加をデフォーカス量の調整で改善できることが明らかになってきた。
図3に模式的に経時劣化の傾向を示す。従来の手法の通り、トラッキングエラー最大かつRF振幅最大でデフォーカス量を調整した場合と、ジッタが最小になるようにデフォーカス量を調整した場合のジッタの経時変化を比較すると、ジッタの劣化量が異なる。
更に記録後経過時間と最適デフォーカス量の関係を模式的に示すと図4のようになる。即ち、最適デフォーカス量が記録後の時間経過によって変化している。
また図5に記録直後(初期)と時間経過後のジッタのデフォーカス量依存性を示すが、初期と比較すると、時間経過後はジッタが最小となるデフォーカス量がシフトしている。これに対し、図6にトラッキングエラー振幅のデフォーカス量依存性を示すが、時間経過後でも、振幅が最大となるデフォーカス量の変化は非常に小さくなっている。
このように、ジッタが最小となる最適デフォーカス量が記録後の時間経過によって変動することは、光ディスク全面を一度に記録してしまう場合には問題とならないが、マルチセッション記録やランダムアクセス記録の場合には、記録した時期によって、それぞれのセッションやセクター毎の最適デフォーカス量が異なってしまうことになり問題がある。
図3に模式的に経時劣化の傾向を示す。従来の手法の通り、トラッキングエラー最大かつRF振幅最大でデフォーカス量を調整した場合と、ジッタが最小になるようにデフォーカス量を調整した場合のジッタの経時変化を比較すると、ジッタの劣化量が異なる。
更に記録後経過時間と最適デフォーカス量の関係を模式的に示すと図4のようになる。即ち、最適デフォーカス量が記録後の時間経過によって変化している。
また図5に記録直後(初期)と時間経過後のジッタのデフォーカス量依存性を示すが、初期と比較すると、時間経過後はジッタが最小となるデフォーカス量がシフトしている。これに対し、図6にトラッキングエラー振幅のデフォーカス量依存性を示すが、時間経過後でも、振幅が最大となるデフォーカス量の変化は非常に小さくなっている。
このように、ジッタが最小となる最適デフォーカス量が記録後の時間経過によって変動することは、光ディスク全面を一度に記録してしまう場合には問題とならないが、マルチセッション記録やランダムアクセス記録の場合には、記録した時期によって、それぞれのセッションやセクター毎の最適デフォーカス量が異なってしまうことになり問題がある。
本発明は、高密度・高速記録に対応した光記録媒体に対し、マルチセッション記録又はランダムアクセス記録を行った場合に、経時劣化による最適デフォーカス量の変動を補正する記録再生方法と記録再生装置、及び該記録再生方法によりデフォーカス調整領域が設けられた追記可能な光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜11)の発明(以下、本発明1〜11という)によって解決される。
1) 記録層への情報の追記の直前又は直後に、データの追記領域とは別にデフォーカス調整領域を形成し、デフォーカス調整領域において最適デフォーカス量を調整した後で、記録された情報を再生することを特徴とする追記可能な光記録媒体への記録再生方法。
2) デフォーカス調整領域に、単一の長さのマークと単一の長さのスペースの繰り返しからなるパターンを記録することを特徴とする1)記載の記録再生方法。
3) デフォーカス調整領域に記録したマークの再生ビームの走査方向の長さが、再生ビームの径よりも小さいことを特徴とする2)記載の記録再生方法。
4) デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号振幅が最大となるように調整することを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の記録再生方法。
5) デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号の平均水準が最小となるように調整することを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の記録再生方法。
6) デフォーカス調整領域に隣接してシンク(同期)部を設けたことを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の記録再生方法。
7) 一回のデータ記録に際して、最短マークと最短スペースの繰り返しからなるパターンを記録したデフォーカス調整領域1と、走査方向の長さが、再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えない最大マーク長とスペース長の繰り返しパターンからなるデフォーカス調整領域2とを、シンク部を介して隣接させて媒体上に設けたことを特徴とする6)記載の記録再生方法。
8) データ記録のチャンネルビット長をLとして、最短マーク及び最短スペースを2L、前記ビーム径を超えない最大マーク長と最大スペース長を4Lとしたことを特徴とする7)記載の記録再生方法。
9) デフォーカス調整領域を追記領域に隣接して形成することを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の記録再生方法
10) 1)〜9)の何れかに記載の記録再生方法を実施する機能を有することを特徴とする記録再生装置。
11) 1)〜9)の何れかに記載の記録再生方法によりデフォーカス調整領域が形成されたことを特徴とする追記可能な光記録媒体。
1) 記録層への情報の追記の直前又は直後に、データの追記領域とは別にデフォーカス調整領域を形成し、デフォーカス調整領域において最適デフォーカス量を調整した後で、記録された情報を再生することを特徴とする追記可能な光記録媒体への記録再生方法。
2) デフォーカス調整領域に、単一の長さのマークと単一の長さのスペースの繰り返しからなるパターンを記録することを特徴とする1)記載の記録再生方法。
3) デフォーカス調整領域に記録したマークの再生ビームの走査方向の長さが、再生ビームの径よりも小さいことを特徴とする2)記載の記録再生方法。
4) デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号振幅が最大となるように調整することを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の記録再生方法。
5) デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号の平均水準が最小となるように調整することを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の記録再生方法。
6) デフォーカス調整領域に隣接してシンク(同期)部を設けたことを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の記録再生方法。
7) 一回のデータ記録に際して、最短マークと最短スペースの繰り返しからなるパターンを記録したデフォーカス調整領域1と、走査方向の長さが、再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えない最大マーク長とスペース長の繰り返しパターンからなるデフォーカス調整領域2とを、シンク部を介して隣接させて媒体上に設けたことを特徴とする6)記載の記録再生方法。
8) データ記録のチャンネルビット長をLとして、最短マーク及び最短スペースを2L、前記ビーム径を超えない最大マーク長と最大スペース長を4Lとしたことを特徴とする7)記載の記録再生方法。
9) デフォーカス調整領域を追記領域に隣接して形成することを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の記録再生方法
10) 1)〜9)の何れかに記載の記録再生方法を実施する機能を有することを特徴とする記録再生装置。
11) 1)〜9)の何れかに記載の記録再生方法によりデフォーカス調整領域が形成されたことを特徴とする追記可能な光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
図1に本発明の記録再生装置の一例を示す。スピンドルモーターによって回転する光記録媒体に記録・再生用の光を入射し、反射された光をフォトディテクタで検出することにより、フォーカシング制御、トラッキング制御及び情報の記録を行う。
光記録媒体は、一般に透過基板と基板の間に記録層を設けた構成を有する。更に必要に応じて反射層、保護層などを設ける。
透過基板は記録再生に用いる光の波長領域で十分な透過率を有することが必要である。材質としては、樹脂やガラス等が例示できるが、加工のし易さやコスト的な優位性のため、樹脂を用いることが好ましい。樹脂としては光ディスク用の一般的なものを用いることができるが、ポリカーボネートやアクリル系樹脂が好ましい。
透過基板の反対側の基板は任意の材料を用いることができるが、透過基板と同様の樹脂を用いることが、光ディスクの熱応力や経時変化を緩和する効果があるため好ましい。即ちアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
図1に本発明の記録再生装置の一例を示す。スピンドルモーターによって回転する光記録媒体に記録・再生用の光を入射し、反射された光をフォトディテクタで検出することにより、フォーカシング制御、トラッキング制御及び情報の記録を行う。
光記録媒体は、一般に透過基板と基板の間に記録層を設けた構成を有する。更に必要に応じて反射層、保護層などを設ける。
透過基板は記録再生に用いる光の波長領域で十分な透過率を有することが必要である。材質としては、樹脂やガラス等が例示できるが、加工のし易さやコスト的な優位性のため、樹脂を用いることが好ましい。樹脂としては光ディスク用の一般的なものを用いることができるが、ポリカーボネートやアクリル系樹脂が好ましい。
透過基板の反対側の基板は任意の材料を用いることができるが、透過基板と同様の樹脂を用いることが、光ディスクの熱応力や経時変化を緩和する効果があるため好ましい。即ちアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
これらの透過基板と基板の何れか又は両方にトラッキング用の溝(グルーブ)を設けても良く、更にその溝を蛇行させることによりシンク信号やアドレス信号を任意の変調方式で記録しても良い。グルーブの間隔(トラックピッチ)は記録・再生に用いられる光学系によるが、NA0.85、λ=405nmであるBD−Rでは0.32μmであり、NA0.65、λ=405であるHD DVD−Rでは0.40μmである。
透過基板の厚さは、記録・再生に用いられる光学系によって設定され、BD−Rでは約100μm近傍に設定することが必要であり、HD DVD−Rでは約600μm近傍に設定されることが必要となる。
記録層は単一又は複数の材料を、透過基板又は基板上に積層することで形成されるが、機能の異なる複数の材料を積層することが好ましい。これらの材料としては任意の有機物や無機物を選定できる。無機物のみを用いる場合の例としては、ISOM/ODS’05 予稿集ThB7に記載されるSi/Cuを中心とした構成が挙げられる。
透過基板の厚さは、記録・再生に用いられる光学系によって設定され、BD−Rでは約100μm近傍に設定することが必要であり、HD DVD−Rでは約600μm近傍に設定されることが必要となる。
記録層は単一又は複数の材料を、透過基板又は基板上に積層することで形成されるが、機能の異なる複数の材料を積層することが好ましい。これらの材料としては任意の有機物や無機物を選定できる。無機物のみを用いる場合の例としては、ISOM/ODS’05 予稿集ThB7に記載されるSi/Cuを中心とした構成が挙げられる。
