JP2008095983A - ファンフィルターユニット - Google Patents

Abstract

【課題】フィルター通過後の風速分布の均一化をすることを目的とする。
【解決手段】箱型状のチャンバー５上部に吸込部１を有し、ターボファン２とモーター３からなるファンユニット４を前記チャンバー５内部に有し、このファンユニット４の吹出側にフィルター６が取り付けされていて、前記フィルター６の吹き出し側にベース８とパンチングメタル９からなる整流ボックス１０を有し、前記整流ボックス１０の吹き出し側開口面にパンチングメタル９を有することにより、吹き出し風速分布の均一性を高めることができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、半導体や液晶、およびプラズマディスプレイ製造工程において、清浄空間を必要とするクリーンルームで使用されるファンフィルターユニットに関する。

従来、この種のファンフィルターユニットは、フィルターに送風するチャンバーを取り付けてそのチャンバーにファンとモーターを内蔵したものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

以下、そのファンフィルターユニットについて図７を参照しながら説明する。

従来のファンフィルターユニットは、チャンバー１０１に空気を送り込むためのファン１０２とモーター１０３、ファン１０２とモーター１０３を覆うケーシング１０４が配置されており、空気を清浄化するフィルター１０５で構成されている。ファン１０２には、ターボファンを用いることが多い。

そして、ファン１０２とモーター１０３より送り込まれた空気が、フィルター１０５を通過して清浄空気となって吹き出されていた。
特開平９−３１０８９６号公報

このような従来のファンフィルターユニットでは、ターボファンを用いているため、ファンの回転軸と直交方向に空気が吹き出す。そのため、チャンバーの周辺部の圧力が高く、中心部では圧力が低くなる。すなわち、ファンから吹き出した空気がフィルターに対して不均一に拡散し、フィルターから吹き出す空気の風速が速い部分と遅い部分の差が大きくなり、風速分布が均一にならないという課題があった。

本発明は、このような課題を解決するもので、フィルター通過後の風速分布の均一性を向上させることを目的とする。

本発明のファンフィルターユニットは上記の目的を達成するために、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットをチャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターを設けたファンフィルターユニットにおいて、フィルターの吹出側にベースとパンチングメタルからなる整流ボックスを有し、整流ボックスの吹き出し面側開口面にパンチングメタルを有する構造のものである。

また本発明のファンフィルターユニットは上記の目的を達成するために、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットをチャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターを設けたファンフィルターユニットにおいて、フィルターの吹出側にベースと開口穴付き鋼板からなる整流ボックスを有し、整流ボックスの吹き出し面側開口面に開口穴付き鋼板を有する構造のものである。

また他の手段は、開口穴付き鋼板の開口部が、大きさまたは数量を部分的に変化させた状態であけられたものである。

また他の手段は、整流ボックスの吹き出し側開口面とフィルター吹出し面との距離が任意で可変できるようにパンチングメタル及び開口穴付き鋼板の側面部に固定用の複数の長穴を設けた構造としたものである。

これらの手段により、フィルターから吹き出す空気の風速分布の均一性を高めたファンフィルターユニットが得られる。

また他の手段は、整流ボックスを構成するベースが、フィルターから任意に着脱が可能な構造としたものである。

また他の手段は、整流ボックスを構成するベースがフィルターフレームと一体構造となっているものである。

これらの手段により、ファンフィルターユニットの施工性向上が見込まれる。

本発明によれば、均一な風速の空気を送風できる効果のあるファンフィルターユニットを提供できる。

また、本発明によれば、整流ボックスとフィルター吹出し面との距離が任意に可変できることにより、風速分布が均一となる最も効果的な位置で取り付けることができ、現場での設置状況に応じて、吹き出し面の距離を自由に変更が可能な効果が得られる。

また、本発明によれば、メンテナンス性向上の効果が得られる。

また、本発明によれば、整流ボックスとフィルターフレームがひとつの構造体であることによる取り付け工数削減の効果が得られる。

本発明の請求項１記載の発明は、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターが取り付けられ、前記フィルターの吹出側に整流ボックスを有し、前記整流ボックスの吹き出し側開口部にパンチングメタルを備えたものであり、吸込まれた空気が整流ボックスに吹き出され、その後パンチングメタルを通過することで、吹出風速分布の均一化が図れるという作用を有する。

