JP2008094999A - 防護性シールテープ - Google Patents

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Abstract

【課題】有害化学物質の取り扱い作業者を保護する防護材料及び防護衣服の縫い目に使用するシールテープに関するもので、更に詳しくは、有機リン系化合物等の如く皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼすガス状又は液状有機化学物質及び微粉塵、細菌、ウィルスなどのエアロゾルに対しての防護衣服等の縫い目からの侵入を抑制し、作業者を有効に防護し得るシールテープを提供することにある。
【解決手段】ガス状及び液状の有機化学物質及び有害な粉塵、エアロゾルに対して防護性を有するバリア層を具備することを特徴とするシールテープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化学物質の取り扱い作業者を保護する防護材料及び防護衣服の縫い目に使用するシールテープに関する。更に詳しくは、有機リン系化合物等の如く皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼすガス状又は液状有機化学物質及び微粉塵、細菌、ウィルスなどのエアロゾルの防護衣等の縫い目部からの侵入を抑制し、作業者を有効に防護し得るシールテープに関するものである。
繊維状布帛にポリウレタン等の皮膜をコーティングもしくはラミネートした防水性の布帛は、スキーウエアー、アウトドアースポーツ用のウエアーなどの幅広い用途に使用されている。これらの防水衣料の縫合部分には目止めの為の、シールテープが使用されている。シールテープの構成としては耐熱ウレタン膜の上にホットメルトウレタン樹脂をコーティングもしくはラミネートした2層構造、もしくはトリコットを基布としている3層構造のものがほとんどで有り、有害なガス状又は液状有機化学物質、もしくは微粉塵、細菌、ウィルスなどのエアロゾルに対して完全な防護性を得ることができない(特許文献1参照)。
また、目止めテープとして生地と優れた接着性及び洗濯耐久性を有する目止めテープが開示されている。この目止めテープは、布帛に耐熱層部とホットメルト層部からなるポリウレタンを主体とする目止めテープであり、ガス状又は液状の有機化学物質もしくは有害な微粉塵等に対する透過抑制能を有していない。防護衣の作製では、縫製を行った後、目止め加工を施す為、この目止めテープでは、縫製部の縫い目からガス状及び液状の有害化学物質及び有害な微粉塵の侵入を招き、着用者を保護できなくなる(特許文献2参照)。
また、外壁材用にシールテープを用いた防水方法についても開示されている。かかるシールテープは外壁材の切断面に貼付することにより、迅速且つ容易に防水処理を施すことが出来るが、衣服用途ではないうえ、ガス又は液状有機化学物質及び有害な微粉塵に対する透過抑制能については明記されていない(特許文献3参照)。
特開2003-176463号公報 特開2002−249730号公報 特開2001−115113号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、防護衣の縫い目部についても、ガス状又は液状の有機化学物質や有害な微粉塵、細菌、ウィルスなどのエアロゾルに対して、高い防護性を有するシールテープを提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.ガス状及び液状の有機化学物質及び人体に有害な微粉塵、エアロゾル等に対して防護性を有するバリア層を具備することを特徴とするシールテープ。
2.シールテープの厚みが50μm以上300μm以下であることを特徴とする上記1に記載のシールテープ。
3.シールテープの質量が20g/m2以上250g/m2以下であることを特徴とする上記1または2に記載のシールテープ。
4.ホットメルト層の厚みが10μm以上200μm以下であることを特徴とする上記1乃至3のいずれかに記載のシールテープ。
5.ホットメルト層がエステル系のポリウレタンからなることを特徴とする上記1乃至4のいずれかに記載のシールテープ。
6.バリア層の厚みが5μm以上100μm以下であることを特徴とする上記1乃至5のいずれかに記載のシールテープ。
7.バリア層がエチレン-ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする上記1乃至6のいずれかに記載のシールテープ。
8.シールテープの保護層として、バリア層に織物、編物または不織布を付与したことを特徴とする上記1乃至7のいずれかに記載のシールテープ。
9.上記1乃至8のいずれかに記載のシールテープを用いることを特徴とする防護材料及び防護衣服。