これらの光記録媒体への情報の記録・再生は集光した光を記録層近傍に照射することで行う。図1のレーザードライバにより制御され出射された光はコリメータレンズによって整形される。その後、球面収差補正素子により位相調整されたのち、PBS(ポーラライジングビームスプリッタ)、対物レンズなどを介して媒体に入射する。媒体により反射された光は、対物レンズを通過した後、PBSで反射されてフォトディテクターに入射する。これらの光学系は、光記録媒体の物理的な仕様に依存し、透過基板の厚さやトラックピッチ等によって最適化される必要があるが、光ディスク用の光学系としては一般的なものである。媒体からの反射光はフォトディテクターで電気信号に変換されるが、その処理方法によりHF(再生)信号、FE信号(フォーカスエラー信号)、TE信号(トラッキングエラー信号)に分割される。
HF信号は、光記録媒体の情報再生に用いられるSUM信号やプリフォーマットされたアドレスの再生に使用されるウォブル信号(プッシュプル信号)などが含まれる。これらの信号はHF信号処理部によって処理され、各部へフィードバックされる。FE信号は、フォーカス用のアクチュエータの制御に使用される信号、TE信号はトラッキング用アクチュエータの制御に使用される信号であり、FE信号処理部やTE信号処理部を介して、それぞれのアクチュエータのドライバにフィードバックされることにより、安定したフォーカシングとトラッキングが可能となる。
FE信号の検出には任意の手段を利用することが可能であるが、対物レンズの非点収差を利用した非点収差法を用いることが一般的である。
図7にFE信号のデフォーカス量依存性を示すが、デフォーカス量に対してS字状のカーブとなる。通常はFE信号=0となるようにアクチュエーターを制御することにより、図2(b)の状態を維持することが可能となる。一方、FE信号=FE0とすることにより、Δf=Δf0のデフォーカスを設定することが可能となる。
FE信号の検出には任意の手段を利用することが可能であるが、対物レンズの非点収差を利用した非点収差法を用いることが一般的である。
図7にFE信号のデフォーカス量依存性を示すが、デフォーカス量に対してS字状のカーブとなる。通常はFE信号=0となるようにアクチュエーターを制御することにより、図2(b)の状態を維持することが可能となる。一方、FE信号=FE0とすることにより、Δf=Δf0のデフォーカスを設定することが可能となる。
本発明の記録再生方法は、追記動作の際に「デフォーカス調整領域」を作成することを特徴とする。図8にデフォーカス調整領域の設定例を示す。
初期記録部に記録する場合、その情報記録領域に対応したデフォーカス調整領域0を形成する。その後、追記部1に記録する場合は、隣接する個所にデフォーカス調整領域1を形成する。その後、データを追記する場合は、追記部X(X=2、3………)に隣接する領域にデフォーカス調整領域X(X=2、3………)を形成することが必要である。
デフォーカス調整領域を形成するタイミングは、経時変化の影響を最小限に抑えるために記録動作の前後24時間以内に行うことが好ましく、更に記録動作の直前又は直後に行うことが好ましい。これにより情報記録部とデフォーカス調整領域での処理の時間差を最小限に抑えることが可能である。
それぞれのデフォーカス調整領域は任意の領域に形成可能であるが、対応する追記部に隣接して形成することが好ましい。これにより、シークタイムを短縮し調整に要する処理時間を短縮できる。更に、対応する追記部のアドレスが小さい領域に形成することが好ましい。これにより、再生する際に追記部領域を再生する前にデフォーカス調整領域で最適デフォーカス量を調整することが可能となる。
初期記録部に記録する場合、その情報記録領域に対応したデフォーカス調整領域0を形成する。その後、追記部1に記録する場合は、隣接する個所にデフォーカス調整領域1を形成する。その後、データを追記する場合は、追記部X(X=2、3………)に隣接する領域にデフォーカス調整領域X(X=2、3………)を形成することが必要である。
デフォーカス調整領域を形成するタイミングは、経時変化の影響を最小限に抑えるために記録動作の前後24時間以内に行うことが好ましく、更に記録動作の直前又は直後に行うことが好ましい。これにより情報記録部とデフォーカス調整領域での処理の時間差を最小限に抑えることが可能である。
それぞれのデフォーカス調整領域は任意の領域に形成可能であるが、対応する追記部に隣接して形成することが好ましい。これにより、シークタイムを短縮し調整に要する処理時間を短縮できる。更に、対応する追記部のアドレスが小さい領域に形成することが好ましい。これにより、再生する際に追記部領域を再生する前にデフォーカス調整領域で最適デフォーカス量を調整することが可能となる。
デフォーカス調整領域に記録する内容は任意のものとすることができる。例えば通常のデータやデフォーカス調整用途に特化したマークを形成しても良い。
このようなデフォーカス調整用途に特化したマークの例としては、単一の長さのマークと単一の長さのスペース(マーク間)の組み合わせが挙げられる。最も存在割合が多いのは最短マークと最短スペースであるから、通常は、単一の長さとして最短長を選択する。更に、好ましくは走査方向の長さが再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えないマークとスペースの繰り返しによるパターンを形成する。例えば、NA0.85,λ=405nmのBD−Rでは、再生ビーム径は400〜450nmであり、チャンネルビット長(T)は約75nmある。従って、2T〜5T相当のマークとスペースの繰り返しパターンを記録することが好ましい。なお、上記「再生に用いるビームの媒体記録層上での直径」という表現を用いた理由は、本発明では最適デフォーカス量を調整した後で、即ちやや焦点がボケた状態で記録された情報を再生するため、記録層に焦点を合わせて再生を行う通常の場合の再生ビーム径とは異なるからである。
上記のようなマークをデフォーカス調整領域に形成することにより、最適デフォーカス設定の調整精度を向上させることができる。