本発明の請求項２記載の発明は、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターが取り付けられ、前記フィルターの吹出側に整流ボックスを有し、前記整流ボックスの吹き出し側開口部における開口の大きさまたは数量を部分的に変化させた状態であけられた形状の鋼板を有するものであり、吹き出し開口部において、開口を疎密な状態で割付けることで、吸込まれた空気の風速分布を意図的に変化させた状態で吹き出すことができるという作用を有する。

本発明の請求項３記載の発明は、整流ボックスの吹き出し側開口面と、フィルター吹出し面との距離が任意に可変できる構造として、パンチングメタル及び開口穴付き鋼板の側面部に複数の長穴を設けた構造をもつものであり、ファンフィルターユニットを設置した後でも、適当な距離に調節することで、最も整流効果のある位置にて使用することが可能であるという作用を有する。

本発明の請求項４記載の発明は、整流ボックスを構成するベースが、フィルターから任意で着脱可能な構造をもつものであり、ファンフィルターユニットのメンテナンス時には、整流ボックスも容易に着脱できるという作用を有する。

本発明の請求項５記載の発明は、整流ボックスを構成するベースが、フィルターフレームと一体構造となっているものであり、部品点数が減少することによる工数削減の効果を有する。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１に示すように、第１の実施の形態のファンフィルターユニットは、ターボファン２とモーター３からなるファンユニット４をモーターサポート２１によって箱状のチャンバー５の内部に固定して構成されている。吹出側となるチャンバー５の下方にはフィルター６を設ける。フィルターフレーム７の吹き出し側には、整流ボックス１０を取り付ける。整流ボックス１０は、筒状のベース８とパンチングメタル９にて構成される。パンチングメタル９は、板状のパンチングメタルを折り曲げて箱形状に加工したものである。また、フィルターフレーム７にベース８を固定し、ベース８とパンチングメタル９については、周囲を固定ボルト・ナット・ワッシャー１１にて固定する。

上記の構成において、ファンユニット４を運転させることによって、吸込口１より空気が吸込まれる。そのファンユニット４から吹き出された空気はチャンバー５に吹き込み、フィルター６を通過後、整流ボックス１０を構成するパンチングメタル９によって整流されて、清浄空気の吹出風速分布の均一化を図ることができる。

（実施の形態２）
また、図２に示すように第２の実施の形態のファンフィルターユニットは、ターボファン２とモーター３からなるファンユニット４をモーターサポート２１によって箱状のチャンバー５の内部に固定して構成されている。吹出側となるチャンバー５の下方にはフィルター６を設ける。フィルターフレーム７の吹き出し側には、整流ボックス１０を取り付ける。整流ボックス１０は、筒状のベース８と開口穴付き鋼板１２で構成される。開口穴付き鋼板１２は、鋼板を筒状に加工し、開放している筒状の一面に穴のあいた鋼板を取り付けたものである。また、フィルターフレーム７にベース８を固定し、ベース８と開口穴付き鋼板１２については、周囲を固定ボルト・ナット・ワッシャー１１にて固定する。

上記の構成において、ファンユニット４を運転させることによって、吸込口１より空気が吸込まれる。そのファンユニット４から吹き出された空気はチャンバー５に吹き込み、フィルター６を通過して、整流ボックス１０を構成する開口穴付き鋼板１２によって整流されて、清浄空気の吹出風速の整流化を図ることができる。

また、図３に示すのは、開口穴付き鋼板１２の吹き出し面部分の外観図の一例である。風量が必要な箇所の開口面積を大きくするなど、開口穴を疎密な状態で割付けることによって風速分布を意図的に変化させることができる。例えば、吹出し面の片側半分の面からのみ清浄空気が必要な場合であったり、吹出し面の周囲部からと中心部からの風量を変化させたい時などに効果が得られる。

