JP2008093861A - 微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄いハニカム材層を形成し上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで薄くて細長い無数のシェル(中空体)を一定方向に形成する第2工程と、
上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる、微細シェルによるハニカム構造体の製造方法について、
アスペクト比が5以上の微細シェル(中空体)によるハニカム構造体を製造できるように、上記微細シェルの膨張延伸工程を工夫すること。
【解決手段】
上記第1工程と第2工程と第3工程とからなる微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法について、上記凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態で、ハニカム材による塗布層を形成するとともに上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させ、さらに、ハニカム材を乾燥させること。
【選択図】図3

Description

本発明は、μmオーダー、nmオーダー隔壁厚みのシェル(独立した中空体)によるハニカム構造体(正六角形の中空体が集合したいわゆるハニカム構造体では必ずしもなくて、ほぼ多角形状の中空体が集合した中空構造体。以下同じ)の製造技術に関するものであり、ハニカム構造の高性能フィルターの製造や、ハニカム構造体に機能材料を注入することで、光ファイバープレート(プロジェクターのスクリーン、タッチパネルなど)、電子写真プロセスを用いたプリンターの感光体、ディスプレイ等の微細隔壁を製造するのに利用することができるものである。
この発明に関連する従来技術として、特開2004−118119号公報に記載されているもの、特開平8−112873号公報に記載されているものがあり、さらに、特開平10−80964号公報に記載されているものがある。
上記特開2004−118119号公報のものは、プラスチック光ファイバーアレーの製造方法に関するものであり、
コア表面が滑らかであって光伝送損失の非常に少ない光ファイバーアレーを簡易な製造装置で短時間で作製でき、低コスト化を図れるようにすることが課題であり、図5に示すように、液体状の未硬化UV硬化性樹脂2に、複数の棒が平行に配列された櫛状成形品1を上から挿入してその棒端部をほぼ同時に上記樹脂2に接触させた後に引き上げ、これに伴って引き上げられた樹脂を硬化させることにより、複数のコア部4を同時に形成し、このコア部4全体を未硬化UV硬化性樹脂(クラッド用樹脂溶液)6に漬けてから取り出してクラッド層を形成し、このクラッド層形成品7を未硬化で低粘性の熱硬化性樹脂8とともに容器9に入れ、その後に容器9ごと加熱して全体を硬化させ、保護部を形成し、然る後に櫛状成形品1部を含む両端部を切断し、断面を研磨して仕上げを行うものである。
また、特開平8−112873号公報に記載されているものは、発泡体の製造方法に関するものであり、軽量性、断熱性及び圧縮強度に優れた発泡体を能率的に製作できるようにすることを目的とし、図6に示すように、シート状発泡体は、水平断面形状が格子状の熱可塑性樹脂体の各四角形状の中空部内に、熱可塑性樹脂高発泡体(発泡倍率が20倍)が熱可塑性樹脂体と一体的に形成されているものである。
さらに、特開平10−80964号公報に記載されているものは、ハニカム構造体の製造方法に関するものであり、強度及び透明性が高く、経時的にも品質の安定なハニカム構造体及びその製造方法を提供することをその課題とし、
樹脂中に多角柱形状のシェル(中空体。以下同じ)を3次元的に高密度に配設してなり、これらシェルをシェル壁間に接合部を設けることなしに形成するものである。上記シェルは、樹脂中に発泡性物質を3次元的に規則正しく配置した後に、該発泡性物質を発泡させることによって3次元的に形成されるものである。
他に、先行技術として、特開2006−26929、特願2005−262202号、特願2005−322493号に記載されているものがある。
〔従来技術の問題点〕
たとえば、プラスチック光ファイバーアレーの製造方法において、アレイ状に光ファイバーを一本一本並べる従来の方式では非常に生産性が悪いので、特開2004−118119号公報のもののように、液体状の未硬化UV硬化性樹脂2に、複数の棒が平行に配列された櫛状成形品1を上から挿入してその棒端部をほぼ同時に上記樹脂2に接触させた後に引き上げ、これに伴って引き上げられた樹脂を硬化させ、これをコア部とし、その周りにクラッド部を形成することでプラスチック光ファイバーアレーを簡易に早く作る方法が提案された。しかし、これは紡伸方式によるものであるため、引き上げるにつれてコア部が細ってしまい、光利用効率が低いプラスチック光ファイバーアレーしか得られない。
そこで、この発明は、上記従来技術とは逆に先にクラッド部を延伸形成し、その空間にコア部注入しプラスチック光ファイバーアレーを得るという基本思想によるものである。
