JP5589316B2 - 中空構造体の製造方法 - Google Patents
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図10は従来の微細中空構造(片側開口)の製造方法を示す図である。図10(a)凹部53を複数配置した第1基板52の上にゼラチン水溶液51を塗布して周囲を減圧する。図10(b)基板凹部53とゼラチン層の間に保持されたガスの圧力によってゼラチン膜が基板の垂直方向に延伸して、図10(c)減圧下で乾燥、冷却されることによってハニカム状中空構造体を形成する。図10(d)基板52に対向する面には薄い天井膜が形成されるため、この面を開口するために、室温より高い例えば温度30℃、湿度80−90%の加湿加温容器56内に室温(例えば20℃)に置いていた中空構造体を入れる。中空構造物58は温度が低いため結露する。図10(e)結露した中空構造物58の天井部は水溶液化して剛性が低下し、表面張力のために自己収縮が起こり開口する。特に天井中央部の隔壁が薄いため、薄い中央部から開口が始まる。狙いの開口形状となるように結露時間を調整し、開口を止めるために加湿加温容器から取り出し、乾燥を行う。天井部厚み0.05μmでは20秒で開口した。
また、特許文献2には、ハニカム中空構造体及びその製造方法に関する技術が開示されており、強度及び透明性が高く、経時的にも品質の安定な中空構造体及びその製造方法を提供するものであり、樹脂中に多角柱形状のセルを3次元的に高密度に充填してなり、これらセルを、セル壁間に接合部を設けずに形成するものであり、セルは、樹脂中に発泡性物質を3次元的に規則正しく配置した後に該発泡性物質を発泡させることにより、3次元的に形成されるものである。しかし、これは引き上げて引き伸ばす方式によるものであるので、引き上げるにつれてコア部が細り、中空構造の壁面厚を薄く一定に保つことができない。即ち、発泡工程においては、独立した空間を配置し、同時に発泡膨張させることが重要である。なぜなら、一つずつ発泡させると各気泡が球形になってしまい、全体がハニカム形状にならないからである。上記の特許文献1及び2では、加熱発泡を試みているが、この方法による場合は、温度が均一でないと発泡時間が場所毎にばらつき、そのためにきれいなハニカム中空構造にはならないといった問題がある。
また、特許文献4には、隔壁の厚みが薄く微細で細長いハニカム構造を得るため、所定の条件で塑性変形機能を有する第1素材にて、所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の上記凹部に空間が生じるように同第1基版の表面を覆う第1工程と、該空間のガス圧力にて複数同時に該第1素材を膨張延伸させることで薄く細長い中空体を多数個一定方向に形成する第2工程とからなる微細なハニカム構造体の製造方法が開示されている。
逆に、第1基板の凹部開口が大きいと、第1基板上を第1素材で覆う際に、凹部内に第1素材が入りやすくなり、上記凹部に生じる空間の大きさをそろえることが難しくなる。 この空間の大きさがばらついたり、空間を第一素材が埋めてしまうと空間内の気体の膨張量が変わるので、その部分に形成される中空構造の高さや壁の厚みやハニカム形状が変化し、一様な構造体をつくることができない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、所定の条件で塑性変形機能を有する第1素材にて、所望の位置に所定の凹部を複数配置した第1基板の凹部に空間が生じるように表面を覆った後、該空間のガス圧力にて複数同時に第1素材を膨張延性させることで薄く細長い中空体(後に第2素材を注入する箇所)を複数個一定方向に形成し、その状態で中空体の各セル上面を除いた隔壁部分を選択的に固めることにより、上下両側に開口を有する微細な中空構造体を中空構造体形成の工程内で安定して迅速に形成することができる中空構造体の製造方法を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を、紫外線照射にて硬化する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、前記第2工程において、前記第1素材を前記第1基板と所定形状の遮光パターンを有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、前記第3工程において、前記第2基板の遮光パターンを介して紫外線照射することにより得られた前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分固化させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を、冷却にて固化する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、前記第2工程において、冷却にて固化する第1素材を前記第1基板と所定形状のパターン状の加熱手段を有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、前記第3工程において、前記第2基板のパターン状の加熱手段に触れた部分以外の第1素材を固化させることにより得られた前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