JP2008097695A - 光ディスク用原盤製造方法および光ディスク原盤 - Google Patents

光ディスク用原盤製造方法および光ディスク原盤 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の深さ/高さを有する凹凸パターンが形成された光ディスク原盤を、がたつき無く高精度に、かつプロセスの増加を抑え高歩留まりに安定して作製することが本発明の課題である。
【解決手段】昇温で状態変化する無機レジスト材料を用い、基板上にそれぞれ異なる温度で状態変化する第1無機レジストと第2無機レジストを順次成膜する成膜工程と、成膜後の基板を露光し、第1無機レジストまたは第2無機レジストのどちらか一方のみを状態変化させる第1露光工程と、第1無機レジストと第2無機レジストの両方を状態変化させる第2露光工程と、露光された基板を現像し複数の深さ/高さの凹凸パターンを形成する現像工程を少なくとも有する原盤製造方法によりこれを解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の高さ/深さの凹凸を有した光ディスク原盤の製造方法に関する。
映像・音響コンテンツの配布、保存といった用途にコンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)等の光ディスクは用いられ、世間一般に広く普及している、または普及しつつある。
これら保存、記録用媒体として大量に利用されている光ディスクは次のような工程を経て作製される。
1.光ディスク原盤の作製
2.射出成型用金型(スタンパ)の作製
3.射出成形による樹脂基板の作製
4.樹脂基板上への記録膜、反射膜等の成膜
5.保護層の形成
6.初期化、検査等
このうち、光ディスク原盤は光ディスクを作製する際に基本となるものであり、溝やピットからなる凹凸パターンをガラス等の基板上のフォトレジストに形成したものである。そのため光ディスク原盤の品質は、光ディスクの信号品質を左右する最も重要なものの一つである。
光ディスク原盤は一般には次のような工程を経て作製される。
1.ガラス基板の表面研磨
2.研磨したガラス基板上へのフォトレジストの塗布
3.所望の信号に基づいて強度変調した露光用レーザー光を対物レンズによりフォトレジスト上に集光し、フォトレジストを感光
4.現像し、フォトレジストの感光度に応じた凹凸を形成
5.ポストベーク等の後処理
一般に上記ガラス基板上へのフォトレジストの塗布はスピンコート法によって行われ、形成されたフォトレジスト層の厚みはガラス基板面内で均一である。そのため光ディスク原盤上の溝やピットからなる凹凸パターンの深さ/高さは光ディスク原盤面内で均一である。光ディスク原盤面内での凹凸パターンの深さ/高さが均一であるということは、その光ディスク原盤を用いて作製された光ディスクは、同様に均一の深さ/高さの凹凸パターンを有することになる。
しかしながら近年、複数の深さ/高さの凹凸パターンを有した光ディスクがますます重要になってきている。これには二つの大きな目的が考えられる。
一つには高密度記録を実現するためである。従来、光ディスクの大容量化は、再生光のレーザー波長を短くし、対物レンズのNAを向上させるとともに、ピットもしくは記録マークを微小化することによって実現してきた。しかしながら、これ以上の再生光のレーザー波長の短波長化には光学部品材料の大幅な変更が必要になり、コスト的に現実的ではない。またこれ以上の対物レンズのNA向上は、ワーキングディスタンスを小さくし、光ディスクと対物レンズの衝突を招きやすい。そこで、ピットサイズをそのままに光ディスク再生面内で凹凸パターンの深さ/高さを変えることにより、より多くの情報を記録することが可能となる多値記録技術が提案されている。例えば特許文献1は異なる深さを有する2種類のピットを形成した高密度光ディスクに関する提案である。
また一つには再生専用領域と録再可能領域の両方を有する構造の光ディスク、いわゆるハイブリッドディスクを実現するためである。ハイブリッドディスクと呼ばれる光ディスクは同一面内でピットが主として形成されている再生専用領域とグルーブが主として形成されている録再可能領域を有する。このとき、ピットとグルーブのそれぞれの深さは、約λ/4n、約λ/8n(ただしグルーブの深さは場合により、λ/6n程度の場合もあるし、λ/12n程度の場合もある)(λ:光ディスクの再生波長、n:光ディスクの屈折率)であることが望ましいとされる。
約λ/4nの深さでピットが形成されている場合、光ディスク信号再生時のレーザー光の反射光強度変化は最大となり、信号を最も効率よく再生することが可能となる。また約λ/8nの深さでグルーブが形成されている場合、同様に光ディスク信号再生時のトラッキングのためのプッシュプルTE信号が最大となり、安定したトラッキングが可能となる。