このようなデフォーカス調整用途に特化したマークの例としては、単一の長さのマークと単一の長さのスペース(マーク間)の組み合わせが挙げられる。最も存在割合が多いのは最短マークと最短スペースであるから、通常は、単一の長さとして最短長を選択する。更に、好ましくは走査方向の長さが再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えないマークとスペースの繰り返しによるパターンを形成する。例えば、NA0.85,λ=405nmのBD−Rでは、再生ビーム径は400〜450nmであり、チャンネルビット長(T)は約75nmある。従って、2T〜5T相当のマークとスペースの繰り返しパターンを記録することが好ましい。なお、上記「再生に用いるビームの媒体記録層上での直径」という表現を用いた理由は、本発明では最適デフォーカス量を調整した後で、即ちやや焦点がボケた状態で記録された情報を再生するため、記録層に焦点を合わせて再生を行う通常の場合の再生ビーム径とは異なるからである。
上記のようなマークをデフォーカス調整領域に形成することにより、最適デフォーカス設定の調整精度を向上させることができる。
デフォーカス調整領域は複数設けても良いが、多数のデフォーカス調整領域を設けると媒体の記録領域の減少や、最適化動作にかかる時間が長くなる等の不具合が発生する。最適なデフォーカス調整領域の数は2以下である。また、デフォーカス調整領域の長さが長いほど最適な条件設定を行う精度が向上することが容易に予想できるが、記憶容量が減少するという不具合がある。少なくとも論理上の単位を最小とすることが必要であり、物理アドレスで1単位を最小とすることが好ましい。更に、デフォーカス調整領域を複数設ける場合は、デフォーカス調整領域間にリンク部やシンク部を設けることにより、分割することも可能である。
一回のデータ記録に際して、最短マークと最短スペースの繰り返しからなるパターンを記録したデフォーカス調整領域1と、走査方向の長さが、再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えない最大マーク長とスペース長の繰り返しパターンからなるデフォーカス調整領域2とを、シンク部を介して隣接させて媒体上に設けることが好ましい態様として挙げられる。
一回のデータ記録に際して、最短マークと最短スペースの繰り返しからなるパターンを記録したデフォーカス調整領域1と、走査方向の長さが、再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えない最大マーク長とスペース長の繰り返しパターンからなるデフォーカス調整領域2とを、シンク部を介して隣接させて媒体上に設けることが好ましい態様として挙げられる。
上記デフォーカス調整領域に記録した、走査方向の長さが再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えないマークとスペースの繰り返しによるパターンを再生する場合には、再生ビームの走査方向の長さを、再生ビームの径よりも小さくすることが好ましい。
上記の記録方法(デフォーカス調整領域を形成する方法)で記録した光記録媒体の再生方法の例を図8を用いて説明する。
追記部1の情報を再生する場合、デフォーカス調整領域1にアクセスしてデフォーカス量を最適値に調整した後、追記部1の情報を再生する。更に追記部2の情報を再生する際には、デフォーカス調整領域2にアクセスしてデフォーカス量を最適値に調整した後、追記部2の情報を再生する。
デフォーカス量の最適化には、任意の方法を用いることができるが、HF信号振幅又はHF信号水準を評価することにより行うことが好ましい。その際、HF信号振幅が最大となる条件又はHF信号の平均水準(平均電圧値又は平均電流値)が最小となる条件とすることが好ましい。これにより、デフォーカス量調整を容易に行うことができるため、処理速度を短縮することが可能となる。
上記の記録方法(デフォーカス調整領域を形成する方法)で記録した光記録媒体の再生方法の例を図8を用いて説明する。
追記部1の情報を再生する場合、デフォーカス調整領域1にアクセスしてデフォーカス量を最適値に調整した後、追記部1の情報を再生する。更に追記部2の情報を再生する際には、デフォーカス調整領域2にアクセスしてデフォーカス量を最適値に調整した後、追記部2の情報を再生する。
デフォーカス量の最適化には、任意の方法を用いることができるが、HF信号振幅又はHF信号水準を評価することにより行うことが好ましい。その際、HF信号振幅が最大となる条件又はHF信号の平均水準(平均電圧値又は平均電流値)が最小となる条件とすることが好ましい。これにより、デフォーカス量調整を容易に行うことができるため、処理速度を短縮することが可能となる。
最適デフォーカス量が経時で変化することは前述の通りであるが、その変化量は初期記録条件に依存する。ここで初期記録条件とは記録パワーや記録時のデフォーカス量、チルト量などである。特に記録パワーは記録装置に搭載されるLD(レーザーダイオード)の温度特性により変動することが一般に知られており、装置の動作による温度変化によって記録パワーが変動することが予想される。通常、動作により温度が上昇した場合は出射レーザーの強度は高くなる傾向にある。一方、光ディスク表面上に汚れが付着したり、記録装置の対物レンズが汚染された場合などは、光ディスクに照射されるレーザーの強度は低下することになる。このように初期記録条件が最適値から変動した場合でも最適なデフォーカス量を調整するためには、記録されたパターンの異なるデフォーカス調整領域を設けることが効果的である。
デフォーカス調整領域に記録されるパターンは、走査方向の長さが再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えないことが好ましいが、その組み合わせは任意である。
例えば前述のBD−Rの例では、2Tマークと2Tスペースの繰り返しパターンで記録されるデフォーカス調整領域1と、4Tマークと4Tスペースの繰り返しパターンで記録されるデフォーカス調整領域2とを設定し、両者を用いて最適条件を設定することができる。即ち、最小マークと最小スペースの繰り返しと、前記ビーム径を超えない長さの最大マーク長と最大スペース長の組み合わせとすることが好ましい。領域1と領域2のデフォーカス調整量が異なる場合は、両者から算出された量を最適値と設定することが好ましく、平均値を取ることが好ましい。或いは、媒体の物理特性から両者の過重平均値を採用することも効果的と考えられる。