なお、開口穴を同径、同ピッチにてあけることで、実施の形態１と同様の作用を得ることができる。

なお、開口穴形状は丸としたが、三角形以上の多角形でも、その効果に差異はない。

（実施の形態３）
また、図４に示すように第３の実施の形態のファンフィルターユニットは、整流ボックス１０において、筒状のベース８に固定ボルト取付用の丸穴と、パンチングメタル９もしくは開口穴付き鋼板１２の側面部に複数の長穴を設けて、それぞれの丸穴と長穴とを固定ボルト、ナット、ワッシャー１１で固定する構造としたものである。この構造にすることで、可動範囲１４のように整流ボックス１０の吹出し面位置が任意で変更可能となる。それにより、例えばファンフィルターユニットを半導体製造装置へ組み込んだ後でも、吹出し面と装置内ワークポイントまでの距離の調整や装置内の様々な状況により装置内にて最も整流効果が有効な高さにあわせこむ事が容易にできる。

（実施の形態４）
また、図５に示すように第４の実施の形態のファンフィルターユニットは、整流ボックス１０を整流ボックス固定ネジ１５でフィルターフレーム７へ取り付ける構造としたものである。この構造とすることで、ファンフィルターユニットから整流ボックス１０を容易に着脱すること可能となり、ファンフィルターユニット設置後のメンテナンス作業なども容易に行なうことができる。

（実施の形態５）
また、図６に示すように第５の実施の形態のファンフィルターユニットは、整流板一体型フィルターフレーム１６を有した構造のものである。この構造は、整流ボックス１０とフィルターフレーム７が一体となっている。また、吹出し面はパンチングメタル９もしくは開口穴付き鋼板１２で構成されることで、それぞれの効果を得ることができる。また、一体構造であることから部品点数が減少し、組み立て作業の短縮化を図ることができる。

ファンフィルターユニットから吹き出される風速分布を均一化することができ、少しの風速変化に対して影響を受けやすい超精密部品の製造や、微妙な風味が問題となる食品工場などの用途に適用できる。

本発明の実施の形態１のファンフィルターユニットの断面図 本発明の実施の形態２のファンフィルターユニットの断面図 本発明の実施の形態２のファンフィルターユニットの吹出し面外観図 本発明の実施の形態３のファンフィルターユニットの断面図 本発明の実施の形態４のファンフィルターユニットの断面図 本発明の実施の形態５のファンフィルターユニットの断面図 従来のファンフィルターユニットの側面外観図

符号の説明

１ 吸込口
２ ターボファン
３ モーター
４ ファンユニット
５ チャンバー
６ フィルター
７ フィルターフレーム
８ ベース
９ パンチングメタル
１０ 整流ボックス
１１ 固定ボルト、ナット、ワッシャー
１２ 開口穴付き鋼板
１３ 開口穴
１４ 可動範囲
１５ 整流ボックス固定ネジ
１６ 整流板一体型フィルターフレーム
２１ モーターサポート

Claims (5)

1. 箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターが取り付けられていて、前記フィルターの吹出側にベースとパンチングメタルからなる整流ボックスを有し、前記整流ボックスの吹き出し側開口面に前記パンチングメタルを有するファンフィルターユニット。
2. 箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルターが取り付けられていて、前記フィルターの吹出側にベースと開口穴付き鋼板からなる整流ボックスを有し、前記整流ボックスの吹き出し側開口面に開口の大きさまたは数量を部分的に変化させた状態の開口穴付き鋼板を有するファンフィルターユニット。
3. 整流ボックスの吹き出し側開口面と、フィルター吹出し面との距離が任意に可変できるような機構として、パンチングメタル及び開口穴付き鋼板の側面部に固定用の複数の長穴を設けた構造をもつ請求項１または２記載のファンフィルターユニット。
4. 整流ボックスを構成するベースが、フィルターから任意で着脱が可能な構造をもつ請求項１または２記載のファンフィルターユニット。
5. 整流ボックスを構成するベースが、フィルターフレームと一体構造となっている請求項１または２記載のファンフィルターユニット。

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