このように異なる深さ/高さの凹凸を有した光ディスク原盤を実現するため、従来では以下のような提案がなされている。
一般的な方法の一つに、信号を露光する際の光強度を変化させることにより深さの異なる2種類の信号ピットを得る方法がある。つまり、浅い信号ピットを露光する場合は強度の弱い光を、深い信号ピットを露光する場合には強度の強い光を照射し現像することにより、深さの異なる2種類の信号ピットを形成する。
この他、2種類のフォトレジストを用い、露光する方法も提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。この方法では、まず基板上に1種目のフォトレジストを塗布し、その後、1種目のフォトレジスト上に中間層を形成する。次に、2種目のフォトレジストを形成するという方法である。中間層は、酸化膜や1種目のフォトレジストの表面をベークしたもの等がある。1種目と2種目のフォトレジストの間に中間層という界面を設けることで境界面を明瞭にすることが可能となる。
特開昭54−136303号公報 特開平6−150397号公報 特開2003−6945号公報 特開平10−97738号公報 特開2003−315988号公報
しかしながら、照射する光の強度を調整し、フォトレジストを途中まで現像することによって取り除く方法(図2(a))では、光の強度ばらつきや現像温度ばらつき、現像時間ばらつきによって凹凸パターンの深さ、幅が意図せず変化してしまい、安定して複数の深さ/高さを有する凹凸パターンを形成することができない。
また基板上に有機フォトレジストを複数層重ね露光する作製方法(図2(b))では、複数のフォトレジストが塗布時に溶け合うことにより明瞭な境界面を形成することが困難であり、結果としてノイズの増大を招いていた。仮に境界面を明瞭に複数のフォトレジスト層を形成することができたとしても、露光はフォトンモードによる記録であるため、フォトレジストへ光が照射されるとき、意図しないフォトレジスト層も僅かに感光してしまう。つまり、複数層のフォトレジスト層のうち1層のみのフォトレジスト層を選択的に露光することは非常に困難であった。僅かでも意図しないフォトレジスト層を露光してしまうと、結果としてフォトレジスト層間の境界面にがたつきが発生し、ノイズを増大させる原因となっていた。
また複数のフォトレジスト層の間に中間層(界面層)を設ける方法(図2(c))では、中間層を形成するという追加の余分な工程が必要になるため、製造工程が複雑になり、そのため歩留まりを低下させてしまう可能性があった。
また、基板に吸収端の異なる2種類のフォトレジストを重ねて塗布し、波長の異なる2種類のレーザー光を照射することにより達成する方法では、露光するために波長の異なる2つのレーザー光源を用意する必要がある。レーザー光源は非常に高価なものであり、また使用するレンズ、ミラー等も全て2波長対応にする必要があるため、露光装置が複雑になり、コストが非常に高くなってしまう。
本発明は上記課題を鑑みて検討されたものであり、昇温で状態変化する無機レジスト材料を用いこれを解決する。無機レジストは、昇温で閾値の温度を超えると、相変化等の状態変化した部分と状態変化していない部分とで、現像時における現像液溶解度、もしくはドライエッチング時におけるエッチングレートが変化し、凹凸パターンを形成するレジストである。無機レジストは従来の有機レジスト(ノボラック系フォトレジスト、化学増幅型フォトレジスト等)と比較し、大きく2つの利点が挙げられる。1点目は、光ディスク原盤製造時におけるレーザー光集光・露光時に、ヒートモード記録のレジストであるため、従来のフォトンモード記録の有機レジストでは不可能であった集光スポットサイズ以下の微細露光が可能となる点である。また2点目として、無機レジストが低分子量であるために、露光部と未露光部の境界線が明瞭となり、現像後の凹凸パターンのエッジがたつきが低減されることである。これらの利点から、近年、無機レジスト材料を用いた光ディスク原盤製造技術が実用化され始めた(例えば、特許文献4、特許文献5)。
請求項1記載の発明による原盤製造方法では、基板上にそれぞれ異なる温度で状態変化する第1無機レジストと第2無機レジストを順次成膜する成膜工程と、成膜後の基板を露光し、第1無機レジストまたは第2無機レジストのどちらか一方のみを状態変化させる第1露光工程と、第1無機レジストと第2無機レジストの両方を状態変化させる第2露光工程と、露光された基板を現像し複数の深さ/高さの凹凸を形成する現像工程を少なくとも有する原盤製造方法により、上記課題を解決する。
また、請求項2記載の発明による原盤製造方法によれば、第1無機レジストと第2無機レジストは両方ともポジ型であってもよく、両方ともネガ型であってもよい。両方ともポジ型の場合、異なる深さの凹パターン形成が可能となり、両方ともネガ型の場合、異なる高さの凸パターン形成が可能となる。