BD−Rにおけるデータ記録のチャンネルビット長をLとし場合、最短マーク及び最短スペースは2Lであり、前記ビーム径を超えない最大マーク長と最大スペース長は4Lであるから、デフォーカス調整領域1を2Lの繰り返しパターンとし、デフォーカス調整領域2を4Lの繰り返しパターンとすることが好ましい。
例えば前述のBD−Rの例では、2Tマークと2Tスペースの繰り返しパターンで記録されるデフォーカス調整領域1と、4Tマークと4Tスペースの繰り返しパターンで記録されるデフォーカス調整領域2とを設定し、両者を用いて最適条件を設定することができる。即ち、最小マークと最小スペースの繰り返しと、前記ビーム径を超えない長さの最大マーク長と最大スペース長の組み合わせとすることが好ましい。領域1と領域2のデフォーカス調整量が異なる場合は、両者から算出された量を最適値と設定することが好ましく、平均値を取ることが好ましい。或いは、媒体の物理特性から両者の過重平均値を採用することも効果的と考えられる。
BD−Rにおけるデータ記録のチャンネルビット長をLとし場合、最短マーク及び最短スペースは2Lであり、前記ビーム径を超えない最大マーク長と最大スペース長は4Lであるから、デフォーカス調整領域1を2Lの繰り返しパターンとし、デフォーカス調整領域2を4Lの繰り返しパターンとすることが好ましい。
本発明1〜11によれば、高密度・高速記録に対応した光記録媒体に対し、マルチセッション記録又はランダムアクセス記録を行った場合に、経時劣化による最適デフォーカス量の変動を補正する記録再生方法と記録再生装置、及び該記録再生方法によりデフォーカス調整領域が設けられた追記可能な光記録媒体を提供できる。
即ち、本発明では、デフォーカス調整領域を追記するたびに設けるため、記録後の経時変化で最適デフォーカス量が変動しても、その追記領域とほぼ同時に作成された調整領域でデフォーカス量を調整できるので、異なるタイミングで追記された領域を安定して再生することが可能となる。
また、本発明10では、デフォーカス調整機能を有するため、高い記録再生信頼性を得ることが可能な記録再生装置を提供でき、本発明11では、デフォーカス調整領域を設けたことにより高い記録再生信頼性を有する光記録媒体を提供できる。
即ち、本発明では、デフォーカス調整領域を追記するたびに設けるため、記録後の経時変化で最適デフォーカス量が変動しても、その追記領域とほぼ同時に作成された調整領域でデフォーカス量を調整できるので、異なるタイミングで追記された領域を安定して再生することが可能となる。
また、本発明10では、デフォーカス調整機能を有するため、高い記録再生信頼性を得ることが可能な記録再生装置を提供でき、本発明11では、デフォーカス調整領域を設けたことにより高い記録再生信頼性を有する光記録媒体を提供できる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
<光ディスクの作成>
BD−Rディスクを以下の方法で作成した。
厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート基板上に、真空スパッタ法で反射層、第一保護層、記録層、第2保護層を成膜し、その上に透過基板を形成して媒体を作成した。
ポリカーボネート基板にはトラックピッチ0.32μmのグルーブを形成し、BD−Rフォーマットに準拠したADIP(アドレスインプレグルーブ)をエンコードした。
反射層にはAgIn合金(99.5:0.5重量%)を用い、膜厚は50nmとした。
第1保護層、第2保護層にはZnS−SiO2(モル比80:20)を用い、膜厚は、それぞれ20nmとした。
記録層にはBi2O5−Fe2O3(モル比2:1)を用い、膜厚は15nmとした。
透過基板には紫外線硬化樹脂を用い、樹脂をスピンコーティングした後、紫外線照射して形成した。その厚さは100μmとした。
完成した光ディスクは、反射率約20%のBD−Rディスクとなった。
<光ディスクの作成>
BD−Rディスクを以下の方法で作成した。
厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート基板上に、真空スパッタ法で反射層、第一保護層、記録層、第2保護層を成膜し、その上に透過基板を形成して媒体を作成した。
ポリカーボネート基板にはトラックピッチ0.32μmのグルーブを形成し、BD−Rフォーマットに準拠したADIP(アドレスインプレグルーブ)をエンコードした。
反射層にはAgIn合金(99.5:0.5重量%)を用い、膜厚は50nmとした。
第1保護層、第2保護層にはZnS−SiO2(モル比80:20)を用い、膜厚は、それぞれ20nmとした。
記録層にはBi2O5−Fe2O3(モル比2:1)を用い、膜厚は15nmとした。
透過基板には紫外線硬化樹脂を用い、樹脂をスピンコーティングした後、紫外線照射して形成した。その厚さは100μmとした。
完成した光ディスクは、反射率約20%のBD−Rディスクとなった。
<光ディスクの評価>
完成した光ディスクに、パルステック社製BD−R評価装置:ODU−1000を用いて記録した。情報の記録は、BD−Rの4倍速相当で以下の通り実施した。括弧の数字はPAA(アドレス)に相当する。(調整領域、初期記録部、追記部は図8参照)
(020000)〜(0203FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0
(020400)〜(0213FE):ランダムデータを記録:初期記録部
上記の記録済みの光ディスクを80℃、85%RH環境下に100時間放置し、加速試験を行った。これにより、記録信号の経時劣化を加速することができ、100時間の試験で数年相当と見積もることが可能となる。
試験後の光ディスクに対し、以下の通り記録した。
(021400)〜(0217FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1