分固化させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記第2基板に所定形状の撥水性の表面を有するパターンが形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記第2基板に所定形状の撥油性の表面を有するパターンが形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、所定の独立した凹部を複数配置し前記各凹部に遮光パターンを形成した第1基板と、所定の条件下で塑性変形する第1素材を有する第2基板と、を用意し、前記第1素材にて前記第1基板の凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、前記第3工程において、前記第1基板側から紫外線照射することで、前記第2工程にて前記第1素材を膨張延伸させることで形成した前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分硬化させることを特徴とする。
また、紫外線照射にて硬化する第1素材を上記第1基板と所定形状の遮光パターンを有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、第2基板の遮光パターンを介して紫外線照射することによって、得られた中空体を部分硬化させるので、上下に開口を持つ中空構造を直接形成することができる。これによって形成後に天井膜の除去加工を行うなどの後処理工程を必要とせず、安価に安定して次工程の充填物注入に適した微細な中空構造体を得ることができる。また、天井膜を開口した形で中空構造をつくることができるので、中空構成材料とは特性が異なった材料で中空部を封止して用いることができ、ディスプレイなどの開口面に適した低電気抵抗の透明素材などで直接封止面を形成することができる。また、中空構造体の開口部を直接透明電極板と接合することも可能である。
また、冷却にて固化する第1素材を上記第1基板と所定形状のパターン状の加熱手段を有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、第2基板のパターン状の加熱手段の部分に触れた第1素材を冷却固化させることによって、得られた中空体を部分固化させるので、上下に開口を持つ中空構造を直接形成することができる。これによって形成後に天井膜の除去加工を行うなどの後処理工程を必要とせず、安価に安定して次工程の充填物注入に適した微細な中空構造体を得ることができる。また、天井膜を開口した形で中空構造をつくることができるので、中空構成材料とは特性が異なった材料で中空部を封止して用いることができ、ディスプレイなどの開口面に適した低電気抵抗の透明素材などで直接封止面を形成することができる。
また、上記第2基板に所定形状の撥油性の表面を有するパターンが形成されているので、上下に開口を持つ中空構造を直接形成することができる。これによって形成後に天井膜の除去加工を行うなどの後処理工程を必要とせず、安価に安定して次工程の充填物注入に適した微細な中空構造体を得ることができる。また、天井膜を開口した形で中空構造をつくることができるので、中空構成材料とは特性が異なった材料で中空部を封止して用いることができ、ディスプレイなどの開口面に適した低電気抵抗の透明素材などで直接封止面を形成することができる。
また、遮光パターンと凹部位置は一致しているため、毎回それら遮光パターンと凹部の位置合わせをすることなく、中空構造体の天井膜を除く部分のみを硬化することができる。
図1は本発明の実施例1に係る中空構造体の製造方法の工程を説明する図である。
図1(a):凹部5を複数配置した第1基板4の上に未硬化の紫外線硬化樹脂に界面活性剤を加えた素材3をスリットコート、あるいはスピンコート法などで塗布して周囲を減圧する。
図1(b):基板凹部5と紫外線硬化樹脂の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う紫外線硬化樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造を形成する。
図1(c):ここで選択的硬化手段2として、選択的に紫外線を照射することが可能な紫外線描画装置を用いて、微細な中空構造の基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂を選択的に硬化させることができる。ここで紫外線描画装置としては、ラスター光学系を用いたスキャン方式でも良いし、マスクを介した紫外線露光方式でも良い。
図1(d):中空構造の天井部は硬化させないので開口部となる。この方法によって、対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造を形成することができる。この方法では開口の大きさを容易に調節することが可能なので、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。