ところが、上記の基本思想によると、クラッド部(ハニカム構造)の加工方法に問題がある。すなわち、従来のハニカム構造の加工方法として、特公昭56−34780号公報に示すように、プラスチックを逃がし穴がある加熱プラテンに挿入し、加熱加圧後に加熱プラテンを開き、プラスチックを延伸させることでハニカム形状を得るものであるが、これによると、プラスチックを用いているために隔壁が厚いものに成らざるを得ないという欠点がある。
他方、特開平8−112873号公報に記載されているもの、特開平10−80964に記載されているものにおいても、熱可塑性プラスチックを用いているために同様の問題があった。薄膜を製作する方法は、シャボン玉に代表されるように界面活性剤を含んだ水を延伸させる方法であり、数nm〜数μmの薄膜の制作が可能である。これは、静電反発力や疎水基間相互作用やマランゴニー効果によるものである(プラスチックにはこの効果は無い)ので、乾燥するにつれて前記効果は薄れ、ついには薄膜が崩壊してしまう。
また、独立した密閉空間を密に配置しておいてこの密閉空間を一気に発泡膨張させることが重要である。逆に言えば、一つずつ発泡させても決してハニカム形状は形成されず、気泡が球体になってしまう。特開平8−112873号公報のもの、あるいは特開平10−80964号公報のものでは、加熱発泡が試みられているが、温度が均一でないと発泡時間が場所によってばらつくので、きれいなハニカム構造にはならない。特公昭56−34780号公報のものでは、プラテンを開く動作の延伸力でハニカム形状を形成しているが、これも粘度が均一になるように制御することが重要であり、これが容易でない。
以上のような種々の課題を解決するために、上記先行技術の特願2005−262202号の発明(微細ハニカム構造体と光ファイバープレート)、特願2005−322493号の発明(ハニカム構造体又は微細複合部品の製造方法)は発明されたものである。この先行技術の発明は、隔壁の厚みが薄くて微細なシェルによるハニカム構造体を得るために、界面活性剤入り水溶液中に気泡を配列させ、同時に一斉に膨張させ、この形状が崩壊しないように乾燥させる方法を用いている。そして、特に同時に膨張させる手段として、凹形状の独立空間を設けることや外側の雰囲気圧力を制御する手段を用い、また、発泡体の形状が崩壊しないように乾燥させる方法して、温度変化でゾル/ゲルに変化するゼラチン水溶液をハニカム材として用い、一旦ゲル化し剛性を高めてから乾燥する方法を用いている。
〔先行技術〕
上記先行技術の具体例を説明する。この先行技術は図1(a)、(b)に示すようなものであり、例えば、38μmで千鳥状に配置された多数の微少凹部23を有する第1基板Aの上面に、供給装置25から供給されたハニカム材(ゼラチンで45℃)をスピンコートして、例えば厚さ10μmの薄いハニカム材層Bを形成し、このハニカム材層Bで上記凹部を密閉する。その後、温度制御装置22の設定温度を20℃に下げてハニカム材の粘度を高め、圧力制御装置24を0.003Mpaに減圧する。ハニカム材層の粘度を高めた状態で圧力制御室24を減圧させて凹部23内の気体を膨張させることによって、各凹部23の気体が上方へ膨張して(横方向へは相互干渉のために膨張しない)、図1(b)に示すように、ハニカム材層Bによるハニカム構造体30が形成される(図1−1参照)。このハニカム構造体30を第1基板Aから取り外すと、ハニカム構造体が取り出される。
上記従来例のハニカム構造体30は、各シェル31の寸法が例えばφ35μm、高さ120μm、隔壁厚みが3μmである。
特開2004−118119号公報 特開平8−112873号公報 特開平10−80964号公報 特願2005−262202号の公開公報 特願2005−322493号の公開公報
上記先行技術によってピッチが35μm、直径が120μm、アスペクト比が約3.5のシェルによるハニカム構造体を製作することができる。しかし、これ以上のアスペクト比(シェルの直径と高さの比)を達成することはできない。その理由は次の原因1、原因2があるからである。
原因1は次のとおりである。
アスペクト比が約3.5までは図1(c)のように無数の独立気泡を成長させることが可能である。この場合、外側雰囲気が減圧され、ハニカム材が延伸されて上記シェルが成長してゆくにつれて、その粘度が変化し、その変化が各部分で異なるので、粘度が不均一になってくる。このために、第1基板Aの凹部23上で成長する各シェルの高さが凹部23の径の約4倍に達すると、図1のa、b、cで示すように、個々のシェルの成長度合いに違いを生じ、その結果、各シェル(中空体)が徐々に***してしまう。
原因2は次のとおりである。
かろうじて***せずにハニカム構造体が形成されたとしても、乾燥工程ではハニカム材にこれをつぶす方向に重力が作用しており、乾燥までの間に、ハニカム構造体の保形力が低下するにつれて重力に押されて崩されてしまう。このために、先行技術では、アスペクト比が5倍以上のハニカム構造体を製作することはできない。
他方、先行技術を用いれば、光ファイバープレートの製造コストが著しく低減され、また、高い形状精度の製品が成形されることが期待されるので、先行技術を用いて光ファイバプレートを製造することが期待される。