本発明のシールテープは、ガス状及び液状の有機化学物質、有害な微粉塵、エアロゾル等に対して防護性を有するバリア層を有するシールテープであり、防護衣等の縫い目部からのガス状、液状の有機化学物質及び有害な微粉塵、エアロゾル等の侵入に対して高い防護性を得ることができる利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうガス状及び液状の有機化学物質とは炭素元素を1つ以上持つ有機化合物のことである。50以上の比較的大きな分子量をもち、活性炭等のガス吸着性物質が吸着可能なガス状化学物質である。一例を挙げると、農薬、殺虫剤、除草剤に使用される有機リン系化合物や塗装作業などに使用されるトルエン、塩化メチレン、クロロホルムなどの一般的な有機溶剤が挙げられる。有害な微粉塵については、放射性浮遊塵等が挙げられる。
本発明に係るシールテープのバリア層を形成する樹脂は、皮膜形成後に有機化学物質に対して透過抑制能を有する樹脂が限定無く使用可能であり、具体的には、セルロース、セルロース誘導体、再生セルロース、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ゴム等の皮膜形成性能を有する樹脂が例示される。これらの樹脂は単独で使用しても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。又、2種類以上の皮膜を積層して形成したバリア層でも構わない。
上記のバリア層を形成する樹脂はキャスト法、押出法、射出成型法等により単独のフィルムとして製膜する方法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピン法等による微細繊維不織布を膜とする方法、該ポリマーの溶液あるいは低重合物を基材にコーティング、ディッピング等により塗工後に乾燥あるいは重合固化する方法などが挙げられる。
これらのバリア層を単独、混合、あるいは2種類以上の樹脂層を順次コーティング及び積層して皮膜を形成しても構わない。また、本樹脂層中には、他の添加剤、例えば酸化チタン、シリカもしくは活性炭やゼオライトのような公知の吸着性物質が付与されていてもよい。又、吸着性物質がバリア層の片面もしくは両面にコーティング及び積層されていても構わない。
本発明で使用するバリア層の厚さとしては、厚みが5μm以上100μm以下であることが好ましい。シールテープの厚みが5μm以下では使用耐久性が劣り、摩耗等により性能が維持できなくなる。100μmを超えるとごわごわ感が増し、シール部が堅くなり衣服としての着心地が損なわれる。更に好ましくは10μm以上80μm以下である。
バリア層の質量としては、200g/m2以下であることが好ましい。当該範囲であれば、シール部が堅くなることなく、ごわごわ感の無いシールテープを得ることが可能で、着心地を損ねることがないからである。更に好ましくは150g/m2以下である。質量の下限は特に定めないが、通常5g/m2以上である。
本発明のバリア層は単独で用いても構わないが、バリア層の補強或いは保護の為にバリア層に基材として織物、編物、不織布等が接着されていても構わない。強度を維持しながら軽量で柔軟なシールテープとするには、基材の厚さは0.05mm以上0.50mm以下が好ましい。
バリア層の補強用基材としては綿、麻、毛、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ナイロン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、アクリル系、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリクラール、ポリアリレート、ポリビニルアルコール、ポリベンザゾール、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド等の合成繊維からなる織物、編物、不織布等が挙げられる。これら繊維は単独あるいは混紡、交織、交編等により組み合わせてシート状繊維集合体としても良い。また、微多孔あるいは無孔質のフィルム又は膜でも構わない。素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、共重合ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、アクリレート等が挙げられる。
バリア層の保護層として基材を付与する場合、材料の柔軟性を維持したうえでラミネート法及びコーティング法により積層できる。ラミネート法ではシールテープと基材の間をポリウレタン系、アクリル酸エステル系エマルジョンあるいはポリアミド系の接着剤等で接着することが好ましい。又、バリア層を溶着あるいは融着してもよい。他の接着としては、低融点の共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンから成る低質量の不織布、網状体あるいは粉体を介して熱接着することも可能である。