図2(a):凹部5を複数配置した第1基板4の上に未硬化の紫外線硬化樹脂に界面活性剤を加えた素材をスリットコート、あるいはスピンコート法などで塗布して、その上に遮光パターン8を有する第2基板7として紫外線透過ガラス板を載せて上記材料層を挟んだ状態で第2基板7のパターンと第1基板凹部5のアライメントを行った後、周囲を減圧する。このとき、材料は上記ガラス板の上に薄く塗ってから上記第一基板4とで挟んでも良い。素材としてここでは紫外線硬化樹脂としてウレタンアクリレートAQ17(荒川化学工業製)、反応開始剤としてIrgacure500、界面活性剤としてノベックFC4430を用いている。
図2(b):基板凹部5と紫外線硬化樹脂の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う紫外線硬化樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造物9を形成する。
図2(c):ここで遮光パターン8を有する第2基板7を介して紫外線10を照射することによって微細な中空構造物9の基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂を選択的に硬化させることができる。
図2(d):中空構造物9の天井部は硬化させないので開口部となる。この方法によって、対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造物6を形成することができる。高さ50μm、ピッチ150μm、隔壁厚み5μmの中空構造物6を形成するのに紫外線照射時間は数秒あれば十分であり、減圧容器の減圧速度にもよるが、減圧−硬化−常圧復帰の工程で10秒以内で対向する上下面に開口を有する中空構造を形成することが可能である。この方法では開口の大きさを容易に調節することが可能なので、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。
図3(a):凹部5を複数配置した第1基板4の上に溶媒に溶けた樹脂、あるいは溶媒に分散した樹脂素材をスリットコート、あるいはスピンコート法などで塗布して、その上に溶媒を透過可能なパターン11を有する第2基板7として紫外線透過ガラス板を載せて上記材料層を挟んだ状態で第2基板7のパターンと第1基板凹部5のアライメントを行った後、周囲を減圧する。このとき、材料は上記ガラス板の上に薄く塗ってから上記第一基板4とで挟んでも良い。素材としてここでは水分散ウレタン樹脂を用いている。
図3(b):基板凹部5と紫外線硬化樹脂の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う紫外線硬化樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造物9を形成する。
図3(c):ここで水を透過可能なパターン8を有する第2基板7を介してウレタン素材中の水分を蒸発させることによって、パターン位置に対応した微細な中空構造の基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂を選択的に固化させる。
図3(d):中空構造物9の天井部は硬化させないので開口部となる。この方法によって、対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造物6を形成することができる。固化が遅いので上下面に開口を有する中空構造6を形成することが可能である。この方法では開口の大きさを容易に調節することが可能なので、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。ここで第2基板のシートは、濾過などに用いられるマイクロメッシュシートに対して、部分的に水分を透過しない樹脂パターンを印刷するなどの方法で形成することができる。
図4(a):凹部5を複数配置した第1基板4の上にある温度以上で粘度が下がる樹脂素材を加熱した状態で塗布して、パターン状の加熱手段13を有する第2基板7を載せて材料層を挟んだ状態で第2基板7のパターンと第1基板凹部5のアライメントを行った後、速やかに周囲を減圧する。このとき、材料は上記ガラス板の上に薄く塗ってから上記第一基板4とで挟んでも良い。素材としてここでは低密度ポリエチレン樹脂を用いている。 図4(b):基板凹部5と樹脂素材の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造を形成する。
図4(c):ここでハニカム状中空構造の天井膜に相当する部分のパターンを粘度が下がる温度以上に加熱することによってその部分の冷却固化が妨げられ、基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂から先に冷却固化させることができる。
図4(d):天井部分が溶融した状態で第2基板7を固化した構造体から離すことによって、対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造物6を形成することができる。これによって、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。ここで第2基板のシートは、濾過などに用いられるマイクロメッシュシートに対して、部分的に水分を透過しない樹脂パターンを印刷するなどの方法で形成することができる。