しかし、先行技術を用いて光ファイバープレート(プロジェクターのスクリーン、タッチパネルなど)を製造するには、その強度や解像度を勘案すると、アスペクト比が5以上であることが必要であるから、先行技術で高精度の光ファイバープレートを製造することはできない。
そこで、本願の発明は、独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄いハニカム材層を形成し上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで薄くて細長い無数のシェル(中空体)を一定方向に形成する第2工程と、
上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる、微細シェルによるハニカム構造体の製造方法について、
アスペクト比が5以上の微細シェル(中空体)によるハニカム構造体を製造できるように、上記微細シェルの膨張延伸工程を工夫することをその課題とするものである。
これら、上記第1基板の外側雰囲気を減圧して上記シェルを成長させてハニカム構造体を形成させるときの各シェルの***や乾燥させる時のハニカム構造体の崩壊を防ぐのに、重力や遠心力を効果的に利用するようにしたものであり、その手段は次のとおりである。
〔手段1〕
手段1は、
独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄い塗布材層を形成し上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで薄くて微細なシェルを一定方向に形成する第2工程と、
上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法について、
(イ)上記凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態で、ハニカム材による塗布層を形成するとともに上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させ、さらに、ハニカム材を乾燥させることである。
〔手段2〕
手段2は、
独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄い塗布材層を形成し上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで薄くて微細な無数の中空体を一定方向に形成する第2工程と、
上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法について、
上記凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態でハニカム材による塗布層を形成し、
上記第1基板を水平面内で高速回転させて上記凹部が形成された面を遠心力の作用方向に向けた状態で上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させ、またハニカム材を乾燥させることである。
〔手段3〕
そして、手段3は、上記手段1、手段2について、上記第1基板の外側雰囲気を減圧して上記密閉空間のガス圧力でハニカム材を延伸させて上記微細シェルを形成させることである。
〔手段4〕
さらに、手段4は、
上記手段3について、上記柱状構造体の外周に近接して支持体を配置し、上記シェル形成時に上記ハニカム構造体を外側から支えて保形することである。
1.手段1による発明
手段1による発明は、その第1基板の上記凹部について、当該凹部を重力の作用方向に向けて配置しているので、上記凹部とハニカム材層とによる密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させて微細なシェルを伸長させるとき、その伸長方向が重力の作用方向であるので、伸張されたシェルは引っ張り方向に重力を受けて圧縮方向に重力を受けず、また、相対的にガス圧を容器凹部方向に受けるので、微細なシェルを高いアスペクト比になるまで成長させることができる。
2.手段2による発明
手段2による発明は、その第1基板の該凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態でハニカム材層を形成し、
上記第1基板を水平面内で回転させて上記凹部が形成された面を遠心力の作用方向に向けた状態にし、この状態で上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させるから、その伸長方向が重力の作用方向ではなくて遠心力の作用方向である。したがって、成長したシェルは引っ張り方向に遠心力を受け、圧縮方向には力を受けないので、シェルを高いアスペクトまで成長させることができる。遠心力による引っ張り作用でシェルの伸張が助勢されるので、一層速やかに高精度のハニカム構造体が成形される。
なお、上記シェル(中空対)は垂直方向への重力を受けた状態で水平方向に伸長するが、遠心力によるの垂直分力が上記重力に抗して作用するので、全体が重力で引っ張られて変形することはない。
3.手段3による発明