本発明では、上記の基材に後加工、例えば撥水撥油加工、難燃加工等を施しておいても良い。撥水剤はフッ素系、ポリシロキサン系、パラフィン系等があげられるが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明で言うガス状及び液状の有機化学物質及び人体に有害な微粉塵、エアロゾル等に対して防護性を有するバリア層とは下記実施例に示すガス透過性試験によるガス透過濃度が50ppm以下、好ましくは25ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以下(ND)のバリア層を言う。
本発明のホットメルト層は、ポリイソシアネートとポリオールの反応をせしめて得られる熱可塑性のポリウレタン樹脂を主体とするホットメルト型の接着剤からなるものが好ましい。熱可塑性のポリウレタンをホットメルト接着剤として使用するために接着性の点からもエステル系のポリウレタンが好ましい。当該ホットメルト層は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂の他に耐熱剤、紫外線吸収剤、顔料等を併用しても良い。当該ホットメルト層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。ホットメルト層の厚みが10μm以下ではシール加工時の接着強力が不足し、200μm以上では接着後堅くなりごわごわして所望しているものではない。更に好ましくは20μm以上150μm以下である。
ホットメルト層の軟化温度は、50℃〜150℃程度であるとホットメルト層の樹脂の流動性が高くなり、積層布帛との接着強力が向上し、使用耐久性のみでなく洗濯耐久性についても向上する為に好ましい。より好ましくは、ホットメルト層の軟化温度が70℃以上100℃以下である。
本発明のシールテープは上記バリア層とホットメルト層以外に接着剤層と耐熱層を有していても良い。
本発明の耐熱層はポリウレタンを主体とする樹脂層であることが好ましく、ポリエステル系、ポリアミド系等特に限定されるものではない。また、添加剤として、耐熱剤、紫外線吸収剤、顔料、酸化チタン、セルロース誘導体等を併用してもよい。耐熱層の融点は150℃以上であることが好ましい。150℃未満では縫合部を接着する際の温度でテープが軟化し、接着時の圧力により樹脂層が破壊されることがある。又、耐熱層は、接着剤とホットメルト層の反応を抑制する効果も兼ねる。当該耐熱層の厚みは、10μm以上60μm以下であることが好ましい。耐熱層の厚みが10μm以下では強度不足で破損しやすく、60μm以上では縫合部が盛り上がり硬くなり好ましくない。更に好ましくは20μm以上50μm以下である。
耐熱層とバリア層の接着は、材料の柔軟性を維持したうえでラミネート法及びコーティング法により積層できる。ラミネート法ではポリウレタン系、アクリル酸エステル系エマルジョンあるいはポリアミド系の接着剤等で接着することが好ましい。接着方法としては、全面接着、点接着等特に限定されるものではない。又、低融点の共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンから成る低目付の不織布、網状体あるいは粉体を介して熱接着することも可能である。又、バリア層の一部を溶着する方法でも良い。
本発明のシールテープの製造方法は特に限定されるものではないが、ナイフオーバーロールコーターを用いて樹脂溶液を塗布し、その後50℃〜110℃と昇温させながら乾燥することによりフィルムを作製する公知の方法で行えば良い。具体的には、離型紙上にホットメルト型ポリウレタン及びポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂を有機溶剤で希釈した樹脂溶液を塗布、乾燥することによりホットメルト型フィルムを作製し、その上に耐熱層用のポリウレタン樹脂溶液を塗布し、さらにその上に接着剤を塗布し、バリア層を接着させた積層品を得る。その後、接着剤の架橋を促進させ、バリア層と接着剤との接着強力を向上させる為、室温にて2〜3日間エージングさせた後、離型紙から積層品を分離し、これをカッターにより所望の幅にカットする方法を用いれば良い。図1に本発明のシールテープを示す斜視図を示す。
本発明のシールテープの幅は5mm以上50mm以下であることが好ましい。シールテープの幅が5mm以下では縫合部を完全にシールすることが出来なく、使用耐久性も低くなる。50mmを超えるとごわごわ感が増し、着心地が損なわれる。更に好ましくは10mm以上30mm以下である。
本発明のシールテープ全体の厚みは、50μm以上300μm以下であることが好ましい。シールテープの厚みが50μm以下では使用耐久性及び洗濯耐久性が落ちることになる。300μmを超えると縫い目部がごわごわする為、着心地が劣る結果となる。更に好ましくは、60μm以上250μm以下である。
本発明のシールテープの質量は、20g/m2以上250g/m2以下であることが好ましい。シールテープの質量が20g/m2以下では使用耐久性が低く、250g/m2以上では防護衣等の質量増加につながり好ましくない。更に好ましくは50g/m2以上200g/m2以下である。