また、請求項3記載の発明による原盤製造方法によれば、第1無機レジストと第2無機レジストはどちらか一方がポジ型で、もう一方がネガ型であってもよい。その場合、凹部と凸部を同一原盤面内に形成することが可能となる。
また、請求項4記載の発明による原盤製造方法では、無機レジスト材料はスパッタ法、もしくは蒸着法、CVD法で成膜する。これらの方法で成膜することによって、基板へ成膜された第1無機レジストと第2無機レジストの境界面を明確にすることが可能となり、低ノイズの原盤が作製可能となる。
また、請求項5記載の発明による原盤製造方法では、第2露光工程では第1露光工程よりも光強度の強い露光パワーで露光する。第1露光工程と第2露光工程において異なるパワーで露光することによって無機レジスト昇温時の到達温度を変えることができ、状態変化を引き起こすか起こさないかを容易に決定することができる。
また、請求項6記載の発明による原盤製造方法では、複数の深さ/高さの凹凸パターンは少なくとも2種類から成り、かつ光ディスクの再生波長をλ、屈折率をnとすると、1種類は深さ/高さをd1とするとλ/16n<d1<λ/8nの溝を主として成り、もう1種類は深さ/高さをd2とするとλ/8n<d2<λ/2nのピットを主として成る。このような深さ/高さでピットと溝を形成することで、再生専用領域と録再可能領域が同一面内に混在した光ディスク、すなわちハイブリッドディスクを作製可能となる。
また、請求項7記載の発明による原盤製造方法では、無機レジスト材料は特に酸化物を主としてなり、かつ第1無機レジストと第2無機レジストは酸素含有量が異なる。
また、請求項8記載の発明による原盤製造方法では、第1無機レジストと第2無機レジストの酸素含有量は成膜工程での雰囲気中酸素ガス濃度によって調整する。成膜時に第1無機レジストと第2無機レジストの酸素含有量を変化させることで、ほぼ同一の無機レジスト材料を使用することが可能となる。
また、請求項9記載の発明による原盤製造方法では、基板にガラス、シリコン、プラスチック、Niのいずれかを使用する。これらは高い面精度での加工が可能であるため、高精度でガタツキの少ない凹凸パターンが形成可能となる。
また、請求項10記載の発明による原盤製造方法では、基板上に無機レジストを成膜する前に、基板よりも低い熱伝導率を有する記録補助層を基板上に形成する。こうすることにより、無機レジストを昇温し易くし、低露光パワーでの無機レジストの露光を可能とする。
また、請求項11記載の発明による原盤製造方法では、記録補助層に絶縁体または有機材料を用いる。
また、請求項12記載の発明による原盤製造方法では、現像工程はアルカリ水溶液で行う。
以上のように本発明の光ディスク原盤の製造方法によれば、中間層という工程追加が必要な層を用いず、容易な作製工程でもって、同一面内で複数の深さ/高さの凹凸パターンを有する光ディスク原盤を安定かつ高歩留まりに製造することが可能となる。また得られた原盤はガタツキが非常に少ないため、低ノイズの信号特性を実現する。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の適用の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載が無い限り、これらの態様に限られるものではない。
(実施の形態1)
本発明における光ディスクの原盤製造方法の一実施の形態について、図1を用いて説明する。
図1は本発明における複数の深さ/高さの凹凸パターン形成の手順を示す光ディスク原盤の断面図である。
まず、基板(1)上に第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)を順次スパッタ法により、成膜、形成する(成膜工程)。基板(1)は高精度な面精度を確保しやすいガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、Ni基板が好ましい。また成膜はスパッタ法以外に、蒸着法、CVD法が容易に無機レジスト(2)を成膜する方法として好ましい。これら方法で成膜した場合、第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の境界面が明瞭になり、光ディスク原盤から作製される光ディスクの信号品質が良好となるためである。