(021800)〜(0227FE):ランダムデータを記録:追記部1
完成した光ディスクに、パルステック社製BD−R評価装置:ODU−1000を用いて記録した。情報の記録は、BD−Rの4倍速相当で以下の通り実施した。括弧の数字はPAA(アドレス)に相当する。(調整領域、初期記録部、追記部は図8参照)
(020000)〜(0203FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0
(020400)〜(0213FE):ランダムデータを記録:初期記録部
上記の記録済みの光ディスクを80℃、85%RH環境下に100時間放置し、加速試験を行った。これにより、記録信号の経時劣化を加速することができ、100時間の試験で数年相当と見積もることが可能となる。
試験後の光ディスクに対し、以下の通り記録した。
(021400)〜(0217FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1
(021800)〜(0227FE):ランダムデータを記録:追記部1
上記記録済みの光ディスクについて、以下の手順でジッタ測定を行った。なお、測定は、BD−Rの国際標準に従った方法で行なった。
(1)デフォーカス領域0でデフォーカス量をHF信号振幅が最大となるように調整。
(2)初期記録部のジッタを測定。
(3)デフォーカス領域1でデフォーカス量をHF信号振幅が最大となるように調整。
(4)追記部1のジッタを測定。
その結果、ジッタの測定値は以下の通りとなり、規格値6.5%以下に対して各記録部共に良好な結果となった。
初期記録部: 5.8%
追記部1 : 5.4%
(1)デフォーカス領域0でデフォーカス量をHF信号振幅が最大となるように調整。
(2)初期記録部のジッタを測定。
(3)デフォーカス領域1でデフォーカス量をHF信号振幅が最大となるように調整。
(4)追記部1のジッタを測定。
その結果、ジッタの測定値は以下の通りとなり、規格値6.5%以下に対して各記録部共に良好な結果となった。
初期記録部: 5.8%
追記部1 : 5.4%
比較例1
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)初期記録部のHF信号が最大振幅となるようにデフォーカス量を調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)追記部1のジッタを測定
その結果、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.2%
追記部1 : 6.7%
実施例1と比較するとジッタが上昇し、追記部1では規格値を超える値となった。
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)初期記録部のHF信号が最大振幅となるようにデフォーカス量を調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)追記部1のジッタを測定
その結果、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.2%
追記部1 : 6.7%
実施例1と比較するとジッタが上昇し、追記部1では規格値を超える値となった。
比較例2
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)追記部1のHF信号が最大振幅となるようにデフォーカス量を調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)追記部1のジッタを測定
その結果、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.8%
追記部1 : 5.6%
実施例1と比較するとジッタが上昇し、初期記録部では規格値を超える値となった。
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)追記部1のHF信号が最大振幅となるようにデフォーカス量を調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)追記部1のジッタを測定
その結果、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.8%
追記部1 : 5.6%
実施例1と比較するとジッタが上昇し、初期記録部では規格値を超える値となった。
実施例2
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)デフォーカス領域0でデフォーカス量をHF信号水準が最小となるように調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)デフォーカス領域1でデフォーカス量をHF信号水準が最小となるように調整
(4)追記部1のジッタを測定
即ち、デフォーカス調整領域のHF信号の平均電圧値が最小になるようにデフォーカス量を調整した。
その結果、各部のジッタ測定値は以下の通りとなった。
初期記録部: 5.9%
追記部1 : 5.5%
実施例1とほぼ同様の効果を得ることができた。更に、振幅の小さい2T信号の測定よりも、平均電圧の測定の方が精度が高くなることが予想される。(誤差が小さくなる)
実施例1の記録済みの光ディスクを以下の手順で測定した。
(1)デフォーカス領域0でデフォーカス量をHF信号水準が最小となるように調整
(2)初期記録部のジッタを測定
(3)デフォーカス領域1でデフォーカス量をHF信号水準が最小となるように調整
(4)追記部1のジッタを測定
即ち、デフォーカス調整領域のHF信号の平均電圧値が最小になるようにデフォーカス量を調整した。
その結果、各部のジッタ測定値は以下の通りとなった。
初期記録部: 5.9%
追記部1 : 5.5%