本発明のシールテープの引張強さが長さ方向で30N/3cm以上、幅方向で20N/3cm以上であることが好ましい。シールテープの引張強度が長さ方向で30N/3cm以下、幅方向で20N/3cm以下では縫製後のシール加工での加工性が著しく低下する結果である。
本発明のシールテープの引裂強さが長さ方向、幅方向のいずれも0.5N以上であることが好ましい。シールテープの引裂強度が長さ方向、幅方向いずれも0.5N以下では縫製後のシール加工での加工性が著しく低下する結果である。
本発明のシールテープの破断時の伸び率が長さ、幅方向ともに30%以上であることが好ましい。シールテープの破断時の伸び率が30%以下では縫製後のシール加工での加工性が著しく低下する結果である。更に好ましくは50%以上である。
次に実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例に記載の評価は以下に記す方法による。
ガス透過性試験:
試験に用いる容器図を図2に示す。内容積350ccの2つのガラスセルで試験品を挟み込み、周囲をパラフィンにより密閉する。この試験容器の上方セルから酢酸3メトキシブチルを20μL、試験品の上に滴下する。これを25±2℃に設定した恒温ボックスに入れ、下方セル側のガス濃度を一定時間ごとにサンプリングし、ガスクロマトグラフィにより試験品を透過したガス濃度を測定する。
耐液浸透性試験:
試験の概略図を3に示す。ガラスプレート上に濾紙を置き、更にその上へ、本発明の試験品を置き、その上に液状化学物質(赤色染料を溶解したサリチル酸メチル)を20μL滴下した。そしてその上に底面積1cm2の錘を所定荷重(9.8N/cm2)置き、一定時間毎の濾紙の着色により液の浸透を判定した。
粒子捕集効率測定:
試験の概略図を図4に示す。粒子負荷量が20mg/m3となるようにあらかじめ調整した粒子発生装置を使用し、試験品を5φの大きさのダクトに設置し、3m/secの一定風速を発生させながら、ポリアルファオレフィン粒子を噴霧し、測定を行った。試験品の上流と下流側のポリアルファオレフィン粒子個数を粒子数計測器Scanning Mobility Particle Sizer(TSI社製Model13936)を使用し、粒子捕集効率を測定した。尚、粒子の捕集効率は数式1を用いて算出した。
質量:JIS L−1018 8.4による。
厚さ:JIS K−7130 3による。
通気性:JIS L1018 8.33による。
比表面積:窒素の吸着等温線を求め、これを基にしてBET法により算出する。
(実施例1)
膜材料を以下の方法で作製した。酢化度55%、6%粘度70×10−3Pa・Sの酢酸セルロース(ダイセル化学工業(株)L―30)を使用し、溶媒はメチルエチルケトンとN、Nジメチルホルムアミドの1:1混合溶液を使用し、固形分濃度が10wt%となるように室温で混合攪拌することにより酢酸セルロース溶液を作製した。この溶液を離型紙(リンテック(株)製)上に流延し、コーティングナイフにより膜厚を調整しながら塗工し、オーブン中で乾燥を行った。70℃で1分間乾燥させた後、120℃で2分間乾燥を行った。得られた膜層の厚みは20μm、質量25g/m2であった。
ガス吸着層として繊維状活性炭織物を以下の方法で作製した。単糸2.2デシテックス20番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる質量85g/m2の平織物を410℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に870℃まで20分間、不活性雰囲気中で加熱し炭化を進行させ、次に水蒸気を12容量%含有する雰囲気中、870℃の温度で2時間賦活した。得られた織物状の繊維状活性炭の質量は、50g/m2、比表面積1400g/m2、厚さ0.40mm、通気性は水位計1.27cmの圧力差で470cm3/cm2・sであった。
シールテープを以下の方法で作製した。バリア層としてはエチレン−ビニルアルコール系供重合体であるクラレ(株)のエバールEF−XLを使用した。エバールEF−XLの厚さは12μm、質量は15g/m2であった。離型紙上へエステル系ポリウレタンのホットメルト層を厚み100μmとなるように塗布し、100℃で乾燥凝固させ後、耐熱層の構成成分である1液型のポリウレタン(サンプレンHMP−17A)と酸化チタンとアセチルブチルセルロースの組成比が100/18/15となるように混合した溶液をホットメルト層へ厚さ30μmとなるように塗工後、乾燥凝固させた。最後に2液のポリウレタン接着剤(サンプレンLQ−120)を介して厚み12μmのバリア層を接着させて、50℃で2日間エージングを行い、積層フィルムとした。その後、離型紙から剥がし、幅20mmとなるようにスリットし、シールテープとした。得られたシールテープの厚みは、150μm、質量179g/m2であった。