ここで、成膜工程前に基板(1)よりも低熱伝導率の材料を露光補助層として形成してもよい(図示せず)。低熱伝導率の材料とは例えば、アモルファスシリコン、二酸化ケイ素、窒化シリコン、硫化亜鉛等の絶縁体や、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂等の有機材料があげられる。基板(1)上に低熱伝導率の露光補助層を形成することにより、第1露光工程、第2露光工程における露光パワーが少なくて済む。ただし、本発明は、第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の間、もしくは第2無機レジスト(2b)上に露光補助層以外の補助層があっても適用可能である。ただしこの場合、補助層除去という追加工程が必要になり、プロセスが複雑になるため無い方が好ましい。
無機レジスト(2)は例えばTe、Mo、Sb、W等の酸化物やGeSbTe、AgInSbTe等の相変化材料があげられる。しかし、本発明は昇温による状態変化を引き起こす無機レジストであれば、全て適用可能である。ここで無機レジストとは、無機物質を主として成り、現像やドライエッチングにより凹凸パターンを形成することの可能な物質のことである。
無機レジスト(2)に酸化物材料を用いた場合、一般的に感度(状態変化する温度)は酸素含有量に依存する。そのため、第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の酸素含有量を変えるだけで、感度を容易に変えることが可能となる。更には、例えば成膜工程をスパッタ法により行った場合、スパッタ雰囲気中の酸素ガス濃度(酸素ガス圧)を変更することにより、容易に酸素含有量を変更することができ、結果、容易に感度を変えることができる。
次に所望の信号パターンに応じ強度変調・偏向された第1露光用レーザー光(3a)を第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)が成膜された基板(1)上に対物レンズ(4)を用い集光、露光し、露光による加熱をもって基板(1)上の第1無機レジスト(2a)または第2無機レジスト(2b)のどちらか一方の無機レジストを状態変化させる(第1露光工程)。
無機レジストは温度が閾値を超えない限り状態変化しないヒートモード記録と呼ばれる記録方式を用いるレジストである。つまり、例え光が第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)に照射されたとしても、これら2つの無機レジストの閾値を変えることで、一方の無機レジストでは閾値を超える温度とし、他の無機レジストでは閾値を超えない温度とすることが可能であり、そうすることで、どちらか一方の無機レジストの状態を変化させることが可能となる。ちなみに有機のレジスト場合、光が照射された場所が状態変化するフォトンモード記録と呼ばれる記録方式を用いるレジストである。したがって、どちらか一方のみに光を照射することは困難であり、結果、意図しないレジストも状態変化を起こしてしまう。
次に、同様に所望の信号パターンに応じ強度変調・偏向された第2露光用レーザー光(3b)を第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)が成膜された基板上に対物レンズ(4)を用い集光、露光し、露光による加熱をもって第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の両方の無機レジストを状態変化させる(第2露光工程)。状態変化した第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)はそれぞれ2c、2dで示す。
ここで偏向とは、光ディスク上でウォブルパターンを得るために加えられるものであって、基板(1)の径方向へ露光用レーザー光(3a、3b)の集光位置を変位させるものである。また第1露光工程および第2露光工程時、第1露光用レーザー光(3a)、第2露光用レーザー光(3b)の基板(1)上での集光位置は基板(1)に対してスパイラル状に移動する。
なお、第1露光用レーザー光(3a)と第2露光用レーザー光(3b)は同一レーザー光源が好ましいが、異なっていてもよい。このとき、それぞれの露光用レーザー光の波長は所望の凹凸パターンの大きさに応じ、選定する必要がある。例えば、集光用の対物レンズ(4)にNA0.9のものを用いたBlu−ray Discの記録密度を目標とした場合、400nm程度の波長のレーザー光源を用いることが望ましい。
ここで、第1露光工程ではどちらか一方の無機レジストを、第2露光工程では両方の無機レジストを状態変化させるが、このときいくつかの方法を用いることが可能である。
例えば、第1露光工程での第1露光用レーザー光(3a)のパワーよりも第2露光工程における第2露光用レーザー光(3b)のパワーを強くすることで上記結果を得ることが可能である(図3)。
また、第1露光工程では第1露光用レーザー光(3a)のみを、第2露光工程では第1露光用レーザー光(3a)と第2露光用レーザー光(3b)を重畳し用いることで、上記結果を得ることが可能である(図4)。