図5(a):凹部5を複数配置した第1基板4の上に未硬化の紫外線硬化樹脂に界面活性剤を加えた素材をスリットコート、あるいはスピンコート法などで塗布して、その上に第2基板7として撥水性の表面パターン14を有する紫外線透過ガラス板を載せて上記材料層を挟んだ状態で第2基板7のパターンと第1基板凹部5のアライメントを行った後、周囲を減圧する。このとき、材料は上記ガラス板の上に薄く塗ってから上記第一基板4とで挟んでも良い。素材としてここでは紫外線硬化樹脂としてポリエチレングリコールジアクリレートPEG400DA(ダイセル社製)、反応開始剤としてIrgacure500、界面活性剤としてノベックFC4430を用いている。
図5(b):基板凹部5と紫外線硬化樹脂の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う紫外線硬化樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造物9を形成する。
図5(c):ここで第2基板7の撥水性表面パターン14部分では紫外線硬化樹脂が濡れ難いので、樹脂の延伸が進むにつれて第2基板7の撥水性表面パターン部14で樹脂がはじかれ、この状態で第2基板7を介して紫外線10を照射することによって、微細な中空構造の基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂を選択的に硬化させることができる。
図5(d):対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造物6を形成することができる。高さ50μm、ピッチ150μm、隔壁厚み5μmの中空構造を形成するのに紫外線照射時間は数秒あれば十分であり、減圧容器の減圧速度にもよるが、減圧−硬化−常圧復帰の工程で10秒以内で対向する上下面に開口を有する中空構造を形成することが可能である。この方法では開口の大きさを容易に調節することが可能なので、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。
図6(a):凹部5を複数配置した第1基板の上に未硬化の紫外線硬化樹脂に界面活性剤を加えた素材をスリットコート、あるいはスピンコート法などで塗布して、その上に第2基板として撥油性の表面パターン15を有する紫外線透過ガラス板を載せて上記材料層を挟んだ状態で第2基板7のパターンと第1基板凹部5のアライメントを行った後、周囲を減圧する。このとき、材料は上記ガラス板の上に薄く塗ってから上記第1基板4とで挟んでも良い。素材としてここでは紫外線硬化樹脂としてエポキシアクリレートAQ9(荒川化学工業製)、反応開始剤としてIrgacure500、界面活性剤としてノベックFC4430を用いている。
図6(b):基板凹部5と紫外線硬化樹脂の間に保持されたガスの圧力によって中空部の気体が膨張し、これを覆う紫外線硬化樹脂が互いに規制し合いながら基板面垂直方向に延伸して微細なハニカム状の中空構造物9を形成する。
図6(c):ここで第2基板7の撥水性表面パターン15部分では紫外線硬化樹脂が濡れ難いので、樹脂の延伸が進むにつれて第2基板7の撥水性表面パターン部で樹脂がはじかれ、この状態で第2基板を介して紫外線10を照射することによって、微細な中空構造の基板に垂直に立った隔壁部分の樹脂を選択的に硬化させることができる。
図6(d):対向する上下面に開口を有するハニカム状の微細な中空構造物6を形成することができる。高さ50μm、ピッチ150μm、隔壁厚み5μmの中空構造を形成するのに紫外線照射時間は数秒あれば十分であり、減圧容器の減圧速度にもよるが、減圧−硬化−常圧復帰の工程で10秒以内で対向する上下面に開口を有する中空構造を形成することが可能である。この方法では開口の大きさを容易に調節することが可能なので、中空構造内に電気泳動分散液などの別素材を注入する際に、注入を容易に確実に安定して行うことができる。
図8は本発明の実施例7に係る中空構造体の製造方法の工程を説明する図である。本発明では、紫外線にて硬化する素材3と、凹部に遮光パターン8を有する第1基板4を用い、減圧による素材の膨張変形時に該第1基板4側から紫外線照射することで、中空体6を部分硬化させる方法である。なお、遮光パターン8は、全反射光のみ中空構造物9内を透過出来るような構成となっている。即ち、フィルムは、中空体となる紫外線にて硬化する素材3とそれを保持する第二基板7からなる。尚、素材3は図2,5,6と同様である。また、第1基板4は、紫外線を透過する材料からなり、各凹部に遮光パターン8を有する構造からなる。第1基板4の具体的材料は石英ガラスおよびシリコーン樹脂である。遮光パターン8は紫外線を透過しない材料なら何でも良い。ここでは、カーボンまたは銅を用いた。遮光パターン加工方法は、塗布、メッキ、蒸着等既存の方法にて加工出来る。また、減圧装置は、減圧容器1と減圧機(図示していない)からなり、減圧容器内の圧力を制御する。また、紫外線照射装置は、図示していないが、紫外線を照射する装置である。
図8(a):フィルムを第一基板に密着させ、減圧容器内に置く。
図8(b):減圧容器内の圧力を低下させ、相対的に素材3を膨張変形させ、中空構造物9を形成する。
図8(c):第一基板の下側(フィルムとは反対側)から紫外線を照射し、選択的に素材3を硬化させ中空構造物9を得る。