手段3による発明は、外側雰囲気を減圧して上記密閉空間のガス圧力でハニカム材を延伸させて上記の微細なシェルを伸長させるものであるから、極めて高密度に配置され、かつ、ハニカム材の隔壁で隔離された多数の独立空間を同時に、極めて容易・迅速に、可及的に均等に形成することができ、また、減圧によって速やかに乾燥される。
4.手段4の発明
上記無数の微細なシェルによるハニカム構造体の外周に近接して支持体を配置し、上記シェルが形成される時に上記ハニカム構造体を外側から支えて保形するから、延伸成形直後の微細なシェルによるハニカム構造体が外側から支えられ、またその形状を保ったまま硬化するので、より形状精度が高いハニカム構造体が製造される。
〔実施例1〕
次いで、図2,図3を参照して実施例1を説明する。
この実施例1の第1基板Aは、その材料がシリコーンゴムであり、温度制御装置22の下面に固定されている。そして、第1基板の下面に半球状の凹部23が設けられている。この凹部23は千鳥状に配置されており、その直径は180μmで、ピッチは200μmである。そして、第1基板の下面にハニカム材がスピンコートされ、そのハニカム材層Bで上記凹部23を被覆して密閉している。
この実施例におけるハニカム材層Bの材料はゼラチン(商品名「ゼライス」)を精製水で5倍に希釈し、界面活性剤(ここでは、ドデシル硫酸ナトリウムを使用)を1wt%添加したものであり、そのゾル/ゲルの変位温度は38℃近傍である。
温度制御装置22、圧力制御装置24は、図1に示す先行技術と違いはなく、その各部分の機能も違いはない。すなわち、温度制御装置22は、第1基板A,ハニカム材層Bの温度を制御するものであり、これによってハニカム材層Bの粘度(ゾルとゲル)を加減するものであり、具体的には電気抵抗加熱器であって加熱速度は1℃/秒程度である。また、圧力制御装置24は第1基板Aの外側雰囲気圧力を加減して、上記凹部23による密閉空間内のガス膨張を制御するものであり、その減圧によってハニカム材を延伸させて微細なシェルを成長させ、その加減によってハニカム構造の寸法(シェルの伸張高さ)を制御する装置であり、また、ハニカム材の乾燥を促進するものでもある。
温度制御装置22の下面に支持体40を設けてあり、この支持体40はハニカム構造体の成形領域に近接して囲ってあり、その高さは、ハニカム構造体の高さよりも十分に高い。
上記支持対40は、断熱性、気密性に優れたものであることが望ましいので、この実施例では、厚さ10mmのステンレス鋼で作られている。
図1(a)に示す先行技術と同様の材料吐出装置で第1基板Aの下面に温度45℃のハニカム材を吐出し、スピンコートして厚さ30μmのハニカム材層Bを形成する。
圧力制御装置24で装置内圧力(第1基板Aの外側の雰囲気圧力)を、0.1MPaに制御し、また、温度制御装置(具体的には電気式カートリッジヒータ)22で第1基板Aを38℃に加熱する。
第1基板Aの温度をハニカム材がゲル化する温度に下げた後に装置内を減圧する。この例では、温度制御装置22の設定温度を20℃に下げた後、圧力制御装置24で装置内圧力を0.01 MPaへ減圧する。この減圧によって、上記凹部23の密閉空間内ガスの体積膨張が始まる。このとき、隣接した凹部23の密閉空間は同時に膨張して各シェルが成長を開始するが、このシェルの横への広がりは互いに制限されるので下方へのみ膨張して無数のシェル31aが同時に伸張し、この無数のシェル31aによるハニカム構造体30aが形成されてゆく。上記凹部23は下向きで、シェル31aに作用する重力の方向に向いており、そのため、各シェル31aが重力で均等に引っ張られる。したがって、各シェルにはこれを伸張させる方向の力だけが作用するので、これを圧縮する方向の力は作用せず、各シェルは速やかにかつ均等に伸張する。それゆえ、全てのシェルが***することなしにより大きく伸張する。
また、第1基板に近接して支持体40が配置されている。このため、個々のシェル31aが伸張してハニカム構造体が成長する間はその外形が上記支持体40で支えられてハニカム構造体が崩壊することが抑制され、また、ハニカム構造体を形作っているハニカム材は、その形状を保持しながら乾燥されて固化する。したがって、この間にハニカム構造体が崩壊することは支持体40によって回避される。
成形されたハニカム構造体30aが乾燥して硬化したとき、ハニカム構造体30aが圧力制御装置24から取り出される。
この実施例1では膨張開始から3分後に取り出し、その後すぐにハニカム構造体30aを第1基板Aから分離させたが、分離されたハニカム構造体30aは十分に乾燥して硬化されていて形崩れはなく、また、十分な強度を有していた。なお、ハニカム構造体の各シェル31aの寸法は、直径φが200μm、高さ1000μm、隔壁の厚さが10μmであった。
〔実施例2〕
次いで、図4を参照して実施例2を説明する。
この実施例2は遠心力を応用したハニカム構造体の製造装置の例である。遠心力を発生させるための装置を除き、その構成および動作は実施例1と違いがない。
旋回軸50から半径方向外方に延びている旋回アーム51に水平ピン52でキャリヤ53が吊り下げられている。そして、キャリヤ53に温度制御装置22が固定されており、また、この温度制御装置22に第1基板Aが装着されている。