また、第1露光工程では基板(1)を加熱せず、第2露光工程では基板(1)を加熱することで、上記結果を得ることが可能である(図5)。
また、露光用レーザー光(3a、3b)の基板(1)上での集光スポット位置の移動速度を、第2露光工程では1露光工程よりも遅くすることで、上記結果を得ることが可能である(図6)。
また、第1露光工程と第2露光工程で、露光用レーザー光(3a、3b)の強度変調を変えることによって、上記結果を得ることが可能である(図7)。
これらいくつかの方法によって、第1露光工程ではどちらか一方の無機レジストを、第2露光工程では両方の無機レジストを状態変化することが可能であるが、本発明はこれらの方法に限定せず、第1露光工程ではどちらか一方の無機レジストを、第2露光工程では両方の無機レジストを状態変化させるのであれば、本発明は適応可能である。
次に基板(1)に現像処理を行う。状態変化した無機レジストと状態変化しなかった無機レジストでは現像液に対する溶解度が変化する。このため、現像処理によって、第1無機レジスト(2a)または第2無機レジスト(2b)の厚みに関連した深さ/高さを有する凹凸パターンと第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の両方の無機レジストの厚みの合計に関連した深さ/高さを有する凹凸パターンが同一基板(1)上に形成され(現像工程)、原盤製造工程を終える。図中では第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)がともにポジ型のレジスト特性のものを示している。なお、現像工程は従来プロセスとの両立のためにアルカリ現像液が好ましい。しかし、現像液はこれに限らず、塩酸、硝酸などの酸性水溶液、中性水溶液、有機溶媒であっても本発明は適用可能である。また現像液に限らず、例えば塩化フッ素系のガスによるドライエッチングでも本発明は適用可能である。
ここで、第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)のポジ型、ネガ型といったレジスト特性について説明する。図8(a)は両方ともポジ型である場合を示す。この場合、深さの異なる凹部を形成することが可能となる。また、図8(b)は両方ともネガ型である場合を示す。この場合、高さの異なる凸部を形成することが可能となる。また、図8cは第1無機レジスト(2a)がポジ型であり、第2無機レジスト(2b)がネガ型である場合を示す。この場合、凹部と凸部が混在した光ディスク原盤が可能となる。
次に、形成された凹凸パターンの深さ/高さについて説明する。図9はピット部(9)とグルーブ部(10)が混在した、いわゆるハイブリッドディスク用の光ディスク原盤を示した断面図である。本光ディスク原盤より作製される光ディスクの再生波長を400nm、屈折率を1.5とすると、ピット部(9)の深さd1は約50nmであり、グルーブ部(10)の深さd2は約20nmである。つまり、このとき、第1無機レジスト(2a)の厚みは約30nmであり、第2無機レジスト(2b)の厚みは約20nmである。第1露光工程では第2無機レジスト(2b)のみ状態変化を引き起こし、第2露光工程では第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の状態変化を引き起こすことでこれを達成する。より一般的には光ディスクの前記光ディスクの再生波長をλ、屈折率をnとすると、ピット部(9)の深さ/高さd1をλ/8n<d1<λ/2nとし、グルーブ部(10)の深さ/高さd2をλ/16n<d2<λ/8nとすることで、ピット部(9)、グルーブ部(10)と共に最適な信号特性を得ることが可能となる。より具体的には、ピット部においては光ディスク信号再生時のレーザー光の反射光強度変化を最大とすることができ、グルーブ部においては同様に光ディスク信号再生時のトラッキングのためのプッシュプル信号を十分得られることができ、かつ低ノイズとすることが可能となる。
なお、本実施の形態においては、第1無機レジスト(2a)と第2無機レジスト(2b)の2種類の無機レジスト材料でもって説明したが、本発明は3種類以上の無機レジスト材料を用いたときも適用可能である。つまり、3種類以上の無機レジスト材料の中のどれか2種類の無機レジスト材料が、第1露光工程で状態変化する無機レジスト材料と状態変化しない無機レジスト材料であり、かつ第2露光工程でその2種類の無機レジスト材料が状態変化する場合、本発明は適用可能である。
また、本実施の形態においては、2種類の無機レジストが明確に分離されている場合を説明したが、本発明は基板の面に垂直な方向に連続的に感度が異なる無機レジストを用いるときも無数の種類の無機レジスト層で形成されていると考えることで適用可能である。無機レジスト層(2)内で基板の面に垂直な方向に連続的に感度を変化させることにより、無数の凹凸パターンの深さ/高さを実現することが可能となる。なお、この無機レジスト層(2)は、例えばスパッタを用いた成膜工程において酸素量を少しずつ増加もしくは減少させることで実現可能である。