実施例1とほぼ同様の効果を得ることができた。更に、振幅の小さい2T信号の測定よりも、平均電圧の測定の方が精度が高くなることが予想される。(誤差が小さくなる)
実施例3
実施例1の記録済みの光ディスクに対し、各デフォーカス領域に記録する信号を4Tマークと4Tスペースの繰り返しパターンに変更した点以外は、実施例1と同様にして記録し評価を行ったところ、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.0%
追記部1 : 5.8%
何れも良好な結果となったが、実施例1と比較すると高いジッタとなった。
実施例1の記録済みの光ディスクに対し、各デフォーカス領域に記録する信号を4Tマークと4Tスペースの繰り返しパターンに変更した点以外は、実施例1と同様にして記録し評価を行ったところ、以下の通りとなった。
初期記録部: 6.0%
追記部1 : 5.8%
何れも良好な結果となったが、実施例1と比較すると高いジッタとなった。
実施例4
実施例1と同様の方法で光ディスクを作成し記録した。但し、情報記録部の記録パワーを最適な記録パワーに対して5%高い値に設定して記録を行った。即ち、記録装置の記録パワーが、設定精度の問題により高いパワーに設定されてしまった場合を想定したものである。
デフォーカス調整領域は下記の通りに設けた。なお、括弧の数字はPAA(アドレス)に相当するものであり、16進数で表現される。
(020000)〜(0201FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0a
(020200)〜(0203FE):4Tマーク−4Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0b
(020400)〜(0213FE):ランダムデータを記録:初期記録部
上記の記録を行った光ディスクを、実施例1と同様の手法を用いて80℃、85%RH環境下に100時間放置し、加速試験を行った。
更に試験後の光ディスクを上記と同様に記録した。但し、記録したPAA(アドレス)は以下の設定とした。
(021400)〜(0215FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1a
(021600)〜(0217FE):4Tマーク−4Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1b
(021800)〜(0227FE):ランダムデータを記録:追記録部1
実施例1と同様の方法で光ディスクを作成し記録した。但し、情報記録部の記録パワーを最適な記録パワーに対して5%高い値に設定して記録を行った。即ち、記録装置の記録パワーが、設定精度の問題により高いパワーに設定されてしまった場合を想定したものである。
デフォーカス調整領域は下記の通りに設けた。なお、括弧の数字はPAA(アドレス)に相当するものであり、16進数で表現される。
(020000)〜(0201FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0a
(020200)〜(0203FE):4Tマーク−4Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域0b
(020400)〜(0213FE):ランダムデータを記録:初期記録部
上記の記録を行った光ディスクを、実施例1と同様の手法を用いて80℃、85%RH環境下に100時間放置し、加速試験を行った。
更に試験後の光ディスクを上記と同様に記録した。但し、記録したPAA(アドレス)は以下の設定とした。
(021400)〜(0215FE):2Tマーク−2Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1a
(021600)〜(0217FE):4Tマーク−4Tスペースの繰り返しパターン:デフォーカス調整領域1b
(021800)〜(0227FE):ランダムデータを記録:追記録部1
上記記録済みの光ディスクについて、以下の手順で初期記録部及び追記部の測定を行った。
(1)デフォーカス調整領域0aで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf0aとした。
(2)デフォーカス調整領域0bで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf0bとした。
(3)デフォーカス量をΔf0aとΔf0bの平均値に設定し、初期記録部のジッタを測定。
(4)デフォーカス調整領域1aで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf1aとした。
(5)デフォーカス調整領域1bで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf1bとした。
(6)デフォーカス量をΔf1aとΔf1bの平均値に設定し、追記部1のジッタを測定。
その結果、初期記録部0及び追記部1のジッタの測定値は、以下の通り、規格値6.5%以下であった。即ち、記録条件が最適でない場合でも、複数のデフォーカス調整領域を設けることにより、再生信号の悪化を最低限に抑えることが可能となる。
初期記録部0: 6.2%
追記部1 : 6.0%
(1)デフォーカス調整領域0aで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf0aとした。
(2)デフォーカス調整領域0bで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf0bとした。
(3)デフォーカス量をΔf0aとΔf0bの平均値に設定し、初期記録部のジッタを測定。
(4)デフォーカス調整領域1aで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf1aとした。
(5)デフォーカス調整領域1bで、デフォーカス量を、HF信号水準(平均電圧値)が最小となるように調整。そのデフォーカス量をΔf1bとした。