旋回軸50を旋回させてキャリヤ53を旋回させ、これによって第1基板Aに遠心力を作用させる。ハニカム材層31aの温度を下げ、圧力制御装置24を減圧して、これによって凹部23による密閉空間を膨張させて、多数の微細なシェルを同時に成長させ、ハニカム構造体を形成させる。
ハニカム材層Bの厚さや温度、凹部23による密閉空間の膨張過程での温度制御、圧力制御室24の減圧操作などは実施例1と基本的には違いがない。
第1基板に係る遠心力の大きさは、重力とほぼ等しい程度でよいが、重力の1.0〜1.5倍の範囲で適宜選択するのがよい。遠心力を大きくして圧力制御室の減圧程度を低減し、また、ハニカム材の温度を下げて粘度を下げることもできる。
遠心力が大き過ぎるとシェルの成長が急激すぎて、その形成精度が安定せず、極端な場合は、シェル自体が遠心力で破壊される恐れもある。
シェルの直径の大きさ、高さ、ハニカム材の材質等によって最適な遠心力は異なるので、個々のハニカム構造材のシェルの直径、高さ等に応じて、温度、減圧速度、圧力などとの兼ね合いで、最適値に制御すればよい。
因みに、この実施例2では、旋回アームの長さが100mmで、旋回速度は95rpmであり、遠心力の大きさは、ほぼ重力の1.0倍である。
図4(a)の状態から旋回軸が回転を開始し、徐々に加速して行くにつれて、キャリヤ53が水平ピン52を支持点として外側に振られて、図4(b)示すようにほぼ水平状態になり、この水平状態で高速で旋回される。この状態で、第1基板Aにほぼ重力相当の遠心力を作用させつつ圧力制御室24を減圧して、上記凹部23による密閉委空間を膨張させて、シェルを成長させる。全ての無数のシェルにその長手方向の張力が均等に作用し、これらを均等に引っ張る。
旋回軸50の回転速度を加減することによって上記遠心力が加減される。
(a)は、先行技術のハニカム構造体製造装置を模式的に示す正面図、(b)は図(a)のハニカム構造体製造装置によってハニカム構造体を成形した状態の断面図、(c)は先行技術によるハニカム構造体の製造方法の問題点を模式的に示す断面図である。 は、先行技術のハニカム構造体製造方法で製造されたハニカム構造体の斜視図である。 は実施例1の断面図である。 はハニカム構造体が成形された状態の実施例1の断面図である。 (a)は実施例2の正面図、(b)はハニカム構造体を形成している状態を示す正面図である。 (a)〜(f)は、従来技術の説明図である。 (a)(b)(c)は他の従来技術の説明図である。
符号の説明
A:第1基板
B:ハニカム材層
22:温度制御装置
23:凹部
24:圧力制御装置
25:供給装置
30,30a:ハニカム構造体
31,31a:シェル
40:支持体
50:旋回軸
51:旋回アーム
52:水平ピン
53:キャリヤ

Claims (4)

  1. 独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄いハニカム材層を形成し、上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
    上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで微細な無数のシェルを一定方向に形成する第2工程と、
    上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる微細シェルによるハニカム構造体の製造方法であって、
    上記凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態で、当該面にハニカム材層を形成するとともに上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させ、さらに、ハニカム材を乾燥させることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 独立した微少凹部を密に設けた第1基板の上面にハニカム材を塗布して薄いハニカム材層を形成し上記凹部を密閉して密閉空間にする第1工程と、
    上記密閉空間内のガスを膨張させて上記ハニカム材を延伸させることで微細な無数のシェルを一定方向に形成する第2工程と、
    上記ハニカム材を乾燥させる第3工程とからなる微細なシェルによるハニカム構造体の製造方法であって、
    上記凹部が形成された面を重力の作用方向に向けた状態で当該面にハニカム材層を形成し、
    上記第1基板を水平面内で高速回転させて上記凹部が形成された面を遠心力の作用方向に向けた状態で上記密閉空間内のガスを膨張させてハニカム材を延伸させ、またハニカム材を乾燥させることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  3. 上記第1基板の外側雰囲気を減圧して上記密閉空間のガス圧力でハニカム材を延伸させて上記の微細なシェルを伸長させることを特徴とする請求項1乃至請求項2のハニカム構造体の製造方法。
  4. 上記ハニカム構造体の外周に近接して支持体を配置し、上記シェルを成長させてハニカム構造体を成形する時に当該ハニカム造体を上記支持体で外側から支えて保形することを特徴とする請求項3のハニカム構造体の製造方法。
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