本発明は、光ディスク用スタンパのマスタリング技術、殊に、ハイブリッド光ディスク、多値記録光ディスク用のガラス原盤製造方法に関するものであり、容易な作製工程でもって、同一面内で複数の深さ/高さの凹凸パターンを有する高精度な光ディスク原盤を製造することが可能となるものである。
本発明における凹凸パターン形成の手順を示す光ディスク原盤の断面図 従来の凹凸パターン形成法を示す光ディスク原盤の断面図 露光工程(方法1)を示す図 露光工程(方法2)を示す図 露光工程(方法3)を示す図 露光工程(方法4)を示す図 露光工程(方法5)を示す図 レジスト特性と凹凸パターンを示す図 ハイブリッドディスク用原盤を示す図
符号の説明
1 基板
2 無機レジスト
2a 第1無機レジスト
2b 第2無機レジスト
2c 状態変化した第1無機レジスト
2d 状態変化した第2無機レジスト
3a 第1露光用レーザー光
3b 第2露光用レーザー光
4 対物レンズ
5,5a,5b フォトレジスト
6 中間層
7 熱源
8 変調信号
9 ピット部
10 グルーブ部

Claims (13)

  1. 昇温で状態変化する無機レジスト材料を用いた光ディスク用の原盤製造方法であって、
    基板上にそれぞれ異なる温度で状態変化する第1無機レジストと第2無機レジストを順次成膜する成膜工程と、
    成膜後の前記基板を露光し、前記第1無機レジストまたは前記第2無機レジストのどちらか一方のみを状態変化させる第1露光工程と、
    前記第1無機レジストと前記第2無機レジストの両方を状態変化させる第2露光工程と、
    露光された前記基板を現像し複数の深さ/高さの凹凸パターンを形成する現像工程を少なくとも有すること、
    を特徴とする原盤製造方法。
  2. 前記第1無機レジストと前記第2無機レジストは両方ともポジ型または両方ともネガ型であること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  3. 前記第1無機レジストと前記第2無機レジストは一方がポジ型であり、他方がネガ型であること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  4. 前記第1無機レジストと前記第2無機レジストはスパッタ法または蒸着法またはCVD法によって成膜すること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  5. 前記第2露光工程では前記第1露光工程よりも光強度の強い露光パワーで露光すること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  6. 前記複数の深さ/高さの凹凸パターンは少なくとも2種類から成り、
    かつ前記光ディスクの再生波長をλ、屈折率をnとすると、
    1種類は深さ/高さをd1とするとλ/8n<d1<λ/2nのピットを主として成り、
    もう1種類は深さ/高さをd2とするとλ/16n<d2<λ/8nの溝を主として成ること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  7. 前記無機レジスト材料は、特に酸化物を主としてなり、
    かつ前記第1無機レジストと前記第2無機レジストは酸素含有量が異なること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  8. 前記第1無機レジストと前記第2無機レジストの酸素含有量は前記成膜工程での雰囲気中酸素ガス濃度によって調整すること、
    を特徴とする請求項7記載の原盤製造方法。
  9. 前記基板はガラス、シリコン、プラスチック、Niのいずれかの材料からなること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  10. 前記成膜工程前に、
    前記基板よりも低い熱伝導率を有する露光補助層を基板上に形成する工程を有すること、
    を特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  11. 前記露光補助層は絶縁体または有機材料であること、
    を特徴とする請求項10記載の原盤製造方法。
  12. 前記現像工程はアルカリ水溶液で行うことを特徴とする請求項1記載の原盤製造方法。
  13. 請求項1から12記載の原盤製造方法で作製した光ディスク原盤。
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