(6)デフォーカス量をΔf1aとΔf1bの平均値に設定し、追記部1のジッタを測定。
その結果、初期記録部0及び追記部1のジッタの測定値は、以下の通り、規格値6.5%以下であった。即ち、記録条件が最適でない場合でも、複数のデフォーカス調整領域を設けることにより、再生信号の悪化を最低限に抑えることが可能となる。
初期記録部0: 6.2%
追記部1 : 6.0%
実施例5
実施例1で記録した光ディスクを再生評価した。但し、初期記録部の再生でのデフォーカス量をΔf0a、追記部1のデフォーカス量をΔf0bとした。即ち、単一のデフォーカス調整領域のみを使用した場合の影響を検証した。その結果、初期記録部及び追記部1のジッタ測定値は以下の通りとなった。
初期記録部: 6.5%
追記部 : 6.3%
上記のように、5%高い記録パワーで記録しても規格値6.5%以下の良好な記録品質となったが、実施例4と比較するとジッタ値は高くなったため、最適な再生条件となっていないことが分った。
即ち、記録パワーが最適でない場合は、複数のデフォーカス領域を設けることにより、最適な再生条件を設定することが可能になると考えられる。
実施例1で記録した光ディスクを再生評価した。但し、初期記録部の再生でのデフォーカス量をΔf0a、追記部1のデフォーカス量をΔf0bとした。即ち、単一のデフォーカス調整領域のみを使用した場合の影響を検証した。その結果、初期記録部及び追記部1のジッタ測定値は以下の通りとなった。
初期記録部: 6.5%
追記部 : 6.3%
上記のように、5%高い記録パワーで記録しても規格値6.5%以下の良好な記録品質となったが、実施例4と比較するとジッタ値は高くなったため、最適な再生条件となっていないことが分った。
即ち、記録パワーが最適でない場合は、複数のデフォーカス領域を設けることにより、最適な再生条件を設定することが可能になると考えられる。
Claims (11)
- 記録層への情報の追記の直前又は直後に、データの追記領域とは別にデフォーカス調整領域を形成し、デフォーカス調整領域において最適デフォーカス量を調整した後で、記録された情報を再生することを特徴とする追記可能な光記録媒体への記録再生方法。
- デフォーカス調整領域に、単一の長さのマークと単一の長さのスペースの繰り返しからなるパターンを記録することを特徴とする請求項1記載の記録再生方法。
- デフォーカス調整領域に記録したマークの再生ビームの走査方向の長さが、再生ビームの径よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の記録再生方法。
- デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号振幅が最大となるように調整することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の記録再生方法。
- デフォーカス調整領域での最適デフォーカス量調整に際し、再生(HF)信号の平均水準が最小となるように調整することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の記録再生方法。
- デフォーカス調整領域に隣接してシンク(同期)部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の記録再生方法。
- 一回のデータ記録に際して、最短マークと最短スペースの繰り返しからなるパターンを記録したデフォーカス調整領域1と、走査方向の長さが、再生に用いるビームの媒体記録層上での直径を超えない最大マーク長とスペース長の繰り返しパターンからなるデフォーカス調整領域2とを、シンク部を介して隣接させて媒体上に設けたことを特徴とする請求項6記載の記録再生方法。
- データ記録のチャンネルビット長をLとして、最短マーク及び最短スペースを2L、前記ビーム径を超えない最大マーク長と最大スペース長を4Lとしたことを特徴とする請求項7記載の記録再生方法。
- デフォーカス調整領域を追記領域に隣接して形成することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の記録再生方法。
- 請求項1〜9の何れかに記載の記録再生方法を実施する機能を有することを特徴とする記録再生装置。
- 請求項1〜9の何れかに記載の記録再生方法によりデフォーカス調整領域が形成されたことを特徴とする追記可能な光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007069591A JP2008097795A (ja) | 2006-09-13 | 2007-03-16 | 追記可能な光記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006248008 | 2006-09-13 | ||
JP2007069591A JP2008097795A (ja) | 2006-09-13 | 2007-03-16 | 追記可能な光記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008097795A true JP2008097795A (ja) | 2008-04-24 |
Family
ID=39380463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007069591A Pending JP2008097795A (ja) | 2006-09-13 | 2007-03-16 | 追記可能な光記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008097795A (ja) |
-
2007
- 2007-03-16 JP JP2007069591A patent/JP2008097795A/ja active Pending
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