評価用のサンプルは、前記膜材料とガス吸着層を、質量20g/m2、メルトインデックス60g/10minの通気性不織布状ホットメルト接着剤(呉羽テック(株)製ダイナック)により接着させた後、この材料2枚を片倒しステッチ縫いで縫い合わせた後、家庭用のアイロンを使用し、接着温度120℃で縫合部にシールテープを接着させた(図5)。この積層サンプルにてガス透過性試験、液浸透性試験及び粒子捕集効率測定を実施した。それぞれの結果を表1〜3に記した。
(実施例2)
実施例1においてシールテープのバリア層に直接エステル系ポリウレタンであるホットメルト樹脂を厚み100μmとなるように塗布し、100℃で乾燥凝固させた。その後、幅20mmとなるようにスリットし、シールテープとした。得られたシールテープの厚みは、110μm、質量120g/m2であった。この素材にてガス透過性試験、液浸透性試験及び粒子捕集効率測定を実施した。それぞれの結果を表1〜3に記した。
(比較例1)
実施例1においてシールテープのバリア層にポリウレタン樹脂を使用したシールテープを作製した。このシールテープを用いて上記積層サンプルの縫い目部をシールした素材にてガス透過性試験、液浸透性試験及び粒子捕集効率測定を実施した。それぞれの結果を表1〜3に記した。
(比較例2)
実施例1においてシールテープを貼らない縫い目部のみのサンプルを作製した。この素材にてガス透過性試験、液浸透性試験及び粒子捕集効率測定を実施した。それぞれの結果を表1〜3に記した。
(比較例3)
上記膜材料とガス吸着層を積層後、高密度織物と通気性不織布状ホットメルト接着剤(呉羽テック(株)製ダイナック)で上記積層サンプルの縫い目部シールした素材にて、ガス透過性試験、液浸透性試験及び粒子捕集効率測定を実施した。それぞれの結果を表1〜3に記した。
実施例1及び実施例2は、ガス透過抑制能、耐液浸透性及び粒子捕集効率に優れ、所望とするシールテープであるのに対し、比較例1はガスの透過抑制能及び耐液性能が無く、比較例2は、ガスの透過抑制能、耐液性能及び粒子捕集効率が低い結果、比較例3についてはガス透過抑制能、耐液浸透性が無い結果であり、所望とするシールテープが得られない結果であった。
本発明のシールテープは、耐薬品性の優れたバリア層を使用することにより、ガス状及び液状の有機化学物質に対して防護できるとともに、さらに有害な微粉塵、エアロゾル等に対する粒子除去性能も高く防護性に優れるシールテープに関するものであり、防護衣服、防護フード、防護手袋、防護シューズ、農業用資材、防護テント、メディカル用品などに利用することができ、産業界に寄与することが大である。
本発明のシールテープを示す斜視図である。 ガス透過性試験法に用いる試験容器を示す概略図である。 液浸透性測定に用いる試験装置の概略図である。 粒子捕集効率測定に用いる試験装置の概略図である。 片倒しステッチ斜視図である。
符号の説明
1:バリア層
2:接着剤
3:耐熱層
4:ホットメルト層
5:上方セル(150cc)
6:サンプリング口
7:試験液
8:試験品
9:パラフィンシーリング
10:下方セル(150cc)
11:おもり(9.8N/cm2)
12:試験液
13:試験品
14:濾紙
15:スライドガラス
16:ブロア
17:粒子発生装置
18:粒子計測器
19:試験品
20:ガス吸着層
21:膜材料
22:縫目
23:シールテープ

Claims (9)

  1. ガス状及び液状の有機化学物質及び人体に有害な微粉塵、エアロゾル等に対して防護性を有するバリア層を具備することを特徴とするシールテープ。
  2. シールテープの厚みが50μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシールテープ。
  3. シールテープの質量が20g/m2以上250g/m2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のシールテープ。
  4. ホットメルト層の厚みが10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシールテープ。
  5. ホットメルト層がエステル系のポリウレタンからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシールテープ。
  6. バリア層の厚みが5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシールテープ。
  7. バリア層がエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシールテープ。
  8. シールテープの保護層として、バリア層に織物、編物または不織布を付与したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシールテープ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のシールテープを用いることを特徴とする防護材料及び防護衣服。
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