図8(d):減圧容器内から第一基板4とフィルム(第二基板7+中空構造物9)を取り出し、第二基板7を中空構造物9から剥がし取る。このとき、未硬化の中空構造物9は第二基板7と一緒に分離され、硬化した中空構造物9は第一基板4へ残る。
図8(e):第一基板4から中空構造物6を剥がし取る。
尚、(d)と(e)は順番が逆になっても良い。これにより、遮光パターンと凹部位置は一致しているため、図2〜6のように毎回それら遮光パターンと凹部の位置合わせをすることなく、中空構造体の天井膜を除く部分のみを硬化することができる(=上下両側開口を有する中空構造体の製造することができる)。
以上、本発明の実施形態では、図2(c)のように、遮光パターン8を有する第2基板7を介して紫外線10を照射して中空構造物9を得たり、図8(c)のように、第一基板の下側(フィルムとは反対側)から紫外線を照射し、選択的に素材3を硬化させて中空構造物9を得る例を説明したが、これに限らず、遮光パターンの位置に応じて紫外線を照射する方向を任意に変更しても構わないのは云うまでもない。
Claims (7)
- 所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を所定の条件下で塑性変形する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、
前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、
該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、
前記第3工程において、選択的に紫外線を照射することが可能な選択的硬化手段を用いて、前記第2工程にて前記第1素材を膨張延伸させることで形成した前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を選択的に固化させることを特徴とする中空構造体の製造方法。 - 所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を、紫外線照射にて硬化する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、
前記第2工程において、前記第1素材を前記第1基板と所定形状の遮光パターンを有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、前記第3工程において、前記第2基板の遮光パターンを介して紫外線照射することにより得られた前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分固化させることを特徴とする中空構造体の製造方法。 - 所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を、乾燥にて固化する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、
前記第2工程において、乾燥にて固化する第1素材を前記第1基板と所定形状の微細通気孔パターンを有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、前記第3工程において、前記第2基板の微細通気孔パターンを介して液体成分を蒸発させることにより得られた前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分固化させることを特徴とする中空構造体の製造方法。 - 所望の位置に所定の独立した凹部を複数配置した第1基板の表面を、冷却にて固化する第1素材にて前記凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、
前記第2工程において、冷却にて固化する第1素材を前記第1基板と所定形状のパターン状の加熱手段を有する第2基板とで挟み込んだ状態で膨張延伸を行い、前記第3工程において、前記第2基板のパターン状の加熱手段に触れた部分以外の第1素材を固化させることにより得られた前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分固化させることを特徴とする中空構造体の製造方法。 - 前記第2基板に所定形状の撥水性の表面を有するパターンが形成されていることを特徴とする請求項2、3、又は4に記載の中空構造体の製造方法。
- 前記第2基板に所定形状の撥油性の表面を有するパターンが形成されていることを特徴とする請求項2、3、又は4に記載の中空構造体の製造方法。
- 所定の独立した凹部を複数配置し前記各凹部に遮光パターンを形成した第1基板と、所定の条件下で塑性変形する第1素材を有する第2基板と、を用意し、
前記第1素材にて前記第1基板の凹部に空間が生じるように覆う第1工程と、前記空間のガス圧力にて複数同時に前記第1素材を膨張延伸させることで中空体を複数個一定方向に形成する第2工程と、該中空体の所定の箇所を選択的に固化する第3工程と、を有し、
前記第3工程において、前記第1基板側から紫外線照射することで、前記第2工程にて前記第1素材を膨張延伸させることで形成した前記中空体の隔壁部分における前記第1基板に対して垂直方向に伸びる隔壁部分を部分硬化させることを特徴とする中空構造体の製造